JP6993101B2 - 袖瓦 - Google Patents

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Description

本発明は、袖瓦に関する。
袖瓦は、屋根のケラバを覆う位置に設置される瓦である。そのため、図13に示すように、袖瓦100は、屋根を覆う瓦部101と家屋の側面を覆うヒレ部102とを有し、これらが互いに垂直に組み合わされた構造を有している。
また、袖瓦100は2種類あり、一つは図13に示した右袖瓦、もう一つは左袖瓦と呼ばれる。袖瓦100は、屋根に設置されるときに正対する方向が決まっている。そのため、その正対する方向に対して瓦部101の右縁部からヒレ部102が垂下する袖瓦100が、右袖瓦と呼ばれ、瓦部の左縁部からヒレ部が垂下する袖瓦1が、左袖瓦と呼ばれる。
袖瓦100は、屋根に葺かれると、家屋の側面のうちケラバ付近に設けられる破風板をヒレ部102が覆う。そのため、雨が斜めに降ったとき、雨が破風板に当たることをヒレ部102が抑制するので、破風板が雨水を吸って腐食することが抑制される(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3134265号公報
ところで、例えば、屋根に正面から吹き付ける風は、屋根に当たると左右に分かれ、左右のケラバ側に向かって吹く。一方、屋根に降った雨水は、屋根に葺かれた袖瓦100の瓦部101の上を流れ落ちる。しかし、その流れ落ちる雨水の一部は、各袖瓦100が備える瓦部101の前方側の側面である頭見附104に達しても前方側の袖瓦100に流れず、表面張力によって頭見附104に付くことがある。
そのため風雨のときは、頭見附104に付いた雨水が、頭見附104上をヒレ部102側に流れることがある。すると、その水の流れが、屋根に葺かれた袖瓦100の瓦部101の上を流れ落ちる雨水を誘因し、その誘因された雨水がさらに他の雨水を誘因することで、大量の雨水が、袖瓦100のヒレ部102に向かい、ヒレ部102上を流れるおそれがあった。このように、大量の雨水がヒレ部102上を流れると、ヒレ部102の下端に達した雨水のうち一部の雨水がヒレ部102の裏面側に回り込んで破風板に達し、破風板を腐食させてしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、ヒレ部の裏面側に雨水が回り込んで破風板に達することを抑制可能な袖瓦を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る袖瓦は、瓦部と、瓦部の縁部から垂下するヒレ部とを備える袖瓦において、ヒレ部は、当該ヒレ部の裏面から隆起し、当該ヒレ部の前方の縁部側から後方の縁部側に向かって長尺な形状に形成された隆起部を備え、隆起部は、当該隆起部の下方側の根元部から当該隆起部の頂部まで傾斜する傾斜部であって、根元部から頂部に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部を有する形状に形成されている。
本発明の袖瓦では、ヒレ部の裏面に隆起部を備えているため、ヒレ部の隆起部を除いた本体が破風板から所定の距離を開けて設置されるので、ヒレ部の下端に達した雨水が破風板に付くことが抑制される。また、本発明の袖瓦では、前後方向に長尺な形状に形成された隆起部が設けられた場所では、ヒレ部の下端で雨水が落滴などによって跳ねても、その跳ねた雨水の行く手を隆起部が阻むので、雨水が破風板まで達することが抑制される。さらに、本発明の袖瓦では、隆起部が、根元部から頂部に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部を備えているので、表面張力により雨水が隆起部に付いて根元部から頂部に向かうことが抑制される。
したがって、本発明の袖瓦は、ヒレ部の下端に達した雨水以外にも、ヒレ部の下端で跳ねた雨水や、表面張力で隆起部を頂部に上がろうとする雨水も、破風板に達しにくくしているので、ヒレ部の裏面側に雨水が回り込んで破風板に達することを抑制できる。
請求項2に記載したように、瓦部とヒレ部とが接合する部分を上にして袖瓦を平板の上に置く平置きをしたときに傾斜部が平板に面接触可能な形状に形成され、かつ、傾斜部が平板に面接触可能な位置に形成されていてもよい。一方、瓦部は、ヒレ部が設けられる側とは反対側の縁部に、当該袖瓦を平置きをしたときに平板の表面に面接触可能な接触部を有していてもよい。
これら傾斜部及び接触部を備えてない袖瓦は、平置きをすると、不安定な状態で置かれるおそれがある。しかし、これら傾斜部及び接触部を備えていると、袖瓦を平置きしたとき、これらが平板の表面に面接触する。したがって、本発明の袖瓦は、袖瓦を平置きをしたとき、これら傾斜部及び接触部が面接触することにより、安定しておくことができる。
請求項3に記載したように、ヒレ部は、ヒレ部を下方から見上げたとき、隆起部の頂部のりょう線が、袖瓦を前後に並べる並び方向に沿った形状に形成され、かつ、隆起部の頂部が位置する側とは反対側の形状を画定する画定線が、袖瓦の並び方向に沿った形状に形成されていてもよい。
このようにすると、袖瓦を前後に組んだとき、各瓦部が備える隆起部の頂部のりょう線とその反対側の画定線とが一直線に並び、それらの袖瓦を下から見ると、各袖瓦のヒレ部が一定幅の領域内で帯状にまっすぐ並ぶ。
したがって、本発明の袖瓦は、下方からヒレ部を見上げた姿が意匠上大変美しい状態となるように組むことができる。
請求項4に記載したように、ヒレ部は、その表面の下端部から隆起し、ヒレ部の下端部に沿って長尺な形状に形成され、長手方向に沿って水路を形成する第2隆起部を備えていてもよい。そしてこの第2隆起部は、袖瓦を組み合わせたときに前方側の袖瓦の第2隆起部に乗り上げる乗上部を有する形状としてもよい。
本発明の袖瓦は、複数の袖瓦を前後に組んだとき、後方側の袖瓦の第2隆起部の乗上部が、前方側の袖瓦のヒレ部に乗り上げるので、組み合わされた各袖瓦の第2隆起部が、後方側の袖瓦から前方側の袖瓦まで長尺な形状の水路を形成する。
また、本発明の袖瓦は、ヒレ部を伝って落ちる雨水を第2隆起部が受け止めるので、ヒレ部の裏面側に雨水が回り込んで破風板に達することを抑制できる。
したがって、本発明の袖瓦は、ヒレ部を伝う雨水が、第2隆起部で受け止められた後、その受け止められた雨水が、組み合わされた第2隆起部が形成する水路で前方、すなわち軒先に送られるので、雨水がケラバの下で落ちることを抑制できる。その結果、本発明の袖瓦は、ケラバの下方に設置されたエアコンの室外機などに雨水が当たる雨音の発生を抑制できる。また、本発明の袖瓦は、いわゆる犬走りなどを雨だれによって汚すことがない。
また、本発明の袖瓦は、ヒレ部の裏側に隆起部を備えた場合よりもさらに、ヒレ部の裏面側に雨水が回り込んで破風板に達することを抑制できる。
(a)実施形態の袖瓦を左斜め前方から見た斜視図である。 (b)実施形態の袖瓦を右斜め後方から見た斜視図である。 (a)実施形態の袖瓦の平面図である。 (b)実施形態の袖瓦の左側面図である。 (c)実施形態の袖瓦の底面図である。 (d)実施形態の袖瓦の正面図である。 (a)実施形態の袖瓦を前後に組んだ様子を示す斜視図である。 (b)実施形態の袖瓦を前後に組んだ様子を示す左側面図であり、屋根の下地と、袖瓦の内部構造とを点線で示す透過図である。 (c)(b)の一部拡大図である。 実施形態の袖瓦を前後に組んだ様子を示す正面図である 実施形態の前後に組んだ袖瓦の一部を抜き出した平面図で、前方側の袖瓦と後方側の袖瓦との境界部分の様子を説明するための説明図である。 実施形態の袖瓦の後端側を抜き出した斜視図であり、導水路及び尻溝を流れる雨水の様子を説明するための説明図である。 実施形態の袖瓦の一部を抜き出した斜視図であり、接触部と傾斜部とが同一面上で面接触することを説明するための説明図である。 実施形態の袖瓦を平置きする様子を説明するための説明図である。 実施形態の袖瓦を前後に組んだ様子を示す底面図であり、各袖瓦のレインキャッチャーの頂部と、隆起部の頂部とが平行に並ぶことを示す説明図である。 (a)他の実施形態の袖瓦を前後に組んだ様子を示す正面図であり、導水路の他の例を説明するための説明図である。 (b)他の実施形態の袖瓦の後端側を抜き出した斜視図であり、尻溝の他の例を説明するための説明図である。 (a)~(c)は、いずれも他の実施形態の袖瓦の一部を抜き出した斜視図であり、傾斜部の他の例を説明するための説明図である。 (a)~(b)は、いずれもエグリ部の構造を模式的に説明した模式図である。(a)~(b)は、エグリ部を通る左右方向に垂直な断面で本実施形態の袖瓦を切断した断面図で示している。 従来の袖瓦の説明図である。
以下に本発明の例示的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
この説明は、1)本実施形態の袖瓦の形状、2)本実施形態の袖瓦の機能と特徴的な効果の順に行う。
1)袖瓦の形状
ここでは、1-1)袖瓦の全体形状の説明をした後、1-2)袖瓦の詳細な形状についての説明を行う。
1-1)袖瓦の全体形状
本実施形態の袖瓦1は、図1に示すように、屋根に設置されると屋根を覆う瓦部3と、家屋の側面を覆うヒレ部5とを備えている。これら瓦部3及びヒレ部5は、いずれも略長方形の板状に形成されている。袖瓦1は、瓦部3の長手方向に沿った一方の縁部と、ヒレ部5の長手方向に沿った一方の縁部とを一致させ、かつ、瓦部3に対してヒレ部5を垂直に配置した状態で、瓦部3とヒレ部5とを一体に形成した形状に形成されている。
ここで、以下の説明で用いる方向について説明する。
袖瓦1は、屋根に正対する方向が決まっている。そのため、各方向は、下記のような方向を意味する。すなわち、前方は、瓦部3の長手方向の一端側であって、屋根の軒先側を向く方向、後方は、瓦部3の長手方向の他端側であって、屋根の棟側を向く方向を意味する。
左方は、瓦部3の板面に平行な平面上で、瓦部3の前方側から後方側を見たときの左側を向く方向であって、軒先側から棟側を見たときに左側を向く方向、右方は、瓦部3の板面に平行な平面上で、瓦部3の前方側から後方側を見たときの右側を向く方向であって、軒先側から棟側を見たときに右側を向く方向を意味する。
上方は、瓦部3から見てヒレ部5が垂下する方向とは反対を向く方向であって、屋根に葺いたときに天を向く方向を意味し、下方は、瓦部3から見てヒレ部5が垂下する方向であって、屋根に葺いたときに屋根の下地を向く方向を意味する。
ここで、上述の方向を用いて改めて本実施形態の袖瓦1の形状について説明すると、袖瓦1は、瓦部3の左方側の縁部からヒレ部5が垂下する、いわゆる左袖瓦であり、前後方向に長尺な形状に形成されている。
なお、以下の説明では、いわゆる左袖瓦について説明するが、本実施形態の袖瓦1は、瓦部3の右方側の縁部からヒレ部5が垂下する右袖瓦でもよい。その場合、右袖瓦は、左袖瓦と左右方向に垂直な面を基準とすると面対称の構造となる。
1-2)袖瓦の詳細な形状
ここでは、1-2-1)瓦部3の形状について説明した後、1-2-2)ヒレ部5の形状について説明する。
1-2-1)瓦部3の形状
瓦部3は、図2(a)に示すように、瓦部3の表面30(ヒレ部5が垂下する側とは反対側の面)を上方側から見たときに、略長方形状に形成されている。前方側の辺300と後方側の辺301とは互いに略平行で、前方側の辺300が後方側の辺301よりもやや長い。右方側の辺302と左方側の辺303は、略同じ長さに形成されているが、後方側から前方側に向かって外側に傾斜している。
瓦部3は、図1に示すように、前方側に湾曲部31が形成されている。湾曲部31は、瓦部3の前方部分を下方に向かって略弓形状に湾曲させた部位である。
瓦部3の前方側の側面32は、前後方向に対して垂直な面をなす。この側面32は、上下方向の幅が、瓦部3の厚みと略同じ幅で形成され、また、左右方向に沿って長尺な形状に形成されている。この側面32を、以後、頭見附32と呼ぶ。
瓦部3は、袖瓦1を前後に組んだとき、前方側の袖瓦1に当接する当接面33であって、瓦部3の裏面40側に、頭見附32に対して略垂直に折り曲がった当接面33が形成されている。この当接面33は、頭見附32と略同じ大きさの幅を有し、頭見附32と同様に、左右方向に沿って長尺な形状に形成された面である。
当接面33には、エグリ部34が形成されている。当接面33は、瓦部3を下方側から見たとき(図1(b)参照)、ヒレ部5側の端部が、他の部分に対して一段下がった形状に形成されている。エグリ部34は、この一段下がった部分を指す。エグリ部34は、袖瓦1を前後に組んだときに、前方側の袖瓦1に形成された後述する水返部35が入る大きさの空間を形成する。しかも、エグリ部34は、袖瓦1を前後に組んだときに、前方側の袖瓦1に形成された水返部35が入ると、左右方向に沿った幅が6mmほどの大きさの空間が、前方側の袖瓦1に形成された水返部35の右側にできる大きさに形成されている(図4参照)。
瓦部3は、表面30のヒレ部5側(左側)の縁部に、水返部35及び導水路36が形成されている。
水返部35は、瓦部3の表面30の左辺に接する位置で隆起し、かつ、瓦部3の表面30の左辺に沿って延びた形状に形成されている。この水返部35は、瓦部3の後方側の縁部から前方側の先端まで設けられている。
導水路36は、瓦部3の表面30のうち、水返部35の右側で水返部35に隣接する部分を窪ませて形成されている。この導水路36は、瓦部3の後方側の縁部から前方側の先端まで設けられている。導水路36は、水返部35の右側で水返部35に隣接する位置に形成されているため、袖瓦1が前後に組まれたときに、後方側の袖瓦1のエグリ部34に水返部35が入って、水返部35の右隣にできた空間に対向する位置に位置することとなる。
導水路36の前方側の先端部分360は、右側に向かって傾斜する形状に形成されている。この先端部分360は、エグリ部34から離れた位置で、導水路36を流れてきた水を前方側の袖瓦1に雨水を流し込むためのリリースポイント361が位置するように傾斜している(図5参照)。
リリースポイント361は、エグリ部34から見て水返部35とは反対側の位置であって、エグリ部34の右端から10mm以上、より好ましくは20mm以上離れた位置にあるとよい。10mm未満だとリリースポイント361を流下する水がエグリ部34に直接かかりやすくなり、袖瓦1の重なり部へ侵入しやすくなる可能性があるからである。
瓦部3は、表面30の後方側の縁部に、尻水返部37及び尻溝38が形成されている。
尻水返部37は、瓦部3の表面30の後方側の辺に接する位置で隆起し、かつ、瓦部3の表面30の後方側の辺に沿って延びた形状に形成され、後端で水返部35と連続している。
尻溝38は、瓦部3の表面30のうち、尻水返部37の前方側で尻水返部37に隣接する部分を窪ませて形成されている。尻溝38は、瓦部3の左方の縁部から右方の縁部まで設けられている。尻溝38は、左側の縁部において、導水路36と接続されている。尻溝38の底部は、左側の縁部側から右側の縁部側に向かって下方に傾斜している。
瓦部3は、2つの釘孔39を有している。これらの釘孔39は、一方の釘孔39から他方の釘孔39を見たときに、前後方向や左右方向に並ばないように斜めに配置されている。
瓦部3が、斜めに配置された2つの釘孔39を有する理由は、次のとおりである。
屋根の下地は、下地部材を複雑に組み合わせて構成される。しかし、この下地部材には、様々な寸法の部材が用いられる。また、これら下地部材の設置位置も、屋根によって様々である。そのため、本実施形態の袖瓦1は、屋根に葺かれるときに、どこに位置するか分からない下地部材に釘を打ち込んで固定する必要がある。そうすると、2つの釘孔39を前後または左右に並ぶように配置した場合、いずれの釘孔39も下地部材に対向する位置に位置しない可能性がある。しかし、2つの釘孔39を斜めに配置すれば、袖瓦1を葺いたときに、いずれかの釘孔39が下地部材に対向する位置に位置する可能性が高くなる。そのため、本実施形態では、瓦部3が斜めに配置された2つの釘孔39を有しているのである。
ただし、袖瓦1を葺いたときに、いずれの釘孔39も下地部材に対向する位置に配置されることが分かっている場合、これらの釘孔39を前後または左右に並べて配置してもよい。
瓦部3は、裏面40の右側の縁部に、支持部41が設けられている。支持部41は、裏面40の右辺に隣接する位置で隆起し、裏面40の右辺に沿って長尺な形状に形成されている。この支持部41は、後方側の端部から前方側の端部まで設けられている。
支持部41の頂部には、ヒレ部5に設けられた後述する傾斜部63と同一面上で平面を形成する接触部42が形成されている。
1-2-2)ヒレ部5の形状
ヒレ部5は、図2(b)に示すように、表面50を袖瓦1の左方側から見たとき、上方側の辺500と下方側の辺501が次のような形状を有する形状に形成されている。上方側の辺500は、後方側から前方側にまっすぐ向かった後、前方側で湾曲部31の形状に合わせて湾曲して下った形状に形成されている。下方側の辺501は、後方側から前方側に向かって下った後、上方側の辺が湾曲する部分の手前で転じて上る形状に形成されている。一方、前後の辺502,503は略平行に形成され、前方の辺502が後方の辺503と同じか、後方の辺503よりもやや長い形状に形成されている。
ヒレ部5には、表面50の下辺に接する位置から隆起したレインキャッチャー51を備えている。このレインキャッチャー51は、ヒレ部5の下辺に沿って長尺な形状に形成され、長手方向に沿って水路を形成する。このレインキャッチャー51は、ヒレ部5の下辺に沿って設けられているため、前方側の一部が後方側から前方側に向かって上る形状に形成されている。また、レインキャッチャー51は、前方側に向かって先細りする形状に形成されている。なお、レインキャッチャー51のうち、前方側で上る形状に形成されている部分を特に、乗上部52と呼ぶ。
ヒレ部5には、図1に示すように、裏面60の前方側に、平面形状に形成された取付部61が形成されている。本実施形態1では、複数の袖瓦1を前後に組むが、前方側に組まれる袖瓦1の後端側の一部が、後方側に組まれる袖瓦1の前方側に入った状態で組まれる。このとき、前方側に組まれる袖瓦1のヒレ部5と、後方側に組まれる袖瓦1のヒレ部5とが一部重なる。そのためヒレ部5の前方側の端部には、前方側に組まれる袖瓦1のヒレ部5が重なることができるように平面形状に形成された取付部61が形成されている。
また、ヒレ部5は、袖瓦1を前後に組んだときに、取付部61が当接する表側の部分が、平坦な形状に形成されている。
ヒレ部5には、裏面60から隆起する隆起部62が形成されている。この隆起部62は、取付部61が形成されている部分を除き、裏面60の下辺に接する位置で、ヒレ部5の前方側から後方側に向かって長尺な形状に形成されている。隆起部62は、下方側の根元部620(裏面60の下辺)から頂部621まで傾斜する傾斜部63を有する。この傾斜部63は、根元部620から頂部621に向かって斜め上方に傾斜している。この傾斜部63は、瓦部3に設けられた接触部42と同一面上で平面を形成する。接触部42及び傾斜部63は、瓦部3とヒレ部5とが接合する部分を上にして袖瓦1を平板の上に置く平置きをしたときに、その平板に面接触する。
ヒレ部5は、図2(c)に示すように、下方から見上げたとき、隆起部62の頂部621のりょう線が、前後方向、すなわち、当該袖瓦1を前後に並べる並び方向に沿った形状に形成されている。また、ヒレ部5は、レインキャッチャー51の頂部510のりょう線が、すなわち、隆起部62の頂部621が位置する側とは反対側の形状を画定する画定線が、当該袖瓦1を前後に並べる並び方向に沿った形状に形成されている。
2)本実施形態の袖瓦の機能と特徴的な効果
次に、本実施形態の袖瓦1の機能について説明する。以下では、2-1)袖瓦1の組み方について説明した後、2-2)組んだ各袖瓦1で発揮される機能と特徴的な効果を順に説明する。
2-1)袖瓦1の組み方
本実施形態の袖瓦1は、図3に示すように、後方側に組まれる袖瓦1の前方側の端部部分が、前方側に組まれる袖瓦1の後方側の端部部分に重なるように組まれる。
具体的には、図3(c)に示すように、後方側に組まれる袖瓦1の瓦部3の前方部分が、前方側に組まれる袖瓦1の瓦部3の後方部分に被さるようにして、後方側に組まれる袖瓦1が前方側に組まれる袖瓦1に組まれる。このとき、後方側に組まれる袖瓦1の当接面33が尻水返部37及び尻溝38よりも前方側の袖瓦1の表面30に当接するように組まれる。また、後方側に組まれる袖瓦1が備える乗上部52が、前方側に組まれる袖瓦1が備えるレインキャッチャー51の上に重なるように組まれる。さらに、図示はしていないものの、各袖瓦1は、後方側に組まれる袖瓦1の取付部61が、前方側に組まれる袖瓦1のヒレ部5の表面50に当接するように組まれる。
このように組まれた各袖瓦1は、図4に示すように、隆起部62の頂部621が破風板に当たった状態となる。そのため各袖瓦1は、ヒレ部5が家屋の側面から所定距離開けて設置されることになる。
ただし、ヒレ部5は、瓦部3の前方側の辺が後方側の辺より長いことから、前方側が外側に開いた状態で屋根に設置される。隆起部62が、前方側から後方側に向かって高さが次第に低くなる形状に形成されている理由は、袖瓦1を屋根に葺いたときにヒレ部5が上記のように前方側が外側に開いた状態で屋根に設置されることに合わせるためである。
一方、各袖瓦1の瓦部3は、図3(c)に示すように、瓦部3の後端が屋根の下地に付き、そして、袖瓦1の当接面33が、前方側に組まれる袖瓦1の尻水返部37及び尻溝38よりも前方側の袖瓦1の表面30に当接するように組まれて、屋根の下地上に設置される。そのため各袖瓦1は、瓦部3の中間部分が屋根の下地から浮いた状態で設置されることになる。
2-2)組んだ各袖瓦1で発揮される機能及び特徴的な効果
以上のように組まれた各袖瓦1で発揮される機能について、以下、順に説明する。
最初に、ヒレ部5に雨水が流れ込ませ難くする機能及び特徴的な効果について説明する。
A.エグリ部34は、各袖瓦1が組まれると、図4に示すように、左側に寄せて前方側に組まれた袖瓦1の水返部35が入り、その水返部35の右隣に空間が形成される。この空間により、頭見附32に開口350が形成される。しかも、水返部35に隣接して導水路36が形成されているので、開口350は、導水路36の空間と合わせることで、頭見附32だけで形成される開口350よりも大きな開口となっている。
そのため、各袖瓦1では、表面張力によって頭見附32に雨水が付き、その雨水がヒレ部5側に流れたとしても、その雨水は、エグリ部34の開口に達すると流れの勢いで開口350の端部で頭見附32からはがされる。すると、はがされた雨水は、その勢いによって頭見附32に沿ってさらに進もうとしても、その進んだ先が空間になっているので、前方側に組まれた袖瓦1のヒレ部5に流れることが抑制されて導水路36内に落ち、前方側に組まれた袖瓦1の瓦部3に設けられた導水路36内を流れ落ちていくこととなる。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、表面張力によって頭見附32に雨水が付いても、エグリ部34ではがされるので、その雨水が前方側に組まれた袖瓦1のヒレ部5に流れることを抑制できる。
B.水返部35は、導水路36よりもヒレ部5側に設けられ、しかも、瓦部3の表面30から隆起している。
そのため、後方側の袖瓦の頭見附32に付いてヒレ部5側に向かって流れてきた雨水が、エグリ部34の開口350を通過した後もヒレ部5側に向かったとしても、その雨水がヒレ部5に流れることを水返部35が抑制する。すなわち、本実施形態の袖瓦1は、エグリ部34と水返部35とで、頭見附32に付いた雨水がヒレ部5に達することを二重に抑制している。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、頭見附32に付いた雨水がヒレ部5に達することを二重に抑制しているので、雨水がヒレ部に流れることをより効果的に抑制できる。
C.水返部35及び導水路36は、ヒレ部側の縁部に後方側の端部から前方側の端部まで設けられている。
そのため、頭見附32からはがされた雨水が、はがされた後も瓦部3上をヒレ部5側に向かって流れても、その雨水がヒレ部に流れることを水返部35及び導水路36が抑制する。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、水返部35及び導水路36を備えることで、瓦部3上をヒレ部5側に流れる雨水がヒレ部に流れることをも抑制できる。
D.導水路36は、瓦部3に落ちた雨水を集水することになるので、多量の雨水を前方側の袖瓦1に流し込むことになる。しかし、導水路36の先端部分360が、ヒレ部5が設けられた縁部側とは反対側の縁部側に向かって傾斜しているので、導水路36を伝って前方側の袖瓦1に落ちた雨水は、ヒレ部5側とは反対側に向かって主に流れる。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、導水路36を多量の雨水が流れてきても、その雨水がヒレ部5に流れることを抑制できる。
E.導水路36のリリースポイントが、図5に示すように、エグリ部34の開口350から見てヒレ部5側とは反対側の離れた位置にある。
そのため、本実施形態の袖瓦1は、リリースポイントから出た雨水の一部が頭見附32に付いてヒレ部5側に向かっても、その雨水は、エグリ部34に達しにくくなっている。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、導水路36を流れてきた雨水が頭見附32についても、その雨水が前方側に組まれた袖瓦1のヒレ部5に流れることを抑制できる。
F.尻溝38は、図6に示すように、瓦部3の表面のうち後方側に組まれる袖瓦1の瓦部3が重なる部分に雨水が浸入しても、その進入した雨水を、ヒレ部5が設けられた縁部から反対側の縁部に送って、外部にはき出す。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、後方側に組まれる袖瓦1の瓦部3が重なる部分に雨水が滞留することを抑制できる。
なお、本実施形態では、導水路36が瓦部3の後方側の端部にも達している。そのため、導水路36も、瓦部3の表面のうち後方側に組まれる袖瓦1の瓦部3が重なる部分に雨水が浸入しても、その進入した雨水を、ヒレ部5が設けられた縁部から反対側の縁部に送って、外部にはき出す機能を果たす。
G.エグリ部34は、図4に示すように、袖瓦1を前後に組み合わせたときに、前方側の袖瓦1の水返部35がエグリ部34に入り、しかも、水返部35が入ったときに頭見附32に開口が形成される大きさに形成されている。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、水返部35が入る窪みを、エグリ部34と別に形成する必要がないので、これらを別々に形成する場合に比べて、構造を単純化できる。
H.隆起部62が、ヒレ部5の裏面60に備えられているため、ヒレ部5が家屋の側面から所定の距離開けて設置される。
そのため、本実施形態の袖瓦1は、ヒレ部5の下端に達した雨水が破風板に付くことを抑制できる。
I.隆起部62が、ヒレ部5の前方側の縁部側から後方側の縁部側に向かって長尺な形状に形成されている。
そのため、本実施形態の袖瓦1は、ヒレ部5の下端で雨水が落適などによって跳ねても、その跳ねた雨水が破風板まで達することが抑制される。
J.隆起部62が、図1に示すように、根元部620から頂部621に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部63を備えている。
そのため、表面張力により雨水が隆起部62に付いて根元部620から頂部621に向かうことが抑制される。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、ヒレ部5の下端に達しただけの雨水はもちろん、ヒレ部5の下端で跳ねた雨水や、表面張力で隆起部62を頂部621に向かって上がろうとする雨水も、破風板に付くことを抑制できる。
K.接触部42及び傾斜部63は、図7に示すように、同一面で面接触する。
そのため、図8に示すように、瓦部3とヒレ部5とが接合する部分を上にして袖瓦1を平板の上に置く平置きをすれば、袖瓦1は、乾燥台車上などに安定して平置きできる。
したがって、袖瓦1の生産工程において、量産可能な生産ラインに組み込めるため、手動工場と比べ生産効率が大幅に向上できる。
L.隆起部62の頂部621が、図9に示すように、袖瓦1の並び方向に沿った形状に形成されている。また、レインキャッチャー51の頂部510が、袖瓦1の並び方向に沿った形状に形成されている。この結果、2つの頂部621と頂部510が略平行となっている。
そのため、複数の袖瓦1を組んだ各ヒレ部5を下方から見たとき、各ヒレ部5が備える隆起部62の頂部621のりょう線とその反対側のレインキャッチャー51の頂部とが平行に並ぶ。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、前後に組んだヒレ部5を下方から見上げた姿が、意匠上大変美しい。
M.レインキャッチャー51は、図3(c)に示すように、複数の袖瓦1を前後に組んだとき、乗上部52が、前方側の袖瓦のレインキャッチャー51に乗り上げるので、組み合わされたレインキャッチャー51は、図3(a)に示すように、後方側の袖瓦1から前方側の袖瓦1まで長尺な形状の水路を形成する。
また、レインキャッチャー51、ヒレ部5を伝ってヒレ部5の下端に落ちる雨水を受け止める。
したがって、本実施形態の袖瓦1は、ヒレ部5を伝う雨水が集水されて、その雨水が連結されたレインキャッチャー51の先頭まで送られるので、雨水が各袖瓦1から落ちることを抑制できる。その結果、ケラバの下方に設置されたエアコンの室外機などに雨水が当たる雨音の発生を抑制できる。また、本実施形態の袖瓦1は、いわゆる犬走りなどを雨だれによって汚すことがない。
(実施形態と特許請求の範囲に記載された発明との対応関係)
本実施形態のレインキャッチャー51は、本発明の第2隆起部に相当する。
[他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
(1)上記実施形態で説明した導水路36は、図10(a)に示すように、瓦部3の表面30に窪みを設けることなく、水返部35だけを設け、その右側の近傍としてもよい。
(2)上記実施形態で説明した尻溝38は、図10(b)に示すように、導水路36側に傾斜していてもよい。
(3)上記実施形態で説明した傾斜部63は、平板に面接触可能な形状に形成されていればよく、例えば、図11(a)~図11(c)に示すように、様々な形の凹凸630が形成されていてもよい。接触部42も同様である。
(4)上記実施形態で説明した傾斜部63の角度は、瓦部3や、ヒレ部5の大きさによって変化するので、その大きさに応じて雨が遡りにくい角度であればどのような角度でもよい。例えば、ヒレ部5の裏面60に対して35°~60°程度であってもよい。
(5)上記実施形態で説明したエグリ部34は、図12(a)に示すように、当接面33(図1(b)参照)の幅方向(前後方向に沿った方向)の全体を窪ませて形成したが、図12(b)に示すように、幅方向の一部、例えば前方側だけを窪ませた形状に形成してもよい。
なお、図12は、エグリ部34を模式的に説明するためのもので、導水路36等は記載していない。
(6)上記実施形態で説明したエグリ部34は、開口350の左右方向の幅が6mmとなる大きさになるものとした。しかし、水返部35と導水路36を備える袖瓦1で開口の幅を変えて試験を行った結果、開口350は左右方向の幅が3mm以上であると、ヒレ部5に雨水が伝わりにくくなる効果を確認できる。
したがって、エグリ部34は、開口350が3mm以上の幅となる大きさに形成するとよい。また、特に開口350は4mm以上であると、特に効果が大きくなるので、エグリ部34は、開口350が4mm以上の幅となる大きさに形成するとよい。
(7)上記実施形態で説明した当接面33は、頭見附32と略同じ大きさの幅を有し、頭見附32と同様に、左右方向に沿って長尺な形状に形成された面とした。しかし、この当接面33の幅は、頭見附32と略同じ大きさの幅以外にも様々な幅で形成されていてもよい。
(8)上記実施形態で説明した瓦部3は、図2(a)に示すように、瓦部3の表面30(ヒレ部5が垂下する側とは反対側の面)を上方側から見たときに、略長方形状に形成されている。しかし、家屋の構造によっては、瓦部3は、上記の例に比べ、前方側の辺300が後方側の辺301よりもより長い台形形状その他の形状に形成されていてもよい。右方側の辺302と左方側の辺303も、長さが異なっていてもよい。
(9)上記実施形態で説明した瓦部3は、尻溝38が、尻水返部37に隣接する部分に形成されているが、尻水返部37から離れた位置に形成されていてもよい。
(10)本発明の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
1…袖瓦 3…瓦部 5…ヒレ部 30…表面 31…湾曲部 32…頭見附 33…当接面 34…エグリ部 35…水返部 36…導水路 37…尻水返部 38…尻溝 39… 釘孔 40… 裏面 41…支持部 42…接触部 50…表面 51…レインキャッチャー 52…乗上部 60…裏面 61…取付部
62…隆起部 63…傾斜部 350…開口 360…先端部分
361…リリースポイント 510…頂部 620…根元部 621…頂部
630…凹凸

Claims (5)

  1. 瓦部(3)と、前記瓦部(3)の縁部から垂下するヒレ部(5)とを備える袖瓦(1)において、
    前記ヒレ部(5)は、
    当該ヒレ部(5)の裏面から隆起し、当該ヒレ部(5)の前方の縁部側から後方の縁部側に向かって長尺な形状に形成された隆起部(62)を備え、
    前記隆起部(62)は、
    当該隆起部(62)の下方側の根元部(620)から当該隆起部(62)の頂部(621)であって当該袖瓦が家屋の屋根に設置されるときに家屋の側面に当接させるための前記頂部まで傾斜する傾斜部(63)であって、前記根元部(620)から前記頂部(621)に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部(63)を有する形状に形成された袖瓦(1)。
  2. 瓦部(3)と、前記瓦部(3)の縁部から垂下するヒレ部(5)とを備える袖瓦(1)において、
    前記ヒレ部(5)は、
    当該ヒレ部(5)の裏面から隆起し、当該ヒレ部(5)の前方の縁部側から後方の縁部側に向かって長尺な形状に形成された隆起部(62)を備え、
    前記隆起部(62)は、
    当該隆起部(62)の下方側の根元部(620)から当該隆起部(62)の頂部(621)まで傾斜する傾斜部(63)であって、前記根元部(620)から前記頂部(621)に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部(63)を有する形状に形成され、かつ、当該袖瓦が家屋の屋根に設置されるときに前記ヒレ部が前方側に開いた状態で設置されることに合わせて、前方側から後方側に向かって高さが低くなる形状に形成された
    袖瓦(1)。
  3. 瓦部(3)と、前記瓦部(3)の縁部から垂下するヒレ部(5)とを備える袖瓦(1)において、
    前記ヒレ部(5)は、
    当該ヒレ部(5)の裏面から隆起し、当該ヒレ部(5)の前方の縁部側から後方の縁部側に向かって長尺な形状に形成された隆起部(62)を備え、
    前記隆起部(62)は、
    当該隆起部(62)の下方側の根元部(620)から当該隆起部(62)の頂部(621)まで傾斜する傾斜部(63)であって、前記根元部(620)から前記頂部(621)に向かって斜め上方に傾斜する傾斜部(63)を有する形状に形成され、かつ、前記瓦部(3)と前記ヒレ部(5)とが接合する部分を上にして当該袖瓦(1)を平板の上に置く平置きをしたときに前記傾斜部(63)が前記平板に面接触可能な形状に形成され、かつ、前記傾斜部(63)が前記平板に面接触可能な位置に形成され、
    前記瓦部(3)は、
    前記ヒレ部(5)が設けられる側とは反対側の縁部に、当該袖瓦を前記平置きをしたときに前記平板の表面に面接触可能な接触部(42)を有する袖瓦(1)。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の袖瓦(1)において、
    前記ヒレ部(5)は、
    当該ヒレ部(5)を下方から見上げたとき、前記隆起部(62)の頂部(621)のりょう線が、当該袖瓦(1)を前後に並べる並び方向に沿った形状に形成され、かつ、前記隆起部(62)の頂部(621)が位置する側とは反対側の形状を画定する画定線が、前記並び方向に沿った形状に形成された袖瓦(1)。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の袖瓦(1)において、
    前記ヒレ部(5)は、
    当該ヒレ部(5)の表面の下端部から隆起し、前記ヒレ部(5)の下端部に沿って長尺な形状に形成され、長手方向に沿って水路を形成する第2隆起部(51)を備え、
    前記第2隆起部(51)は、
    当該袖瓦(1)を組み合わせたときに前方側の袖瓦(1)の第2隆起部(51)に乗り上げる乗上部(52)を有する袖瓦(1)。
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