JP2019059864A - 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用 - Google Patents

水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 基材への密着性が高く、かつ弾性率に優れた水性ポリウレタン樹脂分散体を提供する。【解決手段】 ポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造と、酸性基含有ポリオール由来の構造とを有する水性ポリウレタン樹脂分散体であって、前記ポリオール由来の構造は、(a)脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造とを有することを特徴とする水性ポリウレタン樹脂分散体である。【選択図】 なし

Description

本発明は、水系媒体中にポリウレタン樹脂を分散させた水性ポリウレタン樹脂分散体に関し、より詳しくは、基材への密着性が高く、かつ弾性率・応力等の力学特性に優れた塗膜を与える水性ポリウレタン樹脂分散体に関する。また、本発明は、前記水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法、並びに前記水性ポリウレタン樹脂分散体を含有するコーティング用組成物、塗料用組成物、インク用組成物、及び前記ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物を乾燥させて得られるポリウレタン樹脂フィルムに関する。
水性ポリウレタン樹脂分散体は、従来の溶剤系ポリウレタンと比較して揮発性有機物の使用量を減少できる環境対応材料であることから、溶剤系ポリウレタンからの置き換えが進んでいる材料である。
水性ポリウレタン樹脂分散体は、基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性等に優れていることから、塗料、インク、接着剤、各種コーティング剤として、紙、プラスチックス、フィルム、金属、ゴム、エラストマー、繊維製品等に幅広く使用されている。
近年、プラスチック基材や金属基材などの表面保護コーティング剤の需要が高まっており、特に金属基材への密着性が高く、かつ弾性率等の力学特性に優れた水性ポリウレタン樹脂が望まれている。
例えば、炭素原子数2〜20個のアルキル基を側鎖に有するポリウレタンとビニル重合体とがポリシロキサン構造を介して結合した複合樹脂を含有することを特徴とする複合樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−105906
しかしながら、特許文献1記載の樹脂組成物においては、力学特性の調整のためのシロキサン構造を形成させるために、加水分解性シリル基やシラノール基を有する化合物をポリウレタン樹脂とは別に使用する必要があった。シロキサン構造のような第3成分を導入しないポリウレタン樹脂組成物では、コーティング剤の基材への密着性、コーティング剤により形成される塗膜の弾性率・応力等の力学特性が不十分であり、特段第3成分を存在させることなく、プラスチック基材や金属基材の表面保護用コーティング剤として適用できるポリウレタン樹脂分散体は知られていなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造と、酸性基含有ポリオール由来の構造とを有する水性ポリウレタン樹脂分散体において、前記ポリオール由来の構造は、脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造と、脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造とを有することを特徴とする水性ポリウレタン樹脂分散体により、上記課題が解決することを見出したものである。
本発明により、基材への密着性が高く、かつ弾性率に優れた水性ポリウレタン樹脂分散体が提供される。
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。なお、本発明のような高分子化合物は、複数種類の原料化合物の反応により多数の構造を有する生成物が得られるものである。そのため、高分子化合物は、包含される多数の構造を一般式で記載することができてもその構造により一義的に示されない。また、その物性について、機器分析等により直接的に測定し、特定することや既存の化合物と区別することは困難である。よって、本発明においては「水性ポリウレタン樹脂分散体」をはじめとした高分子化合物を、必要に応じ製造方法により特定することがある。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、ポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造と、酸性基含有ポリオール由来の構造とを有する水性ポリウレタン樹脂分散体において、
前記ポリオール由来の構造は、(a)脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造とを有している。
(ポリオール)
本発明において、水性ポリウレタン樹脂分散体におけるポリオール由来の構造とは、ポリオールの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
本発明のポリオール由来の構造は、(a)脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造とを含む。
脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造とは、脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール(以下、「脂環式ポリカーボネートポリオール」ということがある)の分子構造のうち、ウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示し、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数が2から10の脂肪族ポリオール由来の構造とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数が2から10の脂肪族ポリオール(以下、単に「脂肪族ポリオール」ということがある)の分子のうち、ウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。ポリウレタン樹脂の構造中には、脂環式ポリカーボネートポリオール及び脂肪族ポリオールの各々について、複数種のポリオールに由来する基が含まれていてもよい。
(脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール)
脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造をポリウレタンに導入するポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭素原子数が5〜12の脂環式構造を有するポリオール由来の構造を有するポリカーボネートポリオールが挙げられる。
前記炭素原子数が5〜12の脂環式構造を有するポリオール由来の構造とは、炭素原子数が5〜12の脂環式構造を有するポリオール分子のうち、カーボネート化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
炭素原子数が5〜12の脂環式構造を有するポリオール由来の構造をポリカーボネートポリオールに導入するためのポリオールとしては、具体的には、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
更に、脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールは、その構造の一部に脂環式構造を有しないポリオールに由来する構造を有していてもよい。
脂環式構造を有しないポリオールに由来する構造をポリカーボネートポリオールに導入するためのポリオールとしては、例えば、脂肪族ポリオールが挙げられ、例えば、炭素原子数2〜12の脂肪族ポリオールである。具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール等の分岐鎖状脂肪族ジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
脂環式構造を有さないポリオールに由来する構造を分子中に有するようなポリカーボネートポリオールは、脂環式構造を有するポリオールとそれ以外のポリオールとを用いて通常の方法でポリカーボネートポリオールを調製することで、得ることができる。脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールにおける脂環式構造を有しないポリオールに由来する構造の割合は、ポリカーボネートポリオールの調製の際に加えるポリオールの比率によって適宜調節することができるが、脂環式構造を有するポリオール由来の構造の割合は、好ましくは10モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは25モル%以上である。
この範囲とすることで、弾性率等の力学特性により優れた水性ポリウレタン樹脂分散体を得ることができる。
ポリウレタン樹脂の構造における、(a)脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造と、後述する(b)炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造の割合は、モル比で好ましくは90:10〜50:50、より好ましくは80:20〜50:50、特に好ましくは75:25〜50:50である。この範囲とすることで、弾性率等の力学特性により優れた水性ポリウレタン樹脂分散体を得ることができる。
(炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール)
炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造をポリウレタンに導入するためのポリオールとしては、炭素原子数が6〜12であること、脂環式構造を有していること、脂肪族のポリオールであることを除き特に制限はされない。脂環式構造の環員数にも、ポリオール全体での炭素数以内であることを除き制限はなく、脂環式構造は縮合環を形成していてもよい。また、ポリオールの水酸基は脂環式構造に直接結合していてもよい。当該ポリオールの具体例としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,7−ノルボルナンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等が挙げられるが、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
(ポリイソシアネート由来の構造)
本発明においてポリイソシアネート由来の構造とは、ポリイソシアネートの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体において、ポリイソシアネート由来の構造は、脂肪族ポリイソシアネート由来の構造と、芳香族ポリイソシアネート由来の構造とを含むことが好ましい。
更に、脂肪族ポリイソシアネート由来の構造とは、ポリイソシアネートの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示し、芳香族ポリイソシアネート由来の構造とは、芳香族ポリイソシアネートの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
(脂肪族ポリイソシアネート)
脂肪族ポリイソシアネート由来の構造をポリウレタンに導入するポリイソシアネートとしては、2個以上のイソシアナト基を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物が挙げられ、具体的には、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式構造を有する脂肪族ポリシアネート等が挙げられるが、これらに限定されない。
(芳香族ポリイソシアネート)
芳香族ポリイソシアネート由来の構造をポリウレタンに導入するポリイソシアネート化合物としては、2個以上のイソシアナト基を有する芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリイソシアネート由来の構造としては、前記脂環式構造を有する脂肪族イソシアネート由来の構造と、前記芳香族イソシアネート由来の構造とを含むことが好ましい。
また、前記脂環式構造を有する脂肪族イソシアネート由来の構造と、前記芳香族イソシアネート由来の構造の量は、ポリウレタン調製の際に加えるイソシアネートの量により任意の割合で設計することができるが、好ましくは脂環式構造を有する脂肪族イソシアネート由来の構造と芳香族イソシアネート由来の構造のモル比率が80:20〜20:80で、更に好ましくは80:20〜50:50で、特に好ましくは80:20〜60:40である。
この範囲とすることで、基材への密着性がより高く、弾性率等の力学特性により優れた水性ポリウレタン樹脂分散体を得ることができる。
(酸性基含有ポリオール由来の構造)
本発明において、酸性基含有ポリオール由来の構造とは、酸性基含有ポリオールの分子構造のうち、ポリウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
酸性基含有ポリオール由来の構造をポリウレタンに導入するポリオールとしては、酸性基を少なくとも1個分子内に有するポリオール化合物が挙げられる。酸性基は、特に制限されないが、カルボキシ基、スルホニル基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。
酸性基含有ポリオールの種類は、特に制限されないが、具体的には、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸等が挙げられる。この中でも入手容易性の観点から、2個のメチロール基を含む炭素原子数4〜12のアルカン酸(ジメチロールアルカン酸)が好ましく、中でも、2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ましい。
なお、本発明のポリウレタン樹脂において酸性基含有ポリオール由来の構造は、複数種の酸性基含有ポリオールを用いることで、複数種の酸性基含有ポリオール由来の構造を有していてもよい。
(水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法)
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、前記ポリオール由来の構造と、前記ポリイソシアネート由来の構造と、前記酸性基含有ポリオール由来の構造とを有する水性ポリウレタン樹脂が、水系媒体に分散されているものをいい、例えば、
脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール、炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール、ポリイソシアネート、酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)と、
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)と、
中和されたポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)及び
ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基と鎖延長剤とを反応させて水性ポリウレタン樹脂を得る工程(δ)
を含む方法により製造することができる。
前記工程(α)は、少なくとも1種類以上の水性有機溶媒を反応系中に加えて行うことが好ましい。水性有機溶媒の種類としては、水に対して溶解性があり、ウレタン化反応を阻害しない液体であれば特に制限されない。具体例としては、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのポリアルキレングリコールのアルキルエーテル溶剤、N−エチルピロリドンなどのラクタム類が挙げられる。
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)と、ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)は同時に行ってもよく、また、ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)と、鎖延長剤と反応させて水性ポリウレタン樹脂を得る工程(δ)は同時に行ってもよい。
工程(γ)におけるポリウレタンプレポリマーの水系媒体への分散の方法は、特に制限されないが、ホモミキサーやホモジナイザーによって水系媒体を攪拌しながらウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー溶液を添加することによって得ることができる。また、ポリウレタンプレポリマー溶液に水系媒体を添加して分散してもよい。この際、水性ポリウレタン樹脂分散体中のポリウレタン樹脂の割合が5〜60重量%となるようにすることが好ましく、より好ましくは20〜50重量%となるようにする。
(ポリウレタンプレポリマー)
本発明のポリウレタンプレポリマーは、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートと前記酸性基含有ポリオールとを反応させて得られるものである。
前記ポリオールである(a)脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールと(b)炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオールは、任意の割合で使用することができるが、(a)と(b)のモル比率が好ましくは90:10〜50:50、より好ましくは80:20〜50:50、特に好ましくは75:25〜50:50で使用される。この範囲とすることで、ポリウレタン樹脂フィルムに誘導した際に、弾性率等の力学特性により優れた水性ポリウレタン樹脂分散体を得ることができる。
更に、ポリオール及び酸性基含有ポリオールの合計の水酸基のモル数に対するポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数の比が、1.1〜2.5であることが好ましく、1.2〜2.2がより好ましく、特に1.3〜2.0が好ましい。
ポリイソシアネートと、ポリオールと酸性基含有ポリオールとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを得る際には、触媒を用いることもできる。
触媒は、特に制限されないが、例えば、スズ系触媒(トリメチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレート等)や鉛系触媒(オクチル酸鉛等)等の金属と有機及び無機酸の塩、及び有機金属誘導体、アミン系触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等)、ジアザビシクロウンデセン系触媒等が挙げられる。中でも、反応性の観点から、ジブチルスズジラウレートが好ましい。
ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、酸性基含有ポリオール化合物との反応は、無溶剤でも、有機溶剤を加えて行なってもよい。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、酢酸エチル等が挙げられる。これらのうち、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルは、ポリウレタンプレポリマーを水に分散し、更に鎖伸長反応に付した後に、加熱減圧により除去できるので好ましい。また、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンは、得られた水性ポリウレタン分散体の塗膜を作成する際に造膜助剤として働くため好ましい。
ポリイソシアネートと、ポリオールと、酸性基含有ポリオールとの反応により、末端にイソシアナト基を有するポリウレタンプレポリマーが、無溶剤又は有機溶剤溶液として得られる。ウレタンプレポリマーの粘度が高く、水への分散が困難な場合には、有機溶剤を用いて希釈して分散性を増大することができる。ここで使用できる有機溶剤としては、ポリウレタンプレポリマーを製造する際に使用した溶媒を用いることができる。
(中和剤)
ポリウレタンプレポリマーを水中に分散するために、塩基性成分をウレタンプレポリマー溶液に添加し、ポリウレタンプレポリマーに含まれる酸性基含有ポリオール由来の酸性基を中和することができる。
中和に用いることができる塩基性成分としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニア等が挙げられる。中でも好ましくは、有機アミンであり、特に好ましいものはトリエチルアミンである。添加方法としては、ポリウレタンプレポリマー溶液に、塩基性成分を、直接又は水溶液として添加する方法が好ましく、その添加量は、ポリウレタンプレポリマー中の酸性基に対して0.5〜2倍当量とすることができ、0.7〜1.5倍当量が好ましく、特に0.85〜1.3倍当量が好ましい。
なお、これらの中和剤は、複数種を併用してもよい。
(水系媒体)
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂が、水系媒体中に分散された形態にある。水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。中でも入手の容易さや塩の影響で粒子が不安定になること等を考慮して、イオン交換水を用いることが好ましい。また前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等のラクタム溶剤などが挙げられる。
前記水系媒体は、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体全量中に、10質量%〜90質量%の範囲で含まれることが好ましく、20質量%〜80質量%の範囲で含まれることがより好ましい。また、水系媒体は、複数種を併用してもよい。
(鎖延長剤)
水性ポリウレタン樹脂分散体の製造では、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。
使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、
水;エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミンが使用される。
鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
鎖延長剤は、複数種を併用してもよく、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤との反応の温度は、0〜50℃、好ましくは0〜40℃であり、反応時間は、反応温度にもよるが、例えば0.1〜5時間、好ましくは0.2〜3時間である。
鎖延長剤の添加量は、得られるウレタンポリマー中の鎖延長起点となるイソシアナト基の当量以下であることが好ましい。鎖延長剤の添加量が、イソシアナト基の当量以下であれば、鎖延長して得られるウレタンポリマーの分子量が低下して塗膜の強度が低下することを避けやすい。鎖延長剤の添加は、ポリウレタンプレポリマーの水系媒体への分散後でもよく、分散中でもよい。鎖延長は水によっても行なうこともできる。この場合は分散媒としての水が鎖延長剤を兼ねることになる。
(水性ポリウレタン樹脂分散体の特性)
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、前記水性ポリウレタン樹脂分散体中のウレタン結合とウレア結合の合計が、固形分基準で20〜40重量%であることが好ましく、20〜30重量%であることが更に好ましく、20〜26重量%であることが特に好ましい。
この範囲とすることで、水性ポリウレタン樹脂分散体から形成される塗膜と基材の密着性がより高くなり、また水性ポリウレタン樹脂分散体から誘導されるポリウレタン樹脂フィルムの弾性率・応力等の力学特性がより優れたものとなる。
ウレタン結合とウレア結合の合計の含有割合は、ポリイソシアネート、ポリオール、酸性基含有ポリオール、鎖延長剤のそれぞれの分子量、1分子中における水酸基、イソシアナト基、アミノ基の数及び水性ポリウレタン樹脂分散体における固形分基準での各原料の使用割合によって制御することができる。
水性ポリウレタン樹脂分散体から形成される塗膜の基材への密着性の観点から、前記水性ポリウレタン樹脂分散体中のカーボネート結合の含有割合は、固形分基準で好ましくは5〜20重量%であり、更に好ましくは5〜15重量%であり、特に好ましくは5〜9重量%である。
また、水性ポリウレタン樹脂分散体の脂環式構造と芳香環構造の合計は、固形分基準で好ましくは34〜60重量%であり、更に好ましくは34〜50重量%であり、特に好ましくは34〜45重量%以下である。
この範囲とすることで、水性ポリウレタン樹脂分散体から形成される塗膜の基材への密着性がより高くなり、また水性ポリウレタン樹脂分散体から誘導されるポリウレタン樹脂フィルムの弾性率等の力学特性がより優れたものとなる。
(塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物)
本発明は、上記水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物にも関する。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、上記水性ポリウレタン樹脂分散体以外にも、他の樹脂を添加することもできる。他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。他の樹脂は、1種以上の親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基等が挙げられる。
他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、通常、酸成分とアルコ−ル成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができる。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、10〜300mgKOH/g程度が好ましく、50〜250mgKOH/g程度がより好ましく、80〜180mgKOH/g程度が更に好ましい。前記ポリエステル樹脂の酸価は、1〜200mgKOH/g程度が好ましく、15〜100mgKOH/g程度がより好ましく、25〜60mgKOH/g程度が更に好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、500〜500,000が好ましく、1,000〜300,000がより好ましく、1,500〜200,000が更に好ましい。
アクリル樹脂としては、水酸基含有アクリル樹脂が好ましい。水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとを、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法等の既知の方法によって共重合させることにより製造できる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基、及び、重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;これらのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
他の重合性不飽和モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能重合性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
水酸基含有アクリル樹脂は、アニオン性官能基を有することが好ましい。アニオン性官能基を有する水酸基含有アクリル樹脂については、例えば、重合性不飽和モノマーの1種として、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性官能基を有する重合性不飽和モノマーを用いることにより製造できる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、組成物の貯蔵安定性や得られる塗膜の耐水性等の観点から、1〜200mgKOH/g程度が好ましく、2〜100mgKOH/g程度がより好ましく、3〜60mgKOH/g程度が更に好ましい。
また、水酸基含有アクリル樹脂がカルボキシ基等の酸基を有する場合、該水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、得られる塗膜の耐水性等の観点から、1〜200mgKOH/g程度が好ましく、2〜150mgKOH/g程度がより好ましく、5〜100mgKOH/g程度が更に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましく、更に好ましくは3,000〜50,000の範囲内であることが好適である。
ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体又は共重合体が挙げられ、例えばポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテル、ビスフェノールA又はビスフェノールF等の芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールから製造された重合体が挙げられ、例えばビスフェノールA・ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の各種ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等が挙げられる。ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFが挙げられる。
アルキド樹脂としては、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の多塩基酸と多価アルコールに、更に油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと通常の重合法に従って重合又は共重合することにより得られるポリオレフィン樹脂を、乳化剤を用いて水分散するか、あるいはオレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと共に乳化重合することにより得られる樹脂が挙げられる。また、場合により、前記のポリオレフィン樹脂が塩素化されたいわゆる塩素化ポリオレフィン変性樹脂を用いてもよい。
オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレン類等の共役ジエン又は非共役ジエンが挙げられる。これらのモノマーは、複数種を併用してもよい。
オレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸が挙げられる。これらのモノマーは、複数種を併用してもよい。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物は、硬化剤を含むことができ、これにより、塗料組成物又はコーティング剤組成物を用いて得られる塗膜又は複層塗膜、コーティング膜や印刷物の耐水性等を向上させることができる。
硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、メラミン樹脂、カルボジイミド等を用いることできる。硬化剤は、複数種を併用してもよい。
アミノ樹脂としては、例えば、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。前記アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、1分子中に2個以上のイソシアナト基を有する化合物が挙げられ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネートとしては、前述のポリイソシアネートのイソシアナト基にブロック剤を付加することによって得られるものが挙げられ、ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール等のフェノール系、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール系、マロン酸ジメチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系、アセトアニリド、酢酸アミド等の酸アミド系、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム等のラクタム系、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム系、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミン等のアミン系等のブロック化剤が挙げられる。
メラミン樹脂としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン等のメチロールメラミン;これらのメチロールメラミンのアルキルエーテル化物又は縮合物;メチロールメラミンのアルキルエーテル化物の縮合物が挙げられる。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、着色顔料や体質顔料、光輝性顔料を添加することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等が挙げられる。これらは、複数種を併用してもよい。特に、着色顔料として、酸化チタン及び/又はカーボンブラックを使用することが好ましい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトが挙げられる。これらは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。特に、体質顔料として、硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましく、硫酸バリウムを使用することがより好ましい。
光輝性顔料は、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母を使用することができる。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、必要に応じて、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の通常の添加剤を含有することができる。これらは、複数種を併用してもよい。
本発明の塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物の製造方法は、特に制限されないが、公知の製造方法を用いることができる。一般的には、塗料組成物及びコーティング剤組成物は、上記水性ポリウレタン樹脂分散体と上述した各種添加剤を混合し、更に水系媒体を添加し、適用方法に応じた粘度に調整することにより製造される。
塗料組成物の被塗装材質、コーティング剤組成物の被コーティング材質又はインク組成物の被適用材質としては、金属、プラスチック、無機物、木材等が挙げられ、電着塗装板にも好適に挙げることができる。
電着塗装板とは、被塗物を水溶性塗料中に浸積してその被塗物を陰極(又は陽極)として、そして塗料を被塗物の反対電極として直流電圧を印加し、被塗物に塗膜を形成させた積層板である。電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、自動車車体などの大型で複雑な形状を有し、高い防錆性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として好ましい。また、他の塗装方法と比較して、塗料の使用効率が極めて高いことから経済的であり、工業的な塗装方法として好ましい。例えば、カチオン電着塗装は、陽イオン性を有するカチオン電着塗料中に被塗物を陰極として浸漬し、電圧を印加することにより行われる。
塗料組成物の塗装方法又はコーティング剤組成物のコーティング方法としては、例えば、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装が挙げられる。インク組成物の適用方法としては、例えば、インクジェット印刷方法、フレキソ印刷方法、グラビア印刷方法、反転オフセット印刷方法、枚葉スクリーン印刷方法、ロータリースクリーン印刷方法が挙げられる。
塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物を被適用材質に適用した後、加熱硬化させて塗膜、コーティングを得ることが好ましい。
前記加熱方法としては、自己の反応熱による加熱方法と、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物と被適用材質を積極加熱する加熱方法等が挙げられる。積極加熱は、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物と被適用材質を熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、40〜200℃であることが好ましく、より好ましくは60〜160℃である。このような温度で加熱することにより、より効率的に乾燥を行うことができる。前記加熱時間は、0.0001〜20時間が好ましく、より好ましくは1〜10時間である。このような加熱時間とすることにより、より硬度の高いポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。ポリウレタン樹脂フィルムを得るための乾燥条件は、例えば、120℃で5〜20分での加熱が挙げられる。
特に本発明では、80〜90℃程度の比較的低温で基材への密着性の高い塗膜を形成することができる。
硬化後の塗膜の厚さは、特に制限されないが、1〜100μmの厚さが好ましい。より好ましくは、3〜50μmの厚さの塗膜を形成することが好ましい。
(ポリウレタン樹脂フィルム)
本発明は、更に、上記水性ポリウレタン樹脂分散体から得られるポリウレタン樹脂フィルムにも関する。
水性ポリウレタン樹脂分散体を用いて、ポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。水性ポリウレタン樹脂分散体を離形性基材に適用し、加熱等の手段により乾燥、硬化させ、続いてポリウレタン樹脂の硬化物を離形性基材から剥離させることで、ポリウレタン樹脂フィルムが得られる。
前記加熱方法としては、自己の反応熱による加熱方法と、前記反応熱と型の積極加熱とを併用する加熱方法等が挙げられる。型の積極加熱は、型ごと熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、40〜200℃であることが好ましく、より好ましくは60〜160℃である。このような温度で加熱することにより、より効率的に乾燥を行うことができる。前記加熱時間は、0.0001〜20時間が好ましく、より好ましくは1〜10時間である。このような加熱時間とすることにより、より硬度の高いポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。ポリウレタン樹脂フィルムを得るための乾燥条件は、例えば、120℃で5〜20分での加熱が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
水性ポリウレタン樹脂分散体の脂環式構造・芳香環構造の割合、ウレタン結合・ウレア結合・カーボネート結合の含有割合の算出及び物性測定は以下のように行った。
(1)脂環式構造の含有割合
水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合から脂環式構造のモル濃度(モル/g)を算出し、重量分率に換算した。重量分率は水性ポリウレタン樹脂分散体から溶剤(水系及び有機系)を除いたポリウレタン樹脂の固形分を基準とする。
(2)芳香環構造の含有割合
水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合から芳香環構造のモル濃度(モル/g)を算出し、重量分率に換算した。重量分率は水性ポリウレタン樹脂分散体から溶剤(水系及び有機系)を除いたポリウレタン樹脂の固形分を基準とする。
(3)ウレタン結合の含有割合及びウレア結合の含有割合
ウレタン結合の固形分基準の含有量、ウレア結合の固形分基準の含有量には、水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合からウレタン結合及びウレア結合のモル濃度(モル/g)を算出し、重量分率に換算したものを表記した。重量分率は水性ポリウレタン樹脂分散体の固形分を基準とする。水性ポリウレタン樹脂分散体0.3gを厚さ0.2mmでガラス基板上に塗布し、140℃で4時間加熱乾燥した後に残った重量を測定し、これを乾燥前の重量で割ったものを固形分濃度とした。水性ポリウレタン樹脂分散体の全重量と固形分濃度の積を固形分重量として、前記重量分率を算出した。
(4)カーボネート結合の含有割合
カーボネート結合の固形分基準の含有量には、水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合からカーボネート結合のモル濃度(モル/g)を算出し重量分率に換算したものを表記した。重量分率は水性ポリウレタン樹脂分散体の固形分を基準とし、前記ウレタン結合の固形分基準の含有量と同様の方法で算出した。
(5)ポリウレタン樹脂フィルムの弾性率の測定
(試験片の作製)
水性ポリウレタン樹脂分散体を、PETフィルム上に、乾燥後の膜厚が約20μmになるように均一に塗布した。175℃で5分乾燥した後、得られたポリウレタン樹脂フィルムをPETフィルムより剥離して評価に供した。
(試験方法)
作製したポリウレタン樹脂フィルムを打ち抜いて、ISO 37で規定されているタイプ1A(JIS K 6251で規定されているダンベル状3号形)の試験片(平行部分の幅5mm、標線間距離20mm)を作成し、ロードセル(ORIENTEC CORPORATION社製「UR−50N−D」)にて弾性率を測定した。
なお、測定条件は、測定温度23℃、湿度50%、引張速度50mm/分とした。JIS−K7311に従い、引張試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を使用して、23℃、50%RHの条件で弾性率を測定した。
(6)基材への密着性の評価
水性ポリウレタン樹脂組成物を、70mm×50mmの鋼板基材上にそれぞれ塗布し、80℃で1時間乾燥させて、水性ポリウレタン樹脂分散体でコーティングされた金属基材を作製した。得られた硬化膜に2mm間隔で縦横11本の切込みを入れ、100個のマスを作成した。セロハンテープをマス全体に貼り、消しゴムで擦り、よく密着させた上で、勢いよくセロハンテープを剥がし、基材への密着性を評価した。
1マスでも剥がれた時点で終了とし、剥がれなければ、この操作を最大10回繰り返した。終了時点での試行において基材面に剥がれず残った数(分子)/100(分母)と、剥がれるまで試験を行った回数(括弧の中の数)を評価結果とした。
[実施例1]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UM90(1/3)(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量907;水酸基価123.7mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)200.02g(0.221モル)と、1,4−シクロヘキサンジメタノール31.90g(0.221モル)、2,2−ジメチロールプロピオン酸41.86(0.312モル)と、水素添加MDI263.19g(1.003モル)、MDI62.78g(0.251モル)とを、N−エチルピロリドン中ジブチルスズジラウリレート(0.5g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、4.79重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン31.85gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、696.53gを抜き出し、強攪拌しながら水906.02gに入れた後、鎖延長剤として2−メチル−1,5−ペンタンジアミン43.09gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
[実施例2]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置でETERNACOLL UM90(1/3)(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量907;水酸基価127.3mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)130.03g(0.143モル)と、1,4−シクロヘキサンジメタノール20.65g(0.143モル)、2,2−ジメチロールプロピオン酸27.25(0.203モル)と、水素添加MDI171.02g(0.652モル)、MDI40.78g(0.163モル)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル中ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、5.05重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン20.71gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、406.33gを抜き出し、強攪拌しながら水572.80入れた後、鎖延長剤として2−メチル−1,5−ペンタンジアミン27.03gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
[実施例3]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置でETERNACOLL UM150(3/1)(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量1550;水酸基価72.4mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=3:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)160.19g(0.103モル)と、1,4−シクロヘキサンジメタノール14.88g(0.103モル)、2,2−ジメチロールプロピオン酸23.82(0.178モル)と、水素添加MDI120.66g(0.460モル)、MDI36.33g(0.145モル)とを、N−エチルピロリドン中ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、3.52重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン17.09gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、402.13gを抜き出し、強攪拌しながら水608.09gに入れた後、鎖延長剤として2−メチル−1,5−ペンタンジアミン17.09gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
[実施例4]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UM90(1/3)(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量907;水酸基価123.7mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)150.01g(0.168モル)と、1,4−シクロヘキサンジメタノール8.07g(0.056モル)、2,2−ジメチロールプロピオン酸24.5(0.186モル)と、水素添加MDI141.73g(0.540モル)、MDI36.64g(0.146モル)とを、N−エチルピロリドン中ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、3.72重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン18.89gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、452.5gを抜き出し、強攪拌しながら水534.6gに入れた後、鎖延長剤として2−メチル−1,5−ペンタンジアミン23.74gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
[実施例5]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UM90(1/3)(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量907;水酸基価123.7mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)150.02g(0.168モル)と、1,4−シクロヘキサンジメタノール16.20g(0.112モル)、2,2−ジメチロールプロピオン酸28.26(0.211モル)と、水素添加MDI169.70g(0.647モル)、MDI44.16g(0.177モル)とを、N−エチルピロリドン中ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、4.68重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン21.77gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、523.99gを抜き出し、強攪拌しながら水533.17gに入れた後、鎖延長剤として2−メチル−1,5−ペンタンジアミン25.58gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
[比較例1]
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ETERNACOLL UM90(1/3)(登録商標;宇部興産株式会社製ポリカーボネートジオール;数平均分子量900;水酸基価124.7mgKOH/g;ポリオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)176.3g(0.196モル)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸26.3g(0.196モル)と、水素添加MDI 169.7g(0.647モル)とを、N−メチルピロリドン中ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のイソシアナト基含量は、3.90重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン19.9gを加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、416.5gを抜き出し、強攪拌しながら水527.5gに入れた後、鎖延長剤として2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液19.64gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
Figure 2019059864
Figure 2019059864
Figure 2019059864
実施例1〜5と比較例1との比較から、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体から誘導されたポリウレタン樹脂フィルムは、弾性率が高いことが分かる。
また、実施例と比較例1との比較から、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体を基材に塗布、乾燥し、得られた塗膜は基材との密着性が優れていることが分かる。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、塗料、コーティング剤、プライマー、接着剤、インク、フィルム等の原料として広く利用できる。

Claims (9)

  1. ポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造と、酸性基含有ポリオール由来の構造とを有する水性ポリウレタン樹脂分散体において、
    前記ポリオール由来の構造は、(a)脂環式構造を有するポリカーボネートポリオール由来の構造と、(b)炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオール由来の構造とを有することを特徴とする水性ポリウレタン樹脂分散体。
  2. 前記ポリイソシアネート由来の構造は、脂肪族ポリイソシアネート由来の構造と、芳香族ポリイソシアネート由来の構造とを有することを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
  3. 前記(a)と(b)のモル比率が90:10〜50:50である請求項1又は2に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
  4. 脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールと、炭素原子数が6から12の脂環式構造を有する脂肪族ポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、酸性基含有ポリオールとを反応させてプレポリマーを得る工程(α)と、
    前記プレポリマー中の酸性基を中和する工程(β)と、
    中和されたプレポリマーを水系分散体に分散させる工程(γ)と、
    水系媒体に分散されたプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる工程(δ)とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法。
  5. 前記プレポリマーを得る工程(α)において、少なくとも1種類以上の水性有機溶媒を加えることを特徴とする請求項4に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する塗料組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有するコーティング剤組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有するインク組成物。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する組成物を乾燥及び硬化させて得られるポリウレタン樹脂フィルム。
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