JP2019117767A - フロー電池 - Google Patents

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Masahito Nishihara
雅人 西原
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Abstract

【課題】性能劣化を低減することができるフロー電池を提供する。【解決手段】正極2及び負極3と、電解液6と、収容部4と、流動装置とを備えるフロー電池1。電解液6は、正極2及び負極3に接触し、収容部4は、正極2又は負極3を覆うように収容し、流動装置は、電解液6を流動させ、収容部は、収容された正極2又は負極3の外側に融着部を有する、フロー電池1。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、フロー電池に関する。
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン電導性を有するイオン電導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−185259号公報
Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, Journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
しかしながら、上記に記載の電池では、電解液の円滑な循環が阻害されることで電池性能が劣化する懸念があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能劣化を低減することができるフロー電池を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るフロー電池は、正極および負極と、電解液と、収容部と、流動装置とを備える。電解液は、前記正極および前記負極に接触する。収容部は、前記正極または前記負極を覆うように収容する。流動装置は、前記電解液を流動させる。前記収容部は、収容された前記正極または前記負極の外側に融着部を有する。
実施形態の一態様のフロー電池によれば、性能劣化を低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図2は、図1のI−I断面図である。 図3は、図2のII−II断面図である。 図4は、図2のIII−III断面図である。 図5は、第1の実施形態に係るフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。 図6は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、正極2と、負極3と、収容部4と、電解液6と、粉末7と、発生部9と、隔膜10,11と、供給部14と、筐体17と、上板18とを備える。フロー電池1は、発生部9で発生した気泡8を浮上させることにより電解液6を流動させる装置である。発生部9は、流動装置の一例である。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
正極2は、例えば、ニッケル化合物、マンガン化合物またはコバルト化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。コバルト化合物は、例えば、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト等が使用できる。また、正極2は、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液6が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有してもよい。また、正極2は、ニッケル金属、コバルト金属またはマンガン金属、あるいはそれらの合金であってもよい。
また、正極2は、例えば、上記した正極活物質や導電体その他の添加剤を複数の粒状体として含む。具体的には、正極2は、例えば、予め定められた割合で配合された粒状の活物質および導電体を、保形性に寄与するバインダとともに含有するペースト状の正極材料を発泡ニッケルなどの導電性を有する発泡金属へ圧入し、所望の形状に成形し、乾燥させたものである。
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
正極2は、正極2Aおよび正極2Bを含む。負極3は、負極3A、負極3Bおよび負極3Cを含む。正極2および負極3は、負極3Aと、正極2Aと、負極3Bと、正極2Bと、負極3Cとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。このように隣り合う正極2と負極3との間隔をそれぞれ設けることにより、正極2と負極3との間に電解液6および気泡8の流通経路が確保される。
収容部4は、正極2Aを収容する。収容部4は、正極2Aの厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置された第1シート部材4aおよび第2シート部材4bを含む。収容部4は、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bで覆うように正極2Aを収容する。収容部4は、第1シート部材4aと第2シート部材4bとの間に挟まれるように配置された正極2AをY軸方向に沿って両側から押圧するように保持する。これにより、収容部4は、電解液6の流動状態の変化や、粉末7や気泡8との接触から正極2Aを防護し、正極2Aの保形性を向上させる。
また、収容部4は、上部に開口部5を備える。ここで収容部4について、図2を用いてさらに説明する。図2は、図1に示すフロー電池1のI−I断面図である。図2は、正極2Aおよびその近傍を断面視したものに相当する。なお、正極2Bおよびその近傍の構成については、図2に示す正極2Aおよびその近傍の構成と同様である。このため、正極2Bに関する図示および説明は省略する。
図2に示すように、開口部5は、複数の開口部5a,5bを含む。開口部5a,5bのうち、開口部5bは、収容部4に収容された正極2Aと電気的に接続される板状または棒状のタブ2A1を収容部4の外部に延出させるための延出口を兼ねている。なお、図2に示す例では、開口部5は、2つの開口部5a,5bを含むが、これに限らず、3つ以上の開口部5を有してもよい。また、タブ2A1を複数とし、開口部5a,5bのうちタブ2A1の延出口を兼ねるものを複数にしてもよい。また、延出口を兼ねていない1または複数の開口部5a,5b(図2では、開口部5aに相当)を設ければ、後述する副反応で生じる気体の開口部5a,5bからの排出性をよくできる。
第2シート部材4bは、Z−X平面に沿うように形成された矩形部4b1と、矩形部4b1から上方に突出するように形成された複数の突出部4b2とを含む。矩形部4b1は、正極2Aが収容および保持される部分に対応し、突出部4b2は、開口部5に対応する。また、第1シート部材4aは、第2シート部材4bと同じ形状を有している。
収容部4は、重ね合わせるように配置した第1シート部材4aおよび第2シート部材4bのうち、正極2Aの外側に配置された外縁部分を融着させることで形成される。具体的には、例えば、突出部4b2の側縁部35〜38と、矩形部4b1の外縁部31〜34のうち、外縁部33を除く部分、すなわち外縁部31,32および34とを、例えば熱シール等により融着することで融着部20が形成される。そして、矩形部4b1の外縁部33側からタブ2A1および正極2Aを挿入した後で外縁部33を融着することで、正極2Aが収容された収容部4が形成される。なお、収容部4の作製方法は上記したものに限らず、例えば矩形部4b1の外縁部31〜33を融着し、正極2Aを収容した後で突出部4b2の側縁部35〜38と、矩形部4b1の外縁部34とをそれぞれ融着してもよい。このように正極2Aの外側を融着しているので、収容部4の内部には粉末7が入りにくい構造となっている。
ここで、開口部5の高さL1は、例えば、15mm以上25mm以下とすることができる。高さL1を上記した範囲とすることにより、図1に示す電解液6の液面6aが調整しやすくなる。なお、電解液6の液面6aは、正極2および負極3の上端と開口部5の上端との間に位置するように調整される。液面6aが正極2および負極3の上端以上の高さとなるように収容部4を配置させると、フロー電池1の能力を最大限に発揮することができる。また、開口部5の上端が電解液6の液面6aから突出する、すなわち液面6aが開口部5の上端よりも下となるように収容部4を配置させると、収容部4の内部には粉末7が混入せず、電解液6のみが含まれることとなる。このため、収容部4の内部に粉末7が滞留することに伴う電池性能の劣化を低減することができる。ただし、収容部4の内部に粉末7が混入する態様を完全に排除するものではなく、例えば予め所定量の粉末7が収容部4の内部の電解液6中に混在していてもよい。
次に、融着部20について、図3、図4を用いてさらに説明する。図3は、図2のII−II断面図であり、図4は、図2のIII-III断面図である。なお、図3、図4において、同様の部分については同じ符号を付し、後の説明は適宜省略する。
図3は、収容部4の外縁部33(図2参照)側を断面視した図である。図3に示すように、融着部20は、正極2A寄りに位置する部分P1と、部分P1よりも外側、具体的には収容部4の下端30に位置する部分P2とを有する。部分P2は、適切な融着装置(図示せず)により所定の条件で融着された部分である。部分P1は、部分P2を融着する融着装置から伝わった熱により第1シート部材4aおよび第2シート部材4bが溶融し、第1シート部材4aと第2シート部材4bとの判別がつかない程度に緻密かつ一体化されているものの、部分P2とは異なり厚さが一定ではなく、正極2A側から部分P2側に向けて厚さが次第に小さくなる部分である。
図3に示すように、収容部4は、下端30に沿って延在する融着部20を有しているので、例えば第1シート部材4aと第2シート部材4bとの非着部分が融着部20の外側に配置されている場合と比較して、電解液6や気泡8が激しく循環および対流する場合であっても、流路抵抗が低く抑えられる。このため、例えば電解液6の流動状態の変化等に伴う性能劣化が低減される。また、融着部20の外側に非着部分が配置された場合と比較して融着部20の剥離が起こりにくいため、長期にわたり収容部4の内部に粉末7が入りこむ不具合を低減できる。
一方、図4は、収容部4の外縁部31(図2参照)側を断面視した図である。図4に示すように、部分P2よりも外側、具体的には収容部4の側端40に位置する部分P4と、部分P2と部分P4との間に位置する部分P3とをさらに有する点を除き、図3に示す収容部4の下端30側と同様の構成を有している。部分P3は、部分P1と同様に部分P2を融着する融着装置から伝わった熱により第1シート部材4aおよび第2シート部材4bが溶融し、第1シート部材4aと第2シート部材4bとの判別がつかない程度に一体化されているものの、部分P2とは異なり厚さが一定ではなく、正極2A側から部分P4側に向けて厚さが次第に大きくなる部分である。また、部分P4は、部分P2を融着する融着装置から伝わった熱が伝わらず、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bが溶融せずにそのままの状態を維持している部分であり、「非着部21」とも称される。
このように収容部4の側端40に非着部21を有するため、電解液6や気泡8が激しく循環および対流すると、流路抵抗が高くなる懸念がある。しかしながら、収容部4の側端40はそもそも電解液6や気泡8による影響を受けにくい場所であることから、非着部21を有することによる不具合は起こりにくい。一方、図4に示す融着部20は、図3に示す融着部20と比較して部分P3の長さの分だけ幅広になっていると考えられることから、融着部20の剥離がさらに起こりにくく、長期にわたり収容部4の内部に粉末7が入りこむ不具合を低減できる。なお、収容部4の側端40は、非着部21を有さなくてもよく、さらに部分P3を有さなくてもよい。また、収容部4の上端は、非着部21および部分P3を有さなくてよいが、部分P3を有してもよく、さらに非着部21を有してもよい。
ここで、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの材料としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の耐電解液性を有する繊維を含む不織布を使用することができる。また、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの厚みt2はそれぞれ、例えば、乾燥時には0.2mm程度、電解液6中では0.5mm以上〜1mm以下となるものを使用することができる。また、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bが融着された部分P2の厚みt1は、例えば0.1mm以上0.3mm以下とすることができる。厚みt1をこのように規定することにより、例えば収容部4の内外を連通するボイドの発生が低減し、収容部4の内部に粉末7が入りこみにくくなる。なお、厚みt1は、厚みt2に応じて変更することができる。例えば、t2/t1が0.5以上2.5以下となるように設定することができる。
また、図2、図3に示す正極2Aの端面2aから部分P2の端部までの長さL2は、例えば、2mm以上4.5mm以下とすることができる。長さL2をこのように規定することにより、例えば正極2Aを収容した状態での収容部4の融着がしやすくなる。また、融着部20が剥離した場合であっても、収容部4の内部に粉末7が入りこみにくくなる。
また、図2、図3に示す部分P2の長さL3は、例えば、1mm以上2.5mm以下とすることができる。長さL3をこのように規定することにより、例えば融着部20が剥離した場合であっても、収容部4の内部に粉末7が入りこみにくくなる。また、部分P2が収容部4の下端30に沿って延在する場合であっても、例えば発生部9と収容部4の下端30との間隔を5mm程度とすることで収容部4の下端30側における電解液6の循環は阻害されない。同様に、部分P2が収容部4の上端に沿って延在する場合であっても、収容部4の上端と電解液6の液面6aとの間隔を例えば15mm以上25mm以下とすることで収容部4の上端側における電解液6の循環も阻害されない。
また、部分P2の外側に位置する部分P3および部分P4の長さL4は、例えば1mm以上3mm以下とすることができる。長さL4をこのように規定することにより、例えば適切なサイズの筐体17を使用することができる。
また、部分P1および部分P2の傾斜角θ1,θ2は、例えば10°以上45°以下とすることができる。傾斜角θ1,θ2をこのように規定することにより、例えば収容部4の内外を連通するボイドやクラックの発生が低減し、収容部4の内部に粉末7が入りこみにくくなる。なお、傾斜角θ1,θ2は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
図1に戻り、第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。隔膜10,11は、収容部4の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜10,11は、電解液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜10,11の材料として、例えば、隔膜10,11が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
隔膜10,11は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
この場合には、充電の際に、負極3A〜3Cにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜10,11を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間が導通する可能性を低減することができる。
電解液6は、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液6中の亜鉛種は、[Zn(OH)2−として電解液6中に溶存している。電解液6は、例えば、KやOHを含むアルカリ水溶液に亜鉛種を飽和させたものを使用することができる。なお、電解液6は、後述する粉末7とともに調製すれば、充電容量を大きくできる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、0.5molの割合でZnOを添加し、必要に応じて後述する粉末7を追加することにより電解液6を調製することができる。さらに、酸素発生抑制を目的に、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属を添加してもよい。
粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化亜鉛、水酸化亜鉛等である。粉末7は、アルカリ水溶液中には容易に溶解するが、亜鉛種の飽和した電解液6中には溶解せずに分散または浮遊し、一部が沈降した状態で電解液6中に混在する。電解液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7が、電解液6の中で沈降した状態になることもあるが、電解液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、電解液6に分散または浮遊した状態になる。つまり、粉末7は、電解液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、電解液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外の電解液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2を収容する収容部4および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていることや、筐体17内に存在する電解液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。電解液6中に溶存する亜鉛種である[Zn(OH)2−が消費されると、電解液6中に混在する粉末7は、粉末7および電解液6が互いに平衡状態を維持するように電解液6中に溶存する亜鉛種が飽和するまで溶解する。
気泡8は、例えば正極2A,2B、負極3A,3B,3Cおよび電解液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、電解液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液6の劣化を低減し、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、気体は空気を含有してもよい。
発生部9から電解液6中に供給された気体により発生した気泡8は、所定の間隔で配置された電極間、より具体的には、負極3Aと正極2Aを収容する収容部4との間、正極2Aを収容する収容部4と負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bを収容する収容部4との間、正極2Bを収容する収容部4と負極3Cとの間において、それぞれ電解液6中を浮上する。電解液6中を気泡8として浮上した気体は、電解液6の液面6aで消滅し、上板18と電解液6の液面6aとの間に気体層13を構成する。
ここで、フロー電池1における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2− + 2e → Zn +4OH
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)2−の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)2−の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費される電解液6中の[Zn(OH)2−を補給することにより、電解液6中の亜鉛種である[Zn(OH)2−の濃度が飽和状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3とが導通する可能性が低減される。
第1の実施形態に係るフロー電池1では、電解液6中に亜鉛を含む粉末7を混在させるとともに、発生部9の吐出口9aから電解液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、負極3Aと正極2Aを収容する収容部4との間、正極2Aを収容する収容部4と負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bを収容する収容部4との間、正極2Bを収容する収容部4と負極3Cとの間のそれぞれにおいて筐体17の下方から上方に向かって電解液6中を浮上する。
また、電極間における上記した気泡8の浮上に伴い、電解液6には上昇液流が発生し、負極3Aと正極2Aを収容する収容部4との間、正極2Aを収容する収容部4と負極3Bとの間、負極3Bと正極2Bを収容する収容部4との間、正極2Bを収容する収容部4と負極3Cとの間では筐体17の内底側から上方に向かって電解液6が流動する。そして、電解液6の上昇液流に伴い、主に筐体17の内壁17aと負極3Aとの間、および内壁17bと負極3Cとの間で下降液流が発生し、電解液6が筐体17の上方から下方に向かって流動する。
これにより、充電によって電解液6中の[Zn(OH)2−が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで[Zn(OH)2−が電解液6中に補給される。このため、電解液6中の[Zn(OH)2−の濃度を飽和状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通の可能性を低減することができる。
なお、粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、酸化亜鉛および水酸化亜鉛が好ましい。
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)2−を生成するが、電解液6はすでに飽和状態であるため、電解液6中では、過剰となった[Zn(OH)2−からZnOが析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、電解液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)2−から析出するのは、Zn(OH)や、ZnOとZn(OH)とが混合したものになる。
第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。発生部9は、筐体17の下部、より具体的には正極2および負極3の下方に配置されている。
発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっており、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の吐出口9aが発生部9の内部の中空部分に連通するように配置されている。
発生部9は、供給部14から供給された気体を吐出口9aから吐出することにより、電解液6中に気泡8を発生させる。吐出口9aは、例えば0.05mm以上0.5mm以下の直径を有する。吐出口9aの直径をこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部に電解液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。
また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上50mm以下であり、さらに10mm以下にしてもよい。ただし、吐出口9aは、発生した気泡8を互いに向かい合う正極2と負極3との間にそれぞれ適切に流動させることができるように配置されるものであれば、大きさや間隔に制限はない。
筐体17および上板18は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニルなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。筐体17および上板18は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。
供給部14は、配管16を介して筐体17の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体や電解液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。なお、配管16または15、あるいは発生部9の内部に、開口部5から排出された酸素を吸収し、回収する脱酸素剤を配置してもよい。このように気体の流通経路上に脱酸素剤を配置することにより、正極2や負極3、電解液6の酸化に伴う電池性能の劣化を低減することができる。
次に、フロー電池1における電極間の接続について説明する。図5は、第1の実施形態に係るフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
図5に示すように、負極3A,3Bおよび3Cは、負極3A,3Bおよび3Cがそれぞれ有するタブ3A1,3B1,3C1を介して並列接続されている。また、正極2Aおよび2Bは、正極2Aおよび2Bがそれぞれ有するタブ2A1,2B1を介して並列接続されている。このように負極3および正極2をそれぞれ並列に接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であってもフロー電池1の各電極間を適切に接続し、使用することができる。
なお、図1に示すフロー電池1では、合計5枚の電極が、負極3および正極2が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、3枚または7枚以上の電極を交互に配置するようにしてもよく、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、図1に示すフロー電池1では、両端がともに負極(3A,3C)となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極となるように構成してもよい。
さらに、一方の端部が正極2、他方の端部が負極3となるように同枚数の負極3および正極2をそれぞれ交互に配置してもよい。かかる場合、電極間の接続は並列であってもよく、直列であってもよい。
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図6に示すフロー電池1Aは、図1に示す発生部9、供給部14、配管15,16、に代えて、供給部14a、配管15a,16aを備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様の構成を有している。
供給部14aは、配管16aを介して筐体17の内部から回収された、粉末7が混在する電解液6を、配管15aを介して筐体17の下部に供給する。供給部14aは、流動装置の一例である。
供給部14aは、例えば電解液6を移送可能なポンプである。供給部14aの気密性を高くすれば、粉末7および電解液6を外部に漏出させることによるフロー電池1Aの発電性能の低下が起きにくい。そして、筐体17の内部に送られた電解液6は、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様に、各電極間を上方に流動する間に充放電反応に供されることとなる。
このように発生部9を有しないフロー電池1Aにおいても、収容部4が正極2の外側に融着部20を有することにより、電解液6や気泡8が激しく循環および対流する場合であっても、流路抵抗が低く抑えられる。このため、第2の実施形態に係るフロー電池1Aによれば、例えば電解液6の流動状態の変化等に伴う性能劣化が低減される。
なお、図6に示すフロー電池1Aでは、配管16aに接続された開口が、各電極の主面と向かい合う内壁17b、すなわち筐体17のY軸方向側の端部に設けられているが、これに限らず、X軸方向側の端部に設けられてもよい。
また、図6に示すフロー電池1Aでは、供給部14aは、粉末7が混在する電解液6を筐体17に供給するとしたが、これに限らず、電解液6のみを供給することとしてもよい。かかる場合、例えば配管16aの途中に、粉末7が混在する電解液6を一時的に貯留するタンクを設け、タンク内部において電解液6中に溶解する[Zn(OH)2−の濃度を調整することとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記した各実施形態では、融着部20は重ね合わせた第1シート部材4aおよび第2シート部材4bを融着したものとして説明したが、これに限らず、例えば図2に示す外縁部31,32が連続する筒状の部材や、外縁部33を挟んで対称となる一枚のシート部材を折り曲げたものを用意し、図2に示す融着部20と対応する部分を融着し、収容部4を作製してもよい。
また、上記した各実施形態では、第1シート部材4aおよび第2シート部材4bは不織布として説明したが、電解液6の流通が可能であって、かつ正極2Aを保持することができるものであれば第1シート部材4aおよび第2シート部材4bの材料に制限はなく、例えば織布であってもよい。
また、図1に示すフロー電池1では、発生部9は、筐体17の内部に配置させたが、これに限らず、例えば筐体17の下方に配置させてもよい。かかる場合、発生部9は筐体17の内底と一体化されることとなる。
また、上記した各実施形態では、電解液6中に粉末7が混在されているとして説明したが、これに限らず、粉末7を有しなくてもよい。かかる場合、負極3が含有する負極活物質を増量するとよい。また、図2に示す高さL1は0であってもよい。
また、上記した各実施形態では、隔膜10,11は収容部4の厚み方向の両側を挟むように配置されるとして説明したが、これに限らず、正極2と負極3との間に配置されていればよく、また、収容部4を被覆していてもよい。また、正極2と収容部4との間に隔膜10,11を配置してもよい。
また、上記した各実施形態では、収容部4は正極2を収容するとして説明したが、これに限らず、負極3を収容していてもよい。
なお、供給部14,14aは、常時動作させてもよいが、電力消費を低減する観点から、放電時には充電時よりも気体または電解液6の供給レートを低下させてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A フロー電池
2,2A,2B 正極
3,3A,3B,3C 負極
4 収容部
5,5a,5b 開口部
6 電解液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a 吐出口
10,11 隔膜
14,14a 供給部
17 筐体
18 上板
20 融着部
21 非着部
30 下端
40 側端

Claims (6)

  1. 正極および負極と、
    前記正極および前記負極に接触する電解液と、
    前記正極または前記負極を覆うように収容する収容部と、
    前記電解液を流動させる流動装置と
    を備え、
    前記収容部は、収容された前記正極または前記負極の外側に融着部を有することを特徴とするフロー電池。
  2. 前記融着部は、前記収容部の下端に沿って延在することを特徴とする請求項1に記載のフロー電池。
  3. 前記融着部の外側に非着部をさらに有し、
    前記非着部は、前記収容部の上端または側端に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフロー電池。
  4. 前記流動装置は、前記電解液中に気泡を発生させる発生部を含み、
    前記気泡は、前記収容部の外部に配置された前記正極または前記負極と、前記収容部との間を浮上することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフロー電池。
  5. 前記負極は、前記正極を収容する前記収容部を挟んで向かい合う第1負極および第2負極を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のフロー電池。
  6. 亜鉛を含み、前記収容部の外部を流動する前記電解液中を移動可能に混在する粉末
    をさらに備え、
    前記収容部は、上端が前記電解液の液面から突出するように配置された複数の開口部を上部に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池。
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