JP2019121491A - フロー電池システムおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】性能劣化を低減することができるフロー電池システムおよび制御方法を提供する。【解決手段】フロー電池システム100は、フロー電池1と制御部41とを備える。フロー電池は、反応部10と流動装置とを備える。制御部は、フロー電池の放電を制御する。反応部は、正極2および負極3と、電解液6とを備える。電解液は、正極および負極に接触する。流動装置は、電解液を流動させる。制御部は、正極が転極した状態で、負極が転極するまで放電させる。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、フロー電池システムおよび制御方法に関する。
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン電導性を有するイオン電導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−185259号公報
Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, Journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
しかしながら、上記に記載の電池では、充放電時の反応に起因して電極間の充電状態に不均衡が生じ、電池性能が劣化する懸念があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能劣化を低減することができるフロー電池システムおよび制御方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るフロー電池システムは、フロー電池と制御部とを備える。フロー電池は、反応部と流動装置とを備える。制御部は、前記フロー電池の放電を制御する。反応部は、正極および負極と、電解液とを備える。電解液は、前記正極および前記負極に接触する。流動装置は、前記電解液を流動させる。前記制御部は、前記正極が転極した状態で、前記負極が転極するまで放電させる。
実施形態の一態様のフロー電池システムおよび制御方法によれば、性能劣化を低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池システムの概略を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るフロー電池システムが備えるフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。 図3は、第1の実施形態に係るフロー電池システムの機能的構成を示すブロック図である。 図4は、第1の実施形態に係るフロー電池システムが実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池システムの電極間の接続の一例について説明する図である。 図6は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池システムが実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、第2の実施形態に係るフロー電池システムの概略を示す図である。 図8は、第3の実施形態に係るフロー電池システムの概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池システムおよび制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池システムの概略を示す図である。図1に示すフロー電池システム100は、フロー電池1と制御装置40とを備える。フロー電池1は、筐体17に収容された反応部10および発生部9と、供給部14とを備える。反応部10は、正極2と、負極3と、隔膜4,5と、電解液6と、粉末7とを備える。フロー電池1は、発生部9で発生した気泡8を電解液6中で浮上させることにより反応部10内に収容された電解液6を流動させる装置である。発生部9は、流動装置の一例である。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1に示すフロー電池システム100と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
正極2は、例えば、ニッケル化合物、マンガン化合物またはコバルト化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。コバルト化合物は、例えば、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト等が使用できる。また、正極2は、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液6が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有してもよい。
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
負極3は、正極2を挟んで互いに向かい合うように配置された負極3Aおよび負極3Bを含む。正極2および負極3は、負極3Aと、正極2と、負極3Bとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。このように隣り合う正極2と負極3との間隔をそれぞれ設けることにより、正極2と負極3との間における電解液6および気泡8の流通経路が確保される。
隔膜4,5は、正極2の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜4,5は、電解液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜4,5の材料として、例えば、隔膜4,5が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
隔膜4,5は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
この場合には、充電の際に、負極3A,3Bにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜4,5を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間が導通する可能性を低減することができる。
電解液6は、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液6中の亜鉛種は、[Zn(OH)2−として電解液6中に溶存している。電解液6は、例えば、KやOHを含むアルカリ水溶液に亜鉛種を飽和させたものを使用することができる。なお、電解液6は、後述する粉末7とともに調製すれば、充電容量を大きくできる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、0.5molの割合でZnOを添加し、必要に応じて後述する粉末7を追加することにより電解液6を調製することができる。さらに、酸素発生抑制を目的に、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物を添加してもよい。
粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化亜鉛、水酸化亜鉛等である。粉末7は、アルカリ水溶液中には容易に溶解するが、亜鉛種の飽和した電解液6中には溶解せずに分散または浮遊し、一部が沈降した状態で電解液6中に混在する。電解液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7が、電解液6の中で沈降した状態になることもあるが、電解液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、電解液6に分散または浮遊した状態になる。つまり、粉末7は、電解液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、電解液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外の電解液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていることや、筐体17内に存在する電解液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。電解液6中に溶存する亜鉛種である[Zn(OH)2−が消費されると、電解液6中に混在する粉末7は、粉末7および電解液6が互いに平衡状態を維持するように電解液6中に溶存する亜鉛種が飽和するまで溶解する。
気泡8は、例えば正極2、負極3A,3Bおよび電解液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、電解液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液6の劣化を低減し、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、気体は空気であってもよい。
発生部9から電解液6中に供給された気体により発生した気泡8は、所定の間隔で配置された電極間、すなわち、負極3Aと正極2との間、正極2と負極3Bとの間において、それぞれ電解液6中を浮上する。電解液6中を気泡8として浮上した気体は、電解液6の液面で消滅し、反応部10の上部を覆う上板18と電解液6の液面との間に気体層13を構成する。
ここで、フロー電池1における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2− + 2e → Zn +4OH
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)2−の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)2−の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費される電解液6中の[Zn(OH)2−を補給することにより、電解液6中の亜鉛種である[Zn(OH)2−の濃度が飽和状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3とが導通する可能性が低減される。
フロー電池1では、電解液6中に亜鉛を含む粉末7を混在させるとともに、発生部9の吐出口9aから電解液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、負極3Aと正極2との間、正極2と負極3Bとの間のそれぞれにおいて反応部10の下方から上方に向かって電解液6中を浮上する。
また、電極間における上記した気泡8の浮上に伴い、電解液6には上昇液流が発生し、負極3Aと正極2との間、正極2と負極3Bとの間では反応部10の内底10e側から上方に向かって電解液6が流動する。そして、電解液6の上昇液流に伴い、主に反応部10の内壁10aと負極3Aとの間、および内壁10bと負極3Bとの間で下降液流が発生し、電解液6が反応部10の内部を上方から下方に向かって流動する。
これにより、充電によって電解液6中の[Zn(OH)2−が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで[Zn(OH)2−が電解液6中に補給される。このため、電解液6中の[Zn(OH)2−の濃度を飽和状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通の可能性を低減することができる。
なお、粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、酸化亜鉛および水酸化亜鉛が好ましい。
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)2−を生成するが、電解液6はすでに飽和状態であるため、電解液6中では、過剰となった[Zn(OH)2−からZnOが析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、電解液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)2−から析出するのは、Zn(OH)や、ZnOとZn(OH)とが混合したものになる。
また、上述したように、負極3では、充電により負極3の表面に電解液6から析出した亜鉛が付着し、正極2では正極活物質(例えば、NiOOH)が生成する。正極2ではまた、充電時の副反応として酸素が発生する場合がある。
正極2で酸素が発生すると、正極2と負極3との間で充電状態に不均衡が生じ、充電により生成する正極活物質の量は、化学量論的に算出される理論値よりも小さくなる。例えば、充電により生成した正極活物質をすべて消費するまで放電を行っても、負極3には負極活物質である亜鉛の一部が残存し、電気として取り出すことができない。
上記したように、フロー電池1の放電により正極2に残存する正極活物質が消費され、フロー電池1の放電電圧が放電下限電圧まで低下すると、例えば抵抗などの単純な負荷を用いた放電は困難となる。そこで、第1の実施形態に係るフロー電池システム100では、制御装置40を備える。制御装置40は、フロー電池1に対し、負極3に付着した亜鉛をすべて消費するように過放電を行う制御を行う。かかる制御装置40は、フロー電池1の放電を制御する制御部41と、記憶部42とを有する。
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Desk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種回路を含む。かかるコンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部41として機能する。
また、制御部41をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部42は、例えば、ROMおよびHDDに対応する。ROMおよびHDDは、制御装置40における各種の設定情報を記憶することができる。なお、制御部41は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して各種情報を取得することとしてもよい。
第1の実施形態に係るフロー電池システム100は、フロー電池1と負荷回路50(図2参照)との間がスイッチS1(図2参照)を介して接続されている。そして、制御部41は、かかるスイッチS1を制御することによってフロー電池1を過放電用の負荷回路50に接続して、フロー電池1を過放電することができる。
ここで、過放電とは、正極2が転極し、フロー電池1の放電電圧が所定の放電下限電圧(例えば、1.2V)以下となるまで放電された状態をいう。正極2が転極した状態で放電を続けると、正極2では水素が発生する。また、過放電により、負極3に含まれる亜鉛を電解液6中に溶解させることができることから、正極2と負極3との間の不均衡な充電状態を積極的に解消させることができる。このため、第1の実施形態に係るフロー電池システム100によれば、例えば正極2と負極3との間の不均衡な充電状態に起因する性能劣化が低減される。
次に、フロー電池システム100における電極間の接続について説明する。図2は、第1の実施形態に係るフロー電池システム100が備えるフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
図2に示すように、正極2は、正極板22を介して外部に接続するためのタブ2aを有している。負極3A,3Bは、負極3A,3Bがそれぞれ有するタブ3Aa,3Baを介して、負極板23を用いて並列接続されている。また、このように負極3および正極2をそれぞれ接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であっても各電極間を適切に接続し、充放電可能なフロー電池1として使用することができる。フロー電池1は、スイッチS2を介して外部の回路である外部回路55と電気的に接続されている。フロー電池1は、スイッチS2で外部回路55に電気的に接続されている場合に、外部回路55から充電することができ、外部回路55に放電することができる。
また、フロー電池1の端子24,25は、スイッチS1を介して負荷回路50と電気的に接続されている。スイッチS1は、制御部41から出力された制御信号に応じてフロー電池1と負荷回路50との接続状態を切り替える。スイッチS1とスイッチS2とは、負荷回路50と外部回路55との電気的接続を切り替える1つのスイッチでもよい。
負荷回路50は、例えば電源回路である。負荷回路50は、正極活物質がすべて消費された状態でフロー電池1に接続され、負極3に残存する亜鉛を溶解させる。なお、以下の説明では、負荷回路50を過放電回路と称する場合がある。
図3は、実施形態に係るフロー電池システム100の機能的構成を示すブロック図である。フロー電池システム100は、上述の制御装置40と、スイッチS1とに加えて、電圧検出部26と、温度検出部27とを有する。
電圧検出部26は、フロー電池1の端子24,25の間で測定されるフロー電池1の放電電圧を検出して、かかる放電電圧の情報を制御部41に送信する。温度検出部27は、放電時に反応部10の内部を流動する電解液6の温度を検知して、かかる温度の情報を制御部41に送信する。
制御部41は、電圧検出部26から送られてくる情報と、記憶部42に記憶される設定情報とに基づいて、スイッチS1の切り替えを制御する。具体的には、制御部41は、放電電圧が所定の放電下限電圧(例えば、1.2V)以下になった場合に、スイッチS1をONにする。これにより、フロー電池1と負荷回路50とが接続される。また、制御部41は、スイッチS2をOFFにすることで、フロー電池1と外部回路55との接続が遮断される。
また、制御部41は、放電電圧が所定の範囲で安定したプラトー領域(例えば、−0.2〜−0.4V)以下になった場合に、スイッチS1をOFFにする。これにより、フロー電池1と負荷回路50との接続が遮断される。ここで、放電電圧がプラトー領域以下になるまでスイッチS1をONのまま継続すると、正極2に引き続いて負極3が転極し、電解液6の電気分解により酸素が発生することとなる。
上述のようにスイッチS1をOFFにした時点で、正極2と負極3との充電の不均衡は、解消もしくは低減された状態となる。また、この後でスイッチS2をONにすることで、フロー電池1は外部回路55から充電できるようになる。
なお、過放電による充電状態の不均衡を解消する途中に、外部回路55からフロー電池1に充電したい場合は、スイッチS1をOFFにして負荷回路50をフロー電池1から遮断し、スイッチS2をONにして外部回路55をフロー電池1に電気的に接続してもよい。そのようにすれば、フロー電池1は、外部回路55から充電できるようになる。充電状態の不均衡の解消は、その後、フロー電池1が放電した際に、再度行うことができる。
制御部41は、温度検出部27から送られてくる情報と、記憶部42に記憶される設定情報とに基づいて、スイッチS1の切り替えを制御する。具体的には、制御部41は、フロー電池1と負荷回路50とが接続されている状態において、電解液6の温度が所定の閾値に到達した場合に、スイッチS1をOFFにする。すなわち、温度検出部27からの情報に基づくスイッチS1の遮断制御は、電圧検出部26から送られてくる情報に基づくスイッチS1の遮断制御の補完または代替になりうる。なお、電圧検出部26および温度検出部27の両方から異なる制御を実行すべき旨の情報が送られた場合、制御部41は、温度検出部27から送られてくる情報を優先してスイッチS1の制御を実行してもよい。また、制御部41は、スイッチS1をOFFにする際に、スイッチS2をONにしてもよい。
また、制御部41は、端末43からの指示に基づいて、スイッチS1およびスイッチS2の切り替えを制御することができる。
図1に戻り、第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。発生部9は、反応部10の下方に配置されている。発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっている。また、反応部10の内底10eは、発生部9の中空部分を覆うように配置されており、発生部9の天板を兼ねている。
また、内底10eは、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の吐出口9aを有している。発生部9は、供給部14から供給された気体を吐出口9aから吐出することにより、電解液6中に気泡8を発生させる。吐出口9aは、例えば0.05mm以上0.5mm以下の直径を有する。吐出口9aの直径をこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部の中空部分に電解液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。
また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上50mm以下であり、さらに10mm以下にしてもよい。ただし、吐出口9aは、発生した気泡8を互いに向かい合う正極2と負極3との間にそれぞれ適切に流動させることができるように配置されるものであれば、大きさや間隔に制限はない。
ここで、発生部9および反応部10を有する筐体17および上板18は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。筐体17および上板18は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。また、発生部9は、反応部10の内部に配置されてもよい。
供給部14は、配管16を介して筐体17の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体や電解液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。
また、気体層13と上板18との間に触媒層12を設けてもよい。具体的には、触媒層12は、上板18の下面側に、気体層13と接触するように取り付けられる。触媒層12は、後述する副反応や放電制御により電解液6を構成する水が電気分解されて生じた酸素と水素とを反応させて水を生じさせる。すなわち、触媒層12は、酸素および水素の発生により電解液6の総量が減少し、電解液6のイオン伝導性が低下して電池性能が低下する不具合を低減することができる。また、触媒層12は、フロー電池1の内部に長期にわたり水素が残存し、例えば供給部14や配管15,16等の硬性部材に水素脆化が生じる不具合を低減することができる。
ここで、触媒層12は、例えば白金粒子などの触媒を担持させた、気体透過性を有する部材である。なお、触媒層12の配置は、図示した箇所に限らず、例えば配管16の内部や、反応部10の内壁10a,10bなど、反応部10の内部で発生した酸素や水素と接触する箇所であればよい。また、触媒層12は、電解液6に接触してもよく、また電解液6とは接触しない箇所に配置されてもよい。
図4は、第1の実施形態に係るフロー電池システム100が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
制御部41は、端末43を介してフロー電池システム100から放電するよう指示があった場合に、動作モードを放電モードに設定することにより、フロー電池1からの放電を開始する(ステップS101)。
次に、制御部41は、電圧検出部26から送られる情報に基づいて、正極2が転極したか否かを判定する(ステップS102)。そして、正極2が転極していない場合(ステップS102,No)、制御部41は、ステップS102の処理に戻る。一方、正極2が転極した場合(ステップS102,Yes)、制御部41は、負極3の充電容量と正極2の充電容量とを比較する(ステップS103)。負極3の充電容量が正極2の充電容量以下の場合(ステップS103,Yes)、放電を終了する。
一方、負極3の充電容量が正極2の充電容量よりも大きい場合(ステップS103,No)、制御部41は、スイッチS1をONにしてフロー電池1を過放電回路(負荷回路50)に接続する(ステップS104)。続いて、制御部41は、電圧検出部26および温度検出部27のうち、一方または両方から送られる情報に基づいて、負極3が転極したか否かを判定する(ステップS105)。負極3が転極した場合(ステップS105,Yes)、放電を終了する。一方、負極3が転極していない場合(ステップS105,No)、制御部41は、負極3が転極するまでステップS105の処理を繰り返す。
制御部41は、ステップS102で正極2が転極していない場合、ステップS102の処理に戻る前に、負極3が転極したか否かを判定してもよい。負極3が転極した場合は、処理を終了する。このとき、負極3が転極したことで、外部回路55への放電は実質的に終了しているが、制御部41は、フロー電池1と外部回路55との接続を遮断してもよい。この場合、正極2の充電容量が負極3の充電容量よりも大きい不均衡状態となっているが、フロー電池1では、正極2および負極3の副反応の性質上、負極3の充電容量の方が増えやすい傾向にあるため、フロー電池1を通常の使用条件で充放電して使用することで、この不均衡が、自然に解消されることが期待できる。
また、次のようにして、正極2の充電容量が負極3の充電容量よりも大きい不均衡状態を積極的に解消してもよい。すなわち、制御部41は、上述したステップS102からステップS105の制御を、正極2と負極3を逆にして行う。具体的には、制御部41は、負極3が転極したか否かを判定する。負極3が転極していた場合、制御部41は、正極2の充電容量と負極3の充電容量とを比較する。正極2の充電容量が負極3の充電容量以下の場合、放電を終了する。一方、正極2の充電容量が負極3の充電容量よりも大きい場合、制御部41は、スイッチS1をONにしてフロー電池1を過放電回路(負荷回路50)に接続し、正極2が転極するまで放電を行い、正極2が転極したら放電を終了する。
<第1の実施形態の変形例>
図5は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池システム100が備えるフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。図5に示すフロー電池システム100は、スイッチS1をONにすることにより、正極2と負極3とが接続される点で図2に示すフロー電池システム100と相違する。
スイッチS1をONにすることにより、負極3に付着した亜鉛と正極2との間で局部電池を形成する。そして、正極2と亜鉛との間で生じる局部電流に伴い、負極3の表面に付着した亜鉛は電解液6中に溶解する。このように、正極2と負極3とをスイッチS1を介して接続可能に構成することにより、負荷回路50を有しない場合であっても、残存した亜鉛を溶解させることで正極2と負極3との間の不均衡な充電状態を解消させることができる。このため、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池システム100によれば、例えば正極2と負極3との間の不均衡な充電状態に起因する性能劣化が低減される。
ここで、正極2は、例えば、金属ニッケルを含有する。金属ニッケルを含有する正極2は、水の電気分解で水素を発生させながら、充電により生成した負極活物質を非充電状態にする。
また、正極2は、板状部材であってもよいが、例えば発泡体やエキスパンドメタル、パンチングメタル、シート状の織布または不織布などの形態を採用し、比表面積を大きくして局部電流による反応性を向上させてもよい。
図6は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池システム100が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
制御部41は、端末43を介してフロー電池システム100から放電するよう指示があった場合に、動作モードを放電モードに設定することにより、フロー電池1からの放電を開始する(ステップS201)。
次に、制御部41は、電圧検出部26から送られる情報に基づいて、正極2が転極したか否かを判定する(ステップS202)。そして、正極2が転極していない場合(ステップS202,No)、制御部41は、ステップS202の処理に戻る。一方、正極2が転極した場合(ステップS202,Yes)、制御部41は、負極3の充電容量と正極2の充電容量とを比較する(ステップS203)。負極3の充電容量が正極2の充電容量以下の場合(ステップS203,Yes)、放電を終了する。
一方、負極3の充電容量が正極2の充電容量よりも大きい場合(ステップS203,No)、制御部41は、スイッチS1をONにして正極2と負極3とを接続する(ステップS204)。続いて、制御部41は、負極3の放電が完了したか否かを判定する(ステップS205)。負極3の放電が完了した場合(ステップS205,Yes)、放電を終了する。一方、負極3の放電が完了していない場合(ステップS205,No)、制御部41は、負極3の放電が完了するまでステップS205の処理を繰り返す。
なお、これまで説明した制御部41によるスイッチS1の切替制御は、正極2の転極を前提としている。正極2は、転極によりダメージを受けやすいため、例えば以下に示すような予め定められた条件を満たした場合に限定してスイッチS1の切替制御を実行することができる。
制御部41は、電解液6の活物質濃度が低い場合、具体的には、電解液6中の亜鉛濃度が閾値(例えば2moldm−3)以下となったことを契機としてスイッチS1の切替制御を実行してもよい。
また、制御部41によるスイッチS1の切替制御は、負極3の充電状態にかかわらず、例えば所定時刻ごと、所定期間経過する都度、あるいは充放電回数が所定回数に到達した都度等、予め定められた周期に応じて定期的に実行するようにしてもよい。かかる場合、制御部41は、消費電力抑制の観点から、正極2と負極3との間の充電状態の不均衡の程度にかかわらず例えばスイッチS1をONにした後、負極3の充電容量が所定量(例えば、20%)消費された後にスイッチS1をOFFにしてもよい。
また、制御部41は、例えば、負極3の充電容量が正極2の充電容量に対して所定の比率(例えば120%)以上となったことを契機としてスイッチS1をONにし、負極3の充電容量が正極2の充電容量に対して所定の比率(例えば、100.5%)以下となったことを契機としてスイッチS1をOFFにする制御を行ってもよい。また、制御部41は、例えば予め定めた時間(例えば、数秒間)だけスイッチS1をONにするといった時間制御を行ってもよい。
また、制御部41によるスイッチS1の切替制御は、フロー電池1が充放電を実施しているときや充放電を実施していないレスト状態のときに実行してもよく、放電終了後に実行してもよい。なお、フロー電池1の放電が終了したか否かは、例えば、フロー電池1の放電終止電圧に基づいて判定される。
なお、上記したフロー電池1では、合計3枚の電極が、負極3および正極2が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、4枚以上の電極を交互に配置するようにしてもよく、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、上記したフロー電池1では、両端がともに負極となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極となるように構成してもよい。
さらに、一方の端部が正極2、他方の端部が負極3となるように同枚数の負極3および正極2をそれぞれ交互に配置してもよい。かかる場合、電極間の接続は並列であってもよく、直列であってもよい。
また、上記したフロー電池システム100では、スイッチS1のONにより負極3A,3Bは負荷回路50に対して同時に接続されるよう構成されたが、負極3A,3Bのうち一方のみを個別に負荷回路50に接続されるよう構成してもよい。このように構成することにより、負極3A,3Bの間での充電容量の不均衡を解消することができ、電池性能が向上する。また、フロー電池1が複数の正極2を有する場合、1または2以上の正極2を個別に負荷回路50に接続してもよいが、特定の正極2に対する過放電による不具合を回避する観点から、複数の正極2をすべて負荷回路50に接続してもよい。
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態に係るフロー電池システムの概略を示す図である。図7に示すフロー電池システム100Aが備えるフロー電池1Aは、図1に示す発生部9、供給部14、配管15,16に代えて、供給部14a、配管15a,16aを備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池システム100が備えるフロー電池1と同様の構成を有している。
供給部14aは、配管16aを介して筐体17の内部から回収された、粉末7が混在する電解液6を、配管15aを介して筐体17の下部に供給する。供給部14aは、流動装置の一例である。
供給部14aは、例えば電解液6を移送可能なポンプである。供給部14aの気密性を高くすれば、粉末7および電解液6を外部に漏出させることによるフロー電池1Aの発電性能の低下が起きにくい。そして、筐体17の内部に送られた電解液6は、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様に、各電極間を上方に流動する間に充放電反応に供されることとなる。
このように発生部9を有しないフロー電池1Aを備えるフロー電池システム100Aにおいても、スイッチS1をONにすることでフロー電池1Aと電気的に接続可能な負荷回路50を配置することにより、負極3に析出した亜鉛が放電により溶解せずに残存した場合であっても、残存した亜鉛を溶解させることで正極2と負極3との間の不均衡な充電状態を解消させることができる。このため、第2の実施形態に係るフロー電池1Aによれば、例えば正極2と負極3との間の不均衡な充電状態に起因する性能劣化が低減される。
なお、図7に示すフロー電池1Aでは、配管16aに接続された開口が、各電極の主面と向かい合う内壁10b、すなわち反応部10のY軸方向側の端部に設けられているが、これに限らず、X軸方向側の端部に設けられてもよい。
また、図7に示すフロー電池1Aでは、供給部14aは、粉末7が混在する電解液6を供給するとしたが、これに限らず、電解液6のみを供給することとしてもよい。かかる場合、例えば配管16aの途中に、粉末7が混在する電解液6を一時的に貯留するタンクを設け、タンク内部において電解液6中に溶解する[Zn(OH)2−の濃度を調整することとしてもよい。
<第3の実施形態>
図8は、第3の実施形態に係るフロー電池システムの概略を示す図である。図8に示すフロー電池システム100Bが備えるフロー電池1Bは、ZX平面に沿って延在する複数のセル10−1〜10−8を積層したセルスタック200を含む。セル10−1〜10−8はそれぞれ、上記したフロー電池1または1Aが有する反応部10に相当する。なお、ここでは図示しない供給部14は、セル10−1〜10−8ごとにそれぞれ対応するように配置してもよく、また2以上のセル10−1〜10−8に対し、1または複数の発生部9が対応するように構成してもよい。なお、セルスタック200が有するセル10−1〜10−8の数は一例にすぎず、7以下または9以上でもよいことはいうまでもない。
また、セル10−1,10−3,10−5,10−7の正極板22とセル10−2,10−4,10−6,10−8の負極板23とは接続部材31,33,35,37を介してそれぞれ電気的に接続されている。また、セル10−2,10−4,10−6の正極板22とセル10−3,10−5,10−7の負極板23とは接続部材32,34,36を介してそれぞれ電気的に接続されている。このように、互いに隣り合うセルの正極板22と負極板23とを接続部材を用いて接続することにより、セル10−1〜10−8は直列接続される。なお、図8に示すように、正極板22と負極板23の配置は、Y軸方向に正極板22と負極板23とが互い違いに配置されるように構成すると、接続部材31〜37のサイズを小さくすることができ、充放電性能の低下を低減することができる。
また、図8に示す制御装置40Aは、セル10−1〜10−8ごとの充電状態に基づき、セル10−1〜10−8にそれぞれ対応するスイッチS1の切り替えを制御する制御部部(図示せず)を備えている。
制御装置40Aは、例えば、セル10−1〜10−8ごとの充電容量のバラつきに基づいてスイッチS1をそれぞれ制御する。具体的には、制御装置40Aは、セル10−1〜10−8ごとに算出された充電容量のうち、最大値と最小値との差分が所定の閾値(例えば、20%)を超えたことを契機としてスイッチS1をONにすることができる。また、制御装置40Aは、負極3の充電容量が所定の閾値(例えば、5%以下)となったことを契機として、あるいはセル10−1〜10−8ごとの充電容量のうち、最大値と最小値との差分が所定の閾値(例えば、1%以下)となったことを契機として、スイッチS1をOFFにすることができる。なお、制御装置40Aは、セルスタック200が有するセル10−1〜10−8のすべてのスイッチS1を同様に切替制御してもよく、またセル10−1〜10−8のうち1または複数の特定のセルに対応するスイッチS1のみを切替制御してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
また、上記した各実施形態では、電解液6中に粉末7が混在されているとして説明したが、これに限らず、粉末7を有しなくてもよい。かかる場合、負極3が含有する負極活物質を増量するとよい。
また、上記した各実施形態では、隔膜4,5は正極2の厚み方向の両側を挟むように配置されるとして説明したが、これに限らず、正極2と負極3との間に配置されていればよく、また、正極2を被覆していてもよい。
なお、供給部14,14aは、常時動作させてもよいが、電力消費を低減する観点から、放電時には充電時よりも気体または電解液6の供給レートを低下させてもよい。
また、負荷回路50は、フロー電池システム100が有してもよいが、フロー電池システム100の外部に有してもよい。また、負荷回路50は、フロー電池システム100専用に設けたものであってもよく、他の電気機器用の電源回路と共用であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A,1B フロー電池
2 正極
3,3A,3B 負極
4,5 隔膜
6 電解液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a 吐出口
10 反応部
10−1〜10−8 セル
12 触媒層
14,14a 供給部
17 筐体
18 上板
22 正極板
23 負極板
24,25 端子
26 電圧検出部
27 温度検出部
31〜37 接続部材
40,40A 制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 端末
50 負荷回路
55 外部回路
100,100A フロー電池システム
200 セルスタック

Claims (11)

  1. 正極および負極と、前記正極および前記負極に接触する電解液とを備える反応部と、前記電解液を流動させる流動装置とを備えるフロー電池と、
    前記フロー電池の放電を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記正極が転極した状態で、前記負極が転極するまで放電させることを特徴とするフロー電池システム。
  2. 前記制御部は、前記フロー電池の放電電圧に基づいて前記負極の転極を検知することを特徴とする請求項1に記載のフロー電池システム。
  3. 前記制御部は、前記電解液の温度に基づいて前記負極の転極を検知することを特徴とする請求項1に記載のフロー電池システム。
  4. 前記制御部は、前記負極の充電状態に基づいて前記フロー電池を放電させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフロー電池システム。
  5. 正極および負極と、前記正極および前記負極に接触する電解液とを備える反応部と、前記電解液を流動させる流動装置とを備えるフロー電池と、
    前記フロー電池の放電を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記正極が転極した状態で前記正極と前記負極とを接続させることを特徴とするフロー電池システム。
  6. 前記制御部は、前記フロー電池の放電下限電圧に基づいて前記正極の転極を検知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池システム。
  7. 前記反応部は、複数のセルを積層したセルスタックを含み、
    前記制御部は、前記セルごとの充電状態に基づいて前記放電を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のフロー電池システム。
  8. 前記流動装置は、前記電解液中に気泡を発生させる発生部を含み、
    前記気泡は、前記正極と前記負極との間を浮上することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のフロー電池システム。
  9. 亜鉛を含み、前記電解液中を移動可能に混在する粉末
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のフロー電池システム。
  10. 正極および負極と、前記正極および前記負極に接触する電解液とを備える反応部と、
    前記電解液を流動させる流動装置と、
    を備えるフロー電池により実行される制御方法であって、
    放電時に前記正極が転極した状態であるかを判定するステップと、
    前記正極が転極した状態で前記フロー電池を放電させるステップと、
    前記負極が転極した状態であるかを判定するステップと、
    前記負極が転極した状態で前記フロー電池の放電を停止するステップと、
    を含む制御方法。
  11. 正極および負極と、前記正極および前記負極に接触する電解液とを備える反応部と、
    前記電解液を流動させる流動装置と、
    を備えるフロー電池により実行される制御方法であって、
    放電時に前記正極が転極した状態であるかを判定するステップと、
    前記正極が転極した状態で前記正極と前記負極とを接続させるステップと
    を含む制御方法。
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