JP2018080236A - ダイラタンシー性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温の環境下にあっても機械的強度およびダイラタンシー性に優れ、低温の環境下にあっても割れが生じ難い、ダイラタンシー性組成物。【解決手段】(A)スチレン系エラストマー 100質量部と、(B)軟化剤 250〜350質量部と、(C)軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂 250〜350質量部と、を含有するダイラタンシー性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、応力の作用速度で粘度が変化するダイラタンシー性組成物に関する。
従来、瞬間的に加えられる応力に対しては高粘性となって高い剛性を発揮し、静的な応力に対しては低粘性となって柔軟性を示す、いわゆるダイラタンシー性を有するダイラタンシー性組成物が知られている。ダイラタンシー性組成物は、その特徴を生かし、例えばスキーやスノーボード等のスポーツ用のプロテクターや、ヘルメットの代わりになるキャップ、バイク用のウェア等の衝撃吸収素材として応用され、商品化されている。
ダイラタンシー性は、瞬間的に加えられる応力に対する機械的強度と、静的な応力に対する機械的強度との比が大きいほど、優れていると言うことができる。
特開2006−111757号公報
ところで、一般的に粘弾性を有するエラストマーは、高温環境下においては柔軟性が増し、低温環境下においては硬くなる傾向がある。この傾向はダイラタンシー性組成物も同様であるが、従来のダイラタンシー性組成物は、高温環境下における機械的強度やダイラタンシー性が良好とは言えず、未だ改善の余地があった。また、低温環境下においては硬くなり過ぎて、割れが発生し易いという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、高温の環境下にあっても機械的強度およびダイラタンシー性に優れ、低温の環境下にあっても割れが生じ難い、ダイラタンシー性組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)スチレン系エラストマー100質量部と、(B)軟化剤250〜350質量部と、(C)軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂250〜350質量部と、を含有するダイラタンシー性組成物である。
このようなダイラタンシー性組成物によれば、従来のものと比較して、高温環境下においても機械的強度、および、ダイラタンシー性に優れるダイラタンシー性組成物を得ることができる。
また、低温環境下においては、従来のものと比較して材料硬化が緩和され、割れの発生を抑制することができる。
上記ダイラタンシー性組成物は、(B)の軟化剤がパラフィン系プロセスオイルであってもよい。
さらに、上記(A)スチレン系エラストマー100質量部に対して、(D)ステアリン酸ソルビタンを20〜80質量部含有していてもよい。
ダイラタンシー性組成物は粘着性を有するため、粘着性が高い場合には、作業性や取扱性を低下させるという問題がある。ダイラタンシー性組成物が(D)を含有している場合には粘着性が低下するため、従来と比較して成型時に金型離型が容易になったり、製品同士が接触した場合に容易に剥離させることができるという効果が得られる。
本発明によれば、高温の環境下にあっても機械的強度およびダイラタンシー性に優れ、低温の環境下にあっても割れが生じ難い、ダイラタンシー性組成物が得られる。
比較例1のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 実施例1のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 実施例2のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例2のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例3のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例4のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例5のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例6のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例7のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例8のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ 比較例9のダイラタンシー性組成物の機械的強度(荷重)の経時変化を表すグラフ ダイラタンシー組成物のタック性試験の結果を表すグラフ
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。本発明は、(A)スチレン系エラストマー100質量部と、(B)軟化剤を250〜350質量部と、(C)軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂を250〜350質量部の割合で含有させたダイラタンシー性組成物が、高温環境下において優れた機械的強度、および、ダイラタンシー性を有するとともに、低温環境下において割れが生じ難いことを見出したことに基づく。
基材樹脂として使用される上記(A)のスチレン系エラストマーとしては、ポリスチレンブロックと、柔軟なポリオレフィン構造のエラストマーブロックと、のブロック共重合体が挙げられる。具体的には、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック(SEP)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEEPS)等から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらのスチレン系エラストマーは、広い温度範囲でゴムのような高弾性、高強度を示し、耐熱劣化性や耐候性、低温特性に優れる。
上記(B)軟化剤の混合割合は、(A)スチレン系エラストマー100質量部に対して、250〜350質量部とすることが好適である。軟化剤の含有量が250質量部より少ない場合には、特に低温環境下において柔軟性が不足する傾向があり、350質量部より多くなると、軟化剤がブリードしたり、圧縮永久歪特性が大きくなる傾向がある。
上記(B)の軟化剤としては、例えばパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ポリαオレフィン(PAO)、液状ポリブテン、及び、液状ポリイソブチレン等から選ばれる1種以上を用いることができる。
好ましくは、上記軟化剤は、温度40℃における動粘度100mm2/s以上のパラフィン系プロセスオイルがよい。この場合には、基材樹脂としての上記(A)スチレン系エラストマーとの相溶性が高くなり、オイルブリードの発生を抑制することができる。また、オイルブリードにより発生したオイルが上記ダイラタンシー性組成物の被着体に移行して被着体が汚染されてしまうことを抑制することができる。
粘着付与剤として使用される上記(C)の軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂の混合割合は、(A)スチレン系エラストマー100質量部に対して、250〜350質量部とすることが好ましい。脂環族飽和炭化水素樹脂の含有量が250質量部より少ない場合には、瞬間的に加えられる応力に対して、特に高温環境下において充分な剛性(機械的強度)が得られない場合があり、ダイラタンシー性も低くなる。一方、350質量部より多くなると、低温環境下において割れが発生し易くなる傾向がある。
また、脂環族飽和炭化水素樹脂は、JIS K 2207に規定の石油アスファルト軟化点試験法(環球法)による軟化点が135℃以上であることが好ましく、140℃以上であることがより好ましい。環球法による軟化点が135℃より低い場合には、高温時において機械的強度が低下するとともに、ダイラタンシー性も低下する。
また、粘着付与剤として、(C)の軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂に、(A)スチレン系エラストマーと親和性を有する、例えば水添テルペン樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル、芳香族系樹脂、スチレン系樹脂等から選ばれる1種以上を混合して使用することができる。
さらに、上記ダイラタンシー性組成物は、(A)スチレン系エラストマー100質量部に対して、(D)ステアリン酸ソルビタンを20〜80質量部含有することが好ましい。(D)を含む場合には、ダイラタンシー性組成物の粘着性が低下するため、成型時に金型離型が容易になったり、製品同士が接触した場合に容易に剥離させることができ、作業性や取扱性が改善される。
また、本実施形態のダイラタンシー性組成物は、上記(A)〜(D)の他に、必要に応じて流動性向上樹脂、酸化防止剤、着色剤、耐候剤、離型剤(界面活性剤)等の添加剤を含有してもよい。
上記流動性向上樹脂は、上記ダイラタンシー性組成物の流動性を高め、成形性を向上させることができる。流動性向上樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、変性ポリオレフィン、ポリペンテン、及びフッ素系ポリマー等から選ばれる1種以上を用いることができる。好ましくはポリプロピレンがよい。
また、上記着色剤としては、例えば天然無機顔料、合成無機顔料、天然有機顔料、合成有機顔料等が使用できる。
本実施形態のダイラタンシー性組成物は、(A)スチレン系エラストマー、(B)軟化剤、(C)軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂等を所定の割合で混合し、ニーダーや押出機などを用いて加熱溶融・混練することにより作製することができる。また、必要に応じて上記流動性向上樹脂、着色剤等の添加剤を加えることができる。
混練後、例えば射出成形、コンプレッション成形、Tダイ押出成形等により、シート状等の所望の形状に成形することができる。
<機械的強度およびダイラタンシー性の評価方法>
本実施形態においてはダイラタンシー性組成物をシート状に作製し、以下の方法で機械的強度およびダイラタンシー性を評価する。
20×20×1(mm)のシート状のサンプルに対し、ロードセルを30mm/minの速度で押し付け、圧縮率が20%になった時点から20秒間保持する。ロードセルがサンプルから受ける荷重の経時的変化を測定し、最大値をF1(N)、20秒後の荷重をF2(N)とした場合、下記式(1)で表される数字を応力緩和係数と規定する。
応力緩和係数=F1/F2 …(1)
荷重の最大値F1は、ダイラタンシー性組成物が瞬間的な応力を受けた場合に示す剛性(機械的強度)を示しており、本実施形態においては、室温環境下(25℃)において300(N)以上、高温環境下(40℃)において200(N)以上を好ましい数値とする。
20秒経過後の荷重F2は、ダイラタンシー性組成物が静的な応力を受けている場合の機械的強度を示している。
応力緩和係数は、数値が大きいほどダイラタンシー性が優れていることを示しており、本実施形態においては3以上を好ましい数値とする(応力緩和係数≧3)。
<低温環境下における割れの評価方法>
本実施形態において作製されたシート状のダイラタンシー性組成物は、0℃、−5℃、−10℃、−20℃の低温環境下に1時間以上放置した後、手動にて折り曲げ試験を実施し、割れの評価を行う。
<タック性の評価方法>
本実施形態において作製されたシート状のダイラタンシー性組成物は、以下の方法でタック性(粘着性)を評価する。
20×20×1(mm)のシート状のサンプルに対し、ロードセルを5mm/minの速度で押し付け、4.9(N)の応力がかかった時点から10秒間保持する。10秒後、ロードセルを5mm/minの速度で引き上げ、サンプルにかかる荷重が0(N)になった時点から圧子を引き剥がすのに要する力の大きさを測定する。
なお、本実施形態においては、ロードセルの圧子の材質をSUS、サイズをφ15mmとする。
<実施例>
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
(実施例1)
以下の配合割合で実施例1のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)軟化点140±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 333質量部
(A)のスチレン系エラストマーは、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)(登録商標:セプトン4044、クラレ(株)製)、(B)プロセスオイルはパラフィン系プロセスオイル(登録商標:ダイアナプロセスオイルPW−380、出光興産(株)製)、(C)脂環族飽和炭化水素樹脂は登録商標:アルコンP−140(荒川化学工業(株)製)を使用した。また、その他添加剤を表1に示す割合で配合した。
(実施例2)
実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で実施例2のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)軟化点140±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 267質量部
(比較例1)
実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例1のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点140±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 400質量部
(比較例2)
(C)’脂環族飽和炭化水素樹脂として登録商標:アルコンP−125(荒川化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例2のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点125±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 467質量部
(比較例3)
比較例2と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例3のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点125±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 400質量部
(比較例4)
比較例2と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例4のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点125±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 267質量部
(比較例5)
(C)’粘着付与剤として登録商標:アルコンM−135(荒川化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例5のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点135±5℃の脂環族系石油樹脂 400質量部
(比較例6)
比較例5と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例6のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点135±5℃の脂環族系石油樹脂 267質量部
(比較例7)
(C)’粘着付与剤として登録商標:タマノル901(荒川化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例7のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点120〜135℃のテルペンフェノール樹脂 267質量部
(比較例8)
(C)’粘着付与剤として登録商標:YSポリスターT130(ヤスハラケミカル(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で比較例8のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 300質量部
(C)’軟化点135±5℃のテルペンフェノール樹脂 267質量部
(比較例9)(従来品)
(C)’粘着付与剤として登録商標:アルコンP100(荒川化学工業(株)製)を使用した以外は実施例1と同様の原料を用い、以下の配合割合で従来品のサンプルを製造した。
(A)スチレン系エラストマー 100質量部
(B)軟化剤としてのプロセスオイル 200質量部
(C)’軟化点100±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂 500質量部
また、その他添加剤を表1に示す割合で配合した。
上述した実施例1および実施例2、比較例1ないし比較例9の各サンプルの配合割合を表1にまとめて示す。
Figure 2018080236
実施例1および実施例2、比較例1ないし比較例9について、上述した評価方法に基づいて機械的強度、ダイラタンシー性、および低温環境下における割れの評価を行った。実験結果を表2、図1ないし図11に示す。
Figure 2018080236
表2からわかるように、粘着付与剤として軟化点140±5℃の脂環族炭化水素樹脂を使用した比較例1、実施例1、実施例2では、機械的強度(荷重)の最大値F1は、室温環境下25℃において300(N)以上、高温環境下40℃においても200(N)以上、と、良好であった。またダイラタンシー性についても、比較例1、実施例1、実施例2では、室温環境下25℃においても、高温環境下40℃においても応力緩和係数は3以上となり、良好であった。
しかし、低温環境下における割れの評価では、比較例1のものは全て割れが発生した。実施例1および実施例2のものでは、割れは発生しなかった。
一方、粘着付与剤として軟化点125±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂を467質量部配合した比較例2では、室温環境下25℃における機械的強度(荷重)の最大値F1は300(N)以上であったが、高温環境下40℃においては141.478(N)と200(N)を下回り、大きく低下した。また、同粘着付与剤を400質量部、267質量部配合した比較例3および比較例4については、室温環境下25℃においても最大値F1≧300(N)を確保できなかった。
またダイラタンシー性について、比較例2のものは、室温環境下25℃においても、高温環境下40℃においても応力緩和係数3以上が確保できた一方、低温環境下の割れについては、良好な結果は得られなかった。
粘着付与剤として軟化点135±5℃の脂環族系石油樹脂を400質量部配合した比較例5、および、267質量部配合した比較例6では、機械的強度(荷重)の最大値F1が、室温環境下25℃において300(N)以下、高温環境下40℃において200(N)以下と、そもそも規定の機械的強度が得られなかった。
粘着付与剤として軟化点120〜135℃のテルペンフェノール樹脂を267質量部配合した比較例7では、室温環境下25℃における機械的強度(荷重)の最大値F1は300(N)以上、高温環境下40℃における最大値F1も200(N)以上が確保できたが、ダイラタンシー性については応力緩和係数が3を大きく下回り、確保できなかった。
粘着付与剤として軟化点135±5℃のテルペンフェノール樹脂を267質量部配合した比較例8については、いずれの機械的強度(荷重)もダイラタンシー性も確保できなかった。
また、粘着付与剤として軟化点100±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂を使用した従来品である比較例9については、室温環境下25℃における機械的強度(荷重)の最大値F1は優れており、ダイラタンシー性も4.93と優れていたが、高温環境下40℃では機械的強度(荷重)の最大値F1が88.968と大きく劣化した。また、低温環境下においてすべて割れが発生した。
なお、図1ないし図11において、横軸は圧縮を開始してからの経過時間(sec)を表し、縦軸は、各サンプルの機械的強度(荷重N)を表す。また、破線が室温環境下25℃における機械的強度(荷重N)の変化を表し、実線が高温環境下40℃における機械的強度(荷重N)の変化を表している。図(グラフ)からわかるように、いずれのサンプルにおいても、圧縮開始直後の短時間において機械的強度(荷重)が大きくなって最大値F1を示し、その後徐々に減少する。
即ち、大きな速度で加えられた応力に対しては高い剛性を発揮し、静的な応力に対しては高い柔軟性を発揮することがわかる。20秒経過後の機械的強度(荷重)F2(N)が最小値となり、最大値F1(N)と最小値F2(N)の変化の割合が大きいほどダイラタンシー性に優れていることが、グラフからも読み取ることができる。
次に、上述した実施例1、実施例2のサンプルについて、添加剤である炭酸カルシウムに変えてステアリン酸ソルビタン(登録商標:レオドールSP−S10V、花王ケミカル(株)製)を表1に示す割合で配合して、実施例3、実施例4の2種類のサンプルを作製した。これらの各サンプルと比較例9(従来品)について、上述した評価方法に基づいてタック性の評価を行った。試験時の環境温度は25.7℃、湿度は36%Rhであった。実験結果を表3および図12に示す。
Figure 2018080236
表3および図12に示すように、ステアリン酸ソルビタンを添加した実施例3および実施例4のサンプルは、従来品である比較例9と比較して、タック性が大幅に改善された。すなわち、作業性および取扱性に優れるダイラタンシー性組成物を得ることができた。
このように、本実施形態のダイラタンシー性組成物は、高温の環境下にあっても機械的強度およびダイラタンシー性に優れ、低温の環境下にあっても割れが生じ難い。また、ステアリン酸ソルビタンを含有させた場合には、タック性を低くすることができる。このようなダイラタンシー性組成物は、衝撃吸収素材として使用することができる。
<他の実施例>
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、(A)スチレン系エラストマーとしてスチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)を使用したが、他のスチレン系エラストマーを使用することもできる。
(2)上記実施例では、(B)軟化剤としてパラフィン系プロセスオイルを使用したが、他の軟化剤を使用することもできる。また、その含有量も上記実施例に限るものでなく、スチレン系エラストマー100質量部に対して250〜350質量部の範囲内で適宜変更することができる。
(3)上記実施例では、(C)軟化点140±5℃の脂環族飽和炭化水素樹脂を粘着付与剤として使用したが、(C)に他の種類の粘着付与剤を混合して使用することもできる。また、(C)の含有量も上記実施例に限るものでなく、スチレン系エラストマー100質量部に対して250〜350質量部の範囲内で適宜変更することができる。
(4)(D)ステアリン酸ソルビタンは、必ずしも含有していなくてもよい。
(5)また、(A)〜(D)以外の材料(添加剤)についても、上記実施例に限るものでなく、適宜種類や配合割合を変更することができる。

Claims (3)

  1. (A)スチレン系エラストマー 100質量部と、
    (B)軟化剤 250〜350質量部と、
    (C)軟化点135℃以上の脂環族飽和炭化水素樹脂 250〜350質量部と、
    を含有するダイラタンシー性組成物。
  2. (B)の軟化剤がパラフィン系プロセスオイルである、請求項1に記載のダイラタンシー性組成物。
  3. (A)スチレン系エラストマー100質量部に対して、(D)ステアリン酸ソルビタンを20〜80質量部含有する、請求項1または請求項2に記載のダイラタンシー性組成物。
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