JP7073643B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は電子機器や自動車等に使用されるリチウムイオン電池に関し、特に電解液に起因して発生するフッ酸を除去可能なリチウムイオン電池用に関する。
近年、大容量、高出力タイプのリチウムイオン電池が実用化されている。このリチウムイオン電池は、大容量、高出力であるがゆえに従来の二次電池よりも高い安全性、安定性が求められる。
このリチウムイオン電池の代表的な構成は、負極に炭素、正極にコバルト酸リチウム等のリチウム遷移金属酸化物を用い、電解液として炭酸エチレンや炭酸ジエチル等の有機溶媒にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)といったリチウム塩を配合したものを用いるものであるが、一般にはこれら負極、正極及び電解質のそれぞれの材料は、リチウムイオンが移動し、かつ電荷の授受により充放電可能であればよいので、非常に多くの態様を採りうる。
リチウム塩としては、LiPFの他、LiBF4等のフッ素系錯塩、LiN(SORf)・LiC(SORf)(Rf=CF又はC)等の塩が用いられる場合もある。
また、通常、電解液に高い導電率と安全性を与えるため、有機溶媒として、炭酸エチレン・炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル系高誘電率・高沸点溶媒や、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル等の低級鎖状炭酸エステル等の低粘性率溶媒を混合したものを用いたり、さらには一部に低級脂肪酸エステルを用いたりする場合もある。
ここで、LiPF等のリチウム塩は電池内では安定している。しかしながら、検査工程では発見できないような微小なピンホール等から電池外にリチウム塩が漏出することがある。このようにリチウム塩が漏出すると、リチウム塩と空気中の水分とが反応して強酸であるフッ酸が生成されて、この生成されたフッ酸が、電池ケースや防爆弁を腐食させることになる。さらに電解液の電池内への注液過程においても電解液が飛び散ってフッ酸が生成されて、電池ケースや防爆弁を腐食させることがある。この結果、腐食した防爆弁から、多量の電解液が漏出し、外部の回路を腐食する虞がある、という課題を有していた。そこで、このような問題点を解決するものとして、特許文献1には、電池本体の防爆弁の外側にガス吸収材を設けることが開示されている。
特開2011-124256号公報
その後の研究の結果、LiPF等のリチウム塩は、充放電の繰り返しに伴い電池内の微量の水分と反応して、電池内でも微量のフッ酸を発生することがあり、そして、このフッ酸が電池内部の部分的破壊をもたらし、放電容量などの電池性能の低下を招く虞があることがわかった。しかしながら、特許文献1に開示された吸収材は、防爆弁の外側に噴出したフッ化水素ガス、すなわち発生したフッ酸を吸収するためのものであり、発生直後のフッ酸を吸収するものではない、という問題点がある。
したがって、発生直後のフッ酸を好適に吸収しうるフッ酸吸収材であり、特にフッ酸の発生自体を抑制しうるフッ酸吸収材を用いたリチウムイオン電池が望まれていた。
上記課題に鑑み、本発明はフッ酸の吸収性に優れており、特にフッ酸の発生自体を抑制しうるフッ酸吸収材を用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、非水系電解液が含浸された正極と負極とセパレータとの積層体が電池ケース内に封入され、前記非水系電解液中のリチウムイオンが電気伝導を担うリチウムイオン電池であって、前記電池ケース内にフッ酸を吸収可能なフッ酸吸収材を設けたリチウムイオン電池を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、リチウムイオン電池ケース内にフッ化水素を吸収可能なフッ酸吸収材を配置することにより、充放電の繰り返し等により内部で発生するフッ酸を発生の直後に迅速に吸収することができ、電池内部に及ぼす悪影響を最小限に抑制し、安定した状態にリチウムイオン電池を保持することができる。
上記発明(発明1)においては、前記フッ酸吸収材が水分除去性能を有することが好ましい(発明2)。
上記発明(発明2)によれば、このフッ酸吸収材が電池内部に存在する微量の水分を吸収するためリチウム塩と水分との反応を防止してフッ酸の発生自体を抑制することができる。
上記発明(発明1,2)においては、前記フッ酸吸収材が無機多孔質材料であることが好ましい(発明3)。また、前記フッ酸吸収材がゼオライトであることが好ましい(発明4)。特に前記フッ酸吸収材がCaでイオン交換されたA型のゼオライトであることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明3~5)によれば、これらのフッ酸吸収材は、フッ化水素を素早く吸収することが可能であるとともに、水分吸収性を有するので一剤で両性能を発揮することができる。
上記発明(発明1)においては、前記フッ酸吸収材が炭素系材料であることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明6)によれば、炭素系材料は、フッ化水素を素早く吸収することが可能であり、電池の抵抗値の上昇を抑制する効果に優れている。
上記発明(発明2~6)においては、前記フッ酸吸収材が水分含有率を1重量%以下に調整したものであることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明7)によれば、水分含有率を1重量%以下の水分乾燥状態のフッ酸吸収材をリチウムイオン電池内に配置しているので、電池内部に存在する微量の水分を吸収性能が高いため、リチウム塩と水分との反応を好適に防止してフッ酸の発生自体を抑制することができる。
本発明によれば、リチウムイオン電池ケース内にフッ化水素を吸収可能なフッ酸吸収材を配置しているので、充放電の繰り返し等により内部で発生するフッ酸(気体であっても液体(F)であってもよい。)を発生の直後に迅速に吸収することができ、電池内部に及ぼす悪影響を最小限に抑制し、安定した状態にリチウムイオン電池を保持することができる。特にフッ酸吸収材として、ゼオライトなどの水分除去性能を有する材料を水分含有率1重量%以下として用いることにより、リチウム塩と水分との反応を防止してフッ酸の発生自体を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池の内部構造を概略的に示す断面図である。 実施例1及び比較例1のリチウムイオン電池の充放電サイクル試験における放電容量の変化を示すグラフである。 実施例3,4及び比較例3のリチウムイオン電池の充放電サイクル試験における放電容量の変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態のリチウムイオン電池を示す縦断面図である。図1において、リチウムイオン電池Eは、正極端子1及び負極端子2と、気密容器たる電池ケース(筐体)3と、この電池ケース3の外周面に必要に応じて形成された防爆弁(図示せず)とを備え、電池ケース3の内部に電極体10を収納する。電極体10は、正極集電体11及び正極用電極板12と、負極集電体13及び負極用電極板14とを有し、正極用電極板12と負極用電極板14とは、それぞれセパレータ15を介して積層した構造を有する。そして、正極端子1は正極用電極板12に、負極端子2は負極用電極板14にそれぞれ電気的に接続されている。筐体としての電池ケース3は、例えば、アルミニウム製またはステンレス製の角型電池槽缶であり、気密性を有している。
正極用電極板12は、両面に正極合剤を保持させた集電体である。例えば、その集電体は厚さ約20μmのアルミニウム箔であり、ペースト状の正極合剤は、遷移金属のリチウム含有酸化物であるリチウムコバルト酸化物(LiCoO)に結着材としてポリフッ化ビニリデンと導電材としてアセチレンブラックとを添加後混練したものである。そして、正極用電極板12は、このペースト状の正極合剤をアルミニウム箔の両面に塗布後、乾燥、圧延、帯状に切断の手順で得られる。
負極用電極板14は、両面に負極合剤を保持させた集電体である。例えば、その集電体は厚さ10μmの銅箔であり、ペースト状の負極合剤は、グラファイト粉末に結着材としてポリフッ化ビニリデンを添加後混練したものである。そして、負極用電極板14はこのペースト状の負極合剤を銅箔の両面に塗布後、乾燥、圧延、帯状に切断の手順で得られる。
セパレータ15としては、多孔膜を用いる。例えば、セパレータ15は、ポリエチレン製微多孔膜を用いることができる。また、セパレータに含浸させる非水系電解液としては、リチウムイオンの伝導性を有する非水系有機電解液が好ましく、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートと、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネートとの混合溶液が好ましく、必要に応じて、電解質として六フッ化リン酸リチウムなどのリチウム塩が溶解したものである。例えば、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジメチルカーボネート(DMC)を1:1:1の割合で混合した混合液、あるいはプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)を1:1:1の割合で混合した混合液に1mol/Lの六フッ化リン酸リチウムを添加したものを用いることができる。
このようなリチウムイオン電池Eの電池ケース3内の空隙部に、フッ酸吸収材を配置する。本実施形態においてフッ酸吸収材は電解液中のLiPFなどのリチウム塩と空気中の水分との反応により発生するフッ化水素(HF)を吸着する機能を有するものである。この吸着するフッ化水素は、気体状(ガス)、液体(F)の両方である。
本実施形態において用いるフッ酸吸収材としては、無機多孔質材料や炭素系材料を好適に用いることができる。
無機多孔質材料としては、多孔質シリカ、金属ポーラス構造体、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ゼオライト、活性アルミナ、酸化チタン、アパタイト、多孔質ガラス、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等を用いることができる。
また、炭素系材料としては、粉末状活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭、シート状活性炭などの活性炭、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンモレキュラシーブ、フラーレン、ナノカーボン等を用いることができる。これらの炭素系材料は、水分の吸収を抑制する各種表面処理を施したものを用いることができる。炭素系材料は、フッ化水素を素早く吸収することが可能であり、特に電池の抵抗値の上昇を抑制する効果に優れている。
これらの無機多孔質材料及び炭素系材料は単独で用いてもよいし、2種類以上の素材を併用してもよいが、ゼオライトや活性炭が特に有効である。
上述したようなフッ酸吸収材は、100~3000m/gの比表面積を有することが好ましい。比表面積が100m/g未満では、フッ化水素などとの接触面積が小さく、十分な吸着性能を発揮することができない。一方、比表面積が3000m/gを超えてもフッ化水素や水分などの吸着性能の向上効果が得られないばかりか、吸収材の機械的強度が低下するため好ましくない。
また、フッ酸吸収材は3Å以上10Å以下の細孔径を有することが好ましい。細孔容積が3Å未満の場合、細孔内へのフッ化水素や水分などのガス成分の侵入が困難となる。一方、細孔容積が10Åを超えると、フッ化水素などの吸着力が弱くなってしまい、細孔内で最密に吸着できず、結果として吸着量が低下してしまうため好ましくない。
さらに、フッ酸吸収材がゼオライトの場合、Si/Al比が1~5の範囲の元素構成比を有するものを使用するのが好ましい。Si/Al比が1未満のゼオライトは構造上不安定である一方、Si/Al比が5を超えるゼオライトはカチオン含有率が低くフッ化水素や水分などのガス成分の吸着量が低下するため好ましくない。
なお、ゼオライトとしては、A型、X型あるいはLSX型のゼオライトを用いることができるが、特にA型のゼオライトやゼオライトのカチオン部分がCaでイオン交換されたA型のゼオライトが好ましく、より好ましくはCaでイオン交換されたA型のゼオライトである。
このフッ酸吸収材は、水分除去性能を有することが好ましい。これによりフッ酸吸収材が電池内部に存在する微量の水分を吸収することができるため、リチウム塩と水分との反応を防止してフッ酸の発生自体を抑制することができる。この場合、フッ酸吸収能を有する吸着材と水分除去性能を有する吸着材の両方を配合して用いても良いが、ゼオライトはフッ酸吸収能と水分除去能とを併せ持つ点で好ましい。
このような吸収材は、フッ酸だけでなく水分の吸収性能も有するので、雰囲気中の湿度を吸収しやすい。そして、この吸収材は水分を吸収するとフッ酸の吸収性能が大幅に低減するだけでなく、水分の吸収性も低下する。そこで、本実施形態においては、フッ酸吸収材に対し熱処理を施すことにより、フッ酸吸収材から水分を放出して水分の吸収性能を再生した状態で電池ケース3内に充填するのが好ましい。この場合フッ酸吸収材の水分含有率が1重量%以下となるように熱処理を施すのが好ましい。また、リチウムイオン電池Eに使用する非水系有機電解液(リチウム塩を含まないもの)を十分に脱水し、この非水系有機電解液にフッ酸吸収材を浸漬することによってもフッ酸吸収材から水分を排除してフッ酸吸収材の水分含有率を1重量%以下とすることができる。フッ酸吸収材の水分含有率
が1重量%を超えると、雰囲気中の水分の吸収性が十分でなくなり、リチウム塩と水分との反応を防止する効果が低下し、電池性能の低下をきたしやすくなるため、好ましくない。
上述したようなフッ酸吸収材の形態は特に制限はなく、粉末状、顆粒状もしくはペレット状とするのが好ましいが、樹脂と混合することによりシート状あるいはフィルム状などに成形したものを用いてもよい。
以上、本発明について、添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、リチウムイオン電池Eについては限定されず、円筒形状であってもよく、さらにはリチウムイオン電池を別途これを収容可能な電池ケースに収容して、この電池ケース内にフッ酸吸収材を設けてもよい。
以下の具体的実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[HF除去効果確認試験]
(実施例1)
100mLのバイアル瓶に、フッ酸吸着材として、あらかじめ水分含有率を1重量%以下に調整した、Ca置換したA型ゼオライト1gを取り分けておき、窒素雰囲気下で市販の電解液(LiPFを1mol/L溶解した電解液(エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=2:4:4の体積比で混合したもの)を50mL注入し、さらに純水5μLを滴下した。
所定時間経過後のこの電解液のフッ素イオン(F)濃度を測定した結果を表1に示す。なお、参考例として電解液のみの場合のフッ素イオン(F)濃度の測定結果を表1にあわせて示す。
(比較例1)
実施例1においてフッ酸吸着材を用いなかった以外同様にして電解液のフッ素イオン(F)濃度を測定した。結果を表1にあわせて示す。
Figure 0007073643000001
表1から明らかなとおり、電解液に純水を添加した比較例1では、電解液のみの場合である参考例と比較してフッ素イオン濃度が大幅に増加していた。これはLiPFと水分との反応によりフッ酸が生じたためであると考えられる。これに対し本発明のフッ酸吸着材を添加した実施例1では、フッ素イオン濃度が検出下限値未満であり、参考例より減少していた。これはフッ酸の除去のみならず、水分の除去性能も有するため、フッ酸の生成自体が抑制されるためであると考えられる。
[充放電サイクル試験]
(実施例2)
試験用リチウムイオン電池の材料として以下のものを用意した。
フラットセル:宝泉(株)製、電極面積約2cm(Φ16mm)
正極;三元系(LiNiCoMnO)、N:M:C=1:1:1
負極;球晶黒鉛
セパレータ;PPセパレータ、厚さ20μm
電解液;エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7の混合液にLiPFを1mol/L溶解したもの
フッ酸吸着材:Ca置換A型ゼオライト(水分含有率1重量%以下に調整)
電解液に対して0.02g/mLの割合でフッ酸吸着材を添加する一方、正極、負極及びセパレータをガラスチューブオーブンにより90℃で1時間以上減圧乾燥した。そして、これらの材料をグローブボックス内でアルゴンガス雰囲気下、露点-30℃以下で組上げて試験用のリチウムイオン電池材料を作製した。
このリチウムイオン電池を充放電試験ユニット(菊水電子(株)製 充放電バッテリテストシステムPFX2011)に接続し、充放電電流量0.5C、定電圧充電4.2V×60分及び放電終止電圧3.2Vの封建で充放電サイクルを200回繰り返し、放電容量の変化を測定した。結果を図2に示す。
(比較例2)
実施例2において、電解液にフッ酸吸着材を添加しなかった以外は同様にして試験用のリチウムイオン電池材料を作製した。
このリチウムイオン電池を充放電試験ユニットに接続し、実施例2と同じ条件で充放電試験、放電容量の変化を測定した。結果を図2にあわせて示す。
図2から明らかなとおり、フッ酸吸着材を用いた実施例2では充放電を200回繰り返しても放電容量は40%程度の低下にとどまったのに対し、フッ酸吸着材を用いなかった比較例2では60%以下にまで低下した。これは電池内で生じたフッ酸により電池内部で部分的破壊が起こり、電池性能が低下したためであると考えられる。
(実施例3)
LCO系電極材(正極活物質:カーボンブラック(KB):ポリフッ化ビニリデン(PVDF)=92:4:4(重量比)100重量%に対して、多孔質炭素材(イプシガードKC-601P 栗田工業(株)製,平均粒2,5μm)を5重量%添加したものにより正極を作製した。また、天然黒鉛系材料により負極を作製した。この正極及び負極を使用して約900mAhのアルミラミネートセルを作成した。なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7の混合液にLiPFを1mol/L溶解したものを使用した。
このリチウムイオン電池を充放電試験ユニット(菊水電子(株)製 充放電バッテリテストシステムPFX2011)に接続し、60℃で充放電サイクル試験を100サイクル行い、この間の放電容量を記録した。なお、このサイクル試験において、充電は定電流定電圧にて充電電流量1Cで充電し、4.2Vに到達後0.05Cまで行った。また、放電は定電流にて1.0Cで電圧が2.5Vに到達するまで行った。結果を図3に示す。また、100サイクルの充放電サイクル試験後のリチウムイオン電池の直流抵抗値を測定し、初期充電による活性化直後の直流抵抗値と比較した。結果を表2に示す。さらに、100サイクル終了後のセル内部より電解液を抜き取り、この電解液のフッ素イオン(F)濃度(フッ酸(HF)に相当)を測定した結果を表3に示す。
(実施例4)
実施例3において、LCO系電極材100重量%に対して、多孔質炭素材(イプシガードKC-601P 栗田工業(株)製,平均粒2,5μm)を2重量%添加したものにより正極を作製した以外は同様にして約900mAhのアルミラミネートセルを作成した。
このリチウムイオン電池を充放電試験ユニットに接続し、実施例3と同様にして60℃で充放電サイクル試験を100サイクル行いこの間の放電容量を記録した。結果を図3にあわせて示す。また、100サイクルの充放電サイクル試験後のリチウムイオン電池の直流抵抗値を測定し、初期充電による活性化直後の直流抵抗値と比較した。結果を表2にあわせて示す。
(比較例3)
実施例3において、LCO系電極材100重量%に対して、多孔質炭素材(イプシガードKC-601P 栗田工業(株)製,平均粒2,5μm)を添加しなかった以外は同様にして約900mAhのアルミラミネートセルを作成した。
このリチウムイオン電池を充放電試験ユニットに接続し、実施例3と同様にして60℃で充放電サイクル試験を100サイクル行いこの間の放電容量を記録した。結果を図3にあわせて示す。また、100サイクルの充放電サイクル試験後のリチウムイオン電池の直流抵抗値を測定し、初期充電による活性化直後の直流抵抗値と比較した。結果を表2にあわせて示す。さらに、100サイクル終了後のセル内部より電解液を抜き取り、この電解液のフッ素イオン(F)濃度(フッ酸(HF)に相当)を測定した結果を表3にあわせて示す。
Figure 0007073643000002
Figure 0007073643000003
図3から明らかなように、フッ酸吸着材として多孔質炭素材を正極に5重量%添加した実施例3では放電容量が初期より約30%低下する100mAh/gに到達するまでのサイクルが比較例3と比べて約5倍であり、正極に2重量%添加した実施例4でも放電容量が初期より約30%低下する100mAh/gに到達するまでのサイクルが比較例3と比べて約2倍であり、電池性能を長期間維持できることがわかる。さらに表2及び表3より、フッ酸吸着材として多孔質炭素材を正極に添加することにより、フッ酸の生成が抑制され、これにより電池の抵抗が上昇することを抑え電池の寿命が改善することがわかる。
1 正極端子
2 負極端子
3 電池ケース(筐体)
10 電極体
11 正極集電体
12 正極用電極板
13 負極集電体
14 負極用電極板
15 セパレータ
E リチウムイオン電池

Claims (3)

  1. 非水系電解液が含浸された正極と負極とセパレータとの積層体が電池ケース内に封入され、前記非水系電解液中のリチウムイオンが電気伝導を担うリチウムイオン電池であって、前記電池ケース内にフッ酸を吸収可能なフッ酸吸収材が設けられており、
    前記フッ酸吸収材は水分除去性能を有し、
    前記フッ酸吸収材は無機多孔質材料及び炭素系材料を含み、
    前記フッ酸吸収材が水分含有率を1重量%以下に調整したものである、リチウムイオン電池。
  2. 前記無機多孔質材料がゼオライトである請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記無機多孔質材料がCaでイオン交換されたA型のゼオライトである請求項2に記載のリチウムイオン電池。
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