JP7031903B2 - オイゲノール誘導体 - Google Patents

オイゲノール誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP7031903B2
JP7031903B2 JP2020513224A JP2020513224A JP7031903B2 JP 7031903 B2 JP7031903 B2 JP 7031903B2 JP 2020513224 A JP2020513224 A JP 2020513224A JP 2020513224 A JP2020513224 A JP 2020513224A JP 7031903 B2 JP7031903 B2 JP 7031903B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eugenol
cured film
compound
present application
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020513224A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019198598A1 (ja
Inventor
勝 吉田
秀元 木原
宏臣 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Publication of JPWO2019198598A1 publication Critical patent/JPWO2019198598A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7031903B2 publication Critical patent/JP7031903B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C323/00Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups
    • C07C323/10Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and singly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton
    • C07C323/11Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and singly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton having the sulfur atoms of the thio groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton
    • C07C323/16Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and singly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton having the sulfur atoms of the thio groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton the carbon skeleton containing six-membered aromatic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/60Additives non-macromolecular
    • C09D7/63Additives non-macromolecular organic

Description

本願は、基材の表面を改質したり、濡れ性、耐摩耗性、防錆性、または生体適合性等の機能性を基材に付与したりする被覆材に用いるオイゲノール誘導体に関する。
被覆材による基材の表面改質は、目的とする表面または界面の機能を基材に発現させるために有効な手法として知られている。しかしながら、被覆材と基材の付着性の問題から、基材の種類に応じた被覆材を選択したり、煩雑な手法を用いたりしなければならない。例えば、ガラス基材およびシリコン基材に対しては、シランカップリング系化合物または金属アルコキシドを用いた表面改質が知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1、および非特許文献2)。また、金基材の表面改質には、チオール化合物が使用されている(特許文献3および非特許文献3)。また、鉄基材およびアルミニウム系基材の表面改質には、アルキルリン酸が使用されている(非特許文献4)。また、ポリマー基材の表面改質には、プラズマ処理またはオゾン酸化処理が行われている(特許文献4)。
このように、基材の材質に応じて、適切な表面改質を選択することが必要である。このため、例えば、金属基材およびガラス基材等の表面改質に有効な手法であっても、プラスチック基材等にこの手法が適用できないのが実情であった。また、被覆材と基材の付着力向上ため、基材表面にプライマーの塗布が必要な場合には、結果として煩雑な被覆プロセスとなってしまう。
天然の漆から抽出したウルシオールまたはその類縁物質は優れた付着特性を有する。そこで本願の発明者らは、ウルシオールまたはその類縁物質と相溶性があり、重合開始部位を有する特定構造の化合物を、ウルシオールまたはその類縁物質と混合したポリマー被覆材前駆体を提供した(特許文献5、非特許文献5、および非特許文献6)。このポリマー被覆材前駆体は、基材の材質に関わらず適用できる。しかしながら、天然の漆またはその類似物質は非常に高価である。また、化学変性が困難であることに起因して、天然の漆またはその類似物質によって発現される表面または界面の機能は、ウルシオールまたはその類似物質が元来有する機能に限定されてしまう。さらに、未反応のウルシオールはアレルギー性を有している。
国際公開第2009/136510号 特開2006-177914号公報 特開2010-57745号公報 特表2002-535450号公報 国際公開第2014/185361号
B. Zhao and W. J. Brittain, J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 3557-3558. K. Ohno, T. Morinaga, K. Koh, Y. Tsujii and T. Fukuda, Macromolecules, 2005, 38, 2137-2142. W. Huang, J. -B. Kim, M. L. Bruenings, G. L. Baker, Macromolecules, 2002, 35, 1175-179. R. Matsuno, H. Otsuka and A. Takahara, Soft Matter., 2006, 2, 415-421. H. Watanabe, A. Fujimoto, Yamamoto R, J. Nishida, M. Kobayashi and A. Takahara, ACS Appl. Mater. & Interfaces, 2014, 6, 3648-3653. H. Watanabe, A. Fujimoto, Yamamoto R, J. Nishida, Y. Higaki and A. Takahara, Chem. Lett., 2014, 43, 1776-1778.
本願の目的は、上記の従来技術における課題を解決し、基材の表面に被覆して、その基材の表面改質を行うために、またはその基材に機能性付与を行うために、材質に関係なく各種基材に適用できるポリマー被覆材を提供すること、および特にこのポリマー被覆材に好適に用いられる新規化合物を提供することである。
本願の発明者は、丁子油などに多く含まれるオイゲノールなどを出発物質として化学合成した化合物を用いることで、上記の目的が達成され得ることを見出した。本願の化合物は下記式(I)で表される。
Figure 0007031903000001
ここで、Rは、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子で中断されてもよい炭素数4~24の飽和または不飽和の炭化水素鎖である。Aは、水素原子、水酸基、またはメトキシ基である。Xは、飽和炭化水素基、または重合性基もしくは色素クロモフォアなどの機能性官能基である。Lはリンカーで、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、エステル基、またはアミド基である。また、本願の組成物は本願の化合物を含有する。
本願の化合物は、オイゲノールなどの天然のフェニルプロパノイドまたは人工化合物を出発物質として、数段階の反応で簡単に収率よく合成できる。また、本願の組成物は、シリコン、金属、およびガラスのほか、フェノール樹脂を含むプラスチックなどの各種基材に接着されるポリマー被覆材として使用できる。本願の組成物が硬化すると、基材と強固に接着し、きわめて安定である。
1-オクタデシルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオールを用いた塗布溶液から得られた硬化膜の原子間力顕微鏡表面トポグラフィー像。 各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液から得られた硬化膜の可視紫外分光スペクトル。 各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液から得られた硬化膜のアルキル鎖長と静的水接触角の関係を示すグラフ。 各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液から得られた硬化膜のアルキル鎖長とヤング率の関係を示すグラフ。 各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液から得られた硬化膜をDPPH溶液に浸漬した液体の吸光度の時間変化を示すグラフ。
本願の化合物は下記式(I)で表される。なお、Rは、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子で中断されてもよい炭素数4~24の飽和または不飽和の炭化水素鎖である。Aは、強固な付着力および優れた機械的特性が期待される水酸基だけでなく、水素原子またはメトキシ基であってもよい。Xは飽和炭化水素基または機能性官能基である。Lはリンカーで、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、エステル基、またはアミド基である。
Figure 0007031903000002
上記式(I)で表される化合物であるオイゲノール誘導体は、天然のオイゲノール、例えば、カビコールまたはエストラゴール等の天然または人工のオイゲノール構造の類縁体を出発物質として合成される。
本願の他の化合物としては、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。なお、Rは炭素数4~18の飽和炭化水素基である。
Figure 0007031903000003
また、上記式(I)で表される化合物としては、下記式(III)で表される化合物も挙げられる。Rは炭素数2~6の炭化水素鎖である。
Figure 0007031903000004
本願の組成物は本願の化合物を含有する。本願の組成物は、塩化鉄(II)や塩化鉄(III)などの鉄化合物をさらに含有していてもよい。鉄化合物は鉄錯体化合物であってもよい。鉄錯体化合物は酢酸鉄であってもよい。本願の組成物は、各成分の混合に際して、超音波処理などを行い、均一な分散を確保することが好ましい。本願の組成物は、基材上に被覆して、機能性官能基による機能を基材上に発現させる熱硬化性の組成物であってもよい。組成物の硬化物である硬化膜として基材に接着されることにより、基材の濡れ性、耐摩耗性、防錆性、または生体適合性などの表面または界面機能が変化する。
本願の硬化物は本願の組成物が硬化したものである。硬化は、例えば、本願の化合物であるオイゲノール誘導体と鉄化合物を含有する組成物を、加熱または酸化重合して行う。すなわち、本願の硬化物は、ウルシオールの凝固(硬化)として知られる室温での酸化重合に加えて、熱による重合によっても得られる。熱による重合は、一般に、60~180℃、好ましくは100~120℃に加熱することによって行う。熱による重合での硬化はきわめて迅速に起こり、例えば、組成物を100℃に加熱することにより、約10分で充分に硬化する。室温での酸化重合は、よく知られた酸化酵素であるラッカーゼを組成物に添加することにより、または組成物のpHを変化させることにより、反応を速めることができる。しかし、これらの操作は必須ではない。
本願の複合体は、基材と、この基材上に設けられた本願の硬化物を備えている。本願の複合体は、本願の組成物を基材の表面に被覆し、この被覆物を硬化させて得られる。被覆方法としては、スピンコート法、ディップコーティング法、またはキャスト法など、従来から知られている各種手法が挙げられる。得られた硬化物は、オイゲノール誘導体の架橋構造を備えている。この硬化物は、各種基材に強固に接着され、極めて安定である。なお、基材の形状は、平面的な形状に限定されず、凹凸形状または曲面形状などの任意の形状であってもよい。すなわち、本願の組成物は、各種形状を備える日用品(例えば食器)や建築材料(例えばパイプ)などの各種材料の表裏や内外面に被覆できる。このため、所定の表面改質がされた材料、または所定の機能性が付与された材料が得られる。
以下、本願の特徴を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本願の発明は、これらの実施例によって制限されるものではない。
<1-アルキルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオールの合成>
飽和炭化水素鎖を側鎖として有する化合物として、下記式(II)で表されるオイゲノール誘導体である1-アルキルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオールを合成した。
Figure 0007031903000005
まず、以下の手順で、官能基変換により、オイゲノールの水酸基およびメトキシ基をトリエトキシシランで変性させた。すなわち、100mLのコンデンサー付き丸底フラスコに、オイゲノール8.6mL(56mmol)を入れ、アルゴン雰囲気にした。この丸底フラスコに、シリンジを用いてトリエチルシラン19.0mL(112mmol)を加え、攪拌により透明な溶液を得た。さらに、触媒であるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン57mg(0.112mmol)を素早く加えた。
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの添加と同時に、ガスの発生および発熱が生じるが、そのまま3時間激しく攪拌した。反応が進むにつれて、溶液が黄色に変化した。得られた溶液をジクロロメタンで希釈した後、中性のアルミナカラムを通して、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを除去した。その後の濃縮により、トリエチルシラン保護オイゲノールである(4-アリル-1,2-フェニレン)ビス(オキシ)ビス(トリエチルシラン)を収率95%で得た。
つぎに、以下の手順で、このトリエチルシラン保護オイゲノールと、オクタデカンチオール、ドデカンチオール、デカンチオール、ヘキサンチオール、またはブタンチオールであるアルキルチオールのチオール-エン反応を行った。すなわち、トリエチルシラン保護オイゲノール5.0g(13.22mmol)と、これと等量のアルキルチオールをナス型フラスコに入れ攪拌した。さらに2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンを触媒量入れた後、フラスコ内を減圧した。
その後、波長254nmの光を30分間照射してチオール-エン反応を進行させ、側鎖に飽和炭化水素鎖を有するトリエチルシラン保護オイゲノールを収率95%以上で得た。飽和炭化水素鎖を有するトリエチルシラン保護オイゲノールに対し、塩酸、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸などの固体酸によるトリエチルシランの脱保護反応を行い、目的物である飽和炭化水素鎖を側鎖に持つオイゲノール誘導体を得た。各種オイゲノール誘導体の1H-NMRスペクトル測定結果を下記に示す。
1-ブチルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「C4S」と記載することがある)
6.80 (d, 1H, Ar-H), 6.73 (s, 1H, Ar-H), 6.64 (d, 1H, Ar-H), 5.23 (d, 2H,-OH), 2.66 (t, 2H, Bz-CH2-), 2.53-2.59 (t, 4H, -CH2-S-CH2-), 1.91 (t, 2H, Bz-CH2-CH2-S-), 1.69 (t, 2H, -S-CH2-CH2-CH2-CH3), 1.20-1.40 (m, 2H, -S-CH2-CH2-CH2-CH3), 0.93 (t, 3H, -CH2-CH3).
1-ヘキシルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「C6S」と記載することがある)
6.80 (d, 1H, Ar-H), 6.73 (s, 1H, Ar-H), 6.64 (d, 1H, Ar-H), 5.23 (d, 2H,-OH), 2.66 (t, 2H, Bz-CH2-), 2.53-2.59 (t, 4H, -CH2-S-CH2-), 1.91 (t, 2H, Bz-CH2-CH2-S-), 1.69 (t, 2H, -S-CH2-CH2-(CH2)3-CH3), 1.20-1.40 (m, 6H, -S-CH2-CH2-(CH2)3-CH3), 0.93 (t, 3H, -CH2-CH3).
1-デシルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「C10S」と記載することがある)
6.80 (d, 1H, Ar-H), 6.73 (s, 1H, Ar-H), 6.64 (d, 1H, Ar-H), 5.23 (d, 2H,-OH), 2.66 (t, 2H, Bz-CH2-), 2.53-2.59 (t, 4H, -CH2-S-CH2-), 1.91 (t, 2H, Bz-CH2-CH2-S-), 1.69 (t, 2H, -S-CH2-CH2-(CH2)7-CH3), 1.20-1.40 (m, 14H, -S-CH2-CH2-(CH2)7-CH3), 0.93 (t, 3H, -CH2-CH3).
1-ドデシルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「C12S」と記載することがある)
6.80 (d, 1H, Ar-H), 6.73 (s, 1H, Ar-H), 6.64 (d, 1H, Ar-H), 5.23 (d, 2H,-OH), 2.66 (t, 2H, Bz-CH2-), 2.53-2.59 (t, 4H, -CH2-S-CH2-), 1.91 (t, 2H, Bz-CH2-CH2-S-), 1.69 (t, 2H, -S-CH2-CH2-(CH2)9-CH3), 1.20-1.40 (m, 18H, -S-CH2-CH2-(CH2)9-CH3), 0.93 (t, 3H, -CH2-CH3).
1-オクタデシルチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「C18S」と記載することがある)
6.80 (d, 1H, Ar-H), 6.73 (s, 1H, Ar-H), 6.64 (d, 1H, Ar-H), 5.23 (d, 2H,-OH), 2.66 (t, 2H, Bz-CH2-), 2.53-2.59 (t, 4H, -CH2-S-CH2-), 1.91 (t, 2H, Bz-CH2-CH2-S-), 1.69 (t, 2H, -S-CH2-CH2-(CH2)15-CH3), 1.20-1.40 (m, 30H, -S-CH2-CH2-(CH2)15-CH3), 0.93 (t, 3H, -CH2-CH3).
<複合体の作製>
上記で得られたオイゲノール誘導体のエタノール希釈溶液に、オイゲノール誘導体の質量の1/2の質量の酢酸鉄(II)を混合したところ、この溶液が茶色から黒色に変化した。得られた混合液を必要に応じて超音波処理した後、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはその混合溶媒などの塗布溶媒を用いて希釈して、組成物である塗布溶液を得た。基材であるシリコン基板上に、この塗布溶液を3000rpmでスピンコートし薄膜化した。その後、100℃で10分間加熱して、シリコン基板と、シリコン基板上に形成され、塗布溶液が硬化した硬化膜とを備える複合体を得た。
<硬化膜の表面モルフォロジー観察と厚さ測定>
原子間力顕微鏡(アジレント(Agilent)社製、Agilent6500)によって、標準的なカンチレバー(オリンパス(Olympus)社製、OMCL-AC160TS-W2)を用いて、ノンコンタクトACモードでこの硬化膜の表面モルフォロジー観察および厚さ測定を行った。C18Sを用いた塗布溶液から得られた硬化膜の原子間力顕微鏡(AFM)像を図1に示す。図1から明らかなように、この硬化膜は、ナノメートルオーダーで均一な表面モルフォロジーを有しており、その表面粗さはRMS値で2nm以下であった。
また、ロータリーカッターを用いて、この複合体からこの硬化膜の一部を取り除き、形成された段差からこの硬化膜の厚さを求めた。塗布溶液の濃度やスピンコート回転数を変化させることにより、この硬化膜の厚さがナノメートルからマイクロメーターまで変化した。また、同じ濃度やスピンコート回転数では、この硬化膜の厚さはほぼ同じ(5%以内の誤差)であった。
<可視紫外分光測定>
各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液を石英基板上にスピンコートし、熱硬化させて得た硬化膜の可視紫外分光スペクトルを、可視紫外分光分析器(SHIMADZU社製、UV-2550)を用いて測定した。図2は、AFM観察から求めた膜厚を用いて、100nm厚での吸光度に正規化したスペクトルを示す。すべての硬化膜について、ブロードな吸収が可視領域で観察された。この吸収は、オイゲノール誘導体と鉄の錯体形成に伴う電荷移動遷移によるものだと推察される。また、オイゲノール誘導体中のアルキル鎖長の違いは、可視紫外分光スペクトルの形状に影響を与えないことも明らかとなった。
<水接触角測定>
自動液滴滴下機構およびモノクロCCDを装備した接触角測定装置(Kruess社製、DSA25)を用いて、各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液から得られた硬化膜表面の静的水接触角を、温度23.5℃、湿度60%で測定した。この結果を図3に示す。図3に示すように、C4Sを用いた塗布溶液から得られた硬化膜の静的水接触角は75°だった。
原料のオイゲノール誘導体のアルキル鎖が長くなるとともに、硬化膜の静的水接触角が上昇し、C10Sを用いた塗布溶液から得られた硬化膜の静的水接触角は約100°に達した。C10Sのアルキル鎖より長いアルキル鎖を含有するオイゲノール誘導体から得られた硬化膜の静的水接触角は、アルキル鎖長に依存せず一定であった。アルキル鎖が長くなると結晶性が高くなり、硬化膜表面でアルキル鎖が規則正しく並んだためだと考えられる。
<機械的強度測定>
各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液から得られた硬化膜について、オイゲノール誘導体が含有するアルキル鎖長と、座屈法により得られたヤング率(GPa)の関係を図4に示す。ヤング率は、ナノメートル厚の薄膜に特化した座屈法(strain-induced elastic buckling instability for mechanical measurements:SIEBIMM)を用いて測定した。まず、自己支持状態にある薄膜を、ポアソン比とヤング率が既知である約1cm角のポリジメチルシロキサン(PDMS)基板上に貼り付けた。マイクロキャリパー(ミツトヨ社、No.406-250)を用いて、得られた試料を徐々に圧縮した。このとき発生するしわの間隔を光学顕微鏡観察から求め、以下に示す式を用いて硬化膜のヤング率(E)を算出した。
Figure 0007031903000006
ここで、EはPDMS基板のヤング率、νとνは薄膜とPDMSのそれぞれのポアソン比、dは観察されたしわの間隔、hは薄膜の厚さである。座屈試験の結果から、アルキル鎖が伸びるに従って、硬化膜のヤング率が上昇することがわかった。加えて、オイゲノール誘導体のアルキル鎖が短い場合、座屈の過程において、マイクロキャリパーによる圧縮が約10%を超えると、圧縮方向に平行な方向へのひび割れが生じた。これらから、オイゲノール誘導体のアルキル鎖が長くなるに従って、充分な強度に加え、柔らかさも兼ね備えた強靭な薄膜となっていると推察される。
<耐溶媒試験>
水、メタノール、エタノール、トルエン、クロロフォルム、アセトン、および酢酸エチルに、室温で硬化膜をそれぞれ12時間浸漬して、耐溶媒試験を行った。全ての溶媒について、硬化膜表面の目視による変化は認められなかった。また、硬化膜表面の静的水接触角は、硬化膜の溶媒浸漬前後でほとんど変化しなかった。これより、架橋構造により硬化膜が不溶不融であり、かつカテコール骨格に起因して基板に対して高い付着特性を有することが推察される。
<付着試験>
上記の<複合体の作製>と同様にして、シリコン基板(真空UV処理)、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン、銅板、およびステンレス304の各種基板に、スピンコート法またはキャスト法を用いて、各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液の塗布を行った。硬化膜と基板との密着性について、ASTM3359の手法による6段階評価(0(不良)~5(良好))による試験結果を表1に示す。この結果から、硬化膜の基板からの剥離が見られず、硬化膜に変化は認められなかった。
Figure 0007031903000007
<抗酸化試験>
2,2-diphnyl-1-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカルの失活能により、得られたポリマー被覆材の抗酸化性を評価した。25mm角に切り出したSi基板上に、スピンコートによって各種オイゲノール誘導体を用いた塗布溶液を被覆し、加熱硬化の後、10mLのDPPH溶液中に浸漬させた。その後、可視紫外分光分析器(SHIMADZU社製、UV-2450)を用いて、波長516nmの吸光度変化を計測した。この結果を図5に示す。なお、VUV処理を行っただけのSi基板をコントロールサンプル(図5のref)として用いた。図5に示すように、塗布溶液でSi基板を被覆することにより、ラジカルの失活能が劇的に向上した。このことから、本願の硬化物である硬化膜は、極めて優れた抗酸化能を有していると推察される。
<1-メタクリロイルオキシアルキレンチオプロピルベンゼン-3,4-ジオールの合成>
側鎖末端に重合性官能基を有する化合物として、下記式(III)で表されるオイゲノール誘導体である1-メタクリロイルオキシアルキレンチオプロピルベンゼン-3,4-ジオールを合成した。なお、Rはエチレンまたはヘキセンである。官能基変換によるオイゲノールの水酸基およびメトキシ基のトリエトキシシランへの変性は、上記と同様に行った。
Figure 0007031903000008
つぎに、チオール-エン反応によって、末端に水酸基を有したチオール化合物をトリエトキシシラン保護オイゲノールに導入した。その手法は上述のアルキルチオールの導入と同様であり、2-メルカプトエタノールまたは1-ヒドロキシ-6-ヘキサンチオールを用いて行った(収率95%以上)。そして、下記に示すように、酸クロライド反応により、得られた水酸基変性トリエトキシシラン保護オイゲノールに、メタクリロイル基をラジカル重合性開始基として導入した。
脱水THF40mLに、10mmolの水酸基変性トリエトキシシラン保護オイゲノールを入れた。そこにトリエチルアミン1.21g(12mmol)を加え、アルゴン雰囲気下で攪拌しながら、氷浴を用いて溶液を0℃まで冷却した。その後、脱水THF20mLにメタクリル酸クロリド1.8g(16.7mmol)を加えたものを、これにゆっくり滴下した。滴下終了後、室温でさらに6時間の攪拌を行うことで、反応を充分に進行させた。
その後、吸引ろ過によりトリエチルアミン塩酸塩を除去し、エバポレーターにより濃縮し、THFを取り除いた。さらに、未反応のメタクリル酸クロリドとトリエチルアミンを減圧留去により取り除き、目的物である側鎖末端にメタクリロイル基を有するトリエトキシシラン保護オイゲノールを収率60%で得た。最後にトリエトキシシランの脱保護反応による水酸基生成を、上述の手法によって行った。
<組成物の作製>
合成した上記式(III)で表されるオイゲノール誘導体と、オイゲノール誘導体の質量の1/2の質量の酢酸鉄(II)と、ラジカル重合開始剤である光重合開始剤2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンを混合した。初めにオイゲノール誘導体のエタノール希釈溶液に、酢酸鉄(II)を混合したところ、溶液が茶色から黒色に変化した。
<複合体の作製>
光重合開始剤の質量は、オイゲノール誘導体の質量の5%とした。必要に応じて、得られた混合液を超音波処理した後、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはその混合溶媒などの塗布溶媒を用いて希釈し、組成物である塗布液を得た。スピンコート法(3000rpm)により、基材であるシリコン基板上にこの塗布液を被覆(塗布)し薄膜化した。その後、100℃で5分間の加熱、および超高圧水銀灯を10分間照射することにより硬化膜を得た。
<AFM観察>
上述の手法によって得られた硬化膜の表面モルフォロジー観察を、AFMを用いて行った。この硬化膜はナノメートルオーダーで均一な表面モルフォロジーを有しており、その表面粗さはRMS値で1nm以下であることが明らかとなった。また、この硬化膜の厚さは、塗布液の濃度やスピンコートの回転数を変化させることで、ナノメートルオーダーからマイクロメートルオーダーまで可変であることも明らかとなった。
<可視紫外分光測定>
得られた硬化膜の可視紫外分光スペクトル測定では、側鎖末端にメタクリロイル基を有するカテコール化合物も、鉄との錯体形成による電荷移動遷移による可視光領域でのブロードな吸収ピークが観測された。また、オイゲノール誘導体中のアルキル鎖長の違いは、可視紫外分光スペクトルに影響を与えないことも明らかとなった。
<接触角測定>
側鎖末端にメタクリロイル基を有するカテコール化合物の硬化膜表面の静的水接触角は、1-メタクリロイルオキシエチレンチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「MAC2S」と記載することがある)を用いた塗布溶液から得られた硬化膜が65°であり、1-メタクリロイルオキシヘキセンチオプロピルベンゼン-3,4-ジオール(以下、「MAC6S」と記載することがある)を用いた塗布溶液から得られた硬化膜が72°であった。これらの値は、天然の漆から上記手法によって得られたウルシオール薄膜と同等である。
<機械的強度測定>
得られた硬化膜のヤング率を座屈試験によって求めたところ、MAC2Sを用いた塗布溶液から得られた硬化膜が1.1GPaであり、MAC6Sを用いた塗布溶液から得られた硬化膜が3.3GPaであった。つまり、これらの硬化膜は充分な機械的強度を示した。また、10%の高圧縮下でも、硬化膜のひび割れや、PDMS基板からの硬化膜の剥離は生じなかった。この結果から、硬化膜は強靭であり、かつPDMSに対して高い付着性を有していることが推察される。
<耐溶媒試験および付着試験>
上述の手法によって耐溶媒試験および付着試験を行った結果から、得られた硬化膜は高い耐溶剤性を有し、かつ基板に充分な付着していることが推察される。

Claims (8)

  1. 下記式(II)で表される化合物。
    Figure 0007031903000009
    は炭素数4~18の飽和炭化水素基である。
  2. 下記式(III)で表される化合物。
    Figure 0007031903000010
    は炭素数2~6の炭化水素鎖である。
  3. 請求項またはの化合物を含有する組成物。
  4. 請求項において、
    鉄化合物をさらに含有する組成物。
  5. 請求項において、
    鉄化合物が鉄錯体化合物である組成物。
  6. 請求項において、
    前記鉄錯体化合物が酢酸鉄である組成物。
  7. 請求項からのいずれかの組成物が硬化した硬化物。
  8. 基材と、前記基材上に設けられた請求項の硬化物とを有する複合体。
JP2020513224A 2018-04-13 2019-04-03 オイゲノール誘導体 Active JP7031903B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018077827 2018-04-13
JP2018077827 2018-04-13
PCT/JP2019/014835 WO2019198598A1 (ja) 2018-04-13 2019-04-03 オイゲノール誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019198598A1 JPWO2019198598A1 (ja) 2021-01-07
JP7031903B2 true JP7031903B2 (ja) 2022-03-08

Family

ID=68164109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020513224A Active JP7031903B2 (ja) 2018-04-13 2019-04-03 オイゲノール誘導体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7031903B2 (ja)
WO (1) WO2019198598A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112266651B (zh) * 2020-10-23 2022-11-18 四川上愚生物科技有限公司 丙烯基苯酚类化合物在制备浅色生漆中的应用、浅色生漆及其制备方法
DE102020128803A1 (de) * 2020-11-02 2022-05-05 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung eingetragener Verein Verwendung von Eugenol-Derivaten als Stabilisatoren, organisches Material sowie Eugenol-Derivate
CN117210107B (zh) * 2023-07-05 2024-04-09 浙江大学 自抛光耐腐蚀抗菌自修复低表面能的涂层材料的制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60260532A (ja) * 1984-06-07 1985-12-23 Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd 新規カテコ−ル誘導体
GB8804457D0 (en) * 1988-02-25 1988-03-23 Ciba Geigy Ag Compositions
JPH10273464A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Tsumura & Co 置換カテコール誘導体
JP2010502798A (ja) * 2006-09-07 2010-01-28 チバ ホールディング インコーポレーテッド 表面変性剤としてのペルフルオロアルキル基で置換されたフェノール誘導体
WO2014185361A1 (ja) * 2013-05-13 2014-11-20 独立行政法人科学技術振興機構 新規複合材料およびそれを用いるポリマー被覆材前駆体
CN103435829B (zh) * 2013-07-24 2015-06-17 烟台绿水赋膜材料有限公司 一种基于邻苯二酚衍生物的纳米功能化表面修饰方法
JP6176163B2 (ja) * 2014-03-25 2017-08-09 信越化学工業株式会社 有機ケイ素化合物及び接着性組成物並びに物品
CN107805434A (zh) * 2017-10-13 2018-03-16 浙江大学 一种荧光型电子防护涂料及其制备方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ACS Appl. Mater. Interfaces,2015年,Vol.7, No.44,p.24656-24662
Small,2014年,Vol.10, No.8,p.1594-1602

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019198598A1 (ja) 2019-10-17
JPWO2019198598A1 (ja) 2021-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7031903B2 (ja) オイゲノール誘導体
JP6453210B2 (ja) 新規複合材料およびそれを用いるポリマー被覆材前駆体
JP7203028B2 (ja) 硬化性高屈折率インク組成物及びインク組成物から調製された物品
TWI735593B (zh) 無溶劑型聚矽氧改性聚醯亞胺樹脂組成物
Wei et al. A versatile macro-initiator with dual functional anchoring groups for surface-initiated atom transfer radical polymerization on various substrates
TWI724080B (zh) 無溶劑型聚矽氧改性聚醯亞胺樹脂組成物
JP2003533564A (ja) アルケニルエーテル官能性ポリイソブチレンを含む放射線硬化可能な組成物
Lin et al. A “thiol-ene” photo-curable hybrid fluorinated resist for the high-performance replica mold of nanoimprint lithography (NIL)
Wei et al. Fabrication of castor oil-based hyperbranched urethane acrylate UV-curable coatings via thiol-ene click reactions
TW201936723A (zh) 有機聚矽氧烷化合物及包含該化合物之活性能量線硬化性組成物
US20100256251A1 (en) Process for modifying substrates with grafted polymers
EP2976399B1 (fr) Compositions reticulables a base de composes de derives (meth) acryles de dianhydrohexitol
KR100657428B1 (ko) 옻칠을 이용한 황옻칠의 제조방법
JP2016074831A (ja) 反応性ポリシロキサン化合物及びこれを含む塗料組成物
JP6078150B2 (ja) 物品の表面のエピラム化のための作用剤
Gnanaseelan et al. All methacrylate block copolymer/TiO2 nanocomposite via ATRP and in-situ sol-gel process
JP2004131698A (ja) チアゾール官能性を有する硬化性組成物
JPH0370778A (ja) 歯科材料用無機フィラーの表面処理方法
JP4376540B2 (ja) 金属表面修飾剤および新規含硫黄化合物
KR102201593B1 (ko) 지문 방지 및 방오 특성을 가지는 uv경화성 고 투명성, 양친매성 플루오르화 실리카 하이브리드 소재
KR101965194B1 (ko) 불소계 모노머 및 올리고머 화합물, 광중합형 조성물, 및 이들을 이용한 소수성 필름
JP2007502306A (ja) 新規な1,3−オキサチオラン−2−チオン化合物及びその製造方法と使用
JP2022084379A (ja) 接着剤
JPS6158085B2 (ja)
JP7256727B2 (ja) 滑水性膜及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7031903

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150