JP6998288B2 - 工具着座確認機能付き回転工具用主軸 - Google Patents
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Description
回転工具は、工具ホルダを用いて回転工具用主軸に取付けられる。(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
回転工具101が、工具ホルダ102に取付けられている。工具ホルダ102は、雄テーパー部103を備えている。
工具保持部104に、雄テーパー部103に対応する円錐穴105が設けられている。外部にタンク106が置かれ、このタンク106に液体107が満たされ、この液体107がポンプ108で汲み上げられる。ポンプ108の吐出口から流体供給路111が延び、流体供給路111の先端が円錐穴105に開口している。
異物113が介在すると、円錐穴105に雄テーパー部103が密着しなくなり、液体107が外へ漏れる。すると、流体供給路111の圧力がポンプ108の吐出圧より低くなる。
流体供給路111の圧力を監視することで、工具ホルダ102が工具保持部104に正しく取付けられているか、否かが判る。
雄テーパー部103に、微細な擦り傷が認められた。
図6(a)のb-b線断面図である図6(b)に示すように、円錐穴105に開口112が開いている。
図6(c)は、図6(b)のc部拡大図であり、開口112の縁に、僅小な瘤114ができていた。
対策として、開口112に面取り加工を施してみた。改善されるが長期間使用すると瘤114が発生した。面取りは対策として不十分であることが判った。
先端に前記雄テーパー部に対応する円錐穴を有する中空主軸を備え、
この中空主軸に、前記雄テーパー部が前記円錐穴に正しく取付けられていることを検出する流体通路及び流体を吹き出す開口が設けられている工具着座確認機能付き回転工具用主軸において、
前記中空主軸は、コレットチャック機構を収納すると共に前記円錐穴を有する前半部分と、前記コレットチャック機構を操作するドローバーを後進させる皿ばねを収納するばね収納室を有する後半部分とからなり、
前記流体通路は、前記後半部分では、前記皿ばねの外周と前記ばね収納室の壁面との間の隙間で構成され、前記前半部分では、前記中空主軸の肉厚内に少なくとも2本設けられ、
前記前半部分における前記流体通路の入口は、前記ばね収納室の円筒面に設けられており、
前記開口は、前記円錐穴から外れた部位に設けられていることを特徴とする。
前記円錐穴から外れた部位は、前記円錐穴の小径端から延びる円筒部であることを特徴とする。
前記開口は、吹き出した流体が前記雄テーパー部に衝突する位置に設けられていることを特徴とする。
すなわち、本発明により、円錐穴に瘤が発生しないような工具着座確認機能付き回転工具用主軸が提供される。
加えて、皿ばねの外周と、ばね収納室の壁面との間に、隙間を設け、この隙間に流体を流すようにした。これにより、中空主軸の後半部分は、肉を薄くすることができ、その分、皿ばねの外径を大きくすることができる。
さらに加えて、本発明では、流体通路は、中空主軸の肉厚内に少なくとも2本設けられ、前半部分における流体通路の入口は、ばね収納室の円筒面に設けられている。
加えて、円錐穴に円筒部が連続しているため、中空主軸の加工費用が嵩まない。
円錐穴へ雄テーパー部を挿入するときで且つ挿入が完了していないときには、吹き出した流体は、雄テーパー部に当たり、雄テーパー部に沿って流れる。この流れで円錐穴と雄テーパー部を清掃することができる。
回転工具用主軸20は、工具ホルダ10を、設定された速度で回転する役割を果たす。
コレットチャック機構40は、中空主軸30に収納されるコレット収納筒41と、このコレット収納筒41に内蔵される蟹鋏み状のコレット42と、ドローバー50に固定されコレット42を開閉するコレット駆動部材43とからなる。
皿ばね61は、ばね収納室32にて、ドローバー50と中空主軸30との間に配置される。
工具ホルダ10を介して回転工具11にクーラント55を供給すると、回転工具11が効率よく冷却され且つ被切削物との間が効果的に潤滑され、高負荷切削が可能となる。
これにより、中空主軸30の後半部分37は、肉を薄くすることができ、その分、皿ばね61の外径を大きくすることができた。
皿ばね61は、外径が大きくなると、許容撓みを大きくすることができ、比較的少ない枚数で大きなストロークを得ることができる。又は、枚数が決まっている場合には、応力が小さくなり、皿ばね61への負担を軽減することができる。
仮に、外径が小さい皿ばねは、1枚当たりの許容撓みが小さく、ばね力も小さい。所望の総撓み(ストローク)と所望のばね力を得るには、外径が小さい皿ばねの枚数を増やす必要がある。増やすと、ばね収納室32が長くなる。
この点、本実施例のように、外径が大きな皿ばね61を使用すると、皿ばね61は、1枚当たりの許容撓みが大きく、ばね力も大きくなる。所望の総撓み(ストローク)と所望のばね力を得るには、皿ばね61の枚数は少なくて済む。少なくなると、ばね収納室32の長さが小さくなる。
中空主軸30が回されると、工具ホルダ10を介して回転工具11が回される。このときには、工具ホルダ10でコレットチャック機構40を介してドローバー50が回される。すなわち、ドローバー50と中空主軸30とが一緒に回る。
図1においては、工具ホルダ10が円錐穴31に取付けられていないため、中空主軸30を回しても、ドローバー50は、一緒に回らない。図1では、原則として中空主軸30を回さない。試験的に回す必要があるときは、工具ホルダ10に相当するダミーホルダを、取付ければ、中空主軸30とドローバー50とを一緒に回すことができる。
図3(a)は、図1の3a部拡大図である。
好ましくは、図3(a)に示すように、円錐穴31の小径端31aから円筒部38を延ばし、この円筒部38に、開口34を設ける。開口34が円錐穴31から外れた位置に設けられているため、開口34が雄テーパー部12で傷められる心配はない。
次に、図3(b)に示すように、電磁弁65を開くと、流体36が流体通路33を通り、開口34から吹き出す。開口34から吹き出すため、流体通路33での圧力は高くならない。
すると、吹き出した流体36が、雄テーパー部12に衝突し、流れ方向を変えて円錐穴31と雄テーパー部12との間の隙間を高速で流れる。この高速の流れにより、円錐穴31と雄テーパー部12とを清掃する。このときも流体通路33での圧力は高くならない。
図3(d)に示すように、円錐穴31に雄テーパー部12が完全に挿入された状態であっても、開口34は雄テーパー部12で塞がれない。流体36は、プルスタッド13周りの閉空間67に溜まる。
圧力スイッチ66は、圧力を測定する圧力センサであってもよい。しかし、圧力センサは高価である。この点、圧力スイッチ66は、2接点スイッチであるため、安価である。
皿ばね61の外周の隙間62に流体を流すようにしたので、この流体で冷却し、コンタミの除去を図ることができる。
図4に示すように、円錐穴31を、雄テーパー部12に対応する長さに延ばす。そして、閉空間67に開口34を臨ませる。開口34が円錐穴31の外にあるため、開口34の縁に瘤ができる心配はない。
ただし、開口34の軸線が雄テーパー部12から外れているため、開口34からの流れが直接雄テーパー部12に衝突することはない。しかし、閉空間67に溜まった流体が二次的に円錐穴31と雄テーパー部12との間の隙間を流れるため、円錐穴31と雄テーパー部12との清掃は可能となる。
また、実施例では、バー本体52にクーラント流路56を設けたが、クーラント流路56を省略してもよい。省略した場合は、ノズル53及びスプリング54が不要となるため、ドローバー50はバー本体52だけで構成することができる。
Claims (3)
- 回転工具を収納し、雄テーパー部を有する工具ホルダを、回転する回転工具用主軸であり、
先端に前記雄テーパー部に対応する円錐穴を有する中空主軸を備え、
この中空主軸に、前記雄テーパー部が前記円錐穴に正しく取付けられていることを検出する流体通路及び流体を吹き出す開口が設けられている工具着座確認機能付き回転工具用主軸において、
前記中空主軸は、コレットチャック機構を収納すると共に前記円錐穴を有する前半部分と、前記コレットチャック機構を操作するドローバーを後進させる皿ばねを収納するばね収納室を有する後半部分とからなり、
前記流体通路は、前記後半部分では、前記皿ばねの外周と前記ばね収納室の壁面との間の隙間で構成され、前記前半部分では、前記中空主軸の肉厚内に少なくとも2本設けられ、
前記前半部分における前記流体通路の入口は、前記ばね収納室の円筒面に設けられており、
前記開口は、前記円錐穴から外れた部位に設けられていることを特徴とする工具着座確認機能付き回転工具用主軸。
- 請求項1記載の工具着座確認機能付き回転工具用主軸であって、
前記円錐穴から外れた部位は、前記円錐穴の小径端から延びる円筒部であることを特徴とする工具着座確認機能付き回転工具用主軸。 - 請求項1又は請求項2記載の工具着座確認機能付き回転工具用主軸であって、
前記開口は、吹き出した流体が前記雄テーパー部に衝突する位置に設けられていることを特徴とする工具着座確認機能付き回転工具用主軸。
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