JP6999415B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
デンドリマー構造を側鎖に有するビニル系共重合体を含有するメイクアップ化粧料として、油中水型乳化化粧料が多く開発されているが、消費者からは様々な使用感の化粧料が求められており、水中油型乳化化粧料のものも開発されている。
例えば、特許文献1には、デンドリマー型シロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマー、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、液状油分を含有する化粧料が、化粧持ちや使用感に優れることが記載されている。
(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.05~20質量%、
(B)ポリアクリルアミド化合物 0.1~5質量%、
(C)疎水化処理された着色顔料 0.05~30質量%
を含有する水中油型乳化化粧料に関する。
X1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。
Xi+1は水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、アリール基及び上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1~10の整数であり、aiは0~3の整数である。
X1はi=1とした場合の一般式(2)で示されるシリルアルキル基である。
(A1):(A2)以外のビニル系単量体、
(A2):一般式(6):
で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー。
このようなラジカル重合可能な有機基を含有するカルボシロキサンデンドリマー(A2)としては、下記一般式で示されるカルボシロキサンデンドリマーが例示される。
ポリアクリルアミド、
アクリルアミドとアクリル酸(塩)との共重合体、
アクリル酸(塩)とアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体、
アクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体、
アクリル酸(塩)と、アクリル酸アミドと、アクリル酸(塩)と、アクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体、
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(塩)と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、ラウリルメタクリレートと、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(4EO)との共重合体等が挙げられる。
アクリルアミドとアクリル酸(塩)との共重合体としては、アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマーが挙げられ、具体的には、SEPIPLUS 265(SEPPIC社製)等が挙げられる。
アクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体として、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが挙げられ、具体的には、SIMULGEL FL、SIMULGEL NS、SEPIPLUS S、SEPINOV EMT 10(以上、SEPPIC社製)等が挙げられ;
アクリル酸(塩)と、アクリル酸アミドと、アクリル酸(塩)と、アクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体として、ポリアクリレート-13が挙げられ、具体的には、SEPIPLUS 400(SEPPIC社製)等が挙げられ;
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(塩)と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、ラウリルメタクリレートと、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(4EO)の共重合体として、ポリアクリレートクロスポリマー6が挙げられ、具体的には、SEPIMAX ZEN(SEPPIC社製)が挙げられる。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;タール系色素、レーキ顔料等の有機顔料、カルミン等の天然色素などが挙げられる。
着色顔料としては、肌をきれいなメイクアップ効果で仕上げる観点から、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがさらに好ましい。
疎水化処理としては、水中油型乳化化粧料を肌に塗布して伸ばした際に、水中油型乳化化粧料が肌上でいつまでも伸び続けることや上滑りを抑制し、塗布後の肌に水中油型乳化化粧料がムラ付きすることを抑制させる観点から、シリコーン処理、フッ素処理が好ましく、シリコーン処理がより好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がさらに好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がよりさらに好ましい。なお、成分(C)の含有量は、疎水化処理した剤を含めての質量を意味する。
また、本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(C)以外の粉体を含有することができ、塗布後の肌のつやを向上させ、塗布後の肌に水中油型乳化化粧料がムラ付きすることを抑制させる観点から、成分(C)を含む全粉体の合計の含有量は、全組成中に0.05~35質量%が好ましく、0.08~25質量%がより好ましく、0.3~18質量%がさらに好ましく、0.8~12質量%がよりさらに好ましい。
25℃で液状の極性油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、エステル油、炭素数12~24のアルコール及び炭素数12~24の脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
炭素数12~24の脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソミリスチン酸、リノレン酸、リノール酸、リシノール酸、オキシステアリン酸等が挙げられる。
なお、成分(D)は、後述する成分(E)の非イオン性界面活性剤を含まない。
非イオン性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、α-モノアルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、塗布後の肌に水中油型乳化化粧料がムラ付きすることを抑制させる観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。したがって、個々の非イオン性界面活性剤のHLB値が6未満であっても、混合HLBが前記範囲内であれば、本発明における、HLBが6以上20以下の非イオン性界面活性剤である。
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの重量(g)を示す。
25℃で液状とは、25℃で流動性を有することをいう。また、揮発性とは、35~100℃の引火点を有するものである。
揮発性油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、シリコーン油、炭化水素油、エーテル油等が挙げられる。
炭化水素油としては、イソドデカン、イソトリデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等が挙げられ、エーテル油としては、エチルパーフルオロブチルエーテル等が挙げられる。
また、本発明の水中油型乳化化粧料は、下地化粧料、ファンデーション、コンシーラー、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日やけ止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料;スキンケア乳液、スキンケアクリーム、BBクリーム、美容液等のスキンケア化粧料などとして適用することができる。なかでも、メイクアップ化粧料が好ましく、化粧下地、リキッドファンデーション、クリームファンデーションがより好ましい。
本発明により得られる水中油型乳化化粧料は、単品のみの使用においても、リキッドファンデーションやパウダーファンデーション・白粉等の粉体化粧料の重ね付けにおいても使用することができる。
表1及び表2に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造し、塗布してから指が止まるまでのマッサージ回数、塗布中の上滑りしにくさ、塗布後の肌のつや、塗布後の肌の密着感、塗布後の肌のムラ付きのなさを評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
粉体相成分を混合粉砕し、別途60℃で混合した油相成分に添加してディスパーで分散し、25℃まで冷却した。その後、水相成分をホモミキサーで攪拌し、別途調製した粉体相含有の油相成分を添加し、ホモミキサーで撹拌することにより、水中油型乳化化粧料を得た。
(1)塗布してから指が止まるまでのマッサージ回数:
専門評価者1名が、腕の内側の2cm×2cmの面積に、各水中油型乳化化粧料0.05gを塗布し、肘から手首の方向に対し、1秒間に1往復の速さで、人差し指と中指で一定の力でマッサージし、指が止まるまでのマッサージ回数を評価した。1往復のマッサージを1回のマッサージ回数とした。
なお、「塗布中の上滑りしにくさ」については、腕の内側の2cm×2cmの面積に、各水中油型乳化化粧料0.05gを塗布し、肘から手首の方向に対し、1秒間に1往復の速さで人差し指と中指で一定の力で5回マッサージを行い、評価した。
上滑りをしないとは、肌に水中油型乳化化粧料を指でマッサージしているときに、水中油型乳化化粧料が指や塗布した肌に吸い付く感じがあり、密着している感じがあることを示す。水中油型乳化化粧料が、指や塗布した肌に吸いつく感じがあり、密着している感じがあることで、水中油型乳化化粧料を肌の皮丘、皮溝に付着させている実感が得られる。
また、「塗布後の肌のつや」、「塗布後の肌の密着感」については、「(1)塗布してから指が止まるまでのマッサージ回数」の評価を終えた後の肌の状態を評価した。
「塗布後の肌のつや」において、つやがあるとは、塗布後の肌を昼白色の蛍光灯下で観察し、違和感なく自然につやが見えることを示し、「塗布後の肌の密着感」において、密着感があるとは、塗布後の肌を指で触った際に、塗布した水中油型乳化化粧料が取れずに肌にとどまっている感覚を示す。
5;肌の上を化粧料が全く上滑りしない。
4;肌の上を化粧料がほとんど上滑りしない。
3;肌の上を化粧料があまり上滑りしない。
2;肌の上を化粧料がやや上滑りする。
1;肌の上を化粧料が明らかに上滑りする。
5;自然なつやがかなりある。
4;自然なつやがある。
3;自然なつやがややある。
2;自然なつやがほとんどない。
1;自然なつやが全くない。
5;密着感がかなりある。
4;密着感がある。
3;密着感がややある。
2;密着感がほとんどない。
1;密着感が全くない。
黒色の人工皮革(ラフォーレ黒#2923、オカモト化成社製)に、各水中油型乳化化粧料をアプリケーター(25μm)で塗布し、35℃で3時間乾燥した。乾燥後の各水中油型乳化化粧料の塗布状態を、専門評価者5名が目視により、以下の基準で評価した。結果は、専門評価者5名の合計点で示した。
なお、ムラ付きがないとは、水中油型乳化化粧料を塗布した部位の色に濃淡が目立たず、水中油型乳化化粧料が均一に付着しているように見えることであり、ムラ付きが見られるとは、塗布した部位に色の濃淡が目立ち、水中油型乳化化粧料が均一に付着しているように見えないことを示す。
5;ムラ付きが全くない。
4;ムラ付きがほとんどない。
3;ムラ付きがあまり見られない。
2;ムラ付きがやや見られる。
1;ムラ付きが明らかに見られる。
得られた水中油型乳化化粧料は、肌に塗布して伸ばした際に、水中油型乳化化粧料が肌上でいつまでも伸び続けることがなく、塗布中に化粧料が肌上で上滑りせず、さらに、水中油型乳化化粧料がムラ付きせず、均一に肌に色を付着させることができる。また、塗布後の肌につやや密着感が得られるものである。
(成分)
(G)水 71.65質量%、
(B)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー *4 0.8質量%、
1,3-ブチレングリコール 1.0質量%、
エタノール 3.0質量%、
(A)シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体 *2 5.0質量%、
(D)安息香酸アルキル(C12~15) *3 2.5質量%、
(D)パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0質量%、
(E)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5質量%、
(E)モノステアリン酸ソルビタン 0.7質量%、
(F)デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0質量%、
(F)ジメチルポリシロキサン(6cs) 2.0質量%、
ステアリルアルコール 0.6質量%、
(C)パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量%処理酸化チタン
1.0質量%、
(C)パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量%処理黄酸化鉄 0.2質量%、
(C)パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量%処理ベンガラ
0.04質量%、
(C)パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量%処理黒酸化鉄
0.01質量%、
(C)パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量%処理微粒子酸化亜鉛
2.0質量%、
パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量%処理マイカ 1.0質量%
*4 (アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーポリアクリルアミド:SEPPIC社製、SIMULGEL NSの固形分(固形分37.5質量%)
(成分)
(G)水 74.15質量%、
(B)ポリアクリルアミド *5 0.4質量%、
(B)ポリアクリレートクロスポリマー6 *6 0.4質量%、
1,3-ブチレングリコール 1.5質量%、
エタノール 3.0質量%、
(A)シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体 *2 5.0質量%、
(D)安息香酸アルキル(C12~15) *3 2.5質量%、
(D)パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 2.0質量%、
(E)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
0.5質量%、
(E)モノステアリン酸ソルビタン 0.7質量%、
(F)デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0質量%、
ジメチルポリシロキサン(10cs) 2.0質量%、
ステアリルアルコール 0.6質量%、
(C)ジメチルポリシロキサン2質量%処理酸化チタン 1.0質量%、
(C)ジメチルポリシロキサン2質量%処理黄酸化鉄 0.2質量%、
(C)ジメチルポリシロキサン2質量%処理ベンガラ 0.04質量%、
(C)ジメチルポリシロキサン2質量%処理黒酸化鉄 0.01質量%、
(C)ジメチルポリシロキサン2質量%処理微粒子酸化亜鉛 2.0質量%、
ジメチルポリシロキサン2質量%処理マイカ 1.0質量%
*5 ポリアクリルアミド:SEPPIC社製、SEPIGEL 305の固形分(固形分37.5質量%)
*6 ポリアクリレートクロスポリマー6:SEPPIC社製、SEPIMAX ZEN
Claims (4)
- 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.05~20質量%、
(B)ポリアクリルアミド化合物 0.1~5質量%、
(C)疎水化処理された着色顔料 0.05~30質量%、
(D)25℃で液状の極性油、
(E)非イオン性界面活性剤、
(F)25℃で液状の揮発性油
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.05~50である水中油型乳化化粧料。 - 成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、0.01~20である請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分(B)が、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体を含む請求項1又は2記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分(C)の疎水化処理が、シリコーン処理である請求項1~3のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。
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