JP7008470B2 - 逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システム - Google Patents

逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システム Download PDF

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Description

本発明は、逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムに関する。
従来から、工業用水や市水等の被処理水を逆浸透膜(RO膜)で処理して、透過水(処理水)と濃縮水とを得る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムが知られている。
逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理においては、スライム抑制を目的として、各種の塩素系酸化剤や臭素系酸化剤を逆浸透膜の被処理水(供給水)中に存在させる方法が知られている。塩素系酸化剤としては、次亜塩素酸や、安定化次亜塩素酸組成物等が知られ、臭素系酸化剤としては、次亜塩素酸等の酸化剤と臭化物イオンとの反応物や、次亜臭素酸、または安定化次亜臭素酸組成物(特許文献1参照)等が知られている。
ポリアミド系の逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理において、これらの塩素系酸化剤や臭素系酸化剤を用いると、殺菌剤の影響により逆浸透膜の透過水量を低下させてしまうことがある。
特開2015-062889号公報
本発明の目的は、ポリアミド系の逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理において、殺菌剤としてハロゲン系酸化剤を用いても、逆浸透膜の透過水量の低下を抑制することができる、逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムを提供することにある。
本発明は、1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍以上である被処理水に2価カチオンを添加することによって、前記被処理水中の1価カチオンの総量を2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満とする2価カチオン添加工程と、前記2価カチオンを添加した被処理水にハロゲン系酸化剤を含む殺菌剤を添加する殺菌剤添加工程と前記殺菌剤を添加した殺菌剤含有水について、ポリアミド系の逆浸透膜を用いて逆浸透膜処理する逆浸透膜処理工程と、を含、逆浸透膜処理方法である。
前記逆浸透膜処理方法において、前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定するイオン量測定工程をさらに含み、前記2価カチオン添加工程において、前記測定した前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量に基づいて前記2価カチオンを添加することが好ましい。
前記逆浸透膜処理方法において、前記逆浸透膜処理工程における前記殺菌剤含有水のpHが4~8の範囲であることが好ましい。
前記逆浸透膜処理方法において、前記1価カチオンが、ナトリウムイオンを含むことが好ましい。
前記逆浸透膜処理方法において、前記2価カチオンが、カルシウムイオンを含むことが好ましい。
前記逆浸透膜処理方法において、前記ハロゲン系酸化剤が、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物であることが好ましい。
また、本発明は、1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍以上である被処理水に2価カチオンを添加することによって、前記被処理水中の1価カチオンの総量を2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満とする2価カチオン添加手段と、前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定するイオン量測定手段と、前記2価カチオンを添加した被処理水にハロゲン系酸化剤を含む殺菌剤を添加する殺菌剤添加手段と前記殺菌剤を添加した殺菌剤含有水について、ポリアミド系の逆浸透膜を用いて逆浸透膜処理する逆浸透膜処理手段と、を備え、前記2価カチオン添加手段は、前記測定した前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量に基づいて前記2価カチオンを添加する、逆浸透膜処理システムである。
前記逆浸透膜処理システムにおいて、前記逆浸透膜処理手段における前記殺菌剤含有水のpHが4~8の範囲であることが好ましい。
前記逆浸透膜処理システムにおいて、前記1価カチオンが、ナトリウムイオンを含むことが好ましい。
前記逆浸透膜処理システムにおいて、前記2価カチオンが、カルシウムイオンを含むことが好ましい。
前記逆浸透膜処理システムにおいて、前記ハロゲン系酸化剤が、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物であることが好ましい。
本発明により、ポリアミド系の逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理において、殺菌剤としてハロゲン系酸化剤を用いても、逆浸透膜の透過水量の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理システムの他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理システムの他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理システムの他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システム>
本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理システムの一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
図1に示す逆浸透膜処理システム1は、逆浸透膜処理手段として、ポリアミド系の逆浸透膜を有する逆浸透膜処理装置12を備える。逆浸透膜処理システム1は、被処理水を貯留するための被処理水槽10を備えてもよい。逆浸透膜処理システム1は、被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定するイオン量測定手段として、イオン量測定装置24を備えることが好ましい。
逆浸透膜処理システム1において、被処理水槽10の入口には、被処理水配管14が接続されている。被処理水槽10の出口と、逆浸透膜処理装置12の入口とは、被処理水供給配管16により接続されている。逆浸透膜処理装置12の透過水出口には、透過水配管18が接続され、濃縮水出口には、濃縮水配管20が接続されている。被処理水槽10には、殺菌剤添加手段として殺菌剤添加配管22が接続されている。また、被処理水槽10には、イオン量測定装置24が設置されている。イオン量測定装置24は、被処理水配管14や、濃縮水配管20に設置されていてもよい。また、被処理水槽10、逆浸透膜処理装置12、被処理水配管14、被処理水供給配管16および濃縮水配管20のうち少なくとも1つに殺菌剤濃度検出手段として殺菌剤濃度測定装置が設置されていてもよい。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システム1の動作について説明する。
逆浸透膜処理システム1において、被処理水は、被処理水配管14を通して、必要に応じて被処理水槽10に送液され、貯留される。被処理水槽10において、被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量が測定される(イオン量測定工程)。次に、被処理水槽10において、被処理水中に、ハロゲン系酸化剤を含む殺菌剤が殺菌剤添加配管22を通して添加され、殺菌剤を存在させる(殺菌剤添加工程)。殺菌剤は、被処理水配管14において添加されてもよいし、図2に示す逆浸透膜処理システム3のように被処理水供給配管16において添加されてもよい。
殺菌剤を存在させた殺菌剤含有水は、被処理水供給配管16を通して、逆浸透膜処理装置12に供給され、逆浸透膜処理装置12において、逆浸透膜処理が行われる(逆浸透膜処理工程)。逆浸透膜処理で得られた透過水は、処理水として透過水配管18を通して排出され、濃縮水は濃縮水配管20を通して排出される。
本発明者らは検討を重ねた結果、被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満であることにより、ポリアミド系の逆浸透膜を用いる水処理において、殺菌剤としてハロゲン系酸化剤を用いても、逆浸透膜の透過水量の低下を抑制することができることを見出した。1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満である被処理水に対してハロゲン系酸化剤を添加することで、ハロゲン系酸化剤による透過水量の低下を抑制しながら逆浸透膜処理システムを運転することができる。
ポリアミド系の逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理において、殺菌剤としてハロゲン系酸化剤を用いると、ポリアミド系の逆浸透膜のポリアミド構造の一部が塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子に置換されて膜の構造変化が起こることにより、透過水量が低下すると考えられる。しかし、被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満であると、ハロゲン系酸化剤により生じる膜の構造変化が2価カチオンにより阻害されて、透過水量の低下が抑制されると推定される。
被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満であることにより、逆浸透膜の透過水量の低下を抑制することができるが、被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で2倍以下であることが好ましく、1倍以下であることがより好ましい。なお、「被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満である」とは、被処理水中に1価カチオンが含まれない場合も含む。
被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍以上である場合には、被処理水に2価カチオンを添加することによって、1価カチオンの総量を2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満にすればよい。
図3に示す逆浸透膜処理システム5は、逆浸透膜処理手段として、ポリアミド系の逆浸透膜を有する逆浸透膜処理装置12と、被処理水に2価カチオンを添加する2価カチオン添加手段として、2価カチオン添加配管26とを備える。逆浸透膜処理システム5は、被処理水を貯留するための被処理水槽10を備えてもよい。逆浸透膜処理システム5は、被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定するイオン量測定手段として、イオン量測定装置24を備えることが好ましい。2価カチオン添加配管26の設置位置は、イオン量測定装置24と同じ槽、またはイオン量測定装置24よりも上流側であればよく、特に限定されない。例えば、被処理水槽10において2価カチオンを添加し、そのイオン量を被処理水供給配管16または濃縮水配管20で測定してもよい。また、逆浸透膜処理システム5は、pH測定手段としてpH測定装置を備えてもよい。pH測定手段の設置位置は、2価カチオン添加配管26および殺菌剤添加配管22の下流側であればよく、特に限定されない。2価カチオンを水酸化物として添加する場合、2価カチオンの添加とともにpH調整を行うことができるため、pH測定装置を備えることが好ましい。
逆浸透膜処理システム5において、被処理水槽10の入口には、被処理水配管14が接続されている。被処理水槽10の出口と、逆浸透膜処理装置12の入口とは、被処理水供給配管16により接続されている。逆浸透膜処理装置12の透過水出口には、透過水配管18が接続され、濃縮水出口には、濃縮水配管20が接続されている。被処理水槽10には、殺菌剤添加手段として殺菌剤添加配管22および2価カチオン添加配管26が接続されている。また、被処理水槽10には、イオン量測定装置24が設置されている。
逆浸透膜処理システム5において、被処理水は、被処理水配管14を通して、必要に応じて被処理水槽10に送液され、貯留される。被処理水槽10において、被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量が測定される(イオン量測定工程)。被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍以上である場合には、被処理水槽10において、被処理水中に2価カチオンが2価カチオン添加配管26を通して添加され、被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満にされる(2価カチオン添加工程)。次に、ハロゲン系酸化剤を含む殺菌剤が殺菌剤添加配管22を通して添加され、殺菌剤を存在させる(殺菌剤添加工程)。殺菌剤は、図4に示す逆浸透膜処理システム7のように被処理水供給配管16において添加されてもよい。
殺菌剤を存在させた殺菌剤含有水は、被処理水供給配管16を通して、逆浸透膜処理装置12に供給され、逆浸透膜処理装置12において、逆浸透膜処理が行われる(逆浸透膜処理工程)。逆浸透膜処理で得られた透過水は、処理水として透過水配管18を通して排出され、濃縮水は濃縮水配管20を通して排出される。
1価カチオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、ナトリウムイオンを含むことが好ましい。
2価カチオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の硬度成分等が挙げられ、カルシウムイオンを含むことが好ましい。
被処理水中の1価カチオンの含有量は、例えば、0.1~15000mg/Lの範囲であり、好ましくは、1~2000mg/Lの範囲である。
被処理水中の2価カチオンの含有量は、例えば、0.04~7000mg/Lの範囲であり、好ましくは、0.4~1000mg/Lの範囲である。
2価カチオンの添加形態は特に限定されないが、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等の2価の無機塩を必要に応じて水溶化させたものを用いることができる。2価の無機塩として水酸化物を用いると、2価カチオンの添加とともにpH調整を行うことができるため、pH調整が必要な場合は好適に用いることができる。
イオン量測定装置24としては、被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定することができるものであればよく、特に制限はないが、例えば、イオンクロマト装置、原子吸光分析装置等が挙げられ、分析の簡便さ等の点からイオンクロマト装置が好ましい。イオン量測定装置24によるイオン量の測定は、常時行ってもよいし、定期的に行ってもよいし、非定期的に行ってもよい。
ハロゲン系酸化剤としては、塩素、臭素等のハロゲンを含有し、酸化作用があるものであればよく、特に制限はないが、例えば、塩素系酸化剤、臭素系酸化剤、安定化次亜塩素酸組成物、安定化次亜臭素酸組成物等が挙げられる。
塩素系酸化剤としては、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸またはその塩、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩等が挙げられる。これらのうち、塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム等の次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウム等の亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケル等の他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム等の塩素酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩素系酸化剤としては、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
臭素系酸化剤としては、臭素(液体臭素)、塩化臭素、臭素酸、臭素酸塩、次亜臭素酸等が挙げられる。次亜臭素酸は、臭化ナトリウム等の臭化物と次亜塩素酸等の塩素系酸化剤とを反応させて生成させたものであってもよい。
安定化次亜塩素酸組成物は、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含むものである。「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜塩素酸組成物」は、「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜塩素酸組成物であってもよいし、「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜塩素酸組成物であってもよい。
安定化次亜臭素酸組成物は、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含むものである。「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物」は、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜臭素酸組成物であってもよいし、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜臭素酸組成物であってもよい。
ハロゲン系酸化剤としては、これらのうち、安定化次亜塩素酸組成物または安定化次亜臭素酸組成物が好ましく、安定化次亜臭素酸組成物がより好ましい。安定化次亜塩素酸組成物または安定化次亜臭素酸組成物、特に安定化次亜臭素酸組成物は、次亜塩素酸等の塩素系酸化剤と同等以上のスライム抑制効果を発揮するにも関わらず、塩素系酸化剤と比較すると、逆浸透膜への劣化影響が低いため、逆浸透膜でのファウリングを抑制しながら、逆浸透膜の酸化劣化を抑制できる。このため、本実施形態に係る逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムで用いられる安定化次亜塩素酸組成物または安定化次亜臭素酸組成物、特に安定化次亜臭素酸組成物は、被処理水を逆浸透膜で処理する逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムで用いるスライム抑制剤としては好適である。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムにおいて、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物」は、塩素系酸化剤が存在しないため、逆浸透膜への劣化影響がより低い。塩素系酸化剤を含む場合は、塩素酸の生成が懸念される。
すなわち、本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムでは、好ましくは、被処理水中に、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を存在させる。これにより、被処理水中で、安定化次亜臭素酸組成物が生成すると考えられる。
また、本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムでは、好ましくは、被処理水中に、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させる。
具体的には本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムでは、好ましくは、被処理水中に、「臭素」、「塩化臭素」、「次亜臭素酸」または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物」と、「スルファミン酸化合物」との混合物を存在させる。
また、本発明の実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムでは、好ましくは、被処理水中に、例えば、「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「次亜臭素酸とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させる。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムでは、例えば、被処理水中に、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とを薬注ポンプ等により注入してもよい。「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とは別々に被処理水に添加してもよく、または、原液同士で混合させてから被処理水に添加してもよい。
また、例えば、被処理水中に、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を薬注ポンプ等により注入してもよい。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムにおいて、「臭素系酸化剤」または「塩素系酸化剤」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比は、1以上であることが好ましく、1以上2以下の範囲であることがより好ましい。「臭素系酸化剤」または「塩素系酸化剤」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比が1未満であると、逆浸透膜を劣化させる可能性があり、2を超えると、製造コストが増加する場合がある。
逆浸透膜に接触するハロゲン系酸化剤の濃度(全塩素濃度)は有効塩素濃度換算で、0.01~100mg/Lの範囲であることが好ましい。逆浸透膜に接触するハロゲン系酸化剤の濃度(全塩素濃度)が0.01mg/L未満であると、十分なスライム抑制効果を得ることができない場合があり、100mg/Lより多いと、逆浸透膜の劣化、配管等の腐食を引き起こす可能性がある。
臭素化合物としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウムおよび臭化水素酸等が挙げられる。これらのうち、製剤コスト等の点から、臭化ナトリウムが好ましい。
スルファミン酸化合物は、以下の一般式(1)で示される化合物である。
NSOH (1)
(式中、Rは独立して水素原子または炭素数1~8のアルキル基である。)
スルファミン酸化合物としては、例えば、2個のR基の両方が水素原子であるスルファミン酸(アミド硫酸)の他に、N-メチルスルファミン酸、N-エチルスルファミン酸、N-プロピルスルファミン酸、N-イソプロピルスルファミン酸、N-ブチルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数1~8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N,N-ジメチルスルファミン酸、N,N-ジエチルスルファミン酸、N,N-ジプロピルスルファミン酸、N,N-ジブチルスルファミン酸、N-メチル-N-エチルスルファミン酸、N-メチル-N-プロピルスルファミン酸等の2個のR基の両方が炭素数1~8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N-フェニルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数6~10のアリール基であるスルファミン酸化合物、またはこれらの塩等が挙げられる。スルファミン酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩、アンモニウム塩およびグアニジン塩等が挙げられる。スルファミン酸化合物およびこれらの塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルファミン酸化合物としては、環境負荷等の点から、スルファミン酸(アミド硫酸)を用いるのが好ましい。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムにおいて、被処理水中に、さらにアルカリを存在させてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。低温の製品安定性等の点から、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとを併用してもよい。また、アルカリは、固形でなく、水溶液として用いてもよい。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムは、逆浸透膜として昨今主流であるポリアミド系高分子膜に適用される。ポリアミド系高分子膜は、酸化剤に対する耐性が比較的低く、遊離塩素等をポリアミド系高分子膜に連続的に接触させると、膜性能の著しい低下が起こる場合がある。しかしながら、本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムでは、好ましくは安定化次亜臭素酸組成物および安定化次亜塩素酸組成物のうち少なくとも1つ、特に安定化次亜臭素酸組成物を用い、被処理水中の1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満であることにより、ポリアミド系高分子膜においても、このような著しい膜性能の低下は抑制される。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムは、逆浸透膜として、ポリアミド系の逆浸透膜にハロゲン系酸化剤を接触させることにより、阻止率を変更した改質逆浸透膜にも適用される。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムにおいて、逆浸透膜を備える逆浸透膜処理装置へ給水される被処理水のpHが4~8の範囲であることが好ましく、5~7.5の範囲であることがより好ましい。被処理水のpHが4未満であると、2価カチオンと1価カチオンの量にかかわらず透過水量が低下する場合がある。また、被処理水のpHの上限値については、通常の逆浸透膜の適用上限pH(例えば、pH10)以下であれば特に制限はないが、カルシウム等の硬度成分のスケール析出を考慮すると、pHは例えば9.0以下で運転することが好ましく、8以下で運転することがより好ましい。本実施形態に係る逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムを用いる場合、被処理水のpHが5.5以上で運転することにより、逆浸透膜の劣化、処理水(透過水)の水質悪化を抑制し、十分なスライム抑制効果を発揮しつつ、十分な透過水量の確保も可能となる。
逆浸透膜処理装置において、被処理水のpH4以上でスケールが発生する場合には、スケール抑制のために分散剤を上記殺菌剤と併用してもよい。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ホスホン酸等が挙げられる。分散剤の被処理水への添加量は、例えば、RO濃縮水中の濃度として0.1~1,000mg/Lの範囲である。
また、分散剤を使用せずにスケールの発生を抑制するためには、例えば、RO濃縮水中のシリカ濃度を溶解度以下に、カルシウムスケールの指標であるランゲリア指数を0以下になるように、逆浸透膜処理装置の回収率等の運転条件を調整することが挙げられる。
逆浸透膜処理システムの用途としては、例えば、純水製造、海水淡水化、排水回収等が挙げられる。
被処理水としては、工業用水、井水、表流水、水道水や、例えば、除害系より排出される除害系排水、酸アルカリの中和排水といった、半導体製造工程より排出される水、冷却塔ブロー水等が挙げられる。被処理水は、海水、汽水であってもよい。
本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムにおいて、逆浸透膜処理装置12の被処理水について処理を行う、pH調整、生物処理、凝集処理、凝集沈殿処理、加圧浮上処理、ろ過処理、膜分離処理、活性炭処理、オゾン処理、紫外線照射処理、脱炭酸処理等の生物学的、物理的または化学的な前処理のうちの少なくとも1つの処理を行う装置を備え、逆浸透膜処理装置12(逆浸透膜処理工程)の被処理水について、pH調整、生物処理、凝集処理、凝集沈殿処理、加圧浮上処理、ろ過処理、膜分離処理、活性炭処理、オゾン処理、紫外線照射処理、脱炭酸処理等の生物学的、物理的または化学的な前処理のうちの少なくとも1つの処理を行ってもよい。
また、本実施形態に係る逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システムにおいて、逆浸透膜処理装置12の透過水について処理を行う、再生型イオン交換処理装置、電気式脱塩処理装置(EDI)、非再生型イオン交換樹脂装置、脱気膜処理装置、UV殺菌処理装置、UV酸化処理装置、微粒子除去処理装置、第2の逆浸透膜処理装置のうちの少なくとも1つの装置を備え、逆浸透膜処理装置12(逆浸透膜処理工程)の透過水について、逆浸透膜処理装置12の透過水について処理を行う、再生型イオン交換処理、電気式脱塩処理、非再生型イオン交換樹脂処理、脱気膜処理、UV殺菌処理、UV酸化処理、微粒子除去処理、第2の逆浸透膜処理のうちの少なくとも1つの処理を行ってもよい。
<殺菌剤>
本実施形態に係る殺菌剤は、ハロゲン系酸化剤を含む。本実施形態に係る殺菌剤は、好ましくは「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜臭素酸組成物、または「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜塩素酸組成物を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
また、本実施形態に係る殺菌剤は、好ましくは「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜臭素酸組成物、または「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜塩素酸組成物を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
臭素系酸化剤、臭素化合物、塩素系酸化剤およびスルファミン酸化合物については、上述した通りである。
塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜塩素酸組成物の市販品としては、例えば、栗田工業株式会社製の「クリバーターIK-110」が挙げられる。
本実施形態に係る殺菌剤としては、ポリアミド系逆浸透膜をより劣化させないため、臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するもの(臭素とスルファミン酸化合物の混合物を含有するもの)、例えば、臭素とスルファミン酸化合物とアルカリと水との混合物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するもの、例えば、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物と、アルカリと、水との混合物が好ましい。
本実施形態に係る殺菌剤のうち、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を含有する殺菌剤、特に臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を含有する殺菌剤は、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む殺菌剤(クロロスルファミン酸等)と比較すると、酸化力が高く、スライム抑制力、スライム剥離力が著しく高いにもかかわらず、同じく酸化力の高い次亜塩素酸のような著しい膜劣化をほとんど引き起こすことがない。通常の使用濃度では、膜劣化への影響は実質的に無視することができる。このため、ポリアミド系の逆浸透膜の殺菌剤としては最適である。
安定化次亜臭素酸組成物または安定化次亜塩素酸組成物を含む殺菌剤は、次亜塩素酸や、臭素を含む遊離塩素等とは異なり、逆浸透膜をほとんど透過しないため、処理水水質への影響がほとんどない。また、次亜塩素酸等と同様に現場で濃度を測定することができるため、より正確な濃度管理が可能である。
安定化次亜臭素酸組成物を含む殺菌剤のpHは、例えば、13.0超であり、13.2超であることがより好ましい。殺菌剤のpHが13.0以下であると殺菌剤中の有効ハロゲンが不安定になる場合がある。
安定化次亜臭素酸組成物を含む殺菌剤中の臭素酸濃度は、5mg/kg未満であることが好ましい。殺菌剤中の臭素酸濃度が5mg/kg以上であると、RO透過水の臭素酸イオンの濃度が高くなる場合がある。
<殺菌剤の製造方法>
安定化次亜臭素酸組成物または安定化次亜塩素酸組成物を含む殺菌剤は、臭素系酸化剤または塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを混合することにより得られ、さらにアルカリを混合してもよい。
臭素と、スルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を含有する殺菌剤の製造方法としては、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程、または、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加する工程を含むことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる、または、不活性ガス雰囲気下で添加することにより、殺菌剤中の臭素酸イオン濃度が低くなり、RO透過水中の臭素酸イオン濃度が低くなる。
用いる不活性ガスとしては限定されないが、製造等の面から窒素およびアルゴンのうち少なくとも1つが好ましく、特に製造コスト等の面から窒素が好ましい。
臭素の添加の際の反応器内の酸素濃度は6%以下が好ましいが、4%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。臭素の反応の際の反応器内の酸素濃度が6%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。
臭素の添加率は、殺菌剤全体の量に対して25重量%以下であることが好ましく、1重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。臭素の添加率が殺菌剤全体の量に対して25重量%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。1重量%未満であると、殺菌力が劣る場合がある。
臭素添加の際の反応温度は、0℃以上25℃以下の範囲に制御することが好ましいが、製造コスト等の面から、0℃以上15℃以下の範囲に制御することがより好ましい。臭素添加の際の反応温度が25℃を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合があり、0℃未満であると、凍結する場合がある。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[安定化次亜臭素酸組成物(組成物1)の調製]
窒素雰囲気下で、液体臭素:16.9重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.94重量%、水:残分を混合して、安定化次亜臭素酸組成物(組成物1)を調製した。安定化次亜臭素酸組成物のpHは14、全塩素濃度は7.5重量%であった。全塩素濃度は、HACH社の多項目水質分析計DR/4000を用いて、全塩素測定法(DPD(ジエチル-p-フェニレンジアミン)法)により測定した値(mg/L asCl)である。安定化次亜臭素酸組成物の詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器内の酸素濃度が1%に維持されるように、窒素ガスの流量をマスフローコントローラでコントロールしながら連続注入で封入した2Lの4つ口フラスコに1436gの水、361gの水酸化ナトリウムを加え混合し、次いで300gのスルファミン酸を加え混合した後、反応液の温度が0~15℃になるように冷却を維持しながら、473gの液体臭素を加え、さらに48%水酸化カリウム溶液230gを加え、組成物全体の量に対する重量比でスルファミン酸10.7%、臭素16.9%、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量比が1.04である、目的の安定化次亜臭素酸組成物(組成物1)を得た。生じた溶液のpHは、ガラス電極法にて測定したところ、14であった。生じた溶液の臭素含有率は、臭素をヨウ化カリウムによりヨウ素に転換後、チオ硫酸ナトリウムを用いて酸化還元滴定する方法により測定したところ16.9%であり、理論含有率(16.9%)の100.0%であった。また、臭素反応の際の反応容器内の酸素濃度は、株式会社ジコー製の「酸素モニタJKO-02 LJDII」を用いて測定した。なお、臭素酸濃度は5mg/kg未満であった。
なお、pHの測定は、以下の条件で行った。
電極タイプ:ガラス電極式
pH測定計:東亜ディーケーケー社製、IOL-30型
電極の校正:関東化学社製中性リン酸塩pH(6.86)標準液(第2種)、同社製ホウ酸塩pH(9.18)標準液(第2種)の2点校正で行った
測定温度:25℃
測定値:測定液に電極を浸漬し、安定後の値を測定値とし、3回測定の平均値
<実施例1>
ポリアミド系の逆浸透膜として、ES20(日東電工社製)Φ75mm平膜に、Na濃度0.5mM/L、Ca濃度0.5mM/Lを含む被処理水(ナトリウムイオン:カルシウムイオンの総量モル比=1:1)を、圧力1.0MPa、水温25℃、pH=7の条件で通水し、透過水量を測定した。その後、殺菌剤として安定化次亜臭素酸組成物(組成物1)を1.5ppm-Clとなるように添加し、運転時間100時間後の透過水量(B[g/min])を測定し、安定化次亜臭素酸組成物(組成物1)添加前の透過水量(A[g/min])と比較し、透過水量比(B/A)×100[%]を求めた。結果を表1に示す。
<実施例2>
被処理水を、Na濃度0.6mM/L、Ca濃度0.3mM/Lを含む被処理水(ナトリウムイオン:カルシウムイオンの総量モル比=2:1)とした以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
<実施例3>
被処理水を、Ca濃度1mM/Lを含む被処理水(1価カチオン:カルシウムイオンの総量モル比=0:1)とした以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
<実施例4>
被処理水を、Mg濃度1mM/Lを含む被処理水(1価カチオン:マグネシウムイオンの総量モル比=0:1)とした以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
<比較例1>
被処理水を、Na濃度0.8mM/L、Ca濃度0.2mM/Lを含む被処理水(ナトリウムイオン:カルシウムイオンの総量モル比=4:1)とした以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
<比較例2>
被処理水を、Na濃度1mM/Lを含む被処理水(ナトリウムイオン:2価カチオンの総量モル比=1:0)とした以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
Figure 0007008470000001
実施例では、ポリアミド系の逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理において、殺菌剤として安定化次亜臭素酸組成物を用いても、逆浸透膜の透過水量の低下を抑制することができた。
<実施例5>
殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを用い、pH5の条件で通水した以外は、実施例1と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
<比較例3>
殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを用い、pH5の条件で通水した以外は、比較例2と同様の条件で通水を実施した。結果を表1に示す。
実施例5では、ポリアミド系の逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理において、殺菌剤として塩素系酸化剤を用いても、逆浸透膜の透過水量の低下を抑制することができた。
1,3,5,7 逆浸透膜処理システム、10 被処理水槽、12 逆浸透膜処理装置、14 被処理水配管、16 被処理水供給配管、18 透過水配管、20 濃縮水配管、22 殺菌剤添加配管、24 イオン量測定装置、26 2価カチオン添加配管。

Claims (10)

  1. 1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍以上である被処理水に2価カチオンを添加することによって、前記被処理水中の1価カチオンの総量を2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満とする2価カチオン添加工程と、
    前記2価カチオンを添加した被処理水にハロゲン系酸化剤を含む殺菌剤を添加する殺菌剤添加工程と
    前記殺菌剤を添加した殺菌剤含有水について、ポリアミド系の逆浸透膜を用いて逆浸透膜処理する逆浸透膜処理工程と、
    を含ことを特徴とする逆浸透膜処理方法。
  2. 請求項1に記載の逆浸透膜処理方法であって、
    前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定するイオン量測定工程をさらに含み、前記2価カチオン添加工程において、前記測定した前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量に基づいて前記2価カチオンを添加することを特徴とする逆浸透膜処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の逆浸透膜処理方法であって、
    前記逆浸透膜処理工程における前記殺菌剤含有水のpHが4~8の範囲であることを特徴とする逆浸透膜処理方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理方法であって、
    前記1価カチオンが、ナトリウムイオンを含むことを特徴とする逆浸透膜処理方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理方法であって、
    前記2価カチオンが、カルシウムイオンを含むことを特徴とする逆浸透膜処理方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理方法であって、
    前記ハロゲン系酸化剤が、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物であることを特徴とする逆浸透膜処理方法。
  7. 1価カチオンの総量が2価カチオンの総量に対してモル数で4倍以上である被処理水に2価カチオンを添加することによって、前記被処理水中の1価カチオンの総量を2価カチオンの総量に対してモル数で4倍未満とする2価カチオン添加手段と、
    前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量を測定するイオン量測定手段と、
    前記2価カチオンを添加した被処理水にハロゲン系酸化剤を含む殺菌剤を添加する殺菌剤添加手段と
    前記殺菌剤を添加した殺菌剤含有水について、ポリアミド系の逆浸透膜を用いて逆浸透膜処理する逆浸透膜処理手段と、
    を備え、
    前記2価カチオン添加手段は、前記測定した前記被処理水中の1価カチオンおよび2価カチオンの量に基づいて前記2価カチオンを添加することを特徴とする逆浸透膜処理システム。
  8. 請求項7に記載の逆浸透膜処理システムであって、
    前記逆浸透膜処理手段における前記殺菌剤含有水のpHが4~8の範囲であることを特徴とする逆浸透膜処理システム。
  9. 請求項7または8に記載の逆浸透膜処理システムであって、
    前記1価カチオンが、ナトリウムイオンを含むことを特徴とする逆浸透膜処理システム。
  10. 請求項7~9のいずれか1項に記載の逆浸透膜処理システムであって、
    前記ハロゲン系酸化剤が、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物であることを特徴とする逆浸透膜処理システム。
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