以下、添付図面を参照しながら本発明に係る面材の支持構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1~図4は、本発明の実施の形態である面材の支持構造を適用した屋外構造物を示したものである。ここで例示する屋外構造物10は、建物の外壁Wに隣接したテラス1を利用してサンルームを構成するためのテラス囲いと称されるもので、複数のフレーム材を組み合わせることによって構成した略直方体状の外殻を備えている。フレーム材は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長がほぼ一様の断面を有するように構成してある。本実施の形態では、フレーム材として、躯体縦枠11、根太掛け12、垂木掛け13、妻梁14、柱15、桁16、前枠17、腕木18、妻垂木19を適用し、これらを適宜組み合わせることによって屋外構造物10の外殻が構成してある。このうち、躯体縦枠11、垂木掛け13、前枠17、腕木18、妻垂木19は、後述する框部材21、屋根パネル22、屋根妻パネル(面材)23及び端部キャップ30,40とによって屋根構造体を構成するものである。
以下、屋外構造物10についてより具体的に説明する。なお、以下においては便宜上、建物の上下に沿う方向を上下、外壁Wに沿って水平となる方向を左右、外壁Wに直交して水平となる方向を前後とし、外壁Wから離隔する方向を前方、外壁Wに近接する方向を後方と称することとする。この屋外構造物10では、まず、建物の外壁Wに左右の躯体縦枠11を取り付けるとともに、躯体縦枠11の下端部間を連結するように根太掛け12を取り付け、かつ躯体縦枠11の上端部間を連結するように垂木掛け13を取り付けることにより、建物の外壁Wに矩形の枠が構成される。垂木掛け13は、両端の小口端面が左右に開口するように、両端部の下面を介して躯体縦枠11の上面に当接した状態で外壁Wに取り付けてある。垂木掛け13の小口端面には、樹脂によって成形した後端部キャップ40が装着してある。後端部キャップ40は、垂木掛け13の小口端面を覆い隠すことにより、垂木掛け13の内部に水が浸入するのを防止するとともに、意匠性の向上を図るためのものである。
図からも明らかなように、垂木掛け13及び躯体縦枠11には、外壁Wに当接する面の縁部にシール溝13a,11aが設けてある。垂木掛け13には、外壁W側の上方縁部にシール溝13aが設けてあり、躯体縦枠11には、外壁W側の両側縁部にそれぞれシール溝11aが設けてある。これらのシール溝13a,11aは、垂木掛け13や躯体縦枠11を建物に取り付けた場合に、外壁Wとの間に断面が矩形の凹状となるように構成したもので、垂木掛け13及び躯体縦枠11で互いに同一の幅を有するように構成してある。
根太掛け12には、両端部から室外側に向けてほぼ水平となるように左右の妻梁14が突設してあり、妻梁14の延在端部には、それぞれ柱15が連結してある。柱15は、左右の躯体縦枠11と同じ間隔を確保した位置に上下に沿う状態でテラス1に立設したもので、個々の上端が躯体縦枠11の上端よりも低くなるように設けてある。左右の柱15の間には、桁16及び前枠17が取り付けてある。桁16は、妻梁14とほぼ同じ高さとなるように配設したもので、左右に沿ってほぼ水平に延在している。前枠17は、左右両端部の下面にそれぞれ柱15の上端面が当接するように配設してあり、垂木掛け13よりも低い位置において左右に沿ってほぼ水平に延在している。この前枠17の小口端面17aには、樹脂によって成形した前端部キャップ30が装着してある。前端部キャップ30は、前枠17の小口端面17aを覆い隠すことにより、前枠17の内部に水が浸入するのを防止するとともに、意匠性の向上を図るためのものである。なお、本実施の形態では、これら左右の柱15、桁16及び前枠17によって構成される矩形状の前面開口24に引き違い窓50が取り付けてあり、左右の障子51をスライドさせることで前面開口24を開閉することが可能である。
前枠17の両端部には、躯体縦枠11との間にそれぞれ腕木18が取り付けてある。腕木18は、前枠17の下方部から外壁Wに向けてほぼ水平に延在し、延在端部が躯体縦枠11の室外に臨む表面11cに連結してあり、躯体縦枠11、柱15及び妻梁14との間に矩形状の側方開口25を構成している。なお、本実施の形態では、左右の側方開口25にそれぞれFIX窓60が取り付けてあり、側方開口25が常時閉塞された状態にある。
さらに、前枠17の両端部には、腕木18よりも上方となる部位にそれぞれ妻垂木19が取り付けてある。妻垂木19は、建物の外壁Wに向けて漸次上方となるように傾斜し、延在端部がそれぞれ垂木掛け13の両端部に連結してある。左右の妻垂木19は、垂木掛け13及び前枠17との間に矩形状の屋根開口26を構成し、かつ躯体縦枠11、腕木18及び前枠17との間にそれぞれ台形状の屋根妻開口27を構成している。
屋根開口26には、妻垂木19と平行となるように垂木28が設けられるとともに、開口26を閉塞するように屋根パネル22が取り付けてある。屋根パネル22は、屋外構造物10の屋根となるもので、外壁Wから離隔するに従って漸次下方となるように傾斜している。図からも明らかなように、屋根パネル22は、四周の縁部を垂木掛け13、妻垂木19及び前枠17のそれぞれに設けたパネル装着溝22Aに挿入することにより、屋根開口26を常時閉塞する状態で取り付けてある。屋根パネル22としては、ポリカーボネート等の樹脂によって成形した透光性を有する板材を適用している。パネル装着溝22Aの内部においては、屋根パネル22の上下両面に対して少なくとも一方にパネルシール部材22aが当接した状態にある。屋根パネル22に当接するパネルシール部材22aは、予め成形された定形を成すものである。
一方、屋根妻開口27には、屋根妻パネル23及び補強用吊束70が配設してある。屋根妻パネル23は、図5に示すように、屋根妻開口27よりも一回り大きな台形状の外形形状を成す1枚の平板状部材である。この屋根妻パネル23は、四周の縁部を妻垂木19、躯体縦枠11、腕木18及び前枠17に設けたパネル収容溝23Aに挿入することにより、屋根妻開口27を常時閉塞する状態で取り付けてある。腕木18には、その上面にパネル収容溝23Aが一体に形成してある。これに対して妻垂木19、躯体縦枠11及び前枠17では、パネル収容溝23Aを有した框部材21を別体に成形し、それぞれの内周側となる周面に框部材21を取り付けることによってパネル収容溝23Aが設けてある。框部材21は、妻垂木19、躯体縦枠11及び前枠17よりも幅が小さく構成してあり、個々の外方側面21aが、妻垂木19の外方側面19a、躯体縦枠11の外方側面11b及び前枠17の小口端面17aに対して一段退行した位置に配置されている。同様に、腕木18には、パネル収容溝23Aよりも室外側に位置する部位に、腕木18の外方側面18aよりも一段退行した段状側面18bが設けてある。この段状側面18bは、框部材21の外方側面21aとほぼ同一の平面上に位置している。
図からも明らかなように、本実施の形態では、前枠17に設けた框部材(以下、区別する場合に前縦框部材21Aという)の上端部に妻垂木19に設けた框部材(以下、区別する場合に上框部材21Bという)が挿入する形で連結してある。また、上框部材21Bにおいて外壁W側に位置する端部には、その下面に躯体縦枠11に設けた框部材(以下、区別する場合に後縦框部材21Cという)の上端面が当接した状態で連結してある。屋根妻パネル23としては、屋根パネル22と同様、ポリカーボネート等の樹脂によって成形した透光性を有する板材を適用している。パネル収容溝23Aの内部においては、屋根妻パネル23の内外両表面に対して少なくとも一方にパネルシール部材23aが当接した状態にある。屋根妻パネル23に当接するパネルシール部材23aは、予め成形された定形を成すものである。
補強用吊束70は、鉛直方向に沿って上下に延在するように設けたフレーム材であり、前縦框部材21Aと後縦框部材21Cとの間のほぼ中間となる位置において妻垂木19及び腕木18に連結してある。補強用吊束70の下端面70aは、腕木18の上面18cに当接することができるようにほぼ水平に延在する一方、補強用吊束70の上端面70bは、妻垂木19の下面19bもしくは上框部材21Bの下面21Baに当接することができるように長手方向に沿って傾斜するように形成してある。本実施の形態では、屋根妻パネル23において屋外構造物10の室内側に配置される内補強部(第1の補強材)70Aと、屋根妻パネル23において屋外構造物10の室外側に配置される外補強部(第2の補強材)70Bとを備えて補強用吊束70が構成してある。図6に示すように、内補強部70Aは、内層部材170及び外層部材270を連結することによって構成したものである。内補強部70Aの外層部材270には、さらにカバー部材370を取り付けることが可能である。
内層部材170は、図6(b)に示すように、平板状を成す内層基板部171の両側縁部にそれぞれ内層シール装着溝172及び内層側板部173を有したものである。内層シール装着溝172は、内層基板部171において一方の表面側となる部位に設けた凹所であり、内層基板部171の長手に沿った全長に開口するように形成してある。それぞれの内層シール装着溝172には、内層シール部材174が全長にわたって装着してある。内層部材170に設けた内層シール部材174は、予め成形された定形を成すものである。内層側板部173は、内層基板部171の縁部からそれぞれ他方の表面側に向けてほぼ直角となるように屈曲して延在したものである。内層側板部173の延在縁部には、それぞれ連結フック175が設けてある。連結フック175は、内層側板部173の延在縁部から互いに近接する方向に向けてほぼ直角に屈曲した第1フック部175aと、第1フック部175aの屈曲縁部から内層基板部171に対して離隔する方向に向けてほぼ直角に屈曲した第2フック部175bと、第2フック部175bの屈曲縁部から互いに離隔する方向に向けてほぼ直角に屈曲した第3フック部175cとを有したものである。図4に示すように、この内層部材170は、下端面が腕木18の上面18cに当接し、かつ上端面が上框部材21Bの下面21Baに当接することができる長手寸法に構成してある。
外層部材270は、図6(c)に示すように、平板状を成す外層基板部271の両側縁部にそれぞれ係合溝272及び外層側板部273を有したものである。係合溝272は、外層基板部271において一方の表面側となる部位に設けた凹所であり、外層基板部271の長手に沿った全長に開口するように形成してある。それぞれの係合溝272は、内層部材170に設けた連結フック175の第2フック部175b及び第3フック部175cを収容することのできる大きさを有し、かつ第1フック部175aと第3フック部175cとの間に挿入される係合片272aを有している。すなわち、外層部材270は、係合溝272に連結フック175を係合させることにより、内層部材170に対してその室内側に着脱可能に取り付けることが可能である。外層側板部273は、外層基板部271の縁部からそれぞれ他方の表面側に向けてほぼ直角となるように屈曲して延在したものである。外層側板部273の延在縁部には、互いに対向する方向に向けて突出するように厚肉部分273aが設けてある。この外層部材270は、下端面が腕木18の上面18cに当接し、かつ上端面が妻垂木19の下面19bに当接することができる長手寸法に構成してある。つまり、外層部材270を腕木18の上面18cに当接させた場合には、その上端部が上框部材21Bの内方側面21Bbを覆うように配置されることになる。
カバー部材370は、図6(d)に示すように、平板状を成すカバー基板部371の両側縁部に係合ヒレ部372を有したものである。係合ヒレ部372は、カバー基板部371の縁部からそれぞれ一方の表面側に向けてほぼ直角となるように屈曲して延在したものである。係合ヒレ部372の外表面間距離は、外層側板部273に設けた厚肉部分273aの相互間距離よりもわずかに小さくなるように設定してある。係合ヒレ部372の延在縁部には、互いに外側に向けて突出するように係合突条372aが設けてある。このカバー部材370は、外層側板部273の相互間に係合ヒレ部372を挿入すると、係合突条372aが厚肉部分273aの段部に係合され、外層部材270に対してその室内側に着脱可能に取り付けることが可能である。このカバー部材370は、外層部材270と同じ長手寸法を有するように構成してある。
一方、外補強部70Bは、単一の部材によって構成したもので、図6(a)に示すように、平板状を成す外束基板部71の両側縁部にそれぞれ外層シール装着溝72を有し、かつ外層シール装着溝72の相互間となる部位にネジ保持溝73を有している。外層シール装着溝72は、外束基板部71において一方の表面側となる部位に設けた凹所であり、外束基板部71の長手に沿った全長に開口するように形成してある。それぞれの外層シール装着溝72には、外層シール部材74が全長にわたって装着してある。外補強部70Bに設けた外層シール部材74は、内層部材170に設けた内層シール部材174と同様のものであり、予め成形された定形を成している。ネジ保持溝73は、外束基板部71において一方の表面側となる部位に設けた凹所であり、外束基板部71の長手に沿った全長に開口するように形成してある。ネジ保持溝73の開口は、両側縁部から突出する保持ヒレ部73aによって内部空間よりも狭くなっている。このネジ保持溝73には、複数箇所(本実施の形態では2箇所)にネジ部材75が配設してある。
ネジ部材75は、ネジ溝を有した軸部75aの基端部に外径の大きな頭部75bを有したものである。ネジ部材75の軸部75aは、ネジ保持溝73の開口幅よりも小さい外径を有している。ネジ部材75の頭部75bは、ネジ保持溝73に収容可能、かつネジ保持溝73の開口幅よりも大きな外径に構成してある。このネジ部材75は、頭部75bをネジ保持溝73に収容させ、軸部75aが外束基板部71の一方の表面から突出する状態で外補強部70Bに保持させてある。ネジ部材75の軸部75aには、スペーサ部材75cが装着してある。スペーサ部材75cは、頭部75bよりも大きな外径を有している。ネジ保持溝73に保持されたネジ部材75は、頭部75bがネジ保持溝73の内壁に当接しており、外補強部70Bに対する相対回転が阻止された状態にある(図9(b)参照)。
補強用吊束70を構成する外補強部70B、内層部材170、外層部材270及びカバー部材370は、いずれもアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長がほぼ一様の断面を有するように構成してある。
図7及び図8、図9、図10~図13は、それぞれ屋根妻開口27に対して上述した補強用吊束70を取り付ける手順を示したものである。以下、これらの図を適宜参照しながら、屋根妻パネル23の支持構造について詳述する。
まず、この屋根妻パネル23の支持構造では、屋根妻パネル23において外補強部70Bのネジ部材75に対応する部位にそれぞれ連結用挿通孔23bを形成する。連結用挿通孔23bは、ネジ部材75の軸部75aに装着したスペーサ部材75cを挿通可能とする内径を有した貫通孔である。屋根妻パネル23において連結用挿通孔23bの周囲となる部位には、図2、図7、図9(a)、図10に示すように、室外に臨む表面及び室内に臨む表面にそれぞれ面状を成す面状シール部材80を貼り付ける。面状シール部材80は、連結用挿通孔23bを覆うことのできる大きさの正方形状を成し、連結用挿通孔23bに対応する部位に円形の孔80aを有したものである。
また、内層部材170の内層基板部171において外補強部70Bのネジ部材75に対応する部位にそれぞれ第1ネジ挿通孔(ネジ挿通孔)171aを形成し、外層部材270の外層基板部271において外補強部70Bのネジ部材75に対応する部位にそれぞれ第2ネジ挿通孔(ネジ挿通孔)271aを形成する。第1ネジ挿通孔171aは、屋根妻パネル23に形成した連結用挿通孔23bとほぼ同じ内径を有した貫通孔である。第2ネジ挿通孔271aは、ネジ部材75の軸部75aを挿通可能、かつスペーサ部材75cを挿通不可とする内径を有した貫通孔である。これら内層部材170及び外層部材270は、個々の下端面が同一の平面上に位置した状態で係合溝272に連結フック175を係合させることにより予め互いに一体化しておく。カバー部材370は、外層部材270から取り外しておく。
さらに、腕木18の上面18cにおいて内補強部70Aを取り付ける部分には、ブラケット90を取り付けておく。ブラケット90は、取付板部91と、取付板部91の一方の縁部からほぼ直角となる方向に向けて屈曲した支持板部92とを一体に成形したものである。このブラケット90は、支持板部92が上方に向けて突出した状態で取付板部91を介して腕木18の上面18cに取り付けてある。腕木18に取り付けたブラケット90は、支持板部92の室内に臨む表面92aが基準位置となるように位置決めしてある。基準位置とは、屋根妻パネル23の室内に臨む内表面23cに対し内層シール部材174を介して内層部材170及び外層部材270の一体化物を当接させた場合に、外層基板部271の室外に臨む表面271bが配置される平面である。また、基準位置は、屋根妻パネル23の室外に臨む外表面23dに対し外層シール部材74を介して外補強部70Bを当接させた場合に屋根妻パネル23の連結用挿通孔23bを貫通したスペーサ部材75cの端面が配置される平面にも一致するものである。
上述の状態から補強用吊束70を取り付けるには、図8、図9(b)、図11に示すように、ネジ部材75が屋根妻パネル23の連結用挿通孔23bを貫通する状態で、外層シール部材74を介して外補強部70Bを屋根妻パネル23の室外に臨む外表面23dに当接させる。この状態においては、外補強部70Bの下端面が腕木18の上面18cに当接し、かつ外補強部70Bの上端面が上框部材21Bの下面21Baに当接することになる。
次いで、内層部材170の第1ネジ挿通孔171aにスペーサ部材75cが配置され、かつ外層部材270の第2ネジ挿通孔271aに軸部75aが配置された状態となるようにネジ部材75に対して内補強部70Aを挿入し、図9(c)、図12に示すように、内層シール部材174を介して内補強部70Aを屋根妻パネル23の室内に臨む内表面23cに当接させる。
この状態においては、内層部材170の下端面及び外層部材270の下端面がそれぞれ腕木18の上面18cに当接し、かつ内層部材170の上端面が上框部材21Bの下面21Baに当接するとともに、外層部材270の上端面が妻垂木19の下面19bに当接することになる。またこのとき、外層基板部271の室外に臨む表面271bは、下端部がブラケット90において支持板部92の室内に臨む表面92aに当接し、かつ上端部が上框部材21Bの内方側面21Bbに当接した状態となる。従って、外層基板部271を介してブラケット90の支持板部92及び上框部材21Bに取付ネジ100を螺合すれば、外補強部70Bがブラケット90を介して腕木18に固定されるとともに、上框部材21Bを介して妻垂木19に固定された状態となる。
さらに、外層基板部271の第2ネジ挿通孔271aを貫通するネジ部材75の軸部75aにナット部材101を螺合すれば、ネジ部材75を介して外補強部70Bと内補強部70Aとが一体化され、さらに外層シール部材74及び内層シール部材174を介して外補強部70Bと内補強部70Aとの間に屋根妻パネル23が挟持されることになる。このとき、屋根妻パネル23の室外に臨む表面に貼り付けた面状シール部材80が外補強部70Bに圧接され、屋根妻パネル23の室内に臨む表面に貼り付けた面状シール部材80が内補強部70Aに圧接された状態となっている。
最後に、図9(d)及び図13に示すように、内補強部70Aの外層部材270にカバー部材370を装着すれば、ネジ部材75、ナット部材101、取付ネジ100、ブラケット90が室内側から視認されることがなく、意匠性が損なわれるおそれがない。
上記のように構成した屋外構造物10では、内補強部70Aと外補強部70Bとの間に屋根妻パネル23を挟持し、かつ内補強部70Aの上下両端部を妻垂木19及び腕木18に固定するようにしている。従って、屋根妻パネル23としては、上框部材21B、前縦框部材21A、腕木18及び後縦框部材21Cによって囲まれる比較的大きな領域に対応した大きさを有しているものの、風圧に対しては上框部材21B、前縦框部材21A、腕木18及び補強用吊束70によって囲まれる領域と、上框部材21B、後縦框部材21C、腕木18及び補強用吊束70によって囲まれる領域とで受けることができる。
このため、風圧が作用した場合にも屋根妻パネル23に撓み生じ難くなり、音鳴りが生じたり屋根妻開口27から脱落する事態を低減することができる。しかも、屋根妻パネル23が分断されていないため、パネル収容溝23Aにおいては、屋根妻パネル23と補強用吊束70とが接合することがなく、屋根妻パネル23の縁部において水密性を確保するための構造が複雑になるおそれもない。例えば、屋根妻パネル23の縁部において水密性を確保するための構造としては、上述したように、パネル収容溝23Aの内部において屋根妻パネル23の内外両表面に対して少なくとも一方にパネルシール部材23aを当接させれば良い。つまり、屋根妻パネル23の縁部に一連のパネルシール部材23aを配設すれば良いため、容易に水密性を確保することができる。さらに、新たに水の浸入経路となり得る連結用挿通孔23bに対しては、外補強部70Bと屋根妻パネル23との間に面状シール部材80を設けることで、あるいは外補強部70Bの両側縁部に外層シール部材74を設けることで、容易に水密性を確保することが可能となる。加えて、内補強部70A及び外補強部70Bは、分断された屋根妻パネル23の縁部を支持するものではないため、上框部材21Bや腕木18のパネル収容溝23Aに挿入する必要がない。このため、板厚方向の寸法に制限がないため、幅を増大させることなく剛性を向上させることが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、テラス囲いと称される屋外構造物10の屋根構造体において屋根妻パネル23を支持するための構造を例示しているが、本発明はその他の面材を支持するものにも適用することが可能である。この場合、第1の補強材である内補強部70A及び第2の補強材である外補強部70Bは一組である必要はなく、複数組設けるようにしても良い。また、第1の補強材及び第2の補強材を配設する方向は必ずしも上下方向に沿っている必要はなく、例えば、支持するパネルの上下に沿った寸法が水平に沿った寸法よりも大きいパネルに対しては水平方向に沿って第1の補強材及び第2の補強材を配設しても良い。さらに、面材よりも室内側に設けられる第1の補強材を枠材に固定するようにしているため、室内側から取付ネジを螺合することができる等、組立作業の容易化を図ることができるが、第2の補強材を枠材に固定するようにしても構わない。なお、第1の補強材と第2の補強材との連結は、必ずしもネジ部材75である必要はなく、例えば単にロッドを適用して第1の補強材と第2の補強材とを連結しても良い。
また、上述した実施の形態では、第1の補強材として内層部材170と外層部材270とを組み合わせることによって構成されるものを例示しているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、第1の補強材を1つの部材によって構成してももちろん良い。なお、第1の補強材として第2の補強材よりも断面二次モーメントが大きいものを適用しているため、つまり、第2の補強材よりも剛性の大きな第1の補強材を適用しているため、室外に露出する第2の補強材としては薄く幅の狭いものを適用することができ、外観品質を考慮した場合、有利となるが、本発明は必ずしもこれに限定されない。さらに、第1の補強材にカバー部材370を装着するようにしているため、室内側においても意匠性を向上させることができるが、カバー部材370は必ずしも設ける必要はない。
またさらに、面材の上縁部、上下に延在する縁部については、框部材21に設けたパネル収容溝23Aに収容させるようにしているが、腕木18と同様、枠材19,17,11に設けたパネル収容溝に収容させるようにしても良い。また、第1の補強材の上端部については、上框部材21Bを介して妻垂木19に固定するようにしているが、直接妻垂木19に取付ネジを螺合するようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、連結用挿通孔23bを対象としたシール部材として屋根妻パネル23に面状シール部材80を設けるとともに、外補強部70Bの両側縁部に外層シール部材74を設けるようにしているため、水密性の点で有利となるが、いずれか一方を設ければ十分である。
以上のように、本発明に係る面材の支持構造は、面材の縁部に沿って配置される枠材と、前記面材の室内に臨む内表面に対向した状態で両端部がそれぞれ前記枠材に固定される第1の補強材と、前記面材の室外に臨む外表面に対向した状態で配置され、前記第1の補強材との間に前記面材を挟持する第2の補強材とを備え、前記面材には、前記第1の補強材及び前記第2の補強材によって覆われる位置に連結用挿通孔が設けられ、前記第2の補強材と前記面材との間には、前記連結用挿通孔を対象としたシール部材が設けられ、前記第1の補強材及び前記第2の補強材は、前記連結用挿通孔に挿通した連結部材によって互いに連結されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1の補強材と第2の補強材との間に面材を挟持するようにしているため、面材を分断することなく耐風圧の問題を解決することができる。しかも、パネル収容溝の内部において面材と吊束とが接合することがないため、面材の縁部において水密性を確保するための構造が複雑になるおそれもない。さらに、新たに水の浸入経路となる面材の連結用挿通孔は、第2の補強材と面材との間にシール部材を設けることで対応することができ、容易に水密性を確保することができる。
また本発明は、上述した面材の支持構造において、前記連結部材は、前記第2の補強材に設けられたネジ部材であり、前記面材の連結用挿通孔及び前記第1の補強材に設けたネジ挿通孔を挿通した端部にナット部材を螺合することにより前記第1の補強材と前記第2の補強材とを連結することを特徴としている。
この発明によれば、室内側からネジ部材にナット部材を螺合することで第1の補強材及び第2の補強材を面材に押し付けることができ、面材を支持する作業を容易に行うことができる。
また本発明は、上述した面材の支持構造において、前記シール部材は、前記面材の外表面において前記連結用挿通孔の周囲となる部位に取り付けられていることを特徴としている。
この発明によれば、面材に形成した連結用挿通孔の周囲にシール部材を設けるようにしているため、容易な構造によって確実に止水を行うことが可能となる。
また本発明は、上述した面材の支持構造において、前記シール部材は、前記第2の補強材の両側縁部に取り付けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第2の補強材の両側縁部にシール部材を設ければ良いため、容易な構造によって確実に止水を行うことが可能となる。しかも、第2補強材と面材との間にシール部材が介在するため、第2補強材が面材に直接接触することに起因した面材の損傷を防止することも可能となる。
また本発明に係る屋根構造体は、上述した支持構造を適用して面材を支持したことを特徴とする。
この発明によれば、上述の作用効果を奏する屋根構造体を提供することができる。