JP4053872B2 - ポリオレフィン系組成物 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、高温で融解したときの流動性に優れ、紙や繊維あるいはこれらを一部として用いる各種製品への含浸材として利用できる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から融解時の低粘度性(高流動性)を利用したホットメルト型含浸材が様々な用途に利用されており、これまで高分子材料のラテックスやエマルジョンからなる組成物が多く用いられてきた。しかしこのようなラテックス、エマルジョンは、一般にこれらを塗布後加硫、乾燥工程を必要とするため、これに係る設備、さらには工程における廃液を処理するための設備が必要となる。また、乾燥工程における長時間の加熱処理による製品劣化も懸念される。さらに近年、残留有機溶剤による人体への影響が大きな問題となっていることから、加熱融解型の含浸材が求められている。
【0003】
一方このような加熱融解型含浸材としては、EVAやポリプロピレン系非晶質ポリオレフィン(APAO)等を用いたものが提案されている(例えば特開平09−302168号や特開平2000−144093号)。しかし、多くの場合ポリプロピレン系非晶質ポリオレフィン(APAO)は融解温度が150℃以上である結晶成分を一部有するため、150℃以下では加熱融解型の含浸材として利用できない。(特許文献1、特許文献2)
またEVA等の極性ポリオレフィンは非極性ポリオレフィンとの相溶性が劣るため、併用するポリエチレンワックスや粘着性樹脂は酸化タイプのものや極性基を有するものに制限される。
【0004】
【特許文献1】
特開平09−302168号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平2000−144093号公報
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温詳しくは150℃以下で加熱融解が可能であり、さらに含浸性、柔軟性に優れた樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂組成物は、密度が850〜900kg/m3、190℃で測定したメルトフローレートが20〜200g/10分であるエチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる、エチレン含量が60〜95モル%であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)10〜70重量%、密度が870〜925kg/m3、140℃で測定した溶融粘度が3〜5000mPa・s、DSCで測定した融点範囲が50〜130℃の間にあるエチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)30〜90重量%からなり、150℃で測定した溶融粘度が50000mPa・s以下であることを特徴としている。
【0008】
さらにこの樹脂組成物100重量部に対し、比重0.850〜0.950、平均分子量が300〜1000、40℃での動粘度が30cSt以上である液状炭化水素(C)を5〜100重量部添加することでさらに柔軟性が向上し、また溶融粘度が低くなる。
【0009】
次にこれらの各構成について具体的に説明する。
【0010】
【発明の具体的説明】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明の組成物におけるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)としては、エチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のαオレフィン、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
【0011】
コモノマーとして使用される炭素数3から20のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。また、必要に応じて他のコノモマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよい。
【0012】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)中のエチレン含量は、通常60〜95モル%であり、好ましくは70〜90モル%である。さらに好ましくは75モル〜89モル%である。密度(ASTM D1505)は、850〜900kg/m3、好ましくは850〜895kg/m3であり、より好ましくは860〜893kg/m3である。密度がこの範囲内にあると、柔軟性に優れた組成物が得られる。エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)の分子量分布Mw/Mnは5以下、好ましくは3以下である。
【0013】
上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体中は、ASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(以下、MFR(190℃)と略記する)が、20〜200(g/10分)、好ましくは30〜150(g/10分)の範囲にある。メルトフローレートがこの範囲内にあると、柔軟性と溶融粘度のバランスにすぐれた樹脂組成物が得られ、さらに組成物自体の強度も向上するため好ましい。
【0014】
上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造法については特に制限はないが、ラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。特にメタロセン触媒を用いて共重合されたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるため高分子量成分が少なく、このため溶融粘度が低い重合体を得ることができ好ましい。なお、このようなメタロセン触媒を用いて共重合されたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体には、長鎖分岐型エチレン・α- オレフィンランダム共重合体あるいは直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体が存在するが、本発明においてはこの両者とも好ましく利用できる。これらの重合方法については特許公開平10−212382号に記載されている。
【0015】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)
本発明で用いられる低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとの共重合体である。
【0016】
ここでα-オレフィンとしては、炭素原子数3のプロピレン、炭素原子数4の1−ブテン、炭素原子数5の1−ペンテン、炭素原子数6の1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、炭素原子数8の1−オクテンなどが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜12のα−オレフィンであり、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。
【0017】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が300〜8,000、好ましくは400〜5000、より好ましくは400〜2000の範囲にある。
【0018】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の数平均分子量が上記範囲内にあると低温で溶融粘度が低くなるため好ましい。
【0019】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が70〜120℃、好ましくは75〜105℃、より好ましくは75〜100℃の範囲にある。また、低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、密度(JIS K6760により測定)が870〜925kg/m3、好ましくは875〜910kg/m3、より好ましくは880〜905kg/m3の範囲にある。
【0020】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の融点および密度が上記範囲内にあると、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)とブレンドしたときの相溶性が良好であり、また得られる樹脂組成物の柔軟性も向上するため好ましい。
【0021】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、Mw/Mnが5以下、好ましくは2.9以下、より好ましくは2.8以下である。
【0022】
Mw/Mnが上記範囲内にあると極低分子量成分が少なくなるため、製品のべた付きや成形時の不良が抑えられ好ましい。
【0023】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定。)と、密度勾配管法で測定した密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc …(I)
好ましくは、下記式(Ia)
0.501×D−366.5 ≧ Tc …(Ia)
より好ましくは、下記式(Ib)
0.501×D−367 ≧ Tc …(Ib)
を満たすことが望ましい。
【0024】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)において結晶化温度(Tc)と、密度(D)との関係が上記式を満たすと、低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)のコモノマー組成がより均一になる結果、低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)のベタつき成分が減少する傾向がある。
【0025】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、エチレンと、プロピレンまたは1−ブテンとから得られるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
【0026】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、常温で固体であり、70〜120℃以上で低粘度の液体となる。
【0027】
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は次のような製造例により得ることができる。 低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなるメタロセン系触媒を用いて製造することができる。このようなメタロセン触媒のうち、特に高温重合用のモノシクロペンタジエニル幾何拘束型メタロセン触媒がエチレンとαーオレフィンの共重合性が良く、さらに低分子量領域に適したプロセスに適応しやすく好ましい。
【0028】
本発明で用いられる低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、未変性の低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(以下「原料低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体」ともいう。)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体であってもよい。
【0029】
液状炭化水素(C)
本発明で用いられる液状炭化水素(C)とは、一般にプロセスオイルと称されるパラフィン系、あるいはナフテン系のゴム配合油である。液状炭化水素の比重(20℃)は0.850〜0.950、好ましくは0.860〜0.930の範囲にある。
【0030】
液状炭化水素(C)の平均分子量は通常300〜1000の範囲であり、したがって40℃での動粘度は30cSt以上である。30cSt未満のものは気化しやすかったり、可塑剤としての効果が小さいので好ましくない。
【0031】
粘着性樹脂(D)
本発明で用いられる粘着性樹脂とは、一般にタッキフィアイヤーと称されるロジン、水素化ロジン、テルペン系樹脂、水素化芳香族石油樹脂、シクロペンタジエン樹脂、C5、C9留分の重合樹脂等である。これらのうち、特に好ましいものはポリオレフィン樹脂との相溶性に優れた脂環族飽和炭化水素樹脂である。粘着性樹脂の比重(20℃)は0.970〜1.100であり、好ましくは0.990〜0.999である。また環球法により測定される軟化温度は70℃〜140℃、好ましくは90℃〜140℃である。比重および軟化点がこの範囲にあるものは、当粘着性樹脂をエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)、液状炭化水素からなる樹脂組成物に添加したときの耐熱性、柔軟性、接着力のバランスに優れるため好ましい。
【0032】
無機充填剤(E)
本発明で使用される無機充填剤(E)としては、特に制限はないが例えば、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク、石英粉末、ガラス繊維、クレーまたはマイカなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。その平均粒径は0.1〜15μmであり、好ましくは平均粒子径が0.1〜10μm以下、さらに好ましくは0.3〜5μmである微粒子状無機化合物である。ここで平均粒子径は、BET法による比表面積から求めることができる。また、本発明で使用される無機充填剤は、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸等で表面化学処理されたものであっても好ましく利用できる。
【0033】
樹脂組成物
本発明における樹脂組成物(AA)は、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%と、低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%からなり、150℃で測定した溶融粘度が50000mPa・s以下、好ましくは30000以下、より好ましくは20000以下となるものである。エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)の割合がこれよりも少ないと樹脂組成物の柔軟性、延性が劣るため好ましくなく、またこれよりも多いと、樹脂組成物の溶融粘度が上記範囲よりも高くなる。
【0034】
また液状炭化水素(C)を、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)および低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の合計量、すなわち100重量部に対し5〜100重量部、好ましくは10〜75重量部添加することができる(本発明における樹脂組成物(BB))。液状炭化水素の添加により、樹脂組成物の溶融粘度、剛性が低下できるため好ましい。添加量がこれよりも多いと、この樹脂組成物を製品に利用したときに、液状炭化水素成分がブリードアウトする恐れがある。
【0035】
さらに、本発明の樹脂組成物(AA)または(BB)30〜100重量%に対し、粘着性樹脂(D)0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%、無機充填剤(E)0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%を添加することも可能である。この粘着性樹脂の添加により、本発明の樹脂組成物に接着性を付加することができる(本発明における樹脂組成物(CC))。また無機充填剤(E)の配合により樹脂組成物のコストが低減できる。粘着性樹脂および無機充填剤の配合量が上記範囲を超えると、樹脂組成物の柔軟性が低下し好ましくない。
【0036】
本発明においては、本発明の樹脂組成物としての性能を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂、例えばEVA,EEA,EMMA,ケン化EVA、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン等、さらに酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、可塑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等、顔料、塩酸吸収剤の添加物を損なわない範囲内で添加することも可能である。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、加熱型溶融攪拌槽と称する溶解槽において、好ましくは、窒素気流下通常150℃以上250℃以下の温度で攪拌羽根の回転により、各々の成分を同時または順に溶解する方法、ニーダーと称する双状回転羽根により加熱下シェアをかけて混合する方法、また押し出し機即ち単軸又は2軸のスクリューにより加熱下溶融混合する方法で製造することができる。
【0038】
シート
本発明におけるシートは、前記樹脂組成物からなる。シートの厚みは50μm〜2000μm、好ましくは100μm〜1000μm、さらに好ましくは200μm〜800μmであり、単体あるいは多層構成の一部に利用できる。このようなシートはコーター式、噴射式、その他の方法にて基層にコートして得ることができる。このようにして得たシートは柔軟性に富み、シートあるいはシートを多層構成の一部に用いた製品を曲げたときの耐折れ性に優れる。
【0039】
[実施例]
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
エチレン・α−オレフィン共重合体の製造例
メタロセン触媒を用いて、次のようにして低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B−3)を製造した。
【0040】
充分に窒素置換した内容積 2literのステンレス製オートクレーブにヘキサン 920mlおよび1−ブテン 80mlを装入し、水素を 3.5kg/cm2(ゲージ圧)となるまで導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm2(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。 少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよび1−ブテンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。その結果、140℃での溶融粘度が11mPa・s、密度が904kg/m3である低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B−3)31.2gを得た。
【0041】
【実施例1】
MFR(190℃)が35g/10分、密度が860Kg/m3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(A−1)と、140℃での溶融粘度が80mPa・s、密度が920kg/m3の低分子量エチレン・1−ブテンランダム共重合体(B−1)からなる組成物を混練し、得られた樹脂組成物のねじり剛性率、溶融粘度を測定した。結果を表.2に示す。
【0042】
【実施例2】
MFR(190℃)が35g/10分、密度が860Kg/m3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(A−1)と、140℃での溶融粘度が80mPa・s、密度が920kg/m3の低分子量エチレン・1−ブテンランダム共重合体(B−1)、さらに比重0.877、40℃での動粘度381.6cSt、平均分子量746である液状炭化水素(出光興産製 PW−380)(C−1)からなる組成物を実施例1と同様の条件で混練し、得られた樹脂組成物のねじり剛性率、溶融粘度を測定した。結果を表.2に示す。
【0043】
【実施例3】
MFR(190℃)が35g/10分、密度が860g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(A−1)と、140℃での溶融粘度が11mPa・s、密度が904kg/m3の低分子量エチレン・1−ブテンランダム共重合体(B−3)、さらに比重0.877、40℃での動粘度381.6cSt、平均分子量746である液状炭化水素(出光興産製 PW−380)(C−1)からなる組成物を実施例1と同様の条件で混練し、得られた樹脂組成物のねじり剛性率、溶融粘度を測定した。結果を表.2に示す。
【0044】
【実施例4】
MFR(190℃)が70g/10分、密度が893Kg/m3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(A−2)と、140℃での溶融粘度が11mPa・s、密度が904kg/m3の低分子量エチレン・1−ブテンランダム共重合体(B−3)、さらに比重0.877、40℃での動粘度381.6cSt、平均分子量746である液状炭化水素(出光興産製 PW−380)(C−1)からなる組成物を実施例1と同様の条件で混練し、得られた樹脂組成物のねじり剛性率、溶融粘度を測定した。結果を表.2に示す。
【0045】
[比較例1]
MFR(190℃)が35g/10分、密度が860kg/m3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(A−1)と、140℃での溶融粘度が650mPa・s、密度が930kg/m3の低分子量エチレン・1−ブテンランダム共重合体(B−2)からなる組成物を、ラボプラストミル(東洋精機製)を用いて120℃で混練し、目的の樹脂組成物を得た。下記測定条件にてこの樹脂組成物のねじり剛性率、溶融粘度を測定した。結果を表.2に示す。
【0046】
(1)溶融粘度
ブルックフィールド粘度計を用い、150℃で測定した。
【0047】
(2)ねじり剛性率
ねじり剛性率は、JIS K 6773の9.8項に記載の方法に従い、23℃で、サンプル厚み2.0mmで測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
表.2に示すように、本発明で用いるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体と低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体により、150℃での溶融粘度が50000mPa・s以下で柔軟性を有する組成物が得られることを確認した。さらに液状炭化水素の添加およびメタロセン触媒で重合した低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体B−3の使用がより好ましいことを確認した。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、低温詳しくは150℃での加熱融解が可能であり、さらに含浸性、柔軟性に優れた樹脂組成物を実現した。
【0051】
【表2】
Claims (4)
- 密度が850〜900kg/m3、190℃で測定したメルトフローレートが20〜200g/10分であるエチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる、エチレン含量が60〜95モル%であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)10〜70重量%、密度が870〜925kg/m3、140℃で測定した溶融粘度が3〜5000mPa・s、DSCで測定した融点範囲が50〜130℃の間にあるエチレンと少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)30〜90重量%からなり、150℃で測定した溶融粘度が50000mPa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物(AA)。
- 請求項1に記載の樹脂組成物(AA)100重量部に対し、比重0.850〜0.950、平均分子量が300〜1000、40℃での動粘度が30cSt以上である液状炭化水素(C)を5〜100重量部添加してなる樹脂組成物(BB)。
- 請求項1〜2記載の樹脂組成物(AA)または(BB)30〜100重量%、粘着性樹脂(D)0〜50重量%、無機充填剤(E)0〜70重量%からなる樹脂組成物(CC)。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物からなるシート
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