JP4708638B2 - 外装材取付構造および外装材取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外装材を壁体の外面に取り付ける外装材取付構造、および外装材取付方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
近年、住宅等の建物の構築においてはその工業化が進み、例えば、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、建物を構築するといったパネル工法が一部に採用されている。このようなパネル工法に用いられるパネルとして、例えば、図5に示すような壁パネル2が知られている。この壁パネル2は、縦框材201,201と横框材202,202とが矩形状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材203,…が縦横に組まれて枠体204が形成され、さらにこの枠体204内にグラスウール等の断熱材(図示省略)が充填された状態で枠体204の表裏面に合板等の面材205,205が貼設されたものである。
【0003】
このような壁パネル2の外面に外装材を取り付ける従来の技術としては、例えば、特開平10−266519号公報に示されるものがある。即ち、図6に示すように、一方のサイディング材110には、左側サネ部112が形成されており、他方のサイディング材118には右側サネ部128が形成されている。これらサイディング材118,110は、右側サネ部128の外側に左側サネ部112が位置するようにして配置されている。そして、外壁基礎材(壁パネル)132の表面には胴縁122が固定されており、固定部材(釘)126を、サイディング材110の表面から胴縁122まで到達するようにして外壁基礎材(壁パネル)132にサイディング材110を取り付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術では、釘打ち等によりサイディング材110を取り付けるようにしているので、サイディング材110どうしを実矧ぎによって接合しつつ、これらサイディング材110を壁に取り付けるのに手間がかかるうえに、サイディング材100の表面に固定部材126が露出するため、表面処理作業を行う必要があるという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされるものであり、外装材を取り付ける際の表面処理を軽減し、容易に外装材を壁に取り付けることができる外装材取付構造および外装材取付方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し、請求項1の発明は、例えば、図1および図2に示すように、壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに外装材1を複数並べ、かつ、隣り合う外装材1,1を上実部10と下実部11とによる実矧ぎによって接合して取り付けてなる外装材取付構造であって、前記外装材1の一方の端部には、上実部10と、この上実部10の下側において側方に開口する溝部12が形成されており、前記外装材1の他方の端部には、下実部11が形成されており、前記壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aには、外装材1を取り付けるための取付部材3が所定間隔で複数固定されており、前記取付部材3は、前記下実部11に係止する下実係止部31と、前記溝部12に係止する溝係止部32とを備えており、隣り合う外装材1,1のうち、一方の外装材1の下実部11には前記下実係止部31が係止され、他方の外装材1の溝部12には前記溝係止部32が係止され、
前記取付部材3は、前記下実係止部31が形成され、かつ、壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに前記他方の外装材1の端部の下方で固定される第1取付部材3aと、前記溝係止部32が形成され、かつ、壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに前記一方の外装材1の端部の下方で固定される第2取付部材3bとから構成され、
前記第2取付部材3bに前記下実部11の端部11aが当接されていることを特徴としている。
【0007】
請求項1の発明によれば、外装材1の一方の端部に形成された上実部10と、この上実部10の下側において側方に開口する溝部12と、外装材1の他方の端部に形成された下実部11とにより、実矧ぎによって外装材1,1どうしを接合して取り付けることができる。また、壁体の外面2aには、取付部材3が所定間隔で複数固定されており、取付部材3に備えられた下実係止部31により、一方の外装材1の下実部11に下実係止部31が係止され、他方の外装材1の溝部12に取付部材3に備えられた溝係止部32が係止されているので、取付部材3を介して外装材1が壁体に確実に固定されるとともに、隣り合う外装材1,1どうしが容易に接合される。これにより、壁体の外面2aに外装材1を確実かつ容易に取り付けられるとともに、接合部や取り付け部位が外面に露出せず美しく仕上げることができる。
【0008】
外装材1は、建物の躯体の表面を覆う部材であり、防火性等を有する板状の素材を用いる場合があり、例えば、タイル貼り状やレンガ積み状の模様等、意匠性を高める模様が形成されている。
【0009】
また、取付部材3は、下実係止部31が形成され、かつ壁体の外面2aに固定される第1取付部材3aと、溝係止部32が形成され、かつ壁体の外面2aに固定される第2取付部材3bとから構成されているので、壁体の外面2aに第1取付部材3aと、第2取付部材3bとが確実に固定されることとなり、安定した状態で外装材1を取り付けることができる。
【0010】
請求項2の発明は、例えば、図2に示すように、請求項1記載の外装材取付構造において、前記取付部材3は、前記壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aと前記外装材1の裏面1bとに当接して、この外装材1を壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aから所定間隔離間させるスペーサ部33を備えていることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、取付部材3は、壁体の外面2aと外装材1の裏面1bとに当接して、この外装材1を壁体の外面2aから所定間隔離間させるスペーサ部33を備えているので、壁体の外面2aと、外装材1の裏面1bとの間を一定離間して、外装材1を取り付けることができる。これにより、外装材1と壁体との間の通気性を確保することがで きる。
【0012】
請求項3の発明は、例えば、図3に示すように、請求項1または2記載の外装材取付構造を施工する際に、壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに外装材1を取り付ける外装材取付方法であって、壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに、複数の第2取付部材3bを所定間隔を設けて固定したうえで、壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに、隣り合う外装材1,1どうしを上実部10と下実部11とによる実矧ぎによって接合して取り付けるに際し、前記第2取付部材3bに一方の外装材1の下実部11の端部11aを当接し、次いで、第1取付部材3aを壁体(例えば、壁パネル2等)の外面2aに固定するとともに、該第1取付部材3aの下実係止部31を前記下実部11に係止し、次いで、他方の外装材1の上実部10を前記下実部11の上側に配置するとともに上実部10の下側の溝部12に前記第2取付部材3bの溝係止部32を係止することを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明によれば、壁体の外面2aに、複数の第2取付部材3bを所定間隔を設けて固定したうえで、壁体の外面2aに、隣り合う外装材1,1どうしを実矧ぎによって接合して取り付けるに際し、第2取付部材3bに一方の外装材1の下実部11の端部11aを当接するので、第2取付部材3bにより一方の外装材1の取り付け位置を誘導することができる。次いで、第1取付部材3aを壁体の外面2aに固定するとともに、該第1取付部材3aの下実係止部31を下実部11に係止するので、第1取付部材3aによって外装材1の下実部11を有する端部を固定することができる。続いて、他方の外装材1の上実部10を下実部11の上側に配置するとともに上実部10の下側の溝部12に第2取付部材3bの溝係止部32を係止するので、上実部10によって下実部11の上側が覆われるとともに、第2取付部材3bによって溝部12を固定して、外装材1,1どうしが確実に接合するとともに、壁体に外装材1を固定することができる。さらに、外装材1,1どうしの接合部分において、上実部10によって下実部11の上側が覆われるので、第1取付部材3aの下実係止部31が露出することがなく、外観を美しく仕上げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る外装材取付構造について説明する。図1は、本発明にかかる第1の実施の形態における外装材取付構造を用いて、壁面に外装材1を取り付けた状態を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態における外装材取付構造は、建物の壁体を形成する壁パネル2と、この壁パネル(壁体)2の表面に取り付けられる外装材1と、外装材1を取り付けるための取付部材3と、取付部材3を壁パネル2に取り付けるためのビス100とによって主要部が構成されている。
【0015】
壁パネル2は、図5に示すように、縦框材201,201と横框材202,202とが矩形状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材203…が縦横に組まれて枠体204が形成され、さらにこの枠体204内にグラスウール等の断熱材(図示省略)が充填された状態で枠体204の表裏面に合板等の面材205,205が貼設されたものである。
【0016】
外装材1は、壁パネル2との間に取付部材3によって所定間隔を保ちながら壁パネル2の表面を覆う部材であり、防火性等を有する板状の素材を用いる場合があり、例えば、タイル貼り状やレンガ積み状の模様等、意匠性を高める模様が形成されている。
【0017】
図2は、本実施の形態における外装材取付構造に用いる取付部材3の斜視図である。図2に示す2つの取付部材3,3は同一形状のものであり、一方の取付部材3を水平方向に180度回転させ、2つの取付部材3,3を対向させた状態を示している。取付部材3,3は、金属からなる長尺な部材であり、壁パネル2と外装材1との間を離間させるスペーサ部33と、外装材1を係止する係止部31,31と、符号40に示す平面部とにより主要部が構成されている。
【0018】
スペーサ部33は、水平面を形成する上面部33aと、この上面部33aの長尺な辺の両端から下方に向けて垂直に曲折する側壁部33b,33cとにより凸状に形成されている。このスペーサ部33の一方の側壁部33bの下端部は、さらに外側に垂直に曲折して平面部40を形成している。この平面部40には、所定間隔を設けて、延出する複数の下実係止部31(あるいは溝係止部32)が設けられている。下実係止部31(あるいは溝係止部32)は、平面部40から上方に曲折して傾斜部31c,32cを形成した後、さらに曲折して垂直に上方に延出して側壁部31a,32aを形成している。この側壁部31a,32aの上端部にてさらに曲折して、外側上方に向けて傾斜するようにして係止部31,32が形成されている。なお、下実係止部31(あるいは溝係止部32)は、スペーサ部33の上面部33aより高い位置に設けられている。さらに、平面部40と傾斜部31c,32cとには、取付部材3,3を壁パネル2に取り付ける際に用いる、ビス100等の止着材を挿通するための止着穴36…を備えている。
【0019】
この下実係止部31どうしの間隔は一定であるとともに、該下実係止部31の長尺な辺の長さよりもやや広い間隔で設けられている。したがって、取付部材3,3は、図示するように下実係止部31と溝係止部32とを対向させると、それぞれの下実係止部31と溝係止部32とが交互にずれた位置に設けられることとなり、下実係止部31と溝係止部32とが係合するように設けられている。
【0020】
次に、本実施の形態における外装材取付構造について説明する。図1において、右側に示す取付部材3は、外装材1の溝部12を係止して取り付ける第2取付部材3bであり、左側に示す取付部材3は、外装材1の下実部11を係止して取り付ける第1取付部材3aである。これら第1取付部材3aおよび第2取付部材3bは、壁パネル2の表面に取付部材3,3の平面部40の裏面1bと、スペーサ部33の下端部とが当接し、かつ、壁パネル2の芯材203または枠体204が配設されている位置に設置されている。そして、ビス100が、止着穴36から芯材205または枠体203に挿通され、ねじ込まれて固定されている。なお、第2取付部材3bは、平面部40に設けられている止着穴36から壁パネル2に向けて垂直にねじ込まれており、他方、第1取付部材3aは、ビス100が、傾斜部32cの止着穴36から壁パネル2に向けて傾斜してねじ込まれている。
【0021】
なお、図1は外装材取付構造の断面図であるため、第1取付部材3aを取り付けるビス100と、第2取付部材3bを取り付けるビス100とが当接する位置にあるように見えるが、図2を示して説明したとおり、下実係止部31と溝係止部32とは交互に位置するので、ビス100を挿入する際、ビス100どうしが当接することはない。
【0022】
第1取付部材3aの下実係止部31は、外装材1の下実部11に係止しており、第2取付部材3bの溝係止部32は、外装材1の溝部12に係止することにより、隣接する外装材1,1どうしが実矧ぎにより取り付けられている。この際、取付部材3,3による接合部分が上実部10によって覆われ、外観上は取付部材3,3が見えないようになっている。
【0023】
続いて、図3を用いて、本実施の形態の外装材取付構造を施工する際に、壁パネル2の表面に、外装材1を取り付ける外装材取付方法について説明する。まず、(3a)に示すように、壁パネル2の表面で、かつ芯材203または、枠体204が配置されている位置に、同じ向きに第2取付部材3bを取り付けていく。この際、第1の実施の形態における外装材取付方法に用いた位置決め治具5を用いて固定位置を確認する。
【0024】
なお、(3a)の上面の端部側には、異なる形状の取付部材30が取り付けられている。この取付部材30は、端部に配置される外装材1を固定するために用いる端部止着材30である。この端部止着材30は、図4に示すように、取付部材3,3と同様に金属からなる長尺な部材であり、スペーサ部303および平面部400の形状は、取付部材3,3のスペーサ部33および平面部40と同様であり、端部止着材30は、側壁部310および係止部301の形状が取付部材3,3の側壁部31a,32aと下実係止部31とは異なる。したがって、スペーサ部303および平面部400の説明は割愛する。平面部400には、所定間隔を設けて、延出する複数の係止部301…が設けられている。平面部400から上方に垂直に曲折して側壁部301aが形成されており、この側壁部301aの上端部にてさらに内側に向けて曲折する係止部301…が形成されている。なお、係止部301…はスペーサ部303の上面部303aより高い位置に設けられている。さらに、平面部400には、取付部材30を壁パネル2に取り付ける際に用いる、ビス100等の止着材を挿通するための止着穴306…が設けられている。
【0025】
(3a)に示すように、取付部材3,3および端部止着材30とを取り付けたら、続いて、外装材1を取付部材3,3および端部止着材30に取り付ける。(3b)に示すように、最初に、端部に配設する外装材1の溝部12を端部止着材30の係止部301に係止した後、該外装材1の他方の端部側の下実部11の裏面1bが第2取付部材3bのスペーサ部33の上面部33aに当接するように配置する。
【0026】
続いて、(3c)に示すように、第1取付部材3aを、側壁部31aが外装材1の下実部11の端部11aと当接するように配置して、ビス100を斜め上方から傾斜部32cに設けられた止着穴36を通して、壁パネル2の芯材203にねじ込んで、第1取付部材3aを壁パネル2に固定させる。このとき、下実係止部31は外装材1の下実部11の上面11cに当接するようにして配置される。
【0027】
次に、(3d)に示すように、隣接する第2の外装材1を配置する。まず、溝部12を備えた外装材1の端部を第1取付部材3aの上部に配置し、該溝部12に、第2取付部材3bの溝係止部32を係止した後、外装材1の裏面1bが、第1取付部材3aと、次の第2取付部材3bとのスペーサ部33の上面部33a,33aに当接するように配置する。以降、(3c)および(3d)に示した手順を繰り返して、順次外装材1を取り付けてゆけば、(3e)に示すように外装材1…が壁パネル2の外面2aに取り付けられる。
【0028】
本実施の形態における外装材取付構造によれば、隣り合う外装材1,1を接合して取り付ける際、第1取付部材3aによって、一方の外装材1の下実部11を備えた端部を固定し、第2取付部材3bによって、他方の外装材1の溝部12を備えた端部を固定できる。したがって、隣接する外装材1,1どうしを容易かつ確実に取り付けることができる。さらに、上実部10によって外装材1,1どうしの接合部分が覆われるので、溝係止部32および下実係止部31が、外壁の表面に露出することがなく、外観を美しく仕上げることができる。
【0029】
また、取付部材3は、同一形状のものを、取り付ける向きを変えることにより、下実部11を固定する第1取付部材3aと、溝部12を固定する第2取付部材3bとに用いることができるので、部材の種類を減らすことができ、部材の製造や管理の手間を軽減することができる。
【0030】
また、取付部材には止着穴36…が平面部40と傾斜部31bとに設けられているので、該取付部材3を取り付ける位置に応じて、所望の止着穴36…を利用することができ、作業の利便性が高まる。
【0031】
さらに、取付部材3,3のスペーサ部33,33によって、壁パネル2と外装材1との間に空間Sが形成されるので、胴縁を設けることなく、壁パネル2と外装材1との間に隙間を設けることができる。これにより、木材の使用量を低減することができ、木材資源の節約につながるとともに、胴縁を取り付ける施工作業を軽減することができる。
【0032】
また、外装材取付方法によれば、まず壁パネル2に第2取付部材3b…を固定した後に、順次外装材1を配置するとともに、第1取付部材3aを該外装材1の下実部11に係止して外装材1を固定するので、外装材1が横にずれることがなく、容易かつ円滑に外装材1を取り付けることができる。さらに、外装材1を所定の位置に確実に取り付けることとなり、外装材1の寸法誤差に起因して、取り付け時に誤差が生じることを防ぎ、壁パネル2との寸法誤差を分散して吸収することができ、正確に取り付けることができる。
【0033】
なお、本実施の形態において、取付部材3,3を壁パネル2に取り付ける際、第2取付部材3bはビス100を垂直方向に取り付け、第1取付部材3aはビス100を斜め方向に固定したが、ビス100の固定方法はこれに限定されるものではない。例えば、第1取付部材3aおよび第2取付部材3bともに、垂直方向にビス100を挿入して固定しても良く、作業の利便性に応じて適宜選択すればよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、外装材の一方の端部に形成された上実部および溝部と、外装材の他方の端部に形成された下実部とにより、実矧ぎによって外装材どうしを接合して取り付けることができる。また、壁体の外面には、取付部材が所定間隔で複数固定されており、取付部材に備えられた下実係止部および溝係止部により、取付部材を介して外装材が壁体に確実に固定されるとともに、隣り合う外装材どうしが容易に接合される。これにより、壁体の外面に外装材を確実かつ容易に取り付けられるとともに、接合部や取り付け部位が外面に露出せず美しく仕上げることができる。
【0035】
また、取付部材は、第1取付部材と、第2取付部材とから構成されているので、壁体の外面に第1取付部材と、第2取付部材とが確実に固定されることとなり、安定した状態で外装材を取り付けることができる。
【0036】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのはもちろんのこと、取付部材にはスペーサ部を備えているので、壁体の外面と外装材の裏面とに当接して、この外装材を壁体の外面から所定間隔離間させた状態で外装材を取り付けることができる。これにより、壁体と外装材との間の通気性を確保することができる。
【0037】
請求項3の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのはもちろんのこと、隣り合う外装材どうしを実矧ぎによって接合して取り付けるに際し、第2取付部材によって、一方の外装材の取り付け位置を誘導することができる。次いで、第1取付部材を壁体の外面に固定するとともに、第1取付部材の下実係止部を下実部に係止するので、第1取付部材によって外装材の下実部を有する端部を固定することができる。続いて、他方の外装材の上実部を下実部の上側に配置するとともに上実部の下側の溝部に第2取付部材の溝係止部を係止するので、上実部によって下実部の上側が覆われるとともに、第2取付部材によって溝部を固定して、外装材どうしが確実に接合するとともに、壁体に外装材を固定することができる。さらに、上実部によって下実部の上側が覆われるので、第1取付部材の下実係止部が露出することがなく、外観を美しく仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる外装材取付構造の第1の実施の形態の例を示す断面図である。
【図2】図1に示す外装材取付構造に用いられる取付部材の態様を示す斜視図である。
【図3】図1に示す外装材取付構造を施工する際の、外装材取付方法の課程を示す図である。
【図4】図1に示す外装材取付構造に用いられる取付部材の態様を示す斜視図である。
【図5】壁パネルの構造を示す斜視図である。
【図6】従来の外装材の接続部付近の詳細を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 外装材
2 壁パネル(壁体)
2a 外面
3 取付部材
3a 第1取付部材
3b 第2取付部材
10 上実部
11 下実部
11a 端部
12 溝部
31 下実係止部
32 溝係止部
33 スペーサ部
36 止着穴
Claims (3)
- 壁体の外面に外装材を複数並べ、かつ、隣り合う外装材を上実部と下実部とによる実矧ぎによって接合して取り付けてなる外装材取付構造であって、
前記外装材の一方の端部には、上実部と、この上実部の下側において側方に開口する溝部が形成されており、前記外装材の他方の端部には、下実部が形成されており、
前記壁体の外面には、外装材を取り付けるための取付部材が所定間隔で複数固定されており、前記取付部材は、前記下実部に係止する下実係止部と、前記溝部に係止する溝係止部とを備えており、隣り合う外装材のうち、一方の外装材の下実部には前記下実係止部が係止され、他方の外装材の溝部には前記溝係止部が係止され、
前記取付部材は、前記下実係止部が形成され、かつ、壁体の外面に前記他方の外装材の端部の下方で固定される第1取付部材と、前記溝係止部が形成され、かつ、壁体の外面に前記一方の外装材の端部の下方で固定される第2取付部材とから構成され、
前記第2取付部材に前記下実部の端部が当接されていることを特徴とする外装材取付構造。 - 請求項1記載の外装材取付構造において、前記取付部材は、前記壁体の外面と前記外装材の裏面とに当接して、この外装材を壁体の外面から所定間隔離間させるスペーサ部を備えていることを特徴とする外装材取付構造。
- 請求項1または2記載の外装材取付構造を施工する際に、壁体の外面に外装材を取り付ける外装材取付方法であって、壁体の外面に、複数の第2取付部材を所定間隔を設けて固定したうえで、壁体の外面に、隣り合う外装材どうしを上実部と下実部とによる実矧ぎによって接合して取り付けるに際し、前記第2取付部材に一方の外装材の下実部の端部を当接し、次いで、第1取付部材を壁体の外面に固定するとともに、該第1取付部材の下実係止部を前記下実部に係止し、次いで、他方の外装材の上実部を前記下実部の上側に配置するとともに上実部の下側の溝部に前記第2取付部材の溝係止部を係止することを特徴とする外装材取付方法。
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