JP2006111757A - 粘弾性エラストマー - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性と柔軟性とを兼ね備えた粘弾性エラストマーを提供すること。
【解決手段】スチレン系エラストマーからなる基材樹脂と、軟化剤と、基材樹脂と相溶性を有する粘着付与樹脂とを含有する粘弾性エラストマーである。該粘弾性エラストマーは、基材樹脂を100重量部に対して、軟化剤を50重量部〜600重量部、粘着付与樹脂を500〜2000重量部含有する。軟化剤は、動粘度100mm2/s以上のパラフィン系プロセスオイルであることが好ましい。また、粘着付与樹脂は水添石油樹脂であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、剛性と柔軟性とを兼ね備える粘弾性エラストマーに関する。
近年、携帯電話、PDA、ノートパソコン等の携帯情報端末機器等においては、その表示部に液晶表示パネルが用いられている。この液晶表示パネルは、一般に耐衝撃性が悪く、落下等により衝撃が加わると容易に破損することが知られている。
そのため、特に携帯情報端末機器等の用途においては、図3及び図4に示すごとく、液晶表示パネル9に、ウレタン等からなる柔軟性に優れた衝撃緩衝材90を密着形成することが行われていた(特許文献1及び2参照)。
このように衝撃緩衝材90を密着させることにより、液晶表示パネル9に加えられた衝撃が、柔軟性の高い衝撃緩衝材90の変形により吸収され、液晶表示パネル9の破損を防止することができる。
しかしながら、ウレタン等から衝撃緩衝材90は、柔軟性が高い一方で、剛性が非常に低い。そのため、大きな衝撃に対する衝撃吸収効果は不充分であった。
即ち、図4に示すごとく、落下等により液晶表示パネル9に瞬間的に大きな衝撃が加えられると、衝撃緩衝材90が瞬間的に大きく変形し、加えられた衝撃を充分に吸収できない場合があった。この場合、特に液晶表示パネル9における衝撃緩衝材90が密着していない部分に、破損が生じやすいという問題があった。
そのため、液晶表示パネル等の衝撃緩衝材としては、新たな材料の開発が望まれていた。
特開平11−174417号公報 特開2000−284699号公報
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、剛性と柔軟性とを兼ね備えた粘弾性エラストマーを提供しようとするものである。
本発明は、スチレン系エラストマーからなる基材樹脂と、軟化剤と、上記基材樹脂と相溶性を有する粘着付与樹脂とを含有する粘弾性エラストマーであって、
該粘弾性エラストマーは、上記基材樹脂100重量部に対して、上記軟化剤を50〜600重量部、及び上記粘着付与樹脂を500〜2000重量部含有することを特徴とする粘弾性エラストマーにある(請求項1)。
上記粘弾性エラストマーにおいては、上記基材樹脂と上記軟化剤と上記粘着付与樹脂とを、上記特定量含有している。
そのため、上記粘弾性エラストマーは、剛性と柔軟性という相反する特性を兼ね備えることができ、擬似的なダイラタンシーとしての挙動を示すことができる。
即ち、上記粘弾性エラストマーは、瞬間的に加えられた応力、即ち大きな速度で加えられた応力に対しては、粘度が大きい材料としての挙動を示し、優れた剛性を発揮できる。一方、緩やかに加えられた応力、即ち小さな速度で加えられた応力に対しては、粘度が小さい(弾性が大きい)材料としての挙動を示し、高い柔軟性を発揮することができる。
また、上記粘弾性エラストマーは、粘着性を有している。そのため、上記粘弾性エラストマーは、他の部材に対して容易に貼り付けることができる。
このように、本発明によれば、剛性と柔軟性とを兼ね備えた粘弾性エラストマーを提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の粘弾性エラストマーは、上記基材樹脂100重量部に対して、上記軟化剤50重量部〜600重量部と、上記粘着付与樹脂500〜2000重量部とを含有する。
上記軟化剤の含有量が50重量部未満の場合には、上記粘弾性エラストマーの柔軟性が低下し、充分な衝撃吸収ができなくなるおそれがある。一方、600重量部を超える場合には、軟化剤がブリードしたり、圧縮永久歪特性が大きくなってしまうおそれがある。好ましくは、上記軟化剤の含有量は、100〜300重量部がよい。
また、上記粘着付与樹脂の含有量が500重量部未満の場合には、大きな速度で加えられた応力に対する剛性が充分に発揮できないおそれがある。一方、2000重量部を超える場合には、上記粘弾性エラストマーの柔軟性が低下するおそれがある。好ましくは、上記粘着付与樹脂の含有量は、500〜800重量部がよい。
また、上述のごとく、上記粘弾性エラストマーは、擬似的なダイラタンシーとしての挙動を示すことができる。
ダイラタンシー(性)は、もともと変形により体積の増加を示す分散系が流動性を低下させる現象をいう。例えば均一粒径の粒子が密に充填されているとき等において、せん断により生じる流動は粒同士の隙間を押し広げながら流出する。そのため、流体の体積は膨張し、見かけ上物質の粘度が上昇するのである。
しかし、近年においては、せん断速度の増加によって粘度が上昇するような非ニュートン流動に対しても拡張して使用される。したがって、ダイラタンシー(性)は、本来の体積の増加を伴うような現象のみではなく、広くはせん断速度の増加によって粘度が上昇する現象をさしていう。
次に、上記基材樹脂は、スチレン系エラストマーからなる。このようなスチレン系エラストマーとしては、例えばスチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、及びスチレンイソブチレンスチレン共重合体(SIBS)等から選ばれる1種以上を用いることができる。
また、上記軟化剤としては、例えばパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ポリαオレフィン(PAO)、液状ポリブテン、及び液状ポリイソブチレン等から選ばれる1種以上を用いることができる。
好ましくは、上記軟化剤は、温度40℃における動粘度100mm2/s以上のパラフィン系プロセスオイルがよい(請求項2)。
この場合には、上記基材樹脂と上記軟化剤との相溶性が高くなり、オイルブリードの発生を抑制することができる。また、オイルブリードにより発生したオイルが上記粘弾性エラストマーの被着体に移行して被着体が汚染されてしまうことを抑制することができる。
上記軟化剤の動粘度が100mm2/s未満の場合には、軟化剤が揮発し易くなるため、高温時に上記粘弾性エラストマーの重量が減少したり、臭気が強くなるおそれがある。また、この場合には、圧縮永久歪が大きくなるおそれがある。
上記軟化剤の動粘度は、例えばJIS K 2283に規定された「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」等により測定することができる。
また、上記粘着付与樹脂としては、例えばロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、石炭樹脂、フェノール樹脂、及びキシレン樹脂等から選ばれる1種以上を用いることができる。
上記ロジン樹脂としては、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、及び変性ロジン等がある。
テルペン樹脂としては、例えばα−ピネン系テルペン樹脂、β−ピネン系テルペン樹脂、ジペンテン系テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、及び水素添加テルペン樹脂等を用いることができる。
石油樹脂としては、例えば脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合系(C5/C9系)石油樹脂、脂環族系(水素添加系、ジシクロペンタジエン(DCPD)系)石油樹脂、及びスチレン系(スチレン系、置換スチレン系)石油樹脂等を用いることができる。
石炭樹脂としては、例えばクマロン・インデン樹脂等を用いることができる。
また、上記粘着付与樹脂は、上記基材樹脂と相溶性を有する。
相溶性を支配する因子としては、例えば溶解度パラメータ(SP値)等がある。
一般的に、上記粘着付与樹脂は、そのSP値が上記基材樹脂のSP値に近く、低分子量、かつ狭分布である程、上記基材樹脂との相溶性が高い。
上記スチレン系エラストマーからなる基材樹脂のSP値は、およそ8〜9である。したがって、上記粘着付与樹脂としては、SP値が7〜10であるものを用いることが好ましい。より好ましくは、上記粘着付与樹脂と上記基材樹脂とのSP値の差が1以下であることがよい。
SP値(δ)は、モル蒸発エネルギー(ΔE)及びモル体積(V)に基づいて、例えば以下の式(1)に基づいて算出できる。
δ=(ΔE/V)1/2 ・・・・(1)
また、上記粘着付与樹脂は、耐熱性に優れるものであることが好ましい。具体的には、上記粘着付与樹脂は、JIS K 2207に規定の石油アスファルト軟化点試験法(環球法)による軟化点が100℃以上であることが好ましい。環球法による軟化点が100℃未満の場合には、上記粘着付与樹脂の耐熱性が低下するため、上記粘弾性エラストマーの使用環境温度の上限が低くなり過ぎてしまうおそれがある。
好ましくは、上記粘着付与樹脂は水添石油樹脂であることがよい(請求項3)。
この場合には、上記基材樹脂と上記粘着付与樹脂との相溶性をより向上させることができる。また、この場合には、上記粘弾性エラストマーの耐候性を向上させることができる。
また、上記粘弾性エラストマーは、上記基材樹脂、上記軟化剤、及び上記粘着付与樹脂の他に、流動性向上樹脂、フィラー、及び着色顔料等を含有することができる。
上記流動性向上樹脂は、上記基材樹脂100重量部に対して、1〜50重量部含有させることができる。
この場合には、上記粘弾性エラストマーの流動性を高め、上記粘弾性エラストマーの成形性を向上させることができる。
上記流動性向上樹脂の含有量が1重量部未満の場合には、上記粘弾性エラストマーの流動性の向上効果が充分に得られないおそれがある。一方、50重量部を超える場合には、上記粘弾性エラストマーが硬くなり、柔軟性が低下するおそれがある。
また、上記流動性向上樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、変性ポリオレフィン、ポリペンテン、及びフッ素系ポリマー等から選ばれる1種以上を用いることができる。好ましくはポリプロピレンがよい。
また、上記フィラーは、上記基材樹脂100重量部に対して、100重量部以下含有させることができる。
この場合には、上記粘弾性エラストマーが有する、上述の擬似的なダイラタンシー特性を維持しつつ、上記粘弾性エラストマーの製造コストを低下させることができる。
フィラーの含有量が100重量部を超える場合には、上述の擬似的なダイラタンシー特性が充分に発揮できなくなるおそれがある。
また、上記着色顔料は、上記基材樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部含有させることができる。
この場合には、上記粘弾性エラストマーに所望の色を付与することができる。
上記着色顔料の含有量が0.1重量部未満の場合には、所望の着色を充分に付与することができないおそれがある。一方50重量部を超える場合には、着色顔料が凝集して分散不良を起こし、被着体に色が移行してしまうおそれがある。
上記着色顔料としては、例えば天然無機顔料、合成無機顔料、天然有機顔料、合成有機顔料等がある。
天然無機顔料としては、例えばイエローオーカー、テールベルト、ローシェンナ、ローアンバー、カッセルアース、白亜、石膏等の土系顔料、バーントシェンナ、バーントアンバー等の焼成土、ラピスラズリ、アズライト、マラカイト、オーピメント、辰砂等の鉱物性顔料、珊瑚末、胡粉等がある。
合成無機顔料としては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、ジンクホワイト、チタニウムホワイト、ライトレッド、クロムオキサイドグリーン、マルスブラック等の酸化物顔料、ビリジャン、イエローオーカー、アルミナホワイト等の水酸化物顔料、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、バーミリオン、リトポン等の硫化物顔料、ウルトラマリーン、タルク、ホワイトカーボン、クレー等の珪酸塩顔料、ミネラルバイオレット、ローズコバルトバイオレット等の燐酸塩顔料、シルバーホワイト、炭酸カルシウム等の炭酸塩顔料、金粉、ブロンズ粉、アルミニウム粉等の金属粉顔料、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、カーボンブラック等の炭素顔料、プルシャンブルー、オーレオリン、雲母チタン等がある。
天然有機顔料としては、例えばマダーレーキ、ピンクマダー、ガンボージ、龍の血等の植物性顔料、コチニール、ケルメスレーキ、チリアンパープル、セピア等の動物性顔料、ビチューメン等の鉱物性顔料等がある。
合成有機顔料としては、例えばアリザリンレーキ、ローダミンレーキ、キノリンイエローレーキ等の染付レーキ顔料、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ナフトールレッド等の不溶性アゾ顔料、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド等の縮合アゾ顔料、ニッケルアゾイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー等のアゾ錯塩顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン顔料、チオインジゴ、ペリレンレッド、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンレッド−アントラキノン、ペリノン、イソインドリノン、アゾメチン等の縮合多環顔料、蛍光顔料等がある。
上記粘弾性エラストマーは、上記基材樹脂、上記軟化剤、及び上記粘着付与樹脂をニーダーや押出機などを用いて加熱溶融・混練することにより作製することができる。また、必要に応じて上記流動性向上樹脂、フィラー、着色顔料等を加えることができる。
混練後、例えば射出成形、コンプレッション成形、Tダイ押出成形等により、シート状等の所望の形状成形することができる。
上記粘弾性エラストマーに圧縮速度10mm/min以上で応力を加えて、上記粘弾性エラストマーの厚みを20%圧縮させたときに得られる経過時間に対する上記粘弾性エラストマーの荷重曲線において、上記粘弾性エラストマーは、その荷重が最大となる極大点を有し、該極大点から10秒後における上記粘弾性エラストマーの荷重をF2(N)、上記極大点における上記粘弾性エラストマーの荷重をF1(N)とすると、下記の式(1)の関係を満足することが好ましい(請求項4)。
F1/F2≧3 ・・・・(1)
上記荷重曲線は、上記粘弾性エラストマーに圧縮速度10mm/min以上で応力を加えて、上記粘弾性エラストマーの厚みを20%圧縮させ、応力を加えてからの経過時間を横軸にとり、上記粘弾性エラストマーに加えられる荷重を縦軸にとって、グラフにプロットすることにより得られる曲線である(後述の図1参照)。
上記荷重曲線において、上記粘弾性エラストマーは、弾性領域と粘性領域を示すことができる。
弾性領域は、応力が加えられて上記粘弾性エラストマーの荷重が増加する領域である。この弾性領域においては、上記粘弾性エラストマーは粘性の高い材料としての挙動を示し、優れた剛性を発揮することができる。
一方、粘性領域は、上記粘弾性エラストマーの荷重が減少する領域である。この粘性領域においては、上記粘弾性エラストマーは粘性が低く、弾性を有する材料としての挙動を示し、優れた柔軟性を発揮することができる。
上記荷重曲線において、F1/F2<3の場合には、上記粘弾性エラストマーの剛性が不充分となったり、上記粘弾性エラストマーの柔軟性が不充分となるおそれがある。
また、上記粘弾性エラストマーは、下記の式(2)の関係を満足することが好ましい(請求項5)。
F2≦10 ・・・・(2)
この場合には、上記粘弾性エラストマーは、より柔軟性に優れたものとなる。
F2>10の場合には、上記粘弾性エラストマーは、加えられた応力を充分に緩衝させることができないおそれがある。即ち、上記粘弾性エラストマーの柔軟性が不充分となるおそれがある。
上記粘弾性エラストマーは、例えば液晶パネル等の衝撃緩衝材、ハードディスクドライブの衝撃緩衝材、DVDやCDドライブの衝撃緩衝材・防振材、光学装置等の精密機器の衝撃緩衝材・防振材等に用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1及び図2を用いて説明する。
本例の粘弾性エラストマーは、スチレン系エラストマーからなる基材樹脂と、軟化剤と、上記基材樹脂と相溶性を有する粘着付与樹脂とを含有する。この粘弾性エラストマーは、基材樹脂100重量部に対して、軟化剤を200重量部、及び粘着付与樹脂を500重量部含有する。基材樹脂としては、SEEPSを、軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイルを、粘着付与樹脂としては、水添石油樹脂を用いた。
また、本例の粘弾性エラストマーは、さらに、流動性向上樹脂27重量部と、フィラー68重量部と、着色顔料14重量部とを含有する。
流動性向上樹脂としてはポリプロピレンを、フィラーとしては炭酸カルシウムを、着色顔料としてはカーボンブラックを用いた。
本例の粘弾性エラストマーの製造にあたっては、まず、原料として、SEEPS(数平均分子量が20万程度でスチレン含有量が30wt%のもの)、パラフィン系プロセスオイル(温度40℃における動粘度が400mm2/sのもの)、水添石油樹脂(脂環族系水添石油樹脂で軟化点が100℃のもの)、ランダムポリプロピレン(MFRが33g/10minのもの)、重質炭酸カルシウム(平均粒子径が2.7μmのもの)、及びカーボンブラック(粒子径が16nmで窒素吸着比表面積が250m2/gのもの)を準備した。
次いで、これらの原料をニーダーや押出機等を用いて加熱溶融・混練した。混練後、射出成形によりシート状に成形し、粘弾性エラストマーを得た。これを試料E1とする。
また、本例においては、上記試料E1の優れた特性を明らかにするため、3種類の比較用の材料(試料C1〜試料C3)を準備した。
試料C1は、基材樹脂としてのスチレン系エラストマーを100重量部、軟化剤としてのパラフィン系プロセスオイルを250重量部、着色顔料としてのカーボンブラックを5重量部含有するものである。試料C1は、これらを原料として、上記試料E1と同様に加熱溶融・混練し、シート状に成形することにより作製した。
試料C2は、基材樹脂としてのスチレン系エラストマーを100重量部、軟化剤としてのパラフィン系プロセスオイルを350重量部、流動性向上樹脂としてのランダムポリプロピレンを20重量部、フィラーとしての炭酸カルシウムを40重量部、着色顔料としてのカーボンブラックを8重量部含有するものである。試料C2は、これらを原料として、上記試料E1と同様に加熱溶融・混練し、シート状に成形することにより作製した。
また、試料C3としては、市販のウレタンフォームを準備した。
次に、上記試料E1及び試料C1〜試料C3について、その圧力緩和特性を、万能引張圧縮試験機(ミネベア(株)製のTCM−50)を用いて調べた。測定は、室温24℃、湿度45%RHという条件で行った。
具体的には、まず、厚み1mm×縦20mm×横20mmのサイズに調整した各試料(試料E1及び試料C1〜試料C3)を万能引張圧縮試験機の圧縮板に取り付けた。次いで、各試料の厚みに対し20%という設定圧縮幅、即ち各試料(厚み1mm)が厚み0.8mmまで圧縮されるように、圧縮速度10mm/minで各試料の圧縮を開始した。圧縮は、万能引張圧縮試験機のクロスヘッド(圧縮面:φ10mm、円形)により行った。そして、各試料について、経時毎の荷重の変化を測定した。その結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2において、横軸は圧縮を開始してからの経過時間(sec)を表し、縦軸は、各試料の荷重(N)を表す。また、図2は、図1における圧縮開始の0秒から10秒までの部分を示すものである。
図1及び図2より知られるごとく、上記試料E1においては、圧縮開始直後の短時間においては荷重が大きくなって極大を示し、その後10N未満という小さな値まで荷重が緩衝された。具体的には、図2に示すごとく、上記試料E1においては、圧縮開始から約1秒後に荷重38Nという極大点を示し、極大点から約10秒後に8Nまで荷重が低下している。
即ち、試料E1は、大きな速度で加えられた応力に対しては高い剛性を発揮し、小さな速度で加えられた応力に対しては高い柔軟性を発揮できることがわかる。
一方、図2より知られるごとく、試料C1、及び試料C2は、試料E1に比べて剛性には優れているが、圧縮開始から10秒経過後においても25Nを超える大きな荷重を示しており、加えられた荷重が充分に緩衝できないことがわかる。また、試料C3においては、圧縮開始から10秒後までの間に荷重が7Nを超えることはなく、柔軟性に優れ、加えられた荷重が充分に緩衝されているが、その一方で剛性をほとんど発揮できないことがわかる。
このように本発明の粘弾性エラストマー(試料E1)は、試料C1〜試料C3に比べて、剛性と柔軟性という相反する性質を高いレベルで兼ね備えたものであることがわかる。そのため、試料E1は、例えば液晶パネル等の衝撃緩衝材等として好適に利用することができる。
実施例1にかかる、各試料のエラストマー材料の圧力緩和特性を示す線図。 図1における部分拡大図。 衝撃緩衝材が密着形成された液晶表示パネルを示す説明図。 衝撃緩衝材に大きな力が加えられ液晶表示パネルに破損が発生する様子を示す説明図。
符号の説明
9 液晶表示パネル
90 衝撃緩衝材

Claims (5)

  1. スチレン系エラストマーからなる基材樹脂と、軟化剤と、上記基材樹脂と相溶性を有する粘着付与樹脂とを含有する粘弾性エラストマーであって、
    該粘弾性エラストマーは、上記基材樹脂100重量部に対して、上記軟化剤を50〜600重量部、及び上記粘着付与樹脂を500〜2000重量部含有することを特徴とする粘弾性エラストマー。
  2. 請求項1において、上記軟化剤は、温度40℃における動粘度100mm2/s以上のパラフィン系プロセスオイルであることを特徴とする粘弾性エラストマー。
  3. 請求項1又は2において、上記粘着付与樹脂は水添石油樹脂であることを特徴とする粘弾性エラストマー。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記粘弾性エラストマーに圧縮速度10mm/min以上で応力を加えて、上記粘弾性エラストマーの厚みを20%圧縮させたときに得られる経過時間に対する上記粘弾性エラストマーの荷重曲線において、上記粘弾性エラストマーは、その荷重が最大となる極大点を有し、該極大点から10秒後における上記粘弾性エラストマーの荷重をF2(N)、上記極大点における上記粘弾性エラストマーの荷重をF1(N)とすると、下記の式(1)の関係を満足することを特徴とする粘弾性エラストマー。
    F1/F2≧3 ・・・・(1)
  5. 請求項4において、上記粘弾性エラストマーは、下記の式(2)の関係を満足することを特徴とする粘弾性エラストマー。
    F2≦10 ・・・・(2)
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