JP2016074831A - 反応性ポリシロキサン化合物及びこれを含む塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成した塗膜や被膜が、耐溶剤性、撥水性、撥油性、離型性、基材密着性及び耐汚染性のいずれにも優れるものになる塗料やコーティング剤の塗膜或いは被膜の表面状態の改質剤として有用な、反応性ポリシロキサン化合物、該化合物を含有する塗料組成物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される、ヒドロキシウレタン結合を介し、片末端に不飽和基を含有するポリシロキサン化合物である反応性ポリシロキサン化合物、特に、アミノ基を有するポリシロキサン化合物と、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物とを反応させることにより得られる反応性ポリシロキサン化合物、及び、これを含む塗料組成物。
Figure 2016074831

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な反応性ポリシロキサン化合物及びこれを含む塗料組成物に関する。更に詳しくは、本発明の反応性ポリシロキサン化合物を、熱硬化型塗料や、紫外線や電子線等の光硬化型塗料の添加剤材料として用いることで、形成される塗膜は改質されて、耐溶剤性、基材密着性、耐汚染性(汚染除去性)、撥水性、撥油性、離型性といった諸機能に優れるものとなる。更に、化合物の合成原料として二酸化炭素を利用し、該二酸化炭素を化合物の構造中に固定化することができるので、近年における環境問題への対応の点でも優れた製品の提供が可能になる、反応性ポリシロキサン化合物及びこれを含む塗料組成物に関する。
ポリシロキサン系樹脂は、無機構造であるシロキサン結合を主骨格に持つことから、撥水性、耐熱性、表面滑性、離型性及び絶縁性等の機能性に優れており、従来より、塗料やコーティング剤の被膜成分や被膜の表面状態等の改質剤として使用されている。
塗料として使用されるポリシロキサン化合物は、反応性基を有するオリゴマー状態の化合物が一般的であり、該反応性基としては、カルボキシル基、カルビノール基、不飽和基、エポキシ基などが挙げられるが、紫外線、電子線或いは熱といった様々な硬化が行える不飽和基を有する化合物が特に有用である。
前述した被膜の表面状態の改質を目的として塗料等の材料に用いられるポリシロキサン化合物としては、不飽和基などの官能基を分子の片末端に有するものが好ましい。その理由は、このような化合物は、シロキサンセグメントの自由度が高く、硬化塗膜の形成中にシロキサンセグメントが表面配向しやすいためである。
ここで、不飽和基を有するポリシロキサン化合物の製法として、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランのような不飽和基を含むシラン化合物と、環状シロキサンとを反応させる手法が知られており、工業的な生産も行われている。しかしながら、このようにして合成した末端に不飽和基を含むポリシロキサン化合物は、化学構造中に極性基を有しないため、他の不飽和基を有する硬化成分と併用する場合、疎水性の強いシロキサンセグメントが相分離を起し、均一な硬化塗膜が得られない、或いは、硬化反応が進まないといった問題が発生することが多い。
これらの問題を解決するため、末端に不飽和基を含むポリシロキサン化合物をそのまま用いるのでなく、一度、不飽和基を有するシロキサン化合物と、他の1官能の不飽和基を持つ化合物とを共重合し、得られた直鎖状高分子(共重合体)を添加成分として使用する方法が用いられている。例えば、特許文献1には、耐擦傷性を有する塗料が記載されているが、塗料成分として、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有するポリジメチルシロキサン系共重合体が用いられている。また、特許文献2には、ハードコート剤としての利用が提案されているが、その成分として、フッ素系樹脂にシロキサン等をグラフト化させて得られた共重合体が用いられている。しかしながら、これらの技術は、いずれも、不飽和基を有するシロキサン化合物と、他の1官能の不飽和基を持つ化合物との共重合工程が必要であることに加え、該共重合工程を、共重合成分が溶解可能な有機溶剤中で行う必要があるという問題がある。また、得られる共重合体は、不飽和基を有さない構造であるため、無溶剤型硬化塗料の作製が難しい、或いは、溶剤型の塗料とした場合でも架橋密度が低下するといった問題を有し、一般的にはイソシアネート等を使用した熱硬化型塗料等として使用されている。
上記した塗料組成物の構成成分の相溶性の向上、或いは、形成した塗膜の密着性や機械的強度の向上を目的として、末端の不飽和基を、極性基であるウレタン結合を介して導入し、ポリシロキサン化合物をウレタンアクリレート化する手法が考案されている。例えば、特許文献3では、光硬化型のオルガノポリシロキサン組成物に関して、ジイソシネート化合物とヒドロキシル基を有するアクリレート化合物を使用する方法、及び、メタクリル基とイソシアネート基を合わせ持つ化合物を使用する方法が提案されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、これら方法によるウレタン結合の導入では、ポリシロキサンの疎水性を十分に改良することができず、基材への塗膜の密着性や、塗料組成物の相溶性の問題を考慮すると、併用できる材料に未だ制限があり、欠点が完全に改良されたものではなかった。
これらの欠点を解消するための技術として先述した特許文献1や特許文献2では、共重合成分としてヒドロキシエチルアクリレートのような水酸基を有する化合物が用いられており、このことから、本発明者らは、上記欠点の解消には、水酸基やカルボキシル基のような極性官能基をシリコーン成分中に導入することが有効であると認識するに至った。
一方、近年、ウレタン結合の生成反応として、従来のイソシアネート化合物とポリオールを使用する方法とは異なり、5員環環状カーボネート化合物とアミン化合物の反応を用いる方法が提案されている(特許文献4)。この方法で得られるウレタン結合は、従来の反応で得られるウレタン結合と異なり、カルボニルのγ位に水酸基を有することから、特にヒドロキシウレタン構造と呼ばれ、水酸基を有するウレタン化合物の製造方法への利用が期待されている。更に、上記反応は、工業的な観点からも、安全性の点で課題があるイソシアネート化合物や有機錫などの触媒を使用しない点や、二酸化炭素を原材料の一つとして製造することができる点において、注目されるべき技術でもある。
特開2007−2260号公報 特許第5321456号公報 特開平3−181509号公報 特許第3840347号公報
本発明者らは、先に述べた塗料組成物の構成成分の相溶性の向上、或いは、形成した塗膜の密着性や機械的強度の向上を目的として、末端の不飽和基を、極性基であるウレタン結合を介して導入した反応性ポリシロキサン化合物を使用した場合における欠点の解消には、水酸基やカルボキシル基のような極性官能基をシリコーン成分中に導入することが有効であるとの認識の下、上記したヒドロキシウレタン構造を利用することで、より優れた効果が得られる反応性ポリシロキサン化合物を開発すべく鋭意検討を行った。
すなわち、本発明の目的は、従来技術の欠点を解消し、形成した塗膜やコーティング被膜の表面状態が改質されて、耐溶剤性、撥水性、撥油性、離型性、基材密着性及び耐汚染性(汚染除去性)に優れるものとなる、塗料やコーティング剤等の塗料組成物の添加剤材料として有用な新規の反応性ポリシロキサン化合物を提供することにある。特に、本発明の目的は、従来知られており、使用されているポリシロキサン化合物と比較して、広範な被膜形成材料に対して優れた相溶性を示し、併用できる材料を広範囲なものとでき、その結果、上記した優れた特徴を高いレベルで有する塗膜形成を可能にでき、しかも、その原材料に二酸化炭素の利用も可能であることから、環境負荷の低減にも貢献し得る新規で有用な反応性ポリシロキサン化合物を提供することである。特に、本発明の目的は、塗膜やコーティング被膜の表面状態の改質剤として有用な、各種の塗膜或いは被膜の形成材料に対して優れた相溶性を示し、各種機能性に優れる塗膜形成を可能にする反応性ポリシロキサン化合物を提供することにある。
上記課題は本発明によって解決される。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される、ヒドロキシウレタン結合を介し、片末端にエチレン性不飽和基を含有するポリシロキサン化合物であることを特徴とする反応性ポリシロキサン化合物を提供する。
Figure 2016074831
[一般式(1)中、mは0〜300のいずれかの整数であり、X1は、水酸基とウレタン結合を有する下記式(2)〜(5)から選ばれるいずれかのヒドロキシウレタン結合であり、Zは、ないか、−CH2−O−、−O−、−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)、−CO−O−、−CO−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)から選ばれるいずれかである。また、R1及びR2は、それぞれCH3又はHであり、同一であっても異なっていてもよく、R3は、CH3又は式(6)の基であり、同一であっても異なっていてもよい。また、Y1は、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造を含んでいてもよい、炭素数1〜30の、アルキレン基又はアリーレン基又は繰り返し単位1〜300のポリエチレングリコール鎖である。Wは、炭素数1〜30のアルコキシ基、或いは、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造を含んでいてもよい、炭素数1〜30のアルキル基又はアリール基である。]
Figure 2016074831
[式(2)中、R4は、H又はCH3である。]
Figure 2016074831
[式(3)中、R4は、H又はCH3である。]
Figure 2016074831
Figure 2016074831
Figure 2016074831
[式(6)中、mは0〜300のいずれかの整数であり、Wは、炭素数1〜30のアルコキシ基、或いは、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造を含んでいてもよい、炭素数1〜30のアルキル基又はアリール基である。]
本発明の好ましい形態としては、下記の構成のものが挙げられる。
片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物と、片末端にエチレン性不飽和基を有する、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物とを反応させて得られた前記反応性ポリシロキサン化合物。
前記エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物が、1個のエチレン性不飽和基と、1個の5員環環状カーボネート構造とを有する、下記の一般式(7)又は一般式(8)で示される化合物である前記反応性ポリシロキサン化合物。
Figure 2016074831
Figure 2016074831
[一般式(7)及び(8)中の、R1、R2及びZは、前記一般式(1)中におけるこれらの記号と同義であり、一般式(7)中のR4は、H又はCH3である。]
前記片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物が、下記の式で示される化合物である前記反応性ポリシロキサン化合物。
Figure 2016074831
[上記式中の、Y1、R3、W及びmは、前記一般式(1)中におけるこれらの記号と同義である。]
前記エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物の、5員環環状カーボネート構造部が、エポキシ基と二酸化炭素から合成されたものである前記反応性ポリシロキサン化合物。
全質量のうちの0.1〜10質量%が、二酸化炭素由来の−O−CO−結合から構成されたものである前記反応性ポリシロキサン化合物。
水酸基価が5〜100mgKOH/gの範囲である前記反応性ポリシロキサン化合物。
また、本発明は、別の実施形態として、塗膜或いは被膜の表面状態の改質剤として、上記いずれかの反応性ポリシロキサン化合物を含有してなることを特徴とする塗料組成物を提供する。
本発明によれば、ヒドロキシウレタン合成技術を応用した新しい反応性ポリシロキサン化合物が提供される。より詳しくは、従来の不飽和基を有するポリシロキサン化合物と異なった化学構造である、本発明で規定するヒドロキシウレタン結合の導入によってポリシロキサン化合が親水化され、光硬化性モノマー等の塗膜或いは被膜の形成材料等との相溶性に優れた、従来には無い反応性ポリシロキサン化合物が提供される。また、該反応性ポリシロキサン化合物を塗料等の材料に使用することで、塗膜或いは被膜の表面状態が改質され、撥水性、離型性、撥油性、基材密着性及び耐汚染性(汚染除去性)を有する、種々の機能性に優れる塗膜或いは被膜の形成が可能になる塗料或いはコーティング剤を実現できる。また、本発明によって提供される反応性ポリシロキサン化合物は、二酸化炭素を原材料に使用することが可能な化合物であり、この点で環境負荷の低減にも貢献することができる。更に、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、種々の材料の相溶性を高めることができるので、熱硬化型塗料や光硬化型塗料を構成する原材料の使用範囲を広範なものにでき、その実用的価値は極めて大きい。
合成例1で合成した5員環環状カーボネート化合物C−1のIRチャートである。 実施例1の反応性ポリシロキサン化合物のIRチャートである。
次に、発明を実施するための好ましい形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、下記一般式(1)で表される、ヒドロキシウレタン結合を介し、片末端に不飽和基を含有するポリシロキサン化合物であることを特徴とする。
Figure 2016074831
[一般式(1)中、mは0〜300のいずれかの整数であり、X1は、水酸基とウレタン結合を有する下記式(2)〜(5)から選ばれるいずれかのヒドロキシウレタン結合であり、Zは、ないか、−CH2−O−、−O−、−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)、−CO−O−、−CO−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)から選ばれるいずれかである。また、R1及びR2は、それぞれCH3又はHであり、同一であっても異なっていてもよく、R3は、CH3又は式(6)の基であり、同一であっても異なっていてもよい。また、Y1は、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造(例えば、フェニレン基、シクロヘキシレン基など)を含んでいてもよい、炭素数1〜30の、アルキレン基又はアリーレン基又は繰り返し単位1〜300のポリエチレングリコール鎖である。Wは、炭素数1〜30のアルコキシ基、或いは、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造(例えば、フェニル基、シクロヘキシル基など)を含んでいてもよい、炭素数1〜30のアルキル基又はアリール基である。]
Figure 2016074831
[式(2)中、R4は、H又はCH3である。]
Figure 2016074831
[式(3)中、R4は、H又はCH3である。]
Figure 2016074831
Figure 2016074831
Figure 2016074831
[式(6)中、mは0〜300のいずれかの整数であり、Wは、炭素数1〜30のアルコキシ基、或いは、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造(例えば、フェニル基、シクロヘキシル基など)を含んでいてもよい、炭素数1〜30の、アルキル基又はアリール基である。]
本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるように、その末端に反応性のエチレン性不飽和基を有し、該エチレン性不飽和基が、少なくとも、水酸基とウレタン結合を有する特定の構造のヒドロキシウレタン結合を介してポリシロキサン構造と結合されていることを特徴とする。そして、例えば、上記一般式(1)で表される本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物と、片末端にエチレン性不飽和基を有する、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物とを反応させることで特定の構造のヒドロキシウレタン結合を形成することによって得ることができる。また、上記反応に使用する化合物の5員環環状カーボネート構造は、エポキシ基と二酸化炭素から合成することができるため、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、その構造中に、環境負荷の低減にも貢献し得る二酸化炭素を固定化してなるものとできる。以下、構成について、それぞれ説明する。
[反応性ポリシロキサン化合物]
一般式(1)で示される本発明の反応性ポリシロキサン化合物を特徴づける、X1で示される化学構造、すなわち、前記一般式(2)〜(5)で示される化学構造は、いずれも水酸基とウレタン結合とを有するヒドロキシウレタン結合を有するが、該ヒドロキシウレタン結合は、下記に示したように、5員環環状カーボネート化合物とアミン化合物との付加反応により形成することができる。5員環環状カーボネート化合物とアミン化合物との反応においては、下記に示すように、5員環環状カーボネート基の開裂が2種類あるため、2種類の構造の生成物が得られることが知られている。また、この付加反応により得られる化学構造はウレタン結合であるが、水酸基を有した特異な構造を有したものであり、特に通常のウレタン結合と区別されヒドロキシウレタン結合(或いはヒドロキシウレタン構造)と呼ばれるものである。本明細書では、ヒドロキシウレタン結合と呼んでいる。
Figure 2016074831
従来より、ポリシロキサン化合物にウレタン結合を介して不飽和基を導入した化合物は、例えば、ウレタンアクリレート化合物として報告されている。ウレタンアクリレート化合物がウレタン結合を含有することによる利点としては、機械強度、密着性、相溶性等の向上が挙げられ、本発明の反応性ポリシロキサン化合物もそのような化合物の仲間であるといえる。しかしながら、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、従来のウレタン結合とは異なるヒドロキシウレタン結合を有したものである点で、大きく異なっている。ヒドロキシウレタン結合が、通常のウレタン結合と区別される理由は、上記に示したように、その構造中に水酸基を有することにあり、従来の水酸基とイソシアネート基とを反応させウレタン結合を形成する従来の合成方法では、このような化学構造を得ることはできない。本発明を特徴づける化合物中に存在するヒドロキシウレタン結合は、これを化合物の構造中に導入したことで、当該化合物は、従来のウレタン結合と同様に機械強度を向上させる効果を持つと同時に、従来の化合物では存在していなかった水酸基の効果で親水性を向上させることができるため、塗料組成物等の材料として当該化合物を添加することで、他の材料との相溶性の向上や、塗膜等を形成した場合における基材への密着性向上に寄与するものになる。特に、通常のポリシロキサン化合物は疎水性が強い化合物であるため、ヒドロキシウレタン結合を介して、エチレン性不飽和基とポリシロキサン構造と結合されている構造の本発明の反応性ポリシロキサン化合物としたことで、その構造中のヒドロキシウレタン結合による改質効果は、より効果的に発揮される。
前記したように、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、5員環環状カーボネート化合物とアミン化合物との反応を利用して合成することができるが、合成の際に使用する5員環環状カーボネート化合物としては、エポキシ化合物と二酸化炭素の反応により合成されたものであることが好ましい。すなわち、このようにして合成した5員環環状カーボネート化合物を原材料に使用することで、得られるポリシロキサン化合物は、一般式(1)中にX1で示された、前記した、式(2)〜(5)のいずれかの化学構造部が有する−O−CO−結合が、二酸化炭素を原材料として構成されたものとなる。この結果、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、その構造中に二酸化炭素を取り込んで固定化したものとなるので、本発明の反応性ポリシロキサン化合物を適用した製品は、環境問題への対応がされた、価値あるものになる。
本発明の反応性ポリシロキサン化合物を利用して得られる塗膜の物性を考慮すると、上記特有の化学構造を有する本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、その重量平均分子量が1000〜20000のものが好ましい。また、本発明の反応性ポリシロキサン化合物における該化合物中の水酸基量を示す水酸基価(JIS K1557)の好ましい範囲は5〜100mgKOH/gである。また、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、その原料である5員環環状カーボネート化合物を、エポキシ化合物と二酸化炭素の反応により合成したものを用いた場合、その全質量のうちの0.1〜10質量%が、二酸化炭素に由来する−O−CO−結合から構成されたものになる。なお、この量はできるだけ多い方が環境対応性の点からはより好ましい。
[エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物]
本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、例えば、末端に1個のアミノ基を有するポリシロキサン化合物と、片末端にエチレン性不飽和基を有する、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物とを反応させることによって容易に得られる。また、この際に使用される、エチレン性不飽和基と5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(7)又は(8)で示される化合物が挙げられ、いずれも本発明において好ましく使用できる。
Figure 2016074831
Figure 2016074831
[一般式(7)及び(8)中の、R1、R2及びZは、前記一般式(1)中におけるこれらの記号と同義である。具体的には、Zは、ないか、−CH2−O−、−O−、−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)、−CO−O−、−CO−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)のいずれかであり、また、R1及びR2は、それぞれCH3又はHであり、同一であっても異なっていてもよい。また、一般式(7)中のR4は、H又はCH3である。]
上記一般式(7)又は(8)で示される化合物は、以下に示す式のように、対応するエポキシ化合物と、二酸化炭素との反応から合成されたものであることが好ましい。このようにして合成した一般式(7)又は(8)で示される化合物を原料として用いることで、最終的に得られる、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、その構造中に、原料として用いた二酸化炭素が取り入れられて固定化されたものとなる。したがって、上記のように構成することで、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、環境問題へ対応可能な、より価値のあるものとなる。
Figure 2016074831
上記したように、エポキシ化合物と二酸化炭素から、前記一般式(7)又は(8)で示されるような5員環環状カーボネート化合物を得る場合の製造条件としては、例えば、原材料であるエポキシ化合物を、触媒の存在下、0℃〜160℃の温度にて、大気圧〜1MPa程度に加圧した二酸化炭素雰囲気下で4〜24時間反応させることが挙げられる。この結果、原料に用いた二酸化炭素をエステル部位に固定化した5員環環状カーボネート化合物を得ることができる。
上記したエポキシ化合物と二酸化炭素との反応に使用される触媒としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムなどのハロゲン化塩類や、4級アンモニウム塩が好ましいものとして挙げられる。その使用量は、原料のエポキシ化合物100質量部当たり1〜50質量部が好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。また、これら触媒となる塩類の溶解性を向上させるために、トリフェニルホスフィンなどを同時に使用してもよい。
また、上記したエポキシ化合物と二酸化炭素との反応は、有機溶剤の存在下で行うこともできる。この際に用いる有機溶剤としては、前述の触媒を溶解するものであればいずれも使用可能である。具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤が、好ましい有機溶剤として挙げられる。
前記したエチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物が、その構造中に有するエチレン性不飽和基としては、二重結合を有する、アリル基、アクリル基、メタクリル基が挙げられ、これらのいずれの基も使用可能である。本発明で好適に使用できるエチレン性不飽和基と5員環環状カーボネート構造の両方を1個ずつ有する化合物である、上記一般式(7)又は(8)で示される化合物としては、例えば、以下の化合物(7−1)〜(7−8)及び(8−1)、(8−2)が挙げられる。


Figure 2016074831
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Figure 2016074831
Figure 2016074831
片末端にエチレン性不飽和基を有する、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物、特に、一般式(7)又は(8)で示される化合物の製造においては、必要に応じて反応時に不飽和結合の重合を抑制するための重合禁止剤の存在下で行うこともできる。重合禁止剤として使用できる化合物に特に制限はなく、例えば、p−メトキシフェノール等のフェノール系重合禁止剤、ベンゾキノン等のキノン系重合禁止剤、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)等のヒンダートフェノール系重合禁止剤、フェノチアジン等の芳香族アミン系重合禁止剤、ジフェニルチオ尿素等の硫黄系重合禁止剤、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル等の安定ラジカル化合物のいずれも使用可能である。
[片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物]
本発明の反応性ポリシロキサン化合物の製造に使用される、片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物としては、従来公知の化合物を特に制限なく使用可能であるが、勿論、本発明の目的に応じて新たに合成したものも用いることができる。特に、下記に示したような構造の、片末端に1個のアミノ基を有するポリシロキサン化合物を用いることが好ましい。市場から入手できるものとしては、例えば、官能基当量2500mg/molの片末端アミノ基変性シリコーンオイル(商品名:TSF−4701、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)、官能基当量3000mg/molの片末端アミノ基変性シリコーンオイル(商品名:TSF−4700、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)等が挙げられる。これらの化合物はいずれも、下記に示した構造を有する。なお、官能基当量は、官能基であるアミノ基1モルに結合している主骨格(ポリジメチルシロキサン)の質量を意味する。
Figure 2016074831
[上記式中の、Y1、R3、W及びmは、前記一般式(1)中におけるこれらの記号と同義である。]
[反応]
上記したような片末端に1個のアミノ基を有するポリシロキサン化合物と、先述したような、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物とを用い、5員環環状カーボネート構造(基)とアミノ基とを反応させることで、本発明の反応性ポリシロキサン化合物を得ることができる。上記反応は、例えば、溶剤の存在下或いは非存在下で、40〜200℃の温度で、4〜24時間反応を行うことで、本発明の一般式(1)で表される反応性ポリシロキサン化合物を得ることができる。
上記反応において使用可能な溶剤としては、使用する原料及び得られる化合物に対して不活性な有機溶剤であれば、いずれも使用可能である。好ましいものを例示すると、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
上記した5員環環状カーボネート基とアミノ基との反応は、特に触媒を使用せずに行うことができるが、反応を促進させるために、下記に挙げるような触媒の存在下で行うことも可能である。この際に使用する触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチレンジアミン(DABCO)、ピリジン等の塩基性触媒、テトラブチル錫、ジブチル錫ジラウリレート等のルイス酸触媒等が使用できる。これらの触媒の使用量は、反応に使用する5員環環状カーボネート化合物とアミン化合物の総量(100質量部)に対して、0.01〜10質量部の範囲内とすることが好ましい。
[反応性ポリシロキサン化合物の利用]
上記のようにして得られる本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、分子内に、ポリシロキサンセグメントと、反応性のエチレン性不飽和基(不飽和結合)とを共に有する化合物であり、通常は、流動性を有する液状の物質である。このような構造を有するため、本発明の反応性ポリシロキサン化合物によれば、その構造中に存在する不飽和結合を分子間で、或いは、他の化合物と反応させることができる。また、その構造中に有する水酸基によって、他の材料との相溶性に優れるので、添加剤材料として有用である。特に、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、塗料組成物の材料として用いた場合に、各種の反応性モノマーとの相溶性に優れ、形成される塗膜或いは被膜は改質されて、優れた機能性を示すものとなる。
本発明の反応性ポリシロキサン化合物を本発明の塗料組成物の材料とする場合における、該ポリシロキサン化合物の使用量は、その用途によっても、併用する材料によっても異なるが、塗料組成物中における全被膜形成成分を100質量%とした場合に、該ポリシロキサン化合物の含有量は、0.1〜50質量%程度とすることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、前記した本発明の反応性ポリシロキサン化合物を、形成される塗膜等の改質を目的として必須成分として含有することを特徴とする。本発明の塗料組成物を調製する際に使用されるその他の反応性モノマーや、溶剤、各種添加剤、樹脂成分等は特に限定されない。例えば、本発明の反応性ポリシロキサン化合物を含有してなる光硬化性塗料組成物では、これを基材に塗布した後に、塗布面に、紫外線(UV)や電子線(EB)を照射して光硬化させて塗膜を形成するが、その際に、本発明の反応性ポリシロキサン化合物の構造中の不飽和結合を反応させることができる。この結果、本発明の塗料組成物によって形成された硬化塗膜或いは被膜は、その他の反応性モノマー等の材料との良好な相溶性から均一な良好なものになり、更に、その構造中に存在するポリシロキサンの特徴である、耐溶剤性、撥水性、撥油性、離型性、基材密着性及び耐汚染性(汚染除去性)といった機能を有したものとなる。
本発明の塗料組成物では、本発明の反応性ポリシロキサン化合物を、塗膜或いは被膜の表面状態の改質剤として添加して使用するが、その他、塗膜或いは被膜形成成分として反応性モノマーを含有してなる。これらの反応性モノマーとしては、例えば、下記のものが挙げられる。アクリレート、メタクリレート、ビニル系モノマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のラジカル重合性化合物や、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物が挙げられるが、これらはいずれも使用できる。また、これらの成分は、その分子中の重合性基が単官能でも多官能でも特に制限なく使用することができる。本発明の塗料組成物は、上記に挙げたような反応性モノマーに、塗膜或いは被膜の表面状態の改質剤として本発明の反応性ポリシロキサン化合物を添加してなるが、該反応性ポリシロキサン化合物の有するエチレン性不飽和基は、熱或いは光硬化の際にその他の反応性モノマーと反応し得る。したがって、本発明の反応性ポリシロキサン化合物は、被膜形成成分であるとも言える。
本発明のポリシロキサン化合物を本発明の塗料組成物の材料として使用する場合、必要に応じて添加して使用する溶剤に特に制限はなく、下記に挙げるようなものを適宜に使用できる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤が、好ましい有機溶剤として挙げられる。
また、本発明の反応性ポリシロキサン化合物を本発明の塗料組成物の材料として使用する場合、必要に応じて、下記に挙げるような、光重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤等の各種開始剤を使用することができる。例えば、光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2,4−ジメチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、エチルアントラキノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。また、カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩型化合物、スルホニウム塩型化合物、ヨードニウム塩型化合物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過酸化ベンソイル、メチルエチルケトンペルオキシドなどの有機過酸化物等が挙げられる。これら開始剤の好ましい使用量は、塗料組成物中の全被膜形成成分を100質量%として、0.1〜10質量%程度であり、必要に応じて2種以上を併用して使用することもできる。
更に、本発明の塗料組成物には、保存時の安定性を向上させるために、前述した重合禁止剤を添加することができる。また、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、着色剤などの各種の塗料用添加剤を適宜に添加することもできる。
次に、具体的な合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
(合成例1)(5員環環状カーボネート化合物C−1の製造)
グリシジルメタクリレート(商品名:アクリエステルG、三菱レイヨン製、分子量142.1)100部と、触媒として臭化リチウム(和光純薬製)5.4部と、N−メチル−2−ピロリドン100部とを、撹拌装置及び大気開放口のある還流器を備えた反応容器内に仕込んだ。次いで、撹拌しながら二酸化炭素を連続して吹き込み、100℃にて10時間反応を行った。反応終了後の溶液に、水200部とトルエン200部を添加し、混合した。得られた混合液を分液ロートに移し、分離した水槽(下層)を除去し、その後、同様にして分液ロート中で水50部にて3回の洗浄を行うことにより、反応液から触媒を除去した。洗浄後のトルエン層(上層)から、ロータリーエバポレーターにてトルエンを蒸発留去し、淡黄色の液状物質を得た(収率93%)。
上記で得られた液状物質を、IR(堀場製作所製の赤外分光光度計FT−720にて測定;以下の実施においても同様)にて分析したところ、910cm-1付近の原材料のエポキシ基由来の吸収は消失しており、1800cm-1付近に、原材料には存在し得ないカーボネート基のカルボニル由来の吸収が確認された。図1に、そのIRチャートを示した。また、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、商品名:GC−2014、カラムDB−1)による分析の結果、原材料のグリシジルメタクリレートのピークが消失し、原材料より保持時間の長い新たなピークの出現が確認され、出現したピーク物質は、単純面積百分率法による純度が97%であった。以上のことから、この液状物質は、エポキシ基と二酸化炭素の反応により環状カーボネート基が導入された、下記式で表わされる構造の化合物と確認された。これをC−1と略称した。C−1の化学構造中に、原料として用いた二酸化炭素由来の成分が占める割合を算出したところ、23.6%であった。この値は、化学構造式上の分子量から求めた計算値である。以下の実施例についても、化合物の構造に占める二酸化炭素の量は、すべて同様に算出した。
Figure 2016074831
(合成例2)
分子量約900の片末端水素ポリジメチルシロキサン(商品名:MCR−H07、gelest社製)90g、N,N−ビス(トリメチルシリル)アリルアミンを48.4g、白金1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(3%キシレン溶液)0.03gを仕込み、60℃まで昇温させ2時間の反応を行った。次いで、メタノールの60gを加え、還流条件下で6時間の反応を行った。反応終了後に、メタノール及び未反応のN,N−ビス(トリメチルシリル)アリルアミンを減圧留去し、透明なオイル状物質を得た。このオイル状物質の全アミン価(JIS−K7237)は、58mgKOH/gであった。このことから、この物質は下記構造式で表される片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物と確認され、これをS−1と略称した。なお、上記の製造方法は、特許3666551に記載の方法を利用した。
Figure 2016074831
(実施例1)
合成例1で得たC−1を7.4部、官能基当量2500g/molの片末端アミノ基変性シリコーンオイル(商品名:TSF−4701、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)を100部、トルエンを46部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを0.007部(和光純薬製)、撹拌装置及び大気開放口のある還流器を備えた反応容器内に仕込んだ。次いで、撹拌しながら60℃にて反応を行った。反応の進行はサンプリングした反応液のアミン濃度を中和滴定により確認し、アミン濃度が測定限界以下まで減少した時点で反応を終了した。反応時間は8時間であった。反応後の溶液のIR分析では、1800cm-1付近の環状カーボネートのカルボニル由来のピークは消失しており、1760cm-1付近にウレタン結合のカルボニルに由来する新しいピークが確認された。図2に、そのIRチャートを示した。反応の終了を確認した後に反応容器を減圧し、トルエンを完全に除去し、淡黄色透明な液状の化合物を得た。
得られた化合物の水酸基価(JIS K1557−1)は18.9mgKOH/gであり、GPC測定による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は4300であった。以上のことから、得られた化合物は、ヒドロキシウレタン結合を介し、片末端に不飽和基を含有する、本発明で規定するポリシロキサン化合物であることが確認された。得られた化合物の化学構造中に、反応に使用したC−1由来の二酸化炭素成分が占める割合は、1.6%であった(化学構造式上の分子量からの計算値)。
得られたポリシロキサン化合物を5部、フェノキシエチルメタクリレート(商品名:ライトエステルPO)を30部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名:ライトエステルTMP)を40部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(商品名:ライトエステル1,6HX)を25部(以上、いずれも共栄社化学製)、イルガキュア500の5部(商品名、BASF製)を混合し、塗料を作製した。なお、上記イルガキュア500は、光重合開始剤であり、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔イルガキュア184(商品名、BASF製)と、ベンゾフェノンの1:1の共融混合物〕である。
上記で作製した塗料を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーS10、東レ(株)製)に、バーコーターを用い膜厚が5μmになるように塗布し、塗布面の上方からメタルハライドランプにて積算光量が800mJ/cm2となるように紫外線を照射して、光重合させて硬化被膜を形成し、得られた塗膜を評価用の試料とした。
(実施例2)
合成例1で得たC−1を19.2部、合成例2で得たS−1を100部、トルエン51部、p−メトキシフェノールを0.019部使用した以外は、実施例1と同様の操作により淡黄色透明な液状化合物を得た。
得られた化合物の水酸基価(JIS K1557−1)は47.5mgKOH/gであり、GPC測定による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は1100であった。以上のことから、得られた化合物は、ヒドロキシウレタン結合を介し、片末端に不飽和基を含有する、本発明で規定するポリシロキサン化合物であることが確認された。得られた化合物の化学構造中に、反応に使用したC−1由来の二酸化炭素成分が占める割合は、3.8%であった(化学構造式上の分子量からの計算値)。
実施例1の塗料の作製に用いたポリシロキサン化合物5部に代えて、本実施例のポリシロキサン化合物5部を用いた以外は、実施例1と同様の配合組成により、本実施例の塗料を作製した。そして、作製した塗料を、実施例1と同様に100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに5μm厚になるように塗布し、紫外線を照射して硬化させ、評価用の試料を作製した。
(比較例1)
実施例1で調製し、実施例1の塗料の作製に用いた本発明で規定するポリシロキサン化合物5部に代えて、官能基当量2300g/molのメタクリル変性反応性シリコーンオイル5部(商品名:X22−174BX、信越化学工業製)を用いた以外は実施例1と同様の配合組成により、本比較例の塗料を作製した。そして、作製した塗料を、実施例1と同様に100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに5μm厚になるように塗布し、紫外線を照射して硬化させ、評価用の試料を作製した。しかし、得られた試料の塗膜の表面状態は、不均一に成分が分離した状態であり、且つ、表面にベトつきがある状態で、形成された塗膜は、硬化が不十分であった。このように、その基本的特性である硬化が不十分と判断されたことから、耐溶剤性の評価以外の塗膜の評価は実施しなかった。
(比較例2)
2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI、昭和電工製)を5.5部、水酸基価20mgKOH/gの反応性シリコーンオイル(商品名:X22−170BX、信越化学工業製)を100部、トルエンを100部、触媒として、ジブチルスズジラウレート(共同薬品株性)を0.05部、撹拌装置及び大気開放口のある還流器を備えた反応容器内に仕込んだ。そして、反応容器内を撹拌しながら、80℃にてIRを測定しながらイソシアネートがなくなるまで反応を実施した。反応時間は6時間であった。反応容器を減圧しトルエンを完全に除去して、本比較例の、淡黄色透明な液状の化合物を得た。この化合物は、シリコーン末端にウレタン結合を介してメタクリル基が導入された、反応性ポリシロキサン化合物である。
実施例1で調製し、実施例1の塗料の作製に用いた本発明で規定するポリシロキサン化合物5部に代えて、上記で得られた反応性ポリシロキサン化合物5部を使用した以外は、実施例1と同様の配合組成により、本比較例の塗料を作製した。そして、作製した塗料を用い、実施例1と同様に、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに5μm厚になるように塗布し、紫外線を照射して硬化させ、評価用の試料を作製した。しかし、比較例1の塗料の場合と同様に、この試料の塗膜表面状態は、不均一に成分が分離した状態であり、且つ、表面にベトつきがある硬化が不十分な状態であったため、耐溶剤性の評価以外の塗膜の評価は実施しなかった。
(比較例3)
2−イソシアナトエチルメタクリレート(商品名:カレンズMOI、昭和電工製)を9.7部、水酸基価35mgKOH/gの両末端カルビノール変性反応性シリコーンオイル(商品名:KF−6002、信越化学工業製)を100部、トルエン100部、触媒としてジブチルスズジラウレート(共同薬品株性)を0.05部、使用して比較例2と同様に反応させ、本比較例のポリシロキサン化合物を得た。この化合物は、シリコーン両末端にウレタン結合を介してメタクリル基が導入された反応性ポリシロキサン化合物である。
実施例1で調製し、実施例1の塗料の作製に用いた本発明で規定するポリシロキサン化合物5部に代えて、上記で得られたポリシロキサン化合物5部を使用した以外は、実施例1と同様の配合組成により、本比較例の塗料を作製した。そして、作製した塗料を用い、実施例1と同様に、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに5μm厚になるように塗布し、紫外線を照射して硬化させて塗膜を形成し、評価用の試料を作製した。
(評価)
上記の実施例及び比較例で得られた各塗膜の評価用の試料を用い、以下の項目について、下記の評価基準で評価した。表1に、評価結果をまとめて示した。
[耐溶剤性]
形成された各塗膜の溶剤に対する硬化状態を確認するため、メチルエチルケトン(MEK)及び酢酸エチル(EAc)の2種類の溶剤をそれぞれに用い、下記の条件下でラビング試験を行って評価した。試験は、荷重500g×10往復の条件で行い、ラビング試験後の塗膜表面を目視で評価し判定した。
<評価基準>
○:いずれの溶剤においても塗膜に変化は見られなかった。
×:塗膜の溶解や剥がれが確認された。
[撥水性]
各塗膜表面の20℃における水の接触角を測定し、得られた測定値を用い、以下の基準で4段階に評価した。
<評価基準>
◎:105°以上
○:95°以上105°未満
△:85°以上95°未満
×:85°未満
[撥油性]
各塗膜表面の20℃におけるn−ドデカンの接触角を測定し、得られた測定値を用い、以下の基準で3段階に評価した。
<評価基準>
○:20°以上
△:5°以上20°未満
×:5°未満
[離型性]
各塗膜に24mm幅のセロハンテープを貼り付けて、180°剥離における剥離強度を測定した。剥離強度が弱い物を離型性が良好であるとし、以下の基準により、3段階で評価した。
<評価基準>
○:剥離強度 5g未満
△:剥離強度 5g以上〜50g未満
×:剥離強度 50g以上
[基材密着性]
基材を含む硬化塗膜を3cm×3cmに切り取った物を評価試料とした。試料の中央部を、塗布面を上とし反対側に180度に折り目が付くまで折り曲げ、目視にて塗膜の状態を観察した。そして、以下の基準で、3段階に評価した。
<評価基準>
○:塗膜の割れや剥がれは確認できない。
△:塗膜は剥がれていないが折り曲げ部に亀裂が発生している。
×:塗膜の一部が剥がれ落ちた。
[汚染除去性]
塗膜に黒マジック(マジックインキ No.500)で線を引き、5分間放置した後、乾いたティッシュペーパーにて拭き取りを行い、インクの残り具合を目視で観察し、下記の基準で、3段階に評価した。
<評価基準>
○:インクが完全に除去できる。
△:インクの大部分を除去できるが跡が残る。
×:インクが除去できない。
[環境対応性]
以下の基準により、塗膜を形成している成分の環境対応性を3段階で評価した。
<評価基準>
○:原材料の一部が二酸化炭素であり、且つ、有機錫触媒を使用していない。
△:原材料の一部が二酸化炭素であるか、有機錫触媒を使用していないか、のどちらかの条件を満たしている。
×:原材料に二酸化炭素を使用しておらず、有機錫触媒を使用している。
Figure 2016074831
表1から明らかなように、実施例の本発明で規定する反応性ポリシロキサン化合物は、比較例の反応性化合物と比較して、疎水性が改質され、一般的なアクリレート材料との相溶性が良好なとなり、紫外線を照射することで、均一な塗膜を形成することが可能な紫外線硬化型塗料を作製することができることが確認された。これは、本発明の反応性ポリシロキサン化合物の有するポリシロキサン鎖と不飽和結合(エチレン性不飽和基)の間に、ヒドロキシウレタン結合が導入されていることによる効果といえる。
また、得られた実施例の塗膜の表面特性は、表1に示されているように、ポリシロキサン化合物の特徴である、耐溶剤性、撥水性、撥油性、離型性、基材密着性及び耐汚染性(汚染除去性)に優れていた。その理由は、ポリシロキサン鎖の根元に導入された水酸基が、ポリシロキサン鎖と反発することで、ポリシロキサン鎖の表面への配向が促進されたものと考えらえる。
一方、ポリシロキサンの片末端に直接アクリル基が導入されている比較例1の化合物や、ポリシロキサン鎖の片末端に水酸基を有さないウレタン結合を介してアクリル基を導入した比較例2の化合物は、例示したように、光重合性塗料に添加した場合に、これらのポリシロキサン化合物と他のアクリルモノマーとの相溶性が悪く、均一な塗膜を形成することができなかった。また、ポリシロキサン鎖の両末端に水酸基を有さないウレタン結合を介してアクリル基(不飽和基)を導入した比較例3の化合物では、他のアクリルモノマーとの相溶性は改善され、均一な塗膜形成は可能であったが、表1に示したように、形成された塗膜の表面特性は、実施例1には及ばない結果となった。その理由は、比較例3の構造の化合物を用いた場合は、ポリシロキサン鎖の樹脂マトリクス中での自由度が低く、実施例1の場合と異なり、表面への配向がしにくくなったためと考えられる。
更に、本発明のポリシロキサン化合物は、二酸化炭素を原材料の一部に使用して製造することが可能であり、安全性に課題のある有機錫触媒等も使用せずに製造が可能であることから、比較例である従来の製造方法で得られる反応性ポリシロキサン化合物と比較し、優れた環境対応性を有している。
以上のように、本発明の活用例としては、従来の技術では得られなかったポリシロキサン化合物を、塗膜或いは被膜の表面状態の改質剤として用いることで、その材料選択の範囲が広範なものとなり、しかも、耐溶剤性、撥水性、撥油性、離型性、基材密着性及び耐汚染性を合わせ持つ、機能性に優れた硬化塗膜を形成できる塗料を提供することが挙げられ、その利用が期待される。更に、本発明は、環境対応性に優れた技術であり、地球環境保全の立場から有効な、既存の反応性ポリシロキサン化合物の代替としての利用が期待される。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される、ヒドロキシウレタン結合を介し、片末端にエチレン性不飽和基を有するポリシロキサン化合物であることを特徴とする反応性ポリシロキサン化合物。
    Figure 2016074831
    [一般式(1)中、mは0〜300のいずれかの整数であり、X1は、水酸基とウレタン結合を有する下記式(2)〜(5)から選ばれるいずれかのヒドロキシウレタン結合であり、Zは、ないか、−CH2−O−、−O−、−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)、−CO−O−、−CO−O−(CH2)n−O−(但し、nは1〜10の整数)から選ばれるいずれかである。また、R1及びR2は、それぞれCH3又はHであり、同一であっても異なっていてもよく、R3は、CH3又は式(6)の基であり、同一であっても異なっていてもよい。また、Y1は、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造を含んでいてもよい、炭素数1〜30の、アルキレン基又はアリーレン基又は繰り返し単位1〜300のポリエチレングリコール鎖である。Wは、炭素数1〜30のアルコキシ基、或いは、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造を含んでいてもよい、炭素数1〜30のアルキル基又はアリール基である。]
    Figure 2016074831
    [式(2)中、R4は、H又はCH3である。]
    Figure 2016074831
    [式(3)中、R4は、H又はCH3である。]
    Figure 2016074831
    Figure 2016074831
    Figure 2016074831
    [式(6)中、mは0〜300のいずれかの整数であり、Wは、炭素数1〜30のアルコキシ基、或いは、構造中に、O、S又はNのいずれかの元素或いは環状構造を含んでいてもよい、炭素数1〜30の、アルキル基又はアリール基である。]
  2. 片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物と、片末端にエチレン性不飽和基を有する、エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物とを反応させて得られた請求項1に記載の反応性ポリシロキサン化合物。
  3. 前記エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物が、1個のエチレン性不飽和基と、1個の5員環環状カーボネート構造とを有する、下記の一般式(7)又は一般式(8)で示される化合物である請求項2に記載の反応性ポリシロキサン化合物。
    Figure 2016074831
    Figure 2016074831
    [一般式(7)及び(8)中の、R1、R2及びZは、前記一般式(1)中におけるこれらの記号と同義であり、一般式(7)中のR4は、H又はCH3である。]
  4. 前記片末端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物が、下記の式で示される化合物である請求項2又は3に記載の反応性ポリシロキサン化合物。
    Figure 2016074831
    [上記式中の、Y1、R3、W及びmは、前記一般式(1)中におけるこれらの記号と同義である。]
  5. 前記エチレン性不飽和基及び5員環環状カーボネート構造の両方を有する化合物の、5員環環状カーボネート構造部が、エポキシ基と二酸化炭素から合成されたものである請求項2〜4のいずれか1項に記載の反応性ポリシロキサン化合物。
  6. 全質量のうちの0.1〜10質量%が、二酸化炭素由来の−O−CO−結合から構成されたものである請求項5に記載の反応性ポリシロキサン化合物。
  7. 水酸基価が5〜100mgKOH/gの範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載の反応性ポリシロキサン化合物。
  8. 塗膜或いは被膜の表面状態の改質剤として、請求項1〜7のいずれか1項に記載の反応性ポリシロキサン化合物を含有してなることを特徴とする塗料組成物。
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