JP7247516B2 - エマルジョン組成物 - Google Patents

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本発明は、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物に関する。
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性等に優れていることから、塗料、インク、接着剤、各種コーティング剤として紙、プラスチックス、フィルム、金属、ゴム、エラストマー、繊維製品等に幅広く使用される。ポリカーボネートポリオールを原料としたポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得られる塗膜は、耐光性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性、耐油性に優れることが知られている(特許文献1)。
ポリカーボネートポリオールを原料としたポリウレタン樹脂エマルジョンにおいて、柔軟性を向上させるため、1分子中に酸性基と水酸基を1つ有する化合物を含む原料からなるポリウレタンプレポリマーと、アミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有する鎖延長剤とを反応させて得られるポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されている水性ポリウレタン樹脂分散体が知られている(特許文献2)。ポリエーテルポリオールを原料とした水性ポリウレタン樹脂を塗布して得られる塗膜は柔軟性、耐加水分解性、耐湿熱性に優れていることが知られている(特許文献3)。
インク用バインダー用途として、耐擦過性と耐薬品性を向上させるため、アニオン性基と、側鎖にポリエチレンオキサイド鎖とを有する水性ウレタン樹脂組成物を使用する方法が開示されている(特許文献4)。ポリウレタン樹脂エマルジョンの繊維製品用途としては、布生地の表面コーティング、捺染インク用バインダーとしての利用も挙げられる。繊維製品用途のコーティング物及び捺染物には、布生地の柔軟な風合いを阻害しないための塗面の柔軟性、摩擦堅牢性、耐洗濯性、製品を畳んだ際の張付き防止、及び肌に張り付かない滑り性の風合いを提供するためのタックフリー性が要求される。また、ポリウレタン樹脂特有のさらっとした表面質感も要求される特性の1つである。
捺染インク用のポリウレタン樹脂エマルジョンに関し、顔料捺染物の摩擦堅牢度、耐洗濯性、耐ドライクリーニング性、ストレッチバック性を向上させるためポリウレタン樹脂エマルジョンにシリコーンエマルションをブレンドしバインダーとして使用する方法が開示されている(特許文献5)。また、インクの長期安定性、並びに印捺物の耐擦性及び柔軟性のいずれにも優れたインクジェット捺染用インク組成物を提供するため、ウレタン樹脂エマルジョン、エマルジョン型シリコーン化合物、及び水を含有するインクジェット捺染用インク組成物が開示されている(特許文献6)。
特開平10-120757号公報 WO2014/103689 WO2015/194672 特開2011-140560号公報 特開平2-91280号公報 特開2013-194222号公報 特開2007-332523号公報 特開2009-215506号公報
接着ハンドブック 第4版 編者:日本接着学会
しかしながら、柔軟性及びタックフリー性は相反する課題であり(非特許文献1)、これら両方の特性に優れた塗膜を与える水性ポリウレタン樹脂エマルジョンは提案されていなかった。また、ポリウレタン樹脂エマルジョンをバインダーとする顔料捺染用のインク組成物を使用する場合、該バインダー樹脂の乾燥固着によって水に不溶性の樹脂膜が形成し、スクリーン紗の目詰まり等の問題を引き起こすことがあった(特許文献7)。加えて、顔料捺染用のインク組成物を布生地に印刷して得られる捺染物は、引張りにより、塗膜面の破断やひび割れといった問題を引き起こすことがあった(特許文献8)。
本発明の課題は、柔軟性、タックフリー性を保ちつつ、引っ張りにより塗膜面が割れることが低減された下地追従性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物を提供することである。
本発明者らは、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールに由来する構造を含む第一のポリウレタン樹脂、又は、(b’)ポリオール(但し、(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、前記(b’)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造とを含む第二のポリウレタン樹脂である、エマルジョン組成物により、前記課題が解決することを見出した。
本発明は、以下に関する。
[1]ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂が、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造を含む、エマルジョン組成物。
[2]ポリウレタン樹脂が、更に、(b)ポリオール(但し、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール及び(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含む、[1]のエマルジョン組成物。
[3](b)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造、及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構造を含む、[2]のエマルジョン組成物。
[4](b)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造を含む、[2]のエマルジョン組成物。
[5]ポリウレタンウレタン樹脂において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の含有率が、0.5~20質量%である、[1]~[4]のいずれかのエマルジョン組成物。
[6]ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂が、(b’)ポリオール(但し、(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、
前記(b’)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造とを含む、エマルジョン組成物。
[7]エマルジョン組成物の固形分全量に対して、アクリル樹脂の割合が0.1~90質量%である、[1]~[6]のいずれかのエマルジョン組成物。
[8]アクリル樹脂のガラス転移温度が15℃以下である、[1]~[7]のいずれかのエマルジョン組成物。
[9]更に、シリコーンを含む、[1]~[8]のいずれかのエマルジョン組成物。
[10]シリコーンがアクリルシリコーン樹脂エマルジョンである、[9]のエマルジョン組成物。
[11]エマルジョン組成物の固形分全量に対して、シリコーンの割合が、0.5~30質量%である、[7]又は[8]のエマルジョン組成物。
[12][1]~[11]のいずれかのエマルジョン組成物を含む、インク。
[13][1]~[11]のいずれかのエマルジョン組成物を含む、捺染用インク。
[14][1]~[11]のいずれかのエマルジョン組成物を含む、スクリーン印刷捺染用インク。
本発明により、柔軟性及びタックフリー性を保ちつつ、引っ張りにより塗膜面が割れることが低減された下地追従性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物が提供される。
[エマルジョン組成物]
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、
(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造を含む第一のポリウレタン樹脂、又は、
(b’)ポリオール(但し、(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、かつ、前記(b’)ポリオールが、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造とを含む第二のポリウレタン樹脂である。
エマルジョン組成物が、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むことにより、前記エマルジョン組成物を用いて被捺染物を捺染した場合、捺染物の柔軟性を維持したままで、捺染物の表面のタック性が低減される。また、エマルジョン組成物の塗膜が柔軟性を有するため、塗布下地の柔軟な風合いを阻害しない。エマルジョン組成物の塗膜がタックフリー性を有するため、塗面の張付きが抑制される、又は肌で触れた際の張付きの抑制された風合いが得られる。また、捺染インクがエマルジョン組成物を含むことにより、捺染インクの乾燥固着によるスクリーン紗の目詰まりが抑制される。加えて、エマルジョン組成物は、更に、バインダー樹脂として使用した際の水洗浄性に優れる。
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及び水系媒体を含むことが好ましい。エマルジョン組成物においては、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂が、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されていてもよく、ポリウレタン樹脂がアクリル樹脂を内包する形で分散されていてもよく、これらの組合せであってもよい。ここで、「ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂が、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されている」とは、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂とが完全に分離・独立して水性媒体中に分散している状態を意味する。また、「内包」とは、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂とが完全に分離・独立して水性媒体中に分散している状態以外を広く意味する。具体的には、アクリル樹脂の一部又は全部がポリウレタン樹脂に包含されている状態を意味し、より具体的には、複合樹脂水性分散体に分散している複合樹脂粒子において、ポリウレタン樹脂の中にアクリル樹脂の一部又は全部が存在していることを意味する。このとき、複合樹脂粒子中のアクリル樹脂の存在位置は、特に限定されず、中心付近又は中心付近からずれた任意の位置に、単一又は複数に分離して存在していても構わない。エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂が、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されていることが好ましい。この場合、エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含む。
(水系媒体)
水系媒体としては、水又は水と有機溶媒との混合物が挙げられる。水としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられるが、入手が容易であることや、粒子が不安定になる原因となる塩の影響が少ないこと等の観点から、イオン交換水であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、β-アルコキシプロピオンアミド(KJケミカルズ製KJCMPA(R)-100、KJCMBPA(R)-100)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂は、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造を含む第1のポリウレタン樹脂、又は、(b’)ポリオール(但し、(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、かつ、前記(b’)ポリオールが、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造とを含む第2のポリウレタン樹脂である。
<第1のポリウレタン樹脂>
第1のポリウレタン樹脂は、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールに由来する構造を含む。第1のポリウレタン樹脂は、更に、任意の構造として、(b)ポリオール(但し、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール及び(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造と、(f)末端停止剤由来の構造とを含むことができる。なお、第1のポリウレタン樹脂が、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造を有する場合、更に、(d’)中和剤の部分が対イオンとして存在していてもよい。第1のポリウレタン樹脂において、前記した構造は、複数種の組合せであってもよい。
(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールに由来する構造とは、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造を意味する。(b)~(d)等に由来する構造についても、(a)と同様である。(e)鎖延長剤由来の構造とは、(e)鎖延長剤の分子構造のうち、鎖延長化反応に関与する基以外の部分構造を意味する。(f)末端停止剤由来の構造とは、(f)末端停止剤の分子構造のうち、ウレタン化反応及び/又は鎖延長反応を停止する反応に関与する基以外の部分構造を意味する。(a)~(f)に由来する構造は、それぞれ(a)~(f)によって、ポリウレタン樹脂に導入される。
<<(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール>>
(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール(本明細書において、「(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール」を、「(a)」という場合がある。)としては、特に制限されないが、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体又は、ポリエチレンオキサイド鎖の片末端に水酸基を2個有する基を有するポリオールが挙げられ、ポリエチレンオキサイド鎖の片末端に水酸基を2個有する基を有するポリオールが好ましく、トリメチロールプロパンの1つの水酸基がメトキシ(ポリ)エチレンオキシ基(CHO(CHCHO)-(式中、mは1以上である))に置き換わったポリオールであることがより好ましく、下記式(1)で示される構造を有するポリオールであることが特に好ましい。(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールの市販品としては、Ymer N120(パーストープ製)、Tegomer D-3403(エヴォニック製)等が挙げられる。
Figure 0007247516000001

(式(1)中、nは、19~21である。)
(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールは、複数種の組合せであってもよい。
<<(b)ポリオール(但し、(a)及び(d)を除く)>>
(b)ポリオール(本明細書において、「(b)ポリオール」を、「(b)」という場合がある。)は、1分子中に2つ以上の水酸基を有するポリオールであれば特に限定されない。そのような(b)ポリオールとしては、例えば、(b1)ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール(例えば、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリジエンポリオール、低分子量ジオール等)等が挙げられる。
(b)ポリオールは、複数種の組合せであってもよい。例えば、(b)ポリオールは、1種類の(b1)ポリカーボネートポリオールと、2種以上のポリエーテルポリオールとを含んでいてもよい。
<<<(b1)ポリカーボネートポリオール>>>
(b1)ポリカーボネートポリオールは、分子中にカーボネート結合を有するポリオールであれば特に限定されず、1分子中のカーボネート結合の平均数以下の数のエーテル結合及び/又はエステル結合を含有していてもよい。そのような(b1)ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジオール等のポリオールモノマーがカーボネート結合したものが挙げられる。
(b1)ポリカーボネートポリオールは、例えば、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得ることができる。製造が容易な点及び末端塩素化物の副生成がない点から、(b1)ポリカーボネートポリオールは、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。
(b1)ポリカーボネートポリオールの原料としては、例えば、脂肪族ポリオールモノマー、脂環式構造を有するポリオールモノマー、芳香族ポリオールモノマー、ポリエステルポリオールモノマー、ポリエーテルポリオールモノマーが挙げられる。
脂肪族ポリオールモノマーとしては、例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール等の分岐鎖状脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコールが挙げられる。
主鎖に脂環式構造を有するポリオールとしては、例えば、主鎖に炭素数5~12の脂環式基を有するポリオール等が挙げられる。このような主鎖に脂環式構造を有するポリオールとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘプタンジオール、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン、2,7-ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、イソソルビド等の主鎖に脂環式構造を有するジオールが挙げられる。
芳香族ポリオールモノマーとしては、例えば、1,4-ベンゼンジメタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,2-ベンゼンジメタノール、4,4’-ナフタレンジメタノール、3,4’-ナフタレンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールモノマーとしては、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のヒドロキシカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール、アジピン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のジカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の芳香族炭酸エステル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状炭酸エステル等が挙げられる。その他に、ポリカーボネートポリオールを生成することができるホスゲン等も使用できる。中でも、ポリカーボネートポリオールの製造のしやすさから、脂肪族炭酸エステル、環状炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが特に好ましい。
ポリオールモノマー及び炭酸エステルからポリカーボネートポリオールを製造する方法としては、例えば、反応器中に炭酸エステルと、この炭酸エステルのモル数に対して過剰のモル数のポリオールモノマーとを加え、常圧下、温度160~200℃で12時間反応させた後、更に6.7kPa以下の圧力において200~220℃で数時間反応させる方法が挙げられる。上記反応においては副生するアルコールを系外に抜き出しながら反応させることが好ましい。その際、炭酸エステルが副生するアルコールと共沸することにより系外へ抜け出る場合には、過剰量の炭酸エステルを加えてもよい。また、上記反応において、チタニウムテトラブトキシド等の触媒を使用してもよい。
<<<ポリエーテルポリオール>>>
ポリエーテルポリオールは、分子中にエーテル結合を有するポリオールであれば特に限定されず、1分子中のエーテル結合の平均数未満の数のカーボネート結合及び/又はエステル結合を含有していてもよい。ポリエーテルポリオールは、例えば、環状エーテルの開環重合やエポキシ化合物の開環重合により得られる、アルキレン基がエーテル結合したものであることが好ましい。このようなポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキル側鎖を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、及びこれら2種以上の共重合体等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールの主鎖の炭素数は、特に限定されないが、入手容易性の観点から主鎖の炭素数は2~4であることが好ましい。ポリウレタン樹脂の吸水による耐水性低下を抑制する観点から、ポリウレタン樹脂の酸素原子の含有量は少ない方が望ましい。よって、ポリエーテルポリオールの主鎖の炭素数は、3~4であることがより好ましく、4であることが特に好ましい。よって、ポリエーテルポリオールは、主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格の含有量が最も大きいポリエーテルポリオールであることが好ましく、ポリエーテルポリオールは、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールであることが特に好ましい。
<<<ポリエステルポリオール>>>
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンアジペート)ジオール、1,6-へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等のポリエステルジオールが挙げられる。
<<<その他のポリオール>>>
その他のポリオールとは、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリエステルポリオール以外のポリオールである。その他のポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリジエンポリオール、低分子量ポリオール(好ましくは、低分子量ジオール)等が挙げられる。
低分子量ポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、60以上400未満であることが好ましい。低分子量ポリオールとしては、低分子量ジオール及び一分子中に3以上のヒドロキシ基を有する低分子量ポリオール(「低分子量多価アルコール」ともいう。)が挙げられる。低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の炭素数2~9の脂肪族ジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7-ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン等の炭素数6~12の脂環式構造を有するジオール等が挙げられる。低分子量多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
<<<(b)ポリオールの特性>>>
(b)ポリオールの数平均分子量は、400~8,000であることが好ましく、400~4,000であることがより好ましい。(b)ポリオールの数平均分子量がこの範囲にあることで、適切な粘度及び良好な取り扱い性が得られ、更に(c)ポリイソシアネートとの反応性が充分なものとなることから、ポリウレタンプレポリマー製造容易性、効率化等が向上する。また得られたポリウレタン樹脂のソフトセグメントとしての性能の確保が容易であり、強靭な塗膜が得られるという利点を有する。更に、得られたポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物を用いて塗膜を形成した場合に、割れの発生を抑制し易い。本明細書において、数平均分子量は、JIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1,000×価数)/水酸基価[mgKOH/g]で算出する。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数である。
<<<(b)ポリオールの好ましい態様>>>
柔軟性及び耐加水分解性に優れるエマルジョン組成物を得る観点から、(b)ポリオール由来の構造が、ポリカーボネートポリオール由来の構造及び/又は主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構造を含むことが特に好ましい。また、柔軟性により優れるエマルジョン組成物を得る観点から、(b1)ポリカーボネートポリオールは、分岐鎖状脂肪族ジオールをモノマー成分とするポリカーボネートポリオールであることが好ましい。
<<(c)ポリイソシアネート>>
(c)ポリイソシアネート(本明細書において、「(c)ポリイソシアネート」を、「(c)」という場合がある。)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。
<<<芳香族ポリイソシアネート>>>
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
<<<脂肪族ポリイソシアネート>>>
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
<<<脂環式ポリイソシアネート>>>
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
(c)ポリイソシアネートは、1分子当たりイソシアナト基を2個有するものを使用することができるが、ポリウレタンプレポリマーがゲル化をしない範囲で、1分子当たりイソシアナト基を3個以上有するポリイソシアネート化合物も使用することができる。塗膜の耐久性が上がる点から、脂環式ポリイソシアネートが好ましく、反応の制御が行いやすいという点から、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)が特に好ましい。
(c)ポリイソシアネートは、複数種の組合せであってもよく、アルファネート、ヌレート等に変性されていてもよい。
<<(d)酸性基含有ポリオール>>
(d)酸性基含有ポリオール(本明細書において、「(d)酸性基含有ポリオール」を、「(d)」という場合がある。)は、分子内に酸性基を少なくとも1個有するポリオールである。酸性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホニル基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。(d)酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸、N,N-ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N-ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4-ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6-ジヒドロキシ-2-トルエンスルホン酸等が挙げられる。入手容易性の観点から、(d)酸性基含有ポリオールは、2個のメチロール基を含む炭素原子数4~12のアルカン酸(ジメチロールアルカン酸)であることが好ましく、2,2-ジメチロールプロピオン酸であることが特に好ましい。
(d)酸性基含有ポリオールは、複数種の組合せであってもよい。
<<(d’)中和剤>>
(d’)中和剤(本明細書において、「(d’)中和剤」を、「(d’)」という場合がある。)は、(d)酸性基含有ポリオールの酸性基を中和することができるものであれば特に限定されず、酸性基の種類等に応じて適宜選択できる。(d’)中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、2-(ジメチルアミノ)-2-メチル-1-プロパノール(DMAP)等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類;アンモニア等が挙げられる。(d’)中和剤は、有機アミン類であることが好ましく、3級アミンであることがより好ましく、トリエチルアミンであることが特に好ましい。
(d’)中和剤は、複数種の組合せであってもよい。
<<(e)鎖延長剤>>
(e)鎖延長剤(本明細書において、「(e)鎖延長剤」を、「(e)」という場合がある。)は、ポリウレタン樹脂末端の鎖延長反応に寄与する成分である。(e)鎖延長剤は、イソシアナト基と反応する基を2つ以上有する化合物であれば特に制限されない。(e)鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,4-テトラメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-ヘキサメチレンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、アジポイルヒドラジド、ヒドラジン、2,5-ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のジオール化合物;ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール類;水等が挙げられる。(e)鎖延長剤は、ポリアミン化合物であることが好ましく、ジアミン化合物であることがより好ましく、1級ジアミン化合物であることが特に好ましい。
(e)鎖延長剤は、複数種の組合せであってもよい。
<<(f)末端停止剤>>
(f)末端停止剤(本明細書において、「(f)末端停止剤」を、「(f)」という場合がある。)は、ポリウレタン樹脂末端のウレタン化反応及び/又は鎖延長反応を停止できる成分である。(f)末端停止剤としては、イソシアナト基と反応する基を1つ有する化合物であれば特に制限されない。イソシアナト基と反応する基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基等が挙げられる。(f)末端停止剤としては、例えば、n-ブチルアミン、ジ-n-ブチルアミン等のモノアミン;エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の1価アルコール等が挙げられる。
(f)末端停止剤は、複数種の組合せであってもよい。
<<第1のポリウレタン樹脂の好ましい態様>>
第1のポリウレタン樹脂は、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造と、(b)ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを有するポリウレタン樹脂であることが好ましい。
<<第1のポリウレタン樹脂の組成>>
第1のポリウレタン樹脂における、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の含有率は、0.5~20質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましく、1~13質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物とすることができる。
第1のポリウレタン樹脂における、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造の含有率は、0.5~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物を得ることができる。
第1のポリウレタン樹脂において、(b)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造を含む場合、(b)ポリオール由来の構造の含有率100質量%に対する、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造の含有率は、10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物を得ることができる。
第1のポリウレタン樹脂において、(b)ポリオール由来の構造が、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構造を含む場合、(b)ポリオール由来の構造の含有率100質量%に対する、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造の含有率は、10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物を得ることができる。
第1のポリウレタン樹脂において、(b)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構造を含む場合、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構造の合計100質量%に対する、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造の含有率は、10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物を得ることができる。
第1のポリウレタン樹脂における、(b)ポリオール由来の構造、(c)ポリイソシアネート由来の構造、(e)鎖延長剤由来の構造、(f)末端停止剤由来の構造及び(d’)中和剤の部分の含有量は、特に制限されない。例えば、後述するポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法における、各成分の使用量となる量が挙げられる。
<第2のポリウレタン樹脂>
第2のポリウレタン樹脂は、(b’)ポリオール(但し、(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、前記(b’)ポリオールが、(b1)ポリカーボネートポリオールと、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールとを含む。第2のポリウレタン樹脂は、任意の構造として、(f)末端停止剤由来の構造とを含むことができる。なお、第2のポリウレタン樹脂は、更に、(d’)中和剤の部分が(d)酸性基含有ポリオールの対イオンとして存在していてもよい。第2のポリウレタン樹脂において、前記した構造は、複数種の組合せであってもよい。
第2のポリウレタン樹脂において、(b1)ポリカーボネートポリオール、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール、(c)ポリイソシアネート、(d)酸性基含有ポリオール、(e)鎖延長剤、及び、(d’)中和剤は、第1のポリウレタン樹脂において前記したとおりである。
第2のポリウレタン樹脂において、(b’)ポリオール(本明細書において、「(b’)ポリオールを、「(b’)」という場合がある。)は、第1のポリウレタン樹脂において前記した(b)ポリオール及び(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールの両方を包含する。よって、第2のポリウレタン樹脂において、(b1)ポリカーボネートポリオール及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール以外の(b’)ポリオールとしては、例えば、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b2)以外のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール(例えば、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリジエンポリオール、低分子量ジオール等)等が挙げられる。これらは、第1の本発明において前記したとおりである。なお、第2のポリウレタン樹脂において、(b’)ポリオールは、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールを含んでいても、含んでいなくてもよい。
<<第2のポリウレタン樹脂の組成>>
第2のポリウレタン樹脂が、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造を含む場合、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の含有率は、0質量%超20質量%以下であることが好ましく、0.5~20質量%であることがより好ましく、1~15質量%であることが更に好ましく、1~13質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物とすることができる。
第2のポリウレタン樹脂における、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造の含有量は、第1のポリウレタン樹脂において上記したとおりである。
第2のポリウレタン樹脂において、(b’)ポリオール由来の構造の含有率100質量%に対する、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造の合計の含有率は、50~100質量%であることが好ましく、60~100質量%であることがより好ましく、70~100質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物を得ることができる。
第2のポリウレタン樹脂において、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構造の合計100質量%に対する、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造の含有率は、10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが特に好ましい。この範囲とすることで、塗膜にした際に柔軟性、タックフリー性、及び下地追従性がより良好なエマルジョン組成物を得ることができる。
第2のポリウレタン樹脂における、(b’)ポリオール由来の構造、(c)ポリイソシアネート由来の構造、(e)鎖延長剤由来の構造、(f)末端停止剤由来の構造及び(d’)中和剤の部分の含有量は、特に制限されない。例えば、後述するポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法における、各成分の使用量となる量が挙げられる。
<ポリウレタン樹脂の特性>
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、25,000~10,000,000であることが好ましく、50,000~5,000,000であることがより好ましく、100,000~1,000,000であることが特に好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したものであり、予め作成した標準ポリスチレンの検量線から求めた換算値を使用することができる。重量平均分子量を25,000以上とすることで、得られるポリウレタン樹脂を含むエマルジョン組成物の乾燥により、良好な塗膜を得ることができる傾向がある。重量平均分子量を10,000,000以下とすることで、エマルジョン組成物の乾燥性を高くすることができる傾向がある。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン>
ポリウレタン樹脂エマルジョンとは、水系媒体にポリウレタン樹脂が分散された、ポリウレタン樹脂の水性分散体である。「ポリウレタン樹脂エマルジョン」は、「水分散型ポリウレタン樹脂」又は「水性ポリウレタン樹脂分散体」ともいわれる。
<<ポリウレタン樹脂エマルジョンの組成>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンにおいて、ポリウレタン樹脂の含有率は、5~60質量%であることが好ましく、15~50質量%であることが特に好ましい。
(ポリウレタン樹脂の製造方法)
ポリウレタン樹脂の製造方法は、ポリウレタン樹脂を含むエマルジョン組成物が得られる方法であれば特に限定されない。例えば、全ての原料を一度に反応させるワンショット法や、イソシアネート末端のポリウレタンプレポリマーを製造した後に鎖延長剤を反応させるプレポリマー法等によってポリウレタン樹脂エマルジョンを製造してもよい。以下、プレポリマー法によるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法の一例について説明する。
プレポリマー法によるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法は、例えば、
ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)であって、
(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールと、(c)ポリイソシアネートと、場合により、(b)ポリオールと、(d)酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(α1)、又は、
(b1)ポリカーボネートポリオール及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールを含む(b’)ポリオールと、(c)ポリイソシアネートと、(d)酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(α2)、
ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(β)、
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を(d’)中和剤を用いて中和する工程(γ)、
ポリウレタンプレポリマーと、(e)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)
を含む。ここで、工程(α)は、更に、得られた(A)ポリウレタンプレポリマーに、(f)末端停止剤を添加する工程を含んでもよい。
<工程(α)>
工程(α)は、工程(α1)又は工程(α2)である。工程(α)が工程(α1)である場合、第1のポリウレタン樹脂のエマルジョンが得られ、工程(α)が工程(α2)である場合、第2のポリウレタン樹脂のエマルジョンが得られる。
工程(α)は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、大気雰囲気下で行ってもよい。
工程(α)における反応温度は、特に制限はないが、40~150℃が好ましく、60~120℃が特に好ましい。反応温度を40℃以上とすることで、原料が十分に溶解し又は原料が十分な流動性を得て、ポリウレタンプレポリマーの粘度を低くして充分な撹拌を行うことができ、反応温度を150℃以下とすることで、副反応が起こる等の不具合を起こさずに、反応を進行させることができる。
工程(α)において、反応性を向上させるために、触媒を用いることもできる。前記触媒としては、例えば、スズ系触媒(トリメチルスズラウリレート、ジブチルスズジラウリレート等)や鉛系触媒(オクチル酸鉛等)、チタン系触媒(チタンテトラブトキシド等)等の金属塩、有機金属誘導体、アミン系触媒(トリエチルアミン、N-エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等)、ジアザビシクロウンデセン系触媒が挙げられる。中でも、反応性の観点から、ジブチルスズジラウリレート、チタンテトラブトキシドが好ましい。
工程(α)における反応は、無溶媒でも有機溶媒を加えて行ってもよい。無溶媒で反応を行う場合には、工程(α)で用いられる原料の混合物が、攪拌性の観点から、液状であることが好ましい。有機溶媒を加えて反応させる場合、使用する有機溶媒としては、水系媒体において前記した有機溶媒が挙げられる。アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルは、ポリウレタンプレポリマーを水に分散し、鎖延長反応を行った後に加熱又は減圧により除去できるので好ましい。また、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、β-アルコキシプロピオンアミド、ジプロピレングリコールジメチルエーテルは、得られたポリウレタン樹脂エマルジョンから塗膜を作製する際に造膜助剤として働くため好ましい。
<<ポリウレタンプレポリマー>>
工程(α)で得られるポリウレタンプレポリマーの酸価(AV)は、2~40mgKOH/gであることが好ましく、3~30mgKOH/gであることがより好ましく、4~20mgKOH/gであることが特に好ましい。ポリウレタンプレポリマーの酸価を4mgKOH/g以上とすることで、水系媒体への分散性、貯蔵安定性を良くすることができる傾向がある。また、ポリウレタンプレポリマーの酸価を20mgKOH/g以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の塗膜の耐水性を高め、得られる塗膜の柔軟性を高くすることができる傾向があり、塗膜作製時の乾燥性を上げることができる傾向もある。
なお、「ポリウレタンプレポリマーの酸価」とは、ポリウレタンプレポリマーを製造するにあたって用いられる溶媒及び前記ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させるための中和剤を除いた、いわゆる固形分中の酸価を示す。具体的には、ポリウレタンプレポリマーの酸価は、下記式(3)によって導き出すことができる。
〔ポリウレタンプレポリマーの酸価〕=〔((d)酸性基含有ポリオールのミリモル数)×((d)酸性基含有ポリオール1分子中の酸性基の数)〕×56.11/〔(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオール、(d)酸性基含有ポリオール、及び(c)ポリイソシアネートの合計の質量〕・・・(3)
<<工程(α1)における原料の使用量>>
工程(α1)において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオールと、(d)酸性基含有ポリオールと、(c)ポリイソシアネートとから、ポリウレタンプレポリマーを得る場合には、(a)、(b)、及び(d)を順不同で(c)と反応させてもよく、同時に反応させてもよい。
工程(α1)において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールの使用量は、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールと、(c)ポリイソシアネートと、(b)ポリオールと、(d)酸性基含有ポリオールと、(e)鎖延長剤と、(f)末端停止剤との全量100質量部(以下「(a)~(f)の合計100質量部」ともいう。)に対して、0.01~20質量部であることが好ましく、0.1~15質量部であることがより好ましく、0.5~10質量部であることが更に好ましく、1.0~3.0質量部であることが特に好ましい。(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールの使用量を0.01質量部以上とすることで、ポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得た塗膜の柔軟性を高くしたり、インクの洗浄性を高くすることができ、20質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物を塗布して得た塗膜のタックフリー性がより高くなる傾向がある。また、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物を塗布して得た塗膜の耐水性を高くすることができ、得られる塗膜の柔軟性も良好にすることができる傾向がある。
なお、ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法において、(b)ポリオール、(d)酸性基含有ポリオール、(e)鎖延長剤及び/又は(f)末端停止剤が用いられない場合は、含有量及び含有比の計算における前記存在しない成分の含有量は0質量部となる。
工程(α1)において、(a)~(f)の合計100質量部に対する、(b)ポリオールの使用量は、20~90質量部であることが好ましく、30~80質量部であることがより好ましく、50~80質量部であることが特に好ましい。(b)ポリオールの使用量を20質量部以上とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性を高くすることができる傾向があり、90質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の貯蔵安定性が向上する傾向がある。
工程(α1)において、(b1)ポリカーボネートポリオールが用いられる場合、(b)ポリオール100質量部に対する、(b1)ポリカーボネートポリオールの使用量は、10~90質量部であることが好ましく、20~80質量部であることがより好ましく、30~70質量部であることが特に好ましい。(b1)ポリカーボネートポリオールの使用量を30質量部以上とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性を高くすることができる傾向があり、70質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の貯蔵安定性が向上する傾向がある。
工程(α1)において、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールが用いられる場合、(b)ポリオール100質量部に対する、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールの使用量は、10~90質量部であることが好ましく、20~80質量部であることがより好ましく、30~70質量部であることが特に好ましい。(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールの使用量を30質量部以上とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の貯蔵安定性が向上する傾向があり、90質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性を高くすることができる傾向がある。
工程(α1)において、(b1)ポリカーボネートポリオール及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールが用いられる場合、(b1)ポリカーボネートポリオール及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールの合計100質量部に対する、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールの使用量は、0.5~99.5質量部であることが好ましく、80~20質量部であることがより好ましく、60~40質量部であることが特に好ましい。このような量であると、ポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得た塗膜の柔軟性がより高くなる傾向がある。
工程(α1)において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオール、(d)酸性基含有ポリオールの全水酸基のモル数に対する、(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数の比(以下、「第1のNCO/OH比」ともいう。)は、1.05~2.5であることが好ましく、1.1~2.0であることがより好ましく、1.2~1.8であることが特に好ましい。
第1のNCO/OH比を1.05以上とすることで、分子末端にイソシアナト基を有しないポリウレタンプレポリマーの量が少なくなり、鎖延長剤と反応しない分子が少なくなる。これにより、ポリウレタン樹脂エマルジョンの貯蔵安定性が確保しやすくなる。
第1のNCO/OH比を2.5以下とすることで、反応系内に残る未反応の前記ポリイソシアネートの量が少なくなり、(c)ポリイソシアネートと前記鎖延長剤が効率的に反応し、水と反応による望まない分子伸長を起こしにくくなるため、貯蔵安定性が向上する。更に、第1のNCO/OH比を2.5以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性が高くなる傾向がある。
工程(α1)において、(a)~(f)の合計100質量部とした場合に、(c)ポリイソシアネートの量は、上記モル比の条件を満たす範囲で、及びの種類又は量に合わせて適宜設定することができる。
工程(α1)において、(a)~(f)の合計100質量部に対する、(d)酸性基含有ポリオールの使用量は、0.5~10質量部であることが好ましく、1~5質量部であることが特に好ましい。(d)酸性基含有ポリオールの使用量を0.5質量部以上とすることで、得られる水性ポリウレタン樹脂の水系媒体中への分散性が良好になる傾向があり、10質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性が高くなる傾向がある。また、エマルジョン組成物を塗布して得た塗膜の耐水性を高くすることができ、得られる塗膜の柔軟性も良好にすることができる傾向がある。
工程(α1)において、(f)末端停止剤の割合は、所望するポリウレタンプレポリマーの分子量等に応じて適宜決定することができる。
また、工程(α1)において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオール、及び(d)酸性基含有ポリオールの合計の水酸基当量数(以下、「総水酸基当量数1」ともいう。)は、100~1,000であることが好ましい。総水酸基当量数1がこの範囲であれば、乾燥性、増粘性が上がりやすく、ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造が容易であり、硬度の点で優れた塗膜が得られやすい。更に、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の貯蔵安定性、乾燥性と塗布して得られる塗膜の硬度の観点から、総水酸基当量数1は、200~900であることがより好ましく、300~800であることが更に好ましく、500~800であるであることが特に好ましい。
水酸基当量数は、以下の式(1)及び(2)で算出することができる。
各ポリオールの水酸基当量数=各ポリオールの分子量/各ポリオールの水酸基の数(フェノール性水酸基は除く)・・・(1)
ポリオールの総水酸基当量数=M/ポリオールの合計モル数・・・(2)
ポリウレタン樹脂の場合、式(2)において、Mは、[〔ポリカーボネートポリオールの水酸基当量数×ポリカーボネートポリオールのモル数〕+〔酸性基含有ポリオールの水酸基当量数×酸性基含有ポリオールのモル数〕]+〔ポリエチレンオキサイド鎖含有ポリオールの水酸基当量数×ポリエチレンオキサイド鎖含有ポリオールのモル数〕]を示す。
工程(α1)において、有機溶媒の使用量は、(b)ポリオールと、(d)酸性基含有ポリオールと、(a)ポリエチレンオキサイド鎖含有ポリオールと、(c)ポリイソシアネートとの全量に対して質量基準で、0.1~2.0倍であることが好ましく、0.15~0.8倍であることが特に好ましい。
<<工程(α2)における原料の使用量>>
工程(α2)において、(b1)ポリカーボネートポリオール及び(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールを含む(b’)ポリオールと、(d)酸性基含有ポリオールと、(c)ポリイソシアネートとから、ポリウレタンプレポリマーを得る場合には、(b’)及び(d)を順不同で(c)と反応させてもよく、同時に反応させてもよい。
工程(α2)において、(b1)ポリカーボネートポリオールと(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールとの合計100質量部に対する、(b1)ポリカーボネートポリオールの使用量は、0.5~99.5質量部であることが好ましく、80~20質量部であることがより好ましく、60~40質量部であることが特に好ましい。このような量であると、ポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得た塗膜の柔軟性がより高くなる傾向がある。
工程(α2)において、(b’)ポリオールの合計100質量部に対する、(b1)ポリカーボネートポリオールと(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオールとの合計の使用量は、50~100質量部であることが好ましく、60~100質量部であることがより好ましく、70~100質量部であることが特に好ましい。
工程(α2)において、(b’)ポリオールの使用量は、(b’)ポリオールと、(c)ポリイソシアネートと、(d)酸性基含有ポリオールと、(e)鎖延長剤と、(f)末端停止剤との全量100質量部(以下「(b’)~(f)の合計100質量部」ともいう。)に対して、20~90質量部であることが好ましく、30~80質量部であることがより好ましく、50~80質量部であることが特に好ましい。(b’)ポリオールの使用量を20質量部以上とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性を高くすることができる傾向があり、90質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の貯蔵安定性が向上する傾向がある。
なお、工程(α2)において、(f)末端停止剤が用いられない場合は、含有量及び含有比の計算における(f)末端停止剤の含有量は0質量部となる。
工程(α2)において、(b’)ポリオール、(d)酸性基含有ポリオールの全水酸基のモル数に対する、(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数の比(以下、「第2のNCO/OH比」ともいう。)は、1.05~2.5であることが好ましく、1.1~2.0であることがより好ましく、1.2~1.8であることが特に好ましい。
第2のNCO/OH比を1.05以上とすることで、分子末端にイソシアナト基を有しないポリウレタンプレポリマーの量が少なくなり、鎖延長剤と反応しない分子が少なくなる。これにより、ポリウレタン樹脂エマルジョンの貯蔵安定性が確保しやすくなる。
第2のNCO/OH比を2.5以下とすることで、反応系内に残る未反応の前記ポリイソシアネートの量が少なくなり、(c)ポリイソシアネートと前記鎖延長剤が効率的に反応し、水と反応による望まない分子伸長を起こしにくくなるため、貯蔵安定性が向上する。更に、第2のNCO/OH比を2.5以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性が高くなる傾向がある。
工程(α2)において、(b’)~(f)の合計100質量部とした場合に、(c)ポリイソシアネートの量は、上記モル比の条件を満たす範囲で、及びの種類又は量に合わせて適宜設定することができる。
工程(α2)において、(b’)~(f)の合計100質量部に対する、(d)酸性基含有ポリオールの使用量は、0.5~10質量部であることが好ましく、1~5質量部であることが特に好ましい。工程(α2)において、(d)酸性基含有ポリオールの使用量を0.5質量部以上とすることで、得られる水性ポリウレタン樹脂の水系媒体中への分散性が良好になる傾向があり、10質量部以下とすることで、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の乾燥性が高くなる傾向がある。また、エマルジョン組成物を塗布して得た塗膜の耐水性を高くすることができ、得られる塗膜の柔軟性も良好にすることができる傾向がある。
工程(α2)において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオール、及び(d)酸性基含有ポリオールの合計の水酸基当量数(以下、「総水酸基当量数2」ともいう。)は、100~1,000であることが好ましい。総水酸基当量数2がこの範囲であれば、乾燥性、増粘性が上がりやすく、ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造が容易であり、硬度の点で優れた塗膜が得られやすい。更に、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物の貯蔵安定性、乾燥性と塗布して得られる塗膜の硬度の観点から、総水酸基当量数2は、200~900であることがより好ましく、300~800であることが更に好ましく、500~800であるであることが特に好ましい。水酸基当量数2は、水酸基当量数1と同様に求めることができる。
工程(α2)において、有機溶媒の使用量は、(b’)ポリオールと、(d)酸性基含有ポリオールと、(c)ポリイソシアネートとの全量に対して質量基準で、0.1~2.0倍であることが好ましく、0.15~0.8倍であることが特に好ましい。
<工程(β)>
工程(β)において、水系媒体中にポリウレタンプレポリマーを分散させる方法としては、特に制限されないが、例えば、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている水系媒体中に、ポリウレタンプレポリマーを添加する方法、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されているポリウレタンプレポリマーに水系媒体を添加する方法等を適宜採用できる。
<工程(γ)>
工程(γ)において、(d’)中和剤の使用量は、(d)酸性基含有ポリオールの合計モル数の0.5~1.7倍であることが好ましく、0.6~1.3倍であることがより好ましく、0.7~1.2倍であることが特に好ましい。この範囲内とすることで、分散性が良好となる。なお、ポリウレタン樹脂の酸性基のモル数は、基本的にはポリウレタン樹脂を得る際に用いた酸性基含有ポリオールのモル数に、酸性基含有ポリオール1分中の酸性基の数を掛けた数字である。また、中和剤のモル数は、ポリウレタン樹脂エマルジョンに添加した中和剤のモル数である。
<工程(δ)>
工程(δ)において、ポリウレタンプレポリマーと(e)鎖延長剤との反応は、冷却下でゆっくりと行ってもよく、必要に応じて60℃以下の加熱条件下で反応を促進して行ってもよい。冷却下における反応時間は、例えば、0.5~24時間とすることができ、60℃以下の加熱条件下における反応時間は、例えば、0.1~6時間とすることができる。なお、鎖延長は水によっても行うことができるため、工程(β)における水系媒体が水である場合、分散媒としての水が(e)鎖延長剤を兼ねることになる。
工程(δ)において、(e)鎖延長剤の使用量は、得られるポリウレタンプレポリマー中の鎖延長起点となるイソシアナト基に対して、当量以下であることが好ましく、0.7~0.99当量であることが特に好ましい。イソシアナト基の当量以下の量で鎖延長剤を添加することで、鎖延長されたウレタンポリマーの分子量を低下させず、得られたポリウレタン樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物を塗布して得た塗膜の強度を高くすることができる傾向がある。
<好ましい態様>
工程(β)と工程(γ)は、いずれを先に行ってもよい。即ち、工程(α)で得られたポリウレタンプレポリマーを水系媒体に分散させた後に中和剤を加えてもよく、工程(α)で得られたポリウレタンプレポリマーに中和剤を加えた後に水系媒体に分散させても良い。中和剤を水系媒体に分散させた分散媒を予め用意し、当該分散媒に工程(α)で得られたポリウレタンプレポリマーを水系媒体に入れることで、工程(β)と工程(γ)を同時に行うこともできる。
工程(β)と、工程(γ)とは、いずれを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。また、工程(β)と、工程(δ)は、同時に行ってもよい。即ち、鎖延長剤は、ポリウレタンプレポリマーの水系媒体への分散後に添加してもよく、分散中に添加してもよい。更に、工程(γ)と、工程(δ)は、同時に行ってもよい。分散安定性が向上する点からは、工程(β)を行った後に、工程(δ)を行うことが好ましい。また、工程(β)と、工程(γ)と、工程(δ)は、同時に行ってもよい。
ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法は、工程(α);次いで、工程(β)及び(γ);次いで、工程(δ)により、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得る製造方法であることが好ましい。
また、ポリウレタン樹脂エマルジョンは、例えば、WO2014/103689、WO2015/194671、WO2015/194672、WO2015/033939に記載された方法と同様の方法により製造することができる。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を含む繰り返し単位からなるポリマーを含む。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。なお、アクリル樹脂は、アクリルシリコーン樹脂を含まないものとする。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、15℃以下であることが好ましく、-80℃~15℃であることがより好ましく、-65℃~-3℃であることが更に好ましく、-55℃~-15℃であることが特に好ましい。また、アクリル樹脂のTgは、-55℃~-20℃であってもよい。アクリル樹脂のTgが15℃以下であると、柔軟性がより優れる。
<アクリル樹脂エマルジョン>
アクリル樹脂エマルジョンとは、水系媒体にアクリル樹脂が分散された、アクリル樹脂の水性分散体である。「アクリル樹脂エマルジョン」は、「水分散型アクリル樹脂」又は「水性アクリル樹脂分散体」ともいわれる。
アクリル樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、以下が挙げられる。
高圧ガス工業株式会社製:ペガール862(Tg:-10℃)、ペガール751(Tg:25℃)、LC6154(Tg:64℃)、昭和電工株式会社製:ポリゾールAP-3900(Tg:10℃)、AP-1020(Tg:23℃)、AP-4735、TI-3052、SE-4210E(Tg:-50℃)、日本カーバイド工業株式会社製:ニカゾールFX5697H(Tg:-60℃)、FX3750(Tg:-30℃)、FX2138Y(Tg:-17℃)、FX2555A(Tg:-17℃)、FX2033(Tg:8℃)、FX2018(Tg:29℃)、FX672K(Tg:50℃)、パラケムジャパン株式会社製:パラボンドLX-5(Tg:-40℃)、G-60(Tg:-30℃)、LX-2(Tg:-30℃)、東亞合成株式会社製:NW-400(Tg:-41℃)
<アクリル樹脂エマルジョンの組成>
アクリル樹脂エマルジョンにおいて、アクリル樹脂の割合は、0.1~90質量%であることが好ましく、10~77質量%であることが更に好ましく、20~60質量%であることが特に好ましい。
アクリル樹脂は、複数種の組合せであってもよい。
(シリコーン)
エマルジョン組成物は、更に、シリコーンを含むことができる。エマルジョン組成物が、更にシリコーンを含んでいると、タックフリー性がより優れる。
エマルジョン組成物がシリコーンを含む場合、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びシリコーンは、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されていてもよく、ポリウレタン樹脂がアクリル樹脂及び/又はシリコーンを内包する形で分散されていてもよく、これらの組合せであってもよい。エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びシリコーンが、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されていることが好ましい。この場合、エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョンと、アクリル樹脂エマルジョンと、エマルジョン型シリコーンとを含む。
シリコーンとは、有機官能基を有し、シロキサン単位を繰り返し単位とするポリマーである。有機官能基としては、例えば、メチル基及びエチル基等のアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、及びジフェニル基等の芳香環基;水酸基、ポリエーテル基、カルボキシル基、エポキシ基並びにアミノ基が挙げられる。
シリコーンとしては、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、ポリグリセロール変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシポリエーテル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーン、反応型シリコーン、水酸基変性シリコーン、アクリルシリコーン樹脂等が挙げられる。
エマルジョン組成物中での他の成分との相溶性に優れ、かつ、タックフリー性、柔軟性及び/又は質感がより良好になる観点から、シリコーンは、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、反応型シリコーン及びアクリルシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、タックフリー性がより高まる観点から、シリコーンは、アクリルシリコーン樹脂であることが特に好ましい。
アクリルシリコーン樹脂としては、例えば、(メタ)アクリルモノマーとジアルキルシロキサンモノマーの(グラフト)共重合体、アクリル・シリコーン共重合体、アクリル変性オルガノポリシロキサン、アクリル酸-シリコーン共重合体、シリコーン変性(メタ)アクリルポリマー、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト共重合してなるポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
<エマルジョン型シリコーン>
エマルジョン型シリコーンは、シリコーンの水分散体であり、「シリコーン系の水分散性樹脂」とも呼ばれる。エマルジョン型シリコーンは、アクリルシリコーン樹脂エマルジョンであることが好ましい。アクリルシリコーン樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、以下が挙げられる。
東亞合成株式会社製:サイマックUS-380 サイマックUS-450、サイマックUS-480、日信化学工業株式会社製:シャリーヌFE-230N、FE-502、LC-190、R-170BX、E-370、東レ・ダウコーニング株式会社製:IE-7170、SE1980CLEAR、BY22-826EX、POLON-MF-40、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製:レキサンEXL、出光興産株式会社製:タフロンネオ、サイデン化学株式会社製:バンスタ-S-806、日本合成株式会社製:モビニ-ル、東レ株式会社製:コ-タックス、大東化成工業株式会社製:ダイトゾール5000SJ、日本エヌエスシー株式会社製:ヨドゾールGH41、信越化学工業株式会社製:アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(商品名:KP578)、DIC株式会社製:ボンコート、セラネート、JSR製:アクリルシリコーン系エマルジョン“SIFCLEAR S101”、“SIFCLEAR S102”等
<<エマルジョン型シリコーンの組成>>
エマルジョン型シリコーンにおいて、シリコーンの割合は、0.1~99質量%であることが好ましく、10~99質量%であることが更に好ましく、20~98質量%であることが特に好ましい。
シリコーンは、複数種の組合せであってもよい。
(添加剤)
エマルジョン組成物は、求められる機能や特性、用途等に応じて、増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の、シリコーン以外の添加剤を添加することもできる。なお、添加剤は、複数種の組合せであってもよい。また、これらの添加剤の種類は当業者に公知であり、一般に用いられる範囲の量で使用することができる。
(エマルジョン組成物の組成)
エマルジョン組成物の固形分中における、アクリル樹脂の含有量は、特に制限されないが、0質量%超90質量%以下であることが好ましく、0.1~90質量%であることがより好ましく、10~77質量%であることが更に好ましく、20~60質量%であることが特に好ましい。アクリル樹脂の含有量が90質量%以下であると、タックフリー性及びウレタンらしい風合いが高まる。
エマルジョン組成物の固形分中における、シリコーンの含有量は、タックフリー性及び/又は柔軟性がより優れるため、0.5~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましく、2.5~15質量%であることが特に好ましい。
エマルジョン組成物の固形分中における、ポリウレタン樹脂の含有量は、特に制限されないが、100質量%から、上記したアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の含有量を除いた量であることが好ましい。
(エマルジョン組成物の好ましい態様)
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンを含むエマルジョン組成物であることが好ましい。
また、エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョンと、アクリル樹脂エマルジョンと、エマルジョン型シリコーンを含むエマルジョン組成物であることが好ましい。
[エマルジョン組成物の製造方法]
エマルジョン組成物の製造方法は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び任意成分であるシリコーンを水系溶媒中に分散できる方法であれば特に限定されない。エマルジョン組成物は、例えば、ポリウレタン樹脂エマルジョンと、アクリル樹脂エマルジョン、及び任意成分であるエマルジョン型シリコーンとを混合することにより製造することができる。また、エマルジョン組成物は、例えば、ポリウレタンプレポリマーと、アクリル樹脂、及び任意成分であるシリコーンとを水系溶媒中に分散し、アクリル樹脂、及び任意成分であるシリコーンの存在下で、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを反応させることにより製造することができる。また、ポリウレタン樹脂エマルジョン中、ポリウレタン樹脂の存在下でアクリル樹脂のモノマーを重合させる方法により製造することができる。
[インク]
インクは、エマルジョン組成物を含む。インクは、エマルジョン組成物以外の成分として、下地遮蔽用白色顔料、着色顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、抗酸化剤、有機溶媒、造膜助剤、レオロジーコントロール剤等の更なる成分を含むことができる。更なる成分は、複数種の組合せであってもよい。
下地遮蔽用白色顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛等の遮蔽性の高い白色顔料を挙げることができ、高い遮光性が得られる点から、二酸化チタンが好ましい。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等が挙げられ、酸化チタン及び/又はカーボンブラックが好ましい。着色顔料は、複数種の組合せであってもよい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトが挙げられ、硫酸バリウム及び/又はタルクが好ましく、硫酸バリウムがより好ましい。体質顔料は、複数種の組合せであってもよい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類を挙げることができる。抗酸化剤としては、ヒンダードフェノール類等を挙げることができる。有機溶媒としては、水系媒体において前記した有機溶媒が挙げられる。造膜助剤及びレオロジーコントロール剤の種類は当業者に公知である。
インクは、紙、プラスチックス、フィルム、金属、ゴム、エラストマー、繊維製品等に適用することができる。インクは、様々な被捺染物を印捺するために用いることが好ましい。被捺染物としては、布帛類を構成する繊維素材が挙げられ、具体的には、木綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維;レーヨン、アセテート等の半合成繊維;ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン等の合成繊維;及びそれらの繊維の混紡、交編織品が挙げられる。
インクは、捺染用インクであることが好ましく、スクリーン印刷捺染用インクであることが特に好ましい。
捺染用インクは、布帛類を印捺するために用いられる。布帛類への印捺方法としては、特に限定されず、適宜選択できる。印捺された布帛類は、乾燥、熱処理(通常は60~170℃、1~10分)又は常温乾燥される。これにより、捺染用インクで印捺された捺染物が得られる。
スクリーン印刷捺染用インクは、スクリーン印刷方式によって布帛類に印捺される。布帛類への印捺方法としては、通常の顔料捺染と同様の方法が挙げられる。即ち、カラーペースト(顔料を水中に細かく均一に分散させたもの)、エマルジョン組成物、増粘剤(アルギン酸ソーダ、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース水で希釈した糊剤、ターペンを非イオン界面活性剤でOlW型エマルシジンに乳化増粘したレデューサレデューサ-中にアルギン酸ソーダ、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース等を配合しタハーフエマルション糊、アクリル樹脂系アニオン型増粘剤等)、助剤(捺染適性付与剤、ガムアップ防止剤等)で捺染糊(3,000~50,000cPの粘度)を調製する。その後、スクリーン印刷捺染用インクは、オートスクリーン捺染機、ロータリースクリーン捺染機、ハンドスクリーン貼枠及びスキージ等を用いて布帛類へ印捺される。印捺された布帛類を、乾燥、熱処理(通常は60~170℃、1~10分)もしくは常温乾燥する。これにより、スクリーン印刷捺染用インクで印捺された捺染物が得られる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(製造例1;ポリウレタン樹脂エマルジョンAの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量2000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)760.3g(0.380mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸36.3g(0.271mol)、Ymer N120を20.79g(0.02mol)、イソホロンジイソシアネート221.6g(0.997mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル341.4g、及びチタンテトラブトキシド0.37gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン27.5g(0.272モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液1230gを、強く攪拌させた水1526gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液70.7gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンAを得た。ここで、Ymer N120は、式(1)(ここで、nは19.6である)で示される(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールである。
(製造例2;ポリウレタン樹脂エマルジョンBの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量2000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)760.9g(0.381mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸40.9g(0.301mol)、イソホロンジイソシアネート225.6g(1.015mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル343.5g、及びチタンテトラブトキシド0.37gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン30.7g(0.304モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液1230gを、強く攪拌させた水1508gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液72.1gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンBを得た。
(製造例3;ポリウレタン樹脂エマルジョンCの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量2000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)370.0g(0.185mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸10.2g(0.076mol)、Ymer N120を42.18g(0.042mol)、イソホロンジイソシアネート101.0g(0.455mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル175.0g、及びチタンテトラブトキシド0.21gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン7.6g(0.076モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液588gを、強く攪拌させた水880gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液31.1gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンCを得た。ここで、Ymer N120は、式(1)(ここで、nは19.6である)で示される(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールである。
(製造例4;ポリウレタン樹脂エマルジョンDの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量2003;水酸基価56.0mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)379.6g(0.190mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸12.5g(0.093mol)、Ymer N120を9.9g(0.010mol)、イソホロンジイソシアネート101.4g(0.456mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル166.5g、及びチタンテトラブトキシド0.25gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン9.4g(0.093mol)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液619gを、強く攪拌させた水692gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液41.9gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンDを得た。ここで、Ymer N120は、式(1)(ここで、nは19.6である)で示される(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールである。
(製造例5;ポリウレタン樹脂エマルジョンEの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量1948;水酸基価57.6mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)171.3g(0.088mol)、PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1951;水酸基価57.5mgKOH/g)170.8g(0.088mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸11.4g(0.085mol)、Ymer N120を8.8g(0.0089mol)、イソホロンジイソシアネート86.6g(0.390mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル149.4g、及びチタンテトラブトキシド0.22gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン8.6g(0.085mol)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液551gを、強く攪拌させた水617gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液30.8gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンEを得た。ここで、Ymer N120は、式(1)(ここで、nは19.6である)で示される(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールである。
(製造例6;ポリウレタン樹脂エマルジョンFの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量1948;水酸基価57.6mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)171.3g(0.088mol)、PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1951;水酸基価57.5mgKOH/g)170.8g(0.088mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸11.4g(0.085mol)、Ymer N120を8.8g(0.0089mol)、イソホロンジイソシアネート86.6g(0.390mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル149.4g、及びチタンテトラブトキシド0.22gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン8.6g(0.085mol)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液551gを、強く攪拌させた水617gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液30.8gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンFを得た。ここで、Ymer N120は、式(1)(ここで、nは19.6である)で示される(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールである。
(製造例7;ポリウレタン樹脂エマルジョンGの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、クラレポリオールC2090(クラレ株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量1993;水酸基価56.3mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと3-メチル-1,5-ペンタンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)738.9g(0.371mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸24.3g(0.181mol)、Ymer N120を19.2g(0.019mol)、イソホロンジイソシアネート194.9g(0.877mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル325.3g、及びチタンテトラブトキシド0.48gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン18.3g(0.181mol)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液517gを、強く攪拌させた水580gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液33.8gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンGを得た。ここで、Ymer N120は、式(1)(ここで、nは19.6である)で示される(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールである。
(製造例8;ポリウレタン樹脂エマルジョンHの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1951;水酸基価57.5mgKOH/g)760.0g(0.390mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸41.8g(0.312mol)、イソホロンジイソシアネート225.9g(1.017mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル341.4g、及びチタンテトラブトキシド0.37gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン31.5g(0.312モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液1193gを、強く攪拌させた水1737gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液70.2gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンHを得た。
(製造例9;ポリウレタン樹脂エマルジョンIの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量2000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)532.0g(0.266mol)PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1951;水酸基価57.5mgKOH/g)228.0g(0.117mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸28.9g(0.215mol)、イソホロンジイソシアネート193.5g(0.871mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル330.8g、及びチタンテトラブトキシド0.37gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン21.8g(0.215モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液1156gを、強く攪拌させた水1276gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液68.4gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンIを得た。
(製造例10;ポリウレタン樹脂エマルジョンJの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量2000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)380.0g(0.190mol)PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1951;水酸基価57.5mgKOH/g)380.0g(0.195mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸29.0g(0.217mol)、イソホロンジイソシアネート194.5g(0.875mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル330.6g、及びチタンテトラブトキシド0.37gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン21.9g(0.216モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液1155gを、強く攪拌させた水1276gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液68.4gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンJを得た。
(製造例11;ポリウレタン樹脂エマルジョンKの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量1958;水酸基価57.3mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)366.8g(0.187mol)、PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1972;水酸基価56.9mgKOH/g)368.5g(0.187mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸28.6g(0.213mol)、イソホロンジイソシアネート184.9g(0.832mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル237.4g、及びチタンテトラブトキシド0.31gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン21.6g(0.213モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液500gを、強く攪拌させた水539gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液29.8gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンKを得た。
(製造例12;ポリウレタン樹脂エマルジョンLの合成)
攪拌装置、温度計、及び加熱装置を備えた反応容器に、ETERNACOLL UH200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートポリオール;数平均分子量1958;水酸基価57.3mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートポリオール)366.8g(0.187mol)、PTMG2000(三菱化学株式会社製;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;数平均分子量1972;水酸基価56.9mgKOH/g)368.5g(0.187mol)、2,2-ジメチロールプロピオン酸28.6g(0.213mol)、イソホロンジイソシアネート184.9g(0.832mol)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル237.4g、及びチタンテトラブトキシド0.31gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80~90℃で4時間反応させた。得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン21.6g(0.213モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液500gを、強く攪拌させた水539gに加えた。更に、35質量%2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液29.8gを加え、ポリウレタン樹脂エマルジョンLを得た。
(アクリル樹脂エマルジョン)
アクリル樹脂エマルジョンは、以下の成分を用いた。
FX-3750:日本カーバイド工業株式会社製;アクリルエマルジョン;固形分濃度60重量%;Tg:-30℃
FX-2138Y:日本カーバイド工業株式会社製;アクリルエマルジョン;固形分濃度60重量%;Tg:-17℃
FX-2555A:日本カーバイド工業株式会社製;アクリルエマルジョン;固形分濃度59重量%;Tg:-17℃
(エマルジョン型シリコーン)
エマルジョン型シリコーンは、以下の成分を用いた。
R-170BX:日信化学工業株式会社製;アクリルシリコーン樹脂エマルジョン;固形分濃度45重量%
LC-190:日信化学工業株式会社製;アクリルシリコーン樹脂エマルジョン;固形分濃度45重量%
KM-9787:信越化学工業株式会社製;アクリルシリコーン樹脂エマルジョン;固形分濃度98重量%
(ポリウレタン樹脂の特性)
表1に示すポリウレタン樹脂の物性の測定は、以下のとおり行った。
<ポリウレタン樹脂の酸価>
ポリウレタン樹脂エマルジョンに含まれるポリウレタン樹脂の酸価は、原料の使用量を下記式(3a)に適用することによって求めた。
〔ポリウレタンプレポリマーの酸価〕=〔((d)酸性基含有ポリオールのミリモル数)×((d)酸性基含有ポリオール1分子中の酸性基の数)〕×56.11/〔(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオール、(d)酸性基含有ポリオール、及び(c)ポリイソシアネートの合計の質量〕・・・(3a)
<NCO/OH比>
ポリウレタン樹脂のNCO/OH比は、原料の使用量を下記式(3b)に適用することによって求めた。
〔NCO/OH比〕=((c)ポリイソシアネートのミリモル数)/〔(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール、(b)ポリオール、及び(d)酸性基含有ポリオールの合計のミリモル数)〕・・・(3b)
<ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の含有率>
ポリウレタン樹脂におけるポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の含有率は、ポリウレタン樹脂中に占める、ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の重量割合とし、原料の使用量から求めた。
(エマルジョン組成物の調製)
ポリウレタン樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン及びエマルジョン型シリコーンを、固形分の質量で、下記表2及び表3に記載の割合となるように、攪拌混合し、エマルジョン組成物を得た。
(捺染物1の製造)
エマルジョン組成物50重量部、チタンペースト(酸化チタン粉末含量60%の水性ペースト)40重量部、顔料水分散体(トーヨーカラー株式会社製:EMF PINK 2B-1)5重量部、25%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)1重量部、及びアルカリ増粘剤(パラケムジャパン株式会社製:パラボンド10-N)3.5重量部を混合して、捺染用インクを得た。続いて、150メッシュのスクリーン及びウレタンゴムスキージを用いて、捺染用インクを白色の天竺綿ニット生地に2度印刷した。印刷物を160℃で3分間の条件で乾燥し、捺染物1を得た。
(柔軟性の評価)
捺染物1を指先でつまみながら柔軟性を評価した。優れた柔軟性のものを◎、良好な柔軟性のものを○、許容できる柔軟性のものを△、柔軟性に乏しく硬いものを×とした。
(タックフリー性の評価)
エマルジョン組成物95重量部、25%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)1重量部、及びアルカリ増粘剤(パラケムジャパン株式会社製:パラボンド10-N)4重量部を混合して、捺染用インクを得た。続いて、150メッシュのスクリーン及びウレタンゴムスキージを用いて、捺染用インクを白色の天竺綿ニット生地に5度印刷した。印刷物を60℃で1分間の条件で乾燥し、捺染物2を得た。捺染物2の端を捺染面同士が内側になる様に折り返し、指先で10kgの荷重をかけ、3秒間押付けた。荷重を取り除いた後、1秒以内に捺染面同士が自発的に剥離したものを◎、1秒超5秒以内に捺染面同士が自発的に剥離したものを○、5秒超10秒以内に捺染面同士が自発的に剥離したものを△とした。10秒以内の自発的な剥離がないが、軽く触れる事で剥離したものを×とした。
(ウレタン触感の評価)
捺染物2の触感試験を行い、ポリウレタン樹脂特有のさらっとした表面質感の有無を判定した。弾力性がありシルクのような指触りのものを◎、弾力性はあるが、グリップ感が僅かに感じられるものを○、弾力性がやや低く、グリップ感のある指触りのものを△、弾力性が低く、グリップ感のある指触りのものを×とした。
(下地追従性の評価)
捺染物1を限度まで引っ張り、下地追従性を評価した。ひび割れが生じないものを◎、細かなひび割れが僅かに生じたものを○、細かなひび割れが生じたものを△、大きなひび割れが生じたものを×とした。
(洗浄性の評価)
エマルジョン組成物80重量部、チタンペースト(酸化チタン粉末含量60重量%の水性ペースト)17重量部、及びアルカリ増粘剤(パラケムジャパン株式会社製:パラボンド10-N)3重量部を混合して、捺染用インクを得た。続いて、70メッシュのスクリーン及びウレタンゴムスキージを用いて、捺染用インクを白色の天竺綿ニット生地に1度印刷した。使用したスクリーン紗を室温で1分間乾燥させた後、大量の水で洗浄した。スクリーン紗表面のインク接触面積に対して固着物が0%を超えて3%以下観察されたものを◎、3%を超えて10%以下観察されたものを○、10%を超えて50%以下観察されたものを△、50%を超えて観察されたものを×とした。
表1~表3に結果をまとめる。
Figure 0007247516000002
Figure 0007247516000003
Figure 0007247516000004
表2より、以下のことが分かる。
実施例のエマルジョン組成物は、柔軟性、タックフリー性を保ちつつ、引っ張りにより塗膜面が割れることが低減された下地追従性に優れた塗膜を与えた。また、いくつかの実施例のエマルジョン組成物は、バインダー樹脂として使用した際の水洗浄性に優れていた。
比較例1~2は、エマルジョン組成物がアクリル樹脂エマルジョンを含まないため、柔軟性、下地追従性、及び洗浄性のいずれかが劣っていた。
比較例3は、ポリウレタン樹脂が、ポリカーボネートポリオール由来の構造のみを含むため、柔軟性と洗浄性が劣っていた。
比較例4~6は、エマルジョン組成物がポリウレタン樹脂エマルジョンを含まないため、タックフリー性、ウレタン触感、及び洗浄性が劣っていた。
実施例1と比較例1を比較すると、エマルジョン組成物が、ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造を含むポリウレタン樹脂エマルジョンとアクリル樹脂エマルジョンを含んでいると、柔軟性、下地追従性、及び洗浄性が優れていた。
実施例1と実施例2~7を比較すると、エマルジョン組成物が、更にエマルジョン型シリコーンを含んでいると、タックフリー性がより優れていた。
実施例7と実施例8を比較すると、エマルジョン組成物が、ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造をより多く含むポリウレタン樹脂エマルジョンを含んでいると、柔軟性がより優れていた。
実施例9と実施例10~11を比較すると、エマルジョン組成物が、主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造を含むポリウレタン樹脂エマルジョンを含んでいると、柔軟性がより優れていた。
実施例9と実施例12を比較すると、エマルジョン組成物が、分岐鎖状脂肪族ジオールをモノマー成分とするポリカーボネートポリオール由来の構造を含んでいると、柔軟性がより優れていた。
表3より、以下のことが分かる。
比較例7は、ポリウレタン樹脂が、ポリカーボネートポリオール由来の構造のみを含むため、柔軟性が劣っていた。
比較例8は、ポリウレタン樹脂が、主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造のみを含むため、タックフリー性が劣っていた。
実施例13と実施例14を比較すると、エマルジョン組成物が、ポリカーボネートポリオール由来の構造に比べて、主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造をより多く含むポリウレタン樹脂エマルジョンを含んでいると、柔軟性がより優れていた。
エマルジョン樹脂組成物は、塗料、コーティング剤、インク、バインダー樹脂等の原料として広く利用できる。

Claims (12)

  1. ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、
    前記ポリウレタン樹脂が、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造を含み、
    前記(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオールが、ポリエチレンオキサイド鎖の片末端に水酸基を2個有する基を有するジオールであり、
    前記ポリウレタン樹脂が、更に、(b)ポリオール(但し、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール及び(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、
    前記(b)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造を含み、
    前記ポリウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂が、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されている、エマルジョン組成物。
  2. (b)ポリオール由来の構造が、更に、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造を含む、請求項1に記載のエマルジョン組成物。
  3. ポリウレタン樹脂において、(a)ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリオール由来の構造の含有率が、0.5~20質量%である、請求項1又は2に記載のエマルジョン組成物。
  4. ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、
    前記ポリウレタン樹脂が、(b’)ポリオール(但し、(d)酸性基含有ポリオールを除く)由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(d)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(e)鎖延長剤由来の構造とを含み、
    前記(b’)ポリオール由来の構造が、(b1)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b2)主鎖炭素数が4のアルキレンオキシ骨格を有するポリエーテルポリオール由来の構造とを含み、
    前記ポリウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂が、それぞれ別々の粒子として水性媒体中に分散されている、エマルジョン組成物。
  5. エマルジョン組成物の固形分全量に対して、アクリル樹脂の割合が0.1~90質量%である、請求項1~のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物。
  6. アクリル樹脂のガラス転移温度が15℃以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物。
  7. シリコーンを更に含む、請求項1~のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物。
  8. シリコーンがアクリルシリコーン樹脂である、請求項に記載のエマルジョン組成物。
  9. エマルジョン組成物の固形分全量に対して、シリコーンの割合が、0.5~30質量%である、請求項又はに記載のエマルジョン組成物。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物を含む、インク。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物を含む、捺染用インク。
  12. 請求項1~のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物を含む、スクリーン印刷捺染用インク。
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