JP2019038952A - 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの技術分野では、環境対応の面から、乾燥・焼付温度の低下や加熱時間の短縮が求められているが、一般的に加熱処理の簡易化は塗膜の基材への密着性の低下や力学特性の脆弱化につながるとされる。したがって、低温加熱処理条件下において、十分な特性が発現する水性ポリウレタン樹脂が望まれる。
また、ウレア基の窒素原子を立体障害の大きい置換基で修飾することにより、自己修復性の高い塗膜が得られることは知られていたが、基材密着性に対する言及はされていなかった上、溶剤系ウレタンは、環境汚染や人体への毒性に対して、問題があった。
そこで、本発明は、基材に対して、比較的低温での焼付においても、高い密着性を示す塗膜を与える水性ポリウレタン樹脂分散体を得ることを課題とする。
[1]少なくとも1つのイソシアナト基を有する(A)ポリウレタンプレポリマーと1分子中に2つ以上のアミノ基又はイミノ基を有する(B)鎖延長剤とから構成されるポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されている水性ポリウレタン樹脂分散体であって、
(B)鎖延長剤が、少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物を含む水性ポリウレタン樹脂分散体。
[2]前記(A)ポリウレタンプレポリマーが(a)ポリイソシアネート化合物由来の構造、(b)ポリオール化合物由来の構造及び(c)酸性基含有ポリオ―ル化合物由来の構造を有する[1]に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[3]前記(A)ポリウレタンプレポリマーが、さらに、(d)ヒドロキシアルカン酸由来の構造、及び/又は、(e) 80℃〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤由来の構造を有する[2]に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[4]前記(b)ポリオール化合物がポリカーボネートポリオ―ルである[2]又は[3]に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[5]前記(B)鎖延長剤のアミノ基又はイミノ基の窒素原子上の第三級炭素原子の含有量が、が水性ポリウレタン樹脂分散体中、固形分基準で0.1重量%以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
[6]前記少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物が、下記の式(A)、式(B)、式(C)、式(D)及び式(E)に示す構造を少なくとも1つ有する化合物である[1]〜[5]のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
(上記式(A)、式(B)、式(C)、式(D)及び式(E)中のR1、R2、R3は、置換若しくは無置換のC1〜C6のアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C20のシクロアルキル基、又は置換若しくは無置換のC6〜C12のアリール基を示し、R4、R5、R6は、置換若しくは無置換のC1〜C6のアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C12のアリール基、又は水素を示す。R1〜R6は、互いに結合して脂環式構造又は芳香環を形成してもよい。また、式(B)及び式(E)中のCTは、第三級炭素原子を示す。)
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する塗料組成物。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する、コーティング剤組成物。
[9][1]〜[6]のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する、インク組成物。
[10][1]〜[6]のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物を乾燥及び硬化させて得られるポリウレタン樹脂フィルム。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、少なくとも1つのイソシアナト基を有する(A)ポリウレタンプレポリマーと1分子中に2つ以上のアミノ基又はイミノ基を有する(B)鎖延長剤とから構成されるポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されている水性ポリウレタン樹脂分散体であって、前記(B)鎖延長剤が、少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物を含む。
(A)ポリウレタンプレポリマーは、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリオール化合物及び(c)酸性基含有ポリオ―ル化合物を反応させて得られることが好ましく、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリオール化合物、(c)酸性基含有ポリオ―ル化合物、並びに(d)ヒドロキシアルカン酸、及び/又は、(e) 80℃〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤を反応させて得られることがより好ましい。
したがって、(A)ポリウレタンプレポリマーが(a)ポリイソシアネート化合物由来の構造、(b)ポリオール化合物由来の構造及び(c)酸性基含有ポリオ―ル化合物由来の構造を有することが好ましく、さらに、(d)ヒドロキシアルカン酸由来の構造、及び/又は、(e) 80℃〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤由来の構造を有することがより好ましい。
(a)ポリイソシアネート化合物としては、特に制限されないが、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。
(b)ポリオール化合物には、高分子量ポリオール又は低分子量ポリオールを用いることができる。ポリオール化合物は、1分子中に2つ以上の水酸基を有していれば、その種類に特に制限はない。なお、(b)ポリオール化合物は、後述の(c)酸性基含有ポリオール化合物以外のポリオール化合物である。
本発明でいうポリカーボネートポリオールは、その分子中に、1分子中の平均のカーボネート結合の数と同じ又はそれ以下の数のエーテル結合やエステル結合を含有していてもよい。
(c)酸性基含有ポリオール化合物は、1分子中に2個以上の水酸基(フェノール性水酸基は除く)と、1個以上の酸性基を含有するものである。酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。(c)酸性基含有ポリオール化合物として、1分子中に2個の水酸基と1個のカルボキシ基を有する化合物を含有するものが好ましい。
各ポリオール化合物の水酸基当量数=各ポリオール化合物の分子量/各ポリオール化合物の水酸基の数(フェノール性水酸基は除く)・・・(1)
ポリオール化合物((b),(c))の合計の水酸基当量数=M/ポリオール化合物((b),(c))の合計モル数・・・(2)
ポリウレタン樹脂の場合、式(2)において、Mは、[〔(b)ポリオール化合物の水酸基当量数×(b)ポリオール化合物のモル数〕+〔(c)酸性基含有ポリオール化合物の水酸基当量数×(c)酸性基含有ポリオール化合物のモル数〕]を示す。
(d)ヒドロキシアルカン酸は、1分子中に1つのカルボキシル基と1つの水酸基を有する化合物を使用することができる。(d)ヒドロキシアルカン酸の炭素数は、2〜30であることが好ましく、6〜30であることがさらに好ましく、10〜26であることが特に好ましい。(d)ヒドロキシアルカン酸の炭素数が2〜30であると、得られるポリウレタンフィルムの水膨潤率が低くなり、電着塗面との密着性が高くなる傾向がある。(d)ヒドロキシアルカン酸は、グリコール酸(2−ヒドロキシ酢酸)、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、10−ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシピバル酸(2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸)、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、乳酸、トリクロロ乳酸、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、3―ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシオレイン酸等が挙げられ、グリコール酸、4−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピバル酸、12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。得られるポリウレタンフィルムの水膨潤率がより低くなる点から、(d)ヒドロキシアルカン酸は12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。(d)ヒドロキシアルカン酸は、1種類を単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
(e)80〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤(以下、「(e)ブロック化剤」ともいう)は、80〜180℃でイソシアナト基から解離する化合物を使用することができる。「ブロック化剤」とは、イソシアナト基と反応してイソシアナト基を別の基に変換可能な化合物であって、熱処理により別の基からイソシアナト基に可逆的に変換可能な化合物を意味する。(e)ブロック化剤は、マロン酸エステル系化合物、好ましくはマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジエステル系化合物;1,2−ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系化合物;1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール等のトリアゾール系化合物、メチルエチルケトオキシム等のオキシム系化合物;ジイソプロピルアミン、カプロラクタム等が挙げられる。(e)ブロック化剤は、解離温度の観点から、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物及びマロン酸エステル系化合物からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。(e)ブロック化剤は、保存安定性及び低温熱架橋性が高い観点から、ピラゾール系化合物がより好ましく、3,5−ジメチルピラゾールが特に好ましい。(e)ブロック化剤は、1種類を単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
(A)ポリウレタンプレポリマーは、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリオール化合物、及び、(c)酸性基含有ポリオール化合物を反応させて得られるポリウレタンプレポリマーであることが好ましく、(a)〜(c)成分に加えさらに、(d)ヒドロキシアルカン酸及び/又は(e)80〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤を反応させることでポリウレタンプレポリマーを得ることがより好ましい。したがって、(A)ポリウレタンプレポリマーが(a)ポリイソシアネート化合物由来の構造、(b)ポリオール化合物由来の構造及び(c)酸性基含有ポリオ―ル化合物由来の構造を有することが好ましく、さらに、(d)ヒドロキシアルカン酸由来の構造、及び/又は、(e) 80℃〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤由来の構造を有することがより好ましい。
ポリウレタンプレポリマーの製造方法としては、特に制限されず、例えば、以下のような方法が挙げられる。
なお、本発明において、「ポリウレタンプレポリマーの酸価」とは、ポリウレタンプレポリマーを製造するにあたって用いられる溶媒及び前記ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させるための中和剤を除いたいわゆる固形分中の酸価である。
具体的には、ポリウレタンプレポリマーの酸価は、下記式(3)によって導き出すことができる。
〔ポリウレタンプレポリマーの酸価〕=〔((c)酸性基含有ポリオール化合物のミリモル数)×((c)酸性基含有ポリオール化合物1分子中の酸性基の数)+((d)ヒドロキシアルカン酸のミリモル数)×((d)ヒドロキシアルカン酸1分子中の酸性基の数)〕×56.11/〔(a)ポリイソシアネート化合物、(c)酸性基含有ポリオール化合物、(d)ヒドロキシアルカン酸、(e)ブロック化剤、及び(b)ポリオール化合物の合計の質量〕・・・(3)
(B)鎖延長剤は、1分子中に2つ以上のアミノ基又はイミノ基を有する。そして、少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物を含む。第三級炭素とは、3つの炭素原子が結合している炭素のことをいう。
1分子中に2つ以上のアミノ基又はイミノ基を有し、少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物とは、具体的には、例えば、下記の式(A)、式(B)、式(C)、式(D)及び式(E)に示す構造を少なくとも1つ有するアミン化合物又はイミン化合物のことをいう。
(上記式(A)、式(B)、式(C)、式(D)及び式(E)中のR1、R2、R3は、置換若しくは無置換のC1〜C6のアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C20のシクロアルキル基、又は置換若しくは無置換のC6〜C12のアリール基を示し、R4、R5、R6は、置換若しくは無置換のC1〜C6のアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C12のアリール基又は水素を示す。R1〜R6は、互いに結合して脂環式構造又は芳香環を形成してもよい。また、式(B)及び式(E)中のCTは、第三級炭素原子を示す。)
前記少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物としては、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、(1R,2R)‐N,N′‐ジtert‐ブチル‐1,2‐ビス(2‐ナフチル)エチレンジアミン、N’−シクロヘキシル−2−メチル−N−(2−メチルプロピル)−2,4−ペンタンジアミン、1,2−ビス(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼン等が挙げられる。樹脂分散体の焼付後の密着性、焼付後の塗膜弾性率の制御のしやすさ、イソシアナト基の反応性などの点から、(B)鎖延長剤はN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、1,2−ビス(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−アミノ−2−プロピル)ベンゼンが特に好ましい。
その他の化合物の例としては、イソシアナト基と反応性を有する化合物が挙げられる。例えば、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、アジポイルヒドラジド、ヒドラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール化合物、ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール類、水が挙げられる。
(B)鎖延長剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
前記水としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。中でも入手の容易さや塩の影響で粒子が不安定になること等を考慮して、イオン交換水を用いることが好ましい。また前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル溶剤;N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム溶剤などが挙げられる。
前記水系媒体は、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体全量中に、10質量%〜90質量%の範囲で含まれることが好ましく、20質量%〜80質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
次に、水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法について説明する。水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法は、
前記(a)ポリイソシアネート化合物と、(b)ポリオール化合物と、前記(c)酸性基含有ポリオール化合物を、と反応させて(A)ポリウレタンプレポリマーを得る工程(α)、
前記(A)ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和する工程(β)、
前記(A)ポリウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる工程(γ)、
前記(A)ポリウレタンプレポリマーと、前記(A)ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基と反応性を有する(B)鎖延長剤とを反応させる工程(δ)を含む。
水性ポリウレタン樹脂分散体中のポリウレタン樹脂の割合は、5〜60質量%が好ましく、より好ましくは15〜50質量%である。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、前記水性ポリウレタン樹脂分散体中のウレタン結合とウレア結合の合計が、固形分基準で7〜18重量%が好ましく、8〜15重量%であることが特に好ましい。
前記ウレタン結合とウレア結合の合計の含有割合を7重量%以上とすることで、塗膜を乾燥後の塗膜表面のベタツキを低減できる場合がある。また、前記ウレタン結合とウレア結合の合計の含有割合を18重量%以下とすることで、水性ポリウレタン樹脂分散体から形成される塗膜と基材の密着性が高くなる場合がある。
前記ブロック化されているイソシアナト基の含有割合を0.2質量%以上とすることで、得られる塗膜の電着塗装板表面への密着性が上がる傾向がある。また、前記ブロック化されているイソシアナト基の含有割合を3.0重量%以下とすることで、得られる塗膜の破断点伸度が上がる傾向がある。
本発明は、上記水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物にも関する。
塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物には、上記水性ポリウレタン樹脂分散体以外にも、他の樹脂を添加することもできる。他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。他の樹脂は、1種以上の親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、500〜500,000が好ましく、1,000〜300,000がより好ましく、1,500〜200,000が更に好ましい。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基、及び、重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;これらのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
他の重合性不飽和モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能重合性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、組成物の貯蔵安定性や得られる塗膜の耐水性等の観点から、1〜200mgKOH/g程度が好ましく、2〜100mgKOH/g程度がより好ましく、3〜60mgKOH/g程度が更に好ましい。
また、水酸基含有アクリル樹脂がカルボキシ基等の酸基を有する場合、該水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、得られる塗膜の耐水性等の観点から、1〜200mgKOH/g程度が好ましく、2〜150mgKOH/g程度がより好ましく、5〜100mgKOH/g程度が更に好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましく、更に好ましくは3,000〜50,000の範囲内であることが好適である。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等が挙げられる。これらは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。特に、着色顔料として、酸化チタン及び/又はカーボンブラックを使用することが好ましい。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトが挙げられる。これらは、単独であってもよいし、複数種を併用してもよい。特に、体質顔料として、硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましく、硫酸バリウムを使用することがより好ましい。
光輝性顔料は、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母を使用することができる。
電着塗装板とは、被塗物を水溶性塗料中に浸積してその被塗物を陰極(または陽極)として、そして塗料を被塗物の反対電極として直流電圧を印加し、被塗物に塗膜を形成させた積層板である。電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、自動車車体などの大型で複雑な形状を有し、高い防錆性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として好ましい。また、他の塗装方法と比較して、塗料の使用効率が極めて高いことから経済的であり、工業的な塗装方法として好ましい。例えば、カチオン電着塗装は、陽イオン性を有するカチオン電着塗料中に被塗物を陰極として浸漬し、電圧を印加することにより行われる。
前記加熱方法としては、自己の反応熱による加熱方法と、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物と被適用材質とを積極加熱する加熱方法等が挙げられる。積極加熱は、塗料組成物、コーティング剤組成物及びインク組成物と被適用材質を熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法が挙げられる。
特に本発明では、80〜90℃程度の比較的低温で基材への密着性の高い塗膜を形成することができる。
本発明は、更に、上記水性ポリウレタン樹脂分散体から得られるポリウレタン樹脂フィルムにも関する。
(1)水酸基価:JIS K 1557のB法に準拠して測定した。
(2)遊離NCO基含量:ウレタン化反応終了後の反応混合物を0.5gサンプリングして、0.1モル/L(リットル)のジブチルアミン−テトラヒドロフラン(THF)溶液10mLとTHF20mLの混合溶液に加えて、0.1モル/Lの塩酸で未消費のジブチルアミンを滴定した。この滴定値とブランク実験との差より反応混合物中に残存するNCO基のモル濃度を算出した。モル濃度をイソシアナト基の重量分率に換算して遊離NCO基含量とした。なお、滴定に使用した指示薬はブロモフェノールブルーである。
(4)末端部酸価:末端部酸価には、水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合から(d)ヒドロキシアルカン酸に由来する酸価を算出し、重量分率に換算したものを表記した。
(7)脂環構造の固形分基準の含有量には、水性ポリウレタン樹脂分散体の各原料の仕込み割合から算出した脂環構造の重量分率を表記した。重量分率は水性ポリウレタン樹脂分散体の固形分を基準とし、前記ウレタン結合の固形分基準の含有量と同様の方法で算出した。
(9)水性ポリウレタン樹脂分散体中の固形分基準のブロック化剤が結合したイソシアナト基の含有量(イソシアナト基換算)には、ブロック化剤の仕込みモル量をイソシアナト基の重量に換算し、水性ポリウレタン樹脂分散体の固形分重量で割った割合を表記した。水性ポリウレタン樹脂分散体の固形分重量は前記ウレタン結合の固形分基準の含有量と同様の方法で算出した。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1965;水酸基価57.1mgKOH/g、199g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(14.3g)と、水素添加MDI(93.7g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(67.5g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.2g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、3.21重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(11.3g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、353gを抜き出し、強攪拌しながら水(630g)に入れた後、鎖延長剤として、下記式で表されるN,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(17.8g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1957;水酸基価57.3mgKOH/g、400g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(25.4g)と、イソホロンジイソシアネート(122g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(177g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.4g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、2.03重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン19.1g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、595gを抜き出し、強攪拌しながら水(909g)に入れた後、鎖延長剤として、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(19.3g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1957;水酸基価57.3mgKOH/g、250g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(8.7g)と、12−ヒドロキシステアリン酸(34.0g)と、イソホロンジイソシアネート(77.9g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(120g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4.5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、1.56重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(17.5g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、431gを抜き出し、強攪拌しながら水(650g)に入れた後、鎖延長剤として、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(11.6g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1957;水酸基価57.3mgKOH/g、500g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(17.1g)と、12−ヒドロキシステアリン酸(66.5g)と、イソホロンジイソシアネート(153g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(236g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.6g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4.5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、1.57重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(34.3g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、428gを抜き出し、強攪拌しながら水(656g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%ジエチレントリアミン水溶液(3.5g)と、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(9.2g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1957;水酸基価57.3mgKOH/g、500g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(17.1g)と、12−ヒドロキシステアリン酸(66.5g)と、イソホロンジイソシアネート(153g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(236g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.6g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4.5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、1.57重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(34.3g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、428gを抜き出し、強攪拌しながら水(631g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%ジエチレントリアミン水溶液(6.8g)と、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(6.0g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1957;水酸基価57.3mgKOH/g、250g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(8.6g)と、12−ヒドロキシステアリン酸(33.3g)と、イソホロンジイソシアネート(75.9g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(118g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、1.79重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン17.1g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、428gを抜き出し、強攪拌しながら水(625g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%ジエチレントリアミン水溶液(11.1g)と、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(3.4g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1957;水酸基価57.3mgKOH/g、250g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(8.6g)と、12−ヒドロキシステアリン酸(33.3g)と、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度100〜110℃)(7.3g)と、イソホロンジイソシアネート(77.5g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(118g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、0.93重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(17.1g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、434gを抜き出し、強攪拌しながら水(627g)に入れた後、鎖延長剤として、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(6.8g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリカーボネートポリオール(製品名クラレポリオール C−2090(株式会社クラレ製)、数平均分子量1993;水酸基価56.3mgKOH/g、402g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(28.1g)と、3,5−ジメチルピラゾール(12.3g)と、水素添加MDI(183g)を、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(202g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.5g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、2.17重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(22.5g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、390gを抜き出し、強攪拌しながら水(862g)に入れた後、鎖延長剤として、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(17.3g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリカーボネートポリオール(製品名クラレポリオール C−2090(株式会社クラレ製)、数平均分子量1993;水酸基価56.3mgKOH/g、402g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(28.1g)と、水素添加MDI(183g)と3,5−ジメチルピラゾール(12.3g)を、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(202g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.5g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で4時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、2.17重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(22.5g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、398gを抜き出し、強攪拌しながら水(819g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%2−メチル−1,5−ジアミノペンタン水溶液(31.9g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリカーボネートジオール(製品名ETERNACOLL UH−200(登録商標;宇部興産製);数平均分子量2029;水酸基価55.3mgKOH/g、2140g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(153g)と、水素添加MDI(963g)と、3,5−ジメチルピラゾール(31.1g)を、N−メチルピロリドン(1090g)中、ジブチルスズジラウリレート(2.6g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、2.41重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(115g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、4180gを抜き出し、強攪拌しながら水(6410g)に入れた後、鎖延長剤として、アジピン酸ジヒドラジド(183g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1979;水酸基価56.7mgKOH/g、300g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(13.7g)と、イソホロンジイソシアネート(82.0g)とを、N−メチルピロリドン(131g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で6時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、1.63重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(10.3g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、480gを抜き出し、強攪拌しながら水(680g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%2−メチル−1,5−ジアミノペンタン水溶液(16.2g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1979;水酸基価56.7mgKOH/g、320g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(12.8g)と、イソホロンジイソシアネート(96.2g)とを、N−メチルピロリドン(139g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.4g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で5.5時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、2.48重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン(10.2g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、557gを抜き出し、強攪拌しながら水(820g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%ジエチレントリアミン(27.6g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、ポリテトラメチレングリコール(製品名(PTMG2000)(三菱化学社製)、数平均分子量1962;水酸基価57.2mgKOH/g、299g)と、2,2−ジメチロールプロピオン酸(9.80g)と、12−ヒドロキシステアリン酸(27.1g)と、水素添加MDI(98.9g)とを、N−エチルピロリドン(85.5g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80〜90℃で6時間加熱した。ウレタン化反応終了時のNCO基含量は、1.65重量%であった。反応混合物を80℃にした後、トリエチルアミン17.0g)を加え、30分攪拌した。反応混合物のうち、505gを抜き出し、強攪拌しながら水(870g)に入れた後、鎖延長剤として、35重量%ジエチレントリアミン水溶液(17.9g)を加え、水性ポリウレタン樹脂分散体を得た。
H12−MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
PTMG2000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール
C−2090:クラレポリオールC−2090
UH−200:ETERNACOLL(登録商標) UH−200
HS:12−ヒドロキシステアリン酸
DMPZ:3,5−ジメチルピラゾール
DBEDA:N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン
MPMD:2-メチル-1,5-ペンタンジアミン
DETA: ジエチレントリアミン
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
DMPA:2,2−ジメチロールプロピオン酸
ウレタン結合含量:ウレタン結合の固形分基準の含有量
ウレア結合含量:ウレア結合の固形分基準の含有量
ウレタン結合とウレア結合の合計含量:ウレタン結合の固形分基準の含有量とウレア結合の固形分基準の含有量の合計
カーボネート結合含量:カーボネート結合の固形分基準の含有量
脂環構造含量:脂環構造の固形分基準の含有量
ブロック化NCO含量:水性ポリウレタン樹脂分散体中の固形分基準のブロック化剤が結合したイソシアナト基の含有量(イソシアナト基換算)
3級炭素構造含量:鎖延長剤が、アミノ基又はイミノ基の窒素原子上に第三級炭素原子:
また、実施例1、2と実施例3〜5との比較から、12−ヒドロキシステアリン酸由来の構造を有する水溶性ポリウレタン樹脂分散体は、より低温の焼付で電着塗面との密着性が優れていることがわかる。
また、実施例8とその実施例1との比較から、ポリウレタンプレポリマーの原料としてポリカーボネートジオールを用いると、弾性率が優れることがわかる。
さらに、実施例7及び8より、ポリウレタンプレポリマーの製造において、解離温度100〜110℃℃のブロック化剤を用いた場合であっても、90℃の焼付で十分な密着性を発揮することがわかる。特に、ポリウレタンプレポリマーの原料としてポリエーテルジオールを用いた実施例7では、80℃の焼付においても十分な密着性が発揮されている。
Claims (10)
- 少なくとも1つのイソシアナト基を有する(A)ポリウレタンプレポリマーと1分子中に2つ以上のアミノ基又はイミノ基を有する(B)鎖延長剤とから構成されるポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散されている水性ポリウレタン樹脂分散体であって、
(B)鎖延長剤が、少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物を含む水性ポリウレタン樹脂分散体。 - 前記(A)ポリウレタンプレポリマーが(a)ポリイソシアネート化合物由来の構造、(b)ポリオール化合物由来の構造及び(c)酸性基含有ポリオ―ル化合物由来の構造を有する請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 前記(A)ポリウレタンプレポリマーが、さらに、(d)ヒドロキシアルカン酸由来の構造、及び/又は、(e) 80℃〜180℃で解離するイソシアナト基のブロック化剤由来の構造を有する請求項2に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 前記(b)ポリオール化合物がポリカーボネートポリオ―ルである請求項2又は3に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 前記(B)鎖延長剤のアミノ基又はイミノ基の窒素原子上の第三級炭素原子の含有量が、が水性ポリウレタン樹脂分散体中、固形分基準で0.1重量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
- 前記少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基の窒素原子上に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する化合物が、下記の式(A)、式(B)、式(C)、式(D)及び式(E)に示す構造を少なくとも1つ有する化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体。
(上記式(A)、式(B)、式(C)、式(D)及び式(E)中のR1、R2、R3は、置換若しくは無置換のC1〜C6のアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C20のシクロアルキル基、又は置換若しくは無置換のC6〜C12のアリール基を示し、R4、R5、R6は、置換若しくは無置換のC1〜C6のアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜C12のアリール基、又は水素を示す。R1〜R6は、互いに結合して脂環式構造又は芳香環を形成してもよい。また、式(B)及び式(E)中のCTは、第三級炭素原子を示す。) - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する塗料組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する、コーティング剤組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する、インク組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物を乾燥及び硬化させて得られるポリウレタン樹脂フィルム。
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