JP7208366B2 - 二次電池システム - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、二次電池システムに関する。
従来、二次電池の一例として、正極と負極との間に、負極活物質を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている。
また、二次電池には、正極活物質として水酸化ニッケルを含有するものがある。水酸化ニッケルは、二次電池の充放電によりニッケル原子の価数や構造が変化する。
特開2015-173068号公報
実施形態の一態様に係る二次電池システムは、正極負極およびアルカリ水溶液を備える二次電池と、前記二次電池を制御する制御部とを備える。前記正極は、α型水酸化ニッケルおよびγ型オキシ水酸化ニッケルのうち少なくとも一方を含むニッケル化合物を含有する活物質を有する。アルカリ水溶液は、前記正極および前記負極に接触する。前記錯イオンは、価数と、1dm当たりのモル量との積が-2.0以下である。前記制御部は、アルカリ水溶液中に溶存するカリウムイオンの濃度と、アルカリ水溶液中に溶存する亜鉛成分の濃度と、前記活物質の組成とに基づいて、前記二次電池の充電量〔Ah〕を制御する。
図1は、第1の実施形態に係る二次電池システムの概略を示す図である。 図2は、正極構造体の一例について説明する図である。 図3は、図2のA-A断面図である。 図4は、図2のB-B断面図である。 図5は、ニッケル化合物の形態変化の一例について説明する図である。 図6は、第1の実施形態に係る二次電池システムの機能的構成を示すブロック図である。 図7は、第1の実施形態に係る二次電池の電極間の接続の一例について説明する図である。 図8は、第2の実施形態に係る二次電池システムの概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する二次電池システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る二次電池システムの概略を示す図である。図1に示す二次電池システム100は、二次電池1と制御装置90とを備える。二次電池1は、筐体19に収容された反応部10および発生部9と、供給部14とを備える。反応部10は、正極2と、負極3と、隔膜4,5と、アルカリ水溶液6とを備える。二次電池1は、発生部9で発生した気泡8をアルカリ水溶液6中で浮上させることにより反応部10内に収容されたアルカリ水溶液6を流動させる装置であり、フロー電池とも称される。発生部9は、流動装置の一例である。また、図1は、二次電池1がニッケル亜鉛電池である場合の実施形態を示しているが、本発明はニッケル亜鉛電池に限定されない。二次電池1は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、リチウム空気二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ナトリウム硫黄電池またはレドックスフロー電池であってもよい。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1に示す二次電池システム100と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
[二次電池]
正極2は、1または複数の正極構造体20を有する。正極構造体20は、正極活物質層30と、集電部材80とを含む。なお、正極構造体20の詳細については後述する。
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
正極2は、正極2A,2Bを含む。負極3は、負極3A~3Cを含む。正極2および負極3は、負極3Aと、正極2Aと、負極3Bと、正極2Bと、負極3Cとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。このように隣り合う正極2と負極3との間隔をそれぞれ設けることにより、正極2と負極3との間におけるアルカリ水溶液6の流通経路が確保される。
隔膜4,5は、正極2の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜4,5は、アルカリ水溶液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜4,5の材料として、例えば、隔膜4,5が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、無機層状複水酸化物、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族~第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
この場合には、充電の際に、負極3A~3Cにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜4,5を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間の導通を低減することができる。
アルカリ水溶液6は、例えば、6mol・dm-3以上のアルカリ金属を含有している。アルカリ金属は、例えばカリウムである。具体的には、例えば、6~13mol・dm-3の水酸化カリウム水溶液をアルカリ水溶液6として使用することができる。また、酸素発生抑制を目的に、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属を水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム)として添加してもよい。
また、アルカリ水溶液6は、価数(荷電数)と、1dm当たりのモル量との積が-2.0以下となる錯イオンを含有する。このようにアルカリ水溶液6が所定量の錯イオンを含有することにより、充電容量を向上することができる。この点については図5を用いて後述する。
また、アルカリ水溶液6中に粉末7を含んでいてもよい。粉末7は、アルカリ水溶液6に含まれる錯イオンに対応する金属を含む。例えば、アルカリ水溶液6が[Zn(OH)2-を含む場合、粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化金属(例えば、酸化亜鉛)、水酸化金属(例えば、水酸化亜鉛)等である。粉末7は、一般的に、アルカリ水溶液中には容易に溶解する。しかし、粉末7は、金属種の飽和したアルカリ水溶液6中には溶解せずに分散または浮遊していてもよい。また、粉末7は、例えば、沈降していてもよい。アルカリ水溶液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7は、例えば、アルカリ水溶液6の中で沈降している。しかし、アルカリ水溶液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、アルカリ水溶液6に分散または浮遊させることができる。つまり、粉末7は、アルカリ水溶液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、アルカリ水溶液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外のアルカリ水溶液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていること、または、筐体19内に存在するアルカリ水溶液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。アルカリ水溶液6中に溶存する錯イオンが消費されると、アルカリ水溶液6中に浮遊または沈降する粉末7は、粉末7およびアルカリ水溶液6が互いに平衡状態を維持するようアルカリ水溶液6中に存在する錯イオンが飽和濃度に近づくように溶解する。粉末7は、アルカリ水溶液6中に溶存する金属量を調整するとともに、アルカリ水溶液6のイオン伝導度を高く維持することができる。
気泡8は、例えば正極2、負極3およびアルカリ水溶液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。アルカリ水溶液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、アルカリ水溶液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液6の劣化を低減し、アルカリ水溶液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、気体は空気を含有してもよい。
発生部9は、反応部10の下方に配置されている。発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっている。また、反応部10の内底10eは、発生部9の中空部分を覆うように配置されており、発生部9の天板を兼ねている。
また、内底10eは、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の吐出口9aを有している。吐出口9aは、平面視で内壁10aと負極3Aとの間、負極3Cと内壁10bとの間にそれぞれ配置されている。発生部9は、供給部14から供給された気体を吐出口9aから吐出することにより、アルカリ水溶液6中に気泡8を発生させる。
ここで、アルカリ水溶液6中を浮上する気泡8の直径は、例えば、0.01mm以上3mm以下とすることができる。気泡8の直径が0.01mm未満だと、反応部10内に収容されたアルカリ水溶液6を効率よく流動させることができず、正極2と負極3とが導通する可能性が低減されにくい場合がある。また、気泡8の直径が3mmを超えると、例えば、気泡8が浮上途中に内壁10aまたは負極3aに接触することでアルカリ水溶液6の流動効率が低下し、正極2と負極3とが導通する可能性が低減されにくい場合がある。なお、ここでいう「気泡8の直径」とは、例えば、ハイスピードカメラ等で、反応部10の上方または側方から気泡8を撮影した際のX軸方向の大きさのことである。
吐出口9aはそれぞれ、例えば5μm以上500μm以下の直径を有する。また、例えば、吐出口9aはそれぞれ、10μm以上500μm以下の直径を有していてもよい。吐出口9aの直径をこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部の中空部分にアルカリ水溶液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。
また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上50mm以下であってもよい。また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上10mm以下にしてもよい。ただし、吐出口9aは、発生した気泡8を互いに向かい合う正極2と負極3との間にそれぞれ適切に流動させることができるように配置されるものであれば、大きさや間隔に制限はない。
発生部9の吐出口9aからアルカリ水溶液6中に供給された気体により発生した気泡8は、Y軸方向の両端部、より具体的には、負極3Aと筐体17の内壁10aとの間、負極3Cと筐体17の内壁10bとの間において、それぞれアルカリ水溶液6中を浮上する。アルカリ水溶液6中を気泡8として浮上した気体は、アルカリ水溶液6の液面6aで消滅し、上板18とアルカリ水溶液6の液面6aとの間に位置する気体層13を構成する。
また、上記した気泡8の浮上に伴い、アルカリ水溶液6には上昇液流が発生し、内壁10aと負極3Aとの間、負極3Cと内壁10bとの間ではアルカリ水溶液6は反応部10の下方から上方に向かって流動し、負極3Aと正極2Aとの間、正極2Aと負極3Bとの間、負極3Bと正極2Cとの間ではアルカリ水溶液6は上方から下方に向かってそれぞれ流動する。
なお、吐出口9aは、正極2と負極3との間で気泡8が浮上するように配置されてもよい。かかる場合、気泡8が浮上する正極2と負極3との間ではアルカリ水溶液6は反応部10の下方から上方に向かって流動する。また、内壁10aと負極3Aとの間および負極3Cと内壁10bとの間ではアルカリ水溶液6は反応部10の上方から下方に向かって流動する。
上板18および筐体19は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。上板18および筐体19は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。また、発生部9は、反応部10の内部に配置されてもよい。
供給部14は、配管16を介して筐体19の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体やアルカリ水溶液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによる二次電池1の発電性能の低下が起きにくい。
ここで、二次電池1における電極反応の一例について、正極活物質として水酸化ニッケル、負極活物質として亜鉛を、それぞれ適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2- + 2e → Zn +4OH
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)2-の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)2-の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費されるアルカリ水溶液6中の[Zn(OH)2-を補給することにより、アルカリ水溶液6中の亜鉛種である[Zn(OH)2-の濃度が高い状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3とが導通する可能性が低減される。
二次電池1では、発生部9の吐出口9aからアルカリ水溶液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、反応部10の内底10eから上方に向かってアルカリ水溶液6中を浮上する。また、気泡8の浮上に伴い、正極2と負極3との間では反応部10の下方から上方に向かってアルカリ水溶液6が流動する。
これにより、充電によってアルカリ水溶液6中の[Zn(OH)2-が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで高濃度の[Zn(OH)2-を含有するアルカリ水溶液6が負極3の近傍に補給される。このため、アルカリ水溶液6中の[Zn(OH)2-を濃度が高い状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通の可能性を低減することができる。
なお、亜鉛を含有する粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、特に酸化亜鉛および水酸化亜鉛を使用することができる。
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)2-を生成する。しかし、アルカリ水溶液6では、[Zn(OH)2-はすでに飽和状態であるため、過剰となった[Zn(OH)2-がZnOとして析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、第1の実施形態に係る二次電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、アルカリ水溶液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)2-から析出するのは、Zn(OH)や、ZnOとZn(OH)とが混合したものになる。
[正極構造体]
次に、図2~図4を用いて、正極構造体20について説明する。図2は、正極構造体の一例について説明する図である。図3は、図2のA-A断面図、図4は、図2のB-B断面図である。
正極構造体20は、箱形状またはポケット形状を有する部材である。正極構造体20は、正極活物質層30と、正極活物質層30を収容する集電部材80とを含む。
正極活物質層30は、活物質31を含む。活物質31は、例えば、ニッケル化合物を含有する粒状体である。ニッケル化合物は、例えば、水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化ニッケルのうち、一方または両方である。また、ニッケル化合物は、α型水酸化ニッケル、β型水酸化ニッケル、β型オキシ水酸化ニッケルおよびγ型オキシ水酸化ニッケルのうち少なくとも2つ以上含んでいる。また、α型水酸化ニッケル、β型水酸化ニッケル、β型オキシ水酸化ニッケルおよびγ型オキシ水酸化ニッケルの含有率の関係が、例えば、下記式のいずれか1つの式を満たしていてもよい。
式1:α型水酸化ニッケル>β型水酸化ニッケル
式2:α型水酸化ニッケル>β型オキシ水酸化ニッケル
式3:γ型オキシ水酸化ニッケル>β型オキシ水酸化ニッケル
式4:γ型オキシ水酸化ニッケル>β型水酸化ニッケル
また、活物質31が含有する水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化ニッケルのうち45mol%以上90mol%以下がα型水酸化ニッケルおよびγ型オキシ水酸化ニッケルとしてもよい。ここで、活物質31が含有する水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化ニッケルについて、図5を用いてさらに説明する。
図5は、ニッケル化合物の形態変化の一例について説明する図である。図5に示すように、活物質31として正極2が有するβ型水酸化ニッケル(β-Ni(OH))は、二次電池1の充電によりβ型オキシ水酸化ニッケル(β-NiOOH)に変化し、β-NiOOHは、二次電池1の放電によりβ-Ni(OH)に戻る。かかるβ-β間の充放電反応が、二次電池1において汎用されている上記した電極反応である。
また、β-NiOOHは、二次電池1の過充電によりγ型オキシ水酸化ニッケル(γ-NiOOH)に変化する。γ-NiOOHは、二次電池1の放電によりα型水酸化ニッケル(α-Ni(OH))に変化し、α-Ni(OH)は、二次電池1の充電によりγ-NiOOHに戻る。
すなわち、活物質31として水酸化ニッケルを用いる二次電池1では、β-Ni(OH)⇔β-NiOOH間の形態変化と、α-Ni(OH)⇔γ-NiOOH間の形態変化の2種類の充放電反応を利用することができる。特に、多電子反応であるα-Ni(OH)⇔γ-NiOOH間の充放電は、1電子反応であるβ-Ni(OH)⇔β-NiOOH間の充放電と比較して単位モル量当たりの充放電量が概ね1.5倍となる。このため、α-Ni(OH)⇔γ-NiOOH間の充放電反応を利用した二次電池1では、β-Ni(OH)⇔β-NiOOH間の充放電反応のみを利用した場合と比較して、充電容量の向上が期待できる。
しかしながら、α-Ni(OH)は不安定な物質であり、放置すると比較的安定なβ-Ni(OH)に変化してしまう。また、β-Ni(OH)に変化してしまうと、所定の電圧値まで過充電しない限り、α-Ni(OH)(またはγ-NiOOH)は生成しない。このため、通常の充放電反応ではα-Ni(OH)⇔γ-NiOOH間の充放電反応は利用できないこととなる。
そこで、第1の実施形態に係る二次電池1では、価数と、1dm当たりのモル量との積が-2.0以下、特に、-5.0以上-2.5以下となる錯イオンをアルカリ水溶液6に含有させる。錯イオンは、価数が負であるため、価数とモル量との積は、負の値となる。また、錯イオンのモル量が多くなるほど、価数とモル量との積は小さくなる。
錯イオンは、例えば、ヒドロキシド錯イオンとしてアルカリ溶液であるアルカリ水溶液6中に溶存している。錯イオンは、例えば、Zn、Al、Sn、Ga、Pb、In、Bi、およびGeのうち、1以上を含有する。Znは、[Zn(OH)2-としてアルカリ水溶液6中に溶存することができる。また、Al、Sn、Ga、Pb、In、Bi、およびGeはそれぞれ、両性元素であり、例えば、[Al(OH)、[Sn(OH)2-、[Ga(OH)、[Pb(OH)2-、[In(OH)、[Ge(OH)2-として、アルカリ水溶液6中に溶存することができる。
このようにアルカリ水溶液6が所定量の錯イオンを含有することにより、アルカリ水溶液6に浸漬した正極2中の活物質31であるα-Ni(OH)は、β-Ni(OH)への形態変化が抑えられ、α-Ni(OH)⇔γ-NiOOH間の充放電反応を繰り返し行うことができる。このため、第1の実施形態に係る二次電池1によれば、長期にわたり充電容量を向上することができる。
また、上記したように、活物質31が含有するNi(OH)およびNiOOHのうち、α-Ni(OH)およびγ-NiOOHの含有率を45mol%以上90mol%以下としてもよい。α-Ni(OH)およびγ-NiOOHの含有率を45mol%未満とすると、例えばα-Ni(OH)およびγ-NiOOHによる充電容量の向上効果が低減し、さらに、二次電池1の電圧制御が困難となることがある。また、α-Ni(OH)およびγ-NiOOHの含有率が90mol%を超えると、充放電に伴う活物質31を含む正極活物質層30の体積変化率が大きくなり、例えば充放電の繰り返しに伴って電池性能が劣化しやすくなる。
なお、正極活物質層30は、正極構造体20の作製時に活物質31としてγ-NiOOHを含有してもよく、β-Ni(OH)のみを活物質31として含有してもよい。例えば、β-Ni(OH)のみを活物質31として含有する場合、例えば通常の充放電反応における満充電を100%としたとき、予め160%以上200%以下程度の過充電を予備的に実施し、β-Ni(OH)の一部をγ-NiOOHに変化させた後で充放電を行うとよい。
図2~図4に戻り、正極構造体20についてさらに説明する。活物質31は、ニッケル以外の金属元素を含有してもよい。活物質31が含有する金属元素のうち、ニッケル以外の金属元素の含有量は、10mol%以下、さらに6mol%以下とすることができる。このようにニッケル以外の金属元素の含有量の上限を設けることにより、充放電に大きく寄与するニッケル化合物の含有量が相対的に大きくなり、充電容量を向上することができる。
ここで、ニッケル以外の金属元素としては、例えば、マグネシウム、カドミウム、亜鉛等を挙げることができる。また、活物質31は、例えばコバルトなど、その他の金属元素を含有してもよい。これらの金属元素は、活物質31中に置換固溶しているものを指す。すなわち、活物質31の表面を被覆しているものは含有していることとしない。例えば、活物質31中以外に第二層として存在する場合である。なお、活物質31の組成は、例えばICP組成分析を用いて測定することができる。また、活物質31は、ニッケル以外の金属元素の含有量が検出限界以下であってもよい。
また、正極活物質層30は、導電体を含有してもよい。導電体は、活物質31と集電部材80との間の導電性を高め、充放電時に生じる正極2でのエネルギー損失を低減する。導電体は、例えば、炭素材料または金属材料などの導電性材料であってもよい。汎用性の観点からは、導電体は、例えば、炭素材料である。炭素材料としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、カーボンフェルトなどが使用できる。また、金属材料としては、例えば、ニッケル金属が使用できる。また、導電体は、例えばコバルト金属またはマンガン金属、あるいはそれらの合金であってもよい。
また、正極活物質層30は、バインダを含有してもよい。バインダは、正極活物質層30が有する活物質同士、導電体同士および活物質と導電体とを結着させて正極活物質層30の保形性に寄与する。また、バインダは、正極活物質層30と集電部材80との密着性を高める。バインダとしては、樹脂材料を用いることができる。また、樹脂材料としては、耐アルカリ性や絶縁性を有していてもよい。樹脂材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが使用できる。
上記したような活物質31、導電体およびバインダの混合物を混練し、加圧して成形することにより、正極活物質層30が得られる。必要に応じて、活物質、導電体およびバインダの混合物に水またはアルコール等の液体を添加し、成形後、乾燥させて正極活物質層30を作製してもよい。
次に、集電部材80について説明する。集電部材80は、例えばニッケル金属またはニッケル合金で構成された板状の部材で構成される。また、表面をメッキ処理した金属材料を集電部材80としてもよい。集電部材80は、正極活物質層30の厚み方向に互いに向かい合う第1部材40と第2部材60とを含む。正極活物質層30は、第1部材40と第2部材60との間に収容される。
図2に示すように、第1部材40は、連通部42と固定部41とを有する。連通部42は、正極活物質層30が収容された正極構造体20の内部と外部とを連通させて正極構造体20の内外にアルカリ水溶液6の移動が可能となる部分である。図3に示すように、連通部42には、第1部材40の内面と外面とを貫通する複数の貫通孔43が設けられている。
固定部41は、第1部材40の周縁部において、第1部材40と第2部材60との固定に供される領域である。図4に示すように、第1部材40は、X軸方向、すなわち幅方向の両端46で折り曲げられた折曲部47を有している。また、第2部材60は、X軸方向、すなわち幅方向の両端部に側縁部61を有している。第1部材40の固定部41と折曲部47との間に第2部材60の側縁部61を挟み込み、さらに固定部41と折曲部47とを外側から挟みこむようにして加圧すると、第1部材40と第2部材60とが固定される。なお、図4においては、連通部42が有する貫通孔43の図示は省略している。
ここで、第1部材40と第2部材60との間の収容部50のX軸方向の幅W2は、正極活物質層30のX軸方向の幅W1よりも例えば1mm大きくすることができる。このように、収容部50の幅W2を規定することにより、収容部50と第2部材60の内面60aとの間にアルカリ水溶液6が進入可能となることでアルカリ水溶液6と直接接触する正極活物質層30の割合が増加し、正極活物質層30の内部へのアルカリ水溶液6の拡散がさらに良好になる。
なお、図示は省略するが、正極構造体20の長手方向においても、短手方向と同様の手法により第1部材40と第2部材60とを固定することができる。また、第1部材40と第2部材60との固定は、図示した例に限らず、例えば溶接であってもよい。第1の実施形態の第1部材40では、連通部42と固定部41とが、それぞれ連続した部位となっているが、他の形態にしてもよい。例えば、固定部41にも、貫通孔63を設けて、固定部41の一部あるいは全部が、アルカリ水溶液6の移動が可能となる連通部42となっていてもよい。
また、第1部材40および第2部材60は、正極活物質層30の幅方向の端部、具体的には収容部50の外側に空隙52,53を有する。これにより、空隙52,53にアルカリ水溶液6(図1参照)が進入することでアルカリ水溶液6と直接接触する正極活物質層30の割合がさらに増加し、拡散起点が増える。その結果、正極活物質層30の内部へのアルカリ水溶液6の拡散がさらに良好になる。なお、空隙52,53は、どちらか一方のみ有していてもよく、空隙52,53を有さなくてもよい。
また、図3に示すように、第2部材60には、内面と外面とを貫通する複数の貫通孔63が設けられている。複数の貫通孔63は、例えば正極活物質層30を挟んで複数の貫通孔43と向かい合うようにそれぞれ配置することができる。
ここで、貫通孔43,63の直径d1,d2は、例えば30μm以上300μm以下、さらに100μm以上200μm以下とすることができる。直径d1,d2が30μm未満だと、例えばアルカリ水溶液6が貫通孔43,63の内部に進入しにくくなる。また、直径d1,d2が300μmを超えると、例えば正極活物質層30を構成する活物質31その他の成分が、外部に漏出しやすくなる。
なお、図3、図4では、第1部材40および第2部材60と正極活物質層30とが離間しているとして図示されたが、これに限らず、例えば貫通孔43,63が正極活物質層30側にそれぞれ突出し、正極活物質層30にそれぞれ接触していてもよい。この第1部材40および第2部材60が正極活物質層30と接触することにより、アルカリ水溶液6(図1参照)を介した正極活物質層30と集電部材80との間の電荷の移動を円滑にすることができる。
[制御装置]
図1に戻り、さらに説明する。制御装置90は、二次電池1の充電を制御する。かかる制御装置90は、制御部91と、記憶部92とを有する。
制御部91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種回路を含む。かかるコンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部91として機能する。
また、制御部91をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部92は、例えば、ROMおよびHDDに対応する。ROMおよびHDDは、制御装置90における各種の設定情報を記憶することができる。なお、制御部91は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して各種情報を取得することとしてもよい。
制御装置90は、二次電池1に対し、アルカリ水溶液6中に溶存するカリウムおよび亜鉛の濃度と、活物質31の組成とに応じた充電制御を行うことにより、充電容量を向上する。この点について、図6を参照してさらに説明する。
図6は、第1の実施形態に係る二次電池システムの機能的構成を示すブロック図である。図6に示すように、二次電池システム100は、上述の二次電池1と、制御装置90とに加えて、電圧検出部94を有する。
電圧検出部94は、二次電池1の充電時に測定される電圧値を検出して、かかる電圧値の情報を制御部91に送信する。制御部91は、電圧検出部94から送られてくる情報と、記憶部92に記憶される設定情報とに基づいて、二次電池1の充電を制御する。
具体的には、制御部91は、1mol・dm-3の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬させたHg/HgO参照電極を用いて測定される正極-参照電極間の電圧値が-0.1V以下となるまで放電した状態を基準として、活物質31が含有するニッケル化合物の総モル量×係数Aで示される充電量〔Ah〕が、次の(1)~(3)式を満たす範囲を上限として充電を制御する。
32.83≦A≦38.86 ・・・(1)
A=(0.5y/(y+1)+1)×26.8 ・・・(2)
y=(0.091×C+2.160×CZn+3.217)×exp(0.545×C+13.147×CZn-57.197)×MZn ・・・(3)
上記式(3)中、Cはアルカリ水溶液6中に溶存するカリウムイオンのモル濃度〔mol・dm-3〕であり、CZnはアルカリ水溶液6中に溶存する亜鉛成分のモル濃度〔mol・dm-3〕であり、MZnは活物質31が含有する金属元素のうち、亜鉛成分の含有量〔mol%〕である。また、制御部91は、端末93からの指示に基づいて、二次電池1の充電を制御することができる。
このように、制御部91がC、CZnおよびMZnに応じた充電制御を行うことにより、正極2ではα-Ni(OH)⇔γ-NiOOH間の充放電反応を繰り返し行うことができる。このため、第1の実施形態に係る二次電池システム100によれば、長期にわたり充電容量を向上することができる。
なお、上記した式(1)において、A<32.83だと、例えばα-Ni(OH)およびγ-NiOOHによる充電容量の向上効果が低減し、さらに、二次電池1の電圧制御が困難となることがある。また、A>38.86だと、充放電に伴う活物質31を含む正極活物質層30の体積変化率が大きくなり、例えば充放電の繰り返しに伴って電池性能が劣化しやすくなる。
次に、二次電池1における電極間の接続について説明する。図7は、第1の実施形態に係る二次電池システムが備える二次電池の電極間の接続の一例について説明する図である。
図7に示すように、負極3A~3Cは、タブ3A1~3C1を介して並列接続されている。また、正極2Aおよび2Bは、タブ2A1,2B1を介して並列接続されている。このように負極3および正極2をそれぞれ並列に接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であっても二次電池1の各電極間を適切に接続し、使用することができる。
なお、上記した実施形態では、合計5枚の電極が負極3および正極2が交互に配置させたが、これに限らず、3枚または7枚以上の電極を交互に配置させてもよい。また、上記した実施形態では、両端がともに負極3となるように配置させたが、これに限らず、両端がともに正極2となるように配置させてもよい。さらに、一方を正極2、他方を負極3となるように同枚数の負極3および正極2をそれぞれ交互に配置してもよい。また、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係る二次電池システムの概略を示す図である。図8に示す二次電池システム100Aが有する二次電池1は、図1に示す発生部9、供給部14、配管15,16、に代えて、供給部14a、配管15a,16aを備えることを除き、第1の実施形態に係る二次電池1と同様の構成を有している。
供給部14aは、配管16aを介して筐体17の内部から回収された、粉末7が混在するアルカリ水溶液6を、配管15aを介して筐体17の下部に供給する。供給部14aは、流動装置の一例である。
供給部14aは、例えばアルカリ水溶液6を移送可能なポンプである。供給部14aの気密性を高くすれば、粉末7およびアルカリ水溶液6を外部に漏出させることによる二次電池1Aの発電性能の低下が起きにくい。そして、筐体17の内部に送られたアルカリ水溶液6は、第1の実施形態に係る二次電池1と同様に、各電極間を流動する間に充放電反応に供されることとなる。
なお、図8に示す二次電池1Aでは、配管16aに接続された開口が、各電極の主面と向かい合う内壁10b、すなわち反応部10のY軸方向側の端部に設けられているが、これに限らず、X軸方向側の端部に設けられてもよい。
また、図8に示す二次電池1Aでは、供給部14aは、粉末7が混在するアルカリ水溶液6を筐体17に供給するとしたが、これに限らず、アルカリ水溶液6のみを供給することとしてもよい。かかる場合、例えば配管16aの途中に、粉末7が混在するアルカリ水溶液6を一時的に貯留するタンクを設け、タンク内部においてアルカリ水溶液6中に溶解する錯イオンの濃度を調整することとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記した各実施形態では、流動装置の一例としての供給部14または供給部14aがアルカリ水溶液6を流動させる態様として説明したが、これに限らず、流動装置を有さなくてもよい。
また、上記した各実施形態では、隔膜4,5は正極2の厚み方向の両側を挟むように配置されるとして説明したが、これに限らず、正極2を被覆していてもよい。また、隔膜4,5は、必ずしも配置されなくともよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A 二次電池
2,2A,2B 正極
3,3A,3B,3C 負極
4,5 隔膜
6 アルカリ水溶液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a 吐出口
10 反応部
14 供給部
17 筐体
18 上板
20 正極構造体
30 正極活物質層
31 活物質
80 集電部材
90 制御装置
91 制御部
100,100A 二次電池システム

Claims (10)

  1. α型水酸化ニッケルおよびγ型オキシ水酸化ニッケルのうち少なくとも一方を含むニッケル化合物を含有する活物質を有する正極、極、並びに前記正極および前記負極に接触し、錯イオンを含有するアルカリ水溶液を備える二次電池と
    前記二次電池を制御する制御部と
    を備え、
    前記錯イオンは、価数と、1dm当たりのモル量との積が-2.0以下であり、
    前記制御部は、アルカリ水溶液中に溶存するカリウムイオンの濃度と、アルカリ水溶液中に溶存する亜鉛成分の濃度と、前記活物質の組成とに基づいて、前記二次電池の充電量〔Ah〕を制御する、二次電池システム
  2. 前記制御部は、参照電極を用いて測定される放電状態における電圧値を基準として、
    前記ニッケル化合物中のニッケルの総モル量×係数Aで示される前記充電量〔Ah〕が、下記(1)~(3)式を満たす範囲を上限として充電を制御する請求項に記載の二次電池システム。
    32.83≦A≦38.86 ・・・(1)
    A=(0.5y/(y+1)+1)×26.8 ・・・(2)
    y=(0.091×C+2.160×CZn+3.217)×exp(0.545×C+13.147×CZn-57.197)×MZn ・・・(3)、ただし、
    :アルカリ水溶液中に溶存するカリウムイオンのモル濃度〔mol・dm-3
    Zn:アルカリ水溶液中に溶存する亜鉛成分のモル濃度〔mol・dm-3
    Zn:活物質が含有する金属元素のうち、亜鉛成分の含有量〔mol%〕
  3. 記制御部は、前記アルカリ水溶液中に溶存するカリウムイオンの濃度と、前記アルカリ水溶液中に溶存する亜鉛成分の濃度と、前記活物質の組成とに基づいて充電時の電圧を制御する
    請求項1または2に記載の二次電池システム。
  4. 前記ニッケル化合物は、α型水酸化ニッケル、β型水酸化ニッケル、β型オキシ水酸化ニッケルおよびγ型オキシ水酸化ニッケルのうち少なくとも2つ以上含んでおり、前記α型水酸化ニッケル、前記β型水酸化ニッケル、前記β型オキシ水酸化ニッケルおよび前記γ型オキシ水酸化ニッケルの含有率の関係が、下記式のいずれか1つの式を満たす、請求項1~3のいずれか1つに記載の二次電池システム
    式1:α型水酸化ニッケル>β型水酸化ニッケル
    式2:α型水酸化ニッケル>β型オキシ水酸化ニッケル
    式3:γ型オキシ水酸化ニッケル>β型オキシ水酸化ニッケル
    式4:γ型オキシ水酸化ニッケル>β型水酸化ニッケル
  5. 前記活物質はニッケル以外の金属元素をさらに有し、
    前記金属元素の含有量が10mol%以下である、請求項1~4のいずれか1つに記載の二次電池システム
  6. 前記金属元素は、少なくともマグネシウム、カドミウム、および亜鉛のうち1以上を含有る、請求項に記載の二次電池システム
  7. 前記錯イオンは、ヒドロキシド錯イオンである、請求項1~のいずれか1つに記載の二次電池システム
  8. 前記錯イオンは、Zn、Al、Sn、Ga、Pb、In、Bi、およびGeのうち、1以上を含有する、請求項1~のいずれか1つに記載の二次電池システム
  9. 前記アルカリ水溶液を流動させる流動装置をさらに備える、請求項1~のいずれか1つに記載の二次電池システム
  10. 前記アルカリ水溶液が亜鉛成分を含む、請求項1~のいずれか1つに記載の二次電池システム
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