JP7190162B2 - ダイラタンシー性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイラタンシー性組成物に関する。
瞬間的に加えられる応力に対しては高粘性となって高い剛性を発揮し、静的な応力に対しては低粘性となって柔軟性を示す、所謂ダイラタンシー性を有するダイラタンシー性組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2018-80236号公報
この種の組成物では、応力が取り除かれた後に、時間をかけて元の形状へ戻る遅延弾性(形状復元性)が求められることがあった。しかしながら、従来は、ダイラタンシー性と、遅延弾性とを両立させることが難しく、改善の余地があった。
本発明の目的は、ダイラタンシー性を備えつつ、遅延弾性を示すダイラタンシー性組成物を提供することである。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 重量平均分子量が150,000~300,000であるスチレン系エラストマー100質量部と、40℃における動粘度が40mm/s以下であるプロセスオイル45質量部以上124質量部以下と、軟化点が120℃以下である脂環族飽和炭化水素樹脂60質量部以上300質量部以下と、応力緩和係数が7.0以上であるα-オレフィン共重合体370質量部以上650質量部以下とを有するダイラタンシー性組成物。
<2> 前記脂環族飽和炭化水素樹脂及び前記α-オレフィン共重合体の合計含有割合が、65~74質量%である前記<1>に記載のダイラタンシー性組成物。
本願発明によれば、ダイラタンシー性を備えつつ、遅延弾性を示すダイラタンシー性組成物を提供することができる。
本実施形態のダイラタンシー性組成物は、主として、スチレン系エラストマーと、プロセスオイルと、脂環族飽和炭化水素樹脂と、α-オレフィン共重合体とを備えている。
スチレン系エラストマーとしては、重量平均分子量が150,000~300,000であるものが用いられる。このようなスチレン系エラストマーは、十分なプロセスオイルの保持能力等を備えており、ダイラタンシー性組成物の硬度を所望の範囲(低硬度)に調整することができる。スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、及びスチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせてもちいてもよい。
プロセスオイルとしては、40℃における動粘度が40mm/s以下であるものが用いられる。動粘度がこのような範囲であると、ダイラタンシー性組成物の硬度を所望の範囲(低硬度)に調整することができ、好ましい。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル等が挙げられる。プロセスオイルとしては、スチレン系エラストマーとの相溶性等の観点より、パラフィン系プロセスオイルが好ましい。
ダイラタンシー性組成物において、プロセスオイルの配合量は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、45質量部以上であり、好ましくは50質量部以上であり、124質量部以下であり、好ましくは110質量部以下である。プロセスオイルの配合量がこのような範囲であると、ダイラタンシー性組成物の硬度を所望の範囲(低硬度)に調整することができる。しかも、ダイラタンシー性組成物の離型性が確保される。
脂環族飽和炭化水素樹脂としては、JIS K 2207に規定された「石油アスファルト軟化点試験法(環球法)」による軟化点が120℃以下(好ましくは、110℃以下)であるものが使用される。軟化点がこのような範囲であると、ダイラタンシー性組成物において、ダイラタンシー性(応力緩和性)、遅延弾性、離型性、低硬度性が確保される。
前記脂環族飽和炭化水素樹脂の市販品としては、例えば、商品名「アルコン(登録商標)シリーズ」等が挙げられる。
ダイラタンシー性組成物において、脂環族飽和炭化水素樹脂の配合量は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、60質量部以上であり、好ましくは80質量部以上であり、300質量部以下であり、好ましくは290質量部以下である。脂環族飽和炭化水素樹脂の配合量が、このような範囲であると、ダイラタンシー性組成物において、ダイラタンシー性(応力緩和性)、遅延弾性、離型性、低硬度性が確保される。
α-オレフィン共重合体としては、応力緩和係数が7.0以上であるものが使用される。応力緩和係数がこのような範囲であると、ダイラタンシー性組成物において、ダイラタンシー性(応力緩和性)、遅延弾性、及び耐寒性が確保される。なお、α-オレフィン共重合体の応力緩和係数は、後述する圧縮試験により、縦20mm、横20mm、厚み3mmのシート状のサンプルを用いて、測定された値である。
α-オレフィン共重合体としては、例えば、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体が用いられてもよい。このようなα-オレフィン系共重合体としては、例えば、40~150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が、0℃以上45℃以下(好ましくは10℃以上40℃以下、より好ましくは20℃以上40℃以下)のものが利用されてもよい。
また、前記α-オレフィン共重合体としては、4-メチル-1-ペンテンに由来する構成単位が60~80%モル、α-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)に由来する構成単位が20~40%モルのものが利用されてもよい。
α-オレフィン共重合体に利用されるモノマー(α-オレフィン)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等の炭素数2~20(好ましくは炭素数2~15、より好ましくは炭素数2~10)の直鎖状のα-オレフィン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン等の炭素数5~20(好ましくは炭素数5~15)の分岐鎖状のα-オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
なお、本発明の目的を損なわない限り、前記α-オレフィン共重合体は、前記α-オレフィン以外の他の共重合性モノマー(例えば、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン)に由来する構成単位を含んでもよい。
前記α-オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、商品名「アブソートマー(登録商標)シリーズ」(三井化学株式会社製)等が挙げられる。
ダイラタンシー性組成物において、α-オレフィン共重合体の配合量は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、370質量部以上であり、好ましくは380質量部以上であり、650質量部以下であり、好ましくは640質量部以下である。α-オレフィン共重合体の配合量が、このような範囲であると、ダイラタンシー性組成物において、ダイラタンシー性(応力緩和性)、遅延弾性、及び耐寒性が確保される。
なお、ダイラタンシー性組成物において、脂環族飽和炭化水素樹脂及びα-オレフィン共重合体の合計含有割合は、65~74質量%であることが好ましい。前記合計含有割合がこのような範囲であると、ダイラタンシー性組成物において、ダイラタンシー性(応力緩和性)、遅延弾性が確保される。
本実施形態のダイラタンシー性組成物は、更に、他の添加剤として、樹脂成分、界面活性剤、タルク等の充填剤、人造黒鉛粉末等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、増粘剤等を含んでもよい。
前記樹脂成分は、ダイラタンシー性組成物の離型性、成形性等を改善するために添加されてもよい。前記樹脂成分は、例えば、重量平均分子量が1000~5000程度のものが利用されてもよい。前記樹脂成分は、ダイラタンシー性組成物の全質量(100質量%)に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下の範囲で使用されてもよい。樹脂成分としては、低分子量ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)が好ましい。
前記界面活性剤は、ダイラタンシー性組成物の離型性、成形性等を改善するために添加されてもよい。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、特に脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤が好ましい。前記界面活性剤は、ダイラタンシー性組成物の全質量(100質量%)に対して、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下の範囲で使用されてもよい。
前記充填剤は、ダイラタンシー性組成物の離型性、成形性等を改善するために添加されてもよい。前記充填剤としては、平均粒径(D50)が25μm以下(好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下)のものが使用されてもよい。特に、前記充填剤としては、スチレン系エラストマー等との混合性等を考慮して、タルクが好ましい。前記充填剤は、ダイラタンシー性組成物の全質量(100質量%)に対して、10質量%以下、好ましくは8質量%以下の範囲で使用されてもよい。
着色剤としては、人造黒鉛粉末等の黒鉛類、顔料、染料等が利用されてもよい。前記着色剤は、ダイラタンシー性組成物の全質量(100質量%)に対して、5質量%以下、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは4質量%以下の範囲で使用されてもよい。
本実施形態のダイラタンシー性組成物は、スチレン系エラストマー、プロセスオイル、脂環族飽和炭化水素樹脂、α-オレフィン共重合体等の各成分を所定の割合で混合し、ニーダーや押出機等を用いて加熱溶融・混練することにより作製することができる。混練後、例えば、射出成形、コンプレッション成形、Tダイ押出成形等により、シート状等の所望の形状に成形することができる。
本実施形態のダイラタンシー性組成物は、優れたダイラタンシー性(応力緩和性)を備えている。ダイラタンシー性組成物の応力緩和係数は、3以上であり、4以上が好ましい。応力緩和係数は、後述する圧縮試験により求められる。
また、本実施形態のダイラタンシー性組成物は、遅延弾性(形状復元性)を備えている。ダイラタンシー性組成物の遅延弾性は、後述する曲げ試験を利用して評価される。
また、本実施形態のダイラタンシー性組成物は、離型性、耐寒性、低硬度性等にも優れている。離型性、耐寒性、低硬度性の評価方法は、後述する。
このようなダイラタンシー性組成物は、例えば、カバンの取っ手、テニスラケットのグリップ部等に利用されてもよい。また、本実施形態のダイラタンシー性組成物は、スキーやスノーボード等のスポーツ用のプロテクター、ヘルメットの代わりになるキャップ、バイク用のウェア等の衝撃吸収素材としても利用されてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔原料組成物の作製〕
(実施例1~7及び比較例1~9)
スチレン系エラストマー、プロセスオイル、脂環族飽和炭化水素樹脂、α-オレフィン共重合体、低分子量ポリオレフィン、界面活性剤、タルク及び人造黒鉛粉末を、表1及び表2に示される配合量(質量部)で配合して、実施例1~7及び比較例1~9の原料組成物を作製した。なお、各成分の詳細は、以下の通りである。
<スチレン系エラストマー>
商品名「セプトン(登録商標) 4055」(クラレ株式会社製)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、重量平均分子量約260,000
<プロセスオイル>
商品名「ダイアナプロセスオイル PW-32」(出光興産株式会社製)、パラフィン系プロセスオイル、40℃における動粘度:30mm/s
<脂環族飽和炭化水素樹脂>
商品名「アルコン(登録商標) P-100」、軟化点(環球法):100±5℃
<α-オレフィン共重合体>
商品名「アブソートマー(登録商標) EP-1001」(三井化学株式会社製)、応力緩和係数:7.99(比較例10の応力緩和係数の測定結果)、ガラス転位温度:30℃、引張強度:29MPa、引張弾性率:400MPa、密度:840kg/m
<低分子量ポリオレフィン>
商品名「ハイワックス 200P」(三井化学株式会社製)、高密度タイプ、分子量:2000、密度:970kg/m、融点:122℃、軟化点:130℃、溶融粘度:80mPa・s(140℃)
<界面活性剤>
商品名「レオドール(登録商標) SP-S10V」(花王株式会社製)、ソルビタンモノステアレート(脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤)
<タルク>
商品名「MS412」(富士タルク工業株式会社製)、見掛け密度:0.30g/ml、平均粒径(D50):12μm
<人造黒鉛粉末>
商品名「UF-G30」(昭和電工株式会社製)、平均粒径:10μm、真比重2.2g/cm、嵩比重:0.3g/cm
〔シートの作製〕
得られた原料組成物を、ラボプラストミル(型番「150C」、株式会社東洋精機製作所製)にて混練した。混練時の温度条件は、スチレン系エラストマー及びその他の成分の溶融温度以上の温度に相当する180℃に設定し、混練時間は3分とした。混練後の組成物を粗粉加工し、それをプレス機にて、180℃で予熱1分及び加圧1分(圧力:5kN/cm)のプレス条件でプレス成形して、実施例1~7及び比較例1~9シートを得た。
(比較例10)
比較例10として、α-オレフィン共重合体のみからなるシートを作製した。
〔評価〕
(離型性:タック性試験)
各実施例及び各比較例において、縦20mm、横20mm、厚み3mmのシート状のサンプルを用意した。サンプルに対して、ロードセルを5mm/分の速度で押し付け、4.9Nの応力がかかった時点から2秒間保持した。2秒後、ロードセルを5mm/分の速度で引き上げ、サンプルにかかる荷重が0Nになった時点から圧子を引き剥がすのに要する力を測定した。なお、ロードセルの圧子の材質は、SUSであり、サイズは直径15mmである。圧子を引き剥がす力が1N以下の場合、タック性が抑えられ、離型性が良い(記号「〇」)と判断した。これに対し、圧子を引き剥がす力が1Nを超える場合、タック性が強く、離型性が悪い(記号「×」)と判断した。結果は、表1及び表2に示した。
(応力緩和係数:圧縮試験)
各実施例及び各比較例において、縦20mm、横20mm、厚み3mmのシート状のサンプルを用意した。サンプルに対して、室温(23℃)条件下で、ロードセルを30mm/分の速度で押し付け、圧縮率が20%になった時点から、その状態を20秒間保った。ロードセルがサンプルから受ける荷重の経時的変化を測定し、荷重の最大値をF1(N)、20秒後の荷重をF2(N)とした場合、下記式(1)で表される値を、応力緩和係数とした。結果は、表1及び表2に示した。
応力緩和係数=F1/F2 ・・・・・(1)
なお、応力緩和係数が3以上の場合、ダイラタンシー性が高く、優れていると判断され、3未満の場合、ダイラタンシー性が低いと判断される。
(遅延弾性:曲げ試験)
各実施例及び各比較例において、縦30mm、横60mm、厚み3mmのシート状のサンプルを用意した。サンプルを水平な台上におき、短辺側の端部同士が上下で重なるように、サンプルを折り曲げて2つ折りの状態とした。その後、曲げ応力を解放して、それから、上側に配される一方のサンプル片が、下側に配される台上の他方のサンプル片に対して、垂直な状態(50%元へ戻った状態)となるまでの時間(秒数)(以下、50%戻り時間)を測定した。結果は、表1及び表2に示した。
なお、前記50%戻り時間が、1秒以上20秒以下の場合、適度な遅延弾性を備えていると判断され、3秒以上20秒以下の場合、特に好ましい遅延弾性を備えていると判断される。これに対し、前記50%戻り時間が、1秒未満の場合、遅延弾性を備えていないと判断される。また、前記50%戻り時間が、20秒を超える場合も、戻り時間が遅すぎるため、問題があると判断される。
(硬度:スプリング式硬さ試験)
各実施例及び各比較例において、縦60mm、横60mm、厚み3mmのシート状のサンプルをそれぞれ2枚用意し、それらを重ねて厚みが6mmのサンプルを用意した。そして、そのサンプルの表面に、定圧荷重器(製品名「EDL-1」、有限会社エラストロン製)に取り付けられたアスカーゴム硬度計C型を接触させて、直ちに表示された値を読み取る形で、硬度(アスカーC硬度)を測定した。結果は、表1及び表2に示した。
なお、硬度が、78以上80以下の場合、適度な硬さ(柔軟性)を備えていると判断され、78未満の場合、特に好ましい硬さ(柔軟性)を備えていると判断される。これに対し、硬度が80を超える場合、硬すぎると判断される。硬度の下限値は、例えば、55以上であることが好ましい。
(耐寒性:-40℃割れ試験)
各実施例及び各比較例において、縦10mm、横60mm、厚み3mmのシート状のサンプルを用意した。サンプルを、-40℃の環境下に1時間以上放置した後、それを、短辺側の端部同士が上下で重なるように手動で折り曲げて、割れの有無を確認した。割れが発生した場合を、記号「×」で表し、割れが発生しなかった場合を、記号「〇」で表した。結果は、表1及び表2に示した。
Figure 0007190162000001
Figure 0007190162000002
実施例1~7のサンプルは、表1及び表2に示されるように、応力緩和係数が、3以上であり、優れたダイラタンシー性(応力緩和性)を備えていることが確かめられた。
また、実施例1~7のサンプルは、曲げ試験の結果、サンプル片の戻り時間(50%復元)が、1秒以上であり、遅延弾性を備えていることが確かめられた。特に、実施例1、3、4、6は、サンプル片の戻り時間が3秒以上であり、特に優れた遅延弾性を備えている。
また、実施例1~7のサンプルは、硬度C(瞬間)が80未満であり、適度な硬度を備えていることが確かめられた。特に、実施例1、2、5は、硬度C(瞬間)が77以下(78未満)であり、低硬度性に優れている。
また、実施例1~7のサンプルは、離型性、耐寒性に優れていることが確かめられた。
比較例1,2は、α-オレフィン共重合体の配合量が少な過ぎる場合であり、ダイラタンシー性が低く、また、遅延弾性を備えていないこと(直ぐに元の形状に復元すること)が確かめられた。また、比較例3は、α-オレフィン共重合体を含まない場合であり、ダイラタンシー性が低く、遅延弾性を備えていない上に、-40℃で割れてしまい耐寒性に問題があった。
比較例4,5は、α-オレフィン共重合体の配合量が多過ぎる場合であり、硬くなり過ぎるため、低硬度性に問題があった。
比較例6は、脂環族飽和炭化水素樹脂の配合量が多過ぎる場合であり、硬くなり過ぎ、低硬度性に問題があった。また、離型性にも問題があった。離型性が悪いと、部材同士が接触した場合に、それらを分離することが難しくなり、作業性が悪くなってしまう。
比較例7は、脂環族飽和炭化水素樹脂の配合量が少な過ぎる場合であり、ダイラタンシー性が低く、しかも、遅延弾性を備えていないこと(直ぐに元の形状に復元すること)が確かめられた。
比較例8は、プロセスオイルの配合量が少な過ぎる場合であり、硬度が高く、低硬度性に問題があった。
比較例9は、プロセスオイルの配合量が多過ぎる場合であり、ダイラタンシー性が低く、しかも離型性に問題があった。
比較例10は、α-オレフィン共重合体のみからなる場合であり、硬度が高く、低硬度性を備えていないことが確かめられた。また、比較例10は、遅延弾性の評価において、50%戻り時間が30秒となった。このように戻り時間が遅い素材を、繰り返し連続使用する箇所に適用することは、好ましくない。

Claims (2)

  1. 重量平均分子量が150,000~300,000であるスチレン系エラストマー100質量部と、
    40℃における動粘度が40mm/s以下であるプロセスオイル45質量部以上124質量部以下と、
    軟化点が120℃以下である脂環族飽和炭化水素樹脂60質量部以上300質量部以下と、
    応力緩和係数が7.0以上であるα-オレフィン共重合体370質量部以上650質量部以下とを有し、
    前記α-オレフィン共重合体は、4-メチル-1-ペンテンに由来する構成単位が60~80%モル、α-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)に由来する構成単位が20~40%モルのものであり、かつ40~150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が、0℃以上45℃以下であるダイラタンシー性組成物。
  2. 前記脂環族飽和炭化水素樹脂及び前記α-オレフィン共重合体の合計含有割合が、65~74質量%である請求項1に記載のダイラタンシー性組成物。
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