JP2021180127A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂集電体を構成する導電性フィラーと、被覆活物質粒子との間で生じる接触抵抗値を低減でき、電気特性が向上されたリチウムイオン電池を提供すること。【解決手段】負極活物質粒子の表面の少なくとも一部が特定の高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆負極活物質粒子及び前記被覆負極活物質粒子と接する特定の樹脂集電体層を少なくとも含む負極用樹脂集電体を備える負極と、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部が特定の高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆正極活物質粒子及び特定の正極用樹脂集電体を備える正極とを有するリチウムイオン電池である。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン(二次)電池は、高容量で小型軽量な二次電池として、近年様々な用途に多用されている。
従来のリチウムイオン電池では、集電体として金属箔(金属集電箔)が用いられてきた。
近年、金属箔に代わって、樹脂集電体用分散剤、樹脂及び導電性フィラーを含有する樹脂集電体用材料、並びに、該樹脂集電体用材料を有する樹脂集電体が提案されている(特許文献1参照)。
また、近年では、リチウムイオン電池のサイクル特性を改善する観点から、負極活物質の表面の少なくとも一部を、被覆用樹脂と導電助剤とを含む被覆剤で被覆したリチウムイオン電池用被覆負極活物質が提案されている(特許文献2参照)。
国際公開第2015/005116号 国際公開第2015/137041号
樹脂集電体を用いたリチウムイオン電池では、金属集電体を用いたリチウムイオン電池と比較して電気抵抗値が高くなる傾向がある。特に、樹脂集電体と被覆活物質粒子とを用いたリチウムイオン電池では、電気抵抗値が高くなる傾向が顕著であった。
これまでは、リチウムイオン電池の構成部品の各々における電気抵抗値の低減については、様々な検討がなされてきた。
しかしながら、リチウムイオン電池の各構成部品間における接触抵抗値の低減については、十分な検討がなされておらず、改善の余地があった。
そこで本発明は、リチウムイオン電池の各構成部品間における接触抵抗値を低減し、電気特性が向上されたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、樹脂集電体を構成する導電性フィラーと、被覆活物質粒子との間で生じる接触抵抗値が、リチウムイオン電池の電気抵抗値を高める一因であることを見出した。
本発明者らは、更に鋭意検討した結果、負極用樹脂集電体の被覆負極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層に含まれる負極用導電性フィラー及び被覆負極活物質粒子被覆層に含まれる高分子化合物(A1)と、正極用樹脂集電体に含まれる正極用導電性フィラー及び被覆正極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A2)とをそれぞれ特定の組合せにすることにより、樹脂集電体を構成する導電性フィラーと、被覆活物質粒子との間で生じる接触抵抗値を低減でき、電気特性が向上されたリチウムイオン電池を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、負極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆負極活物質粒子及び前記被覆負極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層を少なくとも含む負極用樹脂集電体を備える負極と、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆正極活物質粒子及び正極用樹脂集電体を備える正極とを有するリチウムイオン電池であって、上記第1の樹脂集電体層が、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーとを含む負極用導電性樹脂組成物からなり、上記第1の樹脂集電体層に含まれる負極用導電性フィラーが、白金、金、銀、銅、ニッケル及びチタンからなる群から選択される1種以上の金属元素からなり、上記被覆負極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A1)が、単量体(a1)を構成単量体として上記高分子化合物(A1)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、上記単量体(a1)が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選択される1種以上であり、上記正極用樹脂集電体が、正極用ポリオレフィン樹脂と正極用導電性フィラーとを含む正極用導電性樹脂組成物からなり、上記正極用導電性フィラーが、黒鉛、カーボンブラック及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上であり、上記被覆正極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A2)が、単量体(a2)を構成単量体として上記高分子化合物(A2)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、上記単量体(a2)が、炭素数3〜22の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明によれば、樹脂集電体を構成する導電性フィラーと、被覆活物質粒子との間で生じる接触抵抗値を低減でき、電気特性が向上されたリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明は、負極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆負極活物質粒子及び前記被覆負極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層を少なくとも含む負極用樹脂集電体を備える負極と、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆正極活物質粒子及び正極用樹脂集電体を備える正極とを有するリチウムイオン電池であって、上記第1の樹脂集電体層が、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーとを含む負極用導電性樹脂組成物からなり、上記第1の樹脂集電体層に含まれる負極用導電性フィラーが、白金、金、銀、銅、ニッケル及びチタンからなる群から選択される1種以上の金属元素からなり、上記被覆負極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A1)が、単量体(a1)を構成単量体として上記高分子化合物(A1)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、上記単量体(a1)が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選択される1種以上であり、上記正極用樹脂集電体が、正極用ポリオレフィン樹脂と正極用導電性フィラーとを含む正極用導電性樹脂組成物からなり、上記正極用導電性フィラーが、黒鉛、カーボンブラック及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上であり、上記被覆正極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A2)が、単量体(a2)を構成単量体として上記高分子化合物(A2)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、上記単量体(a2)が、炭素数3〜22の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とするリチウムイオン電池である。
[負極]
負極は、負極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆負極活物質粒子及び前記被覆負極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層を少なくとも含む負極用樹脂集電体を備える。
(被覆負極活物質粒子)
被覆負極活物質粒子は、負極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている。
負極活物質粒子の周囲が被覆層で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
負極活物質粒子としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素−炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素−アルミニウム合金、珪素−リチウム合金、珪素−ニッケル合金、珪素−鉄合金、珪素−チタン合金、珪素−マンガン合金、珪素−銅合金及び珪素−スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
これらの負極活物質粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
負極活物質粒子の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、2〜10μmであることがさらに好ましい。
被覆負極活物質粒子の被覆層は、高分子化合物(A1)を含む。
高分子化合物(A1)は、単量体(a1)を構成単量体として高分子化合物(A1)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、単量体(a1)が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選択される1種以上である。
被覆負極活物質粒子の被覆層は、単量体(a1)を構成単量体として所定量含む高分子化合物(A1)により構成されるので、被覆層の表面に単量体(a1)由来のカルボニル基を有しており、後述する負極用樹脂集電体の負極用導電性フィラーと配位結合を形成することができるため、被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体との密着を強固にすることができる。
単量体(a1)は、被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体との密着を強固にする観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選択される1種以上であることが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
単量体(a1)は、単量体(a1)の重量を基準として、アクリル酸又はメタクリル酸を80重量%以上含有することが好ましく、85重量%以上含有することがより好ましく、90重量%以上含有することがさらに好ましい。
単量体(a1)以外の単量体としては、特開2017−054703号公報及び国際公開第2015−005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを用いることができる。
高分子化合物(A1)は、高分子化合物(A1)の構成単量体の合計重量を基準として、単量体(a1)を91重量%以上含むことが好ましく、93重量%以上含むことがより好ましく、95重量%以上含むことがさらに好ましい。
被覆層を構成する高分子化合物(A1)の重量平均分子量の好ましい下限は3,000、より好ましい下限は10,000、さらに好ましい下限は30,000である。一方、高分子化合物(A1)の重量平均分子量の好ましい上限は500,000、より好ましい上限は300,000、さらに好ましい上限は200,000である。
本明細書において重量平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)測定により求めることができる。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン、DMF、THF
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
被覆負極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A1)は、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等}を使用して公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)により製造することができる。
重合開始剤の使用量は、重量平均分子量を好ましい範囲に調整する等の観点から、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%であり、重合温度及び重合時間は重合開始剤の種類等に応じて調整されるが、重合温度は好ましくは−5〜150℃、(より好ましくは30〜120℃)、反応時間は好ましくは0.1〜50時間(より好ましくは2〜24時間)で行われる。
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、例えばエステル(炭素数2〜8、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1〜8、例えばメタノール、エタノール及びオクタノール)、炭化水素(炭素数4〜8、例えばn−ブタン、シクロヘキサン及びトルエン)、アミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する))及びケトン(炭素数3〜9、例えばメチルエチルケトン)が挙げられ、重量平均分子量を好ましい範囲に調整する等の観点から、その使用量はモノマーの合計重量に基づいて好ましくは5〜900重量%、より好ましくは10〜400重量%、さらに好ましくは30〜300重量%であり、モノマー濃度としては、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜80重量%である。
乳化重合及び懸濁重合における分散媒としては、水、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)、軽ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10〜24)金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高級アルコール(炭素数10〜24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル酸スルホエチルナトリウム、メタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げられる。さらに安定剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を加えてもよい。
溶液又は分散液のモノマー濃度は好ましくは5〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜85重量%であり、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等)及び/又はハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。
被覆負極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A1)は、該高分子化合物(A1)をカルボキシル基と反応する反応性官能基を有する架橋剤(A’){好ましくはポリエポキシ化合物(a’1)[ポリグリシジルエーテル(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル及びグリセリントリグリシジルエーテル等)及びポリグリシジルアミン(N,N−ジグリシジルアニリン及び1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル))等]及び/又はポリオール化合物(a’2)(エチレングリコール等)}で架橋してなる架橋重合体であってもよい。
架橋剤(A’)を用いて被覆負極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A1)を架橋する方法としては、負極活物質粒子を、被覆層を構成する高分子化合物(A1)で被覆した後に架橋する方法が挙げられる。具体的には、負極活物質粒子と被覆層を構成する高分子化合物(A1)を含む樹脂溶液を混合し脱溶剤することにより、被覆活物質を製造した後に、架橋剤(A’)を含む溶液を該被覆活物質に混合して加熱することにより、脱溶剤と架橋反応を生じさせて、被覆層を構成する高分子化合物(A1)が架橋剤(A’)によって架橋される反応を負極活物質粒子の表面で起こす方法が挙げられる。
加熱温度は、架橋剤の種類に応じて調整されるが、架橋剤としてポリエポキシ化合物(a’1)を用いる場合は好ましくは70℃以上であり、ポリオール化合物(a’2)を用いる場合は好ましくは120℃以上である。
被覆負極活物質粒子の被覆層は、内部抵抗等の観点から、導電助剤を含むことが好ましい。
導電助剤としては、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。
またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電助剤として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μm程度であることが好ましい。
本明細書中において、「導電助剤の粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
被覆層が導電助剤を含む場合、被覆層を構成する高分子化合物(A1)と導電助剤の比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で被覆層を構成する高分子化合物(A1、樹脂固形分重量):導電助剤が1:0.01〜1:50であることが好ましく、1:0.2〜1:3.0であることがより好ましい。
被覆負極活物質粒子は、被覆層を構成する高分子化合物(A1)、負極活物質粒子及び必要に応じて用いる導電助剤を混合することによって製造することができる。
被覆層を構成する高分子化合物(A)、負極活物質粒子及び導電助剤を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した被覆層を構成する高分子化合物(A1)と導電助剤からなる樹脂組成物を負極活物質粒子とさらに混合してもよいし、被覆層を構成する高分子化合物(A1)、負極活物質粒子及び導電助剤を同時に混合してもよいし、負極活物質粒子に被覆層を構成する高分子化合物(A1)を混合し、さらに導電助剤を混合してもよい。
被覆負極活物質粒子は、負極活物質粒子を、被覆層を構成する高分子化合物(A1)で被覆することで得ることができ、例えば、負極活物質粒子を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、被覆層を構成する高分子化合物(A1)を含む樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、さらに必要に応じて導電助剤を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより得ることができる。
(負極用樹脂集電体)
負極用樹脂集電体は、被覆負極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層を少なくとも含む。
第1の樹脂集電体層は、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーとを含む負極用導電性樹脂組成物からなる。
負極用ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、メタロセン系ポリプロピレン、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
負極用ポリオレフィン樹脂としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
負極用ポリオレフィン樹脂としては、例えば、以下のものが市場から入手できる。
ランダムポリプロピレン:「サンアロマーPC630S」「サンアロマーPC630A」「サンアロマーPB522M」いずれもサンアロマー(株)製、「ウィンテックWFX4T」」日本ポリプロ(株)製、「プライムポリマーF−744NP」(株)プライムポリマー製
ホモポリプロピレン:「サンアロマーPM600A」、「サンアロマーPL500A」、「サンアロマーPM900A」いずれもサンアロマー(株)製
ブロックポリプロピレン:「クオリアCM688A」、「サンアロマーPC684S」、「サンアロマーPM854X」いずれもサンアロマー(株)製
ポリエチレン:「ノバテックLL UE320」「ノバテックLL UJ960」いずれも日本ポリエチレン(株)製
高密度ポリエチレン:「サンテックB680」旭化成ケミカルズ(株)製
ポリメチルペンテン:「TPX」三井化学(株)製
メタロセン系ポリプロピレン:「ウィンテックWFX6」日本ポリプロ(株)製
これらのなかでも、負極用導電性樹脂組成物の融点を好適に付与する観点から、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンとホモポリプロピレン又はブロックポリプロピレンとの混合物が好ましく、ブロックポリプロピレンがより好ましい。
負極用導電性フィラーは、白金、金、銀、銅、ニッケル及びチタンからなる群から選択される1種以上の金属元素からなる。
これらのなかでも、電気安定性の観点から、ニッケルが好ましい。
負極用導電性フィラーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.02〜5μmであることがより好ましく、0.03〜1μmであることがさらに好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
負極用導電性フィラーの形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を、導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等であってもよい。
負極用導電性フィラーの重量割合は、内部抵抗値を低減し、電気特性を向上する観点から、負極用導電性樹脂組成物の重量を基準として45〜70重量%であることが好ましい。
負極用導電性フィラーの重量割合は、負極用導電性樹脂組成物の重量を基準として55重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。
負極用導電性樹脂組成物の融点は、負極用導電性フィラーの分散性を向上させ、内部抵抗値を低減する観点及び負極用ポリオレフィン樹脂の劣化を防止する観点から、150〜170℃であることが好ましい。
負極用導電性樹脂組成物の融点は、155〜168℃であることがより好ましく、160〜165℃であることがさらに好ましい。
なお、負極用樹脂集電体が、第1の樹脂集電体層に接する第2の樹脂集電体層を含む場合、第1の樹脂集電体層の負極用導電性樹脂組成物が、上記融点の範囲を満たせばよい。
本明細書において融点とはDSC(示差走査熱量測定)を用い、JIS K 7122(転移熱測定法)に準じて測定される融解ピーク温度を意味する。
DSCに用いる装置としては、DSC2910[商品名、ティー・エイ・インスツルメント(株)製]等が挙げられる。
負極用導電性樹脂組成物の融点は、内部抵抗値を低減する観点から、後述する正極用導電性樹脂組成物の融点よりも10〜30℃高いことが好ましい。
負極用導電性樹脂組成物の融点は、後述する正極用導電性樹脂組成物の融点よりも15℃以上高いことがより好ましく、20℃以上高いことがさらに好ましく、25℃以上高いことが特に好ましい。
なお、負極用樹脂集電体が、第1の樹脂集電体層に接する第2の樹脂集電体層を含む場合、第1の樹脂集電体層の負極用導電性樹脂組成物と、後述する正極用導電性樹脂組成物との融点の差が上記範囲を満たせばよい。
ここで樹脂集電体では、導電性フィラーを十分に分散させることにより、導電経路が形成されて導電性を好適に発現することができる。
第1の樹脂集電体層では、負極用導電性フィラーが上述した金属元素であり、後述する正極用樹脂集電体では、正極用導電性フィラーが炭素系材料である。
金属元素は、炭素系材料よりも分散しにくいので、負極用導電性フィラーを好適に分散させるためには、負極用導電性樹脂組成物を高い温度で混錬して、負極用導電性樹脂組成物に流動性を付与する必要がある。
一方で、正極用導電性樹脂組成物では、上記負極用導電性樹脂組成物を混錬する温度よりも低い温度で混錬しても、正極用導電性フィラーを好適に分散させることができる。
負極用導電性樹脂組成物の融点と、後述する正極用導電性樹脂組成物の融点との差が上記範囲であると、負極用導電性樹脂組成物と正極用導電性樹脂組成物との双方に好適な流動性を付与し、導電性フィラーを十分に分散させることができるので、正極用樹脂集電体と負極用樹脂集電体の双方に導電経路を形成して、導電性を発現することができる。
第1の樹脂集電体層は、必要に応じて、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、分散剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤(フタル酸骨格含有化合物、トリメリット酸骨格含有化合物、リン酸基含有化合物及びエポキシ骨格含有化合物等)等が挙げられる。
分散剤としては、三洋化成工業(株)製ユーメックスシリーズ、東洋紡(株)製ハードレンシリーズ、トーヨータックシリーズ等を用いることができる。
着色剤、紫外線吸収剤及び可塑剤等は、公知のものを適宜選択して用いることができる。
その他の成分の合計含有量は、第1の樹脂集電体層の重量を基準として0.001〜5重量%であることが好ましい。
負極用樹脂集電体は、第1の樹脂集電体層からなるものであってもよいが、第1の樹脂集電体層に接する第2の樹脂集電体層を含んでもよい。
第2の樹脂集電体層は、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーとを含む負極用導電性樹脂組成物からなる。
第2の樹脂集電体層に含まれる負極用導電性フィラーは、白金、金、銀、銅、ニッケル、チタン、黒鉛、カーボンブラック及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
第2の樹脂集電体層に含まれる負極用ポリオレフィン樹脂は、上述した第1の樹脂集電体層で記載したものを適宜選択して用いることができる。
第2の樹脂集電体層は、必要に応じて、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、分散剤、第1の樹脂集電体層で記載したものを適宜選択して用いることができる。
負極用樹脂集電体が第1の樹脂集電体層からなる場合、負極用樹脂集電体の製造方法としては、例えば、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーと、必要に応じてその他成分を混合して負極用導電性樹脂組成物を得る。
混合の方法としては、負極用導電性フィラーのマスターバッチを得てから、さらに負極用ポリオレフィン樹脂と混合する方法、負極用ポリオレフィン樹脂、負極用導電性フィラー、及び、必要に応じてその他の成分のマスターバッチを用いる方法、及び、全ての原料を一括して混合する方法等があり、その混合にはペレット状又は粉体状の成分を適切な公知の混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー及びロールを用いることができる。
混合時の各成分の添加順序には特に限定はない。得られた混合物は、さらにペレタイザーなどによりペレット化又は粉末化してもよい。
混合時の温度としては、180〜260℃であることが好ましい。
得られた負極用導電性樹脂組成物を、例えばフィルム状に成形することにより、負極用樹脂集電体が得られる。
フィルム状に成形する方法としては、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法が挙げられる。なお、第1の樹脂集電体層は、フィルム成形以外の成形方法によっても得ることができる。
負極用樹脂集電体が第1の樹脂集電体層に接する第2の樹脂集電体層を含む場合、第1の樹脂集電体層の負極用導電性樹脂組成物と、第2の樹脂集電体層の負極用導電性樹脂組成物とを上述と同様の方法により準備し、共押出成形をすることにより負極用樹脂集電体を得ることができる。
負極用樹脂集電体の厚みとしては、特に限定されないが、5〜150μmであることが好ましい。
なお、負極用樹脂集電体が第1の樹脂集電体層と第2の樹脂集電体層を有する場合も、厚みは、5〜150μmであることが好ましい。
(負極の製造方法)
負極の製造方法としては、例えば、被覆負極活物質粒子及び電解液を含む負極用スラリーを負極用樹脂集電体の表面に塗布し、余分な電解液を除去することにより、被覆負極活物質粒子を含む層と負極用樹脂集電体とを備える負極を製造することができる。
なお、負極用樹脂集電体が第1の樹脂集電体層と、第1の集電体層に接する第2の樹脂集電体層とを含む場合には、負極用スラリーを第1の集電体層の表面に塗布する。
電解液としては、公知の電解液を使用することができる。
電解質としては、公知の電解液に用いられている電解質が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO及びLiN(FSO等の無機アニオンのリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機アニオンのリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiN(FSOである。
溶媒としては、公知の電解液に用いられている非水溶媒が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン及びこれらの混合物を用いることができる。
被覆負極活物質粒子及び電解液を含む負極用スラリーは、結着剤を含まないことが好ましい。
負極用スラリーが結着剤を含まないことにより、被覆負極活物質粒子の位置が固定されておらず、被覆負極活物質粒子同士及び被覆負極活物質粒子同士及び被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体とが不可逆的に固定されていない状態(非結着体)の負極を得ることができる。
負極が非結着体である場合、被覆負極活物質粒子同士は不可逆的に固定されていないため、被覆負極活物質粒子同士の界面で破壊を生じることなく分離することができ、被覆負極活物質粒子に応力がかかった場合でも被覆負極活物質粒子が移動することで被覆負極活物質粒子の破壊を防止することができ好ましい。
なお、本明細書において、結着剤とは、被覆負極活物質粒子及び被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで固体化して、被覆負極活物質粒子及び被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体とを不可逆的に固定するものである。
被覆負極活物質粒子及び電解液を含む負極用スラリーは、粘着性樹脂が含まれていてもよい。
粘着性樹脂としては、例えば、特開2017−054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10−255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。
なお、粘着性樹脂は、粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、上述した結着剤は、溶剤を揮発、留去させることで粘着性を有すことなく固体化するものを意味する。
従って、上述した結着剤と粘着性樹脂とは異なる材料である。
負極の厚みとしては、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
[正極]
正極は、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆正極活物質粒子及び正極用樹脂集電体を備える。
(被覆正極活物質粒子)
被覆正極活物質粒子は、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている。
正極活物質粒子としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1−xCo、LiMn1−yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質粒子の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜35μmであることがより好ましく、2〜30μmであることがさらに好ましい。
被覆正極活物質粒子の被覆層は、高分子化合物(A2)を含む。
被覆正極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A2)は、単量体(a2)を構成単量体として高分子化合物(A2)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、単量体(a2)が、炭素数3〜22の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
被覆正極活物質粒子の被覆層は、単量体(a2)を構成単量体として所定量含む高分子化合物(A2)により構成されるので、後述する正極用樹脂集電体に含まれる炭素系の正極用導電性フィラーとの相性が良く、接触抵抗値を好適に低減することができる。
単量体(a2)としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数3〜22の直鎖又は分岐アルキル基である。]
炭素数3〜22の直鎖アルキル基としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基及びドコシル基が挙げられる。
炭素数3〜22の分岐アルキル基としては、1−アルキルアルキル基[1−メチルプロピル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘキシルデシル基、1−オクチルドデシル基等]、2−アルキルアルキル基[2−メチルペンチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基等]、3〜20−アルキルアルキル基(3−アルキルアルキル基、4−アルキルアルキル基、5−アルキルアルキル基、17−アルキルアルキル基、18−アルキルアルキル基、19−アルキルアルキル基及び20−アルキルアルキル基等)等が挙げられる。
なかでも、Rが、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基及びドコシル基であることが好ましい。
また、単量体(a2)としては、エチレン性不飽和二重結合を2個有する化合物であってもよい。
このような化合物としては例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート及び1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単量体(a2)は、接触抵抗値を好適に低減する観点から、単量体(a2)の重量を基準として、上記一般式(1)で表される化合物を80重量%以上含有することが好ましく、85重量%以上含有することがより好ましく、90重量%以上含有することがさらに好ましい。
単量体(a2)以外の単量体としては、特開2017−054703号公報及び国際公開第2015−005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを用いることができる。
高分子化合物(A2)は、高分子化合物(A2)の構成単量体の合計重量を基準として、単量体(a2)を91重量%以上含むことが好ましく、93重量%以上含むことがより好ましく、95重量%以上含むことがさらに好ましい。
被覆正極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A2)の重量平均分子量の好ましい下限は3,000、より好ましい下限は5,000、さらに好ましい下限は7,000である。一方、上記高分子化合物の重量平均分子量の好ましい上限は100,000、より好ましい上限は70,000である。
被覆正極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A2)は、架橋剤で架橋してなるか共重合体であってもよい。
架橋剤としては、被覆負極活物質粒子で記載したものを適宜選択して用いることができる。
被覆正極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A2)は、上述した被覆負極活物質粒子の被覆層を構成する高分子化合物(A1)で記載した方法を適宜選択して用いることにより製造することができる。
被覆正極活物質粒子の被覆層は、内部抵抗等の観点から、導電助剤を含むことが好ましい。
被覆正極活物質粒子に含まれる導電助剤としては、上述した被覆負極活物質粒子で記載したものを適宜選択して用いることができる。
被覆正極活物質粒子は、被覆層を構成する高分子化合物、正極活物質粒子及び必要に応じて用いる導電助剤を混合することによって製造することができる。
被覆層を構成する高分子化合物(A2)、正極活物質粒子及び導電助剤を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した被覆層を構成する高分子化合物(A2)と導電助剤からなる樹脂組成物を正極活物質粒子とさらに混合してもよいし、被覆層を構成する高分子化合物(A2)、正極活物質粒子及び導電助剤を同時に混合してもよいし、正極活物質粒子に被覆層を構成する高分子化合物(A2)を混合し、さらに導電助剤を混合してもよい。
被覆正極活物質粒子は、正極活物質粒子を、被覆層を構成する高分子化合物で被覆することで得ることができ、例えば、正極活物質粒子を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、被覆層を構成する高分子化合物(A2)を含む樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、さらに必要に応じて導電助剤を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより得ることができる。
(正極用樹脂集電体)
正極用樹脂集電体は、正極用ポリオレフィン樹脂と正極用導電性フィラーとを含む正極用導電性樹脂組成物からなる。
正極用ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
正極用ポリオレフィン樹脂としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
正極用ポリオレフィン樹脂として、市場から入手できるものとしては、負極用ポリオレフィン樹脂で例示したものが挙げられる。
これらのなかでも、正極用導電性樹脂組成物の融点を好適に付与する観点から、ランダムポリプロピレン、ランダムポリプロピレンとブロックポリプロピレンとの混合物が好ましく、ランダムポリプロピレンがより好ましい。
正極用導電性フィラーは、黒鉛、カーボンブラック及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上である。
これらのなかでも、少量の添加で高い導電性があるという観点から、カーボンブラック及びカーボンナノチューブが好ましい。
なお、カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等のいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。
正極用導電性フィラーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池特性の観点から、0.01〜10μm程度であることが好ましい。
正極用導電性フィラーの形状(形態)は、特に限定されず、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、棒状、ブドウ状等であってもよい。
正極用導電性フィラーの重量割合は、内部抵抗値を低減し、電気特性を向上する観点及び薄膜成形の観点から、正極用導電性樹脂組成物の重量を基準として15〜30重量%であることが好ましい。
正極用導電性フィラーの重量割合は、正極用導電性樹脂組成物の重量を基準として18重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましく、25重量%以上であることが特に好ましい。
正極用導電性樹脂組成物の融点は、内部抵抗値を低減する観点及び薄膜成形の観点から、135〜165℃であることが好ましい。
正極用導電性樹脂組成物の融点は、140〜160℃であることがより好ましい。
正極用樹脂集電体は、必要に応じて、その他の成分を含んでもよい。
その他成分としては、負極用樹脂集電体で記載したものを適宜選択して用いることができる。
その他の成分の合計含有量は、正極用樹脂集電体の重量を基準として0.001〜5重量%であることが好ましい。
正極用樹脂集電体の製造方法としては、例えば、正極用ポリオレフィン樹脂と正極用導電性フィラーと、必要に応じてその他成分を混合して正極用導電性樹脂組成物を用いること以外は、負極用樹脂集電体と同様の方法により製造することができる。
混合時の温度としては、160〜220℃であることが好ましい。
正極用樹脂集電体は、被覆正極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層と、第1の樹脂集電体層に接する第2の樹脂集電体層を含んでもよい。
第2の樹脂集電体層としては、正極用ポリオレフィン樹脂と正極用導電性フィラーとを含む正極用導電性樹脂組成物からなるものであり、上述した正極用導電性樹脂組成物で記載したものを適宜選択して用いることができる。
このような構成の場合には、第1の樹脂集電体層の正極用導電性樹脂組成物と、第2の樹脂集電体層の正極用導電性樹脂組成物とを上述と同様の方法により準備し、共押出成形をすることにより正極用樹脂集電体を得ることができる。
正極用樹脂集電体の厚みとしては、特に限定されないが、5〜150μmであることが好ましい。
なお、正極用樹脂集電体が第1の樹脂集電体層と第2の樹脂集電体層を有する場合も、厚みは、5〜150μmであることが好ましい。
(正極の製造方法)
正極の製造方法としては、例えば、被覆正極活物質粒子及び電解液を含む正極用スラリーを正極用樹脂集電体の表面に塗布し、余分な電解液を除去することにより、被覆正極活物質粒子を含む層と正極用樹脂集電体とを備える正極を製造することができる。
電解液としては、上述した負極で記載したものを適宜選択して用いることができる。
被覆正極活物質粒子及び電解液を含む正極用スラリーは、結着剤を含まないことが好ましい。
正極用スラリーが結着剤を含まないことにより、被覆正極活物質粒子の位置が固定されておらず、被覆正極活物質粒子同士及び被覆正極活物質粒子同士及び被覆正極活物質粒子と正極用樹脂集電体とが不可逆的に固定されていない状態(非結着体)の正極を得ることができる。
被覆正極活物質粒子及び電解液を含む正極用スラリーは、粘着性樹脂が含まれていてもよい。
粘着性樹脂としては、負極で記載したものを適宜選択して用いることができる。
正極の厚みとしては、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
[リチウムイオン電池]
本発明のリチウムイオン電池は、対極となる電極を組み合わせて、セパレータと共にセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することで得ることができる。
セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用のセパレータが挙げられる。
(セパレータ)
セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用のセパレータが挙げられる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
<被覆層を構成する高分子化合物(A1−1)の作製>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF150部を仕込み、75℃に昇温した。次いで、アクリル酸91部、メタクリル酸メチル9部及びDMF50部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF30部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで、80℃に昇温して反応を3時間継続し、樹脂濃度30%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して150℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行い、DMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の高分子化合物(A1−1)を作製した。
高分子化合物(A1−1)に使用した単量体の種類と量を表1に示す。また、得られた高分子化合物(A1−1)について測定した重量平均分子量を表1に示す。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン、DMF、THF
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PL gel 10um,MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
<被覆層を構成する高分子化合物(A1−2)及び(A1−3)、(A2−1)〜(A2−3)の作製>
単量体の種類と量を表1に記載したように変更したこと以外は、高分子化合物(A1−1)と同様にして、高分子化合物(A1−2)及び(A1−3)、(A2−1)〜(A2−3)を作製した。
高分子化合物(A1−2)及び(A1−3)、(A2−1)〜(A2−3)に使用した単量体の種類と量を表1に示す。また、高分子化合物(A1−2)及び(A1−3)、(A2−1)〜(A2−3)について測定した重量平均分子量を表1に示す。
なお、表1に記載の単量体(a1−1)〜(a1−3)及び単量体(a2−1)〜(a2−4)は、以下の通りである。
a1−1:アクリル酸
a1−2:メタクリル酸
a1−3:メタクリル酸メチル
a2−1:メタクリル酸ドデシル
a2−2:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
a2−3:アクリル酸ドコシル
a2−4:メタクリル酸プロピル
Figure 2021180127
<負極用樹脂集電体(N−1)の作製>
2軸押出機にて、ブロックポリプロピレン[ポリオレフィン樹脂、商品名「サンアロマーPC684S」、サンアロマー(株)製]28部、ニッケル粉末[導電性フィラー、ニッケルパウダー Type255、ヴァーレ・ジャパン(株)製]67部及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体層に用いる負極用導電性樹脂組成物を得た。
2軸押出機にて、ブロックポリプロピレン[ポリオレフィン樹脂、商品名「サンアロマーPC684S」、サンアロマー(株)製]28部、カーボンナノチューブ[導電性フィラー、商品名:「FloTube9000」、CNano社製]67部及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して第2の樹脂集電体層に用いる負極用導電性樹脂組成物を得た。
得られた第1の樹脂集電体層に用いる負極用導電性樹脂組成物と、第2の樹脂集電体層に用いる負極用導電性樹脂組成物とを、共押出しフィルム成形機に通して、それを延伸圧延することで、膜厚50μmの第1の樹脂集電体層と膜厚50μmの第2の樹脂集電体層とを備えた負極用樹脂集電体用導電性フィルムを得た。
次いで、得られた負極用樹脂集電体用導電性フィルムを17.0cm×17.0cmとなるように切断し、片面(第1の樹脂集電体層の表面)にニッケル蒸着を施した後、電流取り出し用の端子(5mm×3cm)を接続した負極用樹脂集電体(N−1)を作製した。
負極用樹脂集電体(N−1)の第1の樹脂集電体層に用いたポリオレフィン樹脂及び導電性フィラーの種類と量を表2に示す。また、負極用樹脂集電体(N−1)の第1の樹脂集電体層に用いた負極用導電性樹脂組成物の融点、及び、負極用樹脂集電体(N−1)の貫通抵抗値を表2に示す。
<融点の測定>
負極用樹脂集電体(N−1)に使用した負極用導電性樹脂組成物の融点は、DSC(示差走査熱量測定)を用い、JIS K 7122(転移熱測定法)に準じて測定した。
DSCに用いる装置としては、DSC2910[商品名、ティー・エイ・インスツルメント(株)製]を用いた。
<貫通抵抗値の測定>
負極用樹脂集電体(N−1)をΦ15の円形に打ち抜き、電気抵抗測定器[IMC−0240型、井元製作所(株)]及び抵抗器[RM3548、HIOKI製]を用いて抵抗値を測定した。
電気抵抗測定器に2.16kgの荷重をかけた状態での負極用樹脂集電体(N−1)の抵抗値を測定し、2.16kgの荷重をかけてから60秒後の値をその負極用樹脂集電体(N−1)の抵抗値とした。
下記の式に示すように、抵抗測定時の冶具の接触表面の面積(3.14cm)をかけた値を貫通抵抗値とした。
貫通抵抗値(Ω・cm)=抵抗値(Ω)×3.14(cm
<負極用樹脂集電体(N−2)の作製>
2軸押出機にて、高密度ポリエチレン[ポリオレフィン樹脂、商品名「サンテックB680、旭化成ケミカルズ(株)製]28部、ニッケル粉末[導電性フィラー、ニッケルパウダー Type255、ヴァーレ・ジャパン(株)製]67部及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して負極用導電性樹脂組成物を得た。
得られた負極用導電性樹脂組成物を、Tダイ押出しフィルム成形機に通して、それを延伸圧延することで、膜厚100μmの負極用樹脂集電体用導電性フィルムを得た。
次いで、得られた負極用樹脂集電体用導電性フィルムを17.0cm×17.0cmとなるように切断し、片面にニッケル蒸着を施した後、電流取り出し用の端子(5mm×3cm)を接続した負極用樹脂集電体(N−2)を作製した。
負極用樹脂集電体(N−2)に使用したポリオレフィン樹脂及び導電性フィラーの種類と量を表2に示す。また、負極用樹脂集電体(N−2)に使用した負極用導電性樹脂組成物の融点、及び、負極用樹脂集電体(N−2)の貫通抵抗値を表2に示す。
<負極用樹脂集電体(N−3)、正極用樹脂集電体(P−1)〜(P−4)の作製>
ポリオレフィン樹脂の種類と量、及び、導電性フィラーの種類と量を表2に記載したように変更したこと以外は、負極用樹脂集電体(N−2)と同様にして、負極用樹脂集電体(N−3)を作製した。
負極用樹脂集電体(N−3)に使用したポリオレフィン樹脂の種類と量、及び、導電性フィラーの種類と量を表2に示す。
また、負極用樹脂集電体(N−3)について測定した融点及び貫通抵抗値を表2に示す。
<正極用樹脂集電体(P−1)の作製>
2軸押出機にて、ランダムポリプロピレン[ポリプロピレン樹脂、商品名「サンアロマーPC630S、サンアロマー(株)製]28部、アセチレンブラック[導電性フィラー、デンカブラック粉状、デンカ(株)製]67部及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して正極用導電性樹脂組成物を得た。
得られた正極用導電性樹脂組成物を、Tダイ押出しフィルム成形機に通して、それを延伸圧延することで、膜厚100μmの正極用樹脂集電体用導電性フィルムを得た。
次いで、得られた正極用樹脂集電体用導電性フィルムを17.0cm×17.0cmとなるように切断した後、電流取り出し用の端子(5mm×3cm)を接続した正極用樹脂集電体(P−1)を作製した。
正極用樹脂集電体(P−1)に使用したポリオレフィン樹脂及び導電性フィラーの種類と量を表2に示す。また、正極用樹脂集電体(P−1)に使用した負極用導電性樹脂組成物の融点、及び、正極用樹脂集電体(P−1)の貫通抵抗値を表2に示す。
<正極用樹脂集電体(P−2)〜(P−4)の作製>
ポリオレフィン樹脂の種類と量、及び、導電性フィラーの種類と量を表2に記載したように変更したこと以外は、正極用樹脂集電体(P−1)と同様にして、正極用樹脂集電体(P−2)〜(P−4)を作製した。
正極用樹脂集電体(P−2)〜(P−4)に使用したポリオレフィン樹脂の種類と量、及び、導電性フィラーの種類と量を表2に示す。
また、正極用樹脂集電体(P−2)〜(P−4)について測定した融点及び貫通抵抗値を表2に示す。
なお、表2に記載のポリオレフィン樹脂(R1)〜(R3)及び導電性フィラー(F1)〜(F4)は、以下の通りである。
R1:サンアロマーPC684S、サンアロマー(株)製
R2:サンテックB680、旭化成ケミカルズ(株)製
R3:サンアロマーPC630S、サンアロマー(株)製
F1:ニッケル粉末、ニッケルパウダー Type255、ヴァーレ・ジャパン(株)製
F2:アセチレンブラック、デンカブラック粉状、デンカ(株)製
F3:ファーネスブラック、#3030B、三菱化学(株)製
F4:カーボンナノチューブ、NC7000、Nanocyl(株)製
Figure 2021180127
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSOを2.0mol/Lの割合で溶解させて電解液を作製した。
(実施例1)
<負極の作製>
高分子化合物(A1−1)を、DMFに5.0重量%の濃度で溶解して得られた高分子化合物溶液を準備した。
負極活物質粒子(難黒鉛化性炭素、(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製 カーボトロン(登録商標)PS(F))100部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、高分子化合物溶液9部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤であるアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)]3部 を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。
その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。
得られた粉体を目開き200μmの篩いで分級し、被覆負極活物質粒子を得た。
上記電解液150部と上記炭素繊維4.2部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合し、続いて上記電解液50部と上記被覆負極活物質粒子206部を追加した後、更にあわとり練太郎で2000rpmで2分間混合し、上記電解液20部を更に追加した。
その後、あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1分間行い、更に上記電解液2.3部を更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで2分間混合して、負極用スラリーを作製した。
得られた負極用スラリーを活物質目付量が30mg/cmとなるよう、負極用樹脂集電体(N−1)の片面(第1の樹脂集電体層の表面)に塗布し、1.4MPaの圧力で約10秒プレスし、厚さが350μmの実施例1に係るリチウムイオン電池用負極(16.2cm×16.2cm)を作製した。
<正極の作製>
高分子化合物(A2−1)を、DMFに5.0重量%の濃度で溶解して得られた高分子化合物溶液を準備した。
正極活物質粒子(LiNi0.8Co0.15Al0.05粉末、体積平均粒子径4μm)84部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、高分子化合物溶液9部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤であるアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)]3部 を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。
その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。
得られた粉体を目開き200μmの篩いで分級し、被覆正極活物質粒子を得た。
電解液42部と炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)製 ドナカーボ・ミルド S−243:平均繊維長500μm、平均繊維径13μm:電気伝導度200mS/cm]4.2部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合し、続いて上記電解液30部と上記の被覆正極活物質粒子206部を追加した。
その後、更にあわとり練太郎で2000rpmで2分間混合し、上記電解液を20部を更に追加した後、あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1分間行い、更に上記電解液を2.3部更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで2分間混合して、正極用スラリーを作製した。
得られた正極用スラリーを目付量が80mg/cmとなるよう、正極用樹脂集電体(P−1)の片面に塗布し、1.4MPaの圧力で約10秒プレスし、厚さが340μmのリチウムイオン電池用正極(16.2cm×16.2cm)を作製した。
<リチウムイオン電池の作製>
得られた負極及び正極を、セパレータ(セルガード製#3501)を介して組み合わせ、実施例1に係るリチウムイオン電池を作製した。
作製したリチウムイオン電池の樹脂集電体に用いた負極用導電性樹脂組成物と、正極用導電性樹脂組成物との融点の差(負極用導電性樹脂組成物の融点−正極用導電性樹脂組成物の融点)を表3に示す。なお、実施例1では、負極用樹脂集電体(N−1)の第1の樹脂集電体層に使用した負極用導電性樹脂組成物の融点を用いて算出した。
また、作製したリチウムイオン電池の直流抵抗値(DCR)及び容量維持率を測定した。結果を表3に示す。
(サイクル試験)
各実施例及び比較例で製造したリチウムイオン電池について、25℃下、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で2.5Vまで放電し、この充放電を50サイクル繰り返した。
<直流抵抗値(DCR)の測定>
容量維持率の測定で用いたリチウムイオン電池について、1サイクル目の直流抵抗値(初回DCR)と、50サイクル後の直流抵抗値(50サイクルDCR)を測定した。
初回DCRは、1サイクル目の放電開始からの10秒間の電圧降下から算出し、50サイクルDCRは、50サイクル目の放電開始からの10秒間の電圧降下から算出した。結果を表3に示す。
<容量維持率の測定>
サイクル試験の際の初回充電時の電池容量(初期放電容量)と、50サイクル目充電時の電池容量(50サイクル後放電容量)を測定した。下記式から放電容量維持率を算出した。結果を表3に示す。なお、数値が大きいほど、電池の劣化が少ないことを示す。
放電容量維持率(%)=(50サイクル目放電容量/1サイクル目放電容量)×100
<剥離試験>
(負極の評価方法)
上記負極の作製で得られた負極用スラリーを活物質目付量が80mg/cmとなるよう、負極用樹脂集電体(N−1)の片面(第1の樹脂集電体層の表面)に塗布し、1.4MPaの圧力で約10秒プレスし、厚さが350μmの剥離試験用負極を作製した。
作製した剥離試験用負極の被覆負極活物質粒子を含む層を有する側を90°折り曲げて、被覆負極活物質粒子と、負極用樹脂集電体との密着の様子を目視にて確認し、下記の評価基準により評価した。結果を表3に示す。
〇:変化なし(被覆負極活物質粒子を含む層にひびが発生せず、被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体とが密着した状態を維持している)。
△:被覆負極活物質粒子を含む層にひびが発生したが、被覆負極活物質粒子と負極用樹脂集電体とが密着した状態を維持している
×:被覆負極活物質粒子を含む層が、負極用樹脂集電体から剥離した。
(正極の評価方法)
上記正極の作製で得られた正極用スラリーを活物質目付量が30mg/cmとなるよう、正極用樹脂集電体(P−1)の片面に塗布し、1.4MPaの圧力で約10秒プレスし、厚さが340μmの剥離試験用正極を作製した。
作製した剥離試験正極の被覆正極活物質粒子を含む層を有する側を90°折り曲げて、被覆正極活物質粒子と、正極用樹脂集電体との密着の様子を目視にて確認し、下記の評価基準により評価した。結果を表3に示す。
〇:変化なし(被覆正極活物質粒子を含む層にひびが発生せず、被覆正極活物質粒子と正極用樹脂集電体とが密着した状態を維持している)。
△:被覆正極活物質粒子を含む層にひびが発生したが、被覆正極活物質粒子と正極用樹脂集電体とが密着した状態を維持している
×:被覆正極活物質粒子を含む層が、正極用樹脂集電体から剥離した。
(実施例2〜5、比較例1〜5)
負極に用いる高分子化合物及び負極用樹脂集電体、及び、正極に用いる高分子化合物及び正極用樹脂集電体を表3に記載したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン電池を作製した。
実施例1と同様にして、作製したリチウムイオン電池の直流抵抗値(DCR)及び容量維持率を測定した。結果を表3に示す。
また、負極に用いる高分子化合物及び負極用樹脂集電体、及び、正極に用いる高分子化合物及び正極用樹脂集電体を表3に記載したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、剥離試験用負極及び剥離試験用正極を作製して剥離試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2021180127
実施例1〜5に係るリチウムイオン電池は、直流抵抗値(DCR)が低減され、かつ、サイクル特性に優れており、電気特性が向上されたリチウムイオン電池を得られることが確認された。
本発明のリチウムイオン電池は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられるリチウムイオン電池として有用である。

Claims (7)

  1. 負極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆負極活物質粒子及び前記被覆負極活物質粒子と接する第1の樹脂集電体層を少なくとも含む負極用樹脂集電体を備える負極と、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層で被覆されている被覆正極活物質粒子及び正極用樹脂集電体を備える正極とを有するリチウムイオン電池であって、
    前記第1の樹脂集電体層が、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーとを含む負極用導電性樹脂組成物からなり、
    前記第1の樹脂集電体層に含まれる負極用導電性フィラーが、白金、金、銀、銅、ニッケル及びチタンからなる群から選択される1種以上の金属元素からなり、
    前記被覆負極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A1)が、単量体(a1)を構成単量体として前記高分子化合物(A1)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、前記単量体(a1)が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選択される1種以上であり、
    前記正極用樹脂集電体が、正極用ポリオレフィン樹脂と正極用導電性フィラーとを含む正極用導電性樹脂組成物からなり、
    前記正極用導電性フィラーが、黒鉛、カーボンブラック及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上であり、
    前記被覆正極活物質粒子の被覆層に含まれる高分子化合物(A2)が、単量体(a2)を構成単量体として前記高分子化合物(A2)の構成単量体の合計重量を基準として90重量%以上含み、かつ、前記単量体(a2)が、炭素数3〜22の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである
    ことを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記負極用導電性樹脂組成物の融点が、前記正極用導電性樹脂組成物の融点よりも10〜30℃高い請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記正極用導電性樹脂組成物の融点が、135〜165℃である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池。
  4. 前記負極用導電性樹脂組成物の融点が、150〜170℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
  5. 前記正極用導電性フィラーの重量割合が、前記正極用導電性樹脂組成物の重量を基準として15〜30重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
  6. 前記負極用導電性フィラーの重量割合が、前記負極用導電性樹脂組成物の重量を基準として45〜70重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
  7. 前記負極用樹脂集電体が、前記第1の樹脂集電体層に接する第2の樹脂集電体層を含み、
    前記第2の樹脂集電体層が、負極用ポリオレフィン樹脂と負極用導電性フィラーとを含む負極用導電性樹脂組成物からなり、
    前記第2の樹脂集電体層に含まれる負極用導電性フィラーが、白金、金、銀、銅、ニッケル、チタン、黒鉛、カーボンブラック及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池。

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