JP2019153376A - フロー電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】性能劣化を低減することができるフロー電池を提供する。【解決手段】フロー電池1は、正極2および負極3と、電解液6と、仕切部材11,12と、発生部9とを備える。電解液は、正極および負極に接触する。仕切部材は、電解液の流通を許容する開口を有し、正極と負極との間に配置される。発生部は、負極と仕切部材との間の電解液中を浮上する気泡8を発生させる。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、フロー電池に関する。
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン伝導性を有するイオン伝導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−185259号公報
Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
しかしながら、上記に記載のフロー電池では、充放電時の反応に起因して電池性能が劣化する懸念があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能劣化を低減することができるフロー電池を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るフロー電池は、正極および負極と、電解液と、仕切部材と、発生部とを備える。電解液は、前記正極および前記負極に接触する。仕切部材は、前記電解液の流通を許容する開口を有し、前記正極と前記負極との間に配置される。発生部は、前記負極と前記仕切部材との間の前記電解液中を浮上する気泡を発生させる。
実施形態の一態様のフロー電池によれば、性能劣化を低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図2Aは、第1の実施形態に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図2Bは、第1の実施形態に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図3は、第1の実施形態に係るフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。 図4は、第1の実施形態の第1変形例に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図5は、第1の実施形態の第2変形例に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図6Aは、第1の実施形態の第3変形例に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図6Bは、第1の実施形態の第3変形例に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図7は、第1の実施形態の第4変形例に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。 図8は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図9は、第3の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、筐体17に収容された反応部10および発生部9と、供給部14とを備える。反応部10は、正極2と、負極3と、隔膜4,5と、電解液6と、粉末7と、仕切部材11,12とを備える。フロー電池1は、発生部9で発生した気泡8を電解液6中で浮上させることにより反応部10内に収容された電解液6を流動させる装置である。発生部9は、流動装置の一例である。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1に示すフロー電池1と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
正極2は、例えば、ニッケル化合物、マンガン化合物またはコバルト化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。コバルト化合物は、例えば、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト等が使用できる。また、正極2は、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液6が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有してもよい。また、正極2は、ニッケル金属、コバルト金属またはマンガン金属、あるいはそれらの合金であってもよい。
また、正極2は、例えば、上記した正極活物質や導電体その他の添加剤を複数の粒状体として含む。具体的には、正極2は、例えば、予め定められた割合で配合された粒状の活物質および導電体を、保形性に寄与するバインダとともに含有するペースト状の正極材料を発泡ニッケルなどの導電性を有する発泡金属へ圧入し、所望の形状に成形し、乾燥させたものである。
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
負極3は、正極2を挟んで互いに向かい合うように配置された負極3aおよび負極3bを含む。正極2および負極3は、負極3aと、正極2と、負極3bとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。
隔膜4,5は、正極2の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜4,5は、電解液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜4,5の材料として、例えば、隔膜4,5が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
隔膜4,5は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
この場合には、充電の際に、負極3a,3bにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜4,5を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間の導通を低減することができる。
電解液6は、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液6中の亜鉛種は、[Zn(OH)2−として電解液6中に溶存している。電解液6は、例えば、KやOHを含むアルカリ水溶液に亜鉛種を飽和させたものを使用することができる。なお、電解液6は、後述する粉末7とともに調製すれば、充電容量を大きくできる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、0.5molの割合でZnOを添加し、必要に応じて後述する粉末7を追加することにより電解液6を調製することができる。さらに、酸素発生抑制を目的に、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属を添加してもよい。
粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化亜鉛、水酸化亜鉛等である。粉末7は、アルカリ水溶液中には容易に溶解するが、亜鉛種の飽和した電解液6中には溶解せずに分散または浮遊し、一部が沈降した状態で電解液6中に混在する。電解液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7が、電解液6の中で沈降した状態になることもあるが、電解液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、電解液6に分散または浮遊した状態になる。つまり、粉末7は、電解液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、電解液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外の電解液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2を挟む隔膜4,5および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていることや、反応部10内に存在する電解液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。
電解液6中に溶存する亜鉛種である[Zn(OH)2−が消費されると、電解液6中に混在する粉末7は、粉末7および電解液6が互いに平衡状態を維持するように電解液6中に溶存する亜鉛種が飽和するまで溶解する。すなわち、充電によって電解液6中の[Zn(OH)2−が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで[Zn(OH)2−が電解液6中に補給される。このため、電解液6中の[Zn(OH)2−の濃度が高い状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通の可能性を低減することができる。
なお、粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、酸化亜鉛および水酸化亜鉛が好ましい。
気泡8は、例えば正極2、負極3a,3bおよび電解液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、電解液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液6の劣化を低減し、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、後述するように、気体は酸素を含有する場合がある。
発生部9から電解液6中に供給された気体により発生した気泡8は、所定の間隔で配置された電極間のうち、負極3寄り、具体的には、負極3aと仕切部材11との間、仕切部材12と負極3bとの間において、それぞれ電解液6中を浮上する。電解液6中を気泡8として浮上した気体は、電解液6の液面6aで消滅し、上板18と電解液6の液面6aとの間に気体層13を構成する。
ここで、フロー電池1における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2− + 2e → Zn +4OH
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)2−の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)2−の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費される電解液6中の[Zn(OH)2−を補給することにより、電解液6中の亜鉛種である[Zn(OH)2−の濃度が飽和状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3との導通に伴う性能劣化の可能性が低減される。
また、フロー電池1では、発生部9の吐出口9aから電解液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、負極3aと仕切部材11との間、仕切部材12と負極3bとの間においてそれぞれ反応部10の下方から上方に向かって電解液6中を浮上する。また、電極間における上記した気泡8の浮上に伴い、電解液6には上昇液流が発生し、負極3aと仕切部材11との間、仕切部材12と負極3bとの間では反応部10の内底10e側から上方に向かって電解液6が流動する。そして、電解液6の上昇液流に伴い、主に反応部10の内壁10aと負極3aとの間、および内壁10bと負極3bとの間で下降液流が発生し、粉末7を含む電解液6が反応部10の内部を上方から下方に向かって流動する。
次に、仕切部材11,12について説明する。仕切部材11は、負極3aと隔膜4との間に配置されている。仕切部材12は、負極3bと隔膜5との間に配置されている。仕切部材11,12は、正極2側と負極3側との間で電解液6および粉末7の流通を許容する開口を有する。以下では、仕切部材11,12の具体的な構成について、図2A、図2Bを用いて説明する。
図2A、図2Bは、第1の実施形態に係るフロー電池が有する仕切部材を説明するための図である。図2Aは、仕切部材11を正極2側から見た図であり、図2Bは、図2Aに示す仕切部材11を、仕切部材11の近傍に配置された負極3aとともにA−A線で断面視した図に相当する。なお、仕切部材12の構成は、仕切部材11の構成と同様である。このため、以下、仕切部材12に関する図示および説明は省略する。
仕切部材11は、膜状または板状の部材であり、負極3aと協働して気泡8が浮上するための経路を構成する。すなわち、吐出口9aは、気泡8が負極3aと仕切部材11との間を浮上するように配置されている。
また、仕切部材11は、正極2と向かい合う一方面111と負極3aと向かい合う他方面112とを連通させる複数の貫通孔11aを有する。貫通孔11aは、仕切部材11を厚み方向、すなわちY軸方向に貫通し、負極3a側および正極2側をそれぞれ流動する電解液6および粉末7の流通を許容するように構成されている。貫通孔11aは、開口の一例である。
隔膜4と仕切部材11との間、すなわち正極2側では[Zn(OH)2−は消費されないため、充電時における電解液6中の[Zn(OH)2−の濃度は、負極3aと仕切部材11との間、すなわち負極3a側よりも正極2側の方が比較的高い状態に維持されている。充電によって負極3a側を流動する電解液6中の[Zn(OH)2−が消費されると、[Zn(OH)2−の濃度勾配を低減させるように正極2側を流動する電解液6が貫通孔11aを介して負極3a側に補給される。このため、負極3a側における[Zn(OH)2−の濃度を高い状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通に起因する性能劣化の可能性を低減することができる。
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)2−を生成するが、電解液6はすでに飽和状態であるため、電解液6中では、過剰となった[Zn(OH)2−からZnOが析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、電解液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)2−から析出するのは、Zn(OH)や、ZnOとZn(OH)とが混合したものになる。
また、正極2では、充電時の副反応として酸素が発生する場合がある。正極2で酸素が発生すると、正極2と負極3との間で充電状態に不均衡が生じ、充電により生成する正極活物質の量は、充電量から化学量論的に算出される理論値よりも小さくなる。例えば、充電により生成した正極活物質をすべて消費するまで放電を行っても、負極3には、正極2で生じた副反応に対応して付着した亜鉛の一部が残存し、電気として取り出すことができない場合がある。このように、充電時に副反応が発生する都度、負極3に残存する亜鉛が増加することで性能劣化が進行する要因となりうる。
正極2で発生した酸素、および気泡8に由来する気体は、気体層13で混合され、配管16および供給部14を経由して発生部9に供給され、気泡8として吐出口9aから吐出される。図2Bに示すように、気泡8は、負極3aと仕切部材11との間を浮上する。負極3aに付着した正極活物質の一例である金属亜鉛30は、そのままでは電解液6に溶解されにくいが、酸素を含有する気泡8が金属亜鉛30に接触することで金属亜鉛30の表面が徐々に酸化され、電解液6に溶解されやすくなる。このため、負極3に付着して残存する金属亜鉛30の増加に伴う性能劣化を低減することができる。
副反応により正極2で生じる酸素量と負極3に付着して残存する金属亜鉛30の量とは、化学両論的に相関する。すなわち、気泡8中の酸素含有量が多い場合には、金属亜鉛30は積極的に酸化されるが、気泡8中の酸素含有量が少ない場合には、金属亜鉛30は酸化されないため、金属亜鉛30の過度な酸化に伴う充電容量の低減は生じにくい。
ここで、仕切部材11としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の耐電解液性を有する樹脂を使用することができる。また、仕切部材11の厚みt1は、仕切部材11の保形性および反応部10の小型化の観点から、例えば0.1mm以上1mm以下とすることができる。なお、仕切部材11は、気泡8の流通経路を区画することができる所定の強度を有するものであれば厚みt1の下限および材料の選択に制限はなく、例えば厚みt1が0.1mm未満であってもよく、また仕切部材11が例えば絶縁処理を施した金属材料で構成されてもよい。
また、貫通孔11aの幅w1および高さh1は、気泡8の寸法に基づいてそれぞれ設定することができる。例えば、気泡8の発生直後の直径が1.5mm以上2mm以下の場合、幅w1および高さh1をそれぞれ、1mm以上2mm以下となる貫通孔11aを設けると、貫通孔11aへの気泡8の進入が阻害されやすくなる。また、幅w1および高さh1をそれぞれ1.5mm以下とすれば、貫通孔11aへの気泡8の進入がより阻害されやすくなる。さらに、幅w1および高さh1のうちの一方を1mm以上1.5mm以下とし、他方を1.5mm以上2mm以下とすることで、気泡8の進入がより阻害されやすくなるとともに、貫通孔11aを通しての電解液6の流動の制限を小さくすることができる。
また、仕切部材11は、幅方向に隣り合う貫通孔11aの間隔w2および高さ方向に隣り合う貫通孔11aの間隔dをそれぞれ、仕切部材11として要求される機械的強度に基づいて設定することができる。例えば、間隔w2および間隔dをそれぞれ、1mm以上2mm以下とすることができるが、これに限らない。
また、負極3aと仕切部材11との間隔L1は、気泡8の寸法に基づいて設定することができる。例えば、気泡8の発生直後の直径が1.5mm以上2mm以下の場合、間隔Lをそれぞれ、1.5mm以上4mm以下、さらに1.5mm以上3mm以下となるように配置すると、気泡8が負極3aに付着した金属亜鉛30に接触しやすくなる。
なお、図2Aでは、貫通孔11aの開口端側から見た形状は四角形として図示したが、これに限らず、例えば円形または楕円形であってもよく、三角形その他の多角形状であってもよい。また、複数の貫通孔11aは、高さ方向および幅方向に整列するように設けられたが、ランダムに配置されてもよい。
また、図1では、仕切部材11の上端11cおよび下端11eが負極3aの上端3cおおび下端3eと同じ高さとなるように配置された例について示したが、これに限らず、例えば仕切部材11の上端11cが電解液6の液面6aよりも上方に位置するように配置されてもよい。
フロー電池1についてさらに説明する。発生部9は、反応部10の下方に配置されている。発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっている。また、反応部10の内底10eは、発生部9の中空部分を覆うように配置されており、発生部9の天板を兼ねている。
また、内底10eは、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の吐出口9aを有している。発生部9は、供給部14から供給された気体を吐出口9aから吐出することにより、電解液6中に気泡8を発生させる。吐出口9aは、例えば0.05mm以上0.5mm以下の直径を有する。吐出口9aの直径をこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部の中空部分に電解液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。
また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上50mm以下であり、さらに10mm以下にしてもよい。ただし、吐出口9aは、発生した気泡8を負極3aと仕切部材11との間、仕切部材12と負極3bとの間にそれぞれ適切に流動させることができるように配置されるものであれば、大きさや間隔に制限はない。
ここで、発生部9および反応部10を有する筐体17および上板18は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。筐体17および上板18は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。また、発生部9は、反応部10の内部に配置されてもよい。
供給部14は、配管16を介して反応部10の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体や電解液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。
次に、フロー電池1における電極間の接続について説明する。図3は、第1の実施形態に係るフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
図3に示すように、負極3aおよび3bは、並列接続されている。また、このように負極3を並列に接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であってもフロー電池1の各電極間を適切に接続し、使用することができる。
また、上記したように、フロー電池1は正極2を挟んで互いに向かい合うように配置された負極3a,3bを備える。このように1つの正極2に対して2つの負極3a,3bが対応したフロー電池1では、正極2と負極3とが1:1で対応するフロー電池と比較して負極1つ当たりの電流密度が低下する。このため、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3a,3bでのデンドライトの生成がさらに低減されるため、負極3a,3bと正極2との導通に伴う性能劣化をさらに低減することができる。
なお、図1に示すフロー電池1では、合計3枚の電極が、負極3および正極2が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、5枚以上の電極を交互に配置するようにしてもよく、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、図1に示すフロー電池1では、両端がともに負極3となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極2となるように構成してもよい。
さらに、一方の端部が正極2、他方の端部が負極3となるように同枚数の負極3および正極2をそれぞれ交互に配置してもよい。
<第1変形例>
図4は、第1の実施形態の第1変形例に係るフロー電池1が有する仕切部材11を説明するための図である。図4は、負極3aおよび仕切部材11を図2Bと同様の視点から断面視したものに相当する。なお、後述する図5についても、図4と同じ視点で図示する。
図4に示すように、仕切部材11は、他方面112側に撥ガス層21を有する点を除き、図1に示す仕切部材11と同じ構成を有する。撥ガス層21を有する仕切部材11の他方面112が、一方面111よりも高い親水性を有すると、仕切部材11と負極3aとの間を浮上する気泡8は、仕切部材11には接触しづらくなり、結果として仕切部材11から距離を隔てた負極3a側を浮上しやすくなる。このため、気泡8は、貫通孔11aへの気泡8の進入がさらに阻害され、デンドライトの成長や負極3aに付着する金属亜鉛30の残存量の増加に伴う性能劣化をさらに低減することができる。
ここで、撥ガス層21は、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の耐電解液性を有する樹脂で構成された膜状または板状の部材のうち、他方面112側に相当する面にプラズマ処理を施すことにより形成されるが、これに限らず、仕切部材11の材質に応じた適切な処理により形成することができる。なお、撥ガス層21は、他方面112側の全面にわたり形成されてもよく、貫通孔11aの近傍のみに形成されてもよい。
<第2変形例>
図5は、第1の実施形態の第2変形例に係るフロー電池1が有する仕切部材11を説明するための図である。図5に示す仕切部材11は、貫通孔11aが、一方面111側の端部よりも他方面112側の端部の方が上方に配置されるように高さ方向、すなわちZ軸方向に対して斜設されている点を除き、図1に示す仕切部材11と同じ構成を有する。
図5に示す貫通孔11aは、気泡8が浮上する他方面112側の端部の方が高い位置となるように設けられており、気泡8が一旦貫通孔11aに進入しようとした場合であっても、貫通孔11aを抜けて一方面111側まで到達することができず、結果として他方面112側に戻されやすくなる。このため、気泡8は、負極3aと仕切部材11との間を適切に浮上し、デンドライトの成長や負極3aに付着する金属亜鉛30の残存量の増加に伴う性能劣化をさらに低減することができる。また、電解液6は下から上に流れるので、電解液6の一部は貫通孔11aを一方面111側から他方面112側に抜けるように流れる。この流れにより、気泡8を負極3a側に向かわせることができる。
ここで、貫通孔11aの角度θ1は、例えば、1°以上89°以下、さらに30°以上60°以下とすることができる。また、貫通孔11aの高さh2および厚みt2は、角度θ1に応じた電解液6の移動しやすさ等に基づいてそれぞれ設定することができる。具体的には、高さh2は、例えば1mm以上10mm以下、さらに2mm以上5mm以下とすることができる。また、厚みt2は、例えば1.5mm以上、さらに1.5mm以上2mm以下とすることができる。ただし、高さh2および厚みt2はいずれも、上記した範囲に制限されず、例えば気泡8や反応部10の寸法等に応じて適宜設定することができる。
<第3変形例>
図6A、図6Bは、第1の実施形態の第3変形例に係るフロー電池1が有する仕切部材11を説明するための図である。図6Aは、仕切部材11を負極3a側から見た図であり、図6Bは、図6Aに示す仕切部材11を、負極3aとともに上面視した図に相当する。
仕切部材11は、高さ方向、すなわちZ軸方向に延びる複数の仕切部片32と、仕切部片32を支持する支持部材31とを有する。隣り合う仕切部片32は、幅w4を隔てて幅方向、すなわちX軸方向に並設された柱状または板状の部材であり、負極3aと協働して気泡8が浮上するための経路を構成する。すなわち、気泡8は、負極3aと仕切部片32との間であって、かつ隣り合う仕切部片32の間を浮上する。
また、仕切部材11は、隣り合う仕切部片32間に形成された間隙33を介して負極3a側および正極2側をそれぞれ流動する電解液6および粉末7の流通を許容するように構成されている。間隙33は、開口の一例である。
このように、第3変形例に係る仕切部材11においても、気泡8は、負極3aと仕切部材11との間を適切に浮上する。このため、デンドライトの成長や負極3aに付着する金属亜鉛30の残存量の増加に伴う性能劣化を低減することができる。
ここで、支持部材31および仕切部片32としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の耐電解液性を有する樹脂または絶縁処理を施した金属材料等を使用することができる。また、幅方向に隣り合う仕切部片32の間隔、すなわち幅w3は、例えば1.5mm以下、さらに0.1mm以上1mm以下とすることができる。このように幅w3を規定することにより、間隙33を介した電解液6および粉末7の流通は許容しつつ、気泡8の進入は阻害することができる。
また、仕切部片32と負極3aの間隔L2は、例えば1.5mm以下、さらに0.1mm以上1mm以下とすることができる。このように間隔L2を規定することにより、気泡8が金属亜鉛30に接触しやすくなる。
また、仕切部片32の幅w4および厚みt4、支持部材31の厚みt3は、それぞれ、仕切部材11として要求される機械的強度に基づいて設定することができる。例えば、幅w4、厚みt4および厚みt3をそれぞれ、1mm以上2mm以下とすることができるが、これに限らず、例えば1mm未満であってもよい。
なお、図6Bでは、仕切部片32の長さ方向がZ軸方向に沿うように立設された例を図示したが、これに限らず、幅方向に斜設されてもよい。また、仕切部片32は円柱状として図示したが、これに限らず、例えば板状または三角柱状その他の角柱状であってもよい。また、支持部材31は、高さ方向の上にそれぞれ設けられたが、1または3以上としてもよい。
<第4変形例>
図7は、第1の実施形態の第4変形例に係るフロー電池1が有する仕切部材11を説明するための図である。図7は、図6Aと同様に仕切部材11を負極3a側から見た図である。図7に示す仕切部材11は、仕切部片32が幅方向(X軸方向)に斜設され、屈曲部41で折り返されるジグザグ形状を有している。また、仕切部片32は、複数の屈曲部41を有しており、各屈曲部41が支持部材31にそれぞれ固定されている。
仕切部片32は、X軸正方向側よりもX軸負方向側の方がZ軸正方向側に延びるように配設された左肩上がりに斜設する第1斜設部42と、X軸負方向側よりもX軸正方向側の方がZ軸正方向側に延びるように右肩上がりに斜設する第2斜設部43とを有する。このため、負極3aと仕切部材11との間を浮上する気泡8には、浮力に応じてZ軸方向に沿った挙動と、仕切部片32の傾斜に応じてX軸方向に移動する挙動が同時に生じることとなる。このため、第4変形例に係る仕切部材11を有するフロー電池1によれば、第3変形例に係る仕切部材11を有するフロー電池1と比較して気泡8が負極3aの全体に行き渡りやすくなり、デンドライトの成長や負極3aに付着する金属亜鉛30の残存量の増加に伴う性能劣化をさらに低減することができる。
ここで、幅方向に隣り合う仕切部片32の間隔、すなわち幅w5は、例えば1.5mm以下、さらに0.1mm以上1mm以下とすることができる。このように幅w5を規定することにより、間隙33を介した電解液6および粉末7の流通は許容しつつ、気泡8の進入は阻害することができる。また、仕切部片32の幅w6は、仕切部材11として要求される機械的強度に基づいて設定することができる。例えば、幅w6を1mm以上2mm以下とすることができるが、これに限らず、例えば1mm未満であってもよい。
また、仕切部片32は、第1斜設部42と第2斜設部43とのなす角度θ2,θ3をそれぞれ、例えば、10°以上80°以下、さらに15°以上75°以下とすることができる。角度θ2,θ3は、同じであってもよく、それぞれ異なってもよい。
なお、図7では、仕切部片32はそれぞれ複数の屈曲部41を有する例を図示したが、これに限らず、屈曲部41は1つであってもよい。また、支持部材31は、仕切部片32の屈曲部41をそれぞれ支持する例を図示したが、これに限らず、例えば屈曲部41とは異なる部分を支持してもよい。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図8に示すフロー電池1Aは、吐出口9bをさらに有する点を除き、図1に示すフロー電池1と同様の構成を有している。
吐出口9aは、平面視で負極3aと仕切部材11との間、負極3bと仕切部材12との間にそれぞれ配置されており、上記したように吐出口9aから吐出された気体により発生した気泡8は、負極3aと仕切部材11との間、負極3bと仕切部材12との間を浮上する。また、吐出口9bは、平面視で仕切部材11と隔膜4との間、隔膜5と仕切部材12との間にそれぞれ配置されており、吐出口9bから吐出された気体により発生した気泡8は、仕切部材11と隔膜4との間、隔膜5と仕切部材12との間を浮上する。吐出口9aは、第1吐出口の一例であり、吐出口9bは、第2吐出口の一例である。
フロー電池1Aでは、吐出口9bを有することにより、特に正極2側において電解液6および粉末7を大きく流動させることができ、例えば充電時に消費された[Zn(OH)2−を速やかに負極3側に補給することができる。このため、第2の実施形態に係るフロー電池1Aによれば、デンドライトの成長や負極3に付着する金属亜鉛30の残存量の増加に伴う性能劣化をさらに低減することができ、特に反応部10を大型化する際に有利となる。
また、吐出口9aのX軸方向に沿ったピッチを、吐出口9bのピッチよりも小さくして、吐出口9aを吐出口9bよりも多く配置してもよい。また、吐出口9aの直径を、吐出口9bの直径よりも大きくしてもよい。このように吐出口9aのピッチや直径を設定すると、負極3側の気泡8の量あるいは電解液6の流量を多くすることができ、上述の効果をより高めることができる。
なお、図8では、吐出口9a,9bはいずれも、発生部9に供給された同じ気体を吐出する構成としたが、これに限らず、吐出口9aでは酸素を含有する気体が吐出され、吐出口9bでは酸素を含有しない気体が吐出されるようにしてもよい。
<第3の実施形態>
図9は、第3の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図9に示すフロー電池1Bは、吐出口9aに代えて吐出口9cを有する点で図1に示すフロー電池1と相違する。吐出口9cは、仕切部材11,12の直下にそれぞれ配置されている。仕切部材11の直下の吐出口9cから吐出された気体により発生した複数の気泡8のうち、一部の気泡8は、仕切部材11の下端11eから、負極3aと仕切部材11との間に流れて浮上し、複数の気泡8のうち、仕切部材11の下端11eから、仕切部材11と隔膜4との間に流れて浮上する。吐出口9cは、負極3aと仕切部材11との間を浮上する気泡8と、仕切部材11と隔膜4との間を浮上する気泡8とがほぼ同数、あるいは負極3aと仕切部材11との間を浮上する気泡8の方が多くなるように気体を吐出する。なお、説明は省略するが、仕切部材12の直下の吐出口9cも仕切部材11の直下の吐出口9cと同様に気体を吐出して気泡8を発生させる。
また、複数の気泡8のうち一部の気泡8は、仕切部材11,12の下端11e,12eにそれぞれ接触して分割され、負極3aと仕切部材11との間、仕切部材11と隔膜4との間、隔膜5と仕切部材12との間、仕切部材12と負極3bとの間をそれぞれ浮上する。
フロー電池1Bでは、吐出口9cを有することにより、特に正極2側および負極3側の両方において電解液6および粉末7を大きく流動させることができ、例えば充電時に消費された[Zn(OH)2−を速やかに負極3側に補給することができる。このため、第3の実施形態に係るフロー電池1Bによれば、フロー電池1と同様の簡便な構成にもかかわらずデンドライトの成長や負極3に付着する金属亜鉛30の残存量の増加に伴う性能劣化をさらに低減することができる。
なお、仕切部材11,12の下端11e,12eにおいて、正極2側を浮上する気泡8と負極3側を浮上する気泡8との割合を安定させるため、仕切部材11,12は、先細になるように厚み方向に切り欠かれた下端11e,12eをそれぞれ有してもよい。下端11e,12eが厚み方向に先細になっていると、電解液6の流れが層流に近い乱れの少ないものになる。
また、仕切部材11,12の下端11e,12eを、負極3の下端3eよりも反応部10の内底10eに近づけてもよい。また、吐出口9cの直径を、例えば0.1mm以上1mm以下としてもよい。吐出口9cの直径を0.1mm以上とすることで気泡8の直径を大きくすることができ、吐出口9cから仕切部材11,12の下端11e,12eまでの間で流れの乱れがあっても、気泡8が下端11e,12eの真下まで流れる可能性が高くなり、下端11e,12eでの気泡8の分配がより安定する。また、吐出口9cの直径を1mm以下とすることで気泡8の直径を負極3と仕切部材11,12との間隔よりも小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、フロー電池1A,1Bがそれぞれ有する仕切部材11,12を、第1〜第4変形例に係るフロー電池1が有する仕切部材11に相当する構成に変更してもよく、また変形例同士を適宜組み合わせてもよい。
また、上記した各実施形態では、電解液6中に粉末7が混在されているとして説明したが、これに限らず、粉末7を有しなくてもよい。かかる場合、負極3が含有する負極活物質を増量するとよい。
また、上記した各実施形態では、隔膜4,5は正極2を厚み方向の両側から挟むように配置される別部材として説明したが、これに限らず、正極2を被覆する一体化された部材であってもよい。また、フロー電池1,1A,1Bには、隔膜4,5を設けなくてもよい。
なお、供給部14は、常時動作させてもよいが、電力消費を低減する観点から、放電時には充電時よりも気体または電解液6の供給レートを低下させてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A,1B フロー電池
2 正極
3,3a,3b 負極
4,5 隔膜
6 電解液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a,9b,9c 吐出口
10 反応部
11,12 仕切部材
11a 貫通孔
14 供給部
17 筐体
18 上板
30 金属亜鉛
32 仕切部片

Claims (14)

  1. 正極および負極と、
    前記正極および前記負極に接触する電解液と、
    前記電解液の流通を許容する開口を有し、前記正極と前記負極との間に配置される仕切部材と、
    前記負極と前記仕切部材との間の前記電解液中を浮上する気泡を発生させる発生部と
    を備えることを特徴とするフロー電池。
  2. 前記仕切部材は、前記正極と向かい合う一方面と前記負極と向かい合う他方面とを連通させる複数の貫通孔を有する膜状または板状の部材であることを特徴とする請求項1に記載のフロー電池。
  3. 前記貫通孔は、前記一方面側の端部よりも前記他方面側の端部の方が上方に配置されるように前記仕切部材の高さ方向に対して斜設されていることを特徴とする請求項2に記載のフロー電池。
  4. 前記仕切部材は、高さ方向に対して交差する幅方向に並設された、前記高さ方向に延びる複数の仕切部片を有することを特徴とする請求項1に記載のフロー電池。
  5. 前記仕切部片は、屈曲部を挟んで折り返されるように前記幅方向に斜設された第1斜設部および第2斜設部を有することを特徴とする請求項4に記載のフロー電池。
  6. 前記仕切部材は、前記正極と向かい合う一方面よりも前記負極と向かい合う他方面の方が高い親水性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池。
  7. 前記発生部は、前記仕切部材の直下に設けられた吐出口を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のフロー電池。
  8. 前記仕切部材は、先細になるように厚み方向に切り欠かれた下端を有することを特徴とする請求項7に記載のフロー電池。
  9. 前記発生部は、平面視で前記負極と前記仕切部材との間に配置された第1吐出口を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のフロー電池。
  10. 前記発生部は、平面視で前記正極と前記仕切部材との間に配置された第2吐出口を有することを特徴とする請求項9に記載のフロー電池。
  11. 前記発生部は、酸素を含有する気体を吐出して前記気泡を発生させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のフロー電池。
  12. 前記正極と前記仕切部材との間に配置された隔膜をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のフロー電池。
  13. 前記負極は、前記正極を挟んで向かい合う第1負極および第2負極を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載のフロー電池。
  14. 亜鉛を含み、前記電解液中を移動可能に混在する粉末
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載のフロー電池。
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