JP5508167B2 - 工作機械の主軸クランプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フライス盤やマシニングセンタなどの工作機械の主軸ヘッドから軸方向に摺動出入りする主軸を任意の位置でクランプするための主軸クランプ装置に関する。
従来、フライス盤やマシニングセンタなどの工作機械においては、先端に工具を装着する主軸が軸回りに回転するだけでなく、主軸ヘッドから軸方向に摺動出入りして、ワークに対する加工を行うように構成されたものがある。この場合、主軸ヘッドに中空軸(副軸又は中ぐり主軸などともいう)がベアリングなどを介して回転自在に支持され、この中空軸の内側に対し、上記主軸がスリーブなどを介して軸方向に摺動出入り可能にかつ一体的に回転するように挿入して配置されている。また、主軸ヘッドから摺動出入りする主軸を任意の位置でクランプするための主軸クランプ装置が装備されている。
そして、この種の主軸クランプ装置としては、種々のものが知られている。例えば特許文献1には、中空軸の端部にテーパ面を形成する一方、このテーパ面に一致するテーパ面を有しかつ縮径できるように割り溝を有する環状のコレットを設け、このコレットを主軸の外周面と中空軸のテーパ面との間に常にクランプ方向に弾圧して挿入するとともに、主軸ヘッド側に、コレットをアンクランプ方向に作動させるための油圧シリンダ及び作動環を設けたものが記載されている。
また、特許文献2には、中空軸の内周面と主軸の外周面との間に形成した隙間に、薄肉円筒形状で外周部分を加圧すると内側半径方向に弾性的に収縮し主軸をクランプするクランプ部材を配置するとともに、このクランプ部材を加圧する加圧流体を、主軸ヘッド側から中空軸の内周面とクランプ部材の外周面との間に形成した加圧室に供給する加圧流体供給手段を備えたものが記載されている。
実開昭47−25287号公報 特開昭63−2644号公報
ところが、上記従来の主軸クランプ装置のうち、特許文献1のものでは、主軸の外周面と中空軸のテーパ面との間にコレットを弾圧して挿入する構成上、中空軸のテーパ面及びコレットのテーパ面の軸方向長さを余り長くすることできず、その結果、十分なクランプ力を確保することができないという問題があった。また一方、特許文献2のものでは、加圧流体供給手段が、圧油などの加圧流体を固定側の主軸ヘッドから回転側の中空軸内周面とクランプ部材外周面との間の加圧室に供給していることから、クランプ時に加圧流体のリークが生じ、長時間一定のクランプ力を維持することが困難であるという問題がある。
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、主軸ヘッドから軸方向に摺動出入りする主軸を任意の位置でクランプする構成を改良して、十分なクランプ力を確保することができ、また、圧油などのリークの問題を生じることなく、クランプ力を長時間一定に維持し得る工作機械の主軸クランプ装置を提供せんとするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、主軸ヘッドに回転自在に支持された中空軸の内側に対し、先端に工具を装着する主軸が軸方向に摺動出入り可能にかつ一体的に回転するように挿入して配置されてなる工作機械の主軸クランプ装置として、上記中空軸の内周面と主軸の外周面との間に形成した隙間に配置されたクランプユニットを備える。そして、このクランプユニットは、薄肉円筒状の内壁部と外壁部との間に一端側が開口する空洞を形成してなるクランプ本体と、このクランプ本体の空洞内に封入された封入媒体と、この封入媒体を圧縮するためにクランプ本体の空洞開口側に設けられたピストンとを有し、このピストンを押圧して封入媒体を圧縮することでクランプ本体の内壁部が内側に弾性変形して主軸をクランプするように構成する。また、上記中空軸に設けられ、上記クランプユニットのピストンを押圧方向に付勢する付勢手段と、上記主軸ヘッド側に設けられ、上記付勢手段の付勢力がクランプユニットのピストンに作用するのを規制したり許容したりするための切換手段とを備える構成にする。
この構成では、中空軸の内周面と主軸の外周面との間に形成した隙間に配置されたクランプユニットは、薄肉円筒状の内壁部と外壁部との間に空洞を形成してなる薄肉二重壁構造のクランプ本体の二重壁間の空洞内に封入媒体を封入し、この封入媒体をクランプ本体の空洞開口側に設けたピストンの押圧により圧縮することでクランプ本体の内壁部が内側に弾性変形して主軸をクランプするものであるため、クランプユニットのクランプ本体の軸方向長さを比較的長く設定することができる。その結果、クランプ時にはクランプ本体の内壁部が主軸の軸方向に長い範囲に亘って弾性変形して主軸をクランプすることになり、十分なクランプ力が確保される。
しかも、上記クランプユニットのピストンを押圧して主軸のクランプを行ったり、そのクランプを解除したりするための手段は、中空軸に設けられ、クランプユニットのピストンを押圧方向に付勢するバネ又は弾性体などからなる付勢手段と、主軸ヘッド側に設けられ、上記付勢手段の付勢力がクランプユニットのピストンに作用するのを規制したり許容したりするための切換手段とからなるため、仮に切換手段が油圧式のものである場合でも従来の如く圧油のリークが生じることはなく、クランプ時中は長時間でもクランプ力を一定に維持することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の工作機械の主軸クランプ装置において、上記クランプ本体の空洞開口側に、空洞をクランプ本体の中心線と直交する面で仕切る仕切壁と、この仕切壁に設けた連通孔を通して空洞に連通する複数のシリンダ室とを形成し、上記各シリンダ室内にそれぞれ上記ピストンを摺動可能に配置するとともに、このピストンに、シリンダ室の一壁面を構成する蓋プレートを貫通して延出するロッド部を設け、このロッド部でピストンを押圧する構成にする。
この構成では、複数のピストンのロッド部を押圧することでクランプ本体の各シリンダ室内の封入媒体及び空洞内の封入媒体を確実に圧縮してクランプ本体の内壁部の内側への弾性変形による主軸のクランプを確実に行うことができる。その上、例えばクランプ本体の空洞開口側にその開口全体を閉じる1つの環状のピストンを設け、このピストンでクランプ本体の空洞内の封入媒体を圧縮する場合に比べてピストンなどの製造を容易に行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の工作機械の主軸クランプ装置において、上記封入媒体として、グリースを用いる構成にする。この構成では、封入媒体としてのグリースが半流動体であることから、封入媒体として例えば油を用いた場合に比べてリーク対策を講じることが容易になる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の工作機械の主軸クランプ装置において、上記付勢手段の1つの具体的な形態を提供するものである。すなわち、上記付勢手段は、主軸の外周に配置され、ピストンと接触する接触面を有する押圧部材と、この押圧部材に一端が固定され、他端が中空軸の端面に形成した収納空間部内に延びる棒状部材と、この棒状部材の他端側外周に圧縮状態で上記収納空間部内に配置され、棒状部材を介して押圧部材をその接触面でピストンを押圧するように付勢するバネとを有してなる構成にする。
請求項5に係る発明は、請求項4記載の工作機械の主軸クランプ装置において、上記切換手段の1つの具体的な形態を提供するものである。すなわち、上記切換手段は、上記押圧部材の外周を囲繞するように配置され、押圧部材の外周面に形成した環状の溝部に係合する凸部が内周面から突出して形成された外部ピストンと、この外部ピストンと主軸ヘッドとの間に形成される2つの油室とを有し、一方の油室に圧油を導入しているときには上記外部ピストンの凸部により押圧部材の移動を規制することで上記付勢手段のバネのバネ反力がクランプユニットのピストンに作用するのを規制し、他方の油室に圧油を導入したときには押圧部材の移動を許容し、上記付勢手段のバネのバネ反力がクランプユニットのピストンに作用するのを許容するように構成する。
以上のように、本発明における工作機械の主軸クランプ装置によれば、薄肉二重壁構造のクランプ本体の二重壁間の空洞内に封入媒体を封入し、この封入媒体をクランプ本体の空洞開口側に設けたピストンの押圧により圧縮することでクランプ本体の内壁部が内側に弾性変形して主軸をクランプするものであるため、十分なクランプ力を確保することができる上、従来の如く圧油のリークが生じることはなく、クランプ時中は長時間でもクランプ力を一定に維持することができ,実用性に優れた効果を奏するものである。
特に、請求項2に係る発明では、複数のピストンでクランプ本体の空洞内の封入媒体を圧縮して主軸のクランプを確実に行うことができる上、ピストンなどの製造をも比較的容易に行うことができ、実施化を容易に図ることができる。
また、請求項3に係る発明では、封入媒体としてのグリースが半流動体であることから、リーク対策を容易に講じることができ、実施化をより容易に図ることができる。
図1は本発明の実施形態に係る工作機械の主軸ヘッドの先端側の縦断側面図である。 図2は図1の要部のアンクランプ状態を示す拡大図である。 図3はクランプ状態を示す図2相当図である。 図4はクランプユニットの正面図である。 図5は図4のX−X線における断面図である。
以下、本発明を実施するための形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る工作機械の主軸ヘッドの先端側の断面構造を示す。図1において、1は複数(図では7つ)の部材1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gを互いに組み合わせてなる主軸ヘッド、2はこの主軸ヘッド1にベアリング3を介して回転自在に支持された中空軸、4はこの中空軸2の内側に対しスリーブ5を介在して軸方向に摺動出入り可能にかつ中空軸2と一体的に回転するように挿入して配置された主軸である。
上記主軸4の先端部には工具ホルダ6が取り付けられており、この工具ホルダ6を介してドリルなどの工具(図示せず)が主軸4の先端に装着されるようになっている。また、主軸4が中空軸2及び主軸ヘッド1に対し軸方向に摺動出入りすることから、この主軸4を任意の位置でクランプするための主軸クランプ装置10が装備されている。この主軸クランプ装置10は、図2及び図3に拡大詳示するように、上記中空軸2の先端部の内径を中空軸2のスリーブ5を介在した部位のそれよりも一段大きく設定して中空軸2の先端部の内周面と主軸4の外周面との間に形成した隙間11に配置されたクランプユニット12を備えている。
上記クランプユニット12は、図4及び図5にも示すように、共に薄肉円筒状の内壁部13aと外壁部13bとの間に一端側(主軸4の先端側に対応する側)が開口する空洞14を形成してなる薄肉二重壁構造のクランプ本体13と、このクランプ本体13の空洞14内に封入された封入媒体としてのグリース15と、このグリース15を圧縮するためにクランプ本体13の空洞開口側に設けられた複数のピストン16,16,…とを有している。クランプ本体13の外壁部13bの外径は、中空軸2の先端部の内径と略同一寸法に設定されて、クランプ本体13の外壁部13bが中空軸2の先端部の内周面に密着しているのに対し、クランプ本体13の内壁部13aの内径と主軸4の外径は、両者間に十数μm程度の隙間を生じるように設定されている。これにより、クランプユニット12は、各ピストン16の非押圧状態で主軸4の摺動出入りを許容しつつ、各ピストン16を押圧してグリース15を圧縮することでクランプ本体13の内壁部13aが内側に弾性変形して主軸4をクランプするようになっている。
上記クランプ本体13の空洞開口側端部13cには、空洞14をクランプ本体13の中心線Lと直交する面で仕切る仕切壁17が形成されているとともに、この仕切壁17に各々別々に設けた連通孔18又は19を通して空洞14と連通する複数ずつのシリンダ室21及びグリース注入部22(共に図では1つのみ示す)がそれぞれ円周方向に等間隔でかつ中心線をクランプ本体13の中心線Lの方向に向けた状態で形成されている。よって、本実施形態の場合、クランプ本体13の空洞開口側は、仕切壁17で空洞14を実質上閉じるようになっており、クランプ本体13の空洞開口側端部13cの外径は、クランプ本体13の他の部位の外径(つまり外壁部13bの外径)よりも大きく設定されて、空洞開口側端部13cの肉厚がクランプ本体13の他の部位のそれよりも厚く形成されている。このクランプ本体13の空洞開口側端部13cには、上記各シリンダ室21の一壁面を構成する環状の蓋プレート23が複数の固定ネジ24,24,…により固定されている。
上記各シリンダ室21内にはそれぞれ対応する上記ピストン16が摺動可能に配置されているとともに、このピストン16には、上記蓋プレート33を貫通してクランプ本体13の外部にまで延出するロッド部16aが一体成形により設けられ、このロッド部16aでピストン16を押圧するようになっている。また、上記各グリース注入部22は、連通孔19を閉じるスチールボール25と、蓋プレート33及びクランプ本体13の空洞開口側端部13cにねじ込まれた六角穴付き止めネジ26と、この止めネジ26とスチールボール25との間に縮小状態で介在されたコイルバネ27とを有し、開栓してグリースを注入するとき以外にグリースが漏出するのを防止するようになっている。
また、上記クランプ本体13の空洞開口側端部13cには半径方向外側に延出する環状のフランジ部13dが形成されている。このフランジ部13dには、後述する付勢手段40の各棒状部材44が貫通する複数の貫通孔28,28,…が円周方向に等間隔で設けられているとともに、これらの貫通孔28,28,…と同数のボルト孔29,29,…がそれぞれ隣接する2つの貫通孔28,28の中間位置に設けられており、図1に示す如く各ボルト孔29を通して締結ボルト31によりフランジ部13dを中空軸2の先端面に固定することでクランプ本体13ないしクランプユニット12が取り付けられている。
上記主軸クランプ装置10は、クランプユニット12の外に、更に、上記中空軸2の先端部に設けられ、上記クランプユニット12の各ピストン16のロッド部16aを押圧方向に付勢する付勢手段40と、上記主軸ヘッド1の先端部側に設けられ、上記付勢手段40の付勢力がクランプユニット12の各ピストン16のロッド部16aに作用するのを規制したり許容したりするための切換手段50とを備えている。
上記付勢手段40は、主軸11の外周に配置され、上記各ピストン16のロッド部16aと接触する接触面41aを有する環状の押圧部材41と、この押圧部材41にそれぞれ一端がナット42で固定され、他端部がそれぞれクランプ本体13のフランジ部13dの対応する貫通孔28を通して、中空軸2の先端面に形成した段付き円筒形状の収納空間部43内にまで延びる複数の棒状部材44(図では1つのみ示す)と、この各棒状部材44の他端部外周でかつ棒状部材44に嵌着した鍔部材45とクランプ部材13のフランジ部13dとの間にそれぞれ圧縮状態で上記収納空間部43内に1組ずつ配置され、棒状部材44を介して押圧部材41がその接触面41aで各ピストン16のロッド部16aを押圧するように付勢する各組複数枚ずつ複数組の皿バネ46(図では1組の皿バネのみ示す)と、上記押圧部材41の端面に、棒状部材44の固定側端部及びナット42を覆うようにボルト止めされたカバー部材47とを有している。このカバー部材47と押圧部材44の合わせ面外周には、押圧部材44の外周面に形成した段差部とカバー部材47の端面とからなる環状の溝部48が形成されている。
上記切換手段50は、上記押圧部材41及びカバー部材47の外周を囲繞するように配置され、上記溝部48に係合する凸部51aが内周面から全周に亘り突出して形成された円筒状の外部ピストン51と、この外部ピストン51と主軸ヘッド1の部材1a,1bとの間に形成される2つの油室52,53と、この両油室52,53にそれぞれ油圧源(図示せず)の圧油を供給するように主軸ヘッド1に形成された2つの油路54,55とを有し、上記一方の油室52に油路54を通して油圧源の圧油を導入しているときには上記外部ピストン51の凸部51aにより押圧部材41の移動を規制することで上記付勢手段40の付勢力としての皿バネ46のバネ反力がクランプユニット12の各ピストン16に作用するのを規制し、他方の油室53に油路55を通して油圧源の圧油を導入したときには押圧部材41の移動を許容し、上記付勢手段40の皿バネ46のバネ反力がクランプユニット12の各ピストン16に作用するのを許容するようになっている。
尚、図2及び図3中、61は外部ピストン51の外周面と主軸ヘッド1の部材1a,1bの内周面との間に介在されたOリング、62は主軸1の外周で付勢手段40の押圧部材41及びカバー部材47を覆うように主軸ヘッド1の部材1aに取り付けられた端面キャップである。
次に、上記主軸クランプ装置10の作動について説明するに、図2に示すように、油圧源の圧油が油路54を通して油室52内に導かれているときには、外部ピストン51は、その凸部51aが溝部48のカバー部材47側壁面に当接して位置する。このとき、中空軸2の各収納空間部43内に配置された1組の皿バネ46は圧縮状態にあり、そのバネ反力が棒状部材44を介して押圧部材41及びカバー部材47に作用するが、この押圧部材41及びカバー部材47は、外部ピストン51の凸部51aによって図2で左側への移動が規制されている。このため、押圧部材41からクランプユニット12の各ピストン16のロッド部16aに押圧力が作用することはなく、各ピストン16は、ロッド部16側端面が蓋プレート23に当接した状態にある。この状態では、クランプユニット12のクランプ本体13の内壁部13aの内周面と主軸4の外周面との間に若干の隙間が存在し、主軸4の摺動出入りが許容されるアンクランプとなる。
一方、図3に示すように、油圧源の圧油が油路55を通して油室53に導かれたときには、外部ピストン51は、他方の油室52を閉じる位置にまで移動する。このとき、押圧部材41及びカバー部材47は、外部ピストン51の凸部51aによって規制されることなくフリーとなる。そして、上記皿バネ46のバネ反力により、図2と図3を比較参照すれば分かるように、棒状部材44が図で左側に若干移動し、これに伴い、押圧部材41及びカバー部材47も左側に若干移動し、この押圧部材41によりクランプユニット12の各ピストン16のロッド部16aが押圧される。これにより、クランプユニット12においては、クランプ本体12の空洞14内のグリース15が各ピストン16により圧縮され、クランプ本体12の内壁部13aが内側に弾性変形して主軸1をクランプする。
このように、上記主軸クランプ装置10によれば、中空軸2の内周面と主軸1の外周面との間に形成した隙間11に配置されたクランプユニット12は、薄肉円筒状の内壁部13aと外壁部13bとの間に空洞14を形成してなる薄肉二重壁構造のクランプ本体13の空洞14内にグリース15を封入し、このグリース15をクランプ本体13の空洞開口側端部13cに設けたピストン16の押圧により圧縮することでクランプ本体13の内壁部13aが内側に弾性変形して主軸4をクランプするものであるため、クランプユニット12のクランプ本体13の軸方向長さを比較的長く設定することができる。その結果、クランプ時にはクランプ本体13の内壁部13aが主軸4の軸方向に長い範囲に亘って弾性変形して主軸4をクランプすることになり、十分なクランプ力を確保することができる。
しかも、上記クランプユニット12のピストン16を押圧して主軸4のクランプを行ったり、そのクランプを解除したりするための手段は、中空軸2に設けられ、クランプユニット12のピストン16を押圧方向に付勢する皿バネ46などからなる付勢手段40と、主軸ヘッド1側に設けられ、上記付勢手段40の付勢力(バネ反力)がクランプユニット12のピストン16に作用するのを規制したり許容したりするための切換手段50とからなるため、本実施形態の如く切換手段50が油圧式のものである場合でも従来の如く油圧のリークが生じることはなく、クランプ時中は長時間でもクランプ力を一定に維持することができる。
特に、本実施形態の場合、上記クランプ本体13の空洞開口側端部13cに、空洞14をクランプ本体13の中心線Lと直交する面で仕切る仕切壁17と、この仕切壁17に設けた連通孔18を通して空洞14に連通する複数のシリンダ室21とを形成し、この各シリンダ室21内にそれぞれ上記ピストン16を摺動可能に配置するとともに、このピストン16に、シリンダ室21の一壁面を構成する蓋プレート23を貫通して延出するロッド部16aを設け、このロッド部16aでピストン16を押圧する構成になっているため、複数のピストン16のロッド部16aを押圧することでクランプ本体13の各シリンダ室21内のグリース及び空洞14内のグリース15を確実に圧縮してクランプ本体13の内壁部13aの内側への弾性変形による主軸4のクランプを確実に行うことができる。その上、例えばクランプ本体13の空洞開口側にその開口全体を閉じる1つの環状のピストンを設け、このピストンでクランプ本体13の空洞14内のグリース15を圧縮する場合に比べてピストン16などの製造を容易に行うことができ、実施化を容易に図ることができる。
また、上記クランプ本体13の空洞14内に封入する封入媒体として、半流動体であるグリース15を用いているため、流動体である油を用いた場合に比べてリーク対策を容易に講じることができ、この点からも実施化を容易に図ることができるという効果を奏するものである。
尚、本発明は上記実施形態で限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記実施形態では、クランプ本体13の空洞開口側端部13cに、空洞14をクランプ本体13の中心線Lと直交する面で仕切る仕切壁17と、この仕切壁17に設けた連通孔18を通して空洞14に連通する複数のシリンダ室21とを形成し、この各シリンダ室21内にそれぞれ上記ピストン16を摺動可能に配置するとともに、このピストン16に、シリンダ室21の一壁面を構成する蓋プレート23を貫通して延出するロッド部16aを設け、このロッド部16aでピストン16を押圧する構成にしたが、本発明は、クランプ本体13の空洞開口側にその開口全体を閉じる1つの環状のピストンを設け、このピストンを押圧してクランプ本体13の空洞14内の封入媒体を圧縮することでクランプ本体13の内壁部13aが内側に弾性変形して主軸4をクランプするように構成しても良い。
また、上記実施形態では、クランプ本体13の空洞14内に封入する封入媒体として、グリース15を用いた場合について述べたが、本発明は、グリース15の代わりに、油など非圧縮性でかつ流動性又は半流動性を有するものを用いても良い。
さらに、上記実施形態では、クランプユニット12のピストン16を押圧方向に付勢する付勢手段40として、皿バネ46を用いて構成したが、本発明は、この皿バネ46の代わりに、コイルバネなどその他のバネ又はゴムなどの弾性体を用いて構成しても良いのは言うまでもない。
1 主軸ヘッド
2 中空軸
4 主軸
10 主軸クランプ装置
11 隙間
12 クランプユニット
13 クランプ本体
13a 内壁部
13b 外壁部
13c 空洞開口側端部
14 空洞
15 グリース(封入媒体)
16 ピストン
16a ロッド部
17 仕切壁
18 連通孔
21 シリンダ室
23 蓋プレート
40 付勢手段
41 押圧部材
41a 接触面
43 収納空間部
44 棒状部材
46 皿バネ
48 溝部
50 切換手段
51 外部ピストン
51a 凸部
52,53 油室

Claims (5)

  1. 主軸ヘッドに回転自在に支持された中空軸の内側に対し、先端に工具を装着する主軸が軸方向に摺動出入り可能にかつ一体的に回転するように挿入して配置されてなる工作機械において、
    上記中空軸の内周面と主軸の外周面との間に形成した隙間に配置されたクランプユニットを備え、このクランプユニットは、薄肉円筒状の内壁部と外壁部との間に一端側が開口する空洞を形成してなるクランプ本体と、このクランプ本体の空洞内に封入された封入媒体と、この封入媒体を圧縮するためにクランプ本体の空洞開口側に設けられたピストンとを有し、このピストンを押圧して封入媒体を圧縮することでクランプ本体の内壁部が内側に弾性変形して主軸をクランプするように構成されており、
    また、上記中空軸に設けられ、上記クランプユニットのピストンを押圧方向に付勢する付勢手段と、
    上記主軸ヘッド側に設けられ、上記付勢手段の付勢力がクランプユニットのピストンに作用するのを規制したり許容したりするための切換手段とを備えたことを特徴とする工作機械の主軸クランプ装置。
  2. 上記クランプ本体の空洞開口側には、空洞をクランプ本体の中心線と直交する面で仕切る仕切壁と、この仕切壁に設けた連通孔を通して空洞に連通する複数のシリンダ室とが形成されており、上記各シリンダ室内にはそれぞれ上記ピストンが摺動可能に配置されているとともに、このピストンには、シリンダ室の一壁面を構成する蓋プレートを貫通して延出するロッド部が設けられ、このロッド部でピストンを押圧するようになっている請求項1記載の工作機械の主軸クランプ装置。
  3. 上記封入媒体は、グリースである請求項1又は2記載の工作機械の主軸クランプ装置。
  4. 上記付勢手段は、主軸の外周に配置され、ピストンと接触する接触面を有する押圧部材と、この押圧部材に一端が固定され、他端が中空軸の端面に形成した収納空間部内に延びる棒状部材と、この棒状部材の他端側外周に圧縮状態で上記収納空間部内に配置され、棒状部材を介して押圧部材をその接触面でピストンを押圧するように付勢するバネとを有してなる請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の工作機械の主軸クランプ装置。
  5. 上記切換手段は、上記押圧部材の外周を囲繞するように配置され、押圧部材の外周面に形成した環状の溝部に係合する凸部が内周面から突出して形成された外部ピストンと、この外部ピストンと主軸ヘッドとの間に形成される2つの油室とを有し、一方の油室に圧油を導入しているときには上記外部ピストンの凸部により押圧部材の移動を規制することで上記付勢手段のバネのバネ反力がクランプユニットのピストンに作用するのを規制し、他方の油室に圧油を導入したときには押圧部材の移動を許容し、上記付勢手段のバネのバネ反力がクランプユニットのピストンに作用するのを許容するように構成されている請求項4記載の工作機械の主軸クランプ装置。
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