JP4371251B1 - 屋根 - Google Patents
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Abstract
【課題】 施工性及び分解性に優れ、雨漏りを確実に防止でき、尚且つ屋根パネルの製作の容易な屋根の提供。
【解決手段】 上面が開口した溝形の屋根パネル取付部材2bと、屋根パネル取付部材2b,2b間に前後方向に並べて配設した屋根パネル3とを備え、屋根パネル取付部材2bは、屋根パネルの受け部4を内側に向けて下方傾斜して有し、屋根パネル3は、金属板を折り曲げて形成したものであって、山折部5と谷折部6を左右方向に交互に有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材2bの受け部4に載置する載置部7を下方傾斜して有し、屋根パネルの前縁部3aを前方に位置する屋根パネルの後縁部3b上に重合し、載置部7を屋根パネル取付部材2bの受け部4に載置してネジ止めしてある。
【選択図】 図1
【解決手段】 上面が開口した溝形の屋根パネル取付部材2bと、屋根パネル取付部材2b,2b間に前後方向に並べて配設した屋根パネル3とを備え、屋根パネル取付部材2bは、屋根パネルの受け部4を内側に向けて下方傾斜して有し、屋根パネル3は、金属板を折り曲げて形成したものであって、山折部5と谷折部6を左右方向に交互に有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材2bの受け部4に載置する載置部7を下方傾斜して有し、屋根パネルの前縁部3aを前方に位置する屋根パネルの後縁部3b上に重合し、載置部7を屋根パネル取付部材2bの受け部4に載置してネジ止めしてある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属製の屋根パネルを用いる屋根に関する。
カーポートやサイクルポート等の簡易建物の屋根として、鋼板を凹凸状に曲げて形成した折板を使用するものがある。折板は、ロールフォーミングにより屋根の流れ方向に継ぎ目の無い長いものに成形され、重量もかなりあるため、高所に折板を持ち上げて屋根のフレームに固定する作業は大変重労働であった。また、建物を移設する場合には、屋根をいったん外して再度組み立てる必要があるが、一般の人がそうした作業を行うのは困難であった。
屋根の施工を容易にするため、屋根パネルを前後方向に適当な長さで分割し、前後に隣接するパネルの端部を重ね合わせることが考えられるが、図8(a)に示すように、水平部90と突部91を有する屋根パネル92や、図8(b)に示すような波状に曲げた屋根パネル92を重ね合わせると、上下の屋根パネル92,92間に隙間93ができ、その隙間から雨漏りするおそれがある。
特許文献1には、上縁の左右に長手方向に沿う受部分を有する上面が開放した溝状の垂木と、垂木間に取付ける屋根パネルとを有し、屋根パネルは平面視正方形で中央部が盛り上がった箱型に形成され、前縁部に第1連結部を、後縁部に第2連結部を有すると共に、左右の側縁に垂木の受部分に止着される係止部を設けてあり、前後の屋根パネルを第1連結部と第2連結部とで接続したものが開示されている。この場合、屋根パネルの前後の縁部に第1連結部と第2連結部を設ける必要があるなど、屋根パネルの形状が非常に複雑になり、屋根パネルの製作に多くの手間とコストが掛かる。
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工性及び分解性に優れ、雨漏りを確実に防止でき、尚且つ屋根パネルの製作の容易な屋根の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による屋根は、上面が開口した溝形の屋根パネル取付部材と、屋根パネル取付部材間に前後方向に並べて配設した屋根パネルとを備え、屋根パネル取付部材は、屋根パネルの受け部を内側に向けて下方傾斜して有し、屋根パネルは、金属板を折り曲げて形成したものであって、山折部と谷折部を左右方向に交互に有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材の受け部に載置する載置部を下方傾斜して有し、屋根パネルの前縁部を前方に位置する屋根パネルの後縁部上に重合し、載置部を屋根パネル取付部材の受け部に載置してネジ止めしてあることを特徴とする。
請求項2記載の発明による屋根は、上面が開口した溝形の屋根パネル取付部材と、屋根パネル取付部材間に前後方向に並べて配設した屋根パネルとを備え、屋根パネル取付部材は、屋根パネルの受け部を内側に向けて下方傾斜して有し、屋根パネルは、水平部と左右の起立部を有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材の受け部に載置する載置部を下方傾斜して有し、左右の起立部の間隔が前側に向かうにつれて次第に狭くなっており、屋根パネルの前縁部を前方に位置する屋根パネルの後縁部上に重合し、載置部を屋根パネル取付部材の受け部に載置してネジ止めしてあることを特徴とする。
請求項3記載の発明により屋根は、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、屋根パネル取付部材の下面に屋根支持材への取付部を側方に張り出して有することを特徴とする。
請求項1記載の発明による屋根は、屋根パネルを山折部と谷折部を左右方向に交互に有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材の受け部に載置する載置部を下方傾斜して有する形状としたことで、屋根パネルの前縁部を前方に位置する屋根パネルの後縁部上に重合しても隙間が開かず、前後の屋根パネル間からの雨漏りを防止できる。しかも屋根パネルは、曲げ加工やプレス成型のみで簡単に安価に製作できる。溝形の屋根パネル取付部材に屋根パネルの受け部が内側に向けて下方傾斜して設けてあり、屋根パネルの載置部も下方傾斜しているため、屋根パネル取付部材と屋根パネルとの間から雨水が浸入するのを防止でき、左右の屋根パネル間の雨水を屋根パネル取付部材を通じて排水できる。屋根パネルを前後方向に複数に分割し、屋根パネルの載置部を屋根パネル取付部材の受け部に載置してネジ止めするようにしたので、屋根パネルの敷設作業及び屋根の分解作業を誰にでも容易に行える。
請求項2記載の発明による屋根は、屋根パネルが水平部と左右の起立部を有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材の受け部に載置する載置部を下方傾斜して有し、左右の起立部の間隔が前側に向かうにつれて次第に狭くなっているため、屋根パネルの前縁部を前方に位置する屋根パネルの後縁部上に重合しても隙間が開かず、前後の屋根パネル間からの雨漏りを防止できる。しかも屋根パネルは、曲げ加工やプレス成型のみで簡単に安価に製作できる。溝形の屋根パネル取付部材に屋根パネルの受け部が内側に向けて下方傾斜して設けてあり、屋根パネルの載置部も下方傾斜しているため、屋根パネル取付部材と屋根パネルとの間から雨水が浸入するのを防止でき、左右の屋根パネル間の雨水を屋根パネル取付部材を通じて排水できる。屋根パネルを前後方向に複数に分割し、屋根パネルの載置部を屋根パネル取付部材の受け部に載置してネジ止めするようにしたので、屋根パネルの敷設作業及び屋根の分解作業を誰にでも容易に行える。
請求項3記載の発明による屋根は、屋根パネル取付部材の下面に屋根支持材への取付部を側方に張り出して有するため、その張り出し部分で屋根支持材にネジ止めすることで屋根パネル取付部材の下面に孔を明ける必要がないため、屋根パネル取付部材の下面から雨漏りすることがない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図4は、カーポートやサイクルポート等として用いられる簡易建物の平面図であり、図5は同簡易建物の側面図である。この簡易建物は、四隅に配置した支柱12の上端部に梁11a,11bが左右方向及び前後方向に架設してあり、左右の梁11b,11b間に横桟13が前後方向に間隔をおいて複数本架設してあり、梁11a,11b及び横桟13の上に屋根1が設けてある。屋根1は、図5に示すように、前方に向かって下り勾配で傾斜している。
屋根1は、図3,4に示すように、左右方向に等間隔をおいて前後方向に配置した屋根パネル取付部材2a,2bと、屋根パネル取付部材2a,2b間及び2b,2b間に前後方向に並べて配置した屋根パネル3とで構成されている。
中間の屋根パネル取付部材2bは、図1(a)に示すように、底板14と左右の側板15,15とで上面が開口した溝形に形成され、側板15の上縁部を溝の内側に向けて下方傾斜するように折り曲げて屋根パネル3の受け部4を設けてある。屋根パネル取付部材2bは、厚さ1mmのステンレス板を折り曲げて形成している。屋根パネル取付部材2bの前後両端部には、底板14の下面にフラットバー10が両側に張り出すように設けてあり、フラットバー10は前後の梁11a上に載置されて左右両端部をネジ16で固定してある。受け部4には、前後方向に所定の間隔をおいてインサートナット17が設けてある。
屋根1の左右両端に位置する屋根パネル取付部材2aは、図1(b)に示すように、底板14と側板15とで断面L形に形成され、側壁15の上縁部を外側に下方傾斜するように折り曲げて屋根パネル3の受け部4を設けてある。この屋根パネル取付部材2aも、中間の屋根パネル取付部材2bと同様に下面にフラットバー10が取り付けられ、受け部4にインサートナット17を設けている。
中間の屋根パネル取付部材2bは、図1(a)に示すように、底板14と左右の側板15,15とで上面が開口した溝形に形成され、側板15の上縁部を溝の内側に向けて下方傾斜するように折り曲げて屋根パネル3の受け部4を設けてある。屋根パネル取付部材2bは、厚さ1mmのステンレス板を折り曲げて形成している。屋根パネル取付部材2bの前後両端部には、底板14の下面にフラットバー10が両側に張り出すように設けてあり、フラットバー10は前後の梁11a上に載置されて左右両端部をネジ16で固定してある。受け部4には、前後方向に所定の間隔をおいてインサートナット17が設けてある。
屋根1の左右両端に位置する屋根パネル取付部材2aは、図1(b)に示すように、底板14と側板15とで断面L形に形成され、側壁15の上縁部を外側に下方傾斜するように折り曲げて屋根パネル3の受け部4を設けてある。この屋根パネル取付部材2aも、中間の屋根パネル取付部材2bと同様に下面にフラットバー10が取り付けられ、受け部4にインサートナット17を設けている。
屋根パネル3は、厚さ1mmのステンレス板を曲げ加工して形成したものであって、図1に示すように、山折部5と谷折部6とを左右方向に交互に有する断面略W字状となっており、両側の山折部5,5と連続して載置部7,7が下方傾斜して設けてあり、載置部7,7を屋根パネル取付部材2a,2bの受け部4,4上に載置してネジ18で固定している。屋根パネル3は、図3に示すように、前縁部3aを前方に位置する屋根パネル3の後縁部3b上に重合させている。屋根パネル3を、上記のように山折部5と谷折部6を交互に有する形状としたことで、図2に示すように、前後に隣接する屋根パネル3の前縁部3aと後縁部3bを隙間が開かないように密着して重合でき、前後の屋根パネル3,3間からの雨漏りを防止できる。なお屋根パネル3は、プレス成型により製作することもできる。
次に、本屋根1の施工手順を説明する。各屋根パネル取付部材2a,2bを梁11a,11b上の所定の位置に配置し、ネジ16で固定する。その後、屋根パネル取付部材2a,2b間、2b,2b間に屋根パネル3を前側から順番に取付ける。このとき、屋根パネル3の前縁部3aを前方に位置する屋根パネル3の後縁部3b上に重合するように配置する。屋根パネル3の取付けは、両側の載置部7,7を屋根パネル取付部材2a,2bの受け部4に載置し、載置部7に予め形成した貫通孔に挿通したネジ18を受け部4のインサートナット17に捩じ込んで行う。
本屋根1は以上に述べたように、屋根パネル3を前後方向に適当な長さに分断し、前後の縁部3a,3bを重合させて取付けるようにしたこと、及び屋根パネル3の両側縁部に形成した載置部7,7を屋根パネル取付部材2a,2bの受け部4に載置してネジ18で固定するようにしたことにより、屋根パネル3の敷設作業が誰にでも容易に行えるようになった。簡易建物を移設したりする際に、屋根パネル3を取外し、屋根1を分解する作業も容易に行うことができる。屋根パネル3を、左右方向に山折部5と谷折部6を交互に有する形状としたことで、図2に示すように、重合した屋根パネル3,3の後縁部3bと前縁部3a間に隙間が開かず、前後の屋根パネル3,3間からの雨漏りを防止することができ、しかも屋根パネル3は曲げ加工やプレス成型のみで簡単に安価に製作できる。また図1,2に示すように、中間の屋根パネル取付部材2bが溝形に形成されると共に、屋根パネル3の受け部4が内側に向けて下方傾斜して設けてあり、屋根パネル3の載置部4も下方傾斜しているため、屋根パネル取付部材2bと屋根パネル3との間から雨水が浸入するのを防止でき、左右の屋根パネル3,3間の雨水を屋根パネル取付部材2bを通じて排水できる。さらに、屋根パネル取付部材2a,2bの下面にフラットバー10を側方に張り出すように設け、フラットバー10の端部をネジ16で梁11a,11bに固定するようにし、屋根パネル取付部材2a,2bの下面に孔を無くしたので、屋根パネル取付部材2a,2bの下面から雨漏りすることもない。また本屋根1は、下から見ると屋根パネル3の取付けネジ18が見えないので、意匠性が良い。さらに、隣り合う屋根パネル取付部材2a,2b及び2b,2bの受け部4,4間にまたがるようにして、ソーラーパネル等の金具を取付けることもできる。
図6,7は、屋根パネル3の他の実施形態を示している。屋根パネル取付部材2a,2bの形態、屋根パネル3の取付け方は、上述の実施形態のものと同様である。
本実施形態の屋根パネル3は、図7(a)に示すように、水平部8と左右の起立部9,9とを有する断面略上向きコ字状となっており、左右の起立部9,9の上端部を外側に下方傾斜するように折り曲げて載置部7,7を設けてある。左右の起立部9,9は、図6に示すように、平面視で後側から前側にかけて板厚分だけ内側に入り込むように僅かに傾斜しており、そのため屋根パネル3の前縁における左右の起立部9,9の間隔W1は後縁における左右の起立部9,9の間隔W2より若干狭くなっている。このように形成した屋根パネル3の前縁部3aを、前方に位置する屋根パネル3の後縁部3b上に重合させると、図7(b)に示すように、両屋根パネル3,3間に隙間が開かず、よって前後の屋根パネル3,3間からの雨漏りを防止することができる。この屋根パネル3は、プレス成型により簡単に製作することができる。
本実施形態の屋根パネル3は、図7(a)に示すように、水平部8と左右の起立部9,9とを有する断面略上向きコ字状となっており、左右の起立部9,9の上端部を外側に下方傾斜するように折り曲げて載置部7,7を設けてある。左右の起立部9,9は、図6に示すように、平面視で後側から前側にかけて板厚分だけ内側に入り込むように僅かに傾斜しており、そのため屋根パネル3の前縁における左右の起立部9,9の間隔W1は後縁における左右の起立部9,9の間隔W2より若干狭くなっている。このように形成した屋根パネル3の前縁部3aを、前方に位置する屋根パネル3の後縁部3b上に重合させると、図7(b)に示すように、両屋根パネル3,3間に隙間が開かず、よって前後の屋根パネル3,3間からの雨漏りを防止することができる。この屋根パネル3は、プレス成型により簡単に製作することができる。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。前後の屋根パネルの縁部を重合させるにあたり、屋根パネル間に止水テープ等を介在させてもよい。屋根パネルの大きさ、形状(山折部と谷折部の角度、数等)、材質は、適宜変更することができる。
1 屋根
2a,2b 屋根パネル取付部材
3 屋根パネル
4 受け部
5 山折部
6 谷折部
7 載置部
8 水平部
9 起立部
10 フラットバー(取付部)
11a,11b 梁(屋根支持材)
2a,2b 屋根パネル取付部材
3 屋根パネル
4 受け部
5 山折部
6 谷折部
7 載置部
8 水平部
9 起立部
10 フラットバー(取付部)
11a,11b 梁(屋根支持材)
Claims (3)
- 上面が開口した溝形の屋根パネル取付部材と、屋根パネル取付部材間に前後方向に並べて配設した屋根パネルとを備え、屋根パネル取付部材は、屋根パネルの受け部を内側に向けて下方傾斜して有し、屋根パネルは、金属板を折り曲げて形成したものであって、山折部と谷折部を左右方向に交互に有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材の受け部に載置する載置部を下方傾斜して有し、屋根パネルの前縁部を前方に位置する屋根パネルの後縁部上に重合し、載置部を屋根パネル取付部材の受け部に載置してネジ止めしてあることを特徴とする屋根。
- 上面が開口した溝形の屋根パネル取付部材と、屋根パネル取付部材間に前後方向に並べて配設した屋根パネルとを備え、屋根パネル取付部材は、屋根パネルの受け部を内側に向けて下方傾斜して有し、屋根パネルは、水平部と左右の起立部を有し、且つ両側縁部に屋根パネル取付部材の受け部に載置する載置部を下方傾斜して有し、左右の起立部の間隔が前側に向かうにつれて次第に狭くなっており、屋根パネルの前縁部を前方に位置する屋根パネルの後縁部上に重合し、載置部を屋根パネル取付部材の受け部に載置してネジ止めしてあることを特徴とする屋根。
- 屋根パネル取付部材の下面に屋根支持材への取付部を側方に張り出して有することを特徴とする請求項1又は2記載の屋根。
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