JP3529716B2 - 金属パネルを用いた外壁構築法 - Google Patents

金属パネルを用いた外壁構築法

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保典 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工事建物・ビル・マ
ンションの大型の建築物の外側壁・屋根壁面に複数の金
属パネルでもって化粧外壁を構築する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工場・ビル・マンション等の建築
物の外壁には金属パネルを複数貼り付けて化粧外壁を構
築している。従来、金属パネル同士の連結部分は空隙が
あり、防水構造及び排水し易い構造となっていないため
金属パネルの接合部分に外側から間隙・空隙にシール材
を詰めて防水構造としている。しかしながら、シール材
は樹脂系・ゴム系素材であって、長期間使用すると日光
・温度・風等で素材が劣化してクラックが生じたり、剥
離して外壁から脱落し洩水・雨水の侵入が発生してく
る。この発生を防止するためにはシール材の除去と再シ
ール材の詰め作業せねばならず、維持管理コストがかか
るものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のこれらの問題点を解消し、簡易な構
造でシール材を用いないで防水でき、又排水も良好な金
属パネルを用いた外壁構築法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の構成は、 1) 建造物の外壁又は屋根の躯体壁面に所要面積の矩
形状の金属パネルを縦横に複数連結して化粧外壁を形成
する金属パネルを用いた外壁構築法に於いて、金属パネ
ルの縦連結ラインに沿って断面コ又はC字状の長尺の縦
部材をその開口部分が外向きになるように躯体壁に複数
列取付け、金属パネルの横連結ラインに沿って横部材を
複数取付け、金属パネルの外周の対向する縦横の辺の周
端を面と平行な折曲部分の長さが異なるようにL字状に
折曲し、金属パネルの周辺の短かい折曲部分を縦部材の
開口部の折曲部裏面に接触するように挿入し、金属パネ
ルの周辺の反対側の長い折曲部分をその対向する縦部材
の開口部から挿入して隣接した金属パネルの挿入された
短かい方の周端の折曲部分の上から重ねるように配置
し、金属パネルの残りの二辺の折曲部分を縦方向の隣接
した金属パネルの対向した折曲部分と横部材表面で重ね
るようにしてねじ止めで連結して金属パネルの外壁を構
築する金属パネルを用いた外壁構築法 2) 縦部材が鉛直方向にのびた部材であり、横部材が
水平方向にのびた部材で、横部材と金属パネルの上下周
端の折曲部分の重なり部分のみにビス止めを行う前記
1)記載の金属パネルを用いた外壁構築法にある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の金属パネルとしては、錆
にくく耐久性があり、軽量で加工が容易なアルミ・チタ
ン製が好ましい。本発明の縦部材,横部材は鉄鋼・ステ
ンレス・アルミ・チタン等の金属又は強化プラスチック
材が使用できる。 本発明のコンクリート壁:鉄骨建造物のパネル壁の躯体
壁に縦部材,横部材を取付けるため、これらの交点位置
に両部材を固定するための取付金具を取付け、この取付
金具を介して縦部材,横部材を取付けることが好まし
い。本発明の金属パネルの左右・上下の辺の面に平行な
折曲部の長さは、短かい方が10〜15mm,長い方が
20〜35mm程であり、断面コ字状又はC字状の縦部
材の開口の巾より短かくするのが挿入作業を容易にして
好ましい。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例は、鉄骨建造物のパネルを用いた鉛直の
躯体外壁にアルミ製の1100mm×1500mmの横
長の長方形状の金属パネルを縦横に複数取付けて化粧外
壁とする例である。
【0007】図1は、実施例の金属パネルを取付けた化
粧外壁の正面図である。図2は、実施例の要部を示す横
断面図である。図3は、実施例の金属パネルの上下周縁
での取付けを示す説明図である。図4は、実施例の金属
パネルの上下周縁での取付けを示す説明図である。図5
は、実施例の取付金具部分の斜視図である。図6は、実
施例の金属パネルの平面図である。
【0008】図中、Kは実施例の対象の鉄骨パネル建造
物、1は鉄骨パネル建造物Kの外壁部の鉄骨、2は同鉄
骨に取付けられる垂直の外壁の躯体壁となる外壁パネル
板、3は同外壁パネル板の表面のゴムシート、4は60
mm×30mmの横縦寸法の断面C字状のチャンネル材
の縦部材、4aは同縦部材の開口部、4bは縦部材4の
開口側折曲部、5は断面L字状の横部材、6は縦部材4
と横部材の交差部分に配置され両部材を外壁パネル板2
に取付けるための取付金具、6aは取付金具6を外壁パ
ネル板2と鉄骨1に固定するための取付ねじ、6bは取
付金具のベース、6cは同ベースに縦部材4の横巾より
長い間隔で対置させるように設けたLアングル材、6d
は縦部材4をLアングル材6cに取付けるねじ、6eは
横部材5をLアングル材6cに取付けるねじ、7はアル
ミ製の1100mm×1500mmの金属パネル、7
a,7bは同金属パネルの左右の周端の折曲部で7aは
左側短かい折曲部,7bは右側長い折曲部で7a1,7
b1は同折曲部それぞれの垂直折曲面、7cは金属パネ
ル7の上側長い折曲部,7c1は同上側長い折曲部の垂
直折曲面,7dは金属パネル7の下側短かい折曲部,7
d1は同下側短かい折曲部の垂直折曲面,7eは金属パ
ネル7の上側と下側の垂直折曲面の個所で横部材5と連
結するねじ孔7fに挿入される止ねじ、7fはねじ孔、
8は下方の基礎コンクリート立上り部である。
【0009】この実施例の鉄骨パネル建造物Kは鉄骨構
造体で、鉄骨1とその間の外壁パネル板2で躯体が建造
されている。その建築工程は、まずこの鉄骨1と外壁パ
ネル板2に取付金具6を取付ねじ6aでもって複数個格
子点位置に取付ける。同一鉛直状にある取付金具6の左
右に対置したLアングル材6cの間に断面C字状の縦部
材4を挿入し、ねじ6dで縦部材4をLアングル材6c
に固定する。又断面L字状の横部材5を取付金具6のL
アングル材6cの水平部分の下面に当てるようにしてね
じ6eでLアングル材6cに連結する。このように、縦
部材4と横部材5とを外壁パネル板2の下地外壁面に沿
って格子状に取付ける。
【0010】次に、金属パネル7を外壁の下方側から上
側へと取付けていく。その後左側に同様に金属パネル7
を取付けていく。その取付作業について説明する。金属
パネル7の上側長い折曲部7c及び下側短かい折曲部7
dをそれぞれ断面L字状の横部材5の上下の垂直面に当
てる。金属パネル7の右側長い折曲部7bを右側の断面
C字状の縦部材4の開口部4aに挿入し、右側隣りの金
属パネル7の開口部4aから挿入された左側短かい折曲
部7aと縦部材4の垂直折曲面4bの上に重ねる。右側
隣りの金属パネル7がないときは右側縦部材4の開口側
折曲部4bに直接接触させるようにする。又金属パネル
7の左側短かい折曲部7aは左側にある縦部材4の開口
部4aから挿入され、縦部材4の開口側折曲部4bに接
触するようにする。接触面を広くするため左右の縦部材
4の開口部4aに金属パネル7の左右の周端を挿入して
接触した後金属パネル7を右方向に移動させ、左側短か
い折曲部7aを縦部材4の折曲部4bの内側右面に押し
当てる。その後に金属パネル7の上側長い折曲部7cと
下側短かい折曲部7dを横部材5の垂直部分に止ねじ7
eで取付けて固定する。このように、金属パネル7を下
から上へ取付け、その後、左側列の金属パネル7を下か
ら上方へと取付け、金属パネル7を外壁パネル板2の全
面に取付け、金属パネル7による化粧壁を形成していく
ものである。
【0011】この実施例では、金属パネル7同士の接合
部は、折曲部を互いに重ねるようにして取付けることで
水洩れをなくしている。又左右周縁の重なり部分は断面
C字状の縦部材の開口部の内側にあって縦部材4によっ
て更に内側(建物内方向)へ水が混入しないようになっ
ている。又縦部材4の内部は水が侵入しても垂直の排水
路となり、水が建物内側に向かうのを防止している。
【0012】更に、金属パネル7の左右の折曲部7a,
7b間の表側間隙が溝を形成して外側での垂直の排水路
を形成し、排水を良好にしている。
【0013】又、金属パネル7の左右の折曲部7a,7
bの間の接合に、ボルト・ナット・ねじ等が外側からみ
えるように使用されていないので美観上優れたものとな
っている。尚、上下の折曲部7c,7d間の止ねじ7e
は下方からみるとほとんど見えないので美観を損なうこ
とがない。
【0014】本実施例によると、シール材を使用せずに
縦部材・横部材と金属パネルの接合とその形状によって
防水構造とすることができている。縦部材4の内部空
間、外側の折曲部7a,7b同士による縦の連通した溝
の形成によって排水機能も高いものにできた。
【0015】
【発明の効果】以上の様に、本発明によればシール材を
使用せずに簡単な構造で防水構造にでき、又排水性・耐
久性も優れたものにでき、シール材の貼付作業、貼替え
作業の作業をせずに長期間の防水を可能にした。又これ
らの作業を不要にできるので安価に防水構造のものにで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の正面図である。
【図2】実施例の要部を示す横断面図である。
【図3】実施例の金属パネルの上下周縁での取付けを示
す説明図である。
【図4】実施例の金属パネルの上下周縁での取付けを示
す説明図である。
【図5】実施例の取付金具部分の斜視図である。
【図6】実施例の金属パネルの平面図である。
【符号の説明】
K 鉄骨パネル建造物 1 鉄骨 2 外壁パネル板 3 ゴムシート 4 縦部材 4a 開口部 4b 開口側折曲部 5 横部材 6 取付金具 6a 取付ねじ 6b ベース 6c Lアングル材 6d ねじ 6e ねじ 7 金属パネル 7a 左側短かい折曲部 7a1 垂直折曲面 7b 右側長い折曲部 7b1 垂直折曲面 7c 上側長い折曲部 7c1 垂直折曲面 7d 下側短かい折曲部 7d1 垂直折曲面 7e 止ねじ 7f ねじ孔 8 基礎コンクリート立上り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/12 101 E04B 2/56 622 E04B 2/56 642 E04F 13/08 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の外壁又は屋根の躯体壁面に所要
    面積の矩形状の金属パネルを縦横に複数連結して化粧外
    壁を形成する金属パネルを用いた外壁構築法に於いて、
    金属パネルの縦連結ラインに沿って断面コ又はC字状の
    長尺の縦部材をその開口部分が外向きになるように躯体
    壁に複数列取付け、金属パネルの横連結ラインに沿って
    横部材を複数取付け、金属パネルの外周の対向する縦横
    の辺の周端を面と平行な折曲部分の長さが異なるように
    L字状に折曲し、金属パネルの周辺の短かい折曲部分を
    縦部材の開口部の折曲部裏面に接触するように挿入し、
    金属パネルの周辺の反対側の長い折曲部分をその対向す
    る縦部材の開口部から挿入して隣接した金属パネルの挿
    入された短かい方の周端の折曲部分の上から重ねるよう
    に配置し、金属パネルの残りの二辺の折曲部分を縦方向
    の隣接した金属パネルの対向した折曲部分と横部材表面
    で重ねるようにしてねじ止めで連結して金属パネルの外
    壁を構築する金属パネルを用いた外壁構築法。
  2. 【請求項2】 縦部材が鉛直方向にのびた部材であり、
    横部材が水平方向にのびた部材で、横部材と金属パネル
    の上下周端の折曲部分の重なり部分のみにビス止めを行
    う請求項1記載の金属パネルを用いた外壁構築法。
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JP3010341U (ja) 1994-10-19 1995-05-02 株式会社アステック 建築用金属外壁パネル
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