JP3900019B2 - 外壁下地パネル及びその施工方法 - Google Patents

外壁下地パネル及びその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物躯体の屋外側に設置する外壁下地パネル及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、在来木造住宅の躯体部分を鉄骨に置き換えた住宅が普及しはじめた。
図20はこのような住宅の建物躯体に外壁下地材を取付けた状態を示す一部を省略した斜視図、図21はその建物躯体部分を示す斜視図、図22は図20の平断面図である。なお、以下の説明では建物躯体側を屋内側、外壁下地材を取付ける側を屋外側という。
【0003】
図に示すように、鉄筋コンクリート基礎21上に設置されたH形断面の鋼材からなる土台22(下梁)と、同じくH形断面の鋼材からなる2階床梁23(上梁)との間において、土台22及び2階床梁23の幅方向の中心部に、一辺の幅がこれらの上面の幅より狭い角形断面の鋼材からなる柱25a,25bが所定の間隔で設けられている。
そして、隣接する柱25a,25bの対向面及び両者の中間部には、一方のフランジを土台21の屋外側と同一平面にしてリップ溝形鋼からなる受け材30a及び間柱30bが設けられており、柱25a,25b及び中間部の間柱30bは、接合金物32a,32bを介してボルトにより土台21及び2階床梁23に固定されている。
【0004】
33(図21(a)参照)は隣接する柱25a,25bの上部と下部に交叉して×状に取付けられたブレースで、このブレース33の取付けにあたっては、中間部に設けた間柱30bが干渉するため、この間柱30bのウェブには、図21(b)に示すように、ブレース33を通すための貫通穴31が設けられている。なお、柱25a,25bの対向面に取付ける受け材30aは、その上下が柱25a,25bに設けたブレース33の取付金具が干渉するため、その部分を切除してウェブをタッピンねじ等により柱25a,25bに固定している。
【0005】
上記のような建物躯体に外壁下地材35を取付けるには、先ず、合板36を受け材30a、間柱30bの屋外側のフランジに当接してタッピンねじ等で接合し、その屋外側に板状の断熱材37を接合する。ついで、断熱材37の屋外側に気密シート38を配設し、その屋外側に受け材30a、間柱30bに対応して通気用縦胴縁39を設置して、これらを一体にしてタッピンねじ、釘等により受け材30a、間柱30bに固定する。最後に通気用縦胴縁39の屋外側にサイディング等の仕上材40を取付ければ、施工を終了する。なおこのとき、気密シート38と仕上材40との間には、通気スペース41が形成される。
【0006】
下地に合板36を用いずに直接断熱材37を取り付けて構成する場合も合板36の取り付け部分以外は同様の手順で施工する。また、受け材30aを省略して柱と同じせいの形鋼による間柱30bを用い、柱25a,25b及び間柱30bと土台22のフランジ等との幅の差を、柱25a,25b及び間柱30bの屋外側面にスペーサを用いて対応する場合も、合板36の取り付け工程をスペーサー取り付けの工程に入れ替えた形で施工が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術においては、土台22のフランジ、2階床梁23のフランジ及び柱25a,25bを固定する接合金物32aが柱よりも屋外側に突出しているため、外壁下地材35を直接柱25a,25bに設置しようとするとこの部分が干渉する。外壁下地材35の干渉する部分を切り欠く方法もあるが、加工が面倒である、所定の断熱性能が得られにくい等の問題もあり、このため、隣接する柱25a,25bの間に、屋外側のフランジを土台22の屋外側と同一平面に位置させ、又は土台22の屋外側から突出させて、それぞれ受け材30a、間柱30bを設置し、土台22の屋外側に外壁下地材35を設置している。
このため、受け材30a、間柱30bや固定金物を含めて部品点数が非常に多くなり、施工手間が多く、重量、コストも増加する。また、中間の間柱30bにはブレース33を通すための貫通穴31を設けなければならないので、更なるコストアップになるばかりでなく、貫通穴31にブレース33を通して建て込まなければならないため、施工性も極めて悪い。
【0008】
また、気密シート38の施工は、継ぎ目の処理が面倒であり、確実に施工されていない場合には、気密性能の低下、内部への水分の侵入、通気スペース内の通気効果を損うなど、建物の耐久性上の問題に発展することもある。
外壁下地材35の一部をパネル化した例もあるが、合板36及び断熱材37をパネル化するだけで、気密シート38はパネルの取付後に施工する場合には、施工合理化の効果が低く、また、気密シート38をパネルにあらかじめ先付けした場合は、継ぎ目の気密処理が困難であるという課題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、間柱等の部品点数を大幅に減らすことができ、施工が容易でコストを低減することのできる外壁下地パネル及びその施工方法を提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る外壁下地パネルは、下梁、上梁、柱で構成され、前記柱の屋外側面が前記梁の屋外面より屋内側に配置された間口の屋外側に設置される外壁下地パネルであって、該外壁下地パネルが、前記間口の屋外側に配置されて前記柱に当接する一対の縦胴縁と、該一対の縦胴縁の間に架設された複数の横胴縁と、前記縦胴縁と横胴縁で囲まれた領域に設けられた断熱材とを備えたものである。
【0011】
(2)上記(1)の縦胴縁の間に設けた最上部の横胴縁の上面と最下部の横胴縁の下面の少なくとも一方に断熱材又は上端部横胴縁若しくは下端部横胴縁を設けた。
(3)上記(1)の最下部の横胴縁又は該横胴縁の下面に設けた下端部横胴縁の屋内側に支持部材を設けた。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの屋外側に合板又は吸放湿性若しくは透湿性を有する前面被覆材を設けた。
【0012】
(5) 本発明に係る外壁下地パネルは、建物躯体の下梁と上梁との間に該下梁と上梁の幅より狭い幅の複数の柱が設置されて、これら柱で形成された間口の屋外側に装着される外壁下地パネルであって、該外壁下地パネルを、前記下梁のほぼ下面あるいは上面から前記上梁のほぼ上面にわたる高さで、前記間口にほぼ対応する幅の合板と、前記合板の屋内側において前記下梁のほぼ上面から前記上梁のほぼ下面にわたる高さの範囲に設けられた複数の横胴縁と、前記合板の屋内側の上端部に設けられて前記上梁の上面に直接あるいはスペーサを介して係止し又は上梁の屋外側面に当接又は近接する上端部横胴縁と、前記横胴縁の両端部に該横胴縁の屋内側面と同一平面となるように設けられ、前記間口の屋外側に設置されて前記柱に当接する一対の縦胴縁と、前記縦胴縁と横胴縁で囲まれた領域、前記縦胴縁の下方及び上方において、その屋内側面が前記横胴縁の屋内側面より屋外側に位置して前記合板に取付けられた断熱材とによって構成したものである。
【0013】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの縦胴縁の下端部の下面又は該縦胴縁の下部に設置された横胴縁の下面が、直接または支持部材を介して前記下梁の上面に載置されるようにした。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの縦胴縁が断面L字状であって、その屋内側の面が幅方向に張り出すようにした。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかの断熱材の前記縦胴縁上端部の上方または下端部の下方部分が、前記縦胴縁の外縁端間の幅とほぼ等しい幅まで拡張した。
【0014】
(9)上記(5)〜(8)のいずれかの上端部横胴縁の両端部に屋内側面が上階の柱に当接する固定部材を設けた。
(10)上記(5)〜(8)のいずれかの上端部横胴縁及び下端部横胴縁の少なくとも一方を、前記縦胴縁の外縁端間の幅とほぼ等しい幅まで拡張した。
(11)上記(5)〜(10)のいずれかの縦胴縁の上部に切り欠き部を設けると共に、該上部を前記合板とほぼ同じ高さまで延長した。
【0015】
(12)上記(5)〜(11)のいずれかの合板又は前面被覆材の屋外側面に通気用縦胴縁を設けた。
(13)上記(5)〜(12)のいずれかの上端部横胴縁の上面が前記合板よりも上方に突出され、該突出部と合板の上端部との間に係止部を形成した。
(14)上記(5)〜(12)のいずれかの合板が、前記下端部に設置された横胴縁よりも下方に突出し、あるいは前記上端部横胴縁よりも上方に突出すると共に前記下端部に設置された横胴縁よりも下方に突出する。
【0016】
(15)本発明に係る外壁下地パネルの施工方法は、上記(1)〜(14)のいずれかの外壁下地パネルの施工方法であって、外壁下地パネルを、設置されるべき間口の屋外側において下端部に設置された横胴縁を直接又は支持部材を介して前記下梁上又は鉄筋コンクリート基礎上に載置する工程と、縦胴縁を柱の屋外側面に当接する工程と、前記縦胴縁を柱に固定する工程とを備えたものである。
【0017】
(16)上記(15)の縦胴縁を柱に固定する工程において、柱の屋外側面の幅方向中央部に、使用するタッピンねじあるいはボルトに応じたマークあるいは先穴を設け、前記マークあるいは先穴を中心として設置された隣り合う外壁下地パネルの一方の縦胴縁とこれに隣接する他方の縦胴縁を跨いで固定用押え座金を当接し、該固定用押え座金を介してタッピンねじあるいはボルトを柱のマークあるいは先穴に各々螺入して固定した。
【0018】
(17)また、本発明に係る外壁下地パネルの施工方法は、上記(12)の合板又は前面被覆材の屋外側に通気用縦胴縁を取付ける外壁下地パネルの施工方法であって、外壁下地パネルの幅方向の任意の位置に、その長さを下部横胴縁の下面又は下端部近傍から上部横胴縁の上面までとした通気用縦胴縁を任意の時期に各横胴縁に固定する工程と、上下階のパネルおよび梁部断熱材を建物躯体に取付けた後、上階があるパネルについて、その長さを下部横胴縁の下面又は下端部近傍から上階パネルの下端部横胴縁の上面までとした通気用縦胴縁を、隣接するパネル間に跨いで各横胴縁、上下端横胴縁及び上階パネルの下端部横胴縁に固定する工程と、上階のないパネルについて、その長さを下部横胴縁の下面から上部横胴縁の上面以上とした通気用縦胴縁を、隣接するパネル間に跨いで各横胴縁、上下端横胴縁に固定する工程と、上下階パネルの中間に位置する梁部に断熱材を取付け後、上下階パネルの幅方向の任意の位置に取付けられた通気用縦胴縁の位置に合わせて、その長さを上階パネルの下端部横胴縁の上面から下階パネルの上端部横胴縁の下面とした通気用縦胴縁を取付ける工程と、最上階に位置する梁部に断熱材を取付けた後、必要に応じて、上端部横胴縁から上部に延長された任意の長さの通気用縦胴縁を取付ける工程とを備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る外壁下地パネルを建物躯体に取付けた状態を示す一部を省略した斜視図、図2は下階の外壁下地パネルの屋内側を示す斜視図、図3は上階の外壁下地パネルの屋内側及び屋外側を示す斜視図、図4は図1の中央縦断面図に対応した縦断面図及び上下の外壁下地パネルの連結状態を示す説明図である。なお、以下の説明では、図1の建物躯体側を屋内側、外壁下地パネル側を屋外側という。
【0020】
図において、21は鉄筋コンクリート基礎、22は鉄筋コンクリート基礎21上に設置された下梁である土台で、図にはH形断面の鋼材を用いた場合を示してある。25a,25bは例えば角形断面の鋼材からなり、所定の間隔で土台22とH形断面の鋼材からなる上梁である2階床梁23との間に立設された柱で、その幅が土台22のフランジ及び2階床梁23のフランジの幅より狭く形成されている。寸法構成の一例としては土台及び梁のフランジ幅は100mmであり、柱の径は75mmである。
【0021】
1は隣接する柱25a,25bとの間に形成された間口の屋外側に設置された下階の外壁下地パネル(以下、下地パネルという)で、その幅は柱25a,25bの中心部の間隔に対応し、高さは鉄筋コンクリート基礎21の上面又はその近傍から、2階床梁23の上面より若干上方に達する高さとなっている。2a,2bはその屋内側の面(以下、フランジという)が柱25a,25bに当接する位置にかつ両側に張出すように配設された例えば断面L字状の鋼材からなる縦胴縁で、土台22の上面又はその近傍から2階床梁23の下面又はそれより若干低い高さに形成されている。
【0022】
3はその両端が縦胴縁2a,2bに固定された木材からなる矩形断面の複数の横胴縁で、縦胴縁2a,2bの上端部と下端部及びその間に所定の間隔でビス、釘等により固定されている。横胴縁3の間隔は原則として一定であるが、下地パネル1の高さによって一定の間隔で割り切れない場合には、一部の間隔を狭く又は広くしてもよく、このような調整は上部又は下部で行うと全体としての整合をとり易い。
このように、横胴縁3の配置ルールを明確にすることにより、横胴縁3の配置方法自体は柱25a,25bの高さに依存しなくなるため、あらゆる高さの柱25a,25bに対して共通の設計ルールを適用することができるので、設計の手間が解消される。
【0023】
また、パネル幅方向の寸法は、間口を形成する柱25a,25bの中心部の間隔から、隣接して設置されるパネルとのクリアランスと、縦胴縁2a,2bのフランジ幅を引いた寸法である。例えば、柱25a,25bの中心間距離が910mmで、隣接するパネルとのクリアランスを10mm、縦胴縁2a,2bのフランジ幅を15mmとした場合では870mmとなる。横胴縁3の屋内側面と縦胴縁2a,2bのフランジの屋内側面とは同一平面上に位置する。なお、以下の説明では、最上部の横胴縁3を上部横胴縁3a、最下部の横胴縁3を下部横胴縁3bと記すことがある。
【0024】
4は縦胴縁2a,2bと横胴縁3に囲まれた領域内に、その屋外面を横胴縁3の屋外面と同一平面上に位置させて取付けられた板状の断熱材である。なお、断熱材4はプラスチック系断熱材がより望ましい。また、温暖地域の場合は木材と置換してもよいし、木材と断熱材を層状に重ねてもよい。
【0025】
5は縦胴縁2a,2bのウェブ、横胴縁3及び断熱材4の屋外側に取付けられた合板で、その幅は横胴縁3のパネル幅方向の寸法とほぼ等しければよい。高さは鉄筋コンクリート基礎21の上面又はその近傍から、2階の床梁23の上面より上方に達する高さに形成されており、縦胴縁2a,2b及び上部横胴縁3a、下部横胴縁3bの上下端部からそれぞれ突出した形態で横胴縁3に取り付けられる。合板5の下端部は、下部横胴縁3b(後述の下部支持部材9bを含む)を土台22の上面に載置したときに、鉄筋コンクリート基礎21の上面又はその近傍に位置し、上端部は2階の床梁23の上面より若干上方に位置する。上端部横胴縁3cとの納まり関係は後述する。この合板5には、合成樹脂板、合板等の木質系ボード、シンジングボード等の繊維系ボード等が使用され、完全耐水合板であると耐久性上より好ましい。
【0026】
4aは下部横胴縁3bの下面に接して合板5に取付けられた、断熱材4と同じ厚み又はそれ以下の厚みの断熱材である。幅は横胴縁3及び合板5より広くなっており、縦胴縁2a,2bのフランジの両外縁端部に達する大きさに形成されている。この部分は、温暖地域の場合は木材と置換しても良いし、木材と断熱材を層状に重ねても良い。
4bは上部横胴縁3aの上面に接して合板5に取付けられた断熱材で、その厚みは断熱材4とほぼ等しく、幅は断熱材4aと同様に縦胴縁2a,2bのフランジの両外縁端部に達する大きさに形成されている。
断熱材4a、4bの厚みは、横胴縁3の厚み(縦胴縁2a,2bのウェブのせい方向)より薄く、かつ、その厚みの差は,柱25a,25bと土台22のフランジ及び2階床梁23のフランジにより生じる段差の大きさと等しいか又はこれより大きく形成されている。このため、断熱材4a、4bの屋内側面は横胴縁3の屋内側面より屋外側に位置し、かつ、土台22のフランジ及び2階床梁23のフランジと干渉しない。
なお、以下の説明では、断熱材4a,4bを単に断熱材4と記すことがある。
【0027】
3cは横胴縁3と同じ寸法の上端部横胴縁で、その両端部には縦胴縁2a,2bと同じ断面形状で長さが上端部横胴縁3cの高さとほぼ等しい固定部材6a,6bが取付けられており、断熱材4bの上面に接して他の横胴縁3と同様の形態で合板5に取付けられている。そして、当該上端部横胴縁3c(後述の支持部材9aを含む)により2階床梁23の上面に係止する係止部7が形成される。なお、合板5の上端部は、上端部横胴縁3cの高さのほぼ中間部に位置しており、後述の上階の下地パネル11の合板5の下端部を延長して設けた係止部12が係止する係止部8が形成されている。
【0028】
9a,9bは上端部横胴縁3cと下部横胴縁3bの下面において、断熱材4a,4bの屋内側に設けられた上部支持部材及び下部支持部材である(以下、単に支持部材9と記すことがある)。両支持部材9a,9bは、柱25a、25b、間柱30b及びその取り付け用の金物等と干渉しない限り、図2に示すような形式でもよく、あるいは左右それぞれ分割して複数設けても良い。支持部材9の材料は木材、鋼材、合成樹脂等、下地パネル1及び後述の仕上げ材14の荷重を長期にわたって負担可能なものがより望ましい。なお、この支持部材9a,9bは下部横胴縁3bあるいは上端部横胴縁3cを直接土台22の上フランジ及び2階床梁23の上フランジに配置する場合には必須のものではなく、省略してもよい。10は合板5の屋外側面の幅方向のほぼ中央部において、上下方向に連続して設けられた通気用縦胴縁である。
上記のように構成した1階の下地パネル1において、剛性を有する縦胴縁2a,2bと、上端部横胴縁3cに設けた剛性を有する固定部材6a,6bとは非連続であり、上部横胴縁3a上面から上端部横胴縁3c下面までの範囲は、若干の可撓性を有している。
【0029】
2階の下地パネルを図3に示す。なお、1階の下地パネル1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。2階の下地パネル11は、合板5の下端部を下部横胴縁3bの下面から下階の下地パネル1の上端部横胴縁3cの高さのほぼ中間部まで下方に突出させて1階の下地パネル1の上部に設けた係止部8に係止する係止部12が形成されており、この部分には断熱材は設けられていない。
また、上端部横胴縁3cは、断熱材4bとほぼ等しい厚み及び幅に形成されており、その屋内側面は断熱材4bの屋内側面とほぼ同一平面上に位置する。そして、合板5の上端部は上端部横胴縁3cの上面からさらに突出し、上端部横胴縁3cとで係止部13を形成する。なお、2階の下地材パネル11には、支持部材は設けられていない。ここでは,2階建ての場合の例を示したが,3階建て以上の場合は、1階は2階建ての場合と同様に下地パネル1を用い、最上階はここで述べた2階下地パネル11を用い、その他の中間階については、下地パネル11の上端部の係止部13の形状を下地パネル1の上部に設ける係止部8に置き換えて用いれば良い。
【0030】
次に、上記のように構成した本実施の形態の施工手順の一例について説明する。
図5に示すように、鉄筋コンクリート基礎21上には、土台22、柱25a,25b、2階床梁23、上柱26a,26b及び天井梁24が設置されており、柱25a,25b及び上柱26a,26bの屋外側面の幅方向のほぼ中央部の上下方向には、所定の間隔でタッピンねじ用の複数の先穴(図示せず)が設けられている。また、天井梁24の上面には、その長手方向に一部が屋外側に突出した垂木受材27が取付けられており、この垂木受材27の屋外側への突出長は、上階の下地パネル11の上端部横胴縁3cの幅に対応する。
【0031】
先ず、図4(a)、図5(a)に示すように、柱25a,25bの間に形成された間口の屋外側において、下階の下地パネル1の下部横胴縁3bを、下部支持部材9bを介して土台22上に載置する。このとき、合板5の下端部は鉄筋コンクリート基礎21の上面に当接又は近接して位置する。ついで、ここを支点としてその上部を2階床梁23側に押圧し、上端部横胴縁3cを上部支持部材9aを介して2階床梁23の上面に係止させ、この状態で仮止めする。仮止めは粘着テープを用いても、先穴を利用してファスナーを使用して行っても良い。このとき、縦胴縁2a,2bのフランジは、その両側端部が柱25a,25bに設けた先穴の横(間口側)に位置して柱25a,25bの屋外側面に当接し、また、上端部横胴縁3cに設けた固定部材6a,6cのフランジは、その両側端部が上柱26a,26bに設けた先穴の横に位置して上柱26a,26bの屋外側面に当接する。なお、縦胴縁2a,2bのフランジだけでなく、横胴縁3の両端部も柱25a、25bの屋外側面に当接するようにすると、耐風性能上より好ましい。このように、下階の下地パネル1の施工にあたっては、下部支持部材9bを含む下部横胴縁3bを土台22上に載置するようにしたので、位置決め及び取付作業がきわめて容易である。
【0032】
次に、図5(b),(c)に示すように、上階の下地パネル11の係止部12を下階の下地パネル1の係止部8に係止させると共に、その下部横胴縁3bを下階の下地パネル1の上端部横胴縁3c上に載置して上階の下地パネル11の上部を天井梁24側に押圧し、図6(a),(b)に示すように、その係止部13を垂木受材27に係止させ、仮止めする。このとき、縦胴縁2a,2bのフランジは、その両側端部が上柱26a,26bに設けた先穴の横に位置して上柱26a,26bの屋外側面に当接する。また、合板5の上部は垂木受材27の屋外側面に当接し、上端部横胴縁3cは垂木受材27の下に位置して天井梁24に当接する。上端部横胴縁3cは、垂木受材27とクリアランスを設けておくと施工しやすい。この場合も上階の下地パネル11の係止部12を下階の下地パネル1の係止部8に係止させると共に、その下部横胴縁3bを上端部横胴縁3c上に載置するようにしたので、位置決め及び取付作業がきわめて容易である。
【0033】
建物の施工にあたっては、躯体の寸法に若干の増減を生じることがあるため、この場合、下階の下地パネル1の上端部横胴縁3cを、その下面が2階床梁23の上面より若干上方に位置するように製作する方が安全である。施工誤差により、上端部横胴縁3cの下面が、2階床梁23の上面より低い位置となった場合には、下地パネル1の施工にあたって、上端部横胴縁3cを2階床梁23の上面に係止させて設置する。この場合、下階の下地パネル1の下部横胴縁3b下部の下部支持部材9bと土台22上面には若干の隙間が生ずる。
【0034】
剛性の縦胴縁2a,2bと、上端部横胴縁3cに設けた剛性の固定部材6a,6cとは非連続であり、このため、上端部横胴縁3cの下面を2階床梁23の上面より若干高い位置に設けておいた場合、上部横胴縁3aの上面から上端部横胴縁3cの下面までの範囲は、若干の可撓性を有しているため、上階の下地パネル11を設置したときに、図7に示すように、上端部横胴縁3cと上部横胴縁3aの間がたわんで、上端部横胴縁3cの下面(上部支持部材9aを設けた場合は、その下面)を、2階床梁の上面に当接させることができる。また、施工誤差により、上端部横胴縁3cの下面が、2階床梁23の上面より低い位置となった場合には、下地パネル1の施工にあたって、上端部横胴縁3cを2階床梁23の上面に係止して設置する。この場合、下階の下地パネル1の下部横胴縁3b下部の、下部支持部材9bと土台22上面には若干の隙間が生ずるが、後述するように、縦胴縁2a,2bは構造上上下移動に対して自由な固定方法を採用しており、上部横胴縁3aの上面から上端部横胴縁3cの下面までの範囲は、若干の可撓性を有しているため、仕上げ材14の荷重がかかった場合に、下部横胴縁3bの下部の下部支持部材9bと土台22の上面は密着するようになる。
【0035】
次に、図8(a)に示すように、柱25a,25bに設けた先穴に対応した位置において、隣接する下階の下地パネル1の縦胴縁2a,2bの両フランジに掛け渡される固定用押え座金17を介して下穴にタッピンねじ16又はボルトを螺入し、下地パネル1を柱25a,25bに固定するとともに、固定部材6a,6bを上柱26a,26bに同様に固定する。同様にして、上階の下地パネル11も上柱26a,26bに固定する。
【0036】
ここで、下地パネル1は土台22上に載置するだけで固定していないため、固定用押え座金17の幅方向の寸法を、隣接する下地パネル1の縦胴縁2a,2bのウェブ間の距離とほぼ等しく設定しておくことにより、タッピンねじ16又はボルトの螺入により下地パネル1の水平方向の位置決めを精度よく自動的に行うことができる。
固定箇所は、在来工法による横胴縁の固定と同様に、各横胴縁3の位置ごとに固定してもよいが、縦胴縁2a,2bの材質と大きさを適切に選択することにより、一部を省略することができる。例えば、各階の柱高さが2700mm前後の3階建て程度の規模の場合、縦胴縁2a,2bのサイズをL−45×15×1.6とすれば、高さ方向に4箇所固定することにより所定の耐風性能が得られる。この状態において、下階の下地パネル1にかかる鉛直荷重は下部横胴縁3b下部の下部支持部材9bを介して土台22が負担し、上階の下地パネル11の鉛直荷重は上端部横胴縁3cを介して2階床梁23が負担する。
【0037】
上記のようにして、下階と上階の下地パネル1,11を柱25a,25bと上柱26a,26bに固定し、隣接する下地パネル1間の屋外側の空隙部に跨がる通気用縦胴縁10により固定するが、必要に応じて図8(b)に示すように、当該空隙部に断熱材18を充填してもよい。これにより、隣接する縦胴縁2a,2bのフランジの間の空隙部からの水分の侵入を防止すると共に、気密性、断熱効果を高めた下地パネルの取り付けが終了する。
【0038】
最後に、図6(c)に示すように、下階及び上階の下地パネル1,11の屋外側に、通気用縦胴縁10を介して例えばサイディング等の仕上げ材14を取付ければ、外壁の施工が終了する。このとき、通気用縦胴縁10を設けたことにより、合板5と仕上材14との間に通気スペース15が形成される。
【0039】
上記のように構成した本実施の形態においては、一対の縦胴縁2a,2bの間の上下方向に複数の横胴縁3を設け、この横胴縁3の間にその屋内側面を縦胴縁2a,2bの屋内側面から屋外側に後退して位置させて断熱材4を取付け、これら縦胴縁2a,2b、横胴縁3及び断熱材4の屋外側に縦胴縁2a,2bより高さの高い合板5を取付けて、下部横胴縁3bの下部に断熱材4と同じ厚み以下の断熱材4aを設け、上部横胴縁3aの上部に断熱材4と同じ厚みを有すると共に、縦胴縁2a,2bの両外縁端部まで幅が延長された断熱材4b及びこの断熱材4b上に接して、横胴縁3と同じ寸法であり、他の横胴縁3と同様の形態で合板5に取付けられる上端部横胴縁3cを設けて、下部横胴縁3bを土台22上に載置すると共に、上端部横胴縁3cを2階床梁23に係止させて、横胴縁3や縦胴縁2a,2bに貫通穴を設けずに、柱25a,25bの屋外側中央に位置し、横胴縁3の数量より少ない数量だけ設けた先穴に、タッピンねじ16等を用いて、固定用押え座金17によって、隣接する縦胴縁2a,2bフランジを一体に押さえつけて柱25a,25bに固定するようにしたので、従来技術のように多くの間柱30を設ける必要がなく、その上施工が容易なためコストを大幅に低減することができる。
【0040】
また、合板5を屋外側に設け、通気用縦胴縁10により隣接するパネル同士を接続する事により気密シートによる気密施工が不要になり、施工が容易になるばかりでなく、内部への水分の侵入防止、気密の確保、通気効果の確保も確実になるため、建物の居住性や耐久性を向上させることができる。
さらに、下階の下地パネル1の上端部と、上階の下地パネル11の下端部に係止部8,12を設け、施工にあたってこれら係止部8,12を係止させるようにしたので、内部へ水分侵入防止、気密の確保を確実に行うことができる。
【0041】
[実施の形態2]
図9(a)は本発明の実施の形態2に係る下階の下地パネルの屋内側の斜視図である。なお、実施の形態1の下階の下地パネルと同一又は相当部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0042】
本実施の形態においては、合板5の高さを鉄筋コンクリート基礎21の上面又はその近傍から、2階床梁23の上面より若干低い高さに形成すると共に、縦胴縁2a,2bの上端部に設けた断熱材4bの高さを若干低くして、その上面に断熱材4bと同じ長さで固定部材6a,6bが設けられていない上端部横胴縁3cを設け、その屋外側に係止部8を設けたものである。そして、この上端部横胴縁3cは、その厚みを断熱材4bの厚みとほぼ等しく形成して、その屋内側面を断熱材4bの屋内側面と同一平面上に位置させたものである。なお、上端部横胴縁3cは、断熱材4の幅と同じ長さにしてもよい。
【0043】
上記のように構成した本実施の形態に係る下階の下地パネル1の施工方法は、実施の形態1の下地パネル1の施工方法とほぼ同様であるが、下階の下地パネル1の下部横胴縁3bを土台22上に載置し、柱25a,25bに沿って設置したときに、上端部横胴縁3cは、図9(b)に示すように、2階床梁23の屋外側に当接又は近接し、その上面が2階床梁23の上面とほぼ一致する。
【0044】
上階の下地パネル11は、実施の形態1の下地パネル11と同様の構造のもので、図9(c)に示すように、その下端部に設けた係止部12を下階の下地パネル1の上端部に設けた係止部8に係止させ、下部横胴縁3bを2階床梁23の上に載置して設置する。このとき、下階の下地パネル1の上端部横胴縁3cは、2階床梁23の屋外側に当接又は近接すると共に、上階の下部横胴縁3bの下面に当接する。
【0045】
この場合、下階の下地パネル1の上端部横胴縁3cを、その上面が2階床梁23の上面より高い位置になるように設けておけば、建物躯体の寸法に若干相違があっても、上部横胴縁3aから上方には剛性を有する縦胴縁2a,2bが存在しないので、上階の下地パネル11を設置すると、断熱材4b及び合板5が図7で説明した場合と同様に若干たわんで、上端部横胴縁3cの上面を2階床梁23の上面と一致させることができる。また、施工誤差等により上端部横胴縁3cの上面が2階床梁23の上面より若干低い場合でも、係止部12の合板5が下階の下地パネル1の上端部に設けた係止部8に係止可能であるため、所定の気密性能を確保できる。また、この場合、上階パネル11の下部横胴縁3bは2階床梁23の上に直接載置して設置されるので、上階パネル11にかかる鉛直荷重は、下部横胴縁3bを介して2階床梁23に直接伝達される。
本実施の形態においても、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0046】
[実施の形態3]
図10は本発明の実施の形態3に係る下階の下地パネルの屋内側の斜視図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分にはこれと同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本実施の形態は、実施の形態1における左右の縦胴縁2a,2bの長さを、下地パネル1の下端部から上端部横胴縁3cの上面までの高さの範囲まで形成し、下部横胴縁3bの下面から下地パネル1の下端部の範囲及び上部横胴縁3aの上面から上端部横胴縁3cの下面までの範囲で、当該縦胴縁2a,2bのフランジ及びウェブの屋外側を、少なくとも柱25a、25bの屋外側面から土台22あるいは2階床梁23のフランジ端部に相当する範囲まで、それぞれ切除し、この部分に断熱材4a,4bをそれぞれ取付けたものである。なお、縦胴縁2a,2bの上端部において上端部横胴縁3cに取り付けるとともに、上柱26a,26bに固定する固定部2c,2dを形成した。
このように、本実施の形態に係る下階の下地パネル1は、上下方向の全長にわたって、縦胴縁2a,2bにより剛性が付与されている。
【0047】
本実施の形態における上階の下地パネルは、実施の形態1の上階の下地パネル11とほぼ同じ構造であるが、縦胴縦2a,2bが上端部横胴縁3cの上面の高さまで延長され、当該縦胴縦2a,2bの上部横胴縁3aの上面よりも上部のフランジとウェブを、少なくとも柱26a、26bの屋外側面から天井梁24のフランジ端部に相当する範囲まで切除し、この部分に断熱材4bを取り付けるとともに、上端部に上端部横胴縁3cが取付けられている。
【0048】
上記のように構成した本実施の形態の施工手順は、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、縦胴縁2a,2bの長さによりパネル全体の高さが管理できるため、寸法管理が容易になり、また、全体に剛性が付与されているので、取扱いや運搬がより容易である。なお、施工にあたっては、縦胴縁2a,2bのフランジ及びウェブの屋内側の一部を切除したので、土台22や2階床梁23に干渉することがない。
【0049】
[実施の形態4]
図11は本発明の実施の形態4に係る下階の下地パネルの屋内側の斜視図である。なお、実施の形態3と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本実施の形態は、実施の形態3における固定部2c,2dを省略してフランジ及びウェブを上端部まで切除すると共に、上端部横胴縁3cの屋内側面を断熱材4bの屋内側面と同一平面上に位置させたものである。なお、上階の下地パネルは実施の形態3の下地パネル11と同じ構造である。
【0050】
本実施の形態の施工手順は実施の形態2の場合とほぼ同様であり、その効果も実施の形態2及び3の場合とほぼ同様である。
【0051】
[実施の形態5]
図12は本発明の実施の形態5に係る下地パネルの屋内側からみた斜視図、図13は図12の屋外側からみた分解斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略又は簡単に行う。
両図において、3cは上部横胴縁3aの上面で、屋外側を同一平面上に位置させて取付けた上端部横胴縁で、その長さは上部横胴縁3aの長さより長く、縦胴縁2a,2bの両端部近傍まで延長されており、奥行き方向の厚みは断熱材4の板厚とほぼ等しく形成されている。3dは上端部横胴縁3cと同じ形状の下端部横胴縁で、下端部横胴縁3bの下面に、屋外側を同一平面上に位置させて取付けられている。なお、ここでは、上端部横胴縁3cと下端部横胴縁3dを縦胴縁2a,2bの両側端部近傍まで延長した場合を示したが、横胴縁3と同じ長さにしてもよい。
【0052】
19は鋼材からなる断面L字状の支持部材で、図15に示すように、下端部横胴縁3dの屋内側にその水平片が下端部横胴縁3dの下面と同一平面上に位置するように、ビス、釘、接着剤等により取付けられている。
この支持部材19は、図には下端部横胴縁3dと同じ長さのものが示してあるが、柱25a,25bや接合金物32a,32bと干渉しないように、複数に分割してもよく、あるいは下端部横胴縁3dより短かいものを取付けてもよい。また、下端部横胴縁3dを省略して下部横胴縁3bに取付けてもよく、さらに、材料や形状も上記のものに限定するものではなく、ほぼZ形状の鋼材や合成樹脂、木材等、必要な強度、形状を有するものであればよい。
【0053】
上記のように構成した本実施の形態に係る下地パネル1の施工にあたっては、図14に示すように、先ず、支持部材19を土台22上に載置する。ついで支持部材19を支点としてその上部を2階床梁23側に押圧して立設し、縦胴縁2a,2bのフランジを柱25a,25bの屋外側面に当接し、仮止めする。このとき、上端部横胴縁3cは2階床梁23の下部に位置する。
【0054】
次に、下地パネル1と同じ構造の上階の下地パネル11の支持部材19を2階床梁23上に載置し、同様に立設してその縦胴縁2a,2bのフランジを上柱26a,26bの屋外側面に当接し、仮止めする。このとき、土台22と2階床梁23の屋外側には空間部が形成される(なお、階下と上階の下地パネル1,11は同じ構造なので、以下の説明では、両者を含めて下地パネル1と記すことがある)。
この状態で、実施の形態1の場合と同様に、図8に示すように、下地パネル1の縦胴縁2a,2bをタッピンねじ16等により柱25a,25b、上柱26a,26bにそれぞれ固定する。
ついで、土台22と2階床梁23の屋外側に形成された空間部に、屋外側から断熱材4cを挿入し、取付ける。なお、この断熱材4cの取付作業は、下地パネル1の取付前又は取付後のいずれでもよいが、土台22側を先に、2階床梁23側を後にした方が施工が容易である(なお、図14には、下地パネル1の屋外側に取付ける合板5、通気用縦胴縁10及び仕上材14は省略してある)。本実施の形態においては、鉛直荷重は支持部材19によって土台22及び2階床梁23に伝達される。
【0055】
[実施の形態6]
図16は本発明の実施の形態6に係る下地パネルの要部の斜視図である。本実施の形態は、図16(a)に示すように、下端部横胴縁3dの屋内側に、下方に延設された合板20a(延出長は土台22、あるいは2階床梁(上梁)23のせいとほぼ等しい)を取付けてL字状に形成し、図16(b)に示すように、下端部横胴縁3dの下面と合板20aの屋外側とで形成する領域(以下、開口領域という)に断熱材4dを装着して、断熱材取付用端部部材20(以下、断熱端部部材という)を構成し、下地パネル1の下部横胴縁3bの下面に取付けたものである。
【0056】
上記のような断熱端部部材20を備えた下地パネル1の施工にあたっては、図17に示すように、断熱端部部材20の下端部を鉄筋コンクリート基礎21上に載置して立設し、合板20aを土台22の屋外側に当接すると共に、縦胴縁2a,2bのフランジを柱25a,25bの屋外側面に当接し、仮止めする。また、上階の下地パネル1の断熱端部部材20の下端部を、下階の下地パネル1の上端部横胴縁3c上に載置して立設し、合板20aを2階床梁23の屋外側に当接すると共に、縦胴縁2a,2bのフランジを上柱26a,26bの屋外側面に当接し、仮止めする。
そして、縦胴縁2a,2bを柱25a,25b、上柱26a,26bにタッピンねじ16等により固定する。本実施の形態においては、鉛直荷重は主として合板20aにより鉄筋コンクリート基礎21に伝達される。
【0057】
図18は本実施の形態の他の例を示すもので、本例においては、断熱端部部材20の合板20aの屋内側の下端部横胴縁3dに対応する位置に、実施の形態5で説明したL字形の支持部材19を取付けたものである。
そして、この支持部材19を土台22、2階床梁23上に載置することにより、鉛直荷重はこの支持部材19から土台22、2階床梁23に伝達される。
【0058】
本実施の形態に係る断熱端部部材20に用いる合板20aは複数に分割してもよく、あるいは下端部横胴縁3dより短かいものを取付けてもよい。また、下端部横胴縁3dを省略して下部横胴縁3bに取付けてもよい。
さらに、上記の説明では、下端部横胴縁3dと合板20aで形成された開口領域にあらかじめ断熱材4dを装着した断熱端部部材20を下地パネル1の下端部に取付けた場合を示したが、上端部においても上端部横胴縁3cと合板20aにより同様に構成した断熱端部部材20を取付けることもできる。屋内側に合板20aが取付けられた下端部横胴縁3dを下地パネル1の下端部に取付けておき、下地パネル1を柱25a,25b(上柱26a,26b)に固定したのち、上記の開口領域に断熱材4dを取付けてもよく、上端部にも同様に取付けてもよい。
【0059】
本実施の形態は、断熱端部部材20を、下端部横胴縁3d(以下、下部横胴縁3bを含むものとする)とこれに取付けた合板20aを下地パネル1の下端部に取付けて、下地パネル1の施工後に下端部横胴縁3dと合板20aとによって形成された開口領域に断熱材4dを装着し、又はあらかじめ前記開口領域に断熱材4dが装着された断熱端部部材20を下地パネル1,11の下端部に取付けるようにしたので、H形断面の土台22や2階床梁23の屋外側に容易に断熱材4dを装着することができる。下地パネル1,11の上端部に取付けた場合も同様である。この場合、開口領域の奥行を調整することにより、任意板厚の断熱材4dを下地パネル1の屋外面と同一平面に施工することができる。なお、実施の形態5,6においては、下階の下地パネルと上階の下地パネルに同じ構造のものを使用できるので、下地パネルを標準化し、部品点数を減らすことができる。
【0060】
上述の実施の形態5,6においては、下地パネル1の縦胴縁2a,2b、横胴縁3及び断熱材4で構成される部分(以下、パネル本体という)は、柱高さが各階同じであれば共通であるため、上端部横胴縁3c、下端部横胴縁3d及び断熱端部部材20の組み合わせにより、上述の組み合わせ以外の種々のパターンの下地パネルを構成することができる。
実施の形態5,6では、上下階の下地パネル1が同じ構成の場合を示したが、例えば1階の下地パネル1を図18で示した形態とし、2階の下地パネル11を図14で示した形態にするなど、上下階の下地パネル1,11の形態を変えても良い。
【0061】
また、パネル本体の上下端部分に取付ける部材を適切に選択することにより、下地パネル1の標準化率を大幅に向上させ、部品点数を減らすことができる。代表的な構成例を挙げると、図14に示すパネル本体に上端部横胴縁3c及び下端部横胴縁3dを取付けた場合や、図示しないが、パネル本体の上部に断熱端部部材20を取付け、かつ、下端部横胴縁3dを取付けた場合は、開口部を除き、オーバーハング、セットバックも含めて、すべての下地パネルを各階共通とすることができる。これにより、必要な下地パネルの種類が大幅に削減されるため、標準化率の向上による管理及びコスト削減効果がより大きくなる。
【0062】
[実施の形態7]
実施の形態1〜6では、下地パネル1,11の横胴縁(以下、上部横胴縁3a、下部横胴縁3bを含む)に矩形断面の木材を用いた場合を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、凸形断面、H形断面その他の形状の横胴縁3を用いることができる。
例えば、横胴縁3に凸形断面の木材を使用した場合は、切込み部(以下、突部という)の高さを断熱材4の厚みと等しく、突部を屋外側として縦胴縁2a,2bと枠組を構成する。そして、屋外側から隣接する横胴縁3の突部の間に断熱材4を嵌め込み、その上に合板5を取付ければ、断熱材4を枠組内で接着や固定部材等の固定手段を用いることなく保持することができ、施工後に断熱材4が脱落するおそれもない。
【0063】
また、横胴縁3の材料は断熱性能上木材が好ましいが、断熱性能上の問題がなければ他の材料を用いてもよく、例えば鋼材等であっても、屋外側に露出しない形状や取付方法にしたり、他の材料と組合わせて断熱性能上問題ない構造とすることにより使用することができる。
【0064】
[実施の形態8]
実施の形態1〜6では、横胴縁3と断熱材4の屋外側に合板5を取付けた場合を示したが、合板5に代えて、図19に示すように、例えばポリエチレン、ポリエステル等からなる吸放湿性あるいは透湿性を有する防水シート5a(以下、前面被覆材という)を用いてもよい。
この前面被覆材5aは下地パネル1の施工後に現場で取付けてもよいが、あらかじめ下地パネル1に取付けておくと、現場施工の合理化がはかられるばかりでなく、運搬中や施工中の断熱材4の脱落を防止することができる。
【0065】
前面被覆材5aをあらかじめ下地パネル1に取付けておく際に、前面被覆材5aを下地パネル1より大きくし、施工された上下左右に隣接する下地パネル1に設置された前面被覆材5aを互いに重ね合わせるようにすると、気密処理が容易になる。
前面被覆材5aの下地パネル1への止め付けは、例えばタッカー釘等を用いる。止め付け位置は、少なくとも下地パネル1の両側部近傍とするが、隣接する下地パネル1の相互の前面被覆材5aの重ね合わせが可能なように、両側部から重ね代を考慮した寸法分内側の位置とすることが望ましい。
【0066】
上下方向の前面被覆材5aの重ね方は、下階の下地パネル1の前面被覆材5aの上部を、上階の下地パネルの下端部横胴縁3dの上面より高くなる長さとし、上階の下地パネル11の前面被覆材5aの下部は必要な重ね代を確保できる長さとする。この場合、上下階の前面被覆材5aの接続は、下階の前面被覆材5aの上部を上階の下地パネル11の下端部横胴縁3dにタッカー釘で止め付け、ついで、上階の前面被覆材5aの下部を重ねるようにする。上階の下地パネル11の前面被覆材5aを下階の下地パネル1の上端部横胴部3cに到達させる方法も可能であるが、上記のようにすれば、上部梁部分の前面被覆材5aの納まりが、中間階、最上階の別なく同じにできるので、標準化の観点からより好ましい。
【0067】
前面被覆材5aの具体的寸法は、例えば、上部は上階の下地パネルの下端部横胴縁3dの上面までの長さ、下部は土台22又は2階床梁23のせいの長さとすればよい。なお、重ねた前面被覆材5aの端部は、シーリング材、気密テープ止め等の手段により隙間のない処理とする。この場合、通気工法とするために前面被覆材5aの屋外側に通気用縦胴縁10を設ける場合は、左右の隣接する下地パネルの前面被覆材5a間の端末処理を省略してもよい。
【0068】
次に、通気用縦胴縁10の取付けについて説明する。下地パネル1に通気用縦胴縁10を取付ける場合は、下部横胴縁3bの下面又は下端部近傍から上部横胴縁3aまでの長さのものを、下地パネル1の幅方向の任意の位置(多くはほぼ中央部)に取付ける。取付けにあたっては現場で行ってもよいが、工場等における下地パネル1の製作段階で、合板5又は表面被覆材5aの上から各横胴縁3に固定しておくことが、下地パネル1の強度上及び現場施工の省力化の面から望ましい。
【0069】
その他の部分(多くは隣接する下地パネル1の間)については、上下階の下地パネル1,11及び梁部の断熱材4cを建物躯体に取付けたのち、上階がある場合の下地パネル1,11については、下部横胴縁3bの下面又は下端部近傍から上階の下地パネル11の下端部横胴縁3dの上面までの長さの通気用縦胴縁10を、隣接する下地パネル1の縦胴縁2a,2bを跨いで配設し、各横胴縁3、上下端部横胴縁3c,3d及び上階の下地パネル11の下端部横胴縁3dに固定する。上階のない場合の下地パネル1については、下部横胴縁3bの下面又は下端部近傍から上部横胴縁3aの上面以上の長さとした通気用縦胴縁10を、隣接する下地パネル1の縦胴縁2a,2bを跨いで配設し、各横胴縁3及び上下端部横胴縁3c,3dに固定する。
【0070】
上下階の下地パネル1,11の中間に位置する梁部(上梁23)は、断熱材4cを取付けたのち、上下階の下地パネル1,11の幅方向の任意の位置に取付けられた通気用縦胴縁10の位置に合わせて、その長さを上階の下地パネル11の下端部横胴縁3dの上面から下階の下地パネル1の上端部横胴縁3cの下面までとした通気用縦胴縁10を、上階の下地パネル11の下端部横胴縁3dの上面から下階の下地パネル1の上端部横胴縁3cに固定する。
【0071】
また、最上階に位置する梁部(天井梁24)は、必要に応じて、上端部横胴縁3cから上方に延長された任意の長さの通気用縦胴縁10を、少なくとも上端部横胴縁3cに固定する。
通気用縦胴縁10を上記のように取付けることにより、通気用縦胴縁10の標準化、取付方法のマニュアル化が容易になると共に、隣接する左右及び上下の下地パネル1,11の一体化がはかられ、施工性及び強度が向上する。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、下梁、上梁、柱で構成され、前記柱の屋外側面が前記梁の屋外面より屋内側に配置された間口の屋外側に設置される外壁下地パネルであって、該外壁下地パネルが、前記間口の屋外側に配置されて前記柱に当接する一対の縦胴縁と、該一対の縦胴縁の間に架設された複数の横胴縁と、前記縦胴縁と横胴縁で囲まれた領域に設けられた断熱材とを備えたので、間柱等の部品点数を大幅に減らすことができ、施工が容易でコストを低減することができる。
【0073】
請求項2に係る発明は、請求項1の縦胴縁の間に設けた最上部の横胴縁の上面と最下部の横胴縁の下面の少なくとも一方に断熱材又は上部横胴縁若しくは下部横胴縁を設けたので、上梁又は下梁の屋外側への断熱材の取付けや下地パネルの標準化を容易に行うことができる。
【0074】
請求項3に係る発明は、請求項1の最下部の横胴縁又は該横胴縁の下面に設けた下端部横胴縁の屋内側に支持部材を設けたので、建物躯体への外壁下地パネルの位置決めが容易であり、また、鉛直荷重を下梁、上梁又は鉄筋コンクリート基礎に確実に伝達することができる。
【0075】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずかの屋外側に合板又は前面被覆材を設けたので、断熱材を枠組内に確実に保持することができ、また、外部からの水分の浸入を防止し、室内からの水蒸気を排出することができる。
【0076】
請求項5に係る発明は、建物躯体の下梁と上梁との間に該下梁と上梁の幅より狭い幅の複数の柱が設置されて、これら柱で形成された間口の屋外側に装着される外壁下地パネルであって、該外壁下地パネルを、前記下梁のほぼ下面あるいは上面から前記上梁のほぼ上面にわたる高さで、前記間口にほぼ対応する幅の合板と、前記合板の屋内側において前記下梁のほぼ上面から前記上梁のほぼ下面にわたる高さの範囲に設けられた複数の横胴縁と、前記合板の屋内側の上端部に設けられて前記上梁の上面に直接あるいは支持部材を介して係止し又は上梁の屋外側面に当接又は近接する上端部横胴縁と、前記横胴縁の両端部に該横胴縁の屋内側面と同一平面となるように設けられ、前記間口の屋外側に設置されて前記柱に当接する一対の縦胴縁と、前記縦胴縁と横胴縁で囲まれた領域、前記縦胴縁の下方及び上方において、その屋内側面が前記横胴縁の屋内側面より屋外側に位置して前記合板に取付けられた断熱材とによって構成したので、軽量であり、土台あるいは梁の部分も一体の断熱パネルを構成でき、かつ、間柱、受け材、あるいは当該部分の断熱材の切り欠き加工や柱部分に取り付ける段差吸収用のスペーサ等が不要となり、各々の横胴縁を柱に固定する必要が無く、更に気密シートの施工も不要となるため、従来技術と比較して部材点数減、施工工数減などにより大幅にコストダウンが可能となる。
【0077】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかの縦胴縁の下端部の下面又は縦胴縁の下部に設置された横胴縁の下面を、直接または支持部材を介して下梁の上面に載置するようにしたので、施工の際の位置決め及び外壁下地パネルの取付作業が容易であるとともに、パネルにかかる鉛直荷重を直接各階の床梁あるいは土台に伝達する事ができる。
【0078】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかの縦胴縁が断面L字状であって、その屋内側面が幅方向に張り出すように構成したので、隣り合うパネルの縦胴縁同士を、その間隙部に一本のタッピンねじあるいはボルト等を一つの座金を介して柱に螺入することにより、座金が双方の縦胴縁を一体に押圧可能となり、柱へ容易かつ確実に取付けることができるとともに、前記タッピンねじあるいはボルト等の頭がパネル表面より突出しないため、当該部分の通気胴縁の取り付けが容易となる。
【0079】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかの断熱材の前記縦胴縁の上端部の上方または下端部の下方部分が、前記縦胴縁の外縁端間の幅とほぼ等しい幅まで拡張されているので、施工にあたって隣接する外壁下地パネルの縦胴縁のない部分の断熱材を当接又は近接して配置することができるため、断熱性能の低下が少なく、隙間充填処理も容易となる。
【0080】
請求項9に係る発明は、請求項5〜8のいずれかの上端部横胴縁の両端部に屋内側面が上階の柱に当接する固定部材を設けたので、パネル最上部の梁を跨ぐ断熱材部分の上下の横胴縁を確実に柱に固定できるため、当該断熱材部分について、上下の横胴縁を縦胴縁で連結しなくても施工後に下地パネルの強度が十分確保できる。
【0081】
請求項10に係る発明は、請求項5〜8のいずれかの上下端部横胴縁のうち少なくとも一方が、縦胴縁の外縁端間の幅とほぼ等しい幅まで拡張されているので、断熱材が幅方向に拡張する場合にも、この拡張部分をしっかりと保持できる。
【0082】
請求項11に係る発明は、請求項5〜10のいずれかの縦胴縁の上部に切り欠き部を設けると共に、該上部を前記合板とほぼ同じ高さまで延長したので、縦胴縁の長さによってパネル全体の高さの管理できるため、寸法管理が容易になり、また、全体に剛性が付与されているので、取扱いや運搬がより容易である。なお、施工にあたっては、縦胴縁のフランジ及びウェブの屋内側の一部を切除したので、土台や梁に干渉することがない。
【0083】
請求項12に係る発明は、請求項5〜11のいずかれの下地パネルの合板又は前面被覆材の屋外側面に通気用縦胴縁を設けたので、該通気用縦胴縁の屋外側に仕上げ材を設置することにより、該仕上げ材と前記合板との間に通気用の空間を形成することができる。また、通気用縦胴縁が外壁下地パネルの補強部材としても機能するので、取扱いや運搬の管理が容易である。さらに、隣り合うパネル両端部同士で構成する空隙を被覆するようにすれば、パネル同士の接続部をより強固にすると共に気密性を確保し、通気層内の通気性を確実ならしめて、建物の居住性、耐久性を向上させることができる。
【0084】
請求項13又は14に係る発明は、請求項5〜12のいずれかの上端部横胴縁の上面が前記合板よりも上方に突出され、この突出部と合板の上端部との間に係止部を形成し、あるいは、
合板が、下端部に設置された横胴縁よりも下方に突出し、あるいは上端部横胴縁よりも上方に突出すると共に下端部に設置された横胴縁よりも下方に突出するようにし、施工にあたって上階の外壁下地材の合板の下端部を下階の外壁下地材の上部に設けた係止部に係止させるようにしたので、上下階のパネルの気密処理を確実に行うことができる。
【0085】
請求項15に係る発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の外壁下地パネルの施工方法であって、外壁下地パネルを、設置されるべき間口の屋外側において下端部に設置された横胴縁を直接又は支持部材を介して下梁上又は鉄筋コンクリート基礎上に載置する工程と、縦胴縁を柱の屋外側面に当接する工程と、前記縦胴縁を柱に固定する工程とを備えたので、施工にあたっては、上記各請求項に記載された効果を従来技術より容易に得ることができる。
【0086】
請求項16に係る発明は、請求項15の縦胴縁を柱に固定する工程において、柱の屋外側面の幅方向中央部に、使用するタッピンねじあるいはボルトに応じたマークあるいは先穴を設け、前記マークあるいは先穴を中心として設置された隣り合う外壁下地パネルの一方の縦胴縁とこれに隣接する他方の縦胴縁を跨いで、幅方向の大きさを隣接するパネルの縦胴縁のウェブ間の所定の距離とほぼ等しく設定した固定用押え座金を当接し、該固定用押え座金を介してタッピンねじあるいはボルトを柱のマークあるいは先穴に各々螺入するようにしたので、水平方向の位置決めが精度よく自動的になされ、外壁下地パネルを固定するファスナーが大幅に削減でき、施工も極めて容易で、かつ確実に柱に固定することができるため、大幅にコストダウンが可能となる。
【0087】
請求項17に係る発明は、請求項12の合板又は前面被覆材の屋外側に通気用縦胴縁を取付ける外壁下地パネルの施工方法であって、外壁下地パネルの幅方向の任意の位置に、その長さを下部横胴縁の下面又は下端部近傍から上部横胴縁の上面までとした通気用縦胴縁を任意の時期に各横胴縁に固定する工程と、上下階のパネルおよび梁部断熱材を建物躯体に取付けた後、上階があるパネルについて、その長さを下部横胴縁の下面又は下端部近傍から上階パネルの下端部横胴縁の上面までとした通気用縦胴縁を、隣接するパネル間に跨いで各横胴縁、上下端横胴縁及び上階パネルの下端部横胴縁に固定する工程と、上階のないパネルについて、その長さを下部横胴縁の下面から上部横胴縁の上面以上とした通気用縦胴縁を、隣接するパネル間に跨いで各横胴縁、上下端横胴縁に固定する工程と、上下階パネルの中間に位置する梁部に断熱材を取付け後、上下階パネルの幅方向の任意の位置に取付けられた通気用縦胴縁の位置に合わせて、その長さを上階パネルの下端部横胴縁の上面から下階パネルの上端部横胴縁の下面とした通気用縦胴縁を取付ける工程と、最上階に位置する梁部に断熱材を取付けた後、必要に応じて、上端部横胴縁から上部に延長された任意の長さの通気用縦胴縁を取付ける工程とを備えたので、通気用縦胴縁の標準化、取付方法のマニュアル化が容易になると共に、隣接パネル及び上下パネルの一体化が図られ、施工性及び強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る下地パネルを建物躯体に取付けた状態を示す一部省略した斜視図である。
【図2】 図1の下階の下地パネルの屋内側を示す斜視図である。
【図3】 上階の下地パネルの屋内側及び屋外側を示す斜視図である。
【図4】 図1の中央断面図に対応した縦断面図である。
【図5】 実施の形態1の施工手順の説明図である。
【図6】 実施の形態1の施工手順の説明図である。
【図7】 実施の形態1の施工の一例を示す説明図である。
【図8】 下地パネルを柱に固定する状態を示す説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係る下階の下地パネルの屋内側を示す斜視図及び施工説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係る下階の下地パネルの屋内側を示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態4に係る下階の下地パネルの屋内側を示す斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態5に係る下地パネルの屋内側を示す斜視図である。
【図13】 図12の屋外側を示す分解斜視図である。
【図14】 実施の形態5の施工説明図である。
【図15】 図12の支持部材の斜視図である。
【図16】 本発明の実施の形態6に係る下地パネルの一体形支持部材の斜視図である。
【図17】 実施の形態6の施工説明図である。
【図18】 実施の形態6の他の例の施工説明図である。
【図19】 本発明の実施の形態8のに係る下地パネルの屋内側正面図である。
【図20】 従来の建物躯体への外壁下地材の取付け状態を示す斜視図である。
【図21】 図20の建物躯体部分を示す斜視図である。
【図22】 図20の平断面図である。
【符号の説明】
1 下階の下地パネル
2a,2b 縦胴縁
2c,2d 固定部
3 横胴縁
3c 上端部横胴縁
4 断熱材
5 合板
5a 前面被覆材
6a,6b 固定部材
8,12 係止部
9a,9b 支持部材
10 通気用縦胴縁
11 上階の下地パネル
14 仕上材
15 通気スペース
16 タッピンねじ
17 固定用押え座金
18 断熱材
19 支持部材
20 断熱端部部材
21 鉄筋コンクリート基礎
22 土台(下梁)
23 2階床梁(上梁)
24 天井梁
25a,25b 柱
26a,26b 上柱
27 垂木受材

Claims (17)

  1. 下梁、上梁、柱で構成され、前記柱の屋外側面が前記梁の屋外面より屋内側に配置された間口の屋外側に設置される外壁下地パネルであって、該外壁下地パネルが、
    前記間口の屋外側に配置されて前記柱に当接する一対の縦胴縁と、
    該一対の縦胴縁の間に架設された複数の横胴縁と、
    前記縦胴縁と横胴縁で囲まれた領域に設けられた断熱材とを備えたことを特徴とする外壁下地パネル。
  2. 前記縦胴縁の間に設けた最上部の横胴縁の上面と最下部の横胴縁の下面の少なくとも一方に断熱材又は上端部横胴縁若しくは下端部横胴縁を設けたことを特徴とする請求項1記載の外壁下地パネル。
  3. 最下部の横胴縁又は該横胴縁の下面に設けた下端部横胴縁の屋内側に支持部材を設けたことを特徴とする請求項1の外壁下地パネル。
  4. 屋外側に合板又は吸放湿性若しくは透湿性を有する前面被覆材を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  5. 建物躯体の下梁と上梁との間に該下梁と上梁の幅より狭い幅の複数の柱が設置されて、これら柱で形成された間口の屋外側に装着される外壁下地パネルであって、該外壁下地パネルを、
    前記下梁のほぼ下面あるいは上面から前記上梁のほぼ上面にわたる高さで、前記間口にほぼ対応する幅の合板と、
    前記合板の屋内側において前記下梁のほぼ上面から前記上梁のほぼ下面にわたる高さの範囲に設けられた複数の横胴縁と、
    前記合板の屋内側の上端部に設けられて前記上梁の上面に直接あるいはスペーサを介して係止し又は上梁の屋外側面に当接又は近接する上端部横胴縁と、
    前記横胴縁の両端部に該横胴縁の屋内側面と同一平面となるように設けられ、前記間口の屋外側に設置されて前記柱に当接する一対の縦胴縁と、
    前記縦胴縁と横胴縁で囲まれた領域、前記縦胴縁の下方及び上方において、その屋内側面が前記横胴縁の屋内側面より屋外側に位置して前記合板に取付けられた断熱材とによって構成したことを特徴とする外壁下地パネル。
  6. 前記縦胴縁の下端部の下面又は該縦胴縁の下部に設置された横胴縁の下面が、直接または支持部材を介して前記下梁の上面に載置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  7. 前記縦胴縁が断面L字状であって、その屋内側面が幅方向に張り出すことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  8. 前記断熱材の前記縦胴縁上端部の上方または下端部の下方部分が、前記縦胴縁の外縁端間の幅とほぼ等しい幅まで拡張されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  9. 前記上端部横胴縁の両端部に屋内側面が上階の柱に当接する固定部材を設けたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  10. 前記上端部横胴縁及び下端部横胴縁の少なくとも一方が、前記縦胴縁の外縁端間の幅とほぼ等しい幅まで拡張されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  11. 前記縦胴縁の上部に切り欠き部を設けると共に、該上部を前記合板とほぼ同じ高さまで延長したことを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  12. 前記合板又は前面被覆材の屋外側面に通気用縦胴縁を設けたことを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  13. 前記上端部横胴縁の上面が前記合板よりも上方に突出され、該突出部と合板の上端部との間に係止部を形成したことを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載の外壁下地パネル。
  14. 前記合板が、前記下端部に設置された横胴縁よりも下方に突出し、あるいは前記上端部横胴縁よりも上方に突出すると共に前記下端部に設置された横胴縁よりも下方に突出することを特徴とする請求項5〜12のいずかに記載の外壁下地パネル。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の外壁下地パネルの施工方法であって、
    前記外壁下地パネルを、設置されるべき間口の屋外側において下端部に設置された横胴縁を直接又は支持部材を介して前記下梁上又は鉄筋コンクリート基礎上に載置する工程と、
    縦胴縁を柱の屋外側面に当接する工程と、
    前記縦胴縁を柱に固定する工程とを備えたことを特徴とする外壁下地パネルの施工方法。
  16. 縦胴縁を柱に固定する工程において、柱の屋外側面の幅方向中央部に、使用するタッピンねじあるいはボルトに応じたマークあるいは先穴を設け、前記マークあるいは先穴を中心として設置された隣り合う外壁下地パネルの一方の縦胴縁とこれに隣接する他方の縦胴縁を跨いで固定用押え座金を当接し、該固定押え用座金を介してタッピンねじあるいはボルトを柱のマークあるいは先穴に各々螺入することを特徴とする請求項15記載の外壁下地パネルの施工方法。
  17. 請求項12の合板又は前面被覆材の屋外側に通気用縦胴縁を取付ける外壁下地パネルの施工方法であって、
    外壁下地パネルの幅方向の任意の位置に、その長さを下部横胴縁の下面又は下端部近傍から上部横胴縁の上面までとした通気用縦胴縁を任意の時期に各横胴縁に固定する工程と、
    上下階のパネルおよび梁部断熱材を建物躯体に取付けた後、上階があるパネルについて、その長さを下部横胴縁の下面又は下端部近傍から上階パネルの下端部横胴縁の上面までとした通気用縦胴縁を、隣接するパネル間に跨いで各横胴縁、上下端横胴縁及び上階パネルの下端部横胴縁に固定する工程と、
    上階のないパネルについて、その長さを下部横胴縁の下面から上部横胴縁の上面以上とした通気用縦胴縁を、隣接するパネル間に跨いで各横胴縁、上下端横胴縁に固定する工程と、
    上下階パネルの中間に位置する梁部に断熱材を取付け後、上下階パネルの幅方向の任意の位置に取付けられた通気用縦胴縁の位置に合わせて、その長さを上階パネルの下端部横胴縁の上面から下階パネルの上端部横胴縁の下面とした通気用縦胴縁を取付ける工程と、
    最上階に位置する梁部に断熱材を取付けた後、必要に応じて、上端部横胴縁から上部に延長された任意の長さの通気用縦胴縁を取付ける工程とを備えたことを特徴とする外壁下地パネルの施工方法。
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