JP6382100B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体と、不揮発性油及び疎水化処理粉体を含有する油中水型乳化化粧料が、乳化安定性が良好で、のびが良く、べたつきが少なく、皮膜感などの違和感が少なく、毛穴などの肌の凹凸が目立たず、化粧持続が良好で、経時での小じわ、毛穴などの凹凸目立ちやよれが起こりにくいことが記載されている。
(A)パーフルオロアルキルシランで表面処理した、粒子径0.01μm以上1.0μm以下の球状有機樹脂粉体 0.1〜20質量%、
(B)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.1〜20質量%、
(C)揮発性油、
(D)水 1〜70質量%
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.02〜30である油中水型乳化化粧料に関する。
球状樹脂粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリメチルベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂;ジメチルシリコーンを架橋したシリコーンエラストマーやポリメチルシルセスキオキサン等のシリコーン樹脂;アクリル酸ブチル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体から選ばれる1種または2種以上の重合体または共重合体のパウダー等の架橋型あるいは非架橋型の有機粉体が挙げられる。
これらのうち、アクリル樹脂粉体が好ましく、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸アルキレングリコール、メタクリル酸アルキレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の重合体がより好ましい。
F3C−(CF2)5−(CH2)2−Si−(OCH2CH3)3
トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランとしては、大東化成工業株式会社より販売されているFHSが好適である。
中でも、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランを有機溶剤に溶解又は分散させ、粉体とミキサー内で混合しながら、ミキサーを減圧下で加温して有機溶剤を除去した後、必要に応じて熱処理及び解砕する製造方法が好ましい。ここで用いる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルムに代表される極性有機溶剤や、ノルマルヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素系有機溶剤が適当である。
また、成分(A)の粉体は、塗布初期のひっかかり感が少なく、塗布直後の肌の白浮きや肌荒れの目立ちを抑制する点から、平均粒子径0.1〜0.5μmであるのが好ましく、0.3〜0.4μmがより好ましい。
なお、本発明において、成分(A)の粒子径は、パーフルオロアルキルシランで表面処理した状態で測定したものを指し、その測定方法は、電子顕微鏡の映像で観察し、測定粒子100個中の粒子の数を測定され、ヒストグラムを作成して得られる個数基準の粒子径分布である。また、平均粒子径は、個数基準の粒子径のメディアン径(50%径)分布により求められる。
X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
Xi+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基及び上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。
X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー 100〜0.1質量部とを(共)重合させてなるカルボシロキサンデンドリマー構造を含有するビニル系重合体が好ましい。
このようなラジカル重合可能な有機基を含有するカルボキシデンドリマー(B2)としては、下記平均組成式で示されるカルボシロキサンデンドリマーが例示される。
揮発性炭化水素油としては、例えば、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等のパラフィン系炭化水素油;イソデカン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素油;シクロデカン、シクロドデカン等の環状パラフィン炭化水素油が挙げられる。これらのうち、イソパラフィン系炭化水素油が好ましく、イソドデカンがより好ましい。
成分(C)の揮発性油としては、油中水型乳化化粧料を肌に塗布した後、成分(C)が揮発した後の使用感が良好で、塗布初期のひっかかり感が少ない点から、揮発性シリコーン油が好ましい。
25℃で液状のエステル油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油。ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等が挙げられる。また、クリーム状やペースト状として、ラノリン、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトルテリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、オレイン酸フィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)が挙げられる。
さらに、イソノナン酸イソトリデシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリルがより好ましく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルがさらに好ましい。
これらエステル油は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、本発明の油中水型乳化化粧料は、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー;ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日やけ止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料などとして適用することができる。なかでも、化粧下地、リキッドファンデーション、コンシーラーがより好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、単品のみの使用においても、リキッドファンデーションやパウダーファンデーション・白粉等の粉体化粧料の重ね付けにおいても使用することができる。
ここで、粘度は、25℃において、粘度計(東機産業社製、VISCOMETER TVB-10形粘度計、回転数6r/min,ローターNo.M3、1min)で測定する。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
(A)パーフルオロアルキルシランで表面処理した、粒子径0.01μm以上1.0μm以下の球状有機樹脂粉体 0.1〜20質量%、
(B)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.1〜20質量%、
(C)揮発性油、
(D)水 1〜70質量%
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.02〜30である油中水型乳化化粧料。
<3>成分(A)の球状有機樹脂粉体が、好ましくは、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理されたものである前記<1>又は<2>記載の油中水型乳化化粧料。
<4>成分(A)の球状有機樹脂粉体において、パーフルオロアルキルシランの処理量が、好ましくは、アクリル樹脂粉体の質量に対して、0.05質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<6>成分(A)の粉体が、好ましくは、平均粒子径0.1〜0.5μmであって、0.3〜0.4μmがより好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<7>全ての球状有機樹脂粉体の30質量%以上が、粒子径0.01μm以上1.0μm以下の球状有機樹脂粉体であるのが好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<8>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.3質量%以上であって、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<9>成分(B)において、カルボシロキサンデンドリマー構造が、次式(1)
で表される基である前記<1>〜<8>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<10>成分(B)のビニル系重合体が、(B1)ビニル系単量体 0〜99.9質量部と、(B2)一般式(2):
で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー 100〜0.1質量部とを重合させてなるものである前記<1>〜<9>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<11>(B2)中のラジカル重合可能な有機基Yが、一般式
で表されるアクリル基又はメタクリル基含有有機基、一般式:
で表されるスチリル基含有有機基及び炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基である前記<10>記載の油中水型乳化化粧料。
<13>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.2質量%以上であって、0.3質量%以上がより好ましく、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<14>成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、0.05以上であって、0.08以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<16>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に1質量%以上であって、7質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<17>成分(D)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に15質量%以上であって、25質量%以上がより好ましく、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<19>成分(E)の25℃で液状のエステル油の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、15質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<21>25℃における粘度が、好ましくは、2000〜200000mPa・sであって、3000〜100000mPa・sがより好ましく、3500〜15000mPa・sがさらに好ましい前記<1>〜<20>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
表1に示す組成の油中水型乳化化粧料(ファンデーション)を製造し、塗布初期のひっかかり感のなさ、塗布直後の肌の白浮きのなさ、塗布直後の肌の荒れの目立たなさ、塗布直後の肌のハリを評価した。結果を表1に併せて示す。
粉体相成分を混合粉砕し、別途混合した油相成分に添加してディスパーで分散した。その後、水相成分を添加し、ディスパーで分散後、ホモミキサーで撹拌することにより、油中水型乳化化粧料を得た。
専門評価者10名が、各油中水型乳化化粧料を肌に塗布したとき、塗布初期のひっかかり感のなさ、塗布直後の肌の白浮きのなさ、塗布直後の肌の荒れの目立たなさ、塗布直後の肌のハリを、以下の基準で官能評価した。なお、表中の評価結果は、専門評価者10人が下記の5段階で官能評価し、10人の合計点で示した。
5;塗布初期のひっかかり感を感じない。
4;塗布初期のひっかかり感をほとんど感じない。
3;塗布初期のひっかかり感を少し感じる。
2;塗布初期のひっかかり感を感じる。
1;塗布初期のひっかかり感をかなり感じる。
5;肌の白浮きが見えない。
4;肌の白浮きがほとんど見えない。
3;肌の白浮きを少し見える。
2;肌の白浮きを見える。
1;肌の白浮きをかなり見える。
5;肌の荒れが目立たない。
4;肌の荒れがほとんど目立たない。
3;肌の荒れが少し目立つ。
2;肌の荒れが目立つ。
1;肌の荒れが非常に目立つ。
5;頬に非常にハリがあるように見える
4;頬にハリがあるように見える。
3;頬に少しハリがあるように見える。
2;頬にあまりハリがなく見える。
1;頬にハリがなく見える。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)パーフルオロアルキルシランで表面処理した、粒子径0.01μm以上1.0μm以下の球状有機樹脂粉体 0.1〜20質量%、
(B)カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体 0.1〜20質量%、
(C)揮発性油、
(D)水 1〜70質量%
を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.02〜30である油中水型乳化化粧料。 - 成分(A)が、球状アクリル樹脂粉体である請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
- 成分(A)が、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸アルキレングリコール及びメタクリル酸アルキレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の重合体である請求項1又は2記載の油中水型乳化化粧料。
- 成分(A)の表面処理が、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン処理である請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料。
- 成分(B)において、カルボシロキサンデンドリマー構造が、次式(1)
で表される基である請求項1〜4のいずれか1項記載の油中水型乳化化粧料。 - 成分(B)のビニル系重合体が、(B1)ビニル系単量体 0〜99.9質量部と、(B2)一般式(2):
で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー 100〜0.1質量部とを重合させてなるものである請求項1〜5のいずれか1項記載の油中水型乳化化粧料。 - 全ての球状有機樹脂粉体の30質量%以上が、粒子径0.01μm以上1.0μm以下の球状有機樹脂粉体である請求項1〜7のいずれか1項記載の油中水型乳化化粧料。
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