JP6933902B2 - 逆浸透膜の改質方法、および、非荷電物質含有水の処理方法 - Google Patents

逆浸透膜の改質方法、および、非荷電物質含有水の処理方法 Download PDF

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本発明は、ポリアミド系の逆浸透膜の改質方法、その改質方法により改質された逆浸透膜、および、その逆浸透膜を用いる非荷電物質含有水の処理方法に関する。
水資源を有効に利用するために、排水を回収し、再生処理して再利用するプロセスの導入が進んでいる。水質の高い処理水を得るためには、電解質の除去、中低分子物質の除去等を行うことができる逆浸透膜(RO膜)の使用が不可欠である。
しかし、排水に尿素、イソプロピルアルコールや、ホウ素等の非荷電物質が含まれる場合、これらの非荷電物質の除去は逆浸透膜でも困難である。例えば、荷電物質である塩化ナトリウムの阻止率が99%以上の膜であっても、非荷電物質であるイソプロピルアルコールの阻止率は90〜97%程度であり、尿素の場合は数10%程度の阻止率しか得られない場合がある。したがって、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率の向上が求められている。
逆浸透膜の透過水質改善等のための改質方法は数多く存在する。その中でも、逆浸透膜に臭素を含む遊離塩素等の改質剤を所定の時間接触させて性能を改善する方法がある。
例えば、特許文献1には、ポリアミドスキン層を有する逆浸透膜エレメントを搭載した膜分離装置において、逆浸透膜エレメントを膜分離装置内の圧力容器に充填した後、前記逆浸透膜エレメントに臭素を含む遊離塩素水溶液を接触させる逆浸透膜エレメントの処理方法が記載されている。
特許文献2には、ポリアミド系の逆浸透膜に、改質剤として次亜臭素酸安定化組成物を接触させる逆浸透膜の改質方法が記載されている。
しかし、特許文献1,2の方法では、改質を時間で管理しているので、逆浸透膜の阻止率を所定の値に調整することができず、膜種によって改質後の阻止性能差が大きいという問題があった。また、特許文献1,2では、改質剤の接触条件により非荷電物質の阻止性能がどの程度向上するかについては検討されていない。
非特許文献1には、ポリアミド系の逆浸透膜に酸性側でハロゲン系酸化剤を接触させると、透過水量が低下することが記載されている。
しかし、非特許文献1では、透過水量と非荷電物質の阻止性能との関係については記載されていない。
非特許文献2には、逆浸透膜の孔径が小さくなると、ホウ素の除去率が向上することが記載されている。
しかし、非特許文献2では、逆浸透膜の改質と非荷電物質であるホウ素の除去率との関係については記載されていない。
特開2003−088730号公報 特開2016−155067号公報
Guo-Dong Kangら、「Study on hypochlorine degradation of aromatic polyamide reverse osmosis membrane」, Journal of Membrane Science, 300, 2007, pp.165-171 辺見昌弘、小川貴史、「海水淡水化・下廃水再利用を牽引する逆浸透膜技術」、学会誌「EICA」、第15巻、第4号(2011)、第44−47ページ
本発明の目的は、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができる逆浸透膜の改質方法、その改質方法により改質された逆浸透膜、および、その逆浸透膜を用いる非荷電物質含有水の処理方法を提供することにある。
本発明は、ポリアミド系の逆浸透膜にハロゲン系酸化剤を接触させることにより、非荷電物質の阻止率を変更する逆浸透膜の改質方法において、前記逆浸透膜の純水換算のフラックスの測定値と、予め作成した、前記逆浸透膜の純水換算のフラックスと前記非荷電物質の阻止率との相関式と、に基づいて、改質処理を行う、逆浸透膜の改質方法である。
前記逆浸透膜の改質方法において、前記非荷電物質は、分子量200以下の低分子物質であることが好ましい。
前記逆浸透膜の改質方法において、前記接触が、pH4〜6.5の範囲で行われることが好ましい。
前記逆浸透膜の改質方法において、前記接触における前記ハロゲン系酸化剤の濃度が、0.1〜100mg/Lの範囲であることが好ましい。
前記逆浸透膜の改質方法において、前記接触が、0.1〜20MPaの範囲の加圧下で行われることが好ましい。
また、本発明は、前記逆浸透膜の改質方法により改質された逆浸透膜である。
また、本発明は、前記逆浸透膜の改質方法により改質された逆浸透膜を用いて非荷電物質含有水を逆浸透膜処理する、非荷電物質含有水の処理方法である。
本発明により、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができる逆浸透膜の改質方法、その改質方法により改質された逆浸透膜、および、その逆浸透膜を用いる非荷電物質含有水の処理方法を提供することができる。
実施例で求めた、純水換算フラックス[m/d/MPa]とTOC阻止率[%]との関係を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<逆浸透膜の改質方法および逆浸透膜>
本発明の実施形態に係る逆浸透膜の改質方法は、ポリアミド系の逆浸透膜にハロゲン系酸化剤を接触させることにより、非荷電物質の阻止率を変更する逆浸透膜の改質方法において、逆浸透膜の純水換算のフラックスの測定値に基づいて、改質処理を行う方法である。この改質方法において、予め作成した、逆浸透膜の純水換算フラックスと非荷電物質の阻止率との相関式に基づいて、改質処理を行うことが好ましい。また、本発明の実施形態に係る逆浸透膜は、この逆浸透膜の改質方法により改質された逆浸透膜である。なお、本明細書における逆浸透膜の「改質」とは、非荷電物質の阻止率の向上を指す。
本発明者らは、膜材質がポリアミド系である逆浸透膜にハロゲン系酸化剤を接触させて純水換算のフラックス(以下、「純水換算フラックス」と呼ぶ場合がある)を制御することで、任意の非荷電物質の阻止性能(阻止率)に改質する技術を確立した。本発明者らの検討により、逆浸透膜の種類や改質の有無等に関わらず、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率と純水換算フラックスとの間に相関性があることがわかった。したがって、逆浸透膜の純水換算フラックスの測定値に基づいて、好ましくは、予め作成した、逆浸透膜の純水換算フラックスと非荷電物質の阻止率との相関式に基づいて、改質処理を行うことにより、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができる。
改質は、例えば、所定のハロゲン系酸化剤の濃度、pHを設定し、例えば加圧下で逆浸透膜に通水し、流量計等によって流量をモニタし、純水換算フラックスを計算しながら、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整すればよい。また、例えば、所定のハロゲン系酸化剤の濃度、pHを設定し、例えば加圧下で逆浸透膜に通水し、流量計等によって流量をモニタし、純水換算フラックスを計算しながら、予め作成した上記相関式に基づいて、目標とする逆浸透膜の非荷電物質の阻止率となる純水換算フラックスに調整すればよい。複数の非荷電物質を対象とする場合は、最も阻止率が低い非荷電物質を基準に純水換算フラックスを目標とする値に調整すればよい。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法により、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができる。逆浸透膜の使用目的、処理水に求められる水質等に応じて、どこまで改質すればよいか、すなわち非荷電物質の阻止率をどの程度にすればよいかを決定し、その目標の阻止率になるような純水換算フラックスが得られる程度に改質を行えばよい。この方法により、例えば、複数の逆浸透膜を用い、膜のロット差等によって各膜の阻止率が異なる場合でも、改質により各膜の阻止率を揃えて、膜のロット差を解消することができる。
例えば、逆浸透膜装置への入口および出口の非荷電物質の濃度をモニタして、所定の非荷電物質の出口濃度になるように改質を行うことも考えられるが、一般的に非荷電物質の濃度の測定(例えば、有機物質の場合にはTOC濃度の測定、ホウ素等の無機物質の場合にはICP発光分析等)には時間がかかるため、改質中に即時的に逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整するのは困難である。しかし、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法によれば、単に流量計等によって流量をモニタして、純水換算フラックスを計算しながら改質を行うことにより、即時的に逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができる。
ここで、「非荷電物質」とは、非電解質有機物や、中性領域(pH6〜8)で解離しないホウ素のことをいう。低分子の非電解質有機物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール化合物、尿素等のアミン化合物、水酸化テトラメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム塩等の分子量200以下の有機物質が挙げられる。
「純水換算のフラックス(m/d/MPa)」は、透過水量を膜面積、操作圧で割ることで求められ、下記式により純水換算したものである。
純水換算フラックス[m/d/MPa]=透過水量/膜面積/(膜面有効圧−浸透圧)
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、ハロゲン系酸化剤により改質された膜を得るには、逆浸透膜への給水、洗浄水等の中に、ハロゲン系酸化剤を存在させて逆浸透膜に接触させればよい。
ハロゲン系酸化剤としては、塩素、臭素等のハロゲンを含有し、酸化作用があるものであればよく、特に制限はないが、例えば、塩素系酸化剤、臭素系酸化剤、安定化次亜塩素酸組成物、安定化次亜臭素酸組成物等が挙げられる。
塩素系酸化剤としては、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸またはその塩、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩等が挙げられる。これらのうち、塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム等の次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウム等の亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケル等の他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム等の塩素酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩素系酸化剤としては、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
臭素系酸化剤としては、臭素(液体臭素)、塩化臭素、臭素酸、臭素酸塩、次亜臭素酸等が挙げられる。次亜臭素酸は、臭化ナトリウム等の臭化物と次亜塩素酸等の塩素系酸化剤とを反応させて生成させたものであってもよい。
安定化次亜塩素酸組成物は、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含むものである。「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜塩素酸組成物」は、「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜塩素酸組成物であってもよいし、「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜塩素酸組成物であってもよい。
安定化次亜臭素酸組成物は、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含むものである。「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物」は、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜臭素酸組成物であってもよいし、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜臭素酸組成物であってもよい。
ハロゲン系酸化剤としては、これらのうち、安定化次亜塩素酸組成物または安定化次亜臭素酸組成物が好ましく、安定化次亜臭素酸組成物がより好ましい。安定化次亜塩素酸組成物または安定化次亜臭素酸組成物、特に安定化次亜臭素酸組成物は次亜塩素酸等の塩素系酸化剤と同等以上の改質効果を発揮するにも関わらず、塩素系酸化剤と比較すると、逆浸透膜への劣化影響が低く、改質を繰り返すことによる膜劣化を抑制することができる。このため、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法で用いられる安定化次亜塩素酸組成物または安定化次亜臭素酸組成物、特に安定化次亜臭素酸組成物は、改質剤としては好適である。
すなわち、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法では、好ましくは、ポリアミド系の逆浸透膜に、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物および塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜塩素酸組成物のうち少なくとも1つを接触させることにより、非荷電物質の阻止率を変更する際に、逆浸透膜の純水換算のフラックスの測定値に基づいて、改質処理を行う。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、特に「臭素系酸化剤」が臭素である場合、塩素系酸化剤が存在しないため、逆浸透膜への劣化影響が著しく低く、逆浸透膜の改質効果を有する。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、例えば、逆浸透膜への給水等の中に、改質剤として「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物、または「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を存在させればよい。これにより、逆浸透膜への給水等の中で、安定化次亜臭素酸組成物または安定化次亜塩素酸組成物が生成すると考えられる。
また、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、例えば、逆浸透膜への給水等の中に、改質剤として「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物、または「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜塩素酸組成物を存在させればよい。
具体的には本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、例えば、逆浸透膜への給水等の中に、改質剤として「臭素」、「塩化臭素」、「次亜臭素酸」または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物」と、「スルファミン酸化合物」との混合物を存在させればよい。または、逆浸透膜への給水等の中に、改質剤として「次亜塩素酸」と、「スルファミン酸化合物」との混合物を存在させればよい。
また、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、例えば、逆浸透膜への給水等の中に、改質剤として「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「次亜臭素酸とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させればよい。または、逆浸透膜への給水等の中に、改質剤として「次亜塩素酸とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜塩素酸組成物を存在させればよい。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、逆浸透膜へのハロゲン系酸化剤の接触が、pH3超、8未満の範囲で行われることが好ましく、pH4〜6.5の範囲で行われることがより好ましい。逆浸透膜へのハロゲン系酸化剤の接触がpH3以下で行われると、逆浸透膜へのハロゲン系酸化剤の接触が長期的に行われた場合に逆浸透膜の劣化が起こり、阻止率が低下する場合があり、pH8以上で行われると、改質効果が不十分な場合がある。特に、pH4〜6.5の範囲で接触が行われると、逆浸透膜の劣化を抑制しつつ、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を十分に改善することができる。改質剤の接触を上記pH範囲で行うために、例えば、逆浸透膜への給水等のpHを上記範囲に維持すればよい。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法では、例えば、逆浸透膜を備える逆浸透膜装置の運転の際に、逆浸透膜への給水等の中に、「塩素系酸化剤」、「臭素系酸化剤」、または「臭素系酸化剤」もしくは「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とを薬注ポンプ等により注入してもよい。「臭素系酸化剤」または「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とは別々に給水等の中に添加してもよく、または、原液同士で混合させてから逆浸透膜への給水等の中に添加してもよい。
また、例えば、逆浸透膜への給水等の中に「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」または「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を薬注ポンプ等により注入してもよい。
ハロゲン系酸化剤による改質は、例えば、逆浸透膜を備える逆浸透膜装置の運転の際に逆浸透膜への給水、洗浄水等の中に、ハロゲン系酸化剤を連続的または間欠的に添加してもよいし、逆浸透膜の阻止率が低下した場合に、逆浸透膜への給水、洗浄水等の中にハロゲン系酸化剤を連続的または間欠的に添加してもよい。
逆浸透膜へのハロゲン系酸化剤の接触は、常圧条件下、加圧条件下または減圧条件下で行えばよいが、逆浸透膜装置を停止しなくても改質を行うことができる、逆浸透膜の改質を確実に行うことができる等の点から、加圧条件下で行うことが好ましい。逆浸透膜へのハロゲン系酸化剤の接触は、例えば、0.1〜20MPaの範囲の加圧条件下で行うことが好ましく、0.1MPa〜8.0MPaの範囲の加圧条件下で行うことがより好ましい。
逆浸透膜へのハロゲン系酸化剤の接触は、例えば、5℃〜35℃の範囲の温度条件下で行えばよい。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、「臭素系酸化剤」または「塩素系酸化剤」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比は、1以上であることが好ましく、1以上2以下の範囲であることがより好ましい。「臭素系酸化剤」または「塩素系酸化剤」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比が1未満であると、逆浸透膜を劣化させる可能性があり、2を超えると、製造コストが増加する場合がある。
逆浸透膜に接触するハロゲン系酸化剤の濃度(全塩素濃度)は有効塩素濃度換算で、0.1〜100mg/Lの範囲であることが好ましい。逆浸透膜に接触するハロゲン系酸化剤の濃度(全塩素濃度)が0.1mg/L未満であると、十分な改質効果を得ることができない場合があり、100mg/Lより多いと、逆浸透膜の劣化、配管等の腐食を引き起こす可能性がある。
臭素を用いた「臭素とスルファミン酸化合物(臭素とスルファミン酸化合物の混合物)」または「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」の製剤は、「次亜塩素酸と臭素化合物とスルファミン酸」の製剤および「塩化臭素とスルファミン酸」の製剤等に比べて、臭素酸の副生が少なく、逆浸透膜をより劣化させないため、改質剤としてはより好ましい。
すなわち、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法では、好ましくは、ポリアミド系の逆浸透膜に、臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を接触させることにより、非荷電物質の阻止率を変更する際に、逆浸透膜の純水換算のフラックスの測定値に基づいて、改質処理を行う。
この場合、逆浸透膜への給水等の中に、臭素と、スルファミン酸化合物とを存在させる(臭素とスルファミン酸化合物の混合物を存在させる)ことが好ましい。また、逆浸透膜への給水等の中に、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させることが好ましい。
臭素化合物としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウムおよび臭化水素酸等が挙げられる。これらのうち、製剤コスト等の点から、臭化ナトリウムが好ましい。
スルファミン酸化合物は、以下の一般式(1)で示される化合物である。
NSOH (1)
(式中、Rは独立して水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。)
スルファミン酸化合物としては、例えば、2個のR基の両方が水素原子であるスルファミン酸(アミド硫酸)の他に、N−メチルスルファミン酸、N−エチルスルファミン酸、N−プロピルスルファミン酸、N−イソプロピルスルファミン酸、N−ブチルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N,N−ジメチルスルファミン酸、N,N−ジエチルスルファミン酸、N,N−ジプロピルスルファミン酸、N,N−ジブチルスルファミン酸、N−メチル−N−エチルスルファミン酸、N−メチル−N−プロピルスルファミン酸等の2個のR基の両方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N−フェニルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数6〜10のアリール基であるスルファミン酸化合物、またはこれらの塩等が挙げられる。スルファミン酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩、アンモニウム塩およびグアニジン塩等が挙げられる。スルファミン酸化合物およびこれらの塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルファミン酸化合物としては、環境負荷等の点から、スルファミン酸(アミド硫酸)を用いるのが好ましい。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法において、安定化次亜臭素酸組成物および安定化次亜塩素酸組成物のうち少なくとも1つを逆浸透膜への給水等の中に改質剤として存在させる場合に、さらにアルカリを存在させてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。低温時の製品安定性等の点から、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとを併用してもよい。また、アルカリは、固形でなく、水溶液として用いてもよい。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法は、昨今主流であるポリアミド系高分子膜に適用される。ポリアミド系高分子膜は、酸化剤に対する耐性が比較的低く、遊離塩素等をポリアミド系高分子膜に連続的に接触させると、膜性能の著しい低下が起こる場合がある。しかしながら、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法では、安定化次亜臭素酸組成物および安定化次亜塩素酸組成物のうち少なくとも1つ、特に安定化次亜臭素酸組成物を用いることにより、ポリアミド高分子膜においても、このような著しい膜性能の低下はほとんど起こらない。
ポリアミド系の逆浸透膜を備える逆浸透膜装置において、逆浸透膜への給水等のpH5.5以上でスケールが発生する場合には、スケール抑制のために分散剤をハロゲン系酸化剤と併用してもよい。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ホスホン酸等が挙げられる。分散剤の給水等への添加量は、例えば、RO濃縮水中の濃度として0.1〜1,000mg/Lの範囲である。
また、分散剤を使用せずにスケールの発生を抑制するためには、例えば、RO濃縮水中のシリカ濃度を溶解度以下に、カルシウムスケールの指標であるランゲリア指数を0以下になるように、逆浸透膜装置の回収率等の運転条件を調整することが挙げられる。
本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法により改質されたポリアミド系の逆浸透膜を備える逆浸透膜装置の用途としては、例えば、海水淡水化、排水回収等が挙げられる。特に、本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法により改質されたポリアミド系の逆浸透膜を用いてホウ素含有水等の非荷電物質含有水を逆浸透膜処理することが好ましい。本実施形態に係る逆浸透膜の改質方法によりポリアミド系の逆浸透膜を改質することにより、非荷電物質の阻止率が著しく向上する。
<逆浸透膜用改質剤>
本実施形態に係る逆浸透膜用改質剤は、ハロゲン系酸化剤を含む。本実施形態に係る逆浸透膜用改質剤は、好ましくは「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜臭素酸組成物、または「塩素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜塩素酸組成物を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
また、本実施形態に係る逆浸透膜用改質剤は、好ましくは「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜臭素酸組成物、または「塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜塩素酸組成物を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜塩素酸組成物の市販品としては、例えば、栗田工業株式会社製の「クリバーターIK−110」が挙げられる。
本実施形態に係る逆浸透膜用改質剤としては、ポリアミド系逆浸透膜をより劣化させず、RO透過水への有効ハロゲンのリーク量がより少ないため、臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するもの(臭素とスルファミン酸化合物の混合物を含有するもの)、例えば、臭素とスルファミン酸化合物とアルカリと水との混合物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するもの、例えば、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物と、アルカリと、水との混合物が好ましい。
本実施形態に係る逆浸透膜用改質剤のうち、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を含有する改質剤、特に臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を含有する改質剤は、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを含む改質剤(クロロスルファミン酸等)と比較すると、酸化力が高く、改質効果、スライム抑制力、スライム剥離力が著しく高いにもかかわらず、同じく酸化力の高い次亜塩素酸のような著しい膜劣化をほとんど引き起こすことがない。通常の使用濃度では、膜劣化への影響は実質的に無視することができる。このため、ポリアミド系の逆浸透膜の改質剤としては最適である。
安定化次亜臭素酸組成物または安定化次亜塩素酸組成物を含む逆浸透膜用改質剤は、次亜塩素酸や、臭素を含む遊離塩素等とは異なり、逆浸透膜をほとんど透過しないため、処理水水質への影響がほとんどない。また、次亜塩素酸等と同様に現場で濃度を測定することができるため、より正確な濃度管理が可能である。
安定化次亜臭素酸組成物を含む逆浸透膜用改質剤のpHは、例えば、13.0超であり、13.2超であることがより好ましい。逆浸透膜用改質剤のpHが13.0以下であると改質剤中の有効ハロゲンが不安定になる場合がある。
安定化次亜臭素酸組成物を含む逆浸透膜用改質剤中の臭素酸濃度は、5mg/kg未満であることが好ましい。改質剤中の臭素酸濃度が5mg/kg以上であると、RO透過水の臭素酸イオンの濃度が高くなる場合がある。
<逆浸透膜用改質剤の製造方法>
安定化次亜臭素酸組成物または安定化次亜塩素酸組成物を含む逆浸透膜用改質剤は、臭素系酸化剤または塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを混合することにより得られ、さらにアルカリを混合してもよい。
臭素と、スルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物を含有する逆浸透膜用改質剤の製造方法としては、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程、または、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加する工程を含むことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる、または、不活性ガス雰囲気下で添加することにより、逆浸透膜用改質剤中の臭素酸イオン濃度が低くなり、RO透過水中の臭素酸イオン濃度が低くなる。
用いる不活性ガスとしては限定されないが、製造等の面から窒素およびアルゴンのうち少なくとも1つが好ましく、特に製造コスト等の面から窒素が好ましい。
臭素の添加の際の反応器内の酸素濃度は6%以下が好ましいが、4%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。臭素の反応の際の反応器内の酸素濃度が6%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。
臭素の添加率は、改質剤全体の量に対して25重量%以下であることが好ましく、1重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。臭素の添加率が逆浸透膜用改質剤全体の量に対して25重量%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。1重量%未満であると、殺菌力が劣る場合がある。
臭素添加の際の反応温度は、0℃以上25℃以下の範囲に制御することが好ましいが、製造コスト等の面から、0℃以上15℃以下の範囲に制御することがより好ましい。臭素添加の際の反応温度が25℃を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合があり、0℃未満であると、凍結する場合がある。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[安定化次亜臭素酸組成物の調製]
窒素雰囲気下で、液体臭素:16.9重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.94重量%、水:残分を混合して、安定化次亜臭素酸組成物を調製した。安定化次亜臭素酸組成物のpHは14、全塩素濃度は7.5重量%であった。全塩素濃度は、HACH社の多項目水質分析計DR/4000を用いて、全塩素測定法(DPD(ジエチル−p−フェニレンジアミン)法)により測定した値(mg/L asCl)である。安定化次亜臭素酸組成物の詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器内の酸素濃度が1%に維持されるように、窒素ガスの流量をマスフローコントローラでコントロールしながら連続注入で封入した2Lの4つ口フラスコに1436gの水、361gの水酸化ナトリウムを加え混合し、次いで300gのスルファミン酸を加え混合した後、反応液の温度が0〜15℃になるように冷却を維持しながら、473gの液体臭素を加え、さらに48%水酸化カリウム溶液230gを加え、組成物全体の量に対する重量比でスルファミン酸10.7%、臭素16.9%、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量比が1.04である、目的の安定化次亜臭素酸組成物を得た。生じた溶液のpHは、ガラス電極法にて測定したところ、14であった。生じた溶液の臭素含有率は、臭素をヨウ化カリウムによりヨウ素に転換後、チオ硫酸ナトリウムを用いて酸化還元滴定する方法により測定したところ16.9%であり、理論含有率(16.9%)の100.0%であった。また、臭素反応の際の反応容器内の酸素濃度は、株式会社ジコー製の「酸素モニタJKO−02 LJDII」を用いて測定した。なお、臭素酸濃度は5mg/kg未満であった。
なお、pHの測定は、以下の条件で行った。
電極タイプ:ガラス電極式
pH測定計:東亜ディーケーケー社製、IOL−30型
電極の校正:関東化学社製中性リン酸塩pH(6.86)標準液(第2種)、同社製ホウ酸塩pH(9.18)標準液(第2種)の2点校正で行った
測定温度:25℃
測定値:測定液に電極を浸漬し、安定後の値を測定値とし、3回測定の平均値
pH4、ハロゲン系酸化剤として上記で調製した安定化次亜臭素酸組成物を用い、その濃度を10ppmとした試験水をポリアミド系高分子逆浸透膜(日東電工株式会社製、SWC5)に通水した。通水時の圧力、流量を圧力計および流量計で測定しながら、純水換算フラックスの変化を確認した。純水換算フラックス[m/d/MPa]とTOC(イソプロピルアルコール(IPA))阻止率[%]との関係を図1に示す。図1の結果より、相関式はy=0.9x−10x+100となった。逆浸透膜の種類や、改質の有無に関わらず、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率と純水換算フラックスとの間に相関性があることがわかった。
<実施例1,2>
次亜塩素酸ナトリウム(実施例1)および上記で調製した安定化次亜臭素酸組成物(実施例2)を改質剤(ハロゲン系酸化剤)としてそれぞれ用いて、ポリアミド系高分子逆浸透膜(日東電工株式会社製、SWC5)の改質を行った。改質は、この逆浸透膜を備える逆浸透膜装置に、操作圧2.0MPaで、上記改質剤を10ppm添加した水をpH4、25±1℃で通水した。目標IPA阻止率を97%とし、予め作成した相関式(図1)に基づいて、設定純水換算フラックスを0.28m/d/MPaとした。流量計で流量をモニタしながら下記式で求める純水換算フラックスが0.28m/d/MPaになるまで通水して実施した。その後、操作圧2.0MPaで、非荷電物質としてイソプロピルアルコールをTOC値で10ppm添加した水を、pH7、25±1℃で通水した。原水および透過水のTOC濃度を、TOC計(GEAI製、Sievers M9eシリーズ)を用いて測定し、下記のIPA阻止率を算出した。結果を表1に示す。
純水換算フラックス[m/d/MPa]=透過水量/膜面積/(給水圧−浸透圧)
IPA阻止率[%]=100−[透過水TOC濃度/{(給水TOC濃度+濃縮水TOC濃度)/2}]×100)
Figure 0006933902
このように、ポリアミド系の逆浸透膜にハロゲン系酸化剤を接触させることにより、非荷電物質の阻止率を変更する逆浸透膜の改質方法において、純水換算フラックスの測定値に基づいて改質処理を行うことによって、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができた。
<実施例3,4>
上記で調製した安定化次亜臭素酸組成物を改質剤として用いて、ポリアミド系高分子逆浸透膜(日東電工株式会社製、「SWC4」)(実施例3)、ポリアミド系高分子逆浸透膜(日東電工株式会社製、「SWC5」)(実施例4)の改質をそれぞれ行った。改質は、この逆浸透膜を備える逆浸透膜装置に、操作圧2.0MPaで、上記改質剤を10ppm添加した水をpH4、25±1℃で、流量計で流量をモニタしながら純水換算フラックスが0.28m/d/MPaになるまで通水して実施した。その後、操作圧2.0MPaで、非荷電物質としてIPAをTOC値で10ppm添加した水を、pH7、25±1℃で通水した。原水および透過水のTOC濃度を、TOC計を用いて測定し、上記のIPA阻止率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006933902
このように、ポリアミド系高分子逆浸透膜の膜種が異なっても、純水換算フラックスの測定値に基づいて改質処理を行うことによって、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができた。
<比較例1,2>
純水換算フラックスの測定値に基づいて改質処理を行うのではなく、特許文献1の段落[0044]に記載のように、改質の時間に基づいて改質処理を行った。上記で調製した安定化次亜臭素酸組成物を改質剤として用いて、ポリアミド系高分子逆浸透膜(FILMTEC製、「SW30HRLE」)(比較例1)、ポリアミド系高分子逆浸透膜(日東電工株式会社製、「SWC5」)(比較例2)の改質をそれぞれ行った。改質は、この逆浸透膜を備える逆浸透膜装置に、操作圧2.0MPaで、上記改質剤を10ppm添加した水をpH4、25±1℃で所定の時間、通水して実施した。その後、操作圧2.0MPaで、非荷電物質としてIPAをTOC値で10ppm添加した水を、pH7、25±1℃で通水した。原水および透過水のTOC濃度を、TOC計を用いて測定し、上記のIPA阻止率を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006933902
このように、改質の時間で管理した場合、目標のTOC阻止性能にならず、さらにポリアミド系高分子逆浸透膜の膜種によって改質効果が異なるため、膜種によって改質後の非荷電物質の阻止率差が大きくなった。
以上の通り、実施例のように、純水換算フラックスの測定値に基づいて改質処理を行うことによって、逆浸透膜の非荷電物質の阻止率を所定の値に調整することができた。

Claims (6)

  1. ポリアミド系の逆浸透膜にハロゲン系酸化剤を接触させることにより、非荷電物質の阻止率を変更する逆浸透膜の改質方法において、
    前記逆浸透膜の純水換算のフラックスの測定値と、予め作成した、前記逆浸透膜の純水換算のフラックスと前記非荷電物質の阻止率との相関式と、に基づいて、改質処理を行うことを特徴とする逆浸透膜の改質方法。
  2. 請求項1に記載の逆浸透膜の改質方法であって、
    前記非荷電物質は、分子量200以下の低分子物質であることを特徴とする逆浸透膜の改質方法。
  3. 請求項1または2に記載の逆浸透膜の改質方法であって、
    前記接触が、pH4〜6.5の範囲で行われることを特徴とする逆浸透膜の改質方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の逆浸透膜の改質方法であって、
    前記接触における前記ハロゲン系酸化剤の濃度が、0.1〜100mg/Lの範囲であることを特徴とする逆浸透膜の改質方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の逆浸透膜の改質方法であって、
    前記接触が、0.1〜20MPaの範囲の加圧下で行われることを特徴とする逆浸透膜の改質方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の逆浸透膜の改質方法により改質された逆浸透膜を用いて非荷電物質含有水を逆浸透膜処理することを特徴とする非荷電物質含有水の処理方法。
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