JP7148277B2 - 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 - Google Patents
樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7148277B2 JP7148277B2 JP2018104891A JP2018104891A JP7148277B2 JP 7148277 B2 JP7148277 B2 JP 7148277B2 JP 2018104891 A JP2018104891 A JP 2018104891A JP 2018104891 A JP2018104891 A JP 2018104891A JP 7148277 B2 JP7148277 B2 JP 7148277B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- current collector
- resin
- resin layer
- carbon filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
Description
すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる導電性樹脂層を3層以上含む積層体で構成される樹脂集電体であって、上記導電性樹脂層の積層体には、導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が1~8m2である第1の導電性樹脂層(AX1)と、導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が10~100m2である第2の導電性樹脂層(AX2)と、が含まれ、上記導電性樹脂層の積層体の中に、第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)の順で積層された構造、又は、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)の順で積層された構造を含むことを特徴とする樹脂集電体;本発明の樹脂集電体を備えることを特徴とするリチウムイオン電池である。
上記導電性樹脂層の積層体には、
導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が1~8m2である第1の導電性樹脂層(AX1)と、
導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が10~100m2である第2の導電性樹脂層(AX2)と、が含まれ、
上記導電性樹脂層の積層体の中に、
第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)の順で積層された構造、又は、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)の順で積層された構造を含むことを特徴とする。
第2の導電性樹脂層(AX2)は液滲みを生じやすい導電性樹脂層であるが、液滲みを生じにくい第1の導電性樹脂層(AX1)と積層させることで、第2の導電性樹脂層(AX2)に浸透した電解液が樹脂集電体の厚さ方向にさらに浸透することが第1の導電性樹脂層(AX1)により防止されると考えられる。そのため、樹脂集電体全体としては液滲みが生じることを防止することができる。
また、第2の導電性樹脂層(AX2)は抵抗の低い樹脂層であるので、この導電性樹脂層を含むことにより抵抗の低い樹脂集電体とすることができると考えられる。
各導電性樹脂層は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる。
3層以上の導電性樹脂層には、第1の導電性樹脂層(AX1)と第2の導電性樹脂層(AX2)とが含まれている。
そして、第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)の順で積層された構造(以下、(AX1)/(AX2)/(AX1)構造、ともいう)、又は、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)の順で積層された構造(以下、(AX2)/(AX1)/(AX2)構造、ともいう)を含んでいる。
3層以上の導電性樹脂層には、(AX1)/(AX2)/(AX1)構造又は(AX2)/(AX1)/(AX2)構造が含まれている限り、他の導電性樹脂層を含んでいてもよい。
本明細書では、第1の導電性樹脂層(AX1)と第2の導電性樹脂層(AX2)を含む樹脂集電体について以下に説明する。
具体的には、第1の導電性樹脂層(AX1)1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が1~8m2であり、第2の導電性樹脂層(AX2)1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が10~100m2である。
本明細書において、導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積は、以下の式で算出される。
導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積(m2)
=導電性樹脂層1g中の導電性炭素フィラーの重量(g)×導電性炭素フィラーの比表面積(m2/g)
そこで、(AX1)/(AX2)/(AX1)構造又は(AX2)/(AX1)/(AX2)構造を含むように導電性樹脂層を3層以上含む積層体とすると、第2の導電性樹脂層(AX2)に浸透した電解液が樹脂集電体の厚さ方向にさらに浸透することが第1の導電性樹脂層(AX1)により防止される。そのため、樹脂集電体全体としては液滲みが生じることを防止することができる。
3層の積層体
[例3-1](AX1)/(AX2)/(AX1)構造
[例3-2](AX2)/(AX1)/(AX2)構造
4層の積層体
[例4-1](AX1)/(AX2)/(AX1)/(AX2)構造
5層の積層体
[例5-1](AX1)/(AX2)/(AX1)/(AX2)/(AX1)構造
[例5-2](AX2)/(AX1)/(AX2)/(AX1)/(AX2)構造
ポリオレフィン樹脂は、第1の導電性樹脂層(AX1)及び第2の導電性樹脂層(AX2)において同じ樹脂であっても異なる樹脂であってもよい。
また、これらのポリオレフィン樹脂の変性物(以下、変性ポリオレフィンという)又は混合物であってもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、以下のものが市場から入手できる。
PE:「ノバテックLL UE320」「ノバテックLL UJ960」いずれも日本ポリエチレン(株)製
PP:「サンアロマーPM854X」「サンアロマーPC684S」「サンアロマーPL500A」「サンアロマーPC630S」「サンアロマーPC630A」「サンアロマーPB522M」「クオリアCM688A」いずれもサンアロマー(株)製、「プライムポリマーJ-2000GP」(株)プライムポリマー製、「ウィンテックWFX4T」日本ポリプロ(株)製
PMP:「TPX」三井化学(株)製
すなわち、第1の導電性樹脂層(AX1)は比表面積が10m2/g以下である第1の導電性炭素フィラー(A1)を含むことにより、導電性炭素フィラーの総表面積が小さい導電性樹脂層となる。また、第2の導電性樹脂層(AX2)は比表面積が30~70m2/gである第2の導電性炭素フィラー(A2)を含むことにより、導電性炭素フィラーの総表面積が大きい導電性樹脂層となる。
また、第1の導電性炭素フィラー(A1)はその比表面積が0.1m2/g以上であることがより好ましい。
第1の導電性炭素フィラー(A1)の比表面積が10m2/g以下であるためには、導電性炭素フィラーの体積平均粒子径が5.0μm以上であることが好ましい。
なお、品名の後の括弧内に記載した値は、そのフィラーの比表面積である。
本明細書において、導電性炭素フィラーの体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
また、第1の導電性樹脂層(AX1)中のポリオレフィン樹脂の重量割合は、40~70重量%であることが好ましい。
導電性炭素フィラーを2種類以上含む場合は導電性樹脂層1g中に含まれるそれぞれの導電性炭素フィラーの重量にそれぞれの導電性炭素フィラーの比表面積を掛けることにより、導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積を計算することとする。
なお、品名の後の括弧内に記載した値は、そのフィラーの比表面積である。
また、第2の導電性樹脂層(AX2)中のポリオレフィン樹脂の重量割合は、60~80重量%であることが好ましい。
上記割合が1.0以上であると、樹脂集電体の全体における、比表面積が大きい第2の導電性炭素フィラー(A2)の割合が相対的に少ないため、液滲みがより防止される。
また、上記割合が1.2以下であると、樹脂集電体の全体における、比表面積が小さく、比較的導電性が低い第1の導電性炭素フィラー(A1)の割合が多過ぎないため、樹脂集電体の電気抵抗値を低くするために必要なフィラーの量を減らすことができ、樹脂集電体の薄膜化がより容易になる。
上記重量割合が28重量%以上であると、樹脂集電体の全体に含まれる導電性炭素フィラーの量が充分であるため電気抵抗値をより低くすることができる。また、上記重量割合が48重量%以下であると、樹脂集電体の全体に含まれるポリオレフィン樹脂の割合が低くなりすぎないため、樹脂集電体の成形性への影響が少なく、樹脂集電体の薄膜化により適している。
ポリオレフィン樹脂の割合が上記範囲であると、成形性が良好であり、樹脂集電体全体の薄膜化に適している。
導電材料の材質としては、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]及びこれらの合金、並びにこれらの混合物が挙げられる。電気的安定性の観点から、好ましくはニッケルである。
また、導電材料として、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電材料(上記した導電材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
樹脂集電体の厚さが100μm以下であると、樹脂集電体としての厚さが薄く、薄膜化された樹脂集電体であるといえる。このような樹脂集電体は電池内における体積が小さいため、電池の電池容量を高くするために適している。
また、樹脂集電体の厚さが80μm以上であると、樹脂集電体の強度が充分となるため好ましい。
樹脂集電体の厚さは、3層以上の導電性樹脂層の厚さの合計値として求められる。
また、本発明の樹脂集電体における第1の導電性樹脂層(AX1)部分の厚さの合計の好ましい範囲は10~33μmであり、第2の導電性樹脂層(AX2)部分の厚さの合計の好ましい範囲は25~65μmである。
また、第1の導電性樹脂層(AX1)の合計厚さと第2の導電性樹脂層(AX2)の合計厚さの好ましい割合は、[第1の導電性樹脂層(AX1)/第2の導電性樹脂層(AX2)]=0.25~1.0である。
これは、第1の導電性樹脂層(AX1)及び第2の導電性樹脂層(AX2)をそれぞれ構成する樹脂組成物のメルトマスフローレートが多層フィルムの押出成形に適した範囲にあり、2種の樹脂組成物のメルトマスフローレートがある程度近い値であることを意味している。
複数種類の樹脂組成物を使用して層数が3層以上である多層フィルムの押出成形を行う際に、メルトマスフローレートを所定の範囲で近い値に定めておくことにより、多層フィルムの押出成形を好適に行うことができる。
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試験片とし、抵抗計[RM3548、HIOKI製]を接続した電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]の電極間に試験片を挟み、電極に2.16kgの荷重をかけながら抵抗値を測定する。加重をかけてから60秒後の値に電極と試験片との接触面積(3.14cm2)をかけた値を厚さ方向における電気抵抗値とすることができる。なお、電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]は、JISK6378-5において厚さ方向における体積電気抵抗の測定に用いる装置に準拠した試験片を正負電極間に挟んで抵抗値の測定を行うための装置である。
正極用樹脂集電体として用いることもでき、負極用樹脂集電体として用いることもできるが、リチウムイオン電池の正極用樹脂集電体として用いることが好ましい。
また、リチウムイオン電池の正極用樹脂集電体として用いる場合には、第1の導電性樹脂層(AX1)が正極活物質層と接する面に配置されていることが好ましい。このようにすることによって導電性炭素フィラーの表面で副反応(分解反応)が生じにくくなり、分解反応に伴う分解電流が小さくなる。そのため、第1の導電性樹脂層(AX1)を正極活物質層と接する側に配置することによって、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることができる。
バイポーラ電極とは、リチウムイオン電池用電極であって、一つの集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成された電極を意味する。
集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を構成する樹脂集電体において、第1の導電性樹脂層(AX1)が正極活物質層と接する面に配置されていることが好ましい。このようにすることによって導電性炭素フィラーの表面で副反応(分解反応)が生じにくくなり、分解反応に伴う分解電流が小さくなる。そのため、第1の導電性樹脂層(AX1)を正極活物質層と接する側に配置することによって、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることができる。
まず、ポリオレフィン樹脂、導電性炭素フィラー、及び、必要に応じてその他の成分を混合することにより、樹脂集電体用材料を得る。
樹脂集電体用材料としては、第1の導電性樹脂層(AX1)用である第1の樹脂集電体用材料と、第2の導電性樹脂層(AX2)用である第2の樹脂集電体用材料を得る。
第1の樹脂集電体用材料を得るためには、導電性樹脂層における導電性炭素フィラーの総表面積を小さくするために、比表面積の小さい導電性炭素フィラー(例えば第1の導電性炭素フィラー(A1))を使用するか、導電性炭素フィラーの含有量を少なくする。
第2の樹脂集電体用材料を得るためには、導電性樹脂層における導電性炭素フィラーの総表面積を大きくするために、比表面積の大きい導電性炭素フィラー(例えば第2の導電性炭素フィラー(A2))を使用するか、導電性炭素フィラーの含有量を多くする。
フィルム上に成形するときに、(AX1)/(AX2)/(AX1)構造又は(AX2)/(AX1)/(AX2)構造が得られるように成形を行う。
本発明のリチウムイオン電池が本発明の樹脂集電体を正極用樹脂集電体として備える場合、本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体と、樹脂集電体の表面に形成された正極活物質層とを備える。
導電性炭素フィラー
A1-1:黒鉛粒子[比表面積1.8m2/g、商品名「SNG-WXA1」、JFEケミカル(株)製]
A2-1:アセチレンブラック[比表面積69m2/g、商品名「デンカブラック」、デンカ(株)製]
A2-2:アセチレンブラック[比表面積68m2/g、商品名「エンサコ250G(粒状)」、Imerys製]
A2-3:ファーネスブラック[比表面積32m2/g、商品名「#3030」、三菱ケミカル株式会社製]
A2-4:アセチレンブラック[比表面積39m2/g、商品名「デンカブラックLi-400」、デンカ(株)製]
A3-1:カーボンナノチューブ[比表面積213m2/g、商品名「Durobeads」、三菱商事株式会社製]
A3-2:ケッチェンブラック[比表面積800m2/g、商品名「ケッチェンブラックEC300J」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]
樹脂(ポリオレフィン樹脂)
PP-1:ポリプロピレン樹脂[商品名PC684S、サンアロマー製:樹脂のMFR=7.5]
PP-2:ポリプロピレン樹脂[商品名CM688A、サンアロマー製:樹脂のMFR=9.5]
PP-3:ポリプロピレン樹脂[商品名PM854X、サンアロマー製:樹脂のMFR=20]
PP+PE: 上記PP-3とポリエチレン樹脂「商品名B680、旭化成製」の重量比2:1での溶融混練品
なお、樹脂のMFRは、ポリオレフィン樹脂につき温度230℃、荷重2.16kgの条件下でJIS K7210:1990に記載の方法で測定されるメルトマスフローレートの値である。
分散剤
[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]
(AX1-1)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-1)45部、導電性炭素フィラー(A1-1)40部、導電性炭素フィラー(A2-1)10部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)を得た。
(AX1-2)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-2)45部、導電性炭素フィラー(A1-1)40部、導電性炭素フィラー(A2-1)10部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料(AX1-2)を得た。
(AX1-3)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP+PE)45部、導電性炭素フィラー(A1-1)40部、導電性炭素フィラー(A2-1)10部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料(AX1-3)を得た。
(AX1-4)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-1)40部、導電性炭素フィラー(A1-1)40部、導電性炭素フィラー(A2-3)15部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料(AX1-4)を得た。
(AX1-5)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-2)30部、導電性炭素フィラー(A1-1)60部、導電性炭素フィラー(A2-4)5部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料(AX1-5)を得た。
(AX1-6)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-2)25部、導電性炭素フィラー(A1-1)70部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料(AX1-6)を得た。
(AX2-1)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-1)70部、導電性炭素フィラー(A2-1)25部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)を得た。
(AX2-2)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-2)70部、導電性炭素フィラー(A2-1)25部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-2)を得た。
(AX2-3)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-3)70部、導電性炭素フィラー(A2-1)25部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-3)を得た。
(AX2-4)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-1)72部、導電性炭素フィラー(A2-2)23部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-4)を得た。
(AX2-5)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-1)60部、導電性炭素フィラー(A2-3)35部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-5)を得た。
(AX2-6)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-1)83部、導電性炭素フィラー(A3-1)12部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-6)を得た。
(AX2-7)の調製
ポリオレフィン樹脂(PP-2)85部、導電性炭素フィラー(A3-2)10部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料(AX2-7)を得た。
また、各樹脂集電体用材料(樹脂組成物)につき、温度230℃、荷重2.16kgの条件下でJIS K7210:1990に記載の方法で測定されるメルトマスフローレート(MFR)は表1に示した通りであった。
また、導電性樹脂層を構成する樹脂組成物のMFRと樹脂集電体用材料のMFRも同じである。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第2の樹脂集電体用材料(AX2-2)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-2)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-2)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-3)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-3)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-3)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-3)をTダイから4層共押出して、4層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)をTダイから5層共押出して、5層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-4)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-6)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-4)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-3)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-5)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-3)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-6)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-7)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-6)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-5)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-5)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-2)/第1の樹脂集電体用材料(AX1-1)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-3)/第2の樹脂集電体用材料(AX2-1)をTダイから3層共押出して、3層の導電性樹脂層を備える樹脂集電体を得た。
液滲み用セルを充放電試験し、試験後のセルの樹脂集電体の外側に、液滴等のセル内部から浸透した液滲みがないか目視で確認した。
商品名「セルガード2500」(PP製、厚さ25μm[セルガード製])を30mm×30mmの正方形に切り出して、セパレータ本体とした。
ポリエチレンナフタレート(商品名「PEN」[帝人社製])からなる厚さ250μmのフィルムを接着性ポリオレフィン系樹脂フィルム(商品名「アドマーVE300」[三井化学社製]厚さ50μm)で挟んで、加熱ロールまたはラミネート機で接着し、積層体を得た。その後、得られた積層体を66mm×50mmの長方形に切断し、さらに、中央のφ23mmの領域を打ち抜いて枠状部材を得た。
枠状部材の外形寸法に基づく重心とセパレータ本体の外形寸法に基づく重心が重なるように、かつ、枠状部材のPEN層がセパレータ本体と接触するように、セパレータ本体に枠状部材を貼り合わせ、インパルスシーラー「OPL-300-5」[富士インパルス製]で接着して、セパレータ本体の外周に沿って枠状部材が環状に配置されたセパレータを得た。
負極集電箔(商品名「NC-WSリチウムイオン電池負極用電解銅箔」[古河電工製])と前記枠材付セパレータのセパレータがシールされている側とを4辺固定し、次に正極樹脂集電体(実施例1~8、比較例1、2)を前記負極集電箔が固定されている側と反対側の長辺1辺で固定した。固定後、正極樹脂集電体をめくり、セパレータ上にLi箔(商品名「圧延リチウムフォイル」[本城金属製])を静置し、電解液(LiFSI/EC:PC=1:1[日本触媒製])を100μL注入した。その後、残り3辺を固定し、加熱シーラーにて長辺、短辺、長辺の順でシールした。最後の1辺は、トスパック[TOSEI製]を用いてセル内を真空にし、短辺をシールし、液滲み試験用セルを得た。得られたセルをアルミラミセル(両極とも銅箔)に入れて、以下の充電試験を行った。
充電試験は、充放電装置「SM8」[北斗電工製]を用いて、1時間の休止状態から、続いて4.2V一定電圧を200時間かけ続けた。
充電試験後のセルの正極樹脂集電体の外側を目視で確認し、電解液由来による液滴が滲み出ていたら、液滲みありと判断した。
樹脂集電体を3cm×10cm程度の短冊に裁断し、電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]及び抵抗計[RM3548、HIOKI製]を用いて各樹脂集電体の貫通抵抗値を測定した。
電気抵抗測定器に2.16kgの荷重をかけた状態での樹脂集電体の抵抗値を測定し、2.16kgの荷重をかけてから60秒後の値をその樹脂集電体の抵抗値とした。下記の式に示すように、抵抗測定時の冶具の接触表面の面積(3.14cm2)をかけた値を貫通抵抗値(Ω・cm2)とした。
貫通抵抗値(Ω・cm2)=抵抗値(Ω)×3.14(cm2)
貫通抵抗値が50Ω・cm2以下である場合良好と判断して抵抗判定の欄に○と表示し、貫通抵抗値が50Ω・cm2を超える場合を×と表示した。
一方、第1の導電性樹脂層(AX1)及び第2の導電性樹脂層(AX2)のうち一方のみを備える3層の樹脂集電体に係る比較例1及び2では、液滲み、抵抗判定のいずれかの評価結果が悪くなっていた。
Claims (5)
- ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる導電性樹脂層を3層以上含む積層体で構成される樹脂集電体であって、
前記導電性樹脂層の積層体には、
導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が1~8m2である第1の導電性樹脂層(AX1)と、
導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積が10~100m2である第2の導電性樹脂層(AX2)と、が含まれ、
前記導電性樹脂層の積層体の中に、
第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)の順で積層された構造、又は、第2の導電性樹脂層(AX2)、第1の導電性樹脂層(AX1)、第2の導電性樹脂層(AX2)の順で積層された構造を含み、
リチウムイオン電池用電極であって、集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極用であることを特徴とする樹脂集電体。 - 前記第1の導電性樹脂層(AX1)が、導電性炭素フィラーとして、比表面積が10m2/g以下である第1の導電性炭素フィラー(A1)を含み、
前記第2の導電性樹脂層(AX2)が、導電性炭素フィラーとして、比表面積が30~70m2/gである第2の導電性炭素フィラー(A2)を含む請求項1に記載の樹脂集電体。 - 前記第1の導電性樹脂層(AX1)を構成する前記樹脂組成物及び前記第2の導電性樹脂層(AX2)を構成する前記樹脂組成物の温度230℃、荷重2.16kgの条件下でJIS K7210:1990に記載の方法で測定されるメルトマスフローレートがそれぞれ0.2~7.5である請求項1又は2に記載の樹脂集電体。
- 前記第1の導電性樹脂層(AX1)における導電性炭素フィラーの含有量が30~60重量%であり、前記第2の導電性樹脂層(AX2)における導電性炭素フィラーの含有量が20~40重量%である請求項1~3のいずれかに記載の樹脂集電体。
- 請求項1~4のいずれかに記載の樹脂集電体を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018104891A JP7148277B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018104891A JP7148277B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019212384A JP2019212384A (ja) | 2019-12-12 |
JP7148277B2 true JP7148277B2 (ja) | 2022-10-05 |
Family
ID=68846901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018104891A Active JP7148277B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7148277B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007335570A (ja) | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Nok Corp | 電磁波シールド用ゴム組成物 |
JP2008207404A (ja) | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 導電性フィルムおよび前記フィルムを有する複合フィルム |
JP2008251179A (ja) | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 固体高分子型燃料電池用電極 |
JP2010073421A (ja) | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Nissan Motor Co Ltd | 双極型電極およびその製造方法 |
JP2010170832A (ja) | 2009-01-22 | 2010-08-05 | Nissan Motor Co Ltd | ポリマーブレンドフィルムを含む電極 |
WO2011062065A1 (ja) | 2009-11-20 | 2011-05-26 | 日産自動車株式会社 | 双極型二次電池用集電体 |
JP2015128067A (ja) | 2013-12-27 | 2015-07-09 | エスケー イノベーション カンパニー リミテッド | 透過度に優れた多層セパレータ |
-
2018
- 2018-05-31 JP JP2018104891A patent/JP7148277B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007335570A (ja) | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Nok Corp | 電磁波シールド用ゴム組成物 |
JP2008207404A (ja) | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 導電性フィルムおよび前記フィルムを有する複合フィルム |
JP2008251179A (ja) | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 固体高分子型燃料電池用電極 |
JP2010073421A (ja) | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Nissan Motor Co Ltd | 双極型電極およびその製造方法 |
JP2010170832A (ja) | 2009-01-22 | 2010-08-05 | Nissan Motor Co Ltd | ポリマーブレンドフィルムを含む電極 |
WO2011062065A1 (ja) | 2009-11-20 | 2011-05-26 | 日産自動車株式会社 | 双極型二次電池用集電体 |
JP2015128067A (ja) | 2013-12-27 | 2015-07-09 | エスケー イノベーション カンパニー リミテッド | 透過度に優れた多層セパレータ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019212384A (ja) | 2019-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6998278B2 (ja) | 樹脂集電体、積層型樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
JP5135822B2 (ja) | リチウムイオン二次電池およびこれを用いた組電池 | |
JP7010653B2 (ja) | 樹脂集電体、積層集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
US8753780B2 (en) | Electrode including barrier layer containing two conductive powders with different particle diameters and method for producing the same | |
EP2006941A1 (en) | Battery electrode | |
JP7145727B2 (ja) | 負極用樹脂集電体の製造方法、リチウムイオン電池用負極の製造方法、及び、リチウムイオン電池の製造方法 | |
JP5601361B2 (ja) | 電池用電極 | |
JP2010153224A (ja) | 電極およびその製造方法 | |
JP7042700B2 (ja) | リチウムイオン電池用電極、及び、リチウムイオン電池 | |
JP7128579B2 (ja) | リチウムイオン組電池 | |
JP7089374B2 (ja) | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
JP2018198197A (ja) | 樹脂集電体の製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、及び、リチウムイオン電池の製造方法 | |
JP7194048B2 (ja) | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
JP7394580B2 (ja) | 全固体リチウムイオン二次電池 | |
JP7128576B2 (ja) | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
JP7148277B2 (ja) | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
JP7042640B2 (ja) | 樹脂集電体、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 | |
JP7007944B2 (ja) | リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 | |
JP2018198196A (ja) | 樹脂集電体、リチウムイオン電池用電極、及び、リチウムイオン電池 | |
JP7148275B2 (ja) | 樹脂集電体の製造方法 | |
JP7074469B2 (ja) | 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 | |
JP2022085826A (ja) | リチウムイオン電池用樹脂集電体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210405 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220425 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220920 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220922 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7148277 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |