JP7204657B2 - アクリルゴムの製造方法、アクリルゴム、アクリルゴム組成物、その加硫物及び加硫物の用途 - Google Patents

アクリルゴムの製造方法、アクリルゴム、アクリルゴム組成物、その加硫物及び加硫物の用途 Download PDF

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Description

本発明は、優れた押出性を有し、加硫物とした際の機械物性及び耐熱性、屈曲疲労性に優れたアクリルゴムの製造方法、アクリルゴム、アクリルゴム組成物、その加硫物及び加硫物の用途に関する。
近年、高性能・高機能化の要求の高まりを背景に、ゴム部品に対しても高度の耐熱性が要求されている。
アクリルゴムやその加硫物は、耐熱老化性や耐油性、機械的特性、圧縮永久歪み特性等の物性に優れているため、耐熱性が要求される自動車のエンジンルーム内のホース部材やシール部材等の材料として多く使用されている。
しかしながら、近年の排ガス対策やエンジンの高出力化等の影響を受け、アクリルゴムに対してもより一層の耐熱性の向上が求められている。
アクリルゴムに対して耐熱性を向上させるための手段としては、アクリルゴム組成物に特定のカーボンブラックを含有させる技術(例えば、特許文献1参照)や、特定の老化防止剤を組み合わせて含有させる技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
国際公開第2008/143300号 特開2011-032390号公報
本発明は、優れた押出性を有し、加硫物とした際の機械物性及び耐熱性、屈曲疲労性に優れたアクリルゴムの製造方法、アクリルゴム、アクリルゴム組成物、その加硫物及び加硫物の用途を提供することを主目的とする。
すなわち、本発明は、以下の要旨を有する。
(1)炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル100質量部と、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル20~160質量部と、カルボキシル基を含有する架橋席モノマー0.1~10質量部とを含有するモノマー成分の全質量のうち80~100質量%を分添させて、重合温度20~60℃で乳化重合を行うアクリルゴムの製造方法。
(2)前記モノマー成分が、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル10~50質量部を更に含有する、(1)に記載のアクリルゴムの製造方法。
(3)前記モノマー成分が、エチレン0~10質量部を更に含有する、(1)又は(2)に記載のアクリルゴムの製造方法。
(4)一時間当たりの前記モノマー成分の分添量が、前記モノマー成分の全質量の5~25質量%である、(1)~(3)のいずれかに記載のアクリルゴムの製造方法。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の製造方法で得られる、150℃で剪断速度6080s-1におけるダイスウェルが1.3~2.0以下、数平均分子量(Mn)が10万~40万かつ分子量分布(Mw/Mn)が2~4、トルエン不溶分が15%以下のアクリルゴム。
(6)モノマー単位として、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル100質量部と、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル20~160質量部と、カルボキシル基を含有する架橋席モノマー0.1~10質量部を含有し、150℃、剪断速度6080s-1におけるダイスウェルが1.3~2.0、数平均分子量(Mn)が10万~40万かつ分子量分布(Mw/Mn)が2~4、トルエン不溶分が15%以下のアクリルゴム。
(7)さらに、モノマー単位として、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを10~50質量部含有する、(6)記載のアクリルゴム。
(8)さらに、モノマー単位として、エチレンを0~10質量部含有する、(6)又は(7)に記載のアクリルゴム。
(9)(6)~(8)のいずれかに記載のアクリルゴム100質量部と、カーボンブラック30~80質量部を含むアクリルゴム組成物。
(10)カーボンブラックが、算術平均粒子径25~40nm、ジブチルフタレート(DBP)吸油量150~240ml/100g、窒素吸着比表面積(NSA)とよう素吸着量(IA)の比(NSA/IA)0.6~0.9、かつ結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さ(Lc)が2nm以上である(9)に記載のアクリルゴム組成物。
(11)カーボンブラックが、アセチレンブラックである、(9)又は(10)に記載のアクリルゴム組成物。
(12)(9)~(11)のいずれかに記載のアクリルゴム組成物の加硫物。
(13)190℃で500時間加熱した後の引張強さが2.0~7.0MPa、切断時伸びが100~210%である(12)に記載の加硫物。
(14)JIS-K6260:2010に準拠して測定した屈曲き裂発生試験において、150万回折り曲げ操作をした後に外観にひび割れ及び亀裂が認められない(12)又は(13)に記載の加硫物。
(15)100~200℃で1~10時間スチーム加硫又はプレス加硫を行う一次加硫工程と、一次加硫工程で得られた加硫物を100~200℃で1~10時間熱空気加硫を行う二次加硫工程を有する、(12)~(14)のいずれかに記載の加硫物の製造方法。
(16)(12)~(14)のいずれかに記載の加硫物を用いたゴムホース。
(17)(12)~(14)のいずれかに記載の加硫物を用いたシール部品。
本発明により、優れた押出性を有し、加硫物とした際の機械物性及び耐熱性、屈曲疲労性に優れたアクリルゴムを得るアクリルゴムの製造方法、組成物、その加硫物及び加硫物の用途が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下に示す各実施形態に限定されるものではない。
本実施形態のアクリルゴムは、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、カルボキシル基を含有する架橋席モノマーとを含有するモノマー成分を、当該モノマー成分の全質量のうち80~100質量%を分添させて、重合温度20~60℃で乳化重合させたものである。架橋席モノマーとは、架橋席(架橋点ともいう)を形成する官能基を有するモノマーのことである。また、当該アクリルゴムは、さらに炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル及び/又はエチレンを共重合させたものであってもよい(すなわち、モノマー成分は、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル及び/又はエチレンをさらに含有していてよい。)。
アクリル酸アルキルエステルは、アクリルゴムの骨格となるものであり、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルの含有量を調整することで、アクリルゴムやその加硫物の耐寒性及び耐油性を調整することができる。例えば、アクリル酸エチルとアクリル酸n-ブチルとを使用してアクリルゴムを製造する場合、アクリル酸エチルの共重合比率を多くすることで加硫物の耐油性を向上させることができ、アクリル酸n-ブチルの共重合比率を多くすることで加硫物の耐寒性を向上させることができる。
炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピルがある。炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-メチルペンチル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-エチルヘキシルがある。これらのアクリル酸アルキルエステルの中でも、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルとしてアクリル酸エチルを、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルとしてアクリル酸n-ブチルを用いることが好ましい。
これらのアクリル酸アルキルエステルの含有量は、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを100質量部として、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルは20~160質量部であり、好ましくは25~155質量部、より好ましくは30~150質量部の範囲である。炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルの含有量が20質量部未満の場合は、得られるアクリルゴムの加硫物の耐寒性、屈曲疲労性が向上せず、含有量が160質量部を超えてしまうと、得られるアクリルゴムの加硫物の耐油性、引張強さが向上しない場合がある。アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステル由来のモノマー単位(以下、アクリル酸アルキルエステル単位ともいう。)の含有量が、上記範囲内であることが好ましい。アクリルゴムにおけるこれらのモノマー単位の含有量は、アクリルゴム又はアクリルゴム組成物について得られた核磁気共鳴スペクトルに基づき定量される。
架橋席モノマーは、当該架橋席モノマー由来のカルボキシル基により、得られるアクリルゴムの分子間架橋を可能とするものであり、アクリルゴムの硬度や切断時伸びを調整するために用いるものである。
架橋席モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2-ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘキシル、桂皮酸等が挙げられるがこれらに限定されない。架橋席モノマーは、単体だけでなく2種類以上のものを併用してもよい。
架橋席モノマーは、炭素数が1~8のマレイン酸モノアルキルエステル又はフマル酸モノアルキルエステルがよく、これらの中でもマレイン酸モノブチルを用いることが好ましい。
架橋席モノマーの含有量は、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを100質量部として、0.1~10質量部であり、より好ましくは0.5~10質量部であり、さらに好ましくは1~5質量部、特に好ましくは1~4質量部である。架橋席モノマーの含有量が0.1質量部より少ない場合、アクリルゴムを架橋させる効果が少なく、得られた加硫物の強度が不足する場合がある。架橋席モノマーの含有量が10質量部を超える場合、アクリルゴムの加硫物が硬化し過ぎることにより、当該加硫物のゴム弾性が失われる場合がある。アクリルゴムは、架橋席モノマー由来のモノマー単位(以下、架橋席モノマー単位ともいう。)の含有量が、上記範囲内であることが好ましい。架橋席モノマー単位の定量は、共重合体の生ゴムをトルエンに溶解し、水酸化カリウムを用いた中和滴定により行うことができる。
アクリルゴムは、上記モノマー成分の全質量のうちの20質量%以下、好ましくは10質量%以下を重合缶に予め仕込み、残りの80質量%以上、好ましくは90質量%以上を重合中に分割添加(分添)しながら、重合温度20~60℃、好ましくは30~55℃で乳化重合することによって得られる。なお、本実施形態では、モノマー成分の全量(100質量%)を分添してもよい。分添するモノマーが80質量%より少ない場合、重合熱の除熱が十分に行うことができずに重合を安定的に行うことが困難となる。また、重合初期と後期で得られるアクリルゴムの組成が異なり、耐熱性、屈曲疲労性、押出性に劣るものになる。
一時間当たりのモノマー成分の分添量は、モノマー成分の全質量のうちの5~25質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。モノマー成分の分添量が5質量%以上であると、アクリルゴムが高分子量化しやすく、機械強度がより向上しやすくなる。分添量が25質量%以下であると、重合熱の除熱より効率よく行うことができ、重合をより安定的に行いやすくなる。
アクリルゴムは熱や空気などの影響により、その主鎖が酸化劣化によって架橋反応を引き起こして、切断時伸びなどの機械的特性が急激に低下してしまうことが知られている。これを一般的に熱老化という。
当該熱老化を抑制するために、アクリルゴムには、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを共重合させることもできる。すなわち、上記モノマー成分は、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルをさらに含有していてもよい。メタクリル酸アルキルエステルは、アクリルゴムの主鎖に共重合させておくことにより、アクリルゴム組成物が熱老化した際に硬化劣化を抑制し、切断時伸びなどの機械的特性を維持させるとともに、α-メチル位によってアクリルゴムの切断時伸び、及び屈曲疲労性、押出性を向上させる効果を有するものである。
炭素数1~4のメタクリル酸アルキルエステルは、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルがある。メタクリル酸アルキルエステルは、単体だけでなく2種類以上のものを併用してもよい。これらの中でも、メタクリル酸メチルを用いると、加硫物の熱老化後の引張強さの残留率、及び切断時伸びの残留率を維持できるため好ましい。
メタクリル酸アルキルエステルの含有量は、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを100質量部として、10~50質量部が好ましく、より好ましくは15~45質量部の範囲である。この範囲にすることで耐熱性、及び屈曲疲労性を向上させることができる。メタクリル酸アルキルエステルの含有量が50質量部を超えると、アクリルゴムの加硫物の耐寒性が低下する場合がある。アクリルゴムは、メタクリル酸アルキルエステル由来のモノマー単位(以下、メタクリル酸アルキルエステル単位ともいう。)の含有量が、上記範囲内であることが好ましい。
得られる加硫物の機械的特性を向上させるために、アクリルゴムには、エチレンを共重合させてもよい。すなわち、上記モノマー成分は、エチレンをさらに含有していてもよい。エチレンの含有量は、好ましくは炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを100質量部として、10質量部以下であり、より好ましくは0.1~5質量部であり、さらに好ましくは0.5~3質量部である。エチレンをこの数値範囲で共重合させることによって、加硫物の切断時伸び、及び屈曲疲労性を向上させたアクリルゴム組成物が得られる。アクリルゴムは、エチレン由来のモノマー単位(以下、エチレン単位ともいう。)の含有量が、上記範囲内であることが好ましい。アクリルゴム中のエチレン単位の含有量は、アクリルゴム又はアクリルゴム組成物について得られた核磁気共鳴スペクトルに基づき定量される。
アクリルゴムには、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は架橋席モノマーと共重合可能な他のモノマーを共重合させることもできる。共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、アクリル酸メトキシエチルのような(メタ)アクリル酸アルコキシエステル、酢酸ビニル、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテル等のビニル及びアリルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル、アクリルアミド、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、エチレン、プロピオン酸ビニル、マレイン酸ジメチルのようなマレイン酸ジエステル、フマル酸ジメチルのようなフマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジメチルのようなイタコン酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジメチルのようなシトラコン酸ジアルキルエステル、メサコン酸ジメチルのようなメサコン酸ジアルキルエステル、2-ペンテン二酸ジメチルのような2-ペンテン二酸ジアルキルエステル、アセチレンジカルボン酸ジメチルのようなアセチレンジカルボン酸ジアルキルエステル等のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
本実施形態では、乳化重合の反応系に、モノマー成分の全質量のうち80~100質量%を分添させることによって、アクリルゴムを得ることができる。乳化重合の反応系には、水、乳化剤、pH調整剤、重合開始剤、重合停止剤、連鎖移動剤等が添加されていてよい。これらの成分は、モノマー成分の分添前に反応系に添加されていてよく、モノマー成分の分添とともに反応系に分添されてもよい。乳化重合の反応系は、モノマー成分を分添させる間、20~60℃に保持される。
乳化重合の反応系における水の添加量は、例えば、モノマー成分の全量100質量部に対して80質量部以上が好ましく、100質量部以上がより好ましく、120質量部以上がさらに好ましい。また、乳化重合の反応系における水の添加量は、例えば、モノマー成分の全量100質量部に対して500質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましく、300質量部以下がさらに好ましい。
乳化重合の反応系に添加される乳化剤としては、例えば、完全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルなどの非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸などの脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩などのアニオン性乳化剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、ベンジルアンモニウムクロライドなどのカチオン性乳化剤;α,β-不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β-不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテルなどの共重合性乳化剤等が挙げられる。これらの中でも、部分けん化ポリビニルアルコールが好ましい。これらの乳化剤は1種単独でも、2種類以上を組合せて用いることもできる。乳化重合の反応系における乳化剤の添加量は、モノマー成分の全量100質量部に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下である。
乳化重合の反応系に添加されるpH調整剤としては、例えば、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどのアルカノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン、アンモニア、エチレンイミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、および、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどアルカリ金属塩等が挙げられる。これらの中でも、酢酸ナトリウムが好ましい。これらのpH調整剤は1種単独でも、2種類以上を組合せて用いることもできる。乳化重合の反応系におけるpH調整剤の添加量は、モノマー成分の全量100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは0.1~2質量部である。
乳化重合の反応系に添加される重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、tert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物等が挙げられる。これらの中でも、tert-ブチルヒドロペルオキシドが好ましい。これらの重合開始剤は、1種単独でも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。乳化重合の反応系における重合開始剤の添加量は、モノマー成分の全量100質量部に対して、例えば0.01~2質量部である。
また、過酸化物である重合開始剤(過酸化物開始剤)は、還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。この還元剤としては、特に限定されないが、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅などの還元状態にある金属イオンを含有する化合物、メタンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸化合物、ジメチルアニリンなどのアミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、硫酸第一鉄が好ましい。これらの還元剤は1種単独でも、2種類以上を組合せて用いることもできる。乳化重合の反応系における還元剤の添加量は、過酸化物開始剤1質量部に対して、好ましくは0.01~2質量部以下である。
乳化重合の反応系に添加される重合停止剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ヒドロキノン、1,4-ベンゾキノン等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキノンが好ましい。これらの重合停止剤は、1種単独でも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。乳化重合の反応系における重合停止剤の添加量は、例えば、モノマー成分の全量100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である
乳化重合の反応系に添加される連鎖移動剤としては、例えば、n-ブチルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィドなどのスルフィド類、α-メチルスチレン2量体、四塩化炭素等が挙げられる。これらの中でも、t-ドデシルメルカプタンが好ましい。これらの連鎖移動剤は、1種単独でも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。乳化重合の反応系における連鎖移動剤の添加量は、モノマー成分の全量100質量部に対して好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.001~0.3質量部である。
本実施形態のアクリルゴムの製造方法によって得られるアクリルゴムは、(1)150℃、剪断速度6080s-1におけるダイスウェルが1.3~2.0の範囲、(2)数平均分子量(Mn)が10万~40万、かつ分子量分布(Mw/Mn)が2~4、(3)トルエン不溶分が15%以下を満たすものである。
ダイスウェルは、アクリルゴムの押出性を表す値であり、キャピログラフ1D型(東洋精機社製)を使用し、バレル温度150℃、バレル径9.55mm、キャピラリー長さ:L=40mm、キャピラリー径:D1=1mm(L/D=40)、ピストン降下速度500mm/分(剪断速度6080s-1)、室温環境下(25±2℃)にてアクリルゴムをストランド状に押出し、下記式により求めた。
ダイスウェル(%)=(W/(lρS)-1)×100
(ただし、W、lはサンプルの質量(g)と長さ(cm)、ρはアクリルゴムの比重、Sはダイの面積(cm)である。)
アクリルゴムのダイスウェルの値は、1.3~2.0の範囲であり、より好ましくは1.5~1.9の範囲である。ダイスウェルの値を調整するには、アクリルゴムを製造する際のモノマー分添割合やトルエン不溶分、分子量分布を調整すればよい。
アクリルゴムの数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で求めることができる値であり、10万~40万の範囲、より好ましくは15万~35万の範囲に調整するとよい。アクリルゴムの数平均分子量(Mn)の値を調整するには、アクリルゴムを製造する際の連鎖移動剤の量を調整すればよい。アクリルゴムのMnが10万より少ない場合、引張強さが低下する場合があり、一方40万より大きい場合、取扱いが困難となる場合がある。
アクリルゴムの分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で求めることができる重量平均分子量と数平均分子量との比であり、2~4の範囲、より好ましくは2.5~3.5の範囲に調整するとよい。アクリルゴムの分子量分布(Mw/Mn)を調整するには、アクリルゴムを製造する際の重合温度を調整すればよい。分子量分布(Mw/Mn)が2より小さい場合、押出性、屈曲疲労性が低下する場合があり、4より大きい場合、引張強さが低下する場合がある。GPC測定による分子量、分子量分布は、テトラヒドロフランを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを用い、ポリスチレン換算で求めることができる。
アクリルゴムのトルエン不溶分は、15%以下の範囲、より好ましくは10%以下の範囲に調整するとよい。アクリルゴムのトルエン不溶分を調整するには、アクリルゴムを製造する際の最終重合率や重合温度を調整すればよい。トルエン不溶分が15%より大きい場合、引張強さ、屈曲疲労性、押出性、及び耐熱性が低下する場合がある。トルエン不溶分の調整は重合温度、乳化剤や凝固剤の種類の調整にて行うことができる。
トルエン不溶分は以下の様に算出できる。
試料1g(a)を精秤しトルエン100mlに温度25℃で48時間かけて溶解させた後、溶解液を事前に質量(b)を測定した容量250mlの遠心管に移し、最大遠心半径13.8cmのアングルローターを用いて、温度10℃以下、8500rpmで60分間遠心分離し、非沈殿物をデカンテーションにより取り除き、温度70℃の真空乾燥器で24時間乾燥させ、乾燥後の遠心管の質量(d)を測定し、下式により算出する。
トルエン不溶分(%)=(d-b)/a×100
アクリルゴムは、カーボンブラックを含有させることにより、得られる加硫物の機械的物性及び耐熱性を向上させることができる。カーボンブラックとしては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、黒鉛化カーボンブラック等が挙げられるがこれらに限定されない。本実施形態において、本発明の効果をより奏するために、これらのカーボンブラックのうちアセチレンブラックを用いるのが特に好ましい。
前記カーボンブラックのアクリルゴム組成物中の含有量は、アクリルゴム100質量部に対して30~80質量部、より好ましくは40~75質量部、さらにより好ましくは45~70質量部である。カーボンブラックの含有量が30質量部未満であると、加硫物の強度向上効果が現れない場合がある。含有量が90質量部超である場合、加硫物の引張強さが低下する場合がある。
前記カーボンブラックの算術平均粒子径は、25~45nmの範囲が好ましく、より好ましくは30~40nmである。当該算術平均粒子径は、任意の30個の粒子の最大径の平均値である。当該最大径は、電子顕微鏡により確認される。算術平均粒子径が25nm未満の場合、得られるアクリルゴム組成物の流動性が失われ、押出性に劣る場合がある。また、算術平均粒子径が45nmを超える場合、アクリルゴムの補強性が少なく、機械強度が低下する場合がある。
前記カーボンブラックのDBP吸油量は、例えば150~240ml/100gであり、好ましくは155~225ml/100gである。DBP吸油量が150ml/100g未満である場合、カーボンブラックの分散性に劣り、耐熱性が低下する場合がある。また、220ml/100gより大きい場合、カーボンブラックの粒硬度が小さくなり、微粉末となりやすく、取り扱いが困難となる場合がある。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)とよう素吸着量(IA)の比(NSA/IA)は、0.6~0.9であり、0.7~0.8が特に好ましい。カーボンブラックの表面活性を示すNSA/IAが0.6未満の場合、補強性に劣り、機械強度が低下する場合がある。また、0.9を超える場合、加工性、屈曲疲労性、押出性に劣る場合がある。
前記カーボンブラックの結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さLcは例えば2nm以上であり、2.5nm以上のものが特に好ましい。Lcが2nm未満の場合、ゴム組成物の補強性が少なく、機械強度が低下する場合がある。
アクリルゴム組成物は、さらに、加硫剤や加硫促進剤を含有させてもよい。
加硫剤は、カルボキシル基含有アクリルゴム組成物の加硫に通常用いられるものであれば特に限定されず、多価アミン化合物、及び多価アミン化合物の炭酸塩が好ましく、炭素数4~30の多価アミン化合物、及びその炭酸塩がより好ましい。なお、これらの加硫剤は、単体だけでなく2種類以上のものを併用してもよい。単体だけでなく2種類以上のものを併用してもよい。
多価アミン化合物、及び多価アミン化合物の炭酸塩としては、特に限定されないが、脂肪族多価アミン化合物、及びその炭酸塩、ならびに芳香族多価アミン化合物などが挙げられる。これらの中でも、脂肪族多価アミン化合物、及びその炭酸塩が特に好ましい。
脂肪族多価アミン化合物、及びその炭酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、及びN,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが好ましい。
芳香族多価アミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、4,4’-メチレンジアニリン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、及び1,3,5-ベンゼントリアミンなどが挙げられる。これらの中でも、2,2’-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが好ましい。
加硫剤の含有量は、特に限定するものではないが、アクリルゴム100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.3~5質量部がより好ましい。この範囲にすることで必要十分な加硫処理が行われる。
また、加硫剤に対して、さらに加硫促進剤を含有していることが好ましい。加硫促進剤は、加硫速度を調整するために添加する。加硫促進剤としては特に限定するものではないが、脂肪族1価2級アミン化合物、脂肪族1価3級アミン化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第四級オニウム塩、第三級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩、及びジアザビシクロアルケン化合物などが好ましく用いられ、これらのなかでも、ジアザビシクロアルケン化合物が好ましい。
加硫促進剤の添加量は、本実施形態におけるアクリルゴム組成物から得られる加硫物の特性を減退しない範囲で添加すればよい。
脂肪族1価2級アミン化合物は、アンモニアの水素原子の2つを脂肪族炭化水素基で置換した化合物である。水素原子と置換する脂肪族炭化水素基は、特に限定されないが、好ましくは炭素数1~30のものであり、より好ましくは炭素数8~20のものである。脂肪族1価2級アミン化合物の具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジ-t-ブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジセチルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジ-シス-9-オクタデセニルアミン、及びジノナデシルアミンなどが挙げられる。
脂肪族1価3級アミン化合物は、アンモニアの3つの水素原子全てを脂肪族炭化水素基で置換した化合物である。水素原子と置換する脂肪族炭化水素基は、特に限定されないが、好ましくは炭素数1~30のものであり、より好ましくは炭素数1~22のものである。脂肪族1価3級アミン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリアリルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ-t-ブチルアミン、トリ-sec-ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミン、トリデシルアミン、トリテトラデシルアミン、トリペンタデシルアミン、トリセチルアミン、トリ-2-エチルヘキシルアミン、トリオクタデシルアミン、トリ-シス-9-オクタデセニルアミン、トリノナデシルアミン、N,N-ジメチルデシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルテトラデシルアミン、N,N-ジメチルセチルアミン、N,N-ジメチルオクタデシルアミン、N,N-ジメチルベヘニルアミン、N-メチルジデシルアミン、N-メチルジドデシルアミン、N-メチルジテトラデシルアミン、N-メチルジセチルアミン、N-メチルジオクタデシルアミン、N-メチルジベヘニルアミン、及びジメチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
グアニジン化合物の具体例としては、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジンなどが挙げられる。
イミダゾール化合物の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
第四級オニウム塩の具体例としては、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリn-ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
第三級ホスフィン化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィンなどが挙げられる。
弱酸のアルカリ金属塩の具体例としては、ナトリウム、カリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩、及びナトリウム、カリウムのステアリン酸塩、ラウリン酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
ジアザビシクロアルケン化合物の具体例としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノ-5-ネン(DBN)などが挙げられる。
上記加硫剤及び加硫促進剤等は、本実施形態のアクリルゴム組成物と加硫温度以下の温度で混練する。本実施形態のアクリルゴム組成物は、所望する各種の形状に成形された後に加硫して加硫物としたり、加硫させた後に各種の形状に成形することもできる。加硫温度はアクリルゴム組成物中の各成分の含有量や加硫剤の種類によって適宜設定でき、通常は100~200℃、好ましくは130~180℃である。また、加硫に要する時間は1~10時間、好ましくは2~6時間である。
アクリルゴム組成物を混練、成型、加硫する装置、及びアクリルゴム組成物の加硫物を混練、成型する装置は、通常ゴム工業で用いるものを使用することができる。加硫方法としてはスチーム加硫、又はプレス加硫が好ましい。
また、アクリルゴム組成物は必要に応じて熱空気加硫による二次加硫が行われる。加硫温度はアクリルゴム組成物中の各成分の含有量や加硫剤の種類によって適宜設定でき、通常は100~200℃、好ましくは130~180℃である。また、加硫に要する時間は1~10時間、好ましくは2~6時間である。二次加硫を行うことによって十分な機械特性とゴム弾性を得られる場合がある。
アクリルゴム組成物は、実用に供するに際してその目的に応じ、充填剤、補強剤、可塑剤、滑剤、老化防止剤、安定剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
充填剤、補強剤としては、カーボンブラック以外に通常のゴム用途に使用されている充填剤や補強剤を添加することができ、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等の充填剤、補強剤がある。これら添加剤の含有量は、合計で、アクリルゴム組成物100質量部に対して20~100質量部の範囲が好ましい。
可塑剤としては、通常のゴム用途に使用されている可塑剤を添加することができ、例えば、エステル系可塑剤、ポリオキシエチレンエーテル系可塑剤、トリメリテート系可塑剤等がある。可塑剤の含有量は、アクリルゴム組成物100質量部に対して、50質量部程度までの範囲が好ましい。
本実施形態の加硫物は、190℃で500時間加熱した後の引張強さが2.0~7.0MPa、切断時伸びが100~210%のものである。加熱後の引張強さをこの範囲に調整するには、Lcの高いカーボンブラックを用いればよく、加熱後の切断時伸びをこの範囲に調整するには、NSA/IAの少ないカーボンブラックを用いればよい。
本実施形態の加硫物は、JIS-K6260:2010に準拠して測定した屈曲き裂発生試験において、150万回折り曲げ操作をした後に外観にひび割れや亀裂が認められないものである。外観にひび割れや亀裂を生じないようにするためには、トルエン不溶分、架橋席量、重合温度を調整すればよい。
本実施形態のアクリルゴム組成物の加硫物は、特に、ゴムホースや、ガスケット、パッキング等のシール部品として好適に用いられる。当該ゴムホース及びシール部品は、本実施形態のアクリルゴム組成物のみ又はその加硫物のみからなってもよく、又は他の部品との組み合わせられていてもよい。
ゴムホースとしては、例えば、自動車、建設機械、油圧機器等のトランスミッションオイルクーラーホース、エンジンオイルクーラーホース、エアダクトホース、ターボインタークーラーホース、ホットエアーホース、ラジエターホース、パワーステアリングホース、燃料系統用ホース、ドレイン系統用ホース等がある。
ゴムホースの構成としては、一般的に行われているように補強糸あるいはワイヤーをホースの中間あるいは、ゴムホースの最外層に設けたものや、フッ素ゴムやシリコーンゴム等のゴムとの積層構造となっているものでもよい。
シール部品としては、例えば、エンジンヘッドカバーガスケット、オイルパンガスケット、オイルシール、リップシールパッキン、O-リング、トランスミッションシールガスケット、クランクシャフト、カムシャフトシールガスケット、バルブステム、パワーステアリングシールベルトカバーシール、等速ジョイント用ブーツ材及びラックアンドピニオンブーツ材等がある。
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
試験に用いた試薬は以下の通りである。
・アセチレンブラック粒状品:デンカ社製デンカブラック粒状品
・アセチレンブラックFX-35:デンカ社製デンカブラックFX-35
・アセチレンブラックHS-100:デンカ社製デンカブラックHS-100
・FEFカーボンブラック:東海カーボン社製シーストSO
・ステアリン酸:花王社製ルナックS-90
・老化防止剤:ユニロイヤル社製ナウガード445(4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン)
・流動パラフィン:カネダ社製ハイコールK-230
・ステアリルアミン:花王社製ファーミン80
・Diak#1:デュポン社製 加硫剤 6-アミノヘキシルカルバミド酸
・XLA-60:ランクセス社製 加硫促進剤
アセチレンブラック3種及びFEFカーボンブラックの物性は以下に従って測定し、測定結果を表1に示した。
(1)算術平均粒子径
カーボンブラック粉体を透過型電子顕微鏡にて5万倍で撮影し、粒子径を30個測定した平均値。
(2)DBP吸油量
JIS K 6217-4:2008に準拠して測定した。
(3)窒素吸着比表面積(NSA)
JIS K 6217-2:2008に準拠して測定した。
(4)よう素吸着量(IA)
JIS K 6217-1:2008に準拠して測定した。
(5)結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さ(Lc)
Cu-Kα線を用いたX線回折法における(002)回折線により、次式に従って計算した。
Lc=(180・K・λ)/(π・β・cosΘ)
(ただし、K=形状因子(0.9を用いた)、λ=X線の波長(0.154nm)、Θ=(002)回折線吸収バンドにおける極大値を示す角度、β=(002)回折線吸収バンドにおける半価幅を角度で示したものである。)
(6)かさ密度
JIS K 6219-2:2006に準拠して測定した。
(7)加熱減量
JIS K 6218-1:2005に準拠して測定した。
(8)灰分
JIS K 6218-2:2005に準拠して測定した。
Figure 0007204657000001
下記に示す条件でアクリルゴムを作製した。
<アクリルゴムA>
内容積40リットルの耐圧反応容器に部分ケン化ポリビニルアルコール4質量%の水溶液17kg、酢酸ナトリウム22gを投入し、攪拌機でよく混合しながら槽内上部の空気を窒素で置換後、エチレン0.95kgを槽上部に圧入し、圧力を3.5MPaに調整した。攪拌を続行し、槽内を55℃に保持した後、アクリル酸エチル6.2kg、アクリル酸n-ブチル3.9kg、メタクリル酸メチル1.1kg、マレイン酸モノブチル300g、tert-ドデシルメルカプタン1.8gのモノマー混合液を6時間かけて圧入した。同時に、別途注入口よりt-ブチルヒドロペルオキシド水溶液(0.25質量%、2リットル)を6時間かけて圧入し、最終重合率95%まで重合を行った。生成した重合液に硼酸ナトリウム水溶液(3.5質量%、7リットル)を凝固剤として添加して重合体を固化し、脱水及び乾燥を行ってアクリルゴムAとした。
このアクリルゴムAの共重合体組成は、エチレンモノマー単位2.0質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位53.0質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位33.7質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.7質量%であった。マレイン酸モノブチルモノマー単位の定量は、共重合体の生ゴムをトルエンに溶解し、水酸化カリウムを用いた中和滴定により測定した。その他の共重合体組成は、核磁気共鳴スペクトルを採取し、各成分を定量した。また、数平均分子量Mn=35万、分子量分布Mw/Mn=3.7であった。
<アクリルゴムB>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、tert-ドデシルメルカプタンを12.4gに変更して、最終重合率95%でアクリルゴムBを得た。
このアクリルゴムBの共重合体組成は、エチレンモノマー単位2.0質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位52.8質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位33.8質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.8質量%であった。また、数平均分子量Mn=12万、分子量分布Mw/Mn=3.9であった。
<アクリルゴムC>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、エチレンを使用せずに常圧で重合を行い、最終重合率95%でアクリルゴムCを得た。
このアクリルゴムCの共重合体組成は、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位53.9質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位34.5質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位10質量%であった。また、数平均分子量Mn=33万、分子量分布Mw/Mn=3.8であった。
<アクリルゴムD>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、重合温度を30℃に変更して、最終重合率95%でアクリルゴムDを得た。
このアクリルゴムDの共重合体組成は、エチレンモノマー単位3.6質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.7質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位52.2質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位33.1質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.4質量%であった。また、数平均分子量Mn=34万、分子量分布Mw/Mn=3.7であった。
<アクリルゴムE>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、アクリル酸エチル3.9kg、アクリル酸n-ブチル5.6kg、メタクリル酸メチル1.7kg、マレイン酸モノブチル300g、tert-ドデシルメルカプタン1.1gに変更して、最終重合率95%でアクリルゴムEを得た。
このアクリルゴムEの共重合体組成は、エチレンモノマー単位2.1質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位33.1質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位48.7質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位14.5質量%であった。また、数平均分子量Mn=33万、分子量分布Mw/Mn=3.6であった。
<アクリルゴムF>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、アクリル酸エチル7.8kg、アクリル酸n-ブチル3.4kg、マレイン酸モノブチル300g、tert-ドデシルメルカプタン1.4gに変更して、最終重合率95%でアクリルゴムFを得た。
このアクリルゴムFの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.9質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.7質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位67.5質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位28.9質量%であった。また、数平均分子量Mn=21万、分子量分布Mw/Mn=3.7であった。
<アクリルゴムG>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、モノマー混合液をあらかじめ反応容器にすべて投入した状態で重合を開始させ、最終重合率を95%でアクリルゴムGを得た。
このアクリルゴムGの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.7質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.5質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位52.9質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位34.1質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.8質量%であった。また、数平均分子量Mn=36万、分子量分布Mw/Mn=4.2であった。
<アクリルゴムH>
アクリルゴムFと同様な方法であるが、モノマー混合液をあらかじめ反応容器にすべて投入した状態で重合を開始させ、最終重合率95%でアクリルゴムHを得た。
このアクリルゴムHの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.7質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位67.6質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位29.1質量%であった。また、数平均分子量Mn=20万、分子量分布Mw/Mn=4.3であった。
<アクリルゴムI>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、アクリル酸エチル10.7kg、アクリル酸n-ブチル500g、マレイン酸モノブチル300g、tert-ドデシルメルカプタン1.4gに変更して、最終重合率95%でアクリルゴムIを得た。
このアクリルゴムIの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.6質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位91.7質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位5.1質量%であった。また、数平均分子量Mn=21万、分子量分布Mw/Mn=3.8であった。
<アクリルゴムJ>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、アクリル酸エチル4.4kg、アクリル酸n-ブチル6.8kg、マレイン酸モノブチル300g、tert-ドデシルメルカプタン1.4gに変更して、最終重合率95%でアクリルゴムJを得た。
このアクリルゴムJの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.7質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位37.6質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位59.1質量%であった。また、数平均分子量Mn=21万、分子量分布Mw/Mn=3.6であった。
<アクリルゴムK>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、マレイン酸モノブチルを用いずに重合を開始して、最終重合率95%でアクリルゴムKを得た。
このアクリルゴムKの共重合体組成は、エチレンモノマー単位2.2質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位53.6質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位34.3質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.9質量%であった。また、数平均分子量Mn=34万、分子量分布Mw/Mn=3.8であった。
<アクリルゴムL>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、マレイン酸モノブチル量を3.0kgに変更して、最終重合率95%でアクリルゴムLを得た。
このアクリルゴムLの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.9質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位15.3質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位47.2質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位26.5質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.1質量%であった。また、数平均分子量Mn=29万、分子量分布Mw/Mn=3.6であった。
<アクリルゴムM>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、モノマー混合液の内、30質量%をあらかじめ反応容器にすべて投入した状態で重合を開始させ、最終重合率95%でアクリルゴムMを得た。
このアクリルゴムMの共重合体組成は、エチレンモノマー単位2.1質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位53.1質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位33.5質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.7質量%であった。また、数平均分子量Mn=35万、分子量分布Mw/Mn=4.1であった。
<アクリルゴムN>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、重合温度を10℃の状態で重合を開始させ、最終重合率95%でアクリルゴムNを得た。
このアクリルゴムNの共重合体組成は、エチレンモノマー単位2.5質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位52.8質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位33.4質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.7質量%であった。また、数平均分子量Mn=38万、分子量分布Mw/Mn=2.9であった。
<アクリルゴムO>
アクリルゴムAと同様な方法であるが、重合温度を80℃の状態で重合を開始させ、最終重合率95%でアクリルゴムOを得た。
このアクリルゴムNの共重合体組成は、エチレンモノマー単位1.8質量%と、マレイン酸モノブチルモノマー単位1.6質量%と、アクリル酸エチルモノマー単位53.1質量%と、アクリル酸n-ブチルモノマー単位33.6質量%、メタクリル酸メチルモノマー単位9.9質量%であった。また、数平均分子量Mn=33万、分子量分布Mw/Mn=4.1であった。
<物性試験方法>
アクリルゴムA~Oのトルエン不溶分とダイスウェルを以下の条件で評価し、測定結果を表2に示した。
(1)トルエン不溶分
試料1g(a)を精秤しトルエン100mlに温度25℃で48時間かけて溶解させた後、溶解液を事前に質量(b)を測定した容量250mlの遠心管に移し、最大遠心半径13.8cmのアングルローターを用いて、温度10℃以下、8500rpmで60分間遠心分離し、非沈殿物をデカンテーションにより取り除き、温度70℃の真空乾燥器で24時間乾燥させ、乾燥後の遠心管の質量(d)を測定し、下式により算出した。
トルエン不溶分(%)=(d-b)/a×100
(2)ダイスウェル
キャピログラフ1D型(東洋精機製作所社製)を使用し、バレル温度150℃、バレル径9.55mm、キャピラリー長さ:L=40mm、キャピラリー径:D1=1mm(L/D=40)、ピストン降下速度500mm/分(せん断速度6080s-1)、室温環境下(25±2℃)にてアクリルゴムをストランド状に押出し、下記式により求めた。
ダイスウェル(%)=(W/(lρS)-1)×100
(ただし、W、lはサンプルの質量(g)と長さ(cm)、ρはアクリルゴムの比重、Sはダイの面積(cm)である。)
Figure 0007204657000002
<アクリルゴム組成物の作製>
上記の方法で得たアクリルゴムを、表3の組成で、0.5L加圧型ニーダーにて15分混練後、6インチオープンロールを用いて20分混練した。
Figure 0007204657000003
<アクリルゴム組成物の加硫物の作製>
得られたアクリルゴム組成物を厚さ2.4mmのシートに分出しした後、プレス加硫機で170℃、40分間一次加硫をした後、170℃、4時間のギヤーオーブンで二次加硫をして、加硫物を作製した。
<物性試験方法>
得られたアクリルゴム組成物の押出性と、アクリルゴム組成物の加硫物の引張強さ・切断時伸び、硬度、耐熱性試験及び屈曲疲労性を以下の条件で評価し、測定結果を表3に示した。
(1)押出性
ゴム単軸押出機(スクリュー径:50mm)を使用し、チューブ状(内径:9mm、外径:14mm)に成形して、鉛直方向のチューブ押出長さ及びダイスウェルを測定した。ダイスウェルは、上述と同一の方法で測定した。
(2)引張強さ・切断時伸び
JIS K6251-2010に準拠して測定した。
(3)硬度
JIS K6253-3に準拠してタイプAデュロメータを用いて測定した。
(4)耐熱性試験
JIS K6257-2010に準拠して試験温度190℃、試験時間504時間熱処理した後の、アクリルゴム組成物の加硫物の引張強さ・切断時伸び及び硬度変化を測定した。
(5)硬度変化
JIS K6253-3に準拠してタイプAデュロメータを用いて測定した。
(6)屈曲疲労性(屈曲き裂発生試験)
JIS-K6260:2010に準拠して測定した。アクリルゴムは、表1の組成で0.5L加圧型ニーダー、6インチオープンロールを用いて混練し、厚さ2.4mmのシートに分出しした後、プレス加硫機で170℃、40分のプレス加硫、その後170℃、4時間のギヤーオーブンによる二次加硫を行ったものを使用した。
屈曲疲労性の評価は以下に従い評価した。
A:200万回以上
B:150万回以上200万回未満
C:150万回未満
表2及び3に示されるとおり、本発明のアクリルゴムは押出性(ダイスウェル)に優れ、これを加硫して得られるアクリルゴム組成物の加硫物は機械物性及び耐熱性、屈曲疲労性に優れていた。

Claims (15)

  1. 炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル100質量部と、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル20~160質量部と、カルボキシル基を含有する架橋席モノマー0.1~10質量部と、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル10~50質量部とを含有するモノマー成分の全質量のうち80~100質量%を分添させて、重合温度20~60℃で乳化重合を行い、アクリルゴムを得る、アクリルゴムの製造方法。
  2. 前記モノマー成分が、エチレン0~10質量部を更に含有する、請求項に記載のアクリルゴムの製造方法。
  3. 一時間当たりの前記モノマー成分の分添量が、前記モノマー成分の全質量の5~25質量%である、請求項1又は2に記載のアクリルゴムの製造方法。
  4. 前記アクリルゴムが、150℃で剪断速度6080s-1におけるダイスウェルが1.3~2.0以下、数平均分子量(Mn)が10万~40万かつ分子量分布(Mw/Mn)が2~4、トルエン不溶分が15%以下のアクリルゴムである、請求項1~3のいずれか一項に記載のアクリルゴムの製造方法。
  5. モノマー単位として、炭素数1~3のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル100質量部と、炭素数4~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル20~160質量部と、カルボキシル基を含有する架橋席モノマー0.1~10質量部と、炭素数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル10~50質量部とを含有し、150℃、剪断速度6080s-1におけるダイスウェルが1.3~2.0、数平均分子量(Mn)が10万~40万かつ分子量分布(Mw/Mn)が2~4、トルエン不溶分が15%以下のアクリルゴム。
  6. さらに、モノマー単位として、エチレンを0~10質量部含有する、請求項に記載のアクリルゴム。
  7. 請求項5又は6に記載のアクリルゴム100質量部と、カーボンブラック30~80質量部を含むアクリルゴム組成物。
  8. カーボンブラックが、算術平均粒子径25~40nm、ジブチルフタレート(DBP)吸油量150~240ml/100g、窒素吸着比表面積(NSA)とよう素吸着量(IA)の比(NSA/IA)0.6~0.9、かつ結晶子内の層平面のC軸方向の平均積み重なり高さ(Lc)が2nm以上である、請求項に記載のアクリルゴム組成物。
  9. カーボンブラックが、アセチレンブラックである、請求項7又は8に記載のアクリルゴム組成物。
  10. 請求項7~9のいずれか一項に記載のアクリルゴム組成物の加硫物。
  11. 190℃で500時間加熱した後の引張強さが2.0~7.0MPa、切断時伸びが100~210%である請求項10に記載の加硫物。
  12. JIS-K6260:2010に準拠して測定した屈曲き裂発生試験において、150万回折り曲げ操作をした後に外観にひび割れ及び亀裂が認められない請求項10又は11に記載の加硫物。
  13. 100~200℃で1~10時間スチーム加硫又はプレス加硫を行う一次加硫工程と、一次加硫工程で得られた加硫物を100~200℃で1~10時間熱空気加硫を行う二次加硫工程を有する、請求項10~12のいずれか一項に記載の加硫物の製造方法。
  14. 請求項10~12のいずれか一項に記載の加硫物を用いたゴムホース。
  15. 請求項10~12のいずれか一項に記載の加硫物を用いたシール部品。
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