JP7158100B2 - 架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置 - Google Patents

架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7158100B2
JP7158100B2 JP2018542353A JP2018542353A JP7158100B2 JP 7158100 B2 JP7158100 B2 JP 7158100B2 JP 2018542353 A JP2018542353 A JP 2018542353A JP 2018542353 A JP2018542353 A JP 2018542353A JP 7158100 B2 JP7158100 B2 JP 7158100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
group
sio
alkenyl
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018542353A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018061754A1 (ja
Inventor
圭介 首藤
拓 加藤
淳平 小林
正睦 鈴木
明彦 白幡
広之 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KZK CORPORATION
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
KZK CORPORATION
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KZK CORPORATION, Nissan Chemical Corp filed Critical KZK CORPORATION
Publication of JPWO2018061754A1 publication Critical patent/JPWO2018061754A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7158100B2 publication Critical patent/JP7158100B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/12Polysiloxanes containing silicon bound to hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/80Siloxanes having aromatic substituents, e.g. phenyl side groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/52Encapsulations
    • H01L33/56Materials, e.g. epoxy or silicone resin

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Description

本発明は、架橋性オルガノポリシロキサン組成物、当該組成物を硬化して得られる硬化物、及び当該硬化物を有するLED装置に関する。
シリコーン組成物は耐候性、耐熱性、硬度、伸び等のゴム的性質に優れた硬化物を形成することから、LED装置におけるLED素子、電極、基板などの保護を目的に使用されている。特に硬化時の収縮が少なく、光取り出し効率が良い高屈折率型付加シリコーン組成物が好んで使用されている。また、LED装置には導電性の良い銀もしくは銀含有合金を電極として使用され、輝度を向上させるため基板には銀メッキが施されている場合がある。なお、シリコーン組成物とは、オルガノポリシロキサンの化学構造を持つ化合物を含む組成物の一般名称であり、本技術分野では同義である。
一般に、シリコーン組成物からなる硬化物はガス透過性が高く、これを光の強度が強く、発熱が大きい高輝度LEDに用いた場合に、環境中の腐食性ガスや水蒸気の浸入による封止材の変色や、電極や基板にメッキされた銀の腐食による輝度の低下、接着力の低下が生じるという課題がある。
特許文献1には、(A)ケイ素原子に結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するジオルガノポリシロキサン、(B)SiO4/2単位、Vi(RSiO1/2単位及びR SiO1/2単位からなるレジン構造のオルガノポリシロキサン、(C)一分子中にケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(D)白金族金属系触媒を含有してなる付加硬化型シリコーン組成物が提案されている。
しかし、このような付加硬化型シリコーン組成物は、環境中の腐食性ガスや水蒸気を非常に透過させやすく、容易に電極や基板にメッキされた銀が腐食されたり、接着力が低下し剥離が起きたりすることで封止効果が低下していた。
特許文献2には、(A)平均単位式で表されるオルガノポリシロキサン、任意の(B)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、ケイ素原子結合水素原子を有さない直鎖状オルガノポリシロキサン、(C)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、および(D)ヒドロシリル化反応用触媒から少なくともなる硬化性シリコーン組成物が提案されている。
特許文献2に記載されている硬化性シリコーン組成物は、高いヒドロシリル化反応性を有し、ガス透過性の低い硬化物を形成するオルガノポリシロキサン、高い反応性を有し、ガス透過性の低い硬化物を形成する硬化性シリコーン組成物、ガス透過性の低い硬化物を提供するとされている。
しかし、電極や基板が銀メッキされたLED基板を特許文献2に記載されている硬化性シリコーン組成物で封止しても、例えば、硫黄が存在する80℃の雰囲気下では銀メッキが腐食されることがわかり、LEDが発光する光の明るさが低下するという問題があった。
特開2000-198930号公報 特開2014-84417号公報
本発明は、上記事情に鑑み、為されたもので、本発明の目的は、耐熱透明性及びLED基板との密着性を維持し、かつ硫黄が存在する80℃の雰囲気という過酷な環境下においても銀メッキが腐食されない架橋性オルガノポリシロキサン組成物、当該組成物を硬化して得られる硬化物、及び当該硬化物を有するLED装置を提供することにある。
本発明は、
(A)平均単位式:
(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(R1/2(式中、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも1個は炭素原子数2~6のアルケニル基であり且つ少なくとも1個はアリール基であり、該アリール基のうち、少なくとも1個はビフェニリル基であり、Rは水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表し、a、b、c、d、およびeは、0≦a≦0.1、0.2≦b≦0.9、0.1≦c≦0.6、0≦d≦0.2、0≦e≦0.1、かつa+b+c+d+e=1を満たす数を表す。)で示される、ビフェニリル基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基と、少なくとも1個のアリール基を有し、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を一分子中に少なくとも3個有する、(好ましくは25℃において粘度が20Pa・s以下の流動性を有する)アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサン{(A)成分と(B)成分の比が1/100~100/1}、
SiO1/2 一般式(1)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基を表す。)
(C)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合有機基の12~70モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサン{(A)成分中と(B)成分中のアルケニル基の合計に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.5~2となる量}、および
(D)ヒドロシリル化反応用触媒{(A)成分と(B)成分のアルケニル基と(C)成分のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進するに十分の量}を含み、アルケニル官能性直鎖状オルガノポリシロキサンを含まない架橋性オルガノポリシロキサン組成物である。
本発明の硬化物は、上記架橋性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなることを特徴とする。この硬化物は、25℃において屈折率が1.58以上であることが好ましく、1.59以上であることがより好ましく、1.60以上であることが特に好ましい。
本発明のLED装置は、上記架橋性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物によりLED素子を封止してなることを特徴とする。
本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は、保管中に硬化反応が進行することを防ぐため、前記(D)成分と前記(C)成分を分けて保管すべきである。本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は、例えば、前記(A)成分及び前記(C)成分を含む溶液と、前記(B)成分及び前記(D)成分を含む溶液とを混合することによって、調製することができる。
本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は、オルガノポリシロキサンの耐熱透明性及び優れた密着性を維持しつつ、高屈折率及び腐食性気体遮蔽性(耐硫化性)に優れた硬化物を形成するという特徴があるため、LED用封止材として有用である。また、本発明である架橋性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物でLED素子が封止されたLED装置は、硫黄が存在する雰囲気下において信頼性に優れる特徴がある。また、このようなLED装置は、高い光取り出し効果を期待できる。
本明細書中に記載した各用語の意味は、以下のとおりである。
シロキサン:Si-O-Si結合を持つ化合物。
ポリシロキサン:Si-O-Si結合を複数個持つ化合物。
オルガノポリシロキサン:Si-O-Si結合を構成するSi原子に有機基が結合した構造を有するポリシロキサン。
オルガノポリシロキサン組成物:オルガノポリシロキサンを少なくとも含む、特定の性能を求めて配合された組成物。
直鎖状オルガノポリシロキサンとは、ポリシロキサンの主鎖(-Si-O-Si-O-鎖)に対し、Si原子上に原子連結基を介してシロキサン鎖が連結した構造を有さないオルガノポリシロキサンのことを言う。リニア成分とも言われる。
分岐状オルガノポリシロキサンとは、T型または十字型の分岐点を少なくとも1個含むオルガノポリシロキサンを言う。
初めに、本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物を詳細に説明する。
(A)成分は、(B)成分と組み合わされて架橋オルガノポリシロキサン組成物の物性を左右する重要な成分であり、平均単位式:
(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(R1/2で示される、少なくとも1個のビフェニリル基を含むアリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンである。この(A)成分が少なくとも1個のビフェニリル基を含むアリール基を含有することで、耐腐食ガス性、屈折率、及びダイシング性を高められることを本発明者らは見出した。
式中、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも1個は炭素原子数2~6のアルケニル基であり且つ少なくとも1個はアリール基であり、該アリール基のうち、少なくとも1個はビフェニリル基である。複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。一価炭化水素基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~6のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基等が例示され、炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基である。また、炭素原子数6~14のアリール基としてはビフェニリル基を必須成分として含む他に、置換または無置換のフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が例示される。炭素原子数2~6のアルケニル基としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示される。式中、Rは水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基である。複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、式中、aは一般式:R SiO1/2で表されるシロキサン単位の割合を示す数を表し、0≦a≦0.1、好ましくは0≦a≦0.08を満たす数である。これは、aが上記範囲の上限を超えると流動性が高くなりすぎて得られる硬化物(本明細書中、硬化物は架橋物と同義)の室温での十分の強度と硬さが得られなくなるからである。bは一般式:R SiO2/2で表されるシロキサン単位の割合を示す数を表し、0.2≦b≦0.9、好ましくは0.3≦b≦0.7を満たす数である。これは、bが上記範囲の下限未満であると屈折率が好ましい高屈折率にならないからであり、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物の室温での十分の硬さが得られなくなるからである。また、式中、cは一般式:RSiO3/2で表されるシロキサン単位の割合を示す数を表し、0.1≦c≦0.6、好ましくは0.2≦c≦0.6を満たす数である。これは、cが上記範囲の下限未満であると、得られる硬化物の室温での十分な硬さが得られなくなるためであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物の可とう性が不十分となるためである。また、dは、一般式:SiO4/2で表されるシロキサン単位の割合を示す数を表し、0≦d≦0.2、好ましくは0≦d≦0.1を満たす数である。これは、dが上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物の可とう性が不十分となるためである。また、eは、一般式:R1/2で表される分岐状オルガノシロキサンの末端の割合を示す数を表し、0≦e≦0.1を満たす数である。これは、eが上記範囲の上限を超えると得られる硬化物の室温での十分な硬さが得られなくなるからである。なお、式中、a、b、c、dおよびeの合計は1である。a、d及びeがそれぞれ0を表す場合、(A)成分は、平均単位式:(R SiO2/2(RSiO3/2で示される。
(B)成分は(A)成分と組み合わされて架橋オルガノポリシロキサン組成物の物性を左右する重要な第2成分であり、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基と、少なくとも1個のアリール基を有し、一般式(1):R SiO1/2で表されるポリシロキサンの末端シロキサン単位を一分子中に少なくとも3個有する、25℃において粘度が20Pa・s以下の流動性を有するアリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンである。(B)成分は、25℃において粘度が20Pa・s以下の流動性を有することが好ましい。式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基を表す。一価炭化水素基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~6のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基等が例示され、炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基である。また、炭素原子数6~14のアリール基としては置換または無置換のビフェニリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が例示される。炭素原子数2~6のアルケニル基としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示される。複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。分岐状オルガノポリシロキサンでも一般式:R SiO1/2で表されるポリシロキサンの末端シロキサン単位を一分子中に少なくとも3個有することで、25℃において粘度が100Pa・s(すなわち100000mPa・s)以下の流動性を有するポリシロキサンとすることができる。また、(B)成分の製造方法を制御することによって、三次元構造のアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンの分子量を好ましい範囲に制御することができ、25℃において粘度が好ましい範囲以下の流動性を有するポリシロキサンとすることができる。この分岐状構造を持ちながら、かつ25℃で流動性を有することから、速い硬化速度、また硬化物の表面タックのない組成物を得ることができる。
なお、25℃において粘度が100Pa・sであると、25℃で流動性を有することは当業者にとって自明である。
(B)成分は、25℃において粘度が50000mPa・s以下であることが好ましく、30000mPa・s以下であることがより好ましく、20000mPa・s以下であることが特に好ましい。
このような(B)成分としては、平均単位式:
(R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2で示される、アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンが例示される。ここでRは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも2個は炭素原子数2~6のアルケニル基であり且つ少なくとも1個はアリール基である。一価炭化水素基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~6のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基等が例示され、炭素原子数1~6のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基である。また、炭素原子数6~14のアリール基としては置換または無置換のビフェニリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が例示される。炭素原子数2~6のアルケニル基としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示される。複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。式中、f、g、h、iは、0<f≦0.8、0≦g≦0.96、0<(h+i)、0.5≦f/(h+i)≦4、f+g+h+i=1を満たす数である。ここでfは25℃で20Pa・s以下の流動性を得るための一般式:R SiO1/2で表されるポリシロキサンの末端シロキサン単位の量を規定する数であり、hとiはオルガノポリシロキサンが分岐状構造をとるための成分を規定する数であって、fとh+iのいずれも0よりも大きい数でなければならない。また、25℃で20Pa・s以下の流動性を得るためには、分岐点に対する一般式:R SiO1/2で表されるポリシロキサンの末端シロキサン単位の量の比f/(h+i)は0.5以上でなければならず、最大は4である。一般式:R SiO2/2で表される直鎖状成分は必ずしも必須成分ではないが、必要な粘度を得るためにポリマー内の成分として導入してもよく、0≦g≦0.96の範囲であればよいが、0≦g≦0.90であることが好ましい。
(B)成分が、平均組成式(R SiO(R SiO)SiR (4-e)(式中、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも2個は炭素原子数2~6のアルケニル基であり且つ少なくとも1個はアリール基であり、mは0以上200以下の整数を表し、eは3または4を表す。)で示される、アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンである態様も好ましい。式中、mは直鎖状シロキサン単位の数を示し、0≦m≦200、好ましくは0≦m≦100を満たす整数である。式中、eは3または4を表し、分岐状オルガノポリシロキサンの分岐点を形成するための構造を規定する数字であり、eが3の時、T型の分岐点となり、eが4の時、十字型の分岐点となる。
また、(B)成分の例として、式:R SiO(R SiO)SiR で示される、アリール基及びアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、式:(HR SiO)SiR (4-j)(Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基を表し、jは3または4を表す。)で示される、ケイ素原子結合水素原子を含有するシロキサンオリゴマーをヒドロシリル化反応してなる、生成物一分子中にアルケニル基を少なくとも3個有し、ケイ素原子結合水素原子が無い、アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンを挙げることができる。式中、Rは炭素原子数2~6のアルケニル基を表し、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、Rは少なくとも1個はアリール基である炭素原子数1~14の一価炭化水素基を表し、該一価炭化水素基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~14のアリール基等が例示され、炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基である。また、炭素原子数6~14のアリール基としては置換または無置換のフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基が例示される。複数のR、RおよびRはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。式中、nは直鎖状シロキサン単位の数を示し、0≦n≦200、好ましくは0≦n≦100を満たす整数である。これは、nが上記範囲の上限を超えると、得られる分岐状オルガノポリシロキサンの粘度が25℃で20Pa・sを超えるためである。式中、Rはアルケニル基を含まない炭素原子数1~14の一価炭化水素基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基や、置換または無置換のビフェニリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などのアリール基が例示される。また、式中、jは3または4を表し、分岐状オルガノポリシロキサンの分岐点を形成するための構造を規定する数字であり、jが3の時、T型の分岐点となり、jが4の時、十字型の分岐点となる。
本発明の効果を発揮するためには(A)成分と(B)成分の混合比率は、A/Bの重量比が1/100から100/1であり、1/50~50/1であることが好ましく、1/20~20/1であることがより好ましい。
実施例では(A)成分と(B)成分の量が重量部で記載されており、当業者であれば本明細書中の(A)成分と(B)成分の混合比率は重量比で示されていることは自明である。
(C)成分は、本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物(以下、本組成物とも言う)の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合有機基の12~70モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサンである。(C)成分中のケイ素原子結合水素原子は少なくとも2個である。これはケイ素原子結合水素原子が一分子中に2個未満であると、得られる硬化物の室温での十分な機械的強度が得られなくなるからである。(C)成分中のケイ素原子結合有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニリル基などのアリール基などが例示される。(C)成分は、ケイ素原子結合有機基の12~70モル%がアリール基である。これは、アリール基の含有量が上記範囲を逸脱すると(A)成分と(B)成分の混合物との相溶性が悪くなって得られる硬化物の透明性が失われ、機械的特性も悪くなるからである。ケイ素原子結合水素原子は、Si-Hと同義である。
このような(C)成分としては、一般式:(HR SiO)SiR 、(HR SiOSiR O、(HR SiO)SiR、((HR SiO)SiROで表される化合物などが例示される。式中、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも1個はアリール基であり、該一価炭化水素基としては、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~14のアリール基等が例示され、炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくはメチル基、エチル基である。また、炭素原子数6~14のアリール基としては、置換又は無置換のビフェニリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が例示される。複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。なお、Rの内、アリール基の含有量は12~70モル%の範囲である。
本組成物において、(C)成分の含有量は、(A)成分中と(B)成分中のアルケニル基の合計に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.5~2の範囲内となる量であり、好ましくは、0.5~1.5の範囲内となる量である。これは(C)成分の含有量が上記範囲外であると、得られる硬化物の室温での機械的強度が不十分となるためである。
(D)成分は、(A)成分と(B)成分のアルケニル基と(C)成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進するためのヒドロシリル化反応用触媒である。(D)成分としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示されるが、本組成物の架橋を著しく促進できることから白金系触媒が好ましい。特に触媒活性の高さから、白金-アルケニルシロキサン錯体が好ましく、錯体の安定性が良好なことから、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを配位子として持つ白金錯体が好ましい。
本組成物において、(D)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分のアルケニル基と(C)成分のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進するに十分の量であれば特に限定されない。好ましくは、本組成物に対して、(D)成分中の金属原子が重量(通常は質量と同義)単位で0.1ppmから100ppmの範囲内である量であることが好ましい。これは(D)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られる組成物が十分に架橋しなくなる、または十分な速度で架橋しなくなるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると得られる硬化物に着色等の問題を生じる恐れがあるからである。
本組成物は、上記(A)成分から(D)成分を含むが、その他任意の成分として硬化速度を任意に変化させる目的で反応抑制剤を添加してもよい。反応抑制剤としては、2-メチル-3-ブチン-2-オール、2-フェニル-3-ブチン-2-オール、エチニルシクロヘキサノール等のアルキンアルコール、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールなどが例示される。これらの反応抑制剤の含有量は特に限定されないが、本組成物の重量に対して1ppm~1000ppmの範囲内であることが好ましい。
また、用途に応じて基材との接着性を要求される場合には本組成物に接着促進剤を含有してもよい。この接着促進剤としては、トリアルコキシシリル基(例えばトリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基)とヒドロシリル基、エポキシ基(例えば、3-グリシドキシプロピル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基やアリル基)を一分子中に有するオルガノシランやオルガノシロキサンオリゴマーなどがあげられる。
さらに、本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、前記(A)成分から(C)成分以外のオルガノポリシロキサン、無機質充填剤(例えば、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化亜鉛等)、ポリメタクリレート樹脂等の有機樹脂微粉末、耐熱剤、染料、顔料、蛍光体、難燃性付与剤、溶剤等を含有してもよい。
前記(A)成分から(C)成分以外のオルガノポリシロキサンとして、直鎖状のアルケニル官能性オルガノポリシロキサンを挙げることができるが、本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は、アルケニル官能性直鎖状オルガノポリシロキサンを含まない。
本発明では、従来は必須性分と考えられていた直鎖状のアルケニル官能性オルガノポリシロキサンを用いなくても、(B)成分を用いることで良好な特性の架橋性オルガノポリシロキサン組成物を得られる。
本組成物の粘度の好ましい範囲は、(B)成分の粘度の好ましい範囲と同様である。本組成物は加熱により速やかに架橋が進行し、表面タックがなく、十分の可とう性を有する硬化物を形成し、好ましくは硬い硬化物を形成できる。
本組成物は加熱により完全硬化した場合に用途に応じてより好ましい硬さにすることができ、特に高い硬さも得ることができる。本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は150℃で3時間の加熱をされた場合にJIS K 6253で規定されるタイプDデュロメータ硬さが45以上となることが好ましく、所望の用途に応じてタイプDデュロメータ硬さを45~60とすることができ、また別の所望の用途に応じてタイプDデュロメータ硬さを60~80とすることができる。逆に、ゴム状の硬化物を得たい場合は、本組成物は加熱により完全硬化した場合にJIS K 6253で規定されるタイプAデュロメータ硬さを30~60とすることができ、また別の所望の用途に応じてタイプAデュロメータ硬さを60~90とすることができる。
本組成物は、加熱により、機械的物性、硬度などが変化しない安定した硬化物を形成することができる。加熱温度としては80℃~200℃での範囲内で行うことが好ましい。また本組成物は、成型方法に制限はなく、通常の混合及びオーブン加熱等により、接着剤用途、フィルム形成、ポッティング剤、コーティング剤、及びアンダーフィル剤として使用することができる。特に、高屈折率で光透過率が高いので光学用途のレンズ材料や、LED等半導体素子のポッティング剤、コーティング剤、保護材などの用途に好適である。
次に、本発明の硬化物について詳細に説明する。
本発明の硬化物は、上記の架橋性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなることを特徴とする。硬化物の形状は特に限定されず、例えば、塊状、シート状、フィルム状、など多岐にわたる。硬化物は、これを単体で取り扱うこともできるが、光半導体素子等を被覆もしくは封止した状態で取り扱うことも可能である。
本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物を実施例により詳細に説明する。なお、粘度は25℃における値である。また、式中のMe、Ph、Vi、およびBPPは、それぞれメチル基、フェニル基、ビニル基、およびビフェニリル基を表している。なお、硬化物の硬さを、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に既定のタイプAおよびタイプDデュロメータにより測定した。JISは、Japanese Industrial Standardsの略称である。さらに硬化物の屈折率は、メトリコン社製、プリズムカプラ モデル2010を用い、波長550nmのレーザーで測定した。
[実施例1]
平均単位式:(MeViSiO2/20.3(PhSiO2/20.25(BPPSiO3/20.25(PhSiO3/20.2で表される分岐状メチルビニルビフェニリルフェニルポリシロキサン62重量部、式:(ViMeSiO(SiPhMeO)15SiPhで表される粘度が25℃で1200mPa・sの分岐状メチルビニルフェニルポリシロキサン17重量部、および式:(HMeSiO)SiPhで表されるトリシロキサン21重量部を均一に混合した後、白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を本組成物に対して白金量が重量単位で5ppmとなる量を混合して25℃の粘度が6000mPa・sである架橋性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
実施例1で得られた組成物は、150℃に加熱すると3時間で硬化が完了し、25℃でタイプDデュロメータ硬度80の硬化物を得た。表面タックもなくその後の加熱でも硬度変化は起こらなかった。得られた硬化物の屈折率は1.6024であり、高い屈折率が得られた。
[実施例2]
平均単位式:(MeViSiO2/20.3(PhBPPSiO2/20.25(PhSiO3/20.45で表される分岐状メチルビニルビフェニリルフェニルポリシロキサン62重量部、式:(ViMeSiO(SiPhMeO)15SiPhで表される粘度が25℃で1200mPa・sの分岐状メチルビニルフェニルポリシロキサン17重量部、および式:(HMeSiO)SiPhで表されるトリシロキサン21重量部を均一に混合した後、白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を本組成物に対して白金量が重量単位で5ppmとなる量を混合して25℃の粘度が15000mPa・sである架橋性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
実施例2で得られた組成物は、150℃に加熱すると3時間で硬化が完了し、25℃でタイプDデュロメータ硬度80の硬化物を得た。表面タックもなくその後の加熱でも硬度変化は起こらなかった。得られた硬化物の屈折率は1.5901であり、高い屈折率が得られた。
[比較例1]
平均単位式:(MeViSiO2/20.3(PhSiO2/20.25(PhSiO3/20.45で表される分岐状メチルビニルフェニルポリシロキサン62重量部、式:
(ViMeSiO(SiPhMeO)15SiPhで表される粘度が25℃で1200mPa・sの分岐状メチルビニルフェニルポリシロキサン17重量部、および式:(HMeSiO)SiPhで表されるトリシロキサン21重量部を均一に混合した後、白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を本組成物に対して白金量が重量単位で5ppmとなる量を混合して25℃の粘度が8000mPa・sである架橋性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
比較例1で得られた組成物は、150℃に加熱すると3時間で硬化が完了し、25℃でタイプDデュロメータ硬度30の硬化物を得た。表面タックもなくその後の加熱でも硬度変化は起こらなかった。得られた硬化物の屈折率は1.5681であった。
[比較例2]
平均単位式:(MeViSiO2/20.25(PhSiO2/20.3(PhSiO3/20.45で表される分岐状メチルビニルフェニルポリシロキサン63重量部、式:ViMeSiO(PhMeSiO)38SiMeViで示される直鎖状オルガノポリシロキサン17重量部、および式:(HMeSiO)SiPhで表されるトリシロキサン20重量部を均一に混合した後、白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を組成物に対して白金量が重量単位で25ppmとなる量を混合して25℃の粘度が2500mPa・sである架橋性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
比較例2で得られた組成物は、150℃に加熱すると3時間で硬化が完了し、25℃でタイプDデュロメータ硬度40の硬化物を得た。表面タックもなくその後の加熱でも硬度変化は起こらなかった。得られた硬化物の屈折率は1.5580であった。
(硫化耐性試験)
銀メッキ電極及びLED素子を備えたLED基板に、実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2で得られた組成物を塗布し、オーブンで150℃、3時間加熱し、当該組成物の硬化物によりLED素子が封止されたLED装置を作製した。作製したLED装置を、硫黄雰囲気下、80℃のオーブンに入れ、24時間後、銀メッキ電極を顕微鏡で観察した。銀メッキ電極に変色が見られない場合を「○」、銀メッキ電極が黒色に変化した場合を「×」と判定し、その結果を表1に示す。
(ダイシング試験)
ガラス基材上に、0.5mm、1.0mm、2.0mmおよび3.0mmの膜厚に実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2で得られた組成物を塗布し、オーブンで150℃、3時間加熱し当該組成物を硬化させた後、ダイシングソーを用いてガラス基材ごと切断した。硬化物にクラック等が生じることがなくガラス基材を切断することができた場合を「○」、硬化物にクラック等が生じガラス基材を切断できなかった場合を「×」と判定し、その結果を表1に示す。
Figure 0007158100000001
本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は、架橋が速く、硬化物の表面タックがなく、十分の可とう性があるために応力が緩和される材料とすることができ、電気・電子用の接着剤、ポッティング剤、保護コーティング剤、アンダーフィル剤として使用することができる。特に、当該組成物の硬化物が高屈折率で光透過率が高い材料である場合、光学用途のレンズ材料や、半導体素子のポッティング剤、コーティング剤、保護材などの用途に好適である。また当該組成物の硬化物は耐腐食ガス性に優れるので、屋外あるいは排気ガスの影響を受けやすい環境に使用されるLED装置に特に適している。

Claims (9)

  1. (A)平均単位式:
    (R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(R1/2(式中、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも1個は炭素原子数2~6のアルケニル基であり且つ少なくとも1個はアリール基であり、該アリール基のうち、少なくとも1個はビフェニリル基であり、Rは水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表し、a、b、c、d、およびeは、0≦a≦0.1、0.2≦b≦0.9、0.1≦c≦0.6、0≦d≦0.2、0≦e≦0.1、かつa+b+c+d+e=1を満たす数を表す。)で示される、ビフェニリル基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサン、
    (B)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基と、少なくとも1個のアリール基を有し、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を一分子中に少なくとも3個有する、アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサン(ただし、前記(A)成分のビフェニリル基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンを除く){(A)成分と(B)成分の重量比が1/100~100/1}、
    SiO1/2 一般式(1)
    (式中、Rは非置換の一価炭化水素基を表す。)
    (C)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合有機基の12~70モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサン{(A)成分中と(B)成分中のアルケニル基の合計に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.5~2となる量}、および
    (D)ヒドロシリル化反応用触媒を含み、アルケニル官能性直鎖状オルガノポリシロキサンを含まない架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. 前記(A)成分が、平均単位式:(R SiO2/2(RSiO3/2
    (式中、Rは請求項1と同義であり、b及びcは、0.4≦b≦0.9、0.1≦c≦0.6、かつb+c=1を満たす数を表す。)で示される、ビフェニリル基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンである請求項1に記載の架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. 前記(B)成分が、平均単位式:
    (R SiO1/2(R SiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2(式中、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも2個は炭素原子数2~6のアルケニル基であり且つ少なくとも1個はアリール基であり、f、g、h、iは、0<f≦0.8、0≦g≦0.96、0<(h+i)、0.5≦f/(h+i)≦4、f+g+h+i=1を満たす数を表す。)で示される、アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンである請求項1又は請求項2に記載の架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. 前記(B)成分が、式:R SiO(R SiO)SiR (式中、Rは炭素原子数2~6のアルケニル基を表し、Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基のうち、少なくとも1個はアリール基であり、nは0以上200以下の整数を表す。)で示される、アリール基を含有するアルケニル官能性直鎖状オルガノポリシロキサンと、
    式:(HR SiO)SiR (4-j)(Rは炭素原子数1~14の一価炭化水素基であり、jは3または4を表す。)で示されるケイ素原子結合水素原子を含有するシロキサンオリゴマーを、ヒドロシリル化反応してなる、生成物一分子中にアルケニル基を少なくとも3個有し、ケイ素原子結合水素原子が無い、アリール基を含有するアルケニル官能性分岐状オルガノポリシロキサンである請求項1又は請求項2に記載の架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. 前記(B)成分が25℃において粘度が20Pa・s以下の流動性を有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の架橋性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物。
  7. 25℃において屈折率が1.58以上の請求項6に記載の硬化物。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の硬化物によりLED素子が封止されたLED装置。
  9. 前記(A)成分及び前記(C)成分を含む溶液と、前記(B)成分及び前記(D)成分を含む溶液とを混合することを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の架橋性オルガノポリシロキサン組成物の調製方法。
JP2018542353A 2016-09-30 2017-09-12 架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置 Active JP7158100B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016194652 2016-09-30
JP2016194652 2016-09-30
PCT/JP2017/032915 WO2018061754A1 (ja) 2016-09-30 2017-09-12 架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018061754A1 JPWO2018061754A1 (ja) 2019-09-05
JP7158100B2 true JP7158100B2 (ja) 2022-10-21

Family

ID=61759595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018542353A Active JP7158100B2 (ja) 2016-09-30 2017-09-12 架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7158100B2 (ja)
KR (1) KR102404430B1 (ja)
CN (1) CN109790385B (ja)
TW (1) TWI758330B (ja)
WO (1) WO2018061754A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116134104A (zh) * 2020-07-22 2023-05-16 信越化学工业株式会社 抗硫化涂布材料、抗硫化涂布材料的固化物及电子器件
CN116490552B (zh) * 2020-11-16 2024-10-01 株式会社自动网络技术研究所 交联性高分子组合物、交联高分子材料、金属构件和线束
KR102703006B1 (ko) * 2021-08-31 2024-09-04 주식회사 케이씨씨실리콘 부가경화형 실록산 조성물

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080160317A1 (en) 2006-12-29 2008-07-03 Deborah Ann Haitko Optoelectronic device
JP2013108063A (ja) 2011-10-25 2013-06-06 Central Glass Co Ltd シロキサン系組成物およびその硬化物ならびにその用途
JP2014084384A (ja) 2012-10-23 2014-05-12 Nissan Chem Ind Ltd ビフェニル骨格を含有するポリシロキサン及び被膜形成用組成物
JP2014098146A (ja) 2012-10-18 2014-05-29 Central Glass Co Ltd シリカ粒子を含む硬化性組成物およびその硬化物、並びにそれを用いた半導体封止材
WO2018062513A1 (ja) 2016-09-30 2018-04-05 日産化学工業株式会社 Led用封止材組成物

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19804388C1 (de) * 1998-02-04 1999-05-06 Fraunhofer Ges Forschung Beschichtungsmaterial auf der Basis von flüssigkristallinen anorganisch-organischen Hybridpolymeren
JP3523098B2 (ja) 1998-12-28 2004-04-26 信越化学工業株式会社 付加硬化型シリコーン組成物
KR101193179B1 (ko) * 2005-08-26 2012-10-19 삼성디스플레이 주식회사 오가노실록산 화합물 및 이를 구비한 유기 발광 소자
JP5972512B2 (ja) * 2008-06-18 2016-08-17 東レ・ダウコーニング株式会社 硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び半導体装置
JP5377401B2 (ja) * 2010-04-20 2013-12-25 信越化学工業株式会社 硬化性オルガノポリシロキサン組成物
CN102337118B (zh) * 2010-07-19 2016-07-06 郑建鸿 β-二酮类辅助配位基与其金属错合物在有机光电组件的应用
JP5992666B2 (ja) * 2011-06-16 2016-09-14 東レ・ダウコーニング株式会社 架橋性シリコーン組成物及びその架橋物
JP6084808B2 (ja) 2012-10-24 2017-02-22 東レ・ダウコーニング株式会社 オルガノポリシロキサン、硬化性シリコーン組成物、その硬化物、および光半導体装置
JP5985981B2 (ja) * 2012-12-28 2016-09-06 東レ・ダウコーニング株式会社 硬化性シリコーン組成物、その硬化物、および光半導体装置
CN104046011A (zh) * 2014-05-19 2014-09-17 安徽安缆模具有限公司 汽车发动机汽缸罩盖抗老化尼龙复合材料及其制备方法
CN104262972A (zh) * 2014-09-16 2015-01-07 上海应用技术学院 一种功率型白光led用单包装有机硅树脂封装胶及其制备方法
US10114287B2 (en) * 2014-10-02 2018-10-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Silicone skeleton-containing polymer compound and method for producing same, chemically amplified negative resist composition, photo-curable dry film and method for producing same, patterning process, layered product, and substrate
WO2016054781A1 (en) * 2014-10-09 2016-04-14 Henkel (China) Company Limited An organopolysiloxane prepolymer and a curable organopolysiloxane composition comprising the same
JP6300744B2 (ja) * 2015-02-27 2018-03-28 信越化学工業株式会社 半導体封止用樹脂組成物及び半導体装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080160317A1 (en) 2006-12-29 2008-07-03 Deborah Ann Haitko Optoelectronic device
JP2013108063A (ja) 2011-10-25 2013-06-06 Central Glass Co Ltd シロキサン系組成物およびその硬化物ならびにその用途
JP2014098146A (ja) 2012-10-18 2014-05-29 Central Glass Co Ltd シリカ粒子を含む硬化性組成物およびその硬化物、並びにそれを用いた半導体封止材
JP2014084384A (ja) 2012-10-23 2014-05-12 Nissan Chem Ind Ltd ビフェニル骨格を含有するポリシロキサン及び被膜形成用組成物
WO2018062513A1 (ja) 2016-09-30 2018-04-05 日産化学工業株式会社 Led用封止材組成物
JP6764135B2 (ja) 2016-09-30 2020-09-30 日産化学株式会社 Led用封止材組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CN109790385B (zh) 2021-09-21
KR102404430B1 (ko) 2022-06-02
WO2018061754A1 (ja) 2018-04-05
JPWO2018061754A1 (ja) 2019-09-05
TWI758330B (zh) 2022-03-21
TW201827526A (zh) 2018-08-01
KR20190065248A (ko) 2019-06-11
CN109790385A (zh) 2019-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102338110B1 (ko) 부가 경화형 실리콘 조성물
JP6678388B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物
KR101913869B1 (ko) 경화성 실리콘 수지 조성물
JP5149022B2 (ja) 光半導体封止用シリコーン組成物及びそれを用いた光半導体装置
EP2721108B1 (en) Cross-linkable silicone composition and cross-linked product thereof
EP2892953B1 (en) Curable silicone composition and cured product thereof
CN108624060B (zh) 固晶用硅酮树脂组合物及固化物
KR101614263B1 (ko) 경화성 수지 조성물, 경화물, 밀봉재 및 반도체 장치
KR20120024474A (ko) 부가 경화형 실리콘 조성물, 상기 조성물을 포함하는 광학 소자 밀봉재, 및 이 광학 소자 밀봉재의 경화물에 의해 광학 소자가 밀봉된 반도체 장치
KR101768228B1 (ko) 경화성 오르가노폴리실록산 조성물
JP4494077B2 (ja) 光学材料封止用硬化性組成物
JP7158100B2 (ja) 架橋性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及びled装置
TW201930474A (zh) 加成硬化型聚矽氧組成物、硬化物、光學元件
CN108795049B (zh) 加成固化型硅酮组合物、该组合物的制造方法、以及光学半导体装置
KR20140017447A (ko) 부가 경화형 실리콘 조성물, 및 상기 조성물의 경화물에 의해 반도체 소자가 피복된 반도체 장치
KR20200094093A (ko) 부가 경화형 실리콘 수지 조성물 및 광학 소자
JP2018172447A (ja) 架橋性オルガノポリシロキサン組成物およびその硬化物
JP2015129274A (ja) シリコーン樹脂組成物およびその利用
TWI834881B (zh) 加成硬化型聚矽氧樹脂組成物、該組成物之製造方法,及光半導體裝置
WO2017043328A1 (ja) 架橋性オルガノポリシロキサン組成物およびその硬化物
KR20200024719A (ko) 부가 경화형 실리콘 조성물 및 반도체 장치
JP2013231160A (ja) 硬化性組成物、硬化物および光半導体装置
JP6657340B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物
TW201514254A (zh) 單部分可硬化聚矽氧組合物及光學半導體裝置
KR20130012536A (ko) 경화성 폴리오가노실록산 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20190612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210927

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220421

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220428

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7158100

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150