JP3749597B2 - ユニット建物における引き戸建具施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ユニット建物における引き戸建具施工方法、特に2つの建物ユニットを相互に連結し、この後、2つの建物ユニットの開口からなるユニット間開口部に引き戸建具を取り付ける施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この出願人は、ユニット建物を構成する建物ユニットと隣の建物ユニットとの間の隙間を有効に利用するものとして、図9(a),(b)に示すように、建物ユニット1、2を横に並べて互いに隣接する建物ユニット1,2の耐力壁(壁パネル)3F,3Gに両壁を貫通するそれぞれ開口4,4を形成し、この開口4,4が形成された耐力壁(壁パネル)3F,3G同士の隙間5に引き戸10と、引き戸10が収納される戸袋8を設けたユニット建物を先に提案した(特開平8−303146号公報参照)。図9(a)は、引き戸を閉めた状態、(b)は開放した状態である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、前記ユニット建物の施工方法には、適切な方法がなく、このために、建築現場での負担が大きく、現場工数が多くかかり、また、工期が長くなるという不都合があった。
【0004】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、建築現場での負担を軽減し、しかも、現場工数を少なくし、工期の短縮化が図れるユニット建物の施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、床部の側縁部に立設された耐力壁からなる壁部に第1の開口を有する第1の建物ユニットと、同じく床部の側縁部に立設された耐力壁からなる壁部に前記第1の開口と略同寸同形の第2の開口を有し、かつ、該第2の開口が前記第1の開口に重合する状態で、前記第1の建物ユニットに隣接して配置されるための第2の建物ユニットとを予め工場にて製造した後、ユニット建物の建築現場にて、前記第1及び第2の開口を重ねた状態で、前記第1及び第2の建物ユニットを相互に連結し、この後、前記第1及び第2の開口からなるユニット間開口部に引き戸建具を取り付け、前記引き戸建具の戸袋を前記第1の開口を形成した壁部と前記第2の開口を形成した壁部との隙間に設ける施工方法において、予め工場にて、前記第1(又は第2)の建物ユニットの前記第1(又は第2)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材の少なくとも一部と戸袋を構成する上レール、下レール及び戸袋側戸当りを取り付けておき、ユニット建物の建築現場にて、前記第1(又は第2)の建物ユニットの前記第1(又は第2)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材の残りがある場合には取り付けると共に、前記第2(又は第1)の建物ユニットの前記第2(又は第1)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材を継ぎ足す継ぎ部材を取り付けることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のユニット建物における引き戸建具施工方法に係り、前記第1の開口に取り付ける引き戸建具の建具枠構成部材と、第2の開口に取り付ける継ぎ部材は、互いに対向する側に対応する切欠段部を設けて建築現場で建具枠構成部材と継ぎ部材を係合密着させて、建具枠構成部材側で一方の溝壁を形成し、継ぎ部材側で他方の溝壁を形成して前記引き戸建具の上下に凹溝からなるレールを構成することを特徴としている。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のユニット建物における引き戸建具施工方法に係り、前記引き戸建具の建具枠構成部材には、戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りが設けられ、前記戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りは、壁部の壁面から突出して設けることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のユニット建物における引き戸建具施工方法に係り、工場において、第1の建物ユニットの開口に引き戸建具の建具枠構成部材を仮固定し、この後、建築現場で第2の建物ユニットの開口に継ぎ部材を取り付けて本固定することを特徴としている。
【0009】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、予め工場にて、第1(又は第2)の建物ユニットの第1(又は第2)の開口に引き戸建具の建具枠構成部材の少なくとも一部を取り付けておき、ユニット建物の建築現場にて、前記第1(又は第2)の建物ユニットの第1(又は第2)の開口に引き戸建具の建具枠構成部材の残りがある場合には取り付けると共に、第2(又は第1)の建物ユニットの第2(又は第1)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材を継ぎ足す継ぎ部材を取り付けるため、建築現場での取り付け作業が少なくなり、それだけ現場工数が少なくなり、また、工期が短くなる。つまり、設備の整った工場においてある程度建具枠構成部材を取り付けておいて、この後建築現場において残りの継ぎ部材を取り付けるので、建築現場での負担が軽減される。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、引き戸建具の上下に凹溝からなるレールを設けるため、引き戸が引き戸建具の上下に設けられたレールを案内にして円滑に開閉可能となる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、引き戸建具の建具枠構成部材に、戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りとを設けて、この戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りとを、建物ユニットの壁部の壁面から突出して設けるため、第1と第2の建物ユニット間の隙間に引き戸建具を設けることができる。即ち、隣接する建物ユニット間の隙間に引き戸とこの引き戸の戸袋を設けることができ、2つの建物ユニット間のスペースを有効に利用できる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、工場において、第1の建物ユニットの開口に引き戸建具の建具枠構成部材を仮固定し、この後、建築現場で第2の建物ユニットの開口に継ぎ部材を取り付けて本固定するため、例えば、工場でビス等で仮固定し、建設現場で釘等で本固定することにより、建築現場での引き戸建具の建具枠構成部材と継ぎ部材の取付位置等の調整が可能となる。したがって、互いに隣接するユニット建物の壁部の隙間に備えた引き戸建具が均一で、しかも画一的なものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
図1は、この発明の一実施例であるユニット建物における引き戸建具の構造を分解して示す分解斜視図、図2〜8は、同ユニット建物における引き戸建具の施工方法(図2〜4は工場施工、図5〜8は現場施工)を示したもので、図2は工場施工時の同引き戸建具の要部縦断面図(図1のX−X視に該当する断面図)、図3は図2のA−A視拡大断面図、図4は図3のB−B視拡大断面図、図5は現場施工時の同引き戸建具の要部縦断面図(図1のX−X視に該当する断面図)、図6は図5のA−A視拡大断面図、図7は図5のB−B視拡大断面図、図8(a),(b)は図6のA部,B部の拡大断面図である。
この例に係るユニット建物は、一棟の建物を、床パネル及び壁パネル等からなる複数の建物ユニットに分割し、各建物ユニットを工場で生産した後、これらの建物ユニットを建築現場に輸送し予め準備した基礎の上に相互に連結する状態で据え付ける方式の建物に係り、このユニット建物の任意の室間(この例では和室Wと廊下Rとの間)には、図1に示すように、引き戸建具6が設けられていて、和室Wと廊下Rとの間で相互の出入りが可能となっている。
【0014】
上記和室Wの一部は、同図に示すように、床パネル100の三つの側縁部に沿って壁パネル3A,3B,3Cを立設してなるコの字型の建物ユニット(以下、和室ユニットいう)1から構成され、上記廊下Rの一部は、床パネル200の互いに直交する二つの側縁部に沿って壁パネル3D,3Eを立設してなるL字型の建物ユニット(以下、廊下ユニットいう)2から構成されている。上記床パネル100,200は、根太17が方形に組まれて床枠組が構成され、さらに、床枠組の上面にパーティクルボード等の床面材18aが取り付けられることで、床構面とされている。なお、和室W側の床パネル100の床面材18aの上には、さらに畳18bが敷かれ、廊下R側の床面材18aの上には、床仕上材19が敷かれている。また、上記壁パネル3A〜3Eは、上枠301と縦枠302と図示せぬ下枠とが組まれて壁枠組とされ、さらに、この壁枠組の内外両面に石膏ボードや硬質木片セメント板等の壁面材303,303を取り付けることで、耐力壁とされ、必要に応じて開口4,4が設けられている。
この例では、和室ユニット1側の壁パネル3Cと、廊下ユニット2側の壁パネル3Dとに、互いに略同寸同形の出入口用の開口4,4が設けられている。
和室ユニット1と廊下ユニット2とは、開口4,4を重合する状態で、隣接配置されて相互に連結されている。上記開口4,4は、引き戸建具6が取り付けられていて、引き戸10を移動させることで開閉自在な構造となっている。
【0015】
引き戸建具6は、壁パネル3Cの開口4に取り付けた鴨居7aと敷居7bと戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7d、及びこの開口4に連通する壁パネル3Cの戸袋スペース5aに組み込まれた戸当り側縦枠7cの一部からなる戸当り8dと上レール8aと下レール8bと戸袋側戸当り8cとからなる建具枠構成部材と、壁パネル3Dの開口4に取り付けた鴨居継ぎ9aと敷居継ぎ9bと戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9dからなる前記建具枠構成部材に継ぎ足す継ぎ部材から構成されている。
そして、前記開口4を有する壁パネル3C,3D同士間の隙間5に、建具枠構成部材とそれに継ぎ足す継ぎ部材からなる引き戸建具6内に、例えば、襖からなる開閉する引き戸10が嵌め込まれたユニット建物になっている。
なお、前記開口4,4の外周縁には、開口上枠11a,開口下枠11b,開口縦枠11c,11cが設けらて開口周縁が補強されている。また、隣接する壁パネル3Cと壁パネル3D間の戸当り側の開口周縁に補強縦枠11dが壁パネル3C側に釘t1で釘打ちされて設けられ、開口周縁縦側の強度をさらに補強している。
【0016】
このユニット建物の施工は、まず工場内で、開口4外周縁を開口上枠11a,開口下枠11b,開口縦枠11c,11cおよび補強縦枠11dで補強された和室ユニット1側の開口4周縁に、鴨居7aと敷居7bと断面L字状の戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7dを取り付ける。
鴨居7aは、幅方向一側端部(他方の廊下ユニット2側)に鴨居継ぎ9aと係合して凹溝からなる上レール8aを構成するL字状に切欠された切欠段部12aが形成され、この切欠段部12aは、この後の本固定において釘t2よる釘打ちによってこの上部に設けられたレール受け(釘t3で壁パネル3C側に固定された受け木桟)14に支持固定される。また、敷居7bは、幅方向一側端部(他方の廊下ユニット2側)に敷居継ぎ9bと係合して凹溝からなる下レール8bを構成するL字状に切欠された切欠段部13aと、それよりも低い位置に敷居継ぎ9bと係合を良好にするL字状に切欠された係合用切欠段部13bが形成され、この切欠段部13a,13bを形成された部分は、この後の本固定において木ねじm1によるねじ止めによってこの下部に設けられたL字金具(木ねじm1で壁パネル3C側に固定されたジョイントプレート)15で支持固定される。
即ち、後述するように、鴨居7aと鴨居継ぎ9aに互いに対向する側に対応する切欠段部12aと16aを設け、また、敷居7bと敷居継ぎ9bに切欠段部13bと16bを設けて建築現場で建具枠構成部材と継ぎ部材を係合密着させて建具枠構成部材側で一方の溝壁を形成し、継ぎ部材側で他方の溝壁を形成して引き戸建具6の上下に凹溝がらなるレールを形成している。
なお、この例では、敷居7b、敷居継ぎ9b、和室ユニット1の畳18b及び廊下ユニット2の床仕上材19は、高齢者に配慮して、それぞれの上面が互いに面一に設定されていている。
【0017】
また、前記開口4に連通する壁パネル3C側の戸袋スペース5aに、図4に示すように、凹溝からなる上レール8aと凹溝からなる下レール8bと戸袋側戸当り8cを組み込んで戸袋8を構成している。上レール8aは、同様に、この後の本固定において釘t2よる釘打ちによってこの上部に設けられたレール受け(受け木桟)14に支持固定され、下レール8bは、木ねじm1によるねじ止めによってこの下部に設けられたL字金具(ジョイントプレート)15で支持固定され、また、戸袋側戸当り8cは、釘t5で壁パネル3C側に支持固定される。
そして、前記建具枠構成部材に設けられた上レール8aと下レール8bと戸当り側縦枠7cの戸当り8dと戸袋側戸当り8cは、壁パネル3Cの外壁面から突出して設けられる。
これらの建具枠構成部材の組み込みは、後の建築現場において取付位置の調整を可能な状態にするために、ビス等による仮固定によって取り付ける。なお、和室ユニット1の室内側には、装飾用として長押7eが取り付けられる。
【0018】
この後、上記一方の和室ユニット1と他方の廊下ユニット2とを建築現場に移送し、建築現場において、和室ユニット1の妻側(短い側)の壁パネル3Cと廊下ユニット2の桁側(長い側)の壁パネル3Dを互いに隣接させて和室ユニット1と廊下ユニット2を横方向に並べる。次に、建築現場において、図5及び図6に示すように、他方の廊下ユニット2の壁パネル3Dの開口4に取り付ける鴨居継ぎ9aと敷居継ぎ9bと戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9dからなる継ぎ部材を矢印方向に移動させて、前記和室ユニット1側の開口4周縁に組み込んだ鴨居7aと敷居7bと戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7dからなる建具枠構成部材に係合させて取り付ける。この後に、和室ユニット1側の開口4周縁に組み込んだ鴨居7aと敷居7bと戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7dからなる建具枠構成部材及び建物ユニット2側の開口4周縁に組み込んだ鴨居継ぎ9aと敷居継ぎ9bと戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9dからなる継ぎ部材を正確に位置決め調整し、釘打ち付け又は木ねじ等によって本固定する。
【0019】
前記和室ユニット1側の開口4周縁に組み込んだ建具枠構成部材と廊下ユニット2側の開口4周縁に組み込んだ継ぎ部材との係合は、和室ユニット1側の開口4周縁に組み込んだ建具枠構成部材(鴨居7aと敷居7bと戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7d)を釘や木ねじ等で確実に固定した後に、鴨居7aの上レール8aを兼ねる切欠段部12a,敷居7bの切欠段部13a,戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7dの図示せぬい切欠段部のこれらの係合用外側枠部に、廊下ユニット2側の開口4周縁に組み込んだ継ぎ部材(鴨居継ぎ9aと敷居継ぎ9bと戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9d)の鴨居継ぎ9aの切欠段部16a,敷居継ぎ9bの切欠段部16b,戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9dの図示せぬ切欠段部のこれらの係合用内側枠部を係合させ、係合部分を斜め釘t4等で固定する(図8(a),(b)参照)。
これによって、和室ユニット1側の開口4周縁に組み込んだ建具枠構成部材(鴨居7aと敷居7bと戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7d)と廊下ユニット2側の開口4周縁に組み込んだ継ぎ部材(鴨居継ぎ9aと敷居継ぎ9bと戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9d)が良好に係合し、密着する。
【0020】
このようにして、和室ユニット1側の建具枠構成部材(鴨居7aと敷居7bと戸当り側縦枠7cと戸引き込側縦枠7d)と、廊下ユニット2側の継ぎ部材(鴨居継ぎ9aと敷居継ぎ9bと戸当り側縦枠継ぎ9cと戸引き込側縦枠継ぎ9d)が正確に係合される。これら建具枠構成部材と継ぎ部材により、引き戸建具6が構成される。この後、引き戸建具6内に引き戸10が嵌め込まれる(図7,図8参照)。
このように、工場において一方の和室ユニット1の開口4を有する壁パネル3Cに引き戸建具6の建具枠構成部材を取り付け、この後、建築現場において他方の廊下ユニット2の開口4を有する壁パネル3Dに前記建具枠構成部材に継ぎ足す引き戸建具の継ぎ部材を取り付けるため、建築現場での取り付け作業が少なくなり、それだけ現場工数が少なくなる。
【0021】
以上、この発明の実施例を図面により詳述したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではない。したがって、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、この発明に含まれることは言うまでもない。
また、工場において一方の和室ユニットの開口に取り付ける引き戸建具の建具枠構成部材は、実施例の如く全て取り付けてしまうのが、施工現場での負担軽減上有利であるが、この一部のみ取り付けるようにしてもよい。
この発明は、和室ユニットからなる一方の建物ユニットと廊下ユニットからなる他方の建物ユニットからなるユニット建物に限らず、和室と和室間、和室と洋室間、居間と洋室間等の一方の和室ユニットと他方の建物ユニットからなるユニット建物に適用できる。この場合に、各室に取り付ける引き戸建具の建具枠構成部材と継ぎ部材の位置は、何方側にしてもよい。
【0022】
また、上述の実施例では、一枚開きの引き戸の例を示したが、これに限らず、鴨居と敷居に設けるレールを2列にして2枚開きの引き戸を有する構造のものにも適用でき、更には、引き戸の左右両側にそれぞれ戸袋を設けて2以上の複数の引き戸がある多数枚開き引き戸を有するユニット建物にも適用できる。
また、上下レール部分の支持は、両方共にレール受け、又はL字金具にしてもよいが、上レール部分の支持をL字金具にし、下レール部分をレール受けにすることも可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、予め工場にて、第1(又は第2)の建物ユニットの第1(又は第2)の開口に引き戸建具の建具枠構成部材の少なくとも一部を取り付けておき、ユニット建物の建築現場にて、前記第1(又は第2)の建物ユニットの第1(又は第2)の開口に引き戸建具の建具枠構成部材の残りがある場合には取り付けると共に、第2(又は第1)の建物ユニットの第2(又は第1)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材を継ぎ足す継ぎ部材を取り付けるため、建築現場での取り付け作業が少なくなり、それだけ現場工数が少なくなり、また、工期が短くなる。つまり、設備の整った工場においてある程度建具枠構成部材を取り付けておいて、この後建築現場において残りの継ぎ部材を取り付けるので、建築現場での負担が軽減される。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、引き戸建具の上下に凹溝からなるレールを設けるため、引き戸が引き戸建具の上下に設けられたレールを案内にして円滑に開閉可能となる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、引き戸建具の建具枠構成部材に、戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りとを設けて、この戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りとを、建物ユニットの壁部の外壁面から突出して設けるため、第1と第2の建物ユニット間のスペースに引き戸建具を設けることができる。即ち、隣接する建物ユニット間のスペースに引き戸とこの引き戸の戸袋を設けることができ、2つの建物ユニット間の隙間を有効に利用できる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、工場において、第1の建物ユニットの開口に引き戸建具の建具枠構成部材を仮固定し、この後、建築現場で第2の建物ユニットの開口に継ぎ部材を取り付けて本固定するため、例えば、工場でビス等で仮固定し、建設現場で釘等で本固定することにより、建築現場での引き戸建具の建具枠構成部材と継ぎ部材の取付位置等の調整が可能となる。したがって、互いに隣接するユニット建物の壁部の隙間に備えた引き戸建具が均一で、しかも画一的なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるユニット建物における引き戸建具の構造を分解して示す分解斜視図である。
【図2】工場施工時における同引き戸建具の要部縦断面図である。
【図3】図2のA−A視拡大断面図である。
【図4】図3のB−B視拡大断面図である。
【図5】現場施工時における同引き戸建具の要部縦断面図である。
【図6】図5のA−A視拡大断面図である。
【図7】図5のB−B視拡大断面図である。
【図8】図6のA部、B部の拡大断面図である。
【図9】従来のユニット建物の構成図である。
【符号の説明】
1,2 建物ユニット
3C,3D 壁パネル
4 開口
5 隙間
6 引き戸建物
8a,8b レール
8c,8d 戸当り
12a,13a,13b,16a,16b 切欠段部
Claims (4)
- 床部の側縁部に立設された耐力壁からなる壁部に第1の開口を有する第1の建物ユニットと、同じく床部の側縁部に立設された耐力壁からなる壁部に前記第1の開口と略同寸同形の第2の開口を有し、かつ、該第2の開口が前記第1の開口に重合する状態で、前記第1の建物ユニットに隣接して配置されるための第2の建物ユニットとを予め工場にて製造した後、ユニット建物の建築現場にて、前記第1及び第2の開口を重ねた状態で、前記第1及び第2の建物ユニットを相互に連結し、この後、前記第1及び第2の開口からなるユニット間開口部に引き戸建具を取り付け、前記引き戸建具の戸袋を前記第1の開口を形成した壁部と前記第2の開口を形成した壁部との隙間に設ける施工方法において、
予め工場にて、前記第1(又は第2)の建物ユニットの前記第1(又は第2)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材の少なくとも一部と戸袋を構成する上レール、下レール及び戸袋側戸当りを取り付けておき、
ユニット建物の建築現場にて、前記第1(又は第2)の建物ユニットの前記第1(又は第2)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材の残りがある場合には取り付けると共に、前記第2(又は第1)の建物ユニットの前記第2(又は第1)の開口に前記引き戸建具の建具枠構成部材を継ぎ足す継ぎ部材を取り付けることを特徴とするユニット建物における引き戸建具施工方法。 - 前記第1の開口に取り付ける引き戸建具の建具枠構成部材と、第2の開口に取り付ける継ぎ部材は、
互いに対向する側に対応する切欠段部を設けて建築現場で建具枠構成部材と継ぎ部材を係合密着させて、建具枠構成部材側で一方の溝壁を形成し、継ぎ部材側で他方の溝壁を形成して前記引き戸建具の上下に凹溝からなるレールを構成することを特徴とする請求項1記載のユニット建物における引き戸建具施工方法。 - 前記引き戸建具の建具枠構成部材には、
戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りが設けられ、前記戸当りと上レールと下レールと戸袋側戸当りは、壁部の壁面から突出して設けることを特徴とする請求項1記載のユニット建物における引き戸建具施工方法。 - 工場において、第1の建物ユニットの開口に引き戸建具の建具枠構成部材を仮固定し、
この後、建築現場にて第2の建物ユニットの開口に継ぎ部材を取り付けて本固定することを特徴とする請求項1記載のユニット建物における引き戸建具施工方法。
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