JP6534524B2 - ろ過処理システムおよびろ過処理方法 - Google Patents

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本発明は、ナノろ過膜を用いる膜ろ過処理の後に逆浸透膜処理を行うろ過処理システムおよびろ過処理方法に関する。
海水から工業用水や飲料水等の淡水を得る方法として、例えば、特許文献1には、海水をまずナノろ過膜(NF膜)で処理した後、その透過水を逆浸透膜処理して淡水を得る方法が記載されている。
このような処理において、スライムの生成を抑制する目的で、通常は次亜塩素酸を原水中に添加する。しかし、前段のナノろ過膜処理の透過水中に次亜塩素酸が残留するので、後段で逆浸透膜による逆浸透膜処理を行う場合には、逆浸透膜処理装置に次亜塩素酸が流入してしまう。一般的に広く使用されるポリアミド製の逆浸透膜は次亜塩素酸に弱く、次亜塩素酸にさらされると逆浸透膜が劣化してしまうという問題がある。また、ナノろ過膜についても、材質によっては、次亜塩素酸により劣化してしまうという問題がある。
そのため、ナノろ過膜処理または逆浸透膜処理の前段で還元剤を添加したり、活性炭を用いたりして残留した次亜塩素酸を除去する必要があった。その上で、ナノろ過膜および逆浸透膜でのスライム生成を抑制するために、再度これらの膜を劣化させにくいスライム抑制剤(殺菌剤)を添加する必要があった。
特開2002−282855号公報
本発明の目的は、被処理水をナノろ過膜処理後、逆浸透膜処理するろ過処理において、簡易な方法でナノろ過膜および逆浸透膜のスライム抑制(殺菌)を行うことができるろ過処理システムおよびろ過処理方法を提供することにある。
本発明は、ナノろ過膜を用いて被処理水の処理を行うナノろ過膜処理手段と、逆浸透膜を用いて前記ナノろ過膜処理手段からのナノろ過膜透過水の処理を行う逆浸透膜処理手段と、前記ナノろ過膜処理手段の前段において前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤を供給するスライム抑制剤供給手段と、を備え、前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤が、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を含む薬剤である次亜臭素酸安定化組成物でり、前記臭素系酸化剤が、臭素、塩化臭素、次亜臭素酸のうち少なくとも1つであり、前記臭素化合物が、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウムのうち少なくとも1つであり、前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸またはその塩であり、前記スルファミン酸化合物が、スルファミン酸またはその塩であろ過処理システムである。
前記ろ過処理システムにおいて、前記ナノろ過膜処理手段からのナノろ過膜濃縮水および前記逆浸透膜処理手段からの逆浸透膜濃縮水のうち少なくとも1つを、前記ナノろ過膜処理手段の前段に返送する返送手段を備えることが好ましい。
本発明は、ナノろ過膜を用いて被処理水の処理を行うナノろ過膜処理工程と、逆浸透膜を用いて前記ナノろ過膜処理工程からのナノろ過膜透過水の処理を行う逆浸透膜処理工程と、前記ナノろ過膜処理工程の前段において前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤を供給するスライム抑制剤供給工程と、を含み、前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤が、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を含む薬剤である次亜臭素酸安定化組成物でり、前記臭素系酸化剤が、臭素、塩化臭素、次亜臭素酸のうち少なくとも1つであり、前記臭素化合物が、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウムのうち少なくとも1つであり、前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸またはその塩であり、前記スルファミン酸化合物が、スルファミン酸またはその塩であろ過処理方法である。
前記ろ過処理方法において、前記ナノろ過膜処理工程からのナノろ過膜濃縮水および前記逆浸透膜処理工程からの逆浸透膜濃縮水のうち少なくとも1つを、前記ナノろ過膜処理工程の前段に返送する返送工程を含むことが好ましい。
本発明では、被処理水をナノろ過膜処理後、逆浸透膜処理するろ過処理において、簡易な方法でナノろ過膜および逆浸透膜のスライム抑制(殺菌)を行うことができるろ過処理システムおよびろ過処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るろ過処理システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るろ過処理システムの他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<ろ過処理システムおよびろ過処理方法>
本発明の実施形態に係るろ過処理システムの一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。ろ過処理システム1は、ナノろ過膜処理手段としてナノろ過膜を備えるナノろ過膜処理装置12と、逆浸透膜処理手段として逆浸透膜を備える逆浸透膜処理装置14とを備える。ろ過処理システム1は、原水槽10と、ナノろ過膜透過水槽16とを備えてもよい。
図1のろ過処理システム1において、原水槽10の入口には原水配管24が接続され、原水槽10の出口とナノろ過膜処理装置12の入口は、ポンプ18を介して原水供給配管26により接続されている。ナノろ過膜処理装置12の透過水出口とナノろ過膜透過水槽16の入口は、ナノろ過膜透過水配管28により接続され、ナノろ過膜透過水槽16の出口と逆浸透膜処理装置14の入口は、ポンプ20を介してナノろ過膜透過水供給配管30により接続されている。ナノろ過膜処理装置12のナノろ過膜濃縮水出口にはナノろ過膜濃縮水配管34が接続されている。逆浸透膜処理装置14の逆浸透膜濃縮水出口には逆浸透膜濃縮水配管36が接続され、逆浸透膜透過水出口には逆浸透膜透過水配管32が接続されている。原水供給配管26におけるポンプ18の下流側には、スライム抑制剤供給手段としてスライム抑制剤供給配管38が接続されている。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システム1の動作について説明する。
被処理水である原水は原水配管24を通して、必要に応じて原水槽10に貯留された後、ポンプ18により原水供給配管26を通してナノろ過膜処理装置12に供給される。ここで、原水供給配管26におけるポンプ18の下流側において、スライム抑制剤がスライム抑制剤供給配管38を通して原水に供給される(スライム抑制剤供給工程)。ナノろ過膜処理装置12において、ナノろ過膜により被処理水から不溶解性成分等が除去される(ナノろ過膜処理工程)。スライム抑制剤は、原水槽10において添加されてもよい。
ナノろ過膜処理されたナノろ過膜透過水は、ナノろ過膜透過水配管28を通して、必要に応じてナノろ過膜透過水槽16に貯留された後、ポンプ20によりナノろ過膜透過水供給配管30を通して逆浸透膜処理装置14に供給される。逆浸透膜処理装置14において、逆浸透膜により逆浸透膜処理される(逆浸透膜処理工程)。一方、ナノろ過膜処理で得られたナノろ過膜濃縮水は、ナノろ過膜濃縮水配管34を通して排出される。
逆浸透膜処理で得られた逆浸透膜濃縮水は、逆浸透膜濃縮水配管36を通して排出され、逆浸透膜透過水は、逆浸透膜透過水配管32を通して排出される。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムでは、ナノろ過膜処理装置12の閉塞防止やスライム生成抑制、逆浸透膜処理装置14の閉塞防止やスライム生成抑制等のために、ナノろ過膜処理装置12の前段においてナノろ過膜を透過するとともに、次亜塩素酸に比べてナノろ過膜および逆浸透膜を劣化させないスライム抑制剤が供給される。ナノろ過膜処理装置12の前段においてスライム抑制剤を添加すると、後段の逆浸透膜処理装置14にも適度に殺菌成分が透過し、ナノろ過膜処理装置12と共に逆浸透膜処理装置14も殺菌することができる。また、前記スライム抑制剤は、次亜塩素酸に比べてナノろ過膜および逆浸透膜を劣化させにくいため、逆浸透膜処理装置14の前段での還元剤の添加や活性炭塔等の設置を行わなくてもよい上に、逆浸透膜処理装置14の前段でのスライム抑制剤の再添加を行わなくてもよく、システムが簡素化する。
ナノろ過膜(NF膜)は、操作圧力0.3〜1.5MPaの評価条件の下で、塩化ナトリウム阻止率が5%以上93%未満の膜を指す。ナノろ過膜のNaCl阻止率は93%未満であることが好ましい。ナノろ過膜のNaCl阻止率が93%未満であれば、スライム抑制剤が適度に後段に透過し、ナノろ過膜処理装置12と共に逆浸透膜処理装置14も殺菌することができる。ナノろ過膜のNaCl阻止率が93%以上となると、スライム抑制剤がほとんど阻止されてしまい、後段の逆浸透膜処理装置14を十分に殺菌することができない。
ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤としては、添加したスライム抑制剤のうち5重量%以上が透過するものであればよく、特に制限はない。ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤の具体例としては、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を含む薬剤、または、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物との反応生成物を含む薬剤である次亜臭素酸安定化組成物;塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む薬剤、または、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物を含む薬剤である次亜塩素酸安定化組成物;イソチアゾロン化合物;クロラミン化合物;ニトロアルコール化合物;ハロシアノアセトアミド化合物等が挙げられる。これらのナノろ過膜を透過するスライム抑制剤は、次亜塩素酸と比べて、ナノろ過膜および逆浸透膜を劣化させにくい。
イソチアゾロン化合物としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
クロラミン化合物としては、例えば、モノクロラミン、ジクロラミン等が挙げられる。
ニトロアルコール化合物としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロブタン−1,3−ジオール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン−2,4−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール、2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセチルオキシプロパン、3,3−ジブロモ−3−ニトロ−2−プロパノール、2−クロロ−2−ニトロエタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、3−クロロ−3−ニトロ−2−プロパノール等が挙げられる。
ハロシアノアセトアミド化合物としては、例えば、2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2−クロロ−2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−クロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、2,2−ジクロロ−3−ニトリロプロピオンアミド、N−メチル−2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N−プロピル−2−クロロ−2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド等が挙げられる。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムでは、上記スライム抑制剤として、「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」と、を含む薬剤を使用することが好ましい。これにより、原水中で次亜臭素酸安定化組成物が生成すると考えられる。
また、本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムでは、上記スライム抑制剤として、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である次亜臭素酸安定化組成物を使用することが好ましい。
これらの次亜臭素酸安定化組成物により、ナノろ過膜および逆浸透膜の劣化を抑えつつ、ナノろ過膜処理装置12と共に逆浸透膜処理装置14も殺菌することができる。次亜臭素酸安定化組成物が逆浸透膜を劣化させることがほとんどないため、逆浸透膜処理装置14の前段での還元剤の添加や活性炭塔等の設置を行わなくてもよい上に、逆浸透膜処理装置14の前段でのスライム抑制剤の再添加を行わなくてもよく、システムが簡素化する。
具体的には本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムでは、例えば、原水中に、「臭素」、「塩化臭素」または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物」と、「スルファミン酸化合物」と、を供給する。
また、本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムでは、例えば、原水中に、「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を供給する。
例えば、原水槽10または原水供給配管26において、原水に「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを、またはこれらの反応生成物を薬注ポンプ等により注入すればよい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とは別々に添加してもよく、または、原液同士で混合させてから添加してもよい。
「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比は、1以上であることが好ましく、1以上2以下の範囲であることがより好ましい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比が1未満であると、有効成分が十分安定化しない可能性があり、2を超えると、製造コストが増加する場合がある。
原水中の有効ハロゲン濃度は有効塩素濃度換算で、1〜10mg/Lの範囲であることが好ましい。この範囲であれば、後段の逆浸透膜処理装置14を効率的に殺菌することができる。原水中の有効ハロゲン濃度が1mg/L未満であると、ナノろ過膜処理装置12の後段で遊離ハロゲンが検出されない可能性があり、十分なスライム抑制効果を得ることができない場合がある。原水中の有効ハロゲン濃度が10mg/Lより多いと、長期的に通水した場合、ナノろ過膜または逆浸透膜を劣化させる可能性があり、また、配管等の金属材料の腐食を引き起こす可能性がある。
臭素系酸化剤としては、臭素(液体臭素)、塩化臭素、次亜臭素酸、臭素酸、臭素酸塩等が挙げられる。
これらのうち、臭素を用いた「臭素とスルファミン酸化合物」または「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」の製剤は、「次亜塩素酸と臭素化合物とスルファミン酸」の製剤および「塩化臭素とスルファミン酸」の製剤等に比べて、塩化物イオンが少なく、配管等の金属材料の腐食を引き起こす可能性が低いため、より好ましい。
すなわち、本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムでは、原水中に、臭素と、スルファミン酸化合物とを存在させる、または臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させることが好ましい。
臭素化合物としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウム及び臭化水素酸等が挙げられる。これらのうち、製剤コスト等の点から、臭化ナトリウムが好ましい。
塩素系酸化剤としては、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸またはその塩、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩等が挙げられる。これらのうち、塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム等の次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウム等の亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケル等の他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム等の塩素酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩素系酸化剤としては、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
スルファミン酸化合物は、以下の一般式(1)で示される化合物である。
NSOH (1)
(式中、Rは独立して水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。)
スルファミン酸化合物としては、例えば、2個のR基の両方が水素原子であるスルファミン酸(アミド硫酸)の他に、N−メチルスルファミン酸、N−エチルスルファミン酸、N−プロピルスルファミン酸、N−イソプロピルスルファミン酸、N−ブチルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N,N−ジメチルスルファミン酸、N,N−ジエチルスルファミン酸、N,N−ジプロピルスルファミン酸、N,N−ジブチルスルファミン酸、N−メチル−N−エチルスルファミン酸、N−メチル−N−プロピルスルファミン酸等の2個のR基の両方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N−フェニルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数6〜10のアリール基であるスルファミン酸化合物、またはこれらの塩等が挙げられる。スルファミン酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩、アンモニウム塩およびグアニジン塩等が挙げられる。スルファミン酸化合物およびこれらの塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルファミン酸化合物としては、環境負荷等の点から、スルファミン酸(アミド硫酸)を用いるのが好ましい。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムにおいて、さらにアルカリを存在させてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。低温時の製品安定性等の点から、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとを併用してもよい。また、アルカリは、固形でなく、水溶液として用いてもよい。
ナノろ過膜処理装置12のナノろ過膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製、ピペラジンアミド製、酢酸セルロース製、ポリアミド製等の有機系のナノろ過膜(NF膜)が挙げられる。本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムは、特に、ポリエーテルスルホン(PES)製、ピペラジンアミド製、酢酸セルロース製、ポリアミド製のナノろ過膜に好適に適用できる。これらの材質であれば、材質に関係なく次亜臭素酸安定化組成物を透過することができる。
逆浸透膜処理装置14の逆浸透膜としては、ポリアミド系等の有機系の逆浸透膜(RO膜)等が挙げられる。逆浸透膜の膜材質がポリアミドであれば、次亜臭素酸安定化組成物による膜劣化がほとんど発生せず、かつ、高い阻止性能を発揮できる。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムは、特に、逆浸透膜(RO膜)として昨今主流であるポリアミド系高分子膜に好適に適用することができる。ポリアミド系高分子膜は、酸化剤に対する耐性が比較的低く、遊離塩素等をポリアミド系高分子膜に連続的に接触させると、膜性能の著しい低下が起こる。しかしながら、本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムではポリアミド高分子膜においても、このような著しい膜性能の低下はほとんど起こらない。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムにおいて、被処理水である原水のpHが5.5以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましく、6.5以上であることがさらに好ましい。原水のpHが5.5未満であると、逆浸透膜処理装置14への給水(ナノろ過膜透過水)のpHが5.5未満となり、透過水量が低下する場合がある。また、原水のpHの上限値については、通常の逆浸透膜の適用上限pH(例えば、pH10)以下であれば特に制限はないが、カルシウム等の硬度成分のスケール析出を考慮すると、pHは例えば9.0以下で運転することが好ましい。本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムを用いる場合、原水のpHが5.5以上で運転することにより、逆浸透膜処理装置14の逆浸透膜の劣化、処理水(逆浸透膜透過水)の水質悪化を抑制し、十分なスライム抑制効果を発揮しつつ、十分な透過水量の確保も可能となる。
逆浸透膜処理装置14において、逆浸透膜処理装置14へのナノろ過膜透過水のpH5.5以上でスケールが発生する場合には、スケール抑制のために分散剤をスライム抑制剤と併用してもよい。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ホスホン酸等が挙げられる。分散剤の給水(前ろ過処理水)への添加量は、例えば、濃縮水中の濃度として0.1〜1,000mg/Lの範囲である。
また、分散剤を使用せずにスケールの発生を抑制するためには、例えば、逆浸透膜濃縮水中のシリカ濃度を溶解度以下に、カルシウムスケールの指標であるランゲリア指数を0以下になるように、逆浸透膜処理装置14の回収率等の運転条件を調整することが挙げられる。
本実施形態に係るろ過処理方法およびろ過処理システムは、例えば、かん水、表流水、井戸水、海水、工場等からの排水等を処理対象とする。被処理水のTOCは、例えば、0.1mg/L〜1000mg/Lの範囲である。
本発明の実施形態に係るろ過処理システムの他の例の概略構成を図2に示す。図2のろ過処理システム3において、ナノろ過膜処理装置12のナノろ過膜濃縮水出口と原水槽10とは、返送手段としての濃縮水返送配管42により接続されている。また、逆浸透膜処理装置14の逆浸透膜濃縮水出口が返送手段としての濃縮水返送配管44により濃縮水返送配管42の途中と接続されている。濃縮水返送配管42と濃縮水返送配管44との接続点の上流側において、濃縮水返送配管42にはナノろ過膜濃縮水配管46が接続され、濃縮水返送配管44には逆浸透膜濃縮水配管48が接続されている。
本構成により、ナノろ過膜処理装置12からのナノろ過膜濃縮水の少なくとも一部および逆浸透膜処理装置14からの逆浸透膜濃縮水の少なくとも一部のうち少なくとも1つが、ナノろ過膜処理装置12の前段である原水槽10に返送される(返送工程)。これにより、スライム抑制剤の使用量を低減することができ、逆浸透膜透過水の回収率が向上する。
<ろ過処理用組成物>
本実施形態に係るろ過処理用組成物は、例えば、「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
また、本実施形態に係るろ過処理用組成物は、例えば、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
臭素系酸化剤、臭素化合物、塩素系酸化剤およびスルファミン酸化合物については、上述した通りである。
本実施形態に係るろ過処理用組成物としては、配管等の金属材料に対する腐食性が低く、臭素酸の副生が少ない等の点から、臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するもの、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するものが好ましい。
本実施形態に係るろ過処理用組成物は、クロロスルファミン酸等の結合塩素系スライム抑制剤と比較すると、酸化力が高く、スライム抑制力、スライム剥離力が著しく高い。
本実施形態に係るろ過処理用組成物は、次亜塩素酸等の酸化剤とは異なり、逆浸透膜をほとんど劣化させない。また、次亜塩素酸等と同様に現場で濃度を測定することができるため、より正確な濃度管理が可能である。
組成物のpHは、例えば、13.0超であり、13.2超であることがより好ましい。組成物のpHが13.0以下であると組成物中の有効ハロゲンが不安定になる場合がある。
ろ過処理用組成物中の臭素酸濃度は、5mg/kg未満であることが好ましい。ろ過処理用組成物中の臭素酸濃度が5mg/kg以上であると、処理水の水質が悪化する場合がある。
<ろ過処理用組成物の製造方法>
本実施形態に係るろ過処理用組成物は、例えば、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを混合する、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを混合することにより得られ、さらにアルカリを混合してもよい。
臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するろ過処理用組成物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するろ過処理用組成物の製造方法としては、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程を含むことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で添加して反応させることにより、組成物中の臭素酸イオン濃度がより低くなり、好ましい。
用いる不活性ガスとしては限定されないが、製造等の面から素およびアルゴンのうち少なくとも1つが好ましく、特に製造コスト等の面から窒素が好ましい。
臭素の添加の際の反応器内の酸素濃度は6%以下が好ましいが、4%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。臭素の反応の際の反応器内の酸素濃度が6%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。
臭素の添加率は、組成物全体の量に対して25重量%以下であることが好ましく、1重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。臭素の添加率が組成物全体の量に対して25重量%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。1重量%未満であると、殺菌力が劣る場合がある。
臭素添加の際の反応温度は、0℃以上25℃以下の範囲に制御することが好ましいが、製造コスト等の面から、0℃以上15℃以下の範囲に制御することがより好ましい。臭素添加の際の反応温度が25℃を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合があり、0℃未満であると、凍結する場合がある。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[安定化次亜臭素酸組成物aの調製]
窒素雰囲気下で、液体臭素:16.9重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.94重量%、水:残分を混合して、組成物aを調製した。組成物のpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は7.5重量%であった。安定化次亜臭素酸組成物aの詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器内の酸素濃度が1%に維持されるように、窒素ガスの流量をマスフローコントローラでコントロールしながら連続注入で封入した2Lの4つ口フラスコに1436gの水、361gの水酸化ナトリウムを加え混合し、次いで300gのスルファミン酸を加え混合した後、反応液の温度が0〜15℃になるように冷却を維持しながら、473gの液体臭素を加え、さらに48%水酸化カリウム溶液230gを加え、組成物全体の量に対する重量比でスルファミン酸10.7%、臭素16.9%、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量比が1.04である、目的の組成物aを得た。生じた溶液のpHは、ガラス電極法にて測定したところ、14であった。生じた溶液の臭素含有率は、臭素をヨウ化カリウムによりヨウ素に転換後、チオ硫酸ナトリウムを用いて酸化還元滴定する方法により測定したところ16.9%であり、理論含有率(16.9%)の100.0%であった。また、臭素反応の際の反応容器内の酸素濃度は、株式会社ジコー製の「酸素モニタJKO−02 LJDII」を用いて測定した。なお、臭素酸濃度は5mg/kg未満であった。
[ろ過処理]
表1に示すそれぞれの分離膜を備える膜処理装置を用い、原水に上記安定化次亜臭素酸組成物aを有効ハロゲン濃度で10mg/L添加し、透過水の有効ハロゲン濃度を測定した。
有効ハロゲン濃度は、残留塩素測定装置(Hach社製、「DR−4000」)を使用してDPD法により測定し、有効塩素濃度換算したものである。分離膜のNaCl阻止率は、イオンクロマトグラフにより測定した。
(実験条件)
原水:NaCl溶液(NaCl濃度:500mg/L)
運転圧力:0.75MPa
原水pH:7
試験温度:25℃
Figure 0006534524
NaCl阻止率93%以下のナノろ過膜(NF膜)は安定化次亜臭素酸組成物aを透過するが、99%以上の逆浸透膜(RO膜)では安定化次亜臭素酸組成物aが透過しなかった。
このように、被処理水をナノろ過膜処理後、逆浸透膜処理するろ過処理において、簡易な方法でナノろ過膜および逆浸透膜の殺菌を行うことができることが示唆された。
[安定化次亜臭素酸組成物bの調製]
臭化ナトリウム:11重量%、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液:50重量%、スルファミン酸ナトリウム:14重量%、水酸化ナトリウム:8重量%、水:残分を混合して、組成物bを調製した。組成物bのpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は6重量%であった。組成物bの詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器に17gの水を入れ、11gの臭化ナトリウムを加え撹拌して溶解させた後、50gの12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を加え混合し、次いで14gのスルファミン酸ナトリウムを加え撹拌して溶解させた後、8gの水酸化ナトリウムを加え撹拌し溶解させて目的の組成物bを得た。
[組成物c]
安定化次亜臭素酸組成物bの各組成を水中に別々に添加した。
[組成物d]
塩化臭素、スルファミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムを含有する組成物dを使用した。組成物dのpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は7重量%であった。
[組成物e]
12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用した。
[組成物f]
臭化ナトリウム:15重量%、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液:42.4重量%、を水中に別々に添加した。
[組成物g]
12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液:50重量%、スルファミン酸:10重量%、水酸化ナトリウム:8重量%、水:残分を混合して、組成物gを調製した。組成物gのpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は6重量%であった。
[RO膜排除率への影響、透過水への影響、酸化力の比較試験]
以下の条件で、逆浸透膜装置の原水に、組成物a〜gを添加して、RO膜の排除率への影響、透過水への影響、酸化力を比較した。
(試験条件)
・試験装置:平膜試験装置
・分離膜:日東電工(株)製、ポリアミド系高分子逆浸透膜 ES20
・運転圧力:0.75MPa
・原水:相模原井水(pH7.2、導電率240μS/cm)
・薬剤:組成物a〜gを、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)として10mg/Lとなるように添加
(評価方法)
・RO膜の排除率への影響:30日通水後の導電率排除率(%)
(100−[透過水導電率/給水導電率]×100)
・透過水への影響:薬剤添加1時間後の透過水中の有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度、mg/L)を、残留塩素測定装置(Hach社製、「DR−4000」)を使用してDPD法により測定
・酸化力:1時間後の給水の酸化還元電位(ORP)を、酸化還元電位測定装置(東亜DKK製、RM−20P型ORP計)を使用して測定
[殺菌力の比較試験]
以下の条件で、模擬水に組成物a〜gを添加して、殺菌力を比較した。
(試験条件)
・水:相模原井水に普通ブイヨンを添加し、一般細菌数が10CFU/mlとなるよう調整した模擬水
・薬剤:組成物a〜gを、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)として1mg/Lとなるよう添加(有効ハロゲン濃度の測定方法:残留塩素測定装置(Hach社製、「DR−4000」)を使用してDPD法により測定)
(評価方法)
・薬剤添加後24時間後の一般細菌数を菌数測定キット(三愛石油製、バイオチェッカーTTC)を使用して測定
試験結果を表2に示す。
Figure 0006534524
組成物a〜dは、高いRO膜の排除率を保持し、透過水の有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)も低く、酸化力、殺菌力も高かった。組成物a〜dの中では、組成物aが、最も高いRO膜の排除率を保持し、透過水の有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)が最も低かった。
組成物eは、酸化力、殺菌力は高いものの、RO膜の排除率が低下し、透過水の有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)も高かった。組成物fは、酸化力、殺菌力は高いものの、透過水の有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)が高かった。組成物gは、RO膜の排除率はほとんど低下しておらず、透過水の有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)も低いものの、酸化力が低く、殺菌力も低かった。
このように、ナノろ過膜を用いる膜ろ過処理の後に逆浸透膜処理を行うろ過処理システムにおけるナノろ過膜処理の前段に、ナノろ過膜を透過する上記スライム抑制剤を供給することにより、逆浸透膜の劣化、処理水の水質悪化を抑制し、十分なスライム抑制効果を得ることができることがわかった。
[透過水の臭素酸イオンの濃度の比較実験]
組成物調製時の窒素ガスパージの有無による透過水の臭素酸イオンの濃度を比較した。
<安定化次亜臭素酸組成物a’の調製>
安定化次亜臭素酸組成物aと同様にして、窒素雰囲気下で、液体臭素:17重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.95重量%、水:残分を混合して、組成物a’を調製した。組成物a’のpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は7.5重量%であり、臭素酸濃度は5mg/kg未満であった。
<安定化次亜臭素酸組成物hの調製>
窒素パージを行わず、大気下で、液体臭素:17重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.95重量%、水:残分を混合して、組成物hを調製した。組成物hのpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は7.4重量%であり、臭素酸濃度は63mg/kgであった。
(試験条件)
・試験装置:平膜試験装置
・分離膜:日東電工(株)製、ポリアミド系高分子逆浸透膜 ES20
・運転圧力:0.75MPa
・原水:相模原井水(pH7.2、導電率240μS/cm)
・薬剤:安定化次亜臭素酸組成物a’,hを、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)として50mg/Lとなるように添加
(評価方法)
・透過水の臭素酸イオン濃度を、イオンクロマトグラフ−ポストカラム吸光光度法で測定した。
試験結果を表3に示す。
Figure 0006534524
安定化次亜臭素酸組成物a’では、給水、透過水中の臭素酸イオン濃度は1μg/L未満であった。安定化次亜臭素酸組成物hでは、給水、透過水中の臭素酸イオン濃度は、安定化次亜臭素酸組成物a’に比べて高かった。
1,3 ろ過処理システム、10 原水槽、12 ナノろ過膜処理装置、14 逆浸透膜処理装置、16 ナノろ過膜透過水槽、18,20 ポンプ、24 原水配管、26 原水供給配管、28 ナノろ過膜透過水配管、30 ナノろ過膜透過水供給配管、32 逆浸透膜透過水配管、34,46 ナノろ過膜濃縮水配管、36,48 逆浸透膜濃縮水配管、38 スライム抑制剤供給配管、42,44 濃縮水返送配管。

Claims (4)

  1. ナノろ過膜を用いて被処理水の処理を行うナノろ過膜処理手段と、
    逆浸透膜を用いて前記ナノろ過膜処理手段からのナノろ過膜透過水の処理を行う逆浸透膜処理手段と、
    前記ナノろ過膜処理手段の前段において前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤を供給するスライム抑制剤供給手段と、
    を備え、
    前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤が、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を含む薬剤である次亜臭素酸安定化組成物でり、
    前記臭素系酸化剤が、臭素、塩化臭素、次亜臭素酸のうち少なくとも1つであり、
    前記臭素化合物が、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウムのうち少なくとも1つであり、
    前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸またはその塩であり、
    前記スルファミン酸化合物が、スルファミン酸またはその塩であることを特徴とするろ過処理システム。
  2. 請求項1に記載のろ過処理システムであって、
    前記ナノろ過膜処理手段からのナノろ過膜濃縮水および前記逆浸透膜処理手段からの逆浸透膜濃縮水のうち少なくとも1つを、前記ナノろ過膜処理手段の前段に返送する返送手段を備えることを特徴とするろ過処理システム。
  3. ナノろ過膜を用いて被処理水の処理を行うナノろ過膜処理工程と、
    逆浸透膜を用いて前記ナノろ過膜処理工程からのナノろ過膜透過水の処理を行う逆浸透膜処理工程と、
    前記ナノろ過膜処理工程の前段において前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤を供給するスライム抑制剤供給工程と、
    を含み、
    前記ナノろ過膜を透過するスライム抑制剤が、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を含む薬剤である次亜臭素酸安定化組成物でり、
    前記臭素系酸化剤が、臭素、塩化臭素、次亜臭素酸のうち少なくとも1つであり、
    前記臭素化合物が、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウムのうち少なくとも1つであり、
    前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸またはその塩であり、
    前記スルファミン酸化合物が、スルファミン酸またはその塩であることを特徴とするろ過処理方法。
  4. 請求項3に記載のろ過処理方法であって、
    前記ナノろ過膜処理工程からのナノろ過膜濃縮水および前記逆浸透膜処理工程からの逆浸透膜濃縮水のうち少なくとも1つを、前記ナノろ過膜処理工程の前段に返送する返送工程を含むことを特徴とするろ過処理方法。
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