JP7074469B2 - 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 - Google Patents

樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池に関する。
近年、環境保護のため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池に注目が集まっている。
リチウムイオン電池は、一般に、バインダを用いて正極または負極活物質等を正極用または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。また、双極型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有する双極型電極を構成している。
このようなリチウムイオン電池においては、従来、集電体として金属箔(金属集電箔)が用いられてきた。近年、金属箔に代わって導電性材料が添加された樹脂から構成される、いわゆる樹脂集電体が提案されている。このような樹脂集電体は、金属集電箔と比較して軽量であり、電池の単位重量あたりの出力向上が期待される。
特許文献1には、樹脂集電体用分散剤、樹脂及び導電性フィラーを含有する樹脂集電体用材料、並びに、該樹脂集電体用材料を有する樹脂集電体が開示されている。
国際公開第2015/005116号
特許文献1には、樹脂集電体の例として、樹脂としてポリプロピレン樹脂を使用し、導電性フィラーとしてアセチレンブラックを使用した例が記載されている。
このような樹脂集電体を正極用樹脂集電体として使用した場合、所定の電圧を一定時間印加してサイクル試験を行うと、(酸化)分解電流が流れ、所定の繰り返し回数の後にサイクル特性が充分に維持できないことが判明した。
以上の状況を踏まえて、本発明は、サイクル特性に優れた樹脂集電体を提供することを目的とする。本発明はまた、上記樹脂集電体を用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂及び黒鉛を含む樹脂集電体であって、上記黒鉛が、球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)を含むことを特徴とする樹脂集電体;本発明の樹脂集電体を備えることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明の樹脂集電体はサイクル特性に優れた樹脂集電体となる。
本発明の樹脂集電体は、ポリオレフィン樹脂及び黒鉛を含む樹脂集電体であって、上記黒鉛が、球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)を含むことを特徴とする。
従来のアセチレンブラック等の比表面積の大きいフィラーを用いた樹脂集電体では、導電性は高くなるものの樹脂集電体の表面が反応場となり酸化電流が流れやすいため、その酸化電流によって電解液等が劣化してサイクル特性が悪化する場合が悪化する場合があると考えられる。
本発明の樹脂集電体は、球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)を含み、このうち鱗片状黒鉛(A2)は、樹脂集電体の成膜時の成形方向に沿って配向し易い特性を有する。一方、球状黒鉛は鱗片状黒鉛程には成形方向に対して配向しないため、配向した鱗片状黒鉛の間に存在し易くなると考えられる。すなわち、上記樹脂集電体中に球状黒鉛(A1)が存在すると、複数の鱗片状黒鉛(A2)の間に入り込んで鱗片状黒鉛と球状黒鉛が近接した凝集体のような構造を取り、球状黒鉛が鱗片状黒鉛(A2)同士を接続する役割を果たし、樹脂集電体として機能するために必要な低い抵抗値を得ることができる。そして、球状黒鉛(A1)や鱗片状黒鉛(A2)は、樹脂集電体に用いられていた従来の導電性フィラー(アセチレンブラック等)に比べて比表面積が小さいため、反応場となる部分の面積が少なくなって酸化電流の発生を抑えることができ、電解液等の劣化を防止し、サイクル特性に優れた樹脂集電体になると考えられる。
本発明の樹脂集電体で用いるポリオレフィン樹脂として、好ましくは、ポリオレフィン[ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、及びポリシクロオレフィン(PCO)等]が挙げられる。より好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
例えば、以下のものが市場から入手できる。
PE:「ノバテックLL UE320」「ノバテックLL UJ960」いずれも日本ポリエチレン(株)製
PP:「サンアロマーPM854X」「サンアロマーPC684S」「サンアロマーPL500A」「サンアロマーPC630S」「サンアロマーPC630A」「サンアロマーPB522M」いずれもサンアロマー(株)製、「プライムポリマーJ-2000GP」(株)プライムポリマー製、「ウィンテックWFX4T」日本ポリプロ(株)製
PMP:「TPX」三井化学(株)製
本発明の樹脂集電体で用いる鱗片状黒鉛とは、結晶性(黒鉛化度)が高く、鱗状の外観を有する黒鉛(Flake Graphite)であり、天然黒鉛として産出される鱗片状黒鉛及び人造の鱗片状黒鉛を含み、鱗片状黒鉛は外観が薄片状(葉片状ともいう)の黒鉛及びその塊を意味し、鱗状黒鉛とよばれる黒鉛を含み、塊である場合には薄片による層構造が維持されている。
球状黒鉛には天然黒鉛又は人造黒鉛を粉砕してその塊を物理的又は化学的に球状化したもの等が含まれる。なお、球状化とはかどのない塊状に加工することを意味し、得られた塊の投影形状は楕円または真円に近い形状である。
その形状の違いを示す指標として、本明細書では、球状黒鉛とは、アスペクト比(長径/短径)が2.0以下のものを意味する。また、鱗片状黒鉛とは、アスペクト比が2.5以上のものを意味する。なお、アスペクト比は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて粒子を拡大観察(例えば、1000倍に拡大)することにより測定することができ、撮影した黒鉛のSEM写真において、最も短い部分の長さに対する最も長い部分の長さの比(最も長い部分の長さ/最も短い部分の長さ)をアスペクト比とする。
本発明の樹脂集電体中には球状黒鉛(A1)と鱗片状黒鉛(A2)がともに分散して存在しているが、本発明の樹脂集電体に含まれる黒鉛粒子を走査型電子顕微鏡を用いて拡大観察した場合には、形状が明確に異なる2種類の黒鉛粒子が含まれることが観察できる。そのため、当業者であれば樹脂集電体中に球状黒鉛(A1)と鱗片状黒鉛(A2)が含まれることを走査型電子顕微鏡写真を見るだけで判別可能な場合が多い。
本発明の樹脂集電体では、フィラー表面での酸化電流の発生を少なくできるという観点等から、上記球状黒鉛(A1)の比表面積が3~20m/gであることが好ましい。
球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)の比表面積は「JIS Z8830 ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて、BET比表面積として測定した値である。
上記球状黒鉛(A1)の比表面積が3~20m/gであるためには、上記球状黒鉛の体積平均粒子径が8~44μmであることが好ましい。
本発明の樹脂集電体では、フィラー表面での酸化電流の発生を少なくできるという観点等から、上記鱗片状黒鉛(A2)の比表面積が3~20m/gであることが好ましい。
上記鱗片状黒鉛(A2)の比表面積が3~20m/gであるためには、上記鱗片状黒鉛の体積平均粒子径が20~42μmであることが好ましい。
本発明の樹脂集電体では、上記球状黒鉛(A1)の比表面積と上記鱗片状黒鉛(A2)の比表面積の比率は、[球状黒鉛(A1)の比表面積/鱗片状黒鉛(A2)の比表面積]=0.3~1.4であることが好ましい。
本発明の樹脂集電体では、[球状黒鉛(A1)の比表面積/鱗片状黒鉛(A2)の比表面積]=0.3~1.4と、両者の比表面積が同程度のものを用いることにより、黒鉛の分散が良好となり、樹脂集電体中に分散した複数の鱗片状黒鉛の間に球状黒鉛が入り易くなり、導電性の高い樹脂集電体となる。
本発明の樹脂集電体では、上記球状黒鉛(A1)と上記鱗片状黒鉛(A2)の重量割合は、[球状黒鉛(A1)/鱗片状黒鉛(A2)]=0.67~1.50であることが好ましい。
本発明の樹脂集電体では、上記球状黒鉛(A1)と上記鱗片状黒鉛(A2)の重量割合を、[球状黒鉛(A1)/鱗片状黒鉛(A2)]=0.67~1.50に設定することにより、両者が均一に混合され易くなり、導電性の高い樹脂集電体となる。
本発明の樹脂集電体では、樹脂集電体に含まれる上記球状黒鉛(A1)と上記鱗片状黒鉛(A2)の合計重量割合は、樹脂集電体の重量に対して40~50重量%であることが好ましい。
上記重量割合が40重量%以上であると、樹脂集電体に含まれる球状黒鉛(A1)と上記鱗片状黒鉛(A2)の合計量が充分な割合となるため、電気抵抗値をより低くすることができる。また、上記重量割合が50重量%以下であると、樹脂集電体に含まれるポリオレフィン樹脂の割合が低くなりすぎないため、樹脂集電体の成形性への影響が少なく、樹脂集電体の薄膜化により適している。
球状黒鉛(A1)として市場から入手できるものとしては、商品名「CGCシリーズ」「CGBシリーズ」、例えば「CGB20(4.72m/g)」[いずれも日本黒鉛工業(株)製]、商品名「SG-BH8(11.3m/g)」、「SG-BH(4.84m/g)」、「SG-BL30(4.28m/g)」、「SG-BL40(3.19m/g)」[いずれも伊藤黒鉛工業(株)製]、商品名「SNG-WXA1(1.8m/g)」、「SNG-P1A1(0.6m/g)」[いずれもJFEケミカル(株)製]等が挙げられる。なお、品名の後に括弧内に記載した値は、その黒鉛の比表面積である。
鱗片状黒鉛(A2)として市場から入手できるものとしては、商品名「CPシリーズ」「CBシリーズ」「F#シリーズ」「UPシリーズ」「GRシリーズ」「CMXシリーズ」、例えば「CPB(6.95m/g)」「UP20N(3.33m/g)」[いずれも日本黒鉛工業(株)製]、商品名「Z-5F」「CNP7」「CNP15」「CNP35」「Z-25」「Z-50」「Z-100」「X-10」「X-20」「RP99-150(5.13m/g)」「RP99-100」「X-100」「XD150」「XD100」「W-5」「W+35」「2000M」「1000M」「V-300」「V-100」「V-10F」「V-18」「V-14」「CGP-90F」「CGP-18」「PC99-300M(3.87m/g)」「SRP7」「SRP-150(5.61m/g)」「SRP10」「1500M-A」「PC-30(6.04m/g)」[いずれも伊藤黒鉛工業(株)製]等が挙げられる。なお、品名の後に括弧内に記載した値は、その黒鉛の比表面積である。
樹脂集電体は、上記した黒鉛とは異なる導電材料を含有していてもよい。
導電材料の材質としては、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]及びこれらの合金、並びにこれらの混合物が挙げられる。電気的安定性の観点から、好ましくはニッケルである。
また、導電材料として、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電材料(上記した導電材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものであってもよい。
樹脂集電体は、ポリオレフィン樹脂、球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)の他に、さらに必要に応じ、その他の成分[導電材料用分散剤(変性ポリオレフィン及び界面活性剤等)、着色剤、紫外線吸収剤、汎用の可塑剤(フタル酸骨格含有化合物、トリメリット酸骨格含有化合物、リン酸基含有化合物及びエポキシ骨格含有化合物等)]等を適宜含んでいてもよい。その他の成分の合計添加量は、電気的安定性の観点から、樹脂集電体100重量部中0.001~5重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.001~3重量部である。
また、樹脂集電体に含まれるポリオレフィン樹脂の割合は、50~60重量%であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂の割合が上記範囲であると、成形性が良好であり、樹脂集電体の薄膜化に適している。
本発明の樹脂集電体では、樹脂集電体の厚さは、100μm以下であることが好ましく、50~80μmがより好ましい。
樹脂集電体の厚さが100μm以下であると、樹脂集電体としての厚さが薄く、薄膜化された樹脂集電体であるといえる。このような樹脂集電体は電池内における体積が小さいため、電池の電池容量を高くするために適している。
また、樹脂集電体の厚さが50μm以上であると、樹脂集電体の強度が充分となるため好ましい。
また、本発明の樹脂集電体では、樹脂集電体の主面方向における電気抵抗値は、3500Ω・cm以下であることが好ましく、樹脂集電体の厚さ方向における電気抵抗値(貫通抵抗値)は、1~150Ω・cmであることが好ましい。樹脂集電体の主面方向における電気抵抗値及び厚さ方向における電気抵抗値は以下の方法で測定することができる。
<樹脂集電体の主面方向における電気抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試料とし、JIS K7194に準拠した4探針法による低抵抗率計[MCP-T610、(株)三菱化学アナリテック製]を用いて測定した樹脂集電体の表面における抵抗値を、樹脂集電体の主面方向における電気抵抗値とする。
<樹脂集電体の厚さ方向における電気抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試験片とし、抵抗計[RM3548、HIOKI製]を接続した電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]の電極間に試験片を挟み、電極に2.16kgの荷重をかけながら抵抗値を測定する。加重をかけてから60秒後の値に電極と試験片との接触面積(3.14cm)をかけた値を厚さ方向における電気抵抗値とすることができる。なお、電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]は、JISK6378-5において厚さ方向における体積電気抵抗の測定に用いる装置に準拠した試験片を正負電極間に挟んで抵抗値の測定を行うための装置である。
本発明の樹脂集電体は、好ましくは、以下の方法で製造することができる。
まず、ポリオレフィン樹脂、球状黒鉛(A1)、鱗片状黒鉛(A2)、及び、必要に応じてその他の成分を混合することにより、樹脂集電体用材料を得る。
混合の方法としては、マスターバッチの製造方法、及び、熱可塑性樹脂組成物(分散剤とフィラーと熱可塑性樹脂とからなる組成物、又は、マスターバッチと熱可塑性樹脂とからなる組成物)の製造方法等において公知の混合方法が用いられ、ペレット状又は粉体状の成分を適切な混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー及びロール等を用いて加熱溶融混合して混合することができる。
混合時の各成分の添加順序には特に限定はない。得られた混合物は、さらにペレタイザーなどによりペレット化又は粉末化してもよい。
得られた樹脂集電体用材料を例えばフィルム状に成形することにより、本発明の樹脂集電体が得られる。フィルム状に成形する方法としては、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法が挙げられる。なお、本発明の樹脂集電体は、フィルム成形以外の成形方法によっても得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体を備えることを特徴とする。
例えば、本発明の樹脂集電体を正極用樹脂集電体として備える場合、本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体と、本発明の樹脂集電体の表面に形成された正極活物質層とを備える。正極活物質層は、正極活物質とともに、必要に応じてバインダ、導電助剤等の添加剤を含む。
一方、本発明の樹脂集電体を負極用樹脂集電体として備える場合、本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の樹脂集電体と、本発明の樹脂集電体の表面に形成された負極活物質層とを備える。上記負極活物質層は、負極活物質とともに、必要に応じてバインダ、導電助剤等の添加剤を含む。
本発明のリチウムイオン電池は、さらに、電解液と、セパレータとを備える。本発明のリチウムイオン電池において、正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータ等の材料としては、公知の材料を使用することができる。正極活物質及び負極活物質は、アクリル系樹脂等の樹脂で被覆された被覆活物質であってもよい。正極用集電体又は負極用集電体が本発明の樹脂集電体でない場合、これらの集電体は、金属集電箔であってもよいし、樹脂集電体であってもよい。
なお、本発明の樹脂集電体は、リチウムイオン電池の正極用樹脂集電体であることが好ましく、本発明のリチウムイオン電池は、正極集電体として本発明の樹脂集電体を備えることが好ましい。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
以下の実施例で使用した材料は下記の通りである。
黒鉛
A1-1:球状黒鉛[比表面積4.72m/g、商品名「CGB20」、日本黒鉛工業(株)製]
A1-2:球状黒鉛[比表面積3.19m/g、商品名「SG-BL40」、伊藤黒鉛工業(株)製]
A1-3:球状黒鉛[比表面積11.3m/g、商品名「SG-BH8」、伊藤黒鉛工業(株)製]
A1-4:球状黒鉛[比表面積4.84m/g、商品名「SG-BH」、伊藤黒鉛工業(株)製]
A1-5:球状黒鉛[比表面積1.8m/g、商品名「SNG-WXA1」、JFEケミカル(株)製]
A2-1:鱗片状黒鉛[比表面積3.87m/g、商品名「P99-300M」、伊藤黒鉛工業(株)製]
A2-2:鱗片状黒鉛[比表面積6.95m/g、商品名「CPB」、日本黒鉛工業(株)製]
なお、黒鉛の比表面積は、「JIS Z8830 ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて、BET比表面積として測定した値である。
樹脂(ポリオレフィン樹脂)
ポリプロピレン樹脂[商品名「サンアロマーPC684S」、サンアロマー(株)製]
分散剤
[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]
<実施例1>
2軸押出機にて、ポリオレフィン樹脂55部、球状黒鉛(A1-1)20部、鱗片状黒鉛(A2-1)20部及び分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して樹脂集電体用材料を得た。
得られた樹脂集電体用材料をTダイから押し出し、熱プレス機により圧延することで、樹脂集電体を得た。
<実施例2~6、比較例1~7>
球状黒鉛及び鱗片状黒鉛の種類及び配合量、並びに、ポリオレフィン樹脂の配合量を表1に示すように変更して、実施例1と同様の方法により樹脂集電体用材料及び樹脂集電体を得た。
<樹脂集電体の主面方向における抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試料とし、JIS K7194に準拠した4探針法による低抵抗率計[MCP-T610、(株)三菱化学アナリテック製]を用いて測定した樹脂集電体の表面における抵抗値を、樹脂集電体の主面方向における電気抵抗値とした。なお、表1では、単に抵抗値(Ω/cm)としている。
表1において、樹脂集電体の主面方向における抵抗値が2000Ω/cm以下である場合良好と判断して各表において抵抗値判定の欄に○と表示し、樹脂集電体の主面方向における抵抗値が2000Ω/cmを超える場合を×と表示した。
<酸化電流量の測定>
<耐電位試験用コインセルの作製>
2032型コインセルの負極缶にガスケット、φ16mmに裁断したLi箔、φ17mmに裁断したセパレータ(厚さ25μmのポリプロピレン製)を順に重ね、電解液を100μL添加した。その上にφ15mmに裁断した樹脂集電体を乗せ、さらにカーボンコートアルミ[昭和電工(株)製、SDX]、スペーサー(厚さ500μm)を2つ、皿バネ、正極缶を順に重ねて封をし、評価用のコインセルを作製した。なお、電解液として、1M LiPFをエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶媒(体積比1:1)に溶解した溶液を準備した。
<樹脂集電体の耐電位試験評価>
充放電測定装置「HJ1001SM8A」[北斗電工製]を用いて、評価用コインセルを電圧4.2Vまで充電し、そのまま200時間電圧をかけた状態での発生電流を計測した。本試験での結果は、4.2Vの電圧をかけ続けた状態で流れた電流量の総和としている。
なお、酸化電流量が少ないと電池の構成部材として用いた際の部材由来の容量ロスが低減でき、優れた長期の信頼性を有することを示す。
表1において、酸化電流量が0.300mAh/φ15mm以下である場合良好と判断して各表において酸化電流量判定の欄に○と表示し、酸化電流量が0.300mAh/φ15mmを超える場合を×と表示した。
Figure 0007074469000001
実施例1~6では、樹脂集電体が球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)の両方を含んでいるので、樹脂集電体の主面方向における抵抗値と酸化電流量が良好な範囲に収まっており、サイクル特性に優れた樹脂集電体となっている。
比較例1~7では、樹脂集電体が球状黒鉛(A1)か鱗片状黒鉛(A2)の一方のみを含んでいるため、樹脂集電体の主面方向における抵抗値、又は、酸化電流量のいずれかの評価結果が悪くなっていた。
本発明の樹脂集電体は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられるリチウムイオン電池用の集電体として有用である。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン樹脂及び黒鉛を含む樹脂集電体であって、
    前記黒鉛が、球状黒鉛(A1)及び鱗片状黒鉛(A2)を含み、
    前記球状黒鉛(A1)の比表面積が3~20m /gであることを特徴とする樹脂集電体。
  2. 前記鱗片状黒鉛(A2)の比表面積が3~20m/gである請求項1に記載の樹脂集電体。
  3. 前記球状黒鉛(A1)の比表面積と前記鱗片状黒鉛(A2)の比表面積の比率が、[球状黒鉛(A1)の比表面積/鱗片状黒鉛(A2)の比表面積]=0.3~1.4である請求項1又は2に記載の樹脂集電体。
  4. 前記樹脂集電体に含まれる前記球状黒鉛(A1)と前記鱗片状黒鉛(A2)の重量割合が、[球状黒鉛(A1)/鱗片状黒鉛(A2)]=0.67~1.50である請求項1~のいずれかに記載の樹脂集電体。
  5. 樹脂集電体に含まれる前記球状黒鉛(A1)と前記鱗片状黒鉛(A2)の合計重量割合が樹脂集電体の重量に対して40~50重量%である請求項1~のいずれかに記載の樹脂集電体。
  6. リチウムイオン電池の正極用樹脂集電体である請求項1~のいずれかに記載の樹脂集電体。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の樹脂集電体を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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