JPWO2018117192A1 - フロー電池 - Google Patents
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Abstract
実施形態に係るフロー電池は、絶縁性の枠体と、正極と、第1隔膜と、第1負極と、反応室と、電解液と、第1保液シートと、流動装置とを備える。枠体は、一端面に開口する空間を有する。正極は、空間に収容される。第1隔膜は、一端面に接して空間を覆う。第1負極は、第1隔膜を挟んで正極と向かい合う。反応室は、正極および第1負極を収容する。電解液は、反応室の内部に収容され、正極、第1負極および第1隔膜に接触する。第1保液シートは、正極と接するように正極と第1隔膜との間に配置され、電解液を保持する。流動装置は、反応室中の電解液を流動させる。
Description
開示の実施形態は、フロー電池に関する。
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)4]2−)を含有する電解液を流動させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, Journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
実施形態の一態様に係るフロー電池は、絶縁性の枠体と、正極と、第1隔膜と、第1負極と、反応室と、電解液と、第1保液シートと、流動装置とを備える。枠体は、一端面に開口する空間を有する。正極は、前記空間に収容される。第1隔膜は、前記一端面に接して前記空間を覆う。第1負極は、前記第1隔膜を挟んで前記正極と向かい合う。反応室は、前記正極および前記第1負極を収容する。電解液は、前記反応室の内部に収容され、前記正極、前記第1負極および前記第1隔膜に接触する。第1保液シートは、前記正極と接するように前記正極と前記第1隔膜との間に配置され、前記電解液を保持する。流動装置は、前記反応室中の前記電解液を流動させる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係るフロー電池の構成について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、正極2A,2B,2Cおよび負極3A,3B,3C,3Dで構成される複数の電極と、電解液4と、気泡発生部5と、反応室10と、気体供給部11と、供給流路12と、回収流路13とを備える。複数の電極は、負極3A、正極2A、負極3B、正極2B、負極3C、正極2C、負極3Dの順にY軸方向に沿って正負極が交互に並ぶように配置されている。
まず、第1の実施形態に係るフロー電池の構成について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、正極2A,2B,2Cおよび負極3A,3B,3C,3Dで構成される複数の電極と、電解液4と、気泡発生部5と、反応室10と、気体供給部11と、供給流路12と、回収流路13とを備える。複数の電極は、負極3A、正極2A、負極3B、正極2B、負極3C、正極2C、負極3Dの順にY軸方向に沿って正負極が交互に並ぶように配置されている。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
正極2A,2B,2Cは、反応室10に収容されている。正極2A,2B,2Cは、例えば、ニッケル化合物またはマンガン化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。また、正極2A,2B,2Cは、コバルト化合物、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液4が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2A,2B,2Cはニッケル化合物を含有してもよい。
また、正極2A,2B,2Cは、上記した正極活物質や導電体その他の添加剤を複数の粒状体として含む。具体的には、正極2A,2B,2Cは、例えば、予め定められた割合で配合された粒状の活物質および導電体を、保形性に寄与するバインダとともに含有するペースト状の正極材料を発泡ニッケルなどの導電性を有する発泡金属へ圧入し、所望の形状に成形し、乾燥させたものである。なお、正極2A,2B,2Cの具体的な配置例については後述する。
負極3A,3B,3C,3Dは、反応室10に収容されている。負極3A,3B,3C,3Dは、負極活物質を金属亜鉛または亜鉛化合物として含む。負極3A,3B,3C,3Dは、例えば、ステンレスや銅などの基材を、耐電解液性を有するニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3A,3B,3C,3Dとして使用してもよい。
電解液4は、正極2A,2B,2Cおよび負極3A,3B,3C,3Dに接触するように反応室10の内部に収容されている。電解液4は、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液4中の亜鉛種は、[Zn(OH)4]2−として溶存している。電解液4は、例えば、K+やOH−を含むアルカリ水溶液に酸化亜鉛を飽和させたものを使用することができる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、ZnOが飽和するまで添加することにより電解液4を調製することができる。
気泡発生部5は、反応室10の下部に配置されている。気泡発生部5は、一方は供給流路12を介して気体供給部11に接続されており、他方は電解液4を収容した反応室10の内部に開口している。気泡発生部5は、気体供給部11から送られた気体を電解液4中に供給し、気泡6を発生させる。すなわち、第1の実施形態に係るフロー電池1は、気体供給部11および気泡発生部5を含む気泡発生装置を備える。
ここで、気泡発生部5の構成例について、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える気泡発生部5の概略を示す図である。図2に示す気泡発生部5は、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の開口5aを有している。気泡発生部5は、反応室10の下部、より具体的には電解液4を収容したケース8の底面8e上に配置される。
気泡発生部5は、気体供給部11から供給流路12を介して供給された気体を開口5aから吐出することにより、電解液4中に気泡6を発生させる。開口5aは、発生した気泡6を互いに向かい合う正極と負極との間にそれぞれ適切に流動させることができればいかなる配置であってもよい。
図1に戻り、第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。気泡6は、例えば正極2A,2B,2C、負極3A,3B,3C,3Dおよび電解液4に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液4に不活性な気体の気泡6を発生させることにより、電解液4の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液4の劣化を低減し、電解液4のイオン伝導度を高く維持することができる。さらに、負極3A,3B,3C,3Dの酸化も抑制され自己放電の低減に繋がる。なお、気体は空気であってもよい。
気泡発生部5に設けられた開口から電解液4中に供給された気体により発生した気泡6は、所定の間隔で配置された電極間、すなわち、負極3Aと正極2Aとの間、正極2Aと負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bとの間、正極2Bと負極3Cとの間、負極3Cと正極2Cとの間、正極2Cと負極3Dとの間において、それぞれ電解液4中を上方に向かって流動する。電解液4中を気泡6として流動した気体は、電解液4の液面で消滅し、反応室10における電解液4の上方に気体層7を構成する。
反応室10は、ケース8と、上板9とを備える。ケース8および上板9は、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。ケース8および上板9は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。
ケース8には、正極2A,2B,2C、負極3A,3B,3C,3Dおよび電解液4が収容されている。また、ケース8には、供給流路12を構成する配管を挿通または接続させる開口が設けられている。また、上板9の下面9aと電解液4の液面との間には空間を有しており、気体層7を構成する。
気体供給部11は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。気体供給部11は、回収流路13を介して反応室10の上部に位置する気体層7から回収された気体を、供給流路12を介して気泡発生部5に送り出す。気体供給部11の気密性を高くすれば、気泡6の発生源である気体や電解液4に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。
供給流路12は、一方は気体供給部11に接続されており、他方は反応室10に設けられた開口を経由して気泡発生部5に接続されている。また、回収流路13は、一方は気体供給部11に接続されており、他方は反応室10に構成された気体層7に開口している。回収流路13は、反応室10から回収された気体を反応室10の外部に排出し、気体供給部11に送り出す。
図1に示す例では、回収流路13は上板9の中央部分に開口を有しているが、これに限らず、気体層7に面するように配置されていれば上板9またはケース8のいかなる位置に回収流路13の開口が設けられていてもよい。また、図1に示す例では、回収流路13と反応室10の内部とをつなぐ開口は1箇所に配置されているが、これに限らず、回収流路13の他方を分岐させて反応室10の内部に連通する複数の開口が配置されるように構成してもよい。
ここで、反応室10における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛フロー電池を例に挙げて説明する。充電時における正極および負極での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH)2 + OH− → NiOOH + H2O + e−
負極:[Zn(OH)4]2− + 2e− → Zn +4OH−
負極:[Zn(OH)4]2− + 2e− → Zn +4OH−
反応式から明らかなように、正極2A,2B,2Cでは、充電により電解液4中の水酸化物イオンを消費する。ただし、上記したように電解液4は大過剰の水酸化物イオンを含むアルカリ水溶液であり、電解液4中に含まれる水酸化物イオンに対し、充電により消費される水酸化物イオンの割合はわずかである。
一方、負極3A,3B,3C,3Dでは、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3A,3B,3C,3Dの近傍における電解液4中の[Zn(OH)4]2−の濃度が低下する。そして、[Zn(OH)4]2−の濃度が低下した電解液4が負極3A,3B,3C,3Dの近傍に滞留すると、負極3A,3B,3C,3Dに析出した亜鉛がデンドライトとして成長する一因となる。すなわち、充電反応により[Zn(OH)4]2−の濃度が局所的に低下した電解液4を負極3A,3B,3C,3Dの近傍に滞留させることなく速やかに流動させると、デンドライトの成長が低減される。
そこで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、反応室10の内部に配置された気泡発生部5から電解液4中に気体を供給して気泡6を発生させることとしている。気泡6は、所定の間隔で隣り合う電極間のそれぞれにおいて反応室10の下方から上方に向かって電解液4中を上昇するように流動する。
また、隣り合う電極間における上記した気泡6の流動に伴い、電解液4には上昇液流が発生する。負極3Aと正極2Aとの間、正極2Aと負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bとの間、正極2Bと負極3Cとの間、負極3Cと正極2Cとの間、正極2Cと負極3Dとの間ではそれぞれ、反応室10の下方から上方に向かって電解液4が流動する。
そして、負極3Aは反応室10の内壁8aと離間し、負極3Dは反応室10の内壁8bと離間している。このため、電解液4の上昇液流に伴い、反応室10の内壁8aと負極3Aとの間、および反応室10の内壁8bと負極3Dとの間では下降液流が発生し、電解液4が反応室10の上方から下方に向かって流動する。すなわち、電解液4は、反応室10の内部を図1に示すYZ平面に沿うように循環する。ただし、気泡6の流動に伴い電解液4に発生する液流が循環する方向は、図1に示したものに限らない。この点について、図3を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図である。なお、図3では、図1に示す供給流路12および回収流路13の図示は省略している。
図3に示す反応室10は、図1に示す反応室10のI−I断面図である。図3に示すように、気泡発生部5には、正極2Aと負極3Aとの間を流動する気泡6を発生させる複数の開口がX軸方向に並ぶように配置されている。
上記したように、気泡6は、互いに向かい合う電極間のそれぞれにおいて反応室10の下方から上方に向かって電解液4中を上昇するように流動する。このような気泡6の流動に伴い、電解液4には上昇液流が発生し、各電極間では反応室10の下方から上方に向かって電解液4が流動する。そして、各電極のX軸方向の両側面は反応室10の内壁8cおよび8dと離間しているため、電解液4の上昇液流に伴い、反応室10の内壁8cおよび内壁8dの近傍では下降液流が発生し、電解液4が反応室10の上方から下方に向かって流動する。すなわち、電解液4は、反応室10の内部を図3に示すZX平面に沿うように循環する。
このように第1の実施形態に係るフロー電池1では、電極間に気泡6を流動させることにより、[Zn(OH)4]2−の濃度が局所的に低下した電解液4を速やかに循環させて電解液4中の[Zn(OH)4]2−の濃度を均一に保ち、デンドライトの成長に伴う負極と正極との導通を低減することができる。
ところで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、上記したように正極2A,2B,2Cと負極3A,3B,3C,3Dとの間を気泡6が流動するように気泡発生部5が配置されているが、例えば、気体供給部11の作動状況の変化により気泡6が正極2A,2B,2Cに接近または接触することがある。また、電解液4の脈動流や乱流などの流動状態の変化により正極2A,2B,2Cが電解液4から受ける負荷が変動することもある。
気泡6の接近または接触、あるいは電解液4の流動状態の変化等により正極2A,2B,2Cがバインダによる保形性能を超えた過度な負荷を受けると、電解液4に露出した正極2A,2B,2Cの一部が電解液4中に脱落(滑落)する。そして、このような過度な負荷を正極2A,2B,2Cが受けることで正極活物質が滑落すると、電池容量が低下することがある。また、正極2A,2B,2Cを構成する導電体が滑落すると、接触抵抗が増大し、充放電応答特性が低下することがある。
さらに、正極2A,2B,2Cの滑落が進行すると、電解液4が汚濁されて例えば気泡発生部5の開口5aの一部が目詰まりし、気泡6の発生ムラによって充電時における負極3A,3B,3C,3Dでのデンドライトが発生する懸念が増大する。このため、正極2A,2B,2Cの配置構造としては、気泡6や電解液4の流動が一時的に乱れた場合においても、滑落の発生を低減し、電池性能を維持する程度の保形性を確保することができるものが要求される。
そこで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、気泡6の接触や電解液4の流動状態の一時的な変化に由来する過度な負荷を正極2A,2B,2Cが直接的に受けないよう正極2A,2B,2Cをそれぞれ覆うこととした。これにより、正極2A,2B,2Cが過度な負荷を受けることがなくなり、正極2A,2B,2Cが滑落しにくくなる。このため、正極2A,2B,2Cの滑落によって生じる電池性能の低下を低減することができる。
次に、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える正極2A,2B,2Cの具体的な配置について、図4A、図4Bを用いて説明する。以下では、正極2A,2B,2Cを代表して、正極2Aの配置について説明するが、正極2B,2Cについても適用可能であることはいうまでもない。
図4Aは、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える正極2Aの配置の概略を示す正面図であり、図4Bは、図4Aの側面図である。図4A、図4Bに示すように、フロー電池1は、枠体20と、第1隔膜としての隔膜21と、第2隔膜としての隔膜22とを備える。
枠体20は、図1に示す負極3Aと向かい合う一端面としての面20aと、負極3Bと向かい合う他端面としての面20bとを有する。また、枠体20は、面20aおよび面20bに連通するように開口する空間20cを有し、正極2Aは、空間20cに収容されている。
枠体20は、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。枠体20は、ケース8および上板9と同じ材料で構成されてもよく、異なる材料で構成されてもよい。
また、隔膜21は、面20aに接して空間20cを覆うように配置されている。同様に、隔膜22は、面20bに接して空間20cを覆うように配置されている。隔膜21,22は、正極2Aを負極3A,3Bからそれぞれ分離すると共に、電解液4に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。
隔膜21,22の材料としては、例えば、隔膜21,22が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
隔膜21,22は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)4]2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
この場合には、充電の際に、負極3A,3Bにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜21,22を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極と正極との間の導通を低減することができる。
また、隔膜21,22と枠体20とはそれぞれ、例えばエポキシ樹脂系等の耐電解液性を有する接着材料を用いて、隔膜21と面20a、隔膜22と面20b、それぞれの接触部分の全周にわたって固定される。このとき、空間20cに面した隔膜21,22には接着材料を配置せずに隔膜21,22を固定することで、隔膜21,22による陰イオン交換性能を十分に発揮することができる。
また、隔膜21,22と枠体20とはそれぞれ、隔膜21,22が撓まないようにテンションをかけながら接着されるが、隔膜21,22は電解液4と接触することで枠体20と固定されていない部分が波打つように不規則に膨潤する。電解液4と接触した隔膜21,22が不規則に膨潤すると、隔膜21,22の有する陰イオン伝導性が部分的に阻害され、電池性能が低下することがある。また、気泡6の接触や電解液4の流動状態の変化が、不規則に膨潤した隔膜21,22を介して間接的に正極2Aに伝わり、正極2Aの一部が滑落してしまう懸念が新たに生じることとなる。
そこで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、正極2Aと隔膜21,22との間にそれぞれ別部材をさらに配置することにより、隔膜21,22の不規則な膨潤に伴う不具合を解消することとした。この点について、図4Cを用いてさらに説明する。
図4Cは、図4AのII−II断面図である。図4Cに示すように、正極2Aと隔膜21との間には、第1保液シートとしての保液シート23を備える。また、正極2Aと隔膜22との間には、第2保液シートとしての保液シート24を備える。
保液シート23,24は、電解液4を保持する耐電解液性の部材で構成される。保液シート23,24は、電解液4を保持することでそれぞれ膨潤する。膨潤した保液シート23,24は、Y軸方向、すなわち隔膜21,22の厚み方向に沿うように枠体20の内側から外側に向けて隔膜21,22をそれぞれ押圧する。これにより、隔膜21,22は陰イオン伝導性にムラが生じない程度に一様に膨潤されることとなる。このため、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、隔膜21,22が有する陰イオン伝導性の部分的な阻害に起因する電池性能の低下を低減することができる。
また、正極2Aは、隔膜21,22および保液シート23,24の二層により気泡6の接触や電解液4の流動状態の変化から区画されることとなる。このため、隔膜21,22が気泡6の接触や電解液4の流動状態の変化に伴う影響を受けた場合であっても、かかる影響は保液シート23,24で吸収される。さらに、膨潤した保液シート23,24は、保液シート23,24の間に挟まれるように配置された正極2AをY軸方向に沿って両側から押圧することで、正極2Aの保形性を確保する。このため、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、正極2Aの滑落に起因する電池性能の低下を低減することができる。
ここで、保液シート23,24の材料としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンの繊維を含む不織布を使用することができる。また、保液シート23,24の厚みは、例えば、乾燥時には100μm程度、膨潤時には500〜1000μm程度となるものを使用することができるが、これに限らない。電解液4を保持して膨潤することで隔膜21,22の形状を保持し、かつ正極2Aの保形性を確保することができるものであれば保液シート23,24の材料に制限はなく、例えば織布であってもよい。
次に、フロー電池1における電極間の接続について説明する。図5は、第1の実施形態に係るフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
図5に示すように、負極3A,3B,3C,3D、正極2A,2B,2Cはそれぞれ、端部から突出するタブ(図示せず)を介して並列に接続されている。このように負極および正極をそれぞれ並列に接続することにより、正極および負極の総数が異なる場合であってもフロー電池1の各電極間を適切に接続し、使用することができる。なお、枠体20に収容された正極2Aから突出するタブは、空間20cと枠体20の外部とを連通する開口部(図示せず)を通じて外部に引き出される。
次に、第1の実施形態に係るフロー電池1の変形例について、図6を用いて説明する。図6は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える正極2Aの配置の概略を示す断面図である。なお、図6に示す断面構造は、図4Cに示す断面構造に対応している。また、特に説明の無い限り、後述する他の図面に示す断面構造についても同様とする。
図6に示す正極2Aの配置構造は、第3保液シートとしての保液シート25と、第4保液シートとしての保液シート26がさらに設けられている点で図4A〜図4Cに示す正極2Aの配置構造と相違する。保液シート25は、隔膜21を挟んで保液シート23と向かい合うように、保液シート26は、隔膜22を挟んで保液シート24と向かい合うように、それぞれ配置されている。なお、図6および後述の説明に用いる他の図面に示す正極2Aの配置構造のうち、図4A〜図4Cに示す正極2Aの構成要素と同一または類似の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
保液シート25,26は、上記した保液シート23,24と同じ材料で構成される。隔膜21,22の外側を保液シート25,26で覆うことにより、隔膜21は保液シート23,25に、隔膜22は、保液シート24,26に、それぞれ挟まれて配置されることとなる。なお、保液シート25,26はそれぞれ、例えばエポキシ樹脂系等の耐電解液性を有する接着材料を用いて、枠体20と固定される。
電解液4で膨潤した保液シート23,25は、保液シート23,25の間に挟まれるように配置された隔膜21をY軸方向に沿って両側から押圧することで、隔膜21は一様に膨潤し、保形性が確保される。同様に、電解液4で膨潤した保液シート24,26は、保液シート24,26の間に挟まれるように配置された隔膜22をY軸方向に沿って両側から押圧することで、隔膜22は一様に膨潤し、保形性が確保される。このため、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1によれば、隔膜21,22が有する陰イオン伝導性の部分的な阻害に起因する電池性能の低下を低減することができる。
なお、上記した実施形態では、枠体20には1つの正極2Aが配置されたが、これに限らず、複数の正極を配置させてもよい。以下では、この点について図7、図8を用いて説明する。
図7、図8は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える正極2Aの配置の概略を示す断面図である。図7、図8に示す正極2Aの配置構造は、1つの正極2Aが配置された枠体20に代えて、複数の正極材を含む正極2Aが配置された枠体120を備える点で図4A〜図4C、図6に示す正極2Aの配置構造とそれぞれ相違する。
図7、図8に示す正極2Aは、第1正極材としての正極材2A1と、正極材2A1に並設された第2正極材としての正極材2A2とを含む。また、正極材2A1,2A2の間には、電解液4を保持する正極材間保液シートとしての保液シート30が挟持されている。保液シート30は、上記した保液シート23,24と同じ材料で構成される。
例えば正極2Aの厚みを大きくすると、これに伴ってエネルギ密度は増大する反面、枠体20の電解液4から離れた正極2Aの内側部分には電解液4が行き渡りづらくなり、例えばレート特性や放電容量といった電池性能が低下することがある。そこで、正極2Aを複数の正極材2A1,2A2に分割するとともに、保液シート23,25から離れた正極材2A1,2A2の間に保液シート30を設けることにより、正極2Aの全体に電解液4が行き渡りやすくなる。このため、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1によれば、エネルギ密度を増大させつつ電池性能の低下を低減することができる。
なお、図7、図8では、正極2Aは2つの正極材2A1,2A2で構成されたが、これに限らず、3つ以上の正極材で構成してもよい。具体的には、例えば1つの正極材の厚さを1mm以下とすることができるが、これに限らない。また、正極材2A1,2A2は、それぞれ突出するタブを有しており、外部に引き出されることになる。
また、保液シート30に電解液4を吸収させるタイミングは、枠体120に配置されて正極材2A1,2A2の間に挟持される前であってもよく、フロー電池1として組み込まれた後であってもよい。
また、上記した実施形態では、正極2Aの配置についてのみ説明したが、正極2Aと隣り合う負極3A,3Bと一体化して配置するようにしてもよい。以下では、この点について、図9を用いて説明する。
図9は、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える正極および負極の配置の概略を示す断面図である。ここでは、正極2Aとして図4Cのように配置されたものを例として示すが、図6〜図8のように配置された正極2Aを適用してもよい。
図9に示すように、隔膜21と負極3Aとの間にはスペーサ41a,41bが設けられている。スペーサ41a,41bによって隔膜21と負極3Aとの間隔を保持することにより、隔膜21と負極3Aとの間における電解液4および気泡6を流通する経路が確保される。
同様に、隔膜22と負極3Bとの間にはスペーサ42a,42bが設けられている。スペーサ42a,42bによって隔膜22と負極3Bとの間隔を保持することにより、隔膜22と負極3Bとの間における電解液4および気泡6を流通する経路が確保される。
なお、スペーサ41a,41b,42a,42bはいずれも、枠体20と同じ材料で構成することができる。また、スペーサ41a,41b,42a,42bは、隔膜21と負極3Aとの間、隔膜22と負極3Bとの間における電解液4および気泡6を流通する経路をそれぞれ確保することができるものであればいかなる形状であってもよい。
また、スペーサ41a,41b,42a,42bは、いかなるように固定されてもよいが、例えば、予め負極3Aにスペーサ41a,41bを、負極3Bにスペーサ42a,42bを、それぞれ固定した後、各部材を押圧挟持するように配置される。
また、図9では、正極2Aと、正極2Aを挟んで互いに向かい合う負極3A,3Bとの配置例について説明したが、これに限らず、例えば図1に示す負極3A、正極2A、負極3B、正極2B、負極3C、正極2Cおよび負極3Dの各電極間にスペーサを挟んで一体化してもよい。
また、図9では、正極2Aの両方に負極3A,3Bがそれぞれ配置された例について説明したが、以下では、正極2Aの一方に負極3Bが配置された例について、図10を用いて説明する。
図10は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える正極および負極の配置の概略を示す断面図である。図10に示す正極2Aの配置構造は、面20a,20bに開口する枠体20に代えて、一端面としての面220aに開口された枠体220を備える点で図9に示す正極2Aの配置構造と相違する。
面220aに開口する空間は隔膜22で覆われており、隔膜22と正極2Aとの間には保液シート24が配置されている。一方、枠体220の他端面としての面220bは閉塞されており、面220bには隔膜および保液シートに相当する部材は設けられておらず、正極2Aは保液シート24と枠体220との間に挟まれている。かかる構成においても、正極2Aは保液シート24と枠体220との間で保形性を確保することができ、正極2Aの滑落に伴う電池性能の低下を低減することができる。
なお、上記したように、面220bは閉塞されているため、面220bと向かい合うように配置された負極との間の充放電反応は期待できない。すなわち、かかる枠体220を備える正極2Aは、例えば、反応室10の端部に配置されるように構成するとよい。
なお、上記した各実施形態では、気泡発生部5はケース8の底面8eに配置されているとして説明したが、これに限らず、底面8eの内部に埋め込まれるように配置されてもよい。また、図2に示す構成を有する気泡発生部5に代えて、別の構成を有する気泡発生部を用いてもよい。この点について、図11A、図11Bを用いて説明する。
図11A、図11Bは、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える気泡発生部の概略を示す図である。図11Aに示す気泡発生部55は、例えばセラミックスなどで構成された多孔質体である。気泡発生部55を気泡発生部5の代わりに用いる場合、開口5aに相当する構成は不要となる。電解液4中の気泡発生部55は気泡6をランダムに発生させるため、正極2Aを収容する枠体20に気泡6が接触することもあるが、正極2Aは隔膜21,22および保液シート23,24で保護されている。このため、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1によれば、正極2Aの滑落に起因する電池性能の低下を低減することができる。
また、図11Bに示す気泡発生部65は、複数の気泡発生部651〜656によって構成される。気泡発生部651〜656はそれぞれ、各電極間に気泡6を流動させるようにケース8の底面8e上または底面8e内部に配置される。かかる気泡発生部65を気泡発生部5の代わりに用いる場合、気泡6を流動させる電極間の幅に応じて開口65a〜65fの大きさや形状を変更するように構成してもよい。
また、上記した実施形態では、電解液4は気泡6により流動させることとしたが、これに限らない。この点について、図12A、図12Bを用いて説明する。
[第2の実施形態]
図12Aは、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図であり、図12Bは、第2の実施形態の変形例に係るフロー電池の概略を示す図である。図12Aに示すフロー電池1Aは、図1に示す気体供給部11に代えて、電解液供給部11aを備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様の構成を有している。また、図12Bに示すフロー電池1Bは、供給流路12および回収流路13がY軸方向の端部ではなくX軸方向の端部に配置されている点で図12Aに示すフロー電池1Aと相違する。
図12Aは、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図であり、図12Bは、第2の実施形態の変形例に係るフロー電池の概略を示す図である。図12Aに示すフロー電池1Aは、図1に示す気体供給部11に代えて、電解液供給部11aを備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様の構成を有している。また、図12Bに示すフロー電池1Bは、供給流路12および回収流路13がY軸方向の端部ではなくX軸方向の端部に配置されている点で図12Aに示すフロー電池1Aと相違する。
供給流路12は、一方は電解液供給部11aに接続されており、他方は反応室10の下部に設けられた開口に接続されている。また、回収流路13は、一方は電解液供給部11aに接続されており、他方は反応室10に構成された気体層7の下部、すなわち電解液4の液面よりも下の部分に開口している。回収流路13は、反応室10から回収された電解液4を反応室10の外部に排出し、電解液供給部11aに送り出す。
電解液供給部11aは、例えば電解液4を移送可能なポンプである。電解液供給部11aは、回収流路13を介して反応室10から回収された電解液4を、供給流路12を介して反応室10の内部に送り出す。電解液供給部11aの気密性を高くすれば、電解液4を外部に漏出させることによるフロー電池1A,1Bの発電性能の低下が起きにくい。
そして、反応室10の内部に送られた電解液4は、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様に、各電極間を上方に流動する間に充放電反応に供されることとなる。
ここで、図12Aに示すフロー電池1Aは、各電極の主面が供給流路12に接続された開口を有する内壁8bと向かい合うように配置されている。かかるフロー電池1Aによれば、各電極間を流動する電解液4の流速は、X軸方向の全体にわたりほぼ均一となる。
一方、図12Bに示すフロー電池1Bは、各電極の側面が供給流路12に接続された開口を有する内壁8dと向かい合うように配置されている。かかるフロー電池1Bによれば、供給流路12の開口と各電極との距離がほぼ同じになるため、各電極間に送られる電解液4の流速はほぼ均一となる。このため、所望する電極性能に応じて供給流路12を配置したフロー電池1A,1Bを選択することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記した実施形態では、合計7枚の電極が負極および正極が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、5枚以下、または9枚以上の電極を交互に配置するようにしてもよく、正極および負極をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、上記した実施形態では、両端がともに負極(3A,3D)となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極となるように構成してもよい。
さらに、一端が正極、他端が負極となるように同枚数の負極および正極をそれぞれ交互に配置してもよい。かかる場合、電極間の接続は並列であってもよく、直列であってもよい。
また、気体供給部11および電解液供給部11aは、常時動作させてもよいが、電力消費を抑制する観点から、電解液4中の電解質濃度に偏りが生じやすい充放電時にのみ動作させてもよく、デンドライトが生じやすい充電時にのみ動作させてもよい。また、電解液4中の[Zn(OH)4]2−の消費レートに応じて気泡発生部5から供給される気体の供給速度を変更するように構成してもよい。
また、上記した実施形態では、正極2A,2B,2Cは、粒状の活物質および導電体を含有する正極材料を成形後、乾燥させたものとして説明したが、乾燥後焼成させてもよく、また粒状体を含まなくてもよい。
また、上記した実施形態では、保液シート23,24、保液シート25,26、保液シート30を同じ材料で構成したが、異なる材料で構成してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A,1B フロー電池
2A〜2C 正極
2A1,2A2 正極材
3A〜3D 負極
4 電解液
5,55,65 気泡発生部
6 気泡
7 気体層
8 ケース
9 上板
10 反応室
11 気体供給部
11a 電解液供給部
12 供給流路
13 回収流路
20 枠体
20c 空間
21,22 隔膜
23〜26,30 保液シート
41a,41b,42a,42b スペーサ
2A〜2C 正極
2A1,2A2 正極材
3A〜3D 負極
4 電解液
5,55,65 気泡発生部
6 気泡
7 気体層
8 ケース
9 上板
10 反応室
11 気体供給部
11a 電解液供給部
12 供給流路
13 回収流路
20 枠体
20c 空間
21,22 隔膜
23〜26,30 保液シート
41a,41b,42a,42b スペーサ
Claims (9)
- 一端面に開口する空間を有する絶縁性の枠体と、
前記空間に収容された正極と、
前記一端面に接して前記空間を覆う第1隔膜と、
前記第1隔膜を挟んで前記正極と向かい合う第1負極と、
前記正極および前記第1負極を収容する反応室と、
前記反応室の内部に収容され、前記正極、前記第1負極および前記第1隔膜に接触する電解液と、
前記正極と接するように前記正極と前記第1隔膜との間に配置され、前記電解液を保持する第1保液シートと、
前記反応室中の前記電解液を流動させる流動装置と
を備える、フロー電池。 - 前記第1隔膜を挟んで前記第1保液シートと向かい合うように配置された、前記電解液を保持する第3保液シートをさらに備える、請求項1に記載のフロー電池。
- 前記枠体の他端面は、前記空間と連通するように開口されており、
前記他端面に接して前記空間を覆う第2隔膜と、
前記正極と接するように前記正極と前記第2隔膜との間に配置され、前記電解液を保持する第2保液シートと
をさらに備える、請求項1または2に記載のフロー電池。 - 前記正極は、前記第1保液シートに接する第1正極材と、前記第1正極材と間隔をあけて前記空間内に並設された第2正極材とを含み、
前記第1正極材と前記第2正極材との間に配置され、前記電解液を保持する正極材間保液シートをさらに備える、請求項1〜3のいずれか1つに記載のフロー電池。 - 前記第1隔膜と前記第1負極との間隔を保持するスペーサをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載のフロー電池。
- 前記流動装置は、前記電解液に気泡を発生させる気泡発生部と、前記気泡発生部に気体を供給する気体供給部とを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池。
- 前記電解液に接触し、前記正極を挟んで前記第1負極と向かい合う第2負極を前記反応室の内部にさらに備える、請求項1〜6のいずれか1つに記載のフロー電池。
- 前記第1保液シートは、前記電解液を保持して膨潤する不織布である、請求項1〜7のいずれか1つに記載のフロー電池。
- 前記第1隔膜は、水酸化物イオン伝導性を有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載のフロー電池。
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