JP2017052737A - 片末端アミノシリコーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
簡便に高純度の片末端アミノシリコーンを製造する方法、並びに使用される出発化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】
下記一般式[III]で表される片末端アミノシリコーンの製造方法であって、
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6NH2 [III]
(式中、mは1〜200の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基である)
下記式[II]で表される化合物を
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6N(SiR3)2 [II]
(式中、m、R’、及びRは上記の通りである)
脱シリル化反応させることで上記一般式[III]で表される片末端アミノシリコーンを得る工程を含む、前記製造方法。
【選択図】なし
Description
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6NH2
(ここでmは1〜200の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基である)
で表される片末端アミノシリコーンを工場スケールで安価に製造する方法を提供することを目的とする。
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6NH2 [III]
(式中、mは1〜200の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基である)
下記式[II]で表される化合物を
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6N(SiR3)2 [II]
(式中、m、R’、及びRは上記の通りである)
脱シリル化反応させることで上記一般式[III]で表される片末端アミノシリコーンを得る工程を含む、前記製造方法である。
本発明は下記一般式[III]で表される片末端アミノシリコーンの製造方法を提供する。
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6NH2 [III]
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6N(SiR3)2 [II]
(式中、R’、m及びRは上記の通りである)
本発明はさらに、上記式[II]で表される片末端アミノシリコーン前駆体を製造する方法を提供する。上記式[II]で表される片末端アミノシリコーン前駆体は、下記一般式[I]で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサンと
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiH [I]
(式中、m、R’、及びRは上記の通りである)
下記式[IV]で表されるビストリC1〜10アルキルシリルアリルアミンとを付加反応させて得ることができる。
CH2=CHCH2N(SiR3)2 [IV]
該工程により上記一般式[II]で表される化合物を容易にかつ高純度で製造することが出来る。
また純度は以下測定法で得られたものである。
片末端アミノシリコーン純度測定法(GC法)
ガスクロマトグラフ測定には、Agilent社ガスクロマトグラフィー(FID検出器)を使用した。
キャピラリーカラム:J&W社HP−5MS(0.25mm×30m×0.25μm)
昇温プログラム:50℃(5分)→10℃/分→250℃(保持)
注入口温度250℃、検出器温度FID300℃
キャリアガス:ヘリウム(1.0ml/分)
スプリット比:50:1 注入量:1μL
また、下記実施例において、目的化合物のシロキサン結合が切断されているか否かをGPC測定により確認した。GPC測定は、下記の条件で行った。
測定装置:東ソー HLC−8220
測定条件:
カラム温度:40℃
流速:0.6ml/min
移動相:THF
カラム構成:
TSK gel Super H2500 (6*150)
TSK gel Super HM-N (6*150)
※ガードカラム TSK gel guardcolumn Super H-H (4.6*35)
注入量:50μl
サンプル濃度:0.3%
検出器:RI
下記において、Buはブチル基を、Meはメチル基を意味する。
片末端アミノシリコーン前駆体の合成
下記式(1)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン412g(1mol)、
BuMe2SiO(Me2SiO)3Me2SiH (1)
及び、脱水トルエン412gを、ジムロート、温度計、及び滴下ロートを付けた攪拌可能な2Lフラスコに仕込み80℃まで昇温した。該フラスコに塩化白金酸重曹中和物・1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5wt%)を4.0g投入した。次いでビストリメチルシリルアリルアミン241g(1.2mol)を滴下ロートに仕込み、80〜90℃で1時間かけて前記フラスコ内に滴下した。滴下後、80〜90℃にて2時間熟成した。熟成後、反応液をサンプリングし、アルカリによる水素ガス発生の有無を確認したところ、水素ガスは発生せず、片末端ハイドロジェンポリシロキサンが残存していないことを確認した。トルエンと過剰量のビストリメチルシリルアリルアミンを内温130℃で減圧留去したところ、淡黄色透明な生成物603gを得た。1H−NMR分析より下記式(2)で表される片末端アミノシリコーン前駆体であることが確認された(0.98mol、収率98%)。GC測定による該化合物の純度は98.1%だった。
BuMe2SiO(Me2SiO)3Me2SiC3H6N(SiMe3)2 (2)
図1に1H−NMRデータを記載する。
片末端アミノシリコーンの合成
上記実施例1で得られた片末端アミノシリコーン前駆体306g(0.5mol)、溶剤イソプロピルアルコール306g、及びトリフロロ酢酸1.5gをジムロート、温度計を付けた、攪拌可能な1Lフラスコに仕込み、70℃で3時間反応させた。GC測定上で式(2)で表される片末端アミノシリコーン前駆体がほぼ消失したこと、及び、片末端アミノシリコーンのピークを確認した。反応率は99%以上であった。フラスコを室温まで冷却し、キョーワード(登録商標)500(協和化学工業株式会社製)を9g投入し、1時間攪拌後、反応液を濾過した。濾液から溶剤イソプロピルアルコールを内温130℃まで減圧留去し、淡黄色透明な生成物215gを得た。1H−NMR分析により下記式(3)で表される片末端アミノシリコーンであることを確認した(0.46mol、収率92%)。GC測定による該化合物の純度は92.8%だった。また該化合物のGPCを測定したところシロキサン結合の切断は見られなかった。
BuMe2SiO(Me2SiO)3Me2SiC3H6NH2 (3)
片末端アミノシリコーン前駆体の合成
下記式(4)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン482g(0.2mol)、
BuMe2SiO(Me2SiO)30Me2SiH (4)
及び、脱水トルエン482gを、ジムロート、温度計、及び滴下ロートを付けた、攪拌可能な2Lフラスコに仕込み、80℃まで昇温した。塩化白金酸の重曹中和物・1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)2.0gを該フラスコに投入した。次いでビストリメチルシリルアリルアミン48.2g(0.24mol)を滴下ロートに仕込み、80〜90℃で30分間かけて該フラスコ内に滴下した。滴下後、80〜90℃で2時間熟成した。熟成後、反応液をサンプリングし、アルカリによる水素ガス発生の有無を確認したところ、水素ガスは発生せず、片末端ハイドロジェンポリシロキサンが残存していないことを確認した。トルエンと過剰量のビストリメチルシリルアリルアミンを内温130℃で減圧留去したところ、淡黄色透明な生成物470gを得た。1H−NMR分析より下記式(5)で表される片末端アミノシリコーン前駆体であることが確認された(0.18mol、収率90%)。GPCデータを、図2−1および図2−2として添付する。
BuMe2SiO(Me2SiO)30Me2SiC3H6N(SiMe3)2 (5)
片末端アミノシリコーンの合成
上記実施例3で得られた片末端アミノシリコーン前駆体261g(0.1mol)、イソプロピルアルコール261g、及びトリフロロ酢酸1.3gをジムロート、及び温度計を付けた、攪拌可能な1Lフラスコに仕込み、70℃で3時間反応した。GC測定にてトリメチルシリル化イソプロピルアルコールのピークが確認された。イソプロピルアルコールとトリメチルシリル化イソプロピルアルコールとの面積比より、脱シリル化反応の完結が確認された。また、反応完結は1H−NMRでも確認された。フラスコ内容物を室温まで冷却し、キョーワード(登録商標)500(協和化学工業株式会社製)を7.8g投入し、1時間攪拌後、反応液を濾過した。濾液からイソプロピルアルコールを内温130℃まで減圧留去し、淡黄色透明な生成物212gを得た。1H−NMR分析により下記式(6)で表される片末端アミノシリコーンであることを確認した(0.09mol、収率90%)。該化合物のGPCを測定したところシロキサン結合の切断は見られなかった。GPCデータを、図3−1および図3−2として添付する。
BuMe2SiO(Me2SiO)30Me2SiC3H6NH2 (6)
片末端アミノシリコーン前駆体の合成
下記式(4)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン482g(0.2mol)、
BuMe2SiO(Me2SiO)30Me2SiH (4)
及び、脱水トルエン482gを、ジムロート、温度計、及び滴下ロートを付けた、攪拌可能な2Lフラスコに仕込み、80℃まで昇温した。塩化白金酸の重曹中和物・1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)2.0gを該フラスコに投入した。次いでビストリメチルシリルアリルアミン48.2g(0.24mol)を滴下ロートに仕込み、80〜90℃で30分間かけて該フラスコ内に滴下した。滴下後、80〜90℃で2時間熟成した。熟成後、反応液をサンプリングし、アルカリによる水素ガス発生の有無を確認したところ、水素ガスは発生せず、片末端ハイドロジェンポリシロキサンが残存していないことを確認した。トルエンと過剰量のビストリメチルシリルアリルアミンを内温130℃で減圧留去したところ、淡黄色透明な生成物470gを得た。1H−NMR分析より下記式(5)で表される片末端アミノシリコーン前駆体であることが確認された(0.18mol、収率90%)。GPCデータを、図2−1として添付する。
BuMe2SiO(Me2SiO)30Me2SiC3H6N(SiMe3)2 (5)
片末端アミノシリコーンの合成
上記実施例3で得られた片末端アミノシリコーン前駆体261g(0.1mol)、イソプロピルアルコール261g、及びトリフロロ酢酸1.3gをジムロート、及び温度計を付けた、攪拌可能な1Lフラスコに仕込み、70℃で3時間反応した。GC測定にてトリメチルシリル化イソプロピルアルコールのピークが確認された。イソプロピルアルコールとトリメチルシリル化イソプロピルアルコールとの面積比より、脱シリル化反応の完結が確認された。また、反応完結は1H−NMRでも確認された。フラスコ内容物を室温まで冷却し、キョーワード(登録商標)500(協和化学工業株式会社製)を7.8g投入し、1時間攪拌後、反応液を濾過した。濾液からイソプロピルアルコールを内温130℃まで減圧留去し、淡黄色透明な生成物212gを得た。1H−NMR分析により下記式(6)で表される片末端アミノシリコーンであることを確認した(0.09mol、収率90%)。該化合物のGPCを測定したところシロキサン結合の切断は見られなかった。GPCデータを、図3−1として添付する。
BuMe2SiO(Me2SiO)30Me2SiC3H6NH2 (6)
Claims (4)
- 下記一般式[III]で表される片末端アミノシリコーンの製造方法であって、
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6NH2 [III]
(式中、mは1〜200の整数であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基である)
下記式[II]で表される化合物を
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiC3H6N(SiR3)2 [II]
(式中、m、R’、及びRは上記の通りである)
脱シリル化反応させることで上記一般式[III]で表される片末端アミノシリコーンを得る工程を含む、前記製造方法。 - 下記一般式[I]で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサンと
R’R2SiO(R2SiO)mR2SiH [I]
(式中、m、R’、及びRは上記の通りである)
ビストリC1〜10アルキルシリルアリルアミンを付加反応させて、前記式[II]で表される化合物を製造する工程を、上記脱シリル化反応の工程の前に含む、請求項1記載の製造方法。 - 脱シリル化反応をアルコール存在下で行う、請求項1又は2記載の製造方法。
- 脱シリル化反応を酸触媒存在下で行う、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
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