JP2021009754A - 電極及び蓄電素子 - Google Patents

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幸平 辻田
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勇太 大杉
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森人 田邊
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Abstract

【課題】従来と異なる手段により、安全性が向上された電極、及びこの電極を備える蓄電素子を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、上記中間層が、吸着又は包摂している成分を100℃以上で気体として放出する気体放出性物質、及びバインダーを含む蓄電素子用の電極である。【選択図】図1

Description

本発明は、電極及び蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などに多用されている。このような二次電池やキャパシタ等の蓄電素子には、通常予見されない使用などにより発熱、発火等の異常が生じる場合がある。例えば、落下等の衝撃や、製造時に混入した異物などを原因として電極内で短絡が生じ、その結果、発熱が起きることがある。また、逆に、何らかの原因による発熱に伴ってセパレータが溶融し、短絡が生じることもある。
このようなことから、安全性を高めるべく、温度上昇に伴って電流が遮断される機能を有する電極や、このような電極を備える蓄電素子が開発されている。上記機能を有する電極としては、所定温度以上で体積膨張を起こす熱膨張粉末を含む活物質層を備える電極(特許文献1)、及び所定温度以上に加熱された場合に蒸発又は分解する有機バインダーを含むアンダーコート層を備える電極(特許文献2)が知られている。
特開2003−31208号公報 国際公開第2012/005301号
このように、従来から、安全性を高める様々な機能が開発されているが、安全性向上の要求はとどまるところを知らず、従来の上記機能にも改善の余地がある。また、安全性向上のためには多数の手段を開発し、使い分けることや併用することも有効である。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、従来と異なる手段により、安全性が向上された電極、及びこの電極を備える蓄電素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、上記中間層が、吸着又は包摂している成分を100℃以上で気体として放出する気体放出性物質、及びバインダーを含む蓄電素子用の電極である。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様は、当該電極を備える蓄電素子である。
本発明によれば、従来と異なる手段により、安全性が向上された電極、及びこの電極を備える蓄電素子を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を示す外観斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。 図3は、実験例におけるTG−DTAグラフである。 図4は、評価1の結果を示すグラフである。 図5は、評価2の結果を示すグラフである。
本発明の一態様は、導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、上記中間層が、吸着又は包摂している成分を100℃以上で気体として放出する気体放出性物質、及びバインダーを含む蓄電素子用の電極である。
当該電極は、安全性が向上されている。当該電極において、このような効果が生じる理由は定かではないが、以下が推測される。当該電極においては、例えば短絡により電極が発熱した際、中間層中の気体放出性物質から気体が放出される。すなわち、発熱時には中間層において、気体が発生する。この気体によって、基材と活物質層とが分断されることや、中間層内の材料間の接触が分断されることにより、基材と活物質層との間の電気抵抗が上昇する。このように、当該電極においては、短絡等による発熱に伴って、電流のシャットダウン機能が働き、更なる発熱を抑えることができるため、安全性が高い。
なお、「気体」であるか否かは、放出が生じる温度における大気圧下の状態において判断するものとする。例えば、300℃で放出が生じ、水が発生する場合、この水は気体である。また、「100℃以上で気体を放出する」とは、少なくとも100℃以上の所定の温度範囲で気体を放出することを意味し、100℃未満でも多少の気体を放出するものであってよい。例えば、上記気体放出性物質は、60℃で気体を放出し始め、100℃以上でも気体を放出し続けるものであってもよいし、150℃未満では実質的に気体を放出せず、150℃に達したとき気体を放出し始めるものであってよい。
上記中間層が、導電剤をさらに含み、上記中間層における上記導電剤の含有量が、2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。中間層が導電剤を含むことにより、通常時において、基材と活物質層との間の良好な導電性を確保することができる。一方、発熱時においては、放出される気体によって導電剤同士の接触が分断されるため、良好なシャットダウン機能を発現することができる。上記導電剤の含有量を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、発熱時には導電剤同士が十分に分断され、効果的に抵抗を高めることができる。
なお、「導電剤」とは、導電性を有する成分をいう。「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味する。
上記中間層における上記気体放出性物質の含有量が、30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。上記気体放出性物質の含有量を上記範囲とすることで、通常時には十分な導電性を確保しつつ、発熱時には十分な量の気体が放出され、抵抗を効果的に高めることができる。また、このように中間層に比較的多量の気体放出性物質を含有させることで、気体放出性物質の十分なアンカー効果により、バインダーの溶融流出が抑制される。このため、バインダーのPTC(Positive Temperature Coefficient)機能が効果的に発現されることからも、発熱時に抵抗を効果的に高めることができる。
上記バインダーが、フッ素樹脂を含むことが好ましい。発熱に伴って膨潤し、また、バインダーとして適度な結着性を有するフッ素樹脂を用いることで、発熱時に気体が放出される際に、導電剤間や基材と活物質層との間が比較的容易に分離され、シャットダウン機能が効果的に発現される。
上記気体放出性物質が、導電性を有することが好ましい。このような場合、気体放出性物質が気体を放出することにより、この導電性を有する気体放出性物質同士の接触も分断される。従って、気体の放出に伴って抵抗が上昇しやすく、効率的にシャットダウン機能が発現される。さらに、上記中間層に導電剤を含む場合は、導電剤の含有量を減らし、気体放出性物質の含有量を高くすることができるので、本発明の効果がより一層発揮される。
上記気体放出性物質が、600℃以下の融点又は熱分解温度を有さないことが好ましい。このような場合、短絡などにより発熱が生じたときに、この気体放出性物質が、基材と活物質層との間に存在することができ、絶縁性の確保に寄与することができる。
上記気体放出性物質が放出する気体が、二酸化炭素を含むことが好ましい。難燃性かつ非助燃性の二酸化炭素を放出することにより、発熱に伴う発火の可能性を低減することができ、安全性がより高まる。
当該電極は、正極であることが好ましい。一般的に、正極活物質層と負極活物質層の導電性は、正極活物質層の方が低い。また、基材についても、一般的に、正極基材の方が負極基材よりも導電性が低い。このように一般的に導電性が相対的に低い正極に当該電極を適用することによって、発熱時に導電性が下がるシャットダウン機能がより効果的に発現する。また、当該電極が正極である場合、中間層の通常時の導電性を正極活物質層の導電性よりも高く設計でき、中間層を設けることによる通常時の導電性の低下が生じ難い。このため、通常時には十分な導電性を確保しつつ、発熱時には十分に抵抗を高めることができる。
本発明の一態様は、当該電極を備える蓄電素子である。当該蓄電素子は、当該電極を備えるため、安全性が向上されている。
以下、本発明の電極の一実施形態としての正極、及び本発明の蓄電素子の一実施形態としての非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」と称することもある)について詳説する。
<正極(電極)>
本発明の一実施形態に係る正極は、正極基材と中間層と正極活物質層とをこの順に備える。正極基材は、基材の一例であり、正極活物質層は、活物質層の一例である。正極は、正極基材、中間層及び正極活物質層がこの順に積層されてなる層構造体である。中間層及び正極活物質層は、正極基材の一方の面側にのみ積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。当該正極は、蓄電素子の正極として用いられる。
(正極基材)
正極基材は、導電性を有する基材である。正極基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
(中間層)
中間層は、正極基材の表面の少なくとも一部を被覆している。中間層は、気体放出性物質、及びバインダーを含む。中間層は、さらに導電剤を含むことが好ましい。なお、後述するように気体放出性物質が導電性を有する場合などは、中間層は導電剤を含んでいなくてもよい。一般的に、中間層は正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する機能を有する層であるが、この中間層においては、上記機能に加えて、発熱時に電流を遮断する機能を有する。
気体放出性物質は、吸着又は包摂している成分を100℃以上で気体として放出する物質である。すなわち、中間層中の気体放出性物質においては、例えば常温から100℃にまで温度が上昇した段階において、気体として放出される成分が吸着又は包摂されている。気体放出性物質が、吸着又は包摂している成分を放出する温度の下限は、130℃が好ましく、160℃がより好ましい。すなわち、130℃又は160℃の段階でも気体として放出される成分を吸着又は包摂している物質であることが好ましい。これにより、電極作製後の乾燥工程において、吸着又は包摂している成分を気体として放出する量が増えるおそれが低減できる。また、温度上昇が進み、例えば130℃又は160℃といった高温になった場合も、十分な量の気体の放出によって、抵抗を高めることができる。気体放出性物質が、吸着又は包摂している成分を放出する温度の上限は、短絡等の異常時における電池内部の最高到達温度以下であれば特に限定されないが、800℃以下が好ましく、600℃以下がより好ましい。気体放出性物質の形状は、通常時の中間層中において、通常、粒子状である。気体放出性物質は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
気体放出性物質の一例としては、気体となる成分を包摂した包摂化合物を挙げることができる。包摂化合物とは、通常、ホスト化合物の結晶格子によって作られた空間の中に、ゲスト化合物(単体を含む)が取り込まれ、共有結合によらずして安定な物質として存在しているものをいう。発熱時には、このゲスト化合物が、気体として放出される。ゲスト化合物としては、二酸化炭素、水、窒素等が挙げられる。
上記気体放出性物質としての包摂化合物を構成するホスト化合物となり得る成分としては、クラウンエーテル、シクロデキストリン等の単分子系ホスト化合物、ポリフェノール類、尿素類等の多分子系ホスト化合物、デンプン、セルロース等の高分子系ホスト化合物、酸化チタン、グラファイト、アルミナ、遷移金属ジカルゴゲナイト、フッ化ランタン、粘土鉱物(モンモリロナイトなど)、ケイ酸塩、リン酸塩、ゼオライト、シリカ、多孔質ガラス等の無機系ホスト化合物等を挙げることができる。これらの中でも、無機系ホスト化合物が好ましく、ゼオライトがより好ましい。
気体放出性物質の他の一例としては、気体となる成分を吸着した物質を挙げることができる。このような吸着性を有する物質としては、酸化チタン、酸化スズ、希土類酸化物、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト等の金属酸化物系吸着物質や、活性炭等の炭素材料系吸着物質などを挙げることができる。これらの中では、金属酸化物系吸着物質が好ましいこともあり、この中では、ゼオライトが好ましい。ゼオライトなどの金属酸化物系吸着物質は、特に二酸化炭素等の極性を有する成分を良好に吸着及び放出することができる。また、後述するように、導電性を有することから、活性炭等の炭素材料系吸着物質も好ましい。
気体放出性物質が発生する気体は、難燃性かつ非助燃性であることが好ましい。すなわち、気体放出性物質が吸着又は包摂している成分は、難燃性かつ非助燃性であることが好ましい。難燃性かつ非助燃性の気体を放出することにより、発熱に伴う発火の可能性を低減することができ、安全性がより高まる。難燃性かつ非助燃性の気体としては、二酸化炭素、水(水蒸気)、窒素等が挙げられ、これらの中でも、二酸化炭素が好ましい。
気体放出性物質は、600℃以下の融点又は熱分解温度を有さないことが好ましい。すなわち、600℃にまで加熱されても、その形状が実質的に維持される気体放出性物質を用いることが好ましい。このような場合、短絡などにより発熱が生じたときに、この気体放出性物質が、基材と活物質層との間に存在することができ、絶縁性の確保に寄与することができる。このような気体放出性物質としては、ゼオライト等の金属酸化物や活性炭などを挙げることができる。
気体放出性物質は、導電性を有することが好ましい。このような場合、気体の放出に伴う電気抵抗の上昇が効果的に生じる。導電性を有する気体放出性物質としては、活性炭等を挙げることができる。
一方、気体放出性物質は、導電性を有さない、すなわち絶縁性を有することが好ましい場合もある。この場合、気体放出性物質が、基材と活物質層との間に存在し、絶縁性の確保に寄与することができる。
気体放出性物質のBET比表面積の下限としては、50m/gが好ましく、100m/gがより好ましく、200m/gがさらに好ましい。気体放出性物質のBET比表面積が上記下限以上であることで、通常時に十分な量の気体を吸着あるいは包摂しておくことができ、発熱時の気体放出量を増やすことができる。また、気体放出性物質のアンカー効果によるバインダーの流出抑制機能も高まる。一方、このBET比表面積の上限としては、例えば2,000m/gであってよく、1,000m/gであってもよく、600m/gであってもよい。
気体放出性物質の粒径の上限としては、100μmが好ましく、10μmがより好ましい。このように粒径の小さい気体放出性物質を用いることで、気体放出性物質の表面積が増え、より多くの量の気体を保持及び放出することができる。一方、この粒径の下限としては、例えば0.1μmが好ましく、1μmがより好ましい。なお、本明細書において、粒径は、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値(D50)を意味する。
中間層における気体放出性物質の含有量の下限としては、例えば10質量%であってもよいが、30質量%が好ましく、50質量%がより好ましいこともあり、60質量%がさらに好ましいこともある。中間層における気体放出性物質の含有量が上記下限以上であることにより、気体の発生に伴い、導電剤同士あるいは正極基材と正極活物質層とが効果的に分断され、より優れたシャットダウン機能を発現させることができる。また、気体放出性物質のアンカー効果によるバインダーの流出抑制機能も高まる。一方、中間層における気体放出性物質の含有量の上限としては、例えば95質量%であってもよいが、90質量%が好ましく、85質量%がより好ましい。なお、中間層が、後述する無機酸化物をさらに含有する場合などは、中間層における気体放出性物質の含有量の上限は、70質量%がより好ましいこともあり、50質量%がさらに好ましいこともある。中間層における気体放出性物質の含有量を上記上限以下とすることで、通常使用時に良好な導電性と、発熱時における良好なシャットダウン機能とをバランス良く発現することができる。
中間層が導電剤を含む場合、中間層における導電剤の含有量に対する気体放出性物質物の含有量の下限としては、2倍が好ましく、4倍がより好ましく、6倍がさらに好ましい。導電剤に対する気体放出性物質の含有量を上記下限以上とすることで、導電剤同士あるいは正極基材と正極活物質層との分断が十分に生じるほどの気体が生じ、十分なシャットダウン機能が発現する。一方、中間層における導電剤の含有量に対する気体放出性物質の含有量の上限としては、20倍が好ましく、16倍がより好ましく、12倍がさらに好ましい。導電剤に対する気体放出性物質の含有量を上記上限以下とすることで、中間層中に十分な量の導電剤を存在させることができ、通常時における良好な導電性を確保することができる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。これらの中でも、良好なPTC機能が発現される観点から、加熱に伴って膨潤する樹脂が好ましく、具体的にはフッ素樹脂が好ましく、PVDFがより好ましい。
中間層におけるバインダーの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、この含有量の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。中間層におけるバインダーの含有量を上記範囲とすることで、十分な結着性と、発熱時の気体発生の際の導電剤又は層間の分断性とをバランス良く発現することができる。
中間層に含有される導電剤としては、導電性を有する限り、特に限定されない。なお、この導電剤には、導電性を有する気体放出性物質は含まれないものとする。導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤としては、これらの中でも、アセチレンブラックが好ましい。導電剤の形状は、通常、粒子状である。
導電剤の一次粒子径としては、例えば20nm以上1μm以下であることが好ましい。このような粒子径の導電剤を用いることで、気体発生によって分断が生じやすく、シャットダウン機能をより高めることができる。
中間層における導電剤の含有量の下限としては、例えば1質量%であってもよいが、2質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。中間層における導電剤の含有量が上記下限以上であることにより、通常使用時に十分な導電性を発現することができる。一方、中間層における導電剤の含有量の上限としては、例えば20質量%であってもよいが、15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。中間層における導電剤の含有量が上記上限以下であることで、気体の発生に伴い導電剤同士が効果的に分断され、より優れたシャットダウン機能を発現させることができる。
中間層は、無機酸化物をさらに含有することが好ましい。無機酸化物は、加熱によって溶融したバインダーの流出を抑制するアンカー効果を発揮することができる。また、通常、無機酸化物自体が絶縁性であるため、バインダーが溶出した場合においても絶縁層として機能することができる。なお、この無機酸化物には、気体放出性物質は含まれない。無機酸化物は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
無機酸化物としては、金属酸化物、チタン酸化合物等が挙げられ、バインダーが流出した場合も、良好な絶縁層を形成することができることなどの点から、金属酸化物が好ましい。金属酸化物としては、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノシリケート等が挙げられる。これらの中では、アルミナが好ましい。
無機酸化物は、通常、粒子状である。無機酸化物の粒径の下限としては、50nmが好ましく、200nmがより好ましい。また、この粒径の上限としては、10μmが好ましく、2μmがより好ましい。無機酸化物のBET比表面積の下限としては、例えば1m/gが好ましく、3m/gがより好ましい。また、このBET比表面積の上限は、100m/gが好ましく、40m/gがより好ましい。粒径やBET比表面積がこのような範囲であることで、無機酸化物のアンカー効果を増すことができる。
中間層における無機酸化物の含有量の下限としては、5質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。中間層における無機酸化物の含有量が上記下限以上であることにより、より優れたシャットダウン機能を発現させることができる。一方、中間層における無機酸化物の含有量の上限としては、70質量が好ましく、50質量%がより好ましい。中間層における無機酸化物の含有量を上記上限以下とすることで、十分な量の気体放出性物質やバインダーを含有させることができ、気体放出性物質、バインダー及び無機酸化物の好適な組み合わせで、より良好なシャットダウン機能を発現することができる。
中間層には、気体放出性物質、バインダー、導電剤及び無機酸化物以外の他の成分がさらに含有されていてもよい。但し、中間層における上記他の成分の含有量の上限としては、例えば20質量%が好ましい。この上限としては、10質量%であってもよく、5質量%であってもよく、1質量%であってもよい。他の成分の含有量を上記上限以下とすることにより、通常使用時における良好な導電性と、異常時におけるシャットダウン機能とをより良好に両立させることができる。
中間層の平均厚みとしては、特に限定されないが、下限としては、0.1μmが好ましく、0.3μmがより好ましい。一方、この平均厚みの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましく、5μmがさらに好ましいことがあり、2μmがよりさらに好ましいこともあり、1μmがよりさらに好ましいこともある。中間層の平均厚みを上記下限以上とすることで、シャットダウン機能をより高めることができる。一方、中間層の平均厚みを上記上限以下とすることで、正極の薄膜化を図ることなどができる。
(正極活物質層)
正極活物質層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される。また、正極活物質層を形成する正極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα―NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1−α),LiNiαMnβCo(1−α−β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
正極活物質層に含有される導電剤及びバインダーは、中間層と同様のものを挙げることができる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーは、特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラスなどが挙げられる。
(製造方法)
当該正極の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、正極基材に中間層形成用ペースト、及び正極活物質層形成用ペーストを順に塗工し、乾燥することにより当該正極を得ることができる。
中間層形成用ペーストは、気体放出性物質、バインダー等を分散媒に分散することで調製される。なお、この際、気体放出性物質においては、予め気体を吸着又は包摂させたものを用いることができる。一方、気体放出性物質においては、特に気体を吸着又は包摂させていないものを用いてもよい。このような場合であっても、例えば大気中の成分をある程度吸着又は包摂しており、また、充放電の繰り返しに伴って発生する二酸化炭素を吸着又は包摂することで、発熱時に気体を放出することができる。
<二次電池(非水電解質蓄電素子)>
本発明の一実施形態に係る二次電池は、正極、負極及び非水電解質を有する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に上記非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、二次電池のケースとして通常用いられる公知の金属ケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
当該二次電池に備わる正極は、上述した本発明の一実施形態に係る正極である。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層を有する。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極における中間層の構成は特に限定されず、例えばバインダー及び導電剤を含有する組成物により形成することができる。負極における中間層は、上述した正極における中間層と同様の組成で形成してもよい。
上記負極活物質層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。また、負極活物質層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極活物質層と同様のものを用いることができる。
上記負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素または難黒鉛化性炭素)等の炭素材料などが挙げられる。
さらに、負極合材(負極活物質層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも多孔質樹脂フィルムが好ましい。多孔質樹脂フィルムの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。また、これらの樹脂とアラミドやポリイミド等の樹脂とを複合した多孔質樹脂フィルムを用いてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、非水電解質二次電池に通常用いられる公知の電解質が使用でき、非水溶媒に電解質塩が溶解されたものを用いることができる。
上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネートなどを挙げることができる。
上記電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。
なお、非水電解質として、常温溶融塩、イオン液体、ポリマー固体電解質などを用いることもできる。
(製造方法)
当該二次電池の製造方法は特に限定されるものではない。当該二次電池の製造方法は、例えば、正極を作製する工程、負極を作製する工程、非水電解質を調製する工程、正極及び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、正極及び負極(電極体)を電池容器に収容する工程、並びに上記電池容器に上記非水電解質を注入する工程を備える。注入後、注入口を封止することにより非水電解質二次電池(非水電解質蓄電素子)を得ることができる。当該製造方法によって得られる非水電解質蓄電素子(二次電池)を構成する各要素についての詳細は上述したとおりである。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記実施形態においては、正極の中間層が気体放出性物質を含有しているが、正極の中間層が気体放出性物質を含有せず、負極の中間層が気体放出性物質を含有していてもよい。正極の中間層及び負極の中間層の双方が気体放出性物質を含有していてもよい。正極の中間層が気体放出性物質を含有している場合、負極は中間層を有していなくてよい。逆に、負極の中間層が気体放出性物質を含有している場合、正極は中間層を有していなくてもよい。また、正極又は負極において、活物質層を被覆する被覆層等が設けられていてもよい。
また、上記実施の形態においては、蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を説明したが、その他の蓄電素子であってもよい。その他の蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)や、電解質が水を含む二次電池などが挙げられる。
図1に、本発明に係る蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1(二次電池1)の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す二次電池1は、電極体2が電池容器3に収納されている。電極体2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して巻回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。また、電池容器3内に、非水電解質が注入されている。なお、正極等の各要素の具体的構成等は、上述したとおりである。
本発明に係る蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の二次電池1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例]
ゼオライト系ガス吸収剤(粒径1.5〜3μm、BET比表面積405.5m/g)について、TG−DTA分析を行った。得られたTG−DTAのグラフを図3に示す。なお、(1)100℃で減圧乾燥を行った後、露点−50℃以下の空気を吸着させたもの、(2)100℃で減圧乾燥した後、二酸化炭素を30分吸着させたもの、(3)150℃で減圧乾燥を行った後、露点−50℃以下の空気を吸着させたもの、及び(4)150℃で減圧乾燥した後、二酸化炭素を30分吸着させたもの、のそれぞれで行った。
図3に示されるように、いずれの場合も、加熱に伴い質量が減少し、100℃以上の温度範囲においても、質量が減少し続けていることがわかる。このゼオライト系ガス吸着剤は、吸着又は包摂している成分を100℃以上で気体として放出する気体放出性物質であることが確認された。なお、(1)及び(3)においては、空気(主に窒素)を放出しており、(2)及び(4)においては、二酸化炭素を放出しているといえる。また、(1)〜(4)の中でも、(2)及び(4)の二酸化炭素を吸着させたものが、放出量が多いことがわかる。
[実施例1](正極の作製)
正極基材としてのアルミニウム箔(平均厚さ15μm)の表面に、以下の要領で中間層を形成した。アセチレンブラック(AB)、上記ゼオライト系ガス吸着剤、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を8:77:15の質量比で秤量した。これらを分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に混ぜ、中間層形成用ペーストを調製した。この中間層形成用ペーストをアルミニウム箔に塗布した。その後、乾燥を行い、平均厚さ8μmの中間層を得た。
正極活物質としてのLi(Ni0.82Co0.15Al0.03)O、AB及びPVDFを質量比95:3:2の割合(固形分換算)で含有し、N−メチル−2−ピロリドンを分散媒とする正極活物質形成用ペーストを調製した。この正極活物質層形成用ペーストを中間層の表面に塗布し、乾燥することで分散媒を除去した。その後、ローラープレス機により加圧成形し、実施例1の正極を得た。加圧成形後の中間層の平均厚さは4μmだった。なお、正極には、中間層及び正極活物質層を積層していないタブを設けた。
[実施例2]
AB:上記ゼオライト系ガス吸着剤:アルミナ(住友化学社製、粒径約300nm、BET比表面積4.9m/g):PVDFを8:38.5:38.5:15の質量比で含み、NMPを溶剤とした中間層形成用ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の正極を得た。
[実施例3]
ゼオライト系ガス吸着剤の代わりに活性炭系ガス吸着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の正極を得た。
[比較例1]
中間層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の正極を得た。
[比較例2]
中間層の材料として、AB及びPVDFを8:92の質量比で用い、気体放出性物質を含めなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の正極を得た。
[比較例3]
ゼオライト系ガス吸着剤の代わりにアルミナ(住友化学社製、粒径約300nm、BET比表面積4.9m/g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の正極を得た。
[評価1](加熱に伴う抵抗の変化)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた正極について、温度を上昇させながら交流インピーダンス(ACR)を測定した。具体的には、まず、同一種類の2枚の正極を正極活物質同士が対向するように積層させ、LiPFを1M含有したEC:EMC=20:80(体積比)の溶媒に含浸させた。この積層体に対し、交流抵抗計を用いて、5℃ずつ又は10℃ずつ段階的に昇温しながら、正極基材間のACRを測定した。測定結果を図4に示す。
図4に示されるように、実施例1〜3においては、温度上昇により十分に電気抵抗が上昇し、発熱に対する優れたシャットダウン機能を有し、安全性が高いことがわかる。一方、比較例1〜3においても、ある程度の抵抗上昇は見られるものの、実施例1〜3に比べてシャットダウン機能は劣る。
[評価2](セルの加熱試験)
実施例1又は比較例1の正極と、負極活物質が黒鉛である負極とで、ポリオレフィン製多孔質樹脂フィルムセパレータを挟むことにより、電極体を作製した。この電極体を、各電極のタブが露出するように、外装体としての金属樹脂複合フィルムに収納し、電解液を注入後、封止した。これにより、モデルセルを得た。
得られた各モデルセルについて、充電終止条件を充電電流が1/100CAとなるまでし、充電終止電圧を4.35Vとして充電した。この後、モデルセルを固定した状態で、加熱器により加熱して、電圧の変化を測定した。加熱速度は、5℃/分とした。加熱に伴い、短絡が生じ、電圧が低下していった。電圧の経時変化を図5に示す。
図5に示されるように、実施例1は、比較例1と比べて、高い電圧が保たれていることがわかる。これは、短絡が生じた際、良好なシャットダウン機能が発現していることを意味する。すなわち、実施例1のモデルセルは、比較例1のモデルセルに比べて安全性が高いことがわかる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などの電源として使用される非水電解質二次電池などに適用できる。
1 非水電解質二次電池
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (9)

  1. 導電性の基材、中間層及び活物質層をこの順に備え、
    上記中間層が、吸着又は包摂している成分を100℃以上で気体として放出する気体放出性物質、及びバインダーを含む蓄電素子用の電極。
  2. 上記中間層が、導電剤をさらに含み、
    上記中間層における上記導電剤の含有量が、2質量%以上15質量%以下である請求項1の電極。
  3. 上記中間層における上記気体放出性物質の含有量が、30質量%以上90質量%以下である請求項1又は請求項2の電極。
  4. 上記バインダーが、フッ素樹脂を含む請求項1、請求項2又は請求項3の電極。
  5. 上記気体放出性物質が、導電性を有する請求項1から請求項4のいずれか1項の電極。
  6. 上記気体放出性物質が、600℃以下の融点又は熱分解温度を有さない請求項1から請求項5のいずれか1項の電極。
  7. 上記気体放出性物質が放出する気体が、二酸化炭素を含む請求項1から請求項6のいずれか1項の電極。
  8. 正極である請求項1から請求項7のいずれか1項の電極。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項の電極を備える蓄電素子。
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