JP7089374B2 - 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 - Google Patents

樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池に関する。
近年、環境保護のため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池に注目が集まっている。
リチウムイオン電池は、一般に、バインダを用いて正極または負極活物質等を正極用または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。また、双極型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有する双極型電極を構成している。
このようなリチウムイオン電池においては、従来、集電体として金属箔(金属集電箔)が用いられてきた。近年、金属箔に代わって導電性材料が添加された樹脂から構成される、いわゆる樹脂集電体が提案されている。このような樹脂集電体は、金属集電箔と比較して軽量であり、電池の単位重量あたりの出力向上が期待される。
例えば、特許文献1には、ポリメチルペンテンと導電性材料とを含み、特定のメルトマスフローレートを有する二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムが開示されている。しかし、ポリメチルペンテンは表面張力が低く、活物質層との密着性が比較的悪いため、界面抵抗が高いと推定される。
特許文献2には、樹脂集電体用分散剤、樹脂及び導電性フィラーを含有する樹脂集電体用材料、並びに、該樹脂集電体用材料を有する樹脂集電体が開示されている。特許文献2には、樹脂集電体用材料に用いられる樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられている。
特開2014-216296号公報 国際公開第2015/005116号
しかし、抵抗値の低い樹脂集電体を得るためには、未だ改善の余地があると言える。
本発明は、抵抗値の低い樹脂集電体を提供することを目的とする。本発明はまた、上記樹脂集電体を用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン(P)と導電性フィラーとを含んでなる樹脂集電体であって、上記ポリオレフィン(P)の結晶化温度が55℃以上96℃以下であることを特徴とする樹脂集電体;本発明の樹脂集電体と、上記樹脂集電体の表面に形成された活物質層とを備えることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明によれば、特定の結晶化温度を有するポリオレフィン(P)を用いることにより、樹脂集電体の抵抗値を低くすることができる。
[樹脂集電体]
本発明の樹脂集電体は、ポリオレフィン(P)と導電性フィラーとを含んでなる。本発明の樹脂集電体は、好ましくはリチウムイオン電池用の樹脂集電体である。なお、本発明の樹脂集電体は、正極用樹脂集電体として用いることもできるし、負極用樹脂集電体として用いることもできる。
本発明の樹脂集電体においては、ポリオレフィン(P)の結晶化温度が55℃以上96℃以下であることを特徴としている。
結晶化温度が55℃以上96℃以下の範囲であるポリオレフィンを用いることにより、樹脂集電体の抵抗値を低くすることができる。その理由は明らかではないが、結晶化温度が低くなるほどポリオレフィンが固まりにくくなることから、フィルム成型時に溶融した樹脂中で導電性フィラーの凝集が進行することによる導電パスが形成された後で樹脂が固まるためと推定される。なお、ポリオレフィンの結晶化温度が96℃よりも高いと、フィルム成型時に樹脂が固まるまでにかかる時間が短く、導電性フィラーが適度に凝集して、導電パスを形成することができないため、必要な初期抵抗値が得られない。また、ポリオレフィンの結晶化温度が55℃未満であると、電池使用時の発熱の影響で集電体が軟化することによって導電パスが切れてしまい、抵抗値が上昇する場合がある。
本明細書においては、示差走査熱量(DSC)測定にて10℃/分で200℃までポリオレフィンを昇温し、昇温後10℃/分で降温して結晶化ピークを検出し、そのときの温度を結晶化温度とする。なお、ポリオレフィン(P)が2種以上の混合物であり、結晶化ピークが2本以上検出される場合には、最も低い温度域に結晶化ピークを有するポリオレフィン(p1)の結晶化温度を、本発明の樹脂集電体に含まれるポリオレフィン(P)の結晶化温度とする。
本発明の樹脂集電体に含まれるポリオレフィン(P)としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。その他、炭素数4~30のα-オレフィン(1-ブテン、イソブテン、1-ヘキセン、1-デセン及び1-ドデセン等)を必須構成単量体とする重合体等でもよい。これらのポリオレフィンは、1種単独でもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
ポリオレフィンの中でも、防湿特性や機械的強度の点で、ポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン及び酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。ホモポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体である。ランダムポリプロピレンは、不規則に導入された少量(好ましくは4.5重量%以下)のエチレン単位を含有する共重合体である。ブロックポリプロピレンは、ホモポリプロピレンの中にエチレンプロピレンゴム(EPR)が分散している組成物であり、ホモポリプロピレンの「海」の中にEPRを含む「島」が浮かぶ「海島構造」を有している。長鎖分岐構造を有するポリプロピレンとしては、特開2001-253910号公報等に記載されたポリプロピレン等が挙げられる。酸変性ポリプロピレンは、カルボキシル基を導入したポリプロピレンであり、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸とポリプロピレンとを有機過酸化物の存在下で反応する等の公知の方法で反応して得ることができる。
前記ポリオレフィン(P)を構成する、55℃以上96℃以下の結晶化温度を有するポリオレフィン(p1)としては、例えば、以下のものが市場から入手できる。
ホモポリプロピレン:「プライムポリマーJ-2000GP:結晶化温度89℃」(株)プライムポリマー製
ランダムポリプロピレン:「サンアロマーPC630S:結晶化温度83℃」「サンアロマーPB621S:結晶化温度96℃」「サンアロマーPB522M:結晶化温度80℃」いずれもサンアロマー(株)製、「ウィンテックWFX4T:結晶化温度86℃」」日本ポリプロ(株)製、「プライムポリマーF-744NP:結晶化温度86℃」(株)プライムポリマー製
上述のように、ポリオレフィン(P)は、2種以上の混合物であってもよく、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン及びブロックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも2種以上の混合物等が挙げられる。中でも、前記ポリオレフィン(p1)として挙げたランダムポリプロピレンと酸変性ポリプロピレンとを含む混合物が好ましい。
市場から入手できる酸変性ポリプロピレンとしては、「ユーメックス1001」三洋化成工業(株)製等がある。
樹脂集電体中のポリオレフィン(P)の含有量は、集電体の強度の観点から、樹脂集電体100重量部中10~95重量部であることが好ましく、20~80重量部であることがより好ましい。
樹脂集電体に含まれるポリオレフィン(P)が単一のポリオレフィンからなる場合は、結晶化温度が55℃以上96℃以下である単一のポリオレフィンを樹脂集電体100重量部中10~95重量部含有することが好ましい。
また、樹脂集電体に含まれるポリオレフィン(P)が2種以上のポリオレフィンの混合物である場合は、55℃以上96℃以下に結晶化ピークを有するポリオレフィン(p1)の含有量は、樹脂集電体100重量部中65~75重量部であることが好ましい。
本発明の樹脂集電体に含まれる導電性フィラーとしては、導電性を有する材料から選択されるが、集電体内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料を用いるのが好ましい。ここで、電荷移動媒体として用いられるイオンとは、例えばリチウムイオン電池であればリチウムイオンである。
導電性フィラーの材質としては、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、導電性カーボン[黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)及びカーボンナノチューブ等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電性フィラーは1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくは導電性カーボン、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは導電性カーボン、ニッケル、銀、アルミニウム及びステンレスであり、さらに好ましくは導電性カーボン及びニッケルである。また、これらの導電性フィラーは、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電材料(上記した導電性フィラーのうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
樹脂集電体中の導電性フィラーの含有量は、導電性の観点から、樹脂集電体100重量部中5~90重量部であることが好ましく、20~80重量部であることがより好ましい。
特に、導電性フィラーが導電性カーボンである場合、導電性カーボンの含有量は、ポリオレフィン(P)及び導電性カーボンの合計重量に基づいて20重量%以上、30重量%以下であることが好ましい。この場合、正極用樹脂集電体として用いることが好ましい。
導電性フィラーの形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性材料として実用化されている形態であってもよい。
本明細書において、「粒子径」とは、導電性フィラーの輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
本発明の樹脂集電体には、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリオレフィン及び導電性フィラーの他に、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤)等を適宜添加することができる。
本発明の樹脂集電体の厚さは特に限定されないが、5~400μmであることが好ましい。
本発明の樹脂集電体は、複数の導電性樹脂層を含む積層体から構成されてもよい。例えば、本発明の樹脂集電体は、外層、中間層及び外層の順で積層された3層の導電性樹脂層から構成されることが好ましい。
本発明の樹脂集電体が3層の導電性樹脂層から構成される場合、外層に含まれるポリオレフィンは、中間層に含まれるポリオレフィンと同じでもよいし、異なっていてもよい。また、外層に含まれる導電性フィラーは、中間層に含まれる導電性フィラーと同じでもよいし、異なっていてもよい。
本発明の樹脂集電体は、好ましくは、以下の方法で製造することができる。
まず、ポリオレフィン(P)と導電性フィラー、及び、必要に応じてその他の成分を混合することにより、樹脂集電体用材料を得る。混合の方法としては、導電性フィラーのマスターバッチを得てからさらにポリオレフィン(P)と混合する方法、ポリオレフィン(P)、導電性フィラー、及び、必要に応じてその他の成分のマスターバッチを用いる方法、及び、全ての原料を一括して混合する方法等があり、その混合にはペレット状又は粉体状の成分を適切な公知の混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー及びロール等を用いることができる。
混合時の各成分の添加順序には特に限定はない。得られた混合物は、さらにペレタイザーなどによりペレット化又は粉末化してもよい。
得られた樹脂集電体用材料を例えばフィルム状に成形することにより、本発明の樹脂集電体が得られる。フィルム状に成形する方法としては、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法が挙げられる。なお、本発明の樹脂集電体は、フィルム成形以外の成形方法によっても得ることができる。
[リチウムイオン電池]
本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体と、樹脂集電体の表面に形成された活物質層とを備えることを特徴とする。
本発明の樹脂集電体は、正極用樹脂集電体として用いることもできるし、負極用樹脂集電体として用いることもできる。
例えば、本発明の樹脂集電体を正極用樹脂集電体として用いる場合、本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体と、樹脂集電体の表面に形成された正極活物質層とを備える。正極活物質層は、正極活物質とともに、必要に応じてバインダ、導電助剤等の添加剤を含む。
一方、本発明の樹脂集電体を負極用樹脂集電体として用いる場合、本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体と、樹脂集電体の表面に形成された負極活物質層とを備える。負極活物質層は、負極活物質とともに、必要に応じてバインダ、導電助剤等の添加剤を含む。
本発明のリチウムイオン電池は、さらに、電解液と、セパレータとを備える。本発明のリチウムイオン電池において、正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータ等の材料としては、公知の材料を使用することができる。正極活物質及び負極活物質は、アクリル系樹脂等の樹脂で被覆された被覆活物質であってもよい。正極用集電体又は負極用集電体が本発明の樹脂集電体でない場合、これらの集電体は、金属集電箔であってもよいし、樹脂集電体であってもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
<実施例1>
2軸押出機にて、ポリプロピレン(PP)[商品名「サンアロマーPC630S」、サンアロマー(株)製]69.7部、アセチレンブラック[商品名「デンカブラック」、デンカ(株)製](表1中、アセチレンブラック1と表記)25.0部、分散剤[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]5.0部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して樹脂集電体用材料(Z-1)を得た。
得られた樹脂集電体用材料(Z-1)をTダイから押し出し、熱プレス機により圧延することで、膜厚200μmの樹脂集電体(X-1)を得た。
<実施例2~6>
表1に示すポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法により、表1に記載の組成で溶融混錬して樹脂集電体用材料(Z-2)~(Z-6)を得た後、樹脂集電体(X-2)~(X-6)を得た。
<実施例7>
2軸押出機にて、ポリプロピレン(PP)[商品名「サンアロマーPC630S」、サンアロマー(株)製]71.7部、アセチレンブラック[商品名「エンサコ250G(粒状)」、Imerys製](表1中、アセチレンブラック2と表記)23.0部、分散剤[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]5.0部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して樹脂集電体用材料(Z-7)を得た。
得られた樹脂集電体用材料(Z-7)をTダイから押し出し、熱プレス機により圧延することで、膜厚200μmの樹脂集電体(X-7)を得た。
<実施例8>
2軸押出機にて、ポリプロピレン(PP)[商品名「サンアロマーPC630S」、サンアロマー(株)製]72.7部、ファーネスブラック[商品名「#3030B」、三菱ケミカル(株)製]15.0部、カーボンナノチューブ[商品名「1201YJE」、NANOSTRUCTURED & AMORPHOUS MATERIALS社製](表1中、CNTと表記)7.0部、分散剤[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]5.0部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して樹脂集電体用材料(Z-8)を得た。
得られた樹脂集電体用材料(Z-8)をTダイから押し出し、熱プレス機により圧延することで、膜厚200μmの樹脂集電体(X-8)を得た。
<比較例1~3>
表1に示すポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)を用いたことを除いて、実施例1と同様の方法により、表1に記載の組成で溶融混錬して樹脂集電体用材料(Z-9)~(Z-11)を得た後、樹脂集電体(X-9)~(X-11)を得た。
<実施例9>
2軸押出機にて、ポリプロピレン(PP)[商品名「サンアロマーPC630S」、サンアロマー(株)製]69.7部、アセチレンブラック[商品名「デンカブラック」、デンカ(株)製](表2中、アセチレンブラック1と表記)25.0部、分散剤[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]5.0部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、外層用材料(Z-12A)を得た。
別途、2軸押出機にて、ポリプロピレン(PP)[商品名「サンアロマーPC630S」、サンアロマー(株)製]54.7部、アセチレンブラック[商品名「デンカブラック」、デンカ(株)製](表2中、アセチレンブラック1と表記)10.0部、黒鉛[商品名「SNG-WXA1」、JFEケミカル(株)製]30.0部、分散剤[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]5.0部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、中間層用材料(Z-12B)を得た。
外層用材料(Z-12A)/中間層用材料(Z-12B)/外層用材料(Z-12A)をTダイから3層共押し出し、熱プレス機により圧延することで、膜厚200μmの樹脂集電体(X-12)を得た。
表1及び表2中、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)として下記を用いた。
実施例1、7、8及び9:ランダムポリプロピレン[商品名「サンアロマーPC630S」、サンアロマー(株)製]
実施例2:ランダムポリプロピレン[商品名「サンアロマーPB621S」、サンアロマー(株)製]
実施例3:ランダムポリプロピレン[商品名「サンアロマーPB522M」、サンアロマー(株)製]
実施例4:ホモポリプロピレン[商品名「プライムポリマーJ-2000GP」、(株)プライムポリマー製]
実施例5:ランダムポリプロピレン[商品名「ウィンテックWFX4T」、日本ポリプロ(株)製]
実施例6:射出成形用低分子ポリエチレン[商品名「ノバテックLL UJ960」、日本ポリエチレン(株)製]
比較例1:ホモポリプロピレン[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]
比較例2:ランダムポリプロピレン[商品名「サンアロマーPF621S」、サンアロマー(株)製]
比較例3:押出成形用低密度ポリエチレン[商品名「ノバテックLL UE320」、日本ポリエチレン(株)製]
[評価方法]
<結晶化温度の測定>
樹脂集電体(X-1)~(X-12)を得るために用いたポリオレフィンの結晶化温度を測定した。DSC測定にて10℃/分で200℃までポリオレフィンを昇温し、昇温後10℃/分で降温して結晶化ピークを検出し、そのときの温度を結晶化温度とした。
<初期抵抗値の測定>
樹脂集電体(X-1)~(X-12)を3cm×10cm程度の短冊に裁断し、電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]及び抵抗計[RM3548、HIOKI製]を用いて各樹脂集電体の抵抗値を測定した。
電気抵抗測定器に2.16kgの荷重をかけた状態での樹脂集電体の抵抗値を測定し、2.16kgの荷重をかけてから60秒後の値をその樹脂集電体の抵抗値とした。下記の式に示すように、抵抗測定時の冶具の接触表面の面積(3.14cm)をかけた値を初期抵抗値とした。
初期抵抗値(Ω・cm)=抵抗値(Ω)×3.14(cm
初期抵抗値の基準は、抵抗値が30Ω・cm未満である場合を○(良)、30Ω・cm以上である場合を×(不良)とする。
<加熱状態での抵抗値の測定>
3cm×10cm程度の短冊に裁断した樹脂集電体(X-1)~(X-12)を電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]に2.16kgの荷重をかけた状態でセットしたまま、55℃に設定した恒温槽内に6時間以上静置した後、55℃を維持した恒温槽内に置いたままで抵抗計[RM3548、HIOKI製]を用いて各樹脂集電体の抵抗値を測定した。なお、加熱状態での抵抗値が初期抵抗値に近いほど温度による抵抗値の変化が無く、電池に使用した場合にも温度の影響が小さい。
加熱状態での抵抗値の基準は、初期抵抗値の基準と同じである。
各評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 0007089374000001
Figure 0007089374000002
表1及び表2より、ポリオレフィンの結晶化温度が55℃以上96℃以下である実施例1~9では、結晶化温度が96℃よりも高い比較例1及び2と比べて、樹脂集電体の初期抵抗値が低く、また、結晶化温度が55℃未満である比較例3と比べて、加熱状態での抵抗値の上昇もないことが確認された。
本発明の樹脂集電体は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられるリチウムイオン電池用の集電体として有用である。

Claims (3)

  1. ポリオレフィン(P)と導電性カーボンとを含んでなる樹脂集電体であって、
    前記ポリオレフィン(P)の結晶化温度が55℃以上96℃以下であり、
    前記導電性カーボンの含有量が、前記ポリオレフィン(P)及び前記導電性カーボンの合計重量に基づいて20重量%以上、30重量%以下であり、
    前記ポリオレフィン(P)が2種以上の混合物であり、55℃以上96℃以下の結晶化温度を有するポリオレフィン(p1)の含有量が、樹脂集電体100重量部中、65~75重量部であることを特徴とする樹脂集電体。
  2. 前記ポリオレフィン(P)がランダムポリプロピレンを含む、請求項1に記載の樹脂集電体。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂集電体と、
    前記樹脂集電体の表面に形成された活物質層とを備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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