JP7151184B2 - エマルジョン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなるエマルジョン組成物に関する。
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性等に優れていることから、塗料、インク、接着剤、各種コーティング剤として紙、プラスチックス、フィルム、金属、ゴム、エラストマー、繊維製品等に幅広く使用される。
ポリカーボネートポリオールを原料としたポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得られる塗膜は、耐光性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性、耐油性に優れることが知られている(特許文献1)。
中でも、脂環構造を有するポリカーボネートポリオールを用いた水性ポリウレタン樹脂分散体は、高い耐久性と硬度を持つ塗膜を与えることが知られている。(特許文献2)。
また、1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する化合物と1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミン化合物を用いた水性ポリウレタン樹脂分散体は、柔軟な塗膜を与えることが知られている(特許文献3)。
水性ポリウレタンエマルジョンと不飽和単量体から得られる水系樹脂エマルジョンからなるウレタン系エマルジョン組成物が、プラスチック基材への密着性に優れることが報告されている(特許文献4)。
防塵性、屈曲性、耐水性に優れたフィルムコーティング材として、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体とステアリルアルコールの反応物を構成単位として有する水系アクリルウレタン樹脂が報告されている(特許文献5)。
また、カーボネート構造を有するウレタン樹脂を含有する塗布層を有する積層ポリエステルフィルムが報告されている(特許文献6)。
特開平10-120757号公報 特開2005-281544号公報 国際公開第2014/103689号 特開平10-273587号公報 特開2013-35895号公報 特開2014-818号公報
しかしながら、特許文献4、5、6記載のポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなるエマルジョン組成物から得られる塗膜は、耐スクラッチ性が十分ではなかった。特にポリエステルフィルム上に耐スクラッチ性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物は提案されていなかった。
本発明の課題は、耐スクラッチ性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物を提供することである。
本発明は、以下の[1]~[8]に関する。
[1] ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂が、
(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、
(c)ポリイソシアネート由来の構造と、
を有し、
前記ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、5質量%以上11質量%以下であることを特徴とする、エマルジョン組成物。
[2] 造膜助剤を更に含む、[1]に記載のエマルジョン組成物。
[3] 造膜助剤が、3-メトキシ-N、N-ジメチルプロパンアミドである[1]又は[2]に記載のエマルジョン組成物。
[4] ポリウレタン樹脂が、(e-1)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する末端停止剤由来の構造と、(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有する鎖延長剤由来の構造とを有する[1]~[3]のいずれかに記載のエマルジョン組成物。
[5] ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂の合計を100質量%とした際に、ポリウレタン樹脂を35~90質量%の割合で含む、[1]~[4]のいずれかに記載のエマルジョン組成物。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載のエマルジョン組成物を含む、塗料組成物。
[7] [1]~[5]のいずれかに記載のエマルジョン組成物を含む、インク組成物。
[8] [1]~[5]のいずれかに記載のエマルジョン組成物を含む、コーティング剤組成物。
[9] [8]に記載のコーティング剤組成物を硬化させて得られる、コーティング層と、プラスチック基材からなる層とを有する、積層体。
[10]プラスチック基材がポリエステル樹脂である[9]に記載の積層体。
本発明により、耐スクラッチ性に優れた塗膜を与えるエマルジョン組成物が提供される。
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。なお、本発明のような高分子化合物は、複数種類の原料化合物の反応により多数の構造を有する生成物が得られるものである。そのため、高分子化合物は、包含される多数の構造を一般式で記載することができてもその構造により一義的に示されない。また、その物性について、機器分析等により直接的に測定し、特定することや既存の化合物と区別することは困難である。よって、本発明においては「ポリウレタン樹脂」をはじめとした高分子化合物を、必要に応じ製造方法により特定することがある。
<エマルジョン組成物>
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂並びにアクリル樹脂、及び水系媒体を含む。
エマルジョン組成物は、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むことにより、エマルジョン組成物を用いてプラスチックフィルムへの積層体とした場合、プラスチックとエマルジョン組成物から形成される塗膜の高い耐スクラッチ性が発現される。
ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂は、ポリウレタン樹脂エマルジョン及びアクリル樹脂エマルジョンとして別々に水系媒体中に分散されていてもよく、ポリウレタン樹脂がアクリル樹脂を内包する形で分散されていてもよい。
ここで、「内包」とは、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂とが完全に分離・独立して水性媒体中に分散している状態以外を広く意味する。このとき、ポリウレタン樹脂中のアクリル樹脂の存在位置は、特に限定されず、中心付近又は中心付近からずれた任意の位置に、単一又は複数に分離して存在していても構わない。
<<ポリウレタン樹脂エマルジョン>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリウレタン樹脂及び水系媒体を含有する。具体的には、ポリウレタン樹脂エマルジョンは、水系媒体にポリウレタン樹脂が分散された、ポリウレタン樹脂の水性分散体である。「ポリウレタン樹脂エマルジョン」は、「水分散型ポリウレタン樹脂」又は「水性ポリウレタン樹脂分散体」ともいわれる。
<<<ポリウレタン樹脂>>>
ポリウレタン樹脂は、(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造とを有する。ポリウレタン樹脂は、更に、任意の構造として、(d)その他のポリオール由来の構造、(e)末端停止剤由来の構造、及び(f)鎖延長剤由来の構造、からなる群より選択される1以上の更なる構造を有することができる。
耐スクラッチ性の観点から、(e)末端停止剤由来の構造として、(e-1)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する末端停止剤由来の構造を有することが好ましい。さらに、(f)鎖延長剤由来の構造として、(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有する鎖延長剤由来の構造を有することが好ましい。
(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造とは、(a)ポリカーボネートポリオールの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造を意味する。(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造は、(a)ポリカーボネートポリオールによって、ポリウレタンに導入される。(b)~(d)についても同様である。
また、(e)末端停止剤由来の構造とは、(e)末端停止剤の分子構造のうち、ウレタン化反応及び/又は鎖延長反応を停止する反応に関与する基以外の部分構造を意味する。(e)末端停止剤由来の構造は、(e)末端停止剤によってポリウレタンに導入される。
また、(f)鎖延長剤由来の構造とは、(f)鎖延長剤の分子構造のうち、鎖延長化反応に関与する基以外の部分構造を意味する。(f)鎖延長剤由来の構造は、(f)鎖延長剤によってポリウレタンに導入される。
<<<<(a)ポリカーボネートポリオール>>>>
(a)ポリカーボネートポリオールは、分子中にカーボネート結合を有するポリオールであれば特に限定されない。(a)ポリカーボネートポリオールは、例えば、ジオール等のポリオールモノマーがカーボネート結合したものであることが好ましい。また、(a)ポリカーボネートポリオールは、分子中のカーボネート結合の平均数以下の数のエーテル結合やエステル結合を含有していてもよい。
(a)ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオールモノマーと、炭酸エステル化合物及び/又はホスゲンとを反応させて得られる。
ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリオールモノマー、脂環構造を有するポリオールモノマー、芳香族ポリオールモノマー、ポリエステルポリオールモノマー、ポリエーテルポリオールモノマー等が挙げられる。
脂肪族ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール;イソプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ペンタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分岐鎖状脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能基以上の官能基を有する多価アルコール等が挙げられる。
脂環構造を有するポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、1,3-シクロペンタンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘプタンジオール、2,7-ノルボルナンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、イソソルビド、ダイマージオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリエステルポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、6-ヒドロキシカプロン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のヒドロキシカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール、アジピン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のジカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、及びこれらの高重合体等が挙げられる。
ポリオールモノマーは、それぞれ、複数種を併用してもよい。
炭酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル;ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル;エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールの製造が容易になることから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
炭酸エステルは、複数種を併用してもよい。
塩素の含有量が少なく、着色しにくい等の利点がある観点から、ポリカーボネートポリオールは、ポリオールモノマーと炭酸エステル化合物とを反応させて得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。ポリカーボネートポリオールは、主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール;主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール;主鎖に脂環構造を有するポリオールモノマーと、他のポリオールモノマー(主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマー)と、炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオール等がより好ましい。
ここで、主鎖に脂環構造を有しないポリオールモノマーと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールとしては、1種以上の脂肪族ジオールと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール;ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリへキサメチレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオール;ポリ1,4-キシリレンカーボネートジオール等の芳香族ポリカーボネートジオール;脂肪族ジオールと芳香族ジオールと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール;脂肪族ジオールとダイマージオールと炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオール等の共重合ポリカーボネートジオールが好ましい。
以上により、(a)ポリカーボネートポリオールとしては、1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,6-ヘキサンジオール及び1,5-ペンタンジオールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,6-ヘキサンジオール及び1,4-ブタンジオールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;1,6-ヘキサンジオール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールの混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール等が特に好ましい。
ポリオールモノマー及び炭酸エステル化合物からポリカーボネートポリオールを製造するための方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。反応器中に炭酸エステルと、この炭酸エステルのモル数に対して過剰のモル数のポリオールモノマーとを加え、温度160℃~200℃、圧力50mmHg程度で5時間~6時間反応させた後、更に数mmHg以下の圧力において200℃~220℃で数時間反応させる方法が挙げられる。上記反応においては副生するアルコールを系外に抜き出しながら反応させることが好ましい。また、炭酸エステルが副生するアルコールと共沸することにより系外へ抜け出る場合には、過剰量の炭酸エステルを加えてもよい。上記反応において、チタニウムテトラブトキシド等の触媒を使用してもよい。
(好ましい態様)
(a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、400~8,000であることが好ましく、400~4,000であることが特に好ましい。(a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量が400~8,000である場合、ポリウレタン樹脂エマルジョンの粘度を適切にできると共に、ポリウレタン樹脂エマルジョンの取り扱い性が良好になる。また、ポリカーボネートポリオールのソフトセグメントとしての性能が向上するため、エマルジョン組成物を用いて塗膜を形成した場合に、塗膜に割れが発生しにくく、更に、ポリカーボネートポリオールと、イソシアネート化合物との反応性を向上させることができるため、ウレタン樹脂の製造を効率的に行うことができる。
なお、本明細書において、数平均分子量は、JIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、数平均分子量は、化合物の水酸基価を測定し、末端基定量法により、式(56.1×1,000×価数)/水酸基価(mgKOH/g)を用いて算出することができる。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数であり、ポリカーボネートポリオールがポリカーボネートジオールの場合は価数が2となる。
ポリカーボネートポリオールは、密着性の観点から、主鎖に脂環構造を有しないポリカーボネートジオールが好ましく、耐薬品性の観点から、1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオールが更に好ましい。
(a)ポリカーボネートポリオールは、複数種を併用してもよい。
<<<<(b)酸性基含有ポリオール>>>>
(b)酸性基含有ポリオールは、一分子中に2個以上の水酸基(但し、フェノール性水酸基を含まない)と、1個以上の酸性基を有するポリオールである。ポリウレタン樹脂が(b)酸性基含有ポリオール由来の構造を有することにより、ポリウレタン樹脂エマルジョンが保護コロイド、乳化剤及び/又は界面活性剤を含んでいなくても、水性樹脂分散体組成物の水への分散安定性が向上する。
ここで、酸性基含有ポリオールの酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられるが、水への分散安定性の観点から、カルボキシ基が好ましい。
(b)酸性基含有ポリオールとしては、特に制限されないが、具体的には、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N-ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N-ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4-ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6-ジヒドロキシ-2-トルエンスルホン酸等が挙げられる。入手が容易である観点から、(b)酸性基含有ポリオールは、2個のメチロール基を含む炭素数4~12のアルカン酸(ジメチロールアルカン酸)が好ましく、2,2-ジメチロールプロピオン酸が特に好ましい。
(b)酸性基含有ポリオールは、複数種を併用してもよい。
<<<<(b’)中和剤>>>>
(b’)中和剤は、(b)酸性基含有ポリオールの酸性基を中和することができるものであれば特に限定されず、酸性基の種類等に応じて適宜選択できる。(b’)中和剤としては、具体的には、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、2-(ジメチルアミノ)-2-メチル-1-プロパノール(DMAP)等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類;アンモニア等が挙げられる。(b’)中和剤は、好ましくは有機アミン類であり、より好ましくは3級アミンであり、特に好ましくはトリエチルアミンである。
(b’)中和剤は、複数種を併用してもよい。
<<<<(c)ポリイソシアネート化合物>>>>
(c)ポリイソシアネートは、一分子当たりのイソシアネート基は通常2個であるが、ポリウレタン樹脂がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのようなイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートも使用することができる。
(c)ポリイソシアネートとしては、特に限定されず、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアネートビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアネートビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、1,3-ビス(2-イソシアネート2-プロピル)ベンゼン(TMXDI)等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2-イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2-イソシアネートエチル)カーボネート、2-イソシアネートエチル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI、水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2-イソシアネートエチル)-4-ジクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(水素添加XDI)等が挙げられる。
エマルジョン組成物の硬化塗膜の黄変が抑制される観点から、(c)ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートもしくは脂環式ポリイソシアネートが好ましく、反応の制御が行いやすいという観点から、イソホロンジイソシアネート及び/又は4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであることが更に好ましい。
耐薬品性が高くなる観点から、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。プラスチック基材への密着性が高くなる観点から、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
(c)ポリイソシアネートは、複数種を併用してもよい。
<<<<(d)その他のポリオール>>>>
その他のポリオールは、(a)及び(b)以外のポリオールである。ポリオールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有するものであれば特に限定されない。このような他のポリオールとしては、ポリエステルポリオール、(a)以外のポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリジエンポリオール等が挙げられる。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンアジペート)ジオール、1,6-へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等のポリエステルジオールが挙げられる。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリピロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体、又はエチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体、ポリテトラメチレングリール等が挙げられる。更に、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等をポリエーテルジオールとして用いてもよい。
(低分子量ジオール)
低分子量ジオールの数平均分子量は、特に限定はないが、60以上400未満であることが好ましい。低分子量ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の炭素数2~9の脂肪族ジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7-ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン等の炭素数6~12の脂環式構造を有するジオール等を挙げることができる。更に、低分子量ジオールとして、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量多価アルコールを低分子量ジオールとして用いてもよい。
(d)他のポリオールは、複数種を併用してもよい。
<<<<(e)末端停止剤>>>>
(e)末端停止剤は、ポリウレタン樹脂末端のウレタン化反応及び/又は鎖延長反応を停止できる成分である。(e)末端停止剤としては、耐スクラッチ性の観点から、(e-1)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する化合物が好ましい。(f-2)由来の構造を有する鎖延長剤及び/又は造膜助剤と併用してもよい―、が、より優れた耐スクラッチ性を有する塗膜が得られる観点から、(e―1)由来の構造を有する末端停止剤は、(f-2)由来の構造を有する鎖延長剤と併用することが好ましい。
(e-1)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する化合物として、具体的には、例えば、グリコール酸(2-ヒドロキシ酢酸)、ヒドロキシピバル酸(HPA)、乳酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、10-ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシピバル酸(2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピオン酸)、12-ヒドロキシドデカン酸、16-ヒドロキシヘキサデカン酸、乳酸、トリクロロ乳酸、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、2-ヒドロキシオクタン酸、3―ヒドロキシウンデカン酸、12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)、12-ヒドロキシオレイン酸等が挙げられるが、耐スクラッチ性の観点から、12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)が特に好ましい。
(e-2)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する化合物以外の末端停止剤としては、イソシアナト基と反応する基を1つ有する化合物が挙げられる。イソシアナト基と反応する基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基等を合計1つ持つ化合物が挙げられ、具体例としては、例えばn-ブチルアミン、ジ-n-ブチルアミン等のモノアミン;エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の1価アルコール等が挙げられる。
(e)末端停止剤は、複数種を併用してもよい。
<<<<(f)鎖延長剤>>>>
(f)鎖延長剤としては、イソシアナト基と反応する基を2つ以上有する化合物が挙げられ、例えば、1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ以上有するポリアミン、ポリオール、並びに水が挙げられる。
1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ以上有するポリアミン化合物としては、(f-1)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ有するポリアミン、並びに、(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミンが挙げられる。
耐スクラッチ性の観点から、(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミンを使用することが好ましい。(e―1)由来の構造の末端停止剤及び/又は造膜助剤と併用してもよいが、より優れた耐スクラッチ性を有する塗膜が得られる観点から、(f-2)由来の構造を有する鎖延長剤は、(e-1)由来の構造を有する末端停止剤と併用することが好ましい。
(f-1)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で2つ有するポリアミンとして、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,4-テトラメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-ヘキサメチレンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン等の1級ジアミン;及びピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン等の2級ジアミン化合物等のジアミンが挙げられる。
(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミンの例としては、特に制限されないが、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、ビス(2-アミノプロピル)アミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン等のトリアミン;トリエチレンテトラミン、トリプリピレンテトラミン、N-(ベンジル)トリエチレンテトラミン、N,N’’’-(ジベンジル)トリエチレンテトラミン、N-(ベンジル)-N’’’-(2-エチルヘキシル)トリエチレンテトラミン等のテトラミン;テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン等のペンタミン;ペンタエチレンヘキサミン、ペンタプロピレンヘキサミン等のヘキサミン;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアミン等が挙げられるが、耐スクラッチ性の観点から、ジエチレントリアミン(DETA)が特に好ましい。
ポリオールとしては、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が好ましい。
(f)鎖延長剤は、複数種を併用してもよい。
<<<ポリウレタン樹脂の特性>>>
ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の含有量は、5質量%以上11質量%以下であり、より好ましくは8質量%以上11質量%以下である。この範囲とすることで、耐スクラッチ性が向上する。
ポリウレタン樹脂中のウレタン基の含有量は、以下の式で求めることができる。
(1)(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との合計の水酸基のモル数が、(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数より少ない場合、(ポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度(質量%))={((a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との合計の水酸基のモル数)×59.02}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
(2)(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との合計の水酸基のモル数が、(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数より多い場合、(ポリウレタン樹脂中のウレタン基の濃度(質量%))={(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数)×59.02}/(ウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
ポリウレタン樹脂中のウレア基の含有量は、以下の式で求めることができる。
(3)ポリウレタンプレポリマー中のイソシアナト基のモル数が、(f)鎖延長剤のアミノ基のモル数より少ない場合、(ポリウレタン樹脂中のウレア基の濃度(質量%))={(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数)×58.04}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
(4)ポリウレタンプレポリマー中のイソシアナト基のモル数が、(f)鎖延長剤のアミノ基のモル数より多い場合、(ポリウレタン樹脂中のウレア基の濃度(質量%))={(f)鎖延長剤のアミノ基のモル数)×58.04}/(ポリウレタン樹脂固形分(g))により求められる。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、10,000~2,000,000であることが好ましく、10,000~1,000,000であることがより好ましく、20,000~500,000であることが特に好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
ポリウレタン樹脂エマルジョン中のポリウレタン樹脂の固形分(ただし、酸性基を中和するための中和剤を除く)に対する脂環構造含有割合(以下、単に「脂環構造含有割合」という。)は、例えば、1質量%~50質量%であることが好ましく、3質量%~20質量%であることがより好ましく、5質量%~15質量%であることが更に好ましい。50質量%以下とすることで、プラスチック基材への密着性が高くなる傾向がある。1質量%以上とすることで耐薬品性が高くなる傾向がある。
本明細書において、脂環構造含有割合は、ポリウレタン樹脂中に占める、脂環式基の重量割合とする。例えば、シクロヘキサン残基等のシクロアルカン残基(1,4-ヘキサンジメタノールの場合は、シクロヘキサンから2つの水素原子を除いた部分)や、ジシクロヘキシルメタン残基(4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの場合は、ジシクロヘキシルメタンから4つの水素原子と1つの炭素原子を除いた部分)や、イソホロン残基(イソホロンジイソシアネートの場合は、シクロヘキサンから5つの水素原子を除いた部分)や、テトラヒドロフラン残基等の不飽和へテロ環残基(テトラヒドロフランジメタノールの場合は、テトラヒドロフランから2つの水素原子を除いた部分)に基づき、算出した値である。
<<<ポリウレタン樹脂の組成>>>
ポリウレタン樹脂における(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造、(c)ポリイソシアネート由来の構造、(d)その他のポリオール由来の構造、(e)末端停止剤由来の構造、(f)鎖延長剤由来の構造、及び(b’)中和剤の部分の含有量は、特に制限されない。例えば、後述するポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法における、各成分の使用量となる量が挙げられる。
<<<水系媒体>>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンにおいて、ポリウレタン樹脂を分散させる媒体としては、水が挙げられる。水としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられるが、入手が容易であることや、粒子が不安定になる原因となる塩の影響が少ないこと等の観点から、イオン交換水が好ましい。
<<<造膜助剤>>>
耐スクラッチ性の観点から、水系媒体は、造膜助剤を含むことが好ましい。(e―1)由来の構造を有する末端停止剤及び/又は(f-2)由来の構造を有する鎖延長剤を併用してもよいし、造膜助剤を単独で使用してもよい。
なお、造膜助剤は、アクリル樹脂エマルジョンの水系媒体に含まれていてもよいし、エマルジョン組成物の水系媒体に含まれていてもよい。
造膜助剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、β-アルコキシプロピオンアミド、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。
耐スクラッチ性向上の観点から、β-アルコキシプロピオンアミドが特に好ましい。
<<<ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法>>>
ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法は、ポリウレタン樹脂が水系媒体に分散されている、水性ポリウレタン樹脂分散体が得られる方法であれば特に限定されない。ポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法としては、全ての原料を一度に反応させるワンショット法や、イソシアネート末端のポリウレタンプレポリマーを製造した後に鎖延長剤を反応させるプレポリマー法等が挙げられる。以下、プレポリマー法によるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法の一例について説明する。
プレポリマー法によるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法は、
(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(c)ポリイソシアネートと、場合により、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤、を反応させて(A)ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーの酸性基を(b’)中和剤を用いて中和する工程(β)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーを水系溶媒中に分散させる工程(γ)と、
(A)ポリウレタンプレポリマーと、(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して反応性を有する(f)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)と、
を含む方法等が挙げられる。ここで、工程(α)は、更に、得られた(A)ポリウレタンプレポリマーに、(e)末端停止剤を添加する工程を含んでもよい。
工程(α)は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、大気雰囲気下で行ってもよい。
工程(α)において、(a)ポリカーボネートポリオールの使用量は、特に制限されないが、(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)酸性基含有ポリオールと、(c)ポリイソシアネートと、場合により、(d)その他のポリオールと、(e)末端停止剤と、(f)鎖延長剤との全量100質量部(以下、「(a)~(f)の全量100質量部」ともいう。)に対して、好ましくは20~90質量部、特に好ましくは50~80質量部である。
工程(α)において、(c)ポリイソシアネートの使用量は、特に制限されないが、(a)ポリカーボネートポリオール、(b)酸性基含有ポリオール及び(d)その他のポリオールの全水酸基のモル数に対する、(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数の比が、1.05~2.5である量が好ましく、1.1~2.0である量が特に好ましい。工程(α)において、(a)~(f)の全量100質量部に対する、(c)ポリイソシアネート化合物の量は、前記したモル比の条件を満たす範囲で、(a)ポリオール、(b)酸性基含有ポリオール及び(d)その他のポリオールの種類又は質量に応じて、適宜設定することができる。
工程(α)において、(b)酸性基含有ポリオールの使用量は、(a)~(g)の全量100質量部に対して、好ましくは0.5~50質量部、特に好ましくは1~30質量部である。
工程(α)において、(d)その他のポリオールの使用量は、適宜設定できる。
工程(α)において、(e)末端停止剤の使用量は、(c)ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数から(a)ポリカーボネートオール、(b)酸性基含有ポリオール及び(d)その他のポリオールの全水酸基のモル数を引いたモル数を超えない範囲で適宜設定できる。
工程(β)において、(b’)中和剤の使用量は、(b)酸性基含有ポリオールの合計モル数の0.1~2倍の範囲で適宜設定できる。
工程(γ)において、水系溶媒中に(A)ポリウレタンプレポリマーを分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている水系溶媒中に、(A)ポリウレタンプレポリマーを添加する方法、ホモミキサーやホモジナイザー等によって攪拌されている(A)ポリウレタンプレポリマーに水系溶媒を添加する方法等が挙げられる。
工程(δ)は、冷却下(例えば、0~40℃)でゆっくりと行ってもよく、場合によっては60℃以下の加熱条件下で反応を促進して行ってもよい。冷却下における反応時間は、0.2~24時間であることが好ましい。加熱条件下における反応時間は、0.1~6時間であることが好ましい。
工程(δ)において、(f)鎖延長剤の使用量は、(A)ポリウレタンプレポリマー中の鎖延長起点となるイソシアナト基に対して、当量以下であることが好ましく、より好ましくはイソシアナト基に対して0.7~0.99当量である。イソシアナト基の当量以下の量で(f)鎖延長剤を添加することで、鎖延長されたウレタンポリマー(即ち、ポリウレタン樹脂)の分子量を低下させず、得られるポリウレタン樹脂エマルジョンを塗布して得た塗膜の強度を高くすることができる傾向がある。また、(f)鎖延長剤中の1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するポリアミン化合物の割合は、10~100mol%であることが好ましく、20~100mol%であることがより好ましく、40~100mol%であることがさらに好ましい。
工程(α)~工程(δ)を含むポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法において、工程(β)と、工程(δ)とは、どちらを先に行ってもよいし、同時に行うこともできる。また、工程(β)は、工程(γ)と同時に行ってもよい。また、更に、工程(β)と、工程(γ)と、工程(δ)は、同時に行ってもよい。また、工程(δ)は、工程(γ)と同時に行ってもよく、工程(γ)の後に行ってもよい。
また、ポリウレタン樹脂エマルジョンは、例えば、WO2014/103689、WO2015/194671、WO2015/194672、WO2015/033939に記載された方法と同様の方法により製造することができる。
<<アクリル樹脂エマルジョン/アクリル樹脂>>
アクリル樹脂エマルジョンは、水系媒体にアクリル樹脂が分散された、アクリル樹脂の水性エマルジョンである。ここで、水系媒体は、ポリウレタン樹脂エマルジョンの実施形態で説明した水系媒体と同じであってもよい。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を含む繰り返し単位からなるポリマーを含む。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。
アクリル樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、以下が挙げられる。
高圧ガス工業株式会社製:ペガール862(Tg:-10℃)、ペガール751(Tg:25℃)、LC6154(Tg:64℃)、昭和電工株式会社製:ポリゾールAP-3900(Tg:10℃)、AP-1020(Tg:23℃)、AP-4735、TI-3052、SE-4210E(Tg:-50℃)、日本カーバイド工業株式会社製:ニカゾールFX5697H(Tg:-60℃)、FX3750(Tg:-30℃)、FX2138(Tg:-17℃)、FX2555(Tg:-17℃)、FX2033(Tg:8℃)、FX2018(Tg:27℃)、FX672K(Tg:53℃)、パラケムジャパン株式会社製:パラボンドLX-5(Tg:-40℃)、G-60(Tg:-30℃)、LX-2(Tg:-30℃)、東亞合成株式会社製:NW-400(Tg:-41℃)
アクリル樹脂は、特に制限されないが、アクリル樹脂のTg(ガラス転移温度)は、-80℃~60℃であることが好ましく、-55℃~0℃であることが更に好ましく、-40℃~-20℃であることが特に好ましい。アクリル樹脂のTgが60℃以下であると、プラスチック等に対する塗膜の密着性がより優れる。アクリル樹脂のTgが-80℃以上であると、塗膜の耐薬品性がより優れる。
なお、アクリル樹脂とアクリル樹脂エマルジョンを併用してもよいし、アクリル樹脂とアクリル樹脂エマルジョンは、各々を複数種併用してもよい。
<<<アクリル樹脂エマルジョンの製造方法>>>
アクリル樹脂エマルジョンの製造方法は、アクリル樹脂を水系溶媒中に分散できる方法であれば特に限定されない。アクリル樹脂エマルジョンは、例えば、アクリル樹脂と、水とを界面活性剤等の乳化剤の存在下又は非存在下で、混合することにより、製造することができる。
<<水系媒体>>
エマルジョン組成物は水系媒体を含む。ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂を分散させる媒体としては、水が挙げられる。水としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられるが、入手が容易であることや、粒子が不安定になる原因となる塩の影響が少ないこと等の観点から、イオン交換水が好ましい。
<<<造膜助剤>>>
耐スクラッチ性の観点から、水系媒体は、造膜助剤を含むことが好ましい。(e―1)由来の構造を有する末端停止剤及び/又は(f-2)由来の構造を有する鎖延長剤を併用してもよい。
なお、造膜助剤は、ポリウレタン樹脂エマルジョンの水系媒体に含まれていてもよいし、アクリル樹脂エマルジョンの水系媒体として含まれていてもよい。
造膜助剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、β-アルコキシプロピオンアミド、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。
耐スクラッチ性向上の観点から、β-アルコキシプロピオンアミドが特に好ましい。
<<エマルジョン組成物の組成>>
エマルジョン組成物の固形分中における、ポリウレタン樹脂の含有量は、重量百分率で20~95%であり、好ましくは35~90%、特に好ましくは60~90%である。ポリウレタン樹脂の含有量が、重量百分率が20~95%であれば、耐スクラッチ性が高まる。
<エマルジョン組成物の製造方法>
エマルジョン組成物の製造方法は、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂を水系溶媒中に分散できる方法であれば特に限定されない。エマルジョン組成物は、例えば、ポリウレタン樹脂エマルジョンと、アクリル樹脂エマルジョンとを混合することにより製造することができる。また、エマルジョン組成物は、例えば、(A)ポリウレタンプレポリマーと、シリコーン化合物、及びアクリル樹脂とを水系溶媒中に分散し、及びアクリル樹脂の存在下で、(A)ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを反応させることにより製造することができる。
また、本発明のエマルジョン組成物には、求められる機能や特性、用途などに応じて、増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤、着色剤などの添加剤を添加することもできる。
なお、前記添加剤は、複数種を併用してもよい。また、これらの添加剤の種類は当業者に公知であり、一般に用いられる範囲の量で使用することができる。
<塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物>
本発明は、上記エマルジョン組成物を含有する塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物にも関する。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、上記水蒸気ガスバリアコート用水性ポリウレタン樹脂分散体以外にも、他の樹脂を添加することもできる。他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、複数種を併用してもよい。他の樹脂は、水中での分散性の観点から、1種以上の親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基などが挙げられる。
他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができる。ポリエステル樹脂の水酸基価は、10~300mgKOH/g程度が好ましく、50~250mgKOH/g程度がより好ましく、80~180mgKOH/g程度が更に好ましい。
前記ポリエステル樹脂の酸価は、1~200mgKOH/g程度が好ましく、15~100mgKOH/g程度がより好ましく、25~60mgKOH/g程度が更に好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、500~500,000が好ましく、1,000~300,000がより好ましく、1,500~200,000が更に好ましい。
ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体又は共重合体が挙げられ、例えば、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテル、ビスフェノールA又はビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテルなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノール化合物から製造された重合体が挙げられ、例えば、ビスフェノールA・ポリカーボネートなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートなどの各種ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂などが挙げられる。前記ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどが挙げられる。
アルキド樹脂としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の多塩基酸と多価アルコールに、更に油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(例えば、ロジン、コハクなど)などの変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと通常の重合法に従って重合又は共重合することにより得られるポリオレフィン樹脂を、乳化剤を用いて水分散するか、あるいはオレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと共に乳化重合することにより得られる樹脂が挙げられる。また、場合により、前記のポリオレフィン樹脂が塩素化されたいわゆる塩素化ポリオレフィン変性樹脂を用いてもよい。
前記オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-ヘキセン、1-デセン、1-ドデセンなどのα-オレフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、スチレン類などの共役ジエン又は非共役ジエンなどが挙げられる。
なお、これらのモノマーは、複数種を併用してもよい。
また、オレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
なお、これらのモノマーは、複数種を併用してもよい。
本発明の塗料組成物、及び、コーティング剤組成物は、更に、硬化剤を含むことができる。硬化剤を含むことより、塗料組成物又はコーティング剤組成物を用いて得られる塗膜又は複層塗膜、コーティング膜や印刷物の耐水性などを向上させることができる。
硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、メラミン樹脂、カルボジイミド、ポリオールなどを用いることできる。
なお、これらの硬化剤は、複数種を併用してもよい。
アミノ樹脂としては、例えば、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。前記アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアナト基を有する化合物が挙げられ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネートとしては、前述のポリイソシアネートのイソシアナト基
にブロック剤を付加することによって得られるものが挙げられ、ブロック化剤としては、
フェノール、クレゾールなどのフェノール系、メタノール、エタノールなどの脂肪族アルコール系、マロン酸ジメチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系、アセトアニリド、酢酸アミドなどの酸アミド系、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタムなどのラクタム系、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミン等のアミン系などのブロック化剤が挙げられる。
メラミン樹脂としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミンなどのメチロールメラミン;これらのメチロールメラミンのアルキルエーテル化物又は縮合物;メチロールメラミンのアルキルエーテル化物の縮合物が挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、ポリロタキサン、及びそれから誘導される化合物が挙げられる。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、着色顔料や体質顔料、光輝性顔料を添加することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などが挙げられるが、着色顔料として、酸化チタン及び/又はカーボンブラックを使用することが好ましい。
なお、これらは、複数種を併用してもよい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトが挙げられるが、体質顔料として、硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましく、硫酸バリウムを使用することがより好ましい。
なお、これらは、複数種を併用してもよい。
光輝性顔料は、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母を使用することができる。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、機能や特定、用途に応じて、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤などの通常の添加剤を含有することができる。
なお、これらは、複数種を併用してもよい。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物の製造方法は、特に制限されないが、公知の製造方法を採用することができるが、好適には、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物は、上記水蒸気ガスバリアコート用水性ポリウレタン樹脂分散体と上述した各種添加剤を混合し、更に水系媒体を添加し、適用方法に応じた粘度に調整することにより製造される。
塗料組成物の被塗装材質、コーティング剤組成物の被コーティング材質の被適用材質としては、例えば、金属、プラスチック、無機物、木材などが挙げられる。基材の中で、密着性が確保できる点から、プラスチックが好ましく、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
塗料組成物の塗装方法又はコーティング剤組成物のコーティング方法としては、例えば、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装などが挙げられる。インク組成物の適用方法としては、例えば、インクジェット印刷方法、フレキソ印刷方法、グラビア印刷方法、反転オフセット印刷方法、枚葉スクリーン印刷方法、ロータリースクリーン印刷方法などが挙げられる。
塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物を被適用材質に適用した後、加熱硬化させて塗膜、コーティングを得ることが好ましい。
前記加熱方法としては、自己の反応熱による加熱方法と、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物と被適用材質を積極加熱する加熱方法等が挙げられる。積極加熱は、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物と被適用材質を熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、20~200℃であることが好ましく、より好ましくは60~160℃である。このような温度で加熱することにより、より効率的に乾燥を行うことができる。前記加熱時間は、0.0001~20時間が好ましく、より好ましくは1~10時間である。このような加熱時間とすることにより、より硬度の高いコーティング層を得ることができる。コーティング層を得るための乾燥条件は、例えば、120℃で5~20分での加熱が挙げられる。
硬化後の塗膜の厚さは、特に制限されないが、0.1~100μmの厚さが好ましく、より好ましくは、1~10μmの厚さの塗膜を形成することが特に好ましい。
<ポリウレタン樹脂フィルム>
本発明は、更に、前記エマルジョン組成物から得られるポリウレタン樹脂フィルムにも関する。
本発明に係るエマルジョン組成物を用いて、フィルムを得ることができる。具体的には、エマルジョン組成物を離形性基材に適用し、加熱等の手段により乾燥、硬化させ、続いてエマルジョン組成物の硬化物を離形性基材から剥離させることで、エマルジョン組成物からフィルムが得られる。
前記加熱方法としては、自己の反応熱による加熱方法と、前記反応熱と型の積極加熱とを併用する加熱方法などが挙げられる。型の積極加熱は、型ごと熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、10~200℃であることが好ましく、より好ましくは60~160℃である。このような温度で加熱することにより、より効率的に乾燥を行うことができる。
前記加熱時間は、好ましくは0.0001~20時間、より好ましくは1~10時間である。このような加熱時間とすることにより、より硬度の高いフィルムを得ることができる。エマルジョン組成物からフィルムを得るための乾燥条件としては、常温~200℃で加熱する方法が用いられるが、例えば、120℃で3~10秒で加熱する方法が採用される。
<積層体>
本発明は、前記コーティング剤組成物を硬化させて得られるコーティング層と、基材からなる層とを有する積層体に関する。
以下、積層体の実施形態について説明するが、特に記載がないものについては、前記コーティング剤組成物の実施形態と同じであってもよい。
本発明に係るエマルジョン組成物を含むコーティング剤組成物を、例えば、プラスチック基材、エラストマー基材、土木建築用基材、金属基材及びガラス基材等の上に塗布し、乾燥及び硬化させることにより、コーティング層と、基材からなる層とを有する積層体とすることができる。
プラスチック基材としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等からなる基材が挙げられる。
エラストマー基材としては、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなる基材が挙げられる。
土木建築用基材としては、コンクリート、モルタル、タイル等からなる基材が挙げられる。
金属基材としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等からなる基材及びこれらの基材を表面処理した基材が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン>
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、製造例1~7により製造した。
[製造例1]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UH-300(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量2,907;水酸基価38.6mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、300g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)20.1gと、水素添加MDI(H12MDI)112gとを、メチルエチルケトン151g中、ジブチル錫ジラウリレート0.35g存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で6時間加熱した。反応混合物を64℃まで冷却し、これにトリエチルアミン16.7gを添加・混合した。反応混合物563gを強攪拌下のもと水666.36gの中に加えた。次いで、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)25.2gを鎖延長剤として加えた後、メチルエチルケトンを加熱減圧で除去してポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。ウレタン基含有量は、6.5質量%であり、ウレア基含有量は、4.0質量%であった。
[製造例2]
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価56mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、301g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(16.3g)と、イソホロンジイソシアネート(90.0g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、132g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(12.0g)を添加・混合したもののうち、506gを、強撹拌のもと水(816g)の中に加えた。ついで、35重量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(31.3g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基含有量は、7.7質量%であり、ウレア基含有量は、2.8質量%であった。
[製造例3]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UH-200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量2,000;水酸基価57.30mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1300g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)39.1gと、イソホロンジイソシアネート377gとを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)627g中、ジブチル錫ジラウリレート1.36g存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で2時間加熱した。その後、12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)173gを加え、90℃で2時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン86.8gを添加・混合した。反応混合物2518.69gを強攪拌下のもと水3590gの中に加えた。次いで、35重量%のジエチレントリアミン(DETA)水溶液72.0gを鎖延長剤として加えて、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。ウレタン基含有量は、5.9質量%であり、ウレア基含有量は、2.5質量%であった。
[製造例4]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UH-200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量2,000;水酸基価56.1mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、37.6g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)1.21gと、水素添加MDI(H12MDI)12.77gとを、3-メトキシ-N、N-ジメチルプロパンアミド(M-100)22.61g中、ジブチル錫ジラウリレート0.05g存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で2時間加熱した。その後、12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)5.02gを加え、90℃で3時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン2.73gを添加・混合した。反応混合物64.3gを強攪拌下のもと水101gの中に加えた。次いで、35重量%のジエチレントリアミン(DETA)水溶液2.31gを鎖延長剤として加えて、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。ウレタン基含有量は、7.4質量%であり、ウレア基含有量は、2.0質量%であった。
[製造例5]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UH-200(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量2,000;水酸基価57.3mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1300g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)39.1gと、イソホロンジイソシアネート377gとを、3-メトキシ-N、N-ジメチルプロパンアミド(M-100)627g中、ジブチル錫ジラウリレート1.36g存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で2時間加熱した。その後、12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)174gを加え、90℃で2時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン86.8gを添加・混合した。反応混合物2519gを強攪拌下のもと水3590gの中に加えた。次いで、35重量%のジエチレントリアミン(DETA)水溶液72.0gを鎖延長剤として加えて、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。ウレタン基含有量は、5.9質量%であり、ウレア基含有量は、2.5質量%であった。
[製造例6]
撹拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価57mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、42.4g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(2.79g)と、水素添加MDI(16.52g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、20.57g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.05g)存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で3時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(2.1g)を添加・混合し、この混合物のうち、79.1gを抜き出し、強撹拌のもと水(114.8g)の中に加えた。ついで、35重量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(6.20g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基含有量は、7.7質量%であり、ウレア基含有量は、3.6質量%であった。
[製造例7]
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器で、ETERNACOLL(登録商標) UH100(宇部興産製;数平均分子量916;水酸基価123mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、150g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(22.0g)と、水素添加MDI(145g)とを、N-エチルピロリドン(NEP、135g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80-90℃で、6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(14.9g)を添加・混合した。反応混合物の中から436gを抜き出して、強攪拌下のもと水(690g)の中に加えた。ついで、35重量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(62.6g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。ウレタン基含有量は、11.4質量%であり、ウレア基含有量は、6.9質量%であった。
<アクリル樹脂エマルジョン>
アクリル樹脂エマルジョンは、以下の成分を用いた。
LX-2:パラケムジャパン製;アクリルエマルジョン;固形分60%;Tg:-30℃
[実施例及び比較例]
(エマルジョン組成物の製造方法)
ポリウレタン樹脂エマルジョン、及びアクリル樹脂エマルジョンを、固形分の質量で、下記表1に記載の割合となるように、攪拌混合し、エマルジョン組成物を得た。得られたエマルジョン組成物(10g)に対し、消泡剤としてビック・ケミー製BYK-345(0.01g)、着色剤としてトーヨーカラー製EMFピンク2B-1(1g)を加えて、エマルジョン組成物(1)を得た。
(ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度)
ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度については、ポリウレタン樹脂の実施形態において記載されたポリウレタン樹脂中のウレタン基の含有量の算出方法及びポリウレタン樹脂中のウレア基の含有量の算出方法により、各濃度を算出し、合計することにより求めた。
(積層体の製造方法)
ポリエステルフィルム(東レ製ルミラーT-60)にバーコーター#3で上記エマルジョン組成物(1)を塗布(厚さ6μm)した。次に、室温で2分乾燥及び硬化させて、コーティング層(塗膜)と、ポリエステルフィルムからなる層とを有する積層体を得た。
(耐スクラッチ性の評価)
得られた積層体のコーティング層(塗膜)をナイロンブラシで擦った後、コーティング層(塗膜)の状態を観察した。コーティング層(塗膜)の剥離量により、以下のように評価した。
(塗膜の剥離量が多い:悪)×<△<○<◎(塗膜の剥離量が少ない:良)
Figure 0007151184000001
なお、表1中の略号は、以下の通りである。
HSA:12-ヒドロキシステアリン酸(小倉合成製)
DETA:ジエチレントリアミン(和光純薬製)
LX-2:アクリルエマルジョン(パラケムジャパン製)
DMM:ジプロピレングリコールジメチルエーテル(ダウケミカル製)
M-100:3-メトキシ-N、N-ジメチルプロパンアミド(KJケミカルズ製)
NEP:N-エチルピロリドン(BASF製)
表1より、以下のことが分かる。実施例1と比較例1の比較より、ポリウレタン樹脂を含む実施例1は、耐スクラッチ性に優れることが分かる。実施例1と比較例2の比較より、アクリル樹脂を含む実施例1は、耐スクラッチ性が優れることが分かる。
実施例1と比較例3及び4の比較より、ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、5質量%以上11質量%以下である実施例1は、耐スクラッチ性が優れることが分かる。
実施例2と、実施例3の比較より、ポリウレタン樹脂の構造として、(e-1)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)由来の構造と、(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有するジエチレントリアミン(DETA)由来の構造とを有する実施例2は、耐スクラッチ性により優れていることが分かる。
実施例3と、実施例4及び5の比較により、造膜助剤として3-メトキシ-N、N-ジメチルプロパンアミドを有する実施例4及び5は、耐スクラッチ性がより優れていることが分かる。
実施例3、6及び7と、実施例8との比較より、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂の合計の質量に対し、ポリウレタン樹脂の割合が35~90質量%である実施例3、6及び7は、更に高い耐スクラッチ性が発現することが分かる。
本発明は、新規なエマルジョン組成物に関する。エマルジョン組成物は、各種コーティング剤等の主成分として有用である。

Claims (9)

  1. ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むエマルジョン組成物であって、
    前記ポリウレタン樹脂が、(a)ポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)酸性基含有ポリオール由来の構造と、(c)ポリイソシアネート由来の構造と、(e-1)1分子中に酸性基を1つと水酸基を1つ有する末端停止剤由来の構造と、(f-2)1分子中にアミノ基及び/又はイミノ基を合計で3つ以上有する鎖延長剤由来の構造とを有し、
    前記ポリウレタン樹脂中のウレタン基とウレア基の合計濃度が、5質量%以上11質量%以下であり
    ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂の合計を100質量%とした際に、ポリウレタン樹脂を35~90質量%の割合で含む、エマルジョン組成物。
  2. 造膜助剤を更に含む、請求項1に記載のエマルジョン組成物。
  3. 造膜助剤が、3-メトキシ-N、N-ジメチルプロパンアミドである、請求項2に記載のエマルジョン組成物。
  4. アクリル樹脂のガラス転移温度が-55℃~0℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を含む、塗料組成物。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を含む、インク組成物。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物を含む、コーティング剤組成物。
  8. 請求項に記載のコーティング剤組成物を硬化させて得られるコーティング層と、プラスチック基材からなる層とを有する、積層体。
  9. プラスチック基材がポリエステル樹脂である、請求項に記載の積層体。
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