以下、本発明の実施の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態では、4棟の建築物ユニットを組み合わせて集合建築物を構成した場合を例に挙げて説明する。
図1および図2に示すように、かかる集合建築物1は、平面視多角形の建築物ユニット2を複数組み合わせてなるものである。各建築物ユニット2は、少なくとも一側面に庇状に張り出す張出部3を備えている。複数の建築物ユニット2,2・・は、ある一地点Pを取り囲むように配置されている。また、各建築物ユニット2の張出部3が一地点P側をそれぞれ向くように配置されている。複数の建築物ユニット2,2・・は、種々の目的の居室を有する比較的小型のユニットにて構成されている。本実施形態に係る集合建築物1は、例えば、工場の入口部分に受付等の用途として用いるために構築されている。各建築物ユニット2は、例えば、守衛室棟、待合室棟、更衣室棟および待機室棟として利用されている。以下、建築物ユニット2ごとに、一地点P側に張り出した張出部3がある側を正面、その裏側を裏面とし、正面側から見て左側を左側面、右側を右側面とする。
(建築物ユニットの配置)
図1に示すように、守衛室棟を構成する建築物ユニット2(以下、「建築物ユニット2a」と称する場合がある)は、平面視長方形を呈しており、裏面に受付用の窓4aが形成されている。また、建築物ユニット2aの左右両側面には、扉5a,5aがそれぞれ形成されている。建築物ユニット2aの正面には、窓4aと直交する方向に延出して一地点P側に張り出す庇状の張出部3aが形成されている。各張出部3aは、平面視矩形(本実施形態では長方形)を呈しており、建築物ユニット2aの正面の幅と同じ幅を有している。この張出部3aは、通路6aの屋根を構成するものであって、900mm程度の張出寸法を有している。すなわち、張出部3aの下方の空間は、通路6aとして利用される。通路6aは、その一部が建築物ユニット2aと後述する建築物ユニット2dとで囲まれて区画されている。なお、建築物ユニット2aの裏面には、受付の屋根を構成する張出部3’aが形成されている。この張出部3’aは、1800mm程度の張出寸法を有している。
待合室棟を構成する建築物ユニット2(以下、「建築物ユニット2b」と称する場合がある)は、平面視長方形を呈しており、守衛室棟を構成する建築物ユニット2aの正面から見た左側方に隣り合うように、所定の間隔をあけて対向配置されている。建築物ユニット2bの右側面と左側面には、窓4b,4bと扉5b,5bがそれぞれ形成されている。建築物ユニット2bの正面には、一地点Pおよび建築物ユニット2aに向かって延出して張り出す庇状の張出部3bが形成されている。すなわち、互いに隣り合う建築物ユニット2aの張出部3aの張出方向Daと建築物ユニット2bの張出部3bの張出方向Dbとが直角に交差している。張出部3bは、平面視矩形(本実施形態では長方形)を呈しており、建築物ユニット2bの正面の幅と同じ幅を有している。そして、建築物ユニット2bの張出部3bの先端面が、建築物ユニット2aの張出部3aの左側面(請求項4における「張出部の側面」)および建築物ユニット2aの壁の左側面(請求項4における「張出部の側面と同じ側のユニット側面」)に近接している。また、建築物ユニット2aの張出部3aの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2bの左側面(請求項5における「建築物ユニットのユニット側面」)と同一面上に位置するようになっている。
張出部3bの下方の空間は、通路6bとして利用される。通路6bは、その一部が建築物ユニット2aと建築物ユニット2bとで囲まれて区画されている。張出部3bは、通路6bの屋根を構成するものであって、1800mm程度の張出寸法を有している。
更衣室棟を構成する建築物ユニット2(以下、「建築物ユニット2c」と称する場合がある)は、平面視長方形を呈しており、待合室棟を構成する建築物ユニット2bの正面から見た左側方に隣り合うように、所定の間隔をあけて対向配置されている。建築物ユニット2cの正面と左側面には、扉5c,5c・・がそれぞれ形成されている。建築物ユニット2cの正面には、一地点Pおよび建築物ユニット2bに向かって延出して張り出す庇状の張出部3cが形成されている。すなわち、互いに隣り合う建築物ユニット2bの張出部3bの張出方向Dbと建築物ユニット2cの張出部3cの張出方向Dcとが直角に交差している。張出部3cは、平面視矩形(本実施形態では長方形)を呈しており、建築物ユニット2cの正面の幅と同じ幅を有している。そして、建築物ユニット2cの張出部3cの先端面が、建築物ユニット2bの張出部3bの左側面(請求項4における「張出部の側面」)およびこれと同じ側となる建築物ユニット2bの左側面(請求項4における「張出部の側面と同じ側のユニット側面」)に近接している。また、建築物ユニット2bの張出部3bの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2cの正面(請求項5における「建築物ユニットのユニット正面」)と交差するようになっている。
張出部3cの下方の空間は、通路6cとして利用される。通路6cは、その一部が建築物ユニット2bと建築物ユニット2cとで囲まれて区画されている。張出部3cは、通路6cの屋根を構成するものであって、900mm程度の張出寸法を有している。
待機室棟を構成する建築物ユニット2(以下、「建築物ユニット2d」と称する場合がある)は、平面視長方形を呈しており、更衣室棟を構成する建築物ユニット2cの正面から見た左側方に隣り合うように、所定の間隔をあけて対向配置されている。また、待機室棟を構成する建築物ユニット2dは、守衛室棟を構成する建築物ユニット2aに対しても隣り合っており、建築物ユニット2aの正面側に所定の間隔をあけて対向配置されている。建築物ユニット2dの左側面と右側面には、窓4d,4dと扉5d,5dがそれぞれ形成されている。建築物ユニット2dの正面には、一地点Pおよび建築物ユニット2cに向かって延出して張り出す庇状の張出部3dが形成されている。すなわち、互いに隣り合う建築物ユニット2cの張出部3cの張出方向Dcと建築物ユニット2dの張出部3dの張出方向Ddとが直角に交差している。さらに、建築物ユニット2dの張出部3dは、その張出方向Ddが、建築物ユニット2aの張出部3aの張出方向Daに対しても直角に交差している。
張出部3dは、平面視矩形(本実施形態では長方形)を呈しており、建築物ユニット2dの正面の幅と同じ幅を有している。そして、建築物ユニット2dの張出部3dの先端面が、建築物ユニット2cの張出部3cの左側面(請求項4における「張出部の側面」)および建築物ユニット2cの左側面(請求項4における「張出部の側面と同じ側のユニット側面」)に近接している。また、建築物ユニット2cの張出部3cの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2dの左側面(請求項5における「建築物ユニットのユニット側面」)と同一面上に位置するようになっている。
張出部3dの下方の空間は、通路6dとして利用される。通路6dは、その一部が建築物ユニット2cと建築物ユニット2dとで囲まれて区画されている。張出部3dは、通路6cの屋根を構成するものであって、1800mm程度の張出寸法を有している。
建築物ユニット2dと建築物ユニット2aとの配置関係においては、建築物ユニット2aの張出部3aの先端面が、建築物ユニット2dの張出部3dの左側面(請求項4における「張出部の側面」)およびこれと同じ側となる建築物ユニット2dの左側面(請求項4における「張出部の側面と同じ側のユニット側面」)に近接している。また、建築物ユニット2dの張出部3dの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2aの正面(請求項5における「建築物ユニットのユニット正面」)と交差するようになっている。
以上のように配置された建築物ユニット2a,2b,2c,2dによれば、各建築物ユニット2の各張出部3の張出方向Da,Db,Dc,Ddが一地点Pを中心として見て同一の回転方向(右回転方向)をそれぞれ向くように、各建築物ユニット2の張出部3が、隣り合う建築物ユニット2に向かってそれぞれ張り出している。
また、各建築物ユニット2a,2b,2c,2dの張出部3a,3b,3c,3dの下方にそれぞれ構成される通路6a,6b,6c,6dは、少なくとも隣り合う通路同士が繋がっているので、全ての通路6a,6b,6c,6dが一体的に繋がることとなる。
前記したように、建築物ユニット2aの張出部3aの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2bの左側面と同一面上で位置するようになっているので、建築物ユニット2aの張出部3aの先端面と、建築物ユニット2bの左側面が直線状となる。また、建築物ユニット2cの張出部3cの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2dの左側面と同一面上に位置するようになっているので、建築物ユニット2cの張出部3cの先端面と、建築物ユニット2dの左側面が直線状となる。
一方、前記したように、建築物ユニット2bの張出部3bの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2cの正面と交差するようになっているので、建築物ユニット2bの張出部3bの先端を含む鉛直平面およびこれに近接する建築物ユニット2aの左側面が、図1中、奥側に位置する建築物ユニット2cの左側面よりも内側(図1中、右側)に入り込んでオフセットしている。また、建築物ユニット2dの張出部3dの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2aの正面と交差するようになっているので、建築物ユニット2dの張出部3dの先端を含む鉛直平面およびこれに近接する建築物ユニット2cの左側面が、図1中、手前側に位置する建築物ユニット2aの左側面よりも内側(図1中、左側)に入り込んでオフセットしている。これによって、通路6bと通路6dは、クランク状に繋がることとなり、建築物ユニット2bの張出部3bの先端を含む鉛直平面と、建築物ユニット2dの張出部3dの先端を含む鉛直平面とは、互いにオフセットされ、所定の距離を隔てて平行に配置されることとなる。このような構成によれば、図3に示すように、集合建築物1を裏側(図1中、手前側)から見たときに、通路6bの奥に建築物ユニット2cの正面の壁が位置することとなり、集合建築物1の奥側後方が見えることはない。これによって、集合建築物1の一体性が高まる。
(建築物ユニットの構成)
次に、各建築物ユニット2の基本構造を説明する。なお、以下の説明では、建築物ユニット2に開口部がないが、壁面に窓や扉を適宜設けることによって、各建築物ユニット2a,2b,2c,2d(図1参照)が形成される。
図6に示すように、建築物ユニット2は、複数の板状構成材10,20をその幅方向に連接して構成されている。板状構成材10は、壁面W,W’を構成するものであって、板状構成材20は、屋根面Rを構成するものである。なお、本実施形態では、板状構成材を床として利用していないが、床を構成するようにしてもよいのは勿論である。壁面W,W’は、複数の長尺の板状構成材10(以下、「壁構成材10」という場合がある)をその幅方向に隙間なく連接して構成したものであり、屋根面Rは、複数の長尺の板状構成材20(以下、「屋根構成材20」という場合がある)をその幅方向に隙間なく連接して構成したものである。なお、本実施形態では、壁面Wの壁構成材10と屋根面Rの屋根構成材20を連接する方向を「奥行方向」とし、壁面W’の壁構成材10の連接方向を「間口方向」とする。
本実施形態においては、建築物ユニット2は、図7乃至図9に示すように、奥行方向に延びて互いに平行に対向して配置された一対の壁面W,Wと、この壁面W,Wに直交する間口方向に延びる壁面W’,W’とを備えている。壁面W,Wを構成する壁構成材10,10間に屋根構成材20が架け渡されている。具体的には、屋根構成材20の長手方向一端に、壁構成材10が直交してその上端が連結され、屋根構成材20の他端から所定距離あけた位置に、壁構成材10が直交してその上端が連結されている。すなわち、屋根構成材20は、一対の壁構成材10,10に支持され、奥行方向から見て屋根構成材20の片側が側方に延出した形状になっている。そして、この延出した部分が張出部3を構成している。なお、建築物ユニット2a(図1参照)においては、屋根構成材20の両端が、壁面W,Wよりも外側に張り出して、張出部3a,3’aを構成するようになっている。
すなわち、本実施形態に係る建築物ユニット2は、図2および図6に示すように、直方体を基調とした建物であって、屋根面Rが、壁面W,W上で間口方向の一方向(建築物ユニット2aでは両方向)に延出して形成されて張出部3を構成している。すなわち、建築物ユニット2の張出部3は、建築物ユニット2の屋根面R(屋根)を構成する板状構成材20をその延長方向(図1に示した張出方向Da〜Ddと同方向)に延出させて、屋根面Rと一体に形成されている(図7参照)。
図6に示すように、壁面W,Wの下部には、土台30,30が配設され、壁面W’,W’の下部には、土台30’,30’が配設されている。各土台30,30’の上部に壁構成材10がそれぞれ固定されるようになっている。
図6、図8および図9に示すように、壁面Wの幅方向(奥行方向)中央部には、補剛柱35が位置している。補剛柱35は、壁構成材10の継手部分を一対の補剛材50a,50b(図10乃至図12参照)で挟み込むことによって補剛して構成されている。
図6に示すように、補剛柱35は、土台30の上面に立設され、互いに対向する壁面W,Wの内面に沿って、それぞれ設けられている。補剛柱35,35の頂部35a,35a間には、棒状構造体である梁材100が架け渡されている(図6および図8参照)。一方、土台30’の長手方向両端部近傍の上面には、柱材110,111がそれぞれ立設されている。柱材110,111は、互いに対向する壁面W’,W’の内面に沿って、それぞれ設けられている。柱材110,111は、補剛柱35と略同等の高さを有しており、その頂部110a,111aには、梁材100の側面に向かって延出する小梁材120がそれぞれ連結されている。また、同じ土台30’上に設けられた柱材110,111の頂部110a,111a間には、大梁材130が架け渡されている(図6および図8参照)。
なお、図6に示した建築物ユニット2の構成は、一例であって、壁構成材10や屋根構成材20にて必要な強度が得られる場合には、補剛柱35、梁材100や小梁材120を省略することが可能である。
(板状構成材)
図10乃至図12に示すように、壁構成材(板状構成材)10は、複数連接されることで壁面Wを構成する。壁構成材(板状構成材)10は、建築物ユニット2(図6参照)の外壁面を構成する外殻板11と、この外殻板11の幅方向両端にそれぞれ長手方向に沿って設けられたリブ状の継手板12,12とを備えて構成されている。壁構成材10は、その長手方向を押出方向とするアルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されている。
外殻板11は、上下方向に長い長方形を呈している。外殻板11の幅方向両端に位置する一対の継手板12,12は、それぞれ外殻板11に対して垂直に形成されており、建築物ユニット2の室内側に延出している。継手板12,12の外側面(隣接する他の壁構成材10と当接する面)には、長手方向(上下方向)に沿って凹溝13,13(図10参照)がそれぞれ形成されている。一の壁構成材10の継手板12を、他の壁構成材10の継手板12に突き合わせたときに、一の壁構成材10の継手板12の凹溝13と、他の壁構成材10の継手板12の凹溝13とが互いに向かい合い、シール材収容空間を構成する。
図13および図15に示すように、継手板12の上端には、屋根構成材20と壁構成材10を接続するとともに、隣り合う壁構成材10,10同士を接続するためのボルトBが挿通するボルト貫通孔14が複数(本実施形態では二箇所)形成されている。一方、図14に示すように、継手板12の下端には、土台30と壁構成材10とを接続するとともに、隣り合う壁構成材10,10同士を接続するためのボルトBが挿通するボルト貫通孔14が複数(本実施形態では二箇所)形成されている。これら上下のボルト貫通孔14は、それぞれ上下方向に所定の間隔をあけて形成されている。
図10乃至図12に示すように、継手板12,12には、その先端にそれぞれ内側に折り曲がった折曲部12a,12aが形成されている。折曲部12a,12aは、継手板12,12の長手方向全長に亘って形成されている。また、折曲部12a,12aは、継手板12,12に対してそれぞれ垂直に形成されており、外殻板11と平行となっている。折曲部12a,12aは、内装材等を取り付ける際に利用されるとともに、壁構成材10の断面性能を向上させる機能も備える。さらに、壁構成材10を押出形材で形成する際に、折曲部12a,12aによって当該押出形材の押出精度が向上するという利点もある。
図15に示すように、屋根構成材20は、壁構成材10と同様の断面形状を呈しており、外殻板21、継手板22,22を有している。継手板22の先端には、折曲部22aが形成されている。なお、外殻板21、継手板22,22は、壁構成材10の外殻板11、継手板12,12と同様の構成であるので説明を省略する。
(補剛材)
図10乃至図12に示すように、本実施形態では、互いに隣接する壁構成材10,10の継手部分のうち、梁材100が連結される位置(壁面Wの奥行方向中央部)の継手板12,12同士が、一対の補剛材50a,50b(以下、補剛材50aと補剛材50bとを区別しない場合は単に「補剛材50」と記載する場合がある)によって挟持されて接合されている。一対の補剛材50a,50bは、互いに壁構成材10,10の継手板12,12同士の接合面を中心とした面対称形状を呈している。ここで、隣り合う継手板12,12を、補剛材50a,50bで挟持して補剛した部分を補剛柱35と称する。
補剛材50は、継手板12に沿う長尺部材からなり、その長手方向を押出方向とするアルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されている。図10に示すように、補剛材50は、壁構成材10の厚さ寸法の2〜3倍の厚さ寸法を有している。補剛材50は、外殻板11と継手板12の内表面に沿うように形成されており、外殻板11の内表面に接触する外殻板接触部51と、継手板12の内表面に接触する継手板接触部52とを一体的に備えている。外殻板接触部51と継手板接触部52とは互いに直角に交差している。継手板接触部52には、継手板12のボルト貫通孔14に相当する位置に、ボルト貫通孔52aが複数形成されている。
図10に示すように、継手板接触部52の先端には、外殻板11の幅方向内側に折り曲がった折曲部53が形成されている。折曲部53は、継手板12の折曲部12aとの干渉を防止すべく形成されており、その先端には、室内側に折り曲がって外殻板11の幅方向外側に折り返した折返部54が形成されている。折返部54は、折曲部53と併せて、継手板12の折曲部12aの先端部分を覆うようになっている。
図10および図13に示すように、折返部54の先端には、室内側に折り曲がって突出する突設部55が形成されている。突設部55は、梁材100を固定するための部分であって、補剛材50の上端部に形成されている。突設部55は、その外側(外殻板11の幅方向外側)表面が、梁材100の後述するウェブ102の表面に当接するように構成されており、ウェブ102の高さ寸法と同等の高さ寸法を有している。突設部55には、梁材100を固定するためのボルトBが挿通するボルト貫通孔55aが複数(本実施形態では上下左右に並列して四箇所)形成されている。突設部55は、押出時に折返部54の先端に形成された突設部55と同形状の延出部の先端側下部を切除することで、押出形材の上端に形成される。
図11乃至図13に示すように、突設部55の下方で、切除された部分の残部56は、補剛材50の長手方向に沿ってリブの役目を果たし、補剛材50の補剛性能を向上させている。残部56は、その先端が、土台30の室内側端面よりも、室内側に突出しないようになっており、内装材等との干渉を防止するようになっている。
なお、補剛材50によって、充分な強度を確保できる場合には、壁構成材10や屋根構成材20を切除して、窓等(例えば図2の窓4a参照)の開口部を設けてもよい。さらに、壁構成材10や屋根構成材20を切除するだけでなく、壁構成材10や屋根構成材20自体を窓枠等と入れ替えて、例えば、縦長の大面積の開口部を形成することも可能である。
図10および図13に示すように、突設部55に固定される梁材(棒状構造体)100は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材からなり、上下方向に所定の間隔をあけて対向する一対のフランジ101,101と、各フランジ101,101間に介在する左右一対のウェブ102,102とを備えて構成されている。ウェブ102,102は、所定の間隔をあけて形成されており、内側に中空部103が形成されている。ウェブ102,102の適所には、複数のボルト貫通孔104,104・・・が形成されている。
小梁材(棒状構造体)120は、梁材100と同様の断面形状を呈しており、一対のフランジ121,121と、各フランジ121,121間に介在する左右一対のウェブ122,122とを備えて構成されている。フランジ121、ウェブ122は、梁材100のフランジ101、ウェブ102と、それぞれ同様の構成であり、ウェブ122,122間に中空部123を備え、ウェブ122,122の適所に複数のボルト貫通孔124,124・・・が形成されている。
また、大梁材130(棒状構造体)および柱材(棒状構造体)110,111も、梁材100と同様の断面形状を呈しているので詳細な説明を省略する。
さらに、図14に示すように、土台30(棒状構造体)は、梁材100と同様の断面形状を呈しており、一対のフランジ31,31と、各フランジ31,31間に介在する左右一対のウェブ32,32とを備えて構成されている。さらに、ウェブ32,32間に中空部33を備え、上側のフランジ31の適所に複数のボルト貫通孔34,34・・・が形成されている。
(土台と壁構成材との固定構造)
図14に示すように、壁構成材10は、基礎・壁固定用ブラケット60を介設して、ボルトB・ナットNで螺合することで、土台30上に固定されている。基礎・壁固定用ブラケット60は、土台30のフランジ31の上面に当接する土台接触部61と、壁構成材10の継手板12の内側面あるいは補剛材50の継手板接触部52の内側面に当接する壁接触部62とを備えて構成されている。土台接触部61は、土台30のフランジ31の幅寸法と略同等の幅寸法を有しており、ボルト貫通孔61aが複数形成されている。ボルト貫通孔61aは、本実施形態では室内側に二箇所、室外側に一箇所の三箇所に形成されており、室外側のボルト貫通孔61aが二等辺三角形の頂点に位置するように配置されている。壁接触部62は、土台接触部61の端部から直交して立ち上がって一体的に形成されており、複数のボルト貫通孔62aが形成されている。ボルト貫通孔62aは、本実施形態では上下方向に二箇所形成されている。補剛材50が設けられていない部分の基礎・壁固定用ブラケット60では、壁接触部62は壁構成材10の継手板12の内側面に直接当接し、補剛材50が設けられている部分の基礎・壁固定用ブラケット60では、壁接触部62は補剛材50の継手板接触部52の内側面に当接する。
ところで、補剛材50が設けられる部分では、補剛材50a,50bの両側に、面対称に形成された基礎・壁固定用ブラケット60,60が、補剛材50a,50bを両側から挟持するように配置されている。一方、補剛材50が設けられない部分では、基礎・壁固定用ブラケット60が、継手部分の片側のみに設けられている。
ところで、壁構成材10の下端部は、継手板12,12が所定の高さで切除されている。すなわち、外殻板11の下端部が、土台30の上端面より下部に延出する垂下部11aを構成することとなり、この垂下部11aが、水切り板の役目を果たすこととなる。これによって、建物T内部への雨水等の浸入を防止することができる。
(補剛材と梁材との固定構造)
図10および図13に示すように、補剛材50a,50bの上端の突設部55が、一対のウェブ102,102を、梁材100の幅方向両側から挟み込んで、ボルトB・ナットNで締め付けることで、梁材100が補剛材50a,50bに固定されている。
(梁材、柱材と小梁材との固定構造)
図8に示すように、土台30’上に立設された柱材110,111と、梁材100との間には、小梁材120が架け渡されて設けられている。
図10および図13に示すように、梁材100と小梁材120は、断面L字状の梁・小梁固定用ブラケット75を介設して、ボルトB・ナットNで締め付けることで、互いに固定されている。梁・小梁固定用ブラケット75は、梁材100のウェブ102の側面に当接する梁接触部76と、小梁材120のウェブ122,122間の中空部123に挿入されてウェブ122の内側面に接触する小梁接触部77とを備えて構成されている。梁接触部76は、梁材100のウェブ102の高さ寸法と同等の高さ寸法を有しており、複数のボルト貫通孔76aが形成されている。ボルト貫通孔76aは、梁材100のウェブ102に形成されたボルト貫通孔104の位置に相当するように、上下左右の四箇所に形成されている。小梁接触部77は、梁接触部76の端部から直交して立ち上がって一体的に形成されており、複数のボルト貫通孔77aが形成されている。ボルト貫通孔77aは、小梁材120のウェブ122に形成されたボルト貫通孔124の位置に相当するように、上下左右の四箇所に形成されている。
梁・小梁固定用ブラケット75は、二枚一組で用いられるようになっており、小梁接触部77,77が互いに平行になるように配置され、間にプレート78を挟みこんで一体的に断面T字状を呈するようになっている。各小梁接触部77,77は、小梁材120の各ウェブ122,122の内側面にそれぞれ当接するように、ウェブ122,122間の距離に応じて、プレート78の厚さが決定される。
(壁構成材と屋根構成材との固定構造)
図15に示すように、屋根構成材20の長手方向一端部には、壁構成材10の上端部が接続されている。壁構成材10の外殻板11および継手板12は、屋根構成材20の外殻板21の近傍まで延出して構成されている。折曲部12aは、その上端部が屋根構成材20の継手板22の下端に相当する位置まで切除されている。継手板12の上部に形成されているボルト貫通孔14,14は、上下方向に所定の間隔をあけて二箇所に配置されている。
一方、屋根構成材20の外殻板21は、壁構成材10の外殻板11の水平位置まで延出して構成されており、継手板22は、壁構成材10の継手板12の先端に相当する位置まで折曲部22aと合わせて先端部が切除されており、壁構成材10の継手板12との干渉を防いでいる。継手板22の切除された残りの先端部には、ボルト貫通孔24,24が水平方向に所定の間隔をあけて二箇所に形成されている。
屋根構成材20と壁構成材10は、壁・屋根固定用ブラケット85を介設して、ボルトB・ナットNで締め付けることで、互いに固定されている。壁・屋根固定用ブラケット85は、平面L字状を呈した形状に形成されており、壁構成材10の継手板12に接触する壁接触部86と、屋根構成材20の継手板22に接触する屋根接触部87とを備えて構成されている。壁接触部86には、継手板12のボルト貫通孔14,14に相当する位置にボルト貫通孔86a,86a(図15の(a)参照)が形成されており、屋根接触部87には、継手板22のボルト貫通孔24,24に相当する位置にボルト貫通孔87a,87a(図15の(a)参照)が形成されている。
図15の(b)に示すように、壁構成材10の上端の屋根構成材20との隙間にはシール材15が介設されており、壁構成材10と屋根構成材20との接合出隅部分16には、破風部材17が設けられている。破風部材17は、屋根構成材20の外殻板21の上面に当接する係止部18と、係止部18の先端から折り曲がって形成された垂下部19とを備えて構成されている。係止部18の下面には凸条18aが形成されており、凸条18aが外殻板21の端部に当接することで、破風部材17を、屋根構成材20に取り付けるときに位置決めガイドの役目を果たす。破風部材17は、所定ピッチで設けられたビスV等で屋根構成材20の外殻板21に固定されている。
(張出部の屋根構成材と壁構成材との固定構造)
図16に示すように、屋根構成材20の長手方向他端から所定距離あけた位置(張出部3の基端部)には、壁構成材10の上端部が接続されている。壁構成材10の外殻板11および継手板12は、屋根構成材20の継手板22の下端部に当接するように構成されている。継手板12の上部に形成されているボルト貫通孔14,14は、上下方向に所定の間隔をあけて二箇所に配置されている。
一方、屋根構成材20の継手板22先端の折曲部22aは、壁構成材10の継手板12に相当する部分が切除されている。
張出部3の基端部における屋根構成材20と壁構成材10は、第二の壁・屋根固定用ブラケット90を介設して、ボルトB・ナットNで締め付けることで、互いに固定されている。第二の壁・屋根固定用ブラケット90は、平面L字状を呈した形状に形成されており、壁構成材10の継手板12に接触する壁接触部91と、屋根構成材20の継手板22に接触する屋根接触部92とを備えて構成されている。壁接触部91には、継手板12のボルト貫通孔14,14に相当する位置にボルト貫通孔(図示せず)が形成されており、屋根接触部92には、継手板22のボルト貫通孔24,24に相当する位置にボルト貫通孔(図示せず)が形成されている。
図17に示すように、張出部3の先端部には、屋根構成材20の長手方向端部の開口部分を覆う破風部材17が設けられている。破風部材17は、壁構成材10と屋根構成材20との接合出隅部分16に設けられているもの(図15の(b)参照)と同じ部材であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
また、張出部3の屋根構成材20の下部には軒天板27が貼り付けられている。軒天板27は、屋根構成材20の継手板22先端(下端)の折曲部22aに当接してビス(図示せず)等で固定されている。
以上のような構成の建築物ユニット2を組み合わせてなる集合建築物1では、図4および図5に示すように、張出部3a,3b,3c,3dの先端には、雨樋7a,7b,7c,7d(以下、単に「雨樋7」と称する場合がある)がそれぞれ設けられている。雨樋7は、例えば、公知の塩化ビニル樹脂製のもの、ステンレス製のもの、あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されたものが用いられている。本実施形態では、デザインの統一性を高めるために、雨樋7に、ステンレス製のもの、あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されたものを採用するのが好ましい。雨樋7は、破風部材17(図17参照)の先端下部を下方から覆うように取り付けられている。雨樋7は、各張出部3の先端面が近接して対向する建築物ユニット2の壁面Wおよび張出部3の側面に設けられた破風部材(図示せず)の先端下部も下方から覆うように構成されており、建築物ユニット2間の隙間を覆うようになっている。これによって、一方の張出部3から流れてきた雨水だけでなく、反対側の屋根面Rから流れてきた雨水も、雨樋7a,7cで受けることができるので、通路6a,6b,6c,6dに雨水が落下するのを防止できる。
本実施形態の集合建築物1では、各建築物ユニット2の屋根面Rは、図5中、上下方向の中間部に向かって水勾配(図4および図5中、矢印Aにて示す)が設定されている。すなわち、建築物ユニット2aの張出部3aの先端の雨樋7aおよび建築物ユニット2cの張出部3cの先端の雨樋7cに向かって雨水が流れるように構成されている。雨樋7aは図5中、左側(建築物ユニット2aの右側面側)が低くなるように設置され、雨樋7cは図5中、右側(建築物ユニット2cの右側面側)が低くなるように設置されており、雨樋7a,7cに流れた雨水を左右両側へ流すように構成されている(図5中、矢印A’にて示す)。雨樋7aの水下端部と、雨樋7cの水下端部には、それぞれ縦樋8(図5参照)が接続されている。なお、雨樋7bの水下となる端部(建築物ユニット2bの左側面側端部)は、接続用の樋(図示せず)を用いて雨樋7cに接続されている。一方、雨樋7dの水下となる端部(建築物ユニット2dの左側面側端部)は、接続用の樋(図示せず)を用いて雨樋7aに接続されている。
以上のような構成の集合建築物1によれば、建築物ユニット2に一体で形成された庇状の張出部3を利用して通路6a〜6dを形成しているので、従来のように別途に通路の屋根を設けなくてよく、その結果、建築コストを抑えることができる。また、建築物ユニット2に一体で形成されている張出部3が通路6a〜6dの屋根を構成するので、外観の一体性を損なうことがない。したがって、複数の建築物ユニット2で、集合建築物1の全体としてのデザインの統一感を表すことができる。
特に、本実施形態では、建築物ユニット2の張出部3が、屋根面Rを構成する板状構成材20を張出方向Da〜Ddにそれぞれ延出することで屋根面Rと一体に形成されている。これによって、張出部3の強度を高めることができるとともに、張出部3を別途に形成する場合と比較して施工が容易になり、建築コストが大幅に低減する。また、建築物ユニット2の幅寸法と同等の幅を有する広い面積の張出部3を容易に形成することができる。さらに、建築物ユニット2ごとの外観の一体性を大幅に高めることができ、集合建築物1の美観を向上できる。
また、かかる集合建築物1によれば、張出部3の下方に各建築物ユニット2を繋ぐ一体的な通路6が形成されるので、この通路6が中廊下の役目を果たし、風雨時であっても建築物ユニット2間の往来が容易になる。本実施形態では、建築物ユニット2a,2b,2c,2dの扉5a,5b,5c,5dがそれぞれ通路6a〜6dに向かって開口するように形成されているので、全ての建築物ユニット2a,2b,2c,2d間を相互に往来することができる。さらに、張出部3の先端面に雨樋7をそれぞれ設けたことによって、通路6a〜6dに雨が降り注ぐのを効率的に防止でき、その結果、通路6a〜6dが濡れるのも防止できる。
かかる集合建築物1によれば、建築物ユニット2の棟数が4棟であるので、各建築物ユニット2の配置を容易に行える。また、張出部3が平面視矩形に形成されているので、特殊な加工をする必要がなく、通常の容易な施工で建築物ユニット2を構築できる。さらに、隣り合う建築物ユニット2,2の張出部3,3の張出方向同士が互いに直角に交差するように構成されているので、張出部3と隣接する建築物ユニット2とのクリアランスを一定にすることができる。これによって、張出部3と隣接する建築物ユニット2間に雨樋7を容易に取り付けることができる。
また、本実施形態の集合建築物1によれば、隣り合う建築物ユニット2,2の一方の建築物ユニット2の張出部3の先端面が他方の建築物ユニット2の張出部3の側面およびこの側面と同じ側のユニット側面に近接するように構成されているので、全ての張出部3が少なくとも隣り合う張出部3同士で近接することになる。したがって、少なくとも隣り合う通路6同士が接続されるため、全ての建築物ユニット2を繋ぐ通路6が形成される。よって、風雨時における建築物ユニット2間の往来が容易になる。
さらに、本実施形態の集合建築物1によれば、建築物ユニット2bの張出部3bの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2cの正面と交差するようになっているので、建築物ユニット2bの張出部3bの先端を含む鉛直平面およびこれに近接する建築物ユニット2aの左側面が、奥側に位置する建築物ユニット2cの左側面よりも内側(図1中、右側)に入り込んでオフセットすることとなる。これによって、集合建築物1を図1中、手前側から見たときに、通路6bの奥に建築物ユニット2cの正面の壁が位置することとなり、集合建築物1の奥側後方が見えることはない。したがって、見る者に、複数の建築物ユニットがあたかも一つの建築物であるような印象を与えるので、外観の一体性を大幅に高めることができ、複数の建築物ユニット2で全体としてのデザインの統一感が増す。
また、建築物ユニット2dの張出部3dの先端を含む鉛直平面が、建築物ユニット2aの正面と交差するようになっているので、建築物ユニット2dの張出部3dの先端を含む鉛直平面およびこれに近接する建築物ユニット2cの左側面が、建築物ユニット2aの左側面よりも内側(図1中、左側)に入り込んでオフセットしている。したがって、集合建築物1を図1中、奥側から見た場合であっても、集合建築物1の手前側前方が見えることはなく、外観の一体性が高まる。
また、各建築物ユニット2をこのような配置にしたことによって、通路6bと通路6dは、クランク状に繋がることとなり、風の流れを抑えることができ、通路6内の強風を低減することができる。さらには、雨樋7b,7dもクランク状に配置されることになるので、雨樋7a,7b,7c,7dが一箇所にまとまって接続されることがなく、接続部の納まりが簡素化される。したがって、雨樋7の施工を容易に行うことができるとともに、各雨樋7の雨水が一箇所に集中することがないので通路6への漏れを防止することができる。
また、本実施形態では、複数の板状構成材10,20をその幅方向に連接して壁面W,W’および屋根面Rが構成して、建築物ユニット2を形成している。すなわち、板状構成材10,20がその幅方向に隙間なく並べられているので、板状構成材10,20が外装材を兼ねることができるとともに、ストライプ状のラインが入った斬新なデザインの建築物ユニット2を容易に構築することが可能となる。
さらに、板状構成材10,20は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材によって構成されているので、押出形材を適宜な長さ・角度で切断するだけで製造することができ、加工生産が容易である。さらに、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材は、寸法精度が高く、また、剛性の割に軽いので、現場での取り回しが容易になるとともに、建築物ユニット2自体の重量も軽減することができ、耐震性も向上する。さらに、この建築物ユニット2は、アルミニウムの持つ質感を生かした優れた外観を得られる。また、アルミニウムまたはアルミニウム合金は、白蟻の食害を受けることがなく、雨水や湿気により腐食することもないので、供用後の維持管理費用を大幅に削減することができる。
また、本実施形態の建築物ユニット2によれば、一対の補剛材50a,50bで互いに隣接する壁構成材10のリブ状の継手板12を挟持するという簡単な工程だけで、剛性の高い壁面Wを容易に組み立てることができる。特に、この構成は、建築物ユニット2aの受付の窓4aのように大きい開口部を有する場合に有効である。具体的には、壁構成材(板状構成材)10がない部分であっても、窓4aの縦枠部分に、補剛材50のみを柱の機能を持たせて設けることができるので、必要な強度を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。例えば、本実施形態では、建築物ユニット4が4棟設けられ、図1に示すような配置および平面プランとしているが、これに限られるものではない。すなわち、2,3棟あるいは5棟以上の建築物ユニットを適宜配列してもよく、例えば、図1に示した平面プランの通路6の上部の張出部3の一端部(例えば、図1中、建築物ユニット2cの張出部3cの右側面側)に近接する張出部を有する建築物ユニット(図示せず)を新たに設けるようにしてもよい。さらに、建築物ユニットは、平面視矩形に限定されるものでもない。
また、本実施形態では、複数の板状構成材10,20をその幅方向に連接して壁面W,W’および屋根面Rが構成された建築物ユニット2を用いているが、建築物ユニットの構造は、これに限定されるものではない。すなわち、通常の庇付きのユニットであっても、各建築物ユニットを適宜配置すれば、本発明を適用可能であるのは勿論である。