JP7484331B2 - 耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体 - Google Patents
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Description
ポリカーボネートポリオール(PCP)は、イソシアネート化合物との反応により、硬質フォーム、軟質フォーム、塗料、接着剤、合成皮革、インキバインダーなどに用いられる耐久性のあるポリウレタン樹脂を製造するための原料となる有用な化合物である。ポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタンの特徴は、カーボネート基の高い凝集力によって発現し、耐水性、耐熱性、耐油性、弾性回復性、耐摩耗性、耐候性に優れることが述べられている(非特許文献1参照)。また、ポリカーボネートポリオールを原料とした水性ウレタン樹脂分散体を塗布して得られる塗膜においても、耐光性、耐熱性、耐加水分解性、耐油性に優れることが知られている(特許文献1参照)。
地球温暖化ガス排出の観点で、この乾燥温度を従来の140℃以上から100℃以下に下げて塗膜を作成することができれば、エネルギーコスト削減や環境への負荷の低減が期待される。
そこで、本発明の課題は、100℃以下での低温乾燥において、基材への密着性を備えつつ、破断エネルギーの高い塗膜を形成する、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体を提供することである。
(1)第1の発明は、ポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)、中和剤(Ad)及び鎖延長剤(Ae)由来の構成単位を有する、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体であって、ポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含み、水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるN(C=O)NH濃度が固形分基準で7.5質量%以上13質量%以下である、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(2)第2の発明は、水性ポリウレタン樹脂分散体中のハードセグメントの含有量が固形分基準で50~70質量%である、前記(1)に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(3)第3の発明は、水性ポリウレタン樹脂分散体中に含まれる脂環構造の含有割合が固形分基準で20~40質量%である、前記(1)又は(2)に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(4)第4の発明は、ポリオール化合物(Aa)に含まれるポリカーボネートポリオール化合物が脂環構造を含有する、及び/又は炭素数4以下のジオールで構成される、前記(1)~(3)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(5)第5の発明は、ポリオール化合物(Aa)に含まれるポリカーボネートポリオール化合物がシクロヘキサン環を含有する、及び/又は2-メチル-1,3-プロパンジオールで構成される、前記(4)に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(6)第6の発明は、数平均分子量が50,000以上である、前記(1)~(5)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(7)第7の発明は、酸価が18~40mgKOH/gである、前記(1)~(6)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(8)第8の発明は、ポリイソシアネート化合物(Ab)が脂環式ポリイソシアネートである、前記(1)~(7)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(9)第9の発明は、前記(1)~(8)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体に任意成分としてアクリルエマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン及びポリエステルエマルジョンから選ばれる少なくとも1種を含む耐破壊特性材料用コーティング材料組成物である。
(10)第10の発明は、金属の外装用プライマー又はベースコート用の、前記(1)~(8)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
(11)第11の発明は、前記(1)~(8)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体又は前記(9)記載の耐破壊特性材料用コーティング材料組成物を乾燥させて得られる、塗膜である。
(12)第12の発明は、前記(1)~(8)のいずれかに記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体又は前記(9)記載の耐破壊特性材料用コーティング材料組成物を20℃~100℃で乾燥させる工程を含む、塗膜の製造方法である。
(13)第13の発明は、前記(12)に記載の方法により得られる塗膜のフロアコート、プラスチック又はゴムへのコート、鋼板処理剤、金属の外装用プライマー又はベースコートとしての使用である。
(14)第14の発明は、(I)ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含むポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)を、ポリオール化合物(Aa)と酸性基含有ポリオール(Ac)とが有する水酸基と、ポリイソシアネート化合物(Ab)の有するイソシアナト基のモル比率が、NCO/OH=1.70~2.50となるように、有機溶剤の存在下、又は非存在下で反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程、
(II)前記ポリウレタンプレポリマーの酸基を中和剤(Ad)で中和する工程、
(III)前記ポリウレタンプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、
(IV)N(C=O)NH濃度が7.5~13質量%になるように鎖延長剤(Ae)の種類及び注入量を調整し、前記ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤(Ae)で高分子量化する工程、
及び場合により
(V)有機溶剤を除去する工程
を含む、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する方法である。
(15)第15の発明は、ポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)、中和剤(Ad)及び鎖延長剤(Ae)由来の構成単位を有する、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体であって、ポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含み、水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるN(C=O)NH濃度が固形分基準で7.5質量%以上13質量%以下である、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体であって、20℃~100℃の低温で塗膜を形成し、JIS K 5600-5-4に準拠した方法により測定した、塗膜の鉛筆硬度が2B以上であり、電着塗面へのコーティング膜の碁盤目剥離試験を4回行った際に、剥離が認められない、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体である。
水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるN(C=O)NH濃度が固形分基準で7.5質量%以上13質量%以下であることが必須である。
本発明で使用するポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物(Aa1)を含み、任意成分として、その他のポリオール化合物(Aa2)を含んでいてもよい。
ポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物(Aa1)をポリオール化合物(Aa)の全量に対して好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上含む。ポリカーボネートポリオール化合物(Aa1)の含有量の上限は特に制限されず、ポリオール化合物(Aa)の全量即ち100質量%を占めていてもよい。
上記ポリカーボネートポリオール化合物(Aa1)は基材への密着性と破断エネルギーの観点から、ガラス転移温度が-55℃~-20℃であり、-50~-25℃であることが好ましく、-50~-30℃であることがより好ましい。ガラス転移温度は示差走査熱量計により測定することができる。具体的な測定方法は後述の通りである。
ポリオール化合物(Aa)は上記ガラス転移温度が-55~-20℃であるポリカーボネートポリオール化合物(Aa1)及び後述する酸性基含有ポリオール(Ac)以外のその他のポリオール化合物(Aa2)を含有していてもよい。このような、その他のポリオール化合物(Aa2)は、ポリオール化合物(Aa)の全量に対し、70質量%未満の量で含まれていることが好ましく、60質量%未満の量で含まれていることがより好ましく、50質量%未満の量で含まれていることがさらに好ましく、40質量%未満の量で含まれていることが特に好ましい。水性ポリウレタン樹脂に求める物性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のポリオール化合物(Aa2)の種類、量はともに当業者であれば適宜調整することができるが、その他のポリオール化合物(Aa2)は、ポリオール化合物(Aa)中に含まれていなくてもよい。
ポリイソシアネート化合物(Ab)としては、公知のものを使用することができる。例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-ジクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート化合物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物(Ab)は、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていてもよい。
酸性基含有ポリオール(Ac)とは、一分子中に2個以上の水酸基と、1個以上の酸性基を含有するものである。酸性基含有ポリオール(Ac)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
各ポリオール成分の水酸基当量数=各ポリオール成分の分子量/各ポリオール成分の水酸基の数・・・(1)
ポリオール成分の合計の水酸基当量数=M/ポリオール成分の合計モル数・・・(2)
式(2)において、Mは、[〔ポリカーボネートポリオール成分の水酸基当量数×ポリカーボネートポリオール成分のモル数〕+〔酸性基含有ポリオールの水酸基当量数×酸性基含有ポリオールのモル数〕+〔その他のポリオールの水酸基当量数×その他のポリオールのモル数〕]を示す。
中和剤(Ad)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
鎖延長剤(Ae)は、ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基と反応性を有する化合物である。鎖延長剤(Ae)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、ポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)、中和剤(Ad)及び鎖延長剤(Ae)由来の構成単位を有する。本発明のポリウレタン樹脂は、好ましくは、以下のような特徴を有するものである。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるN(C=O)NH基濃度が固形分基準で7.5質量%以上13質量%以下である。N(C=O)NH基は、ポリウレタンの調製過程で鎖延長剤とイソシアナト基との反応により生じる。N(C=O)NH基の濃度が上記範囲であると、水性ポリウレタン樹脂分散体を低温で硬化させた場合でも基材への密着性に優れる被膜が得られる。
一般にポリウレタンの分子には、ハードセグメントと呼ばれる部分とソフトセグメントと呼ばれる部分が存在する。ハードセグメント同士は凝集してポリウレタン樹脂の硬さの向上に影響し、ソフトセグメントは変形に対する自由度が高いことから、柔軟性や密着性の向上に影響する。
ポリウレタンにおけるソフトセグメントとは、主に高分子量ポリオールに由来する部分であり、ハードセグメントとは、水素結合による凝集を起こし得る結晶性の部分である。一般的なポリウレタンにおいては、ジイソシアネートと短鎖ジオールの連鎖からなる部分がハードセグメントである。このセグメントはウレタン結合を高密度に含むため、非常に水素結合が強く、多数の分子のハードセグメントが凝集することで、ハードドメインが形成される。具体的にはハードセグメントは、ウレタン基、ウレア基、並びにウレタン基又はウレア基同士若しくはウレタン基とウレア基とを連結する分子量250未満の構造からなる。当該「分子量250未満の構造」は、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)、及び鎖延長剤(Ae)から選ばれる少なくとも一種に由来することが好ましい。「分子量250未満の構造」は、例えば、ポリイソシアネートをOCN-R-NCOと表したときのR部分に相当する。この部分の分子量が250未満であれば、当該部分の分子としての長さが十分に短く、ハードセグメントが凝集した島と言われる部分が十分に形成される。ウレタン基又はウレア基同士若しくはウレタン基とウレア基とを連結する分子量250未満の構造とは、具体的には、ウレタン基及び/又はウレア基の間の分子量250未満で構成されるポリイソシアネート化合物(Ab)、ポリオール化合物(Aa)、酸性基含有ポリオール(Ac)及び鎖延長剤(Ae)であるポリアミン化合物の中から選ばれる少なくとも一つの化合物由来の構造からイソシアナト基、水酸基、アミノ基、イミノ基を除いた構造である。
水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるポリウレタン樹脂には、被膜としたときの硬さの観点から、脂環構造が含まれていることが好ましい。脂環構造は、脂肪族の環構造であればその環員数に制限はない。原料としての入手が容易であることから、6員環(シクロヘキシレン基)が含まれるように設計することが好ましい。脂環構造は、ポリウレタンの原料の何れに由来していてもよいが、ポリオール化合物(Aa)及び/又はポリイソシアネート化合物(Ab)に由来しているものであることが好ましい。脂環構造を有する構成単位の例としては、ポリオール化合物(Aa)として、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の主鎖に脂環式構造を有するジオール又はこれから得られるポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート化合物(Ab)として水素添加MDI等が挙げられる。脂環構造の含有割合は、これら各構成単位に含まれる脂環構造全体に基づいて算出される。
水性ポリウレタン樹脂分散体は、ポリウレタン樹脂及び水系媒体を含み、ポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散している。
水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類;N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドンなどのピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;KJケミカル社製「KJCMPA(R)-100」に代表されるβ-アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;2-(ジメチルアミノ)-2-メチル-1-プロパノール(DMAP)などの水酸基含有三級アミンが挙げられる。
国際公開第2016/039396号公報等に記載の公知の方法により、水性ポリウレタン樹脂分散体を製造することができる。例えば、以下のような製造方法が挙げられる。
第1の製造方法は、原料を全て混合し、反応させて、水系媒体中に分散させることにより水性ポリウレタン樹脂分散体を得る方法である。
第2の製造方法は、全ポリオール成分とポリイソシアネートとを反応させて、プレポリマーを製造し、前記プレポリマーの酸性基を中和した後、水系媒体中に分散させ、鎖延長剤を反応させることにより水性ポリウレタン樹脂分散体を得る方法である。
水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法としては、分子量の制御が行いやすいため、上記の第2の製造方法が好ましい。
第1の製造方法は、ウレタン化触媒存在下又は不存在下で、ブロック化剤(Bg)以外の原料を全て混合し、反応させて、ウレタン化反応を行い、最後にブロック化触媒存在下又は不存在下でブロック化剤(Bg)を反応させてブロック化反応を行い、末端イソシアナト基の少なくとも一部がブロック化されたポリウレタンプレポリマーを合成する方法である。
第2の製造方法は、ブロック化触媒存在下又は不存在下で、イソシアネート化合物(Bb)と、ブロック化剤(Bg)とを反応させてブロック化反応を行い、イソシアナト基の一部をブロック化したポリイソシアネート化合物を合成し、ウレタン化触媒存在下又は不存在下で、得られたブロック化したポリイソシアネート化合物と、(Bb)及び(Bg)以外の原料とを反応させてウレタン化反応を行って、ポリウレタンプレポリマーを合成する方法である。
これらの製造方法における水性分散体の製造方法は、上述の通りである。
(I)ガラス転移温度が-50℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含むポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)を、ポリオール化合物(Aa)と酸性基含有ポリオール(Ac)とが有する水酸基と、ポリイソシアネート化合物(Ac)の有するイソシアナト基のモル比率が、NCO/OH=1.70~2.50となるように、有機溶剤の存在下、又は非存在下で反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程、
(II)前記ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤(Ad)で中和する工程、
(III)前記ポリウレタンプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、
(IV)N(C=O)NH濃度が7.5~13質量%になるように鎖延長剤(Ae)の種類及び注入量を調整し、前記ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤(Ae)で高分子量化する工程、及び場合により、
(V)有機溶剤を除去する工程。
コーティング材料組成物は、電着塗面、鋼板、木材、プラスチック基材にスプレー、ハケ、アプリケーター、バーコーターなどで塗布して塗膜を形成する材料と定義される。
本発明のコーティング材料組成物は、前記水性ポリウレタン樹脂分散体を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の樹脂及び/又はその他の添加剤を含有してもよい。以下、本明細書において単に「コーティング材料組成物」というときは、その他の樹脂、添加剤等を含有させた組成物のみならず、前記水性ポリウレタン樹脂分散体からなる組成物も包含する。
本発明の耐破壊特性材料用コーティング材料組成物は、20℃以上、かつ好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下の温度に加熱することにより、硬化させることができる。
具体的には、前述の耐破壊特性材料用コーティング材料組成物を電着塗面、鋼板、木材、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂などの各種プラスチック基材に、スプレー、ハケ、アプリケーター、バーコーター等を用いて塗布し、100℃以下、好ましくは80℃のオーブン、加熱槽等に1~120分間、好ましくは、1~60分間、より好ましくは1~45分間保持する方法により硬化させることができる。塗膜の乾燥膜厚は、0.5~200μmに調整することが好ましく、1~100μmに調整することがより好ましく、5~50μmに調整することがさらに好ましく、10~40μmに調整することが特に好ましい。複層塗膜の中のプライマー、ベースコート等として用いる場合には、前述の各種基材に塗布後、例えば、室温~80℃で1~30分間、好ましくは、1~10分間、より好ましくは、2~6分間保持して、任意成分として、さらにもう1種のベースコートを塗布して、同様の乾燥温度、乾燥時間で乾燥させた後に、トップコート(用途によっては、クリアコートという)を塗布して、100℃以下、好ましくは、80℃以下で10~120分間、好ましくは、20~90分間、より好ましくは、30~60分間加熱硬化させることができる。
本発明の一つの態様は、前記耐破壊特性材料用コーティング組成物を20℃~100℃で乾燥させて得られる塗膜である。
本発明のコーティング材料組成物から得られる塗膜の、実施例記載の方法で測定した破断エネルギーは100MPa以上が好ましく、110MPa以上がより好ましく、120MPa以上がさらに好ましい。
本発明のコーティング材料組成物から得られる塗膜の、実施例記載の方法で測定した電着塗面との密着性は100/100(1)以上が好ましく、100/100(4)がより好ましい。ここで、本発明において塗膜の密着性の評価は「n/100(m)」のように記載する。nは下記試験条件で少なくとも1のマス目が剥離したときに残っていたマス目の数、mは剥離が生じたときの試験回数を意味する。ただしmの最大値は4とし、4回繰り返し試験を行っても剥離が生じなかった場合は100/100(4)と表記する。密着性試験の条件は、実施例の項で詳細に説明している。
本発明のコーティング材料組成物から得られる塗膜の、実施例記載の方法で測定した鉛筆硬度は、2B以上あることが好ましく、B以上であることがより好ましい。
本発明において耐破壊特性材料とは、基材の保護剤として用いられ、かつそれ自身も衝突、石跳ね、落下などの物理的衝撃に対して破壊されにくい特性を有する材料である。このため、耐破壊特性材料は、塗膜としたときの基材への密着性及び破断エネルギーが共に高い材料が好ましい。本発明の耐破壊特性材料の用途として具体的には、プライマー材料、ベースコート材料等が挙げられる。
本発明の破壊特性材料用組成物は、フロアコーティング、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂などの各種プラスチック基材又はゴムへのコート、鋼板処理剤、自動車、トラック、電車などの車両のような、金属の外装用プライマー(ベースコート材料)などに広範囲に用いることができ有用であり、特に、金属の外装用プライマー(ベースコート材料)に用いられる。
なお、物性測定は以下の通り行った。
(2)N(C=O)NH濃度(%):
(i)水に分散する前のポリウレタンプレポリマーの残存イソシアナト基のモル数が、鎖延長剤ポリアミンのアミノ基及び/又はイミノ基のモル数より多い場合:
「N(C=O)NH濃度(%)=〔(ポリアミンのアミノ基及び/又はイミノ基のモル数)+[(ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数)-(ポリオール化合物及び酸性基含有ポリオールの全水酸基のモル数)-(ポリアミンのアミノ基及び/又はイミノ基のモル数)]/2〕×57.03×100」として、算出した。イソシアナト基が加水分解してできるN(C=O)NH濃度を加算している。
(ii)水に分散する前のポリウレタンプレポリマーの残存イソシアナト基のモル数が、鎖延長剤ポリアミンのアミノ基及び/又はイミノ基のモル数より少ない場合:
「N(C=O)NH濃度(%)=[(ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基のモル数)-(ポリオール化合物及び酸性基含有ポリオールの全水酸基のモル数)]×57.03×100」として、算出した。全量イソシアナト基がアミノ基及び/又はイミノ基と反応してN(C=O)NH基を生成するとして算出した。
(3)ハードセグメント含量:水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれる分子量300未満のポリオール、ポリイソシアネート、ポリアミン、酸性基含有ポリオールの合計質量を固形分質量で割ったときの割合(%)を記した。
(4)脂環構造の含有割合:水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合から算出した脂環構造の質量分率を表記した。質量分率は水性ポリウレタン樹脂分散体の固形分を基準とする。
(5)水性ポリウレタン樹脂分散体中のポリウレタン樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したものであり、予め作成した標準ポリスチレンの検量線から求めた換算値を記した。
(6)酸価:JIS K 1557の指示薬滴定法に準拠して測定した。
(8)電着層表面への密着性は、次のようにして評価した。水性ポリウレタン樹脂分散体に造膜助剤としてダワノール(登録商標)DPnBを全体の2質量%になるように添加して混合し、自動車鋼板カチオン電着塗板(日本テストパネル社製)上にバーコーター#18で塗布し、80℃で45分間加熱乾燥し、得られた塗膜を用いて碁盤目剥離試験を行った。塗膜に10mm×10mmの面積に縦横1mm間隔で切り目を入れ、粘着テープを貼った後、剥がしたときに電着層表面に残っているマスの数を目視で数えて評価した。これを4回繰り返した。1回目の剥離試験で100個中15個が残っていた場合を15/100(1)と記載し、2回目まで全く剥離せず、3回目で100個中85個残っていた場合を85/100(3)と記載した。全く剥離しなかった場合は100/100(4)と表記した。
(9)ポリウレタン樹脂フィルムの引張特性は、以下のようにして評価した。水性ポリウレタン樹脂分散体に造膜助剤としてダワノール(登録商標)DPnBを全体の2質量%になるように添加して混合し、PETフィルム状に乾燥膜厚が50μmとなるように塗布し、80℃で2時間乾燥させてポリウレタン樹脂フィルムを作成した。ポリウレタン樹脂フィルムの弾性率、引張強度、破断点伸度は、JIS K 7311に準拠する方法で測定した。なお、測定条件は、測定温度23℃、湿度50%、引張速度100mm/分で行った。
(10)破断エネルギーは、伸度-応力曲線の伸度ゼロから破断点伸度までの応力を積分して求めた。
<耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(1)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量894;水酸基価125.5mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で1:3)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、180g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(30.1g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(206g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、75.3g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(21.9g)を添加・混合したもののうち、355gを、強撹拌のもと水(618g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(73.9g)を加えて、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(1)を得た。
<耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(2)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量873;水酸基価128.5mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で1:3)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、180g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(28.9g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(203g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、73.4g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(21.9g)を添加・混合したもののうち、354gを、強撹拌のもと水(615g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-アミノエチルエタノールアミン水溶液(16.7g)、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(59.9g)を加えて、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(2)を得た。
<耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(3)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UP-100(宇部興産製;数平均分子量974;水酸基価115.2mgKOH/g;2-メチル-1,3-プロパンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、180g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(28.1g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(190g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、72.6g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(21.1g)を添加・混合したもののうち、343gを、強撹拌のもと水(595g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(72.9g)を加えて、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(3)を得た。
<耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(4)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(1/1)(宇部興産製;数平均分子量875;水酸基価128.2mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で1:1)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、93.3g)と、PTMG-1000(三菱化学製;数平均分子量970;水酸基価115.7mgKOH/g;ポリテトラメチレングリコール、76.7g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(27.2g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(187g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、69.4g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(20.5g)を添加・混合したもののうち、363gを、強撹拌のもと水(630g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(75.0g)を加えて、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(4)を得た。
<耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(5)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量873;水酸基価128.5mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で1:3)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、155g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(28.0g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(206g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、71.7g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(21.0g)を添加・混合したもののうち、360gを、強撹拌のもと水(624g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(94.7g)を加えて、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体(5)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(6)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UH-200(宇部興産製;数平均分子量1958;水酸基価57.3mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1850g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(129g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(841g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、932g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.9g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。次いで、3,5-ジメチルピラゾール(DMPZ、55.8g)を加えて1.5時間同温度で加熱を続けた。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(97.4g)を添加・混合したもののうち、3500gを、強撹拌のもと水(4950g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(270g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(6)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(7)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UH-100(宇部興産製;数平均分子量999;水酸基価112.3mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、170g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(29.1g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(211g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、76.4g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(21.9g)を添加・混合したもののうち、353gを、強撹拌のもと水(613g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(88.4g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(7)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(8)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量869;水酸基価129.1mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で3:1)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、180g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(26.9g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(178g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、131g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(20.2g)を添加・混合したもののうち、398gを、強撹拌のもと水(562g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(61.1g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(8)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(9)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量901;水酸基価124.5mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で3:1)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、230g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(31.9g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(203g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、165g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.4g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(24.0g)を添加・混合したもののうち、423gを、強撹拌のもと水(589g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(55.8g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(9)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(10)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量901;水酸基価124.5mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で3:1)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、260g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(28.5g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(219g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、181g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.4g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(21.5g)を添加・混合したもののうち、437gを、強撹拌のもと水(614g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(59.6g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(10)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(11)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量873;水酸基価128.5mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で1:3)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、180g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(26.8g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(177g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、136g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(20.2g)を添加・混合したもののうち、429gを、強撹拌のもと水(596g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(65.8g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(11)を得た。
<水性ポリウレタン樹脂分散体(12)の製造>
ETERNACOLL(登録商標) UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量909;水酸基価123.4mgKOH/g;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール(モル比で3:1)と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、160g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(25.9g)と、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(185g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、134g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(19.5g)を添加・混合したもののうち、432gを、強撹拌のもと水(597g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(84.3g)を加えて、水性ポリウレタン樹脂分散体(12)を得た。
一方、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合を有し、かつブロック化されたイソシアナト基を特定量で有する水性ポリウレタン樹脂分散体は、80℃の乾燥でできる塗膜の鉛筆硬度が低く、電着塗面への密着性が低い(比較例1参照)。
ポリカーボネートポリオールのガラス転移温度が-55℃未満であると、鉛筆硬度が低く、電着塗面への密着性も低い(比較例2参照)。ポリカーボネートポリオールのガラス転移温度が-20℃を超えると、電着塗面への密着性が低い(比較例3~5及び比較例7参照)。さらに、比較例3では造膜そのものが困難であった。N(C=O)NH濃度が7.5質量%未満であると、鉛筆硬度ならびに電着塗面への密着性が低くなる(比較例6参照)。
Claims (14)
- ポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)、中和剤(Ad)及び鎖延長剤(Ae)由来の構成単位を有する、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体であって、
ポリオール化合物(Aa)は、ポリカーボネートポリオール化合物及びポリエーテルポリオール化合物からなる群より選択され、
ポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含み、
水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるN(C=O)NH基濃度が固形分基準で7.5質量%以上13質量%以下であり、
水性ポリウレタン樹脂分散体の数平均分子量が50,000以上2,000,000以下である、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。 - 水性ポリウレタン樹脂分散体中のハードセグメントの含有量が固形分基準で50~70質量%である、請求項1に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 水性ポリウレタン樹脂分散体中に含まれる脂環構造の含有割合が固形分基準で20~40質量%である、請求項1又は2に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- ポリオール化合物(Aa)に含まれるポリカーボネートポリオール化合物が脂環構造を含有する、及び/又は炭素数4以下のジオールで構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- ポリオール化合物(Aa)に含まれるポリカーボネートポリオール化合物がシクロヘキサン環を含有する、及び/又は2-メチル-1,3-プロパンジオールで構成される、請求項4に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 酸価が18~40mgKOH/gである、請求項1~5のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- ポリイソシアネート化合物(Ab)が脂環式ポリイソシアネートである、請求項1~6のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体に任意成分としてアクリルエマルジョン、ポリオレフィンエマルジョン及びポリエステルエマルジョンから選ばれる少なくとも1種を含む耐破壊特性材料用コーティング材料組成物。
- 金属の外装用プライマー又はベースコート用の、請求項1~7のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体又は請求項8記載の耐破壊特性材料用コーティング材料組成物を乾燥させて得られる、塗膜。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体又は請求項8記載の耐破壊特性材料用コーティング材料組成物を20℃~100℃で乾燥させる工程を含む、塗膜の製造方法。
- 請求項11に記載の方法により得られる塗膜のフロアコート、プラスチック又はゴムへのコート、鋼板処理剤、金属の外装用プライマー又はベースコートとしての使用。
- (I)ポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)を、ポリオール化合物(Aa)と酸性基含有ポリオール(Ac)とが有する水酸基と、ポリイソシアネート化合物(Ab)の有するイソシアナト基のモル比率が、NCO/OH=1.70~2.50となるように、有機溶剤の存在下、又は非存在下で反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程、
(II)前記ポリウレタンプレポリマーの酸基を中和剤(Ad)で中和する工程、
(III)前記ポリウレタンプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、
(IV)N(C=O)NH基濃度が7.5~13質量%になるように鎖延長剤(Ae)の種類及び注入量を調整し、前記ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤(Ae)で高分子量化する工程、
及び場合により
(V)有機溶剤を除去する工程
を含む、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する方法であって、
ポリオール化合物(Aa)は、ポリカーボネートポリオール化合物及びポリエーテルポリオール化合物からなる群より選択され、
ポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含み、
水性ポリウレタン樹脂分散体の数平均分子量が50,000以上2,000,000以下である、方法。 - ポリオール化合物(Aa)、ポリイソシアネート化合物(Ab)、酸性基含有ポリオール(Ac)、中和剤(Ad)及び鎖延長剤(Ae)由来の構成単位を有する、耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体であって、
ポリオール化合物(Aa)は、ポリカーボネートポリオール化合物及びポリエーテルポリオール化合物からなる群より選択され、
ポリオール化合物(Aa)は、ガラス転移温度が-55℃~-20℃のポリカーボネートポリオール化合物を含み、
水性ポリウレタン樹脂分散体に含まれるN(C=O)NH基濃度が固形分基準で7.5質量%以上13質量%以下であり、
水性ポリウレタン樹脂分散体の数平均分子量が50,000以上2,000,000以下であり、
20℃~100℃の低温で塗膜を形成し、JIS K 5600-5-4に準拠した方法により測定した、塗膜の鉛筆硬度が2B以上であり、
電着塗面へのコーティング膜の碁盤目剥離試験を4回行った際に、剥離が認められない、
耐破壊特性材料用の水性ポリウレタン樹脂分散体。
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