以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(搬送システムの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるパネル搬送ロボット9が組み込まれる搬送システム1の側面図である。図2は、図1のE−E方向から搬送システム1を示す平面図である。図3は、図1に示すパネル搬送ロボット9の斜視図である。
本形態のパネル搬送ロボット9(以下、「ロボット9」とする。)は、表示パネルである液晶パネル2を搬送するロボットである。このロボット9は、搬送システム1に組み込まれて使用される。搬送システム1は、携帯機器等で使用される液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれている。この搬送システム1は、液晶パネル2を搬送して、液晶パネル2に対して所定の処理を行う処理装置14(図2参照)に液晶パネル2を供給する。
液晶パネル2は、長方形の平板状に形成されている。液晶パネル2の、表示領域から外れた箇所には、液晶パネル2の検査データ等のデータが記録されている。液晶パネル2の、表示領域から外れた箇所に記録されるデータは、光学的に読取可能なデータである。本形態の搬送システム1で搬送される液晶パネル2には、ドライバICが実装されている。また、液晶パネル2には、配線としてのFPC2a(図9、図11参照)が接続されている。すなわち、配線基板であるFPC2aが液晶パネル2から引き出されている。FPC2aは、たとえば、長方形の平板状に形成される液晶パネル2の一方の短辺から長辺に平行な方向へ引き出されている。なお、図2等では、FPC2aの図示を省略している。
搬送システム1は、液晶パネル2を収容可能なトレイ3を搬送する2個のコンベヤ4、5を備えている。トレイ3には、複数枚の液晶パネル2が収容可能となっている。トレイ3に収容される複数枚の液晶パネル2は、互いに重なっていない状態でトレイ3に収容されている。コンベヤ4、5は、複数段に積み重なったトレイ3(段積みされたトレイ3)を水平方向へ直線的に搬送する。
以下の説明では、コンベヤ4、5によるトレイ3の搬送方向(図1等のX方向)を「前後方向」とし、上下方向(鉛直方向)と前後方向とに直交する方向(図1等のY方向)を「左右方向」とする。また、前後方向の一方側(図1等のX1方向側)を「前」側とし、その反対側(図1等のX2方向側)を「後ろ側」とし、左右方向の一方側(図2等のY1方向側)を「右」側とし、その反対側(図2等のY2方向側)を「左」側とする。本形態では、搬送システム1の後ろ側に処理装置14が配置されている。
また、搬送システム1は、トレイ3が載置される2個のトレイステージ6、7と、コンベヤ4、5とトレイステージ6、7との間でトレイ3を搬送するロボット8と、トレイステージ6、7に載置されたトレイ3から液晶パネル2を搬出する上述のロボット9と、ロボット9から液晶パネル2を受け取って処理装置14に供給する供給ユニット11とを備えている。トレイステージ6、7は、コンベヤ4、5よりも後ろ側に配置されている。供給ユニット11は、トレイステージ6、7よりも後ろ側に配置されている。
また、搬送システム1は、コンベヤ4、5とトレイステージ6、7とロボット8と供給ユニット11とが設置される本体フレーム12と、ロボット9が設置される本体フレーム13とを備えている。本体フレーム12の上面は、上下方向に直交する平面状に形成されており、本体フレーム12の上面に、コンベヤ4、5とトレイステージ6、7とロボット8と供給ユニット11とが設置されている。本体フレーム13は、略門型に形成された門型フレームであり、左右方向で本体フレーム12の後端側部分を跨ぐように設置されている。ロボット9は、本体フレーム13の上面部に設置されている。
コンベヤ4、5は、複数のローラを備えるローラコンベヤである。コンベヤ4とコンベヤ5とは、左右方向で隣接配置されている。コンベヤ4は、段積みされたトレイ3を後ろ側へ向かって搬送し、コンベヤ5は、段積みされたトレイ3を前側に向かって搬送する。コンベヤ4で搬送されるトレイ3には、複数枚の液晶パネル2が収容されている。一方、コンベヤ5で搬送されるトレイ3には、液晶パネル2は収容されておらず、コンベヤ5で搬送されるトレイ3は空トレイとなっている。
コンベヤ4の前端側には、仮置き用の棚(図示省略)から作業者によって運ばれてきた段積み状態のトレイ3が載置される。コンベヤ4の前端側に載置された段積み状態のトレイ3は、後ろ側へ搬送され、コンベヤ4の後端側まで搬送された段積み状態のトレイ3は、後述のようにロボット8によって段ばらしされる。また、コンベヤ5の後端側には、後述のようにロボット8によって空のトレイ3が段積みされる。所定の段数までトレイ3が段積みされると、段積み状態のトレイ3は、前側に搬送される。コンベヤ5の前端側まで搬送された段積み状態のトレイ3は、作業者によって空トレイ用の棚まで運ばれる。
トレイステージ6、7には、1個のトレイ3が載置される。トレイステージ6とトレイステージ7とは、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配置されている。トレイステージ6は、左右方向においてコンベヤ4と略同じ位置に配置され、トレイステージ7は、左右方向においてコンベヤ5と略同じ位置に配置されている。トレイステージ6、7の上面は、上下方向に直交する平面状に形成されている。
ロボット8は、いわゆる3軸直交ロボットである。このロボット8は、門型に形成される本体フレーム15と、本体フレーム15に対して左右方向へのスライドが可能となるように本体フレーム15に保持される可動フレーム16と、可動フレーム16に対して前後方向へスライドが可能となるように可動フレーム16に保持される可動フレーム17と、可動フレーム17に対して上下方向へのスライドが可能となるように可動フレーム17に保持される可動フレーム18と、可動フレーム18に取り付けられるトレイ把持部19とを備えている。また、ロボット8は、可動フレーム16を左右方向へスライドさせる駆動機構と、可動フレーム17を前後方向へスライドさせる駆動機構と、可動フレーム18を上下方向へスライドさせる駆動機構とを備えている。
本体フレーム15は、左右方向でコンベヤ4、5を跨ぐように設置されている。可動フレーム16は、本体フレーム15の上面側に取り付けられている。この可動フレーム16は、コンベヤ4、5に載置される段積み状態のトレイ3よりも上側に配置されている。可動フレーム17は、可動フレーム16の右側に取り付けられている。可動フレーム18は、可動フレーム17の後端側に取り付けられている。トレイ把持部19は、可動フレーム18の下端に取り付けられている。このトレイ把持部19は、トレイ3を吸着して把持する複数の吸着部を備えている。
ロボット8は、コンベヤ4からトレイステージ6、7へのトレイ3の搬送と、トレイステージ6、7からコンベヤ5へのトレイ3の搬送とを行う。具体的には、ロボット8は、コンベヤ4の後端側まで搬送された段積み状態のトレイ3をトレイステージ6またはトレイステージ7に1個ずつ搬送して、コンベヤ4上の段積み状態のトレイ3を段ばらしする。また、ロボット8は、空になった1個のトレイ3をトレイステージ6またはトレイステージ7からコンベヤ5の後端側に搬送して、コンベヤ5にトレイ3を段積みする。
ロボット9は、いわゆるパラレルリンクロボットである。このロボット9は、本体部20と、本体部20に連結される3本のレバー21と、3本のレバー21のそれぞれに連結される3個のアーム部22と、3個のアーム部22に連結されるヘッドユニット23と、液晶パネル2を把持するパネル把持部24(図6等参照)とを備えている。ロボット9は、本体フレーム13の上面部にぶら下がるように設置されている。また、本体部20は、トレイステージ6、7の上方に配置されるとともに、ロボット8の本体フレーム15よりも後ろ側に配置されている。なお、図1、図3では、パネル把持部24の図示を省略している。
3本のレバー21は、本体部20の外周側へ略等角度ピッチで略放射状に伸びるように本体部20に連結されている。すなわち、3本のレバー21は、本体部20の外周側へ略120°ピッチで略放射状に伸びるように本体部20に連結されている。また、3本のレバー21の基端側は、本体部20に回動可能に連結されている。本体部20とレバー21との連結部には、レバー21を回動させる減速機付きのモータ25が配置されている。本形態のロボット9は、3本のレバー21のそれぞれを回動させる3個のモータ25を備えている。モータ25の出力軸は、レバー21の基端側に固定されている。
アーム部22の基端側は、レバー21の先端側に回動可能に連結されている。具体的には、アーム部22は、互いに平行な直線状の2本のアーム26によって構成されており、2本のアーム26のそれぞれの基端側がレバー21の先端側に回動可能に連結されている。ヘッドユニット23は、3個のアーム部22の先端側に回動可能に連結されている。ヘッドユニット23の上端には、モータ27が取り付けられている。
パネル把持部24は、ヘッドユニット23の下端に取り付けられている。また、パネル把持部24は、モータ27に連結されており、モータ27の動力によって上下方向を回転の軸方向とする回転が可能になっている。本形態では、本体部20と3本のレバー21と3個のアーム部22とヘッドユニット23と3個のモータ25とモータ27とによって、パネル把持部24を移動させる移動機構28が構成されている。パネル把持部24の具体的な構成については後述する。
ロボット9では、3個のモータ25を個別に駆動することで、所定のエリア内において、上下方向、左右方向および前後方向の任意の位置へ、かつ、ヘッドユニット23が一定の姿勢を保ったままの状態で(具体的には、パネル把持部24が下側を向いたままの状態で)、ヘッドユニット23を移動させることが可能になっている。ロボット9は、トレイステージ6、7上のトレイ3に収容された液晶パネル2を1枚ずつ搬出する。具体的には、ロボット9は、トレイステージ6、7上のトレイ3が空になるまでトレイ3から液晶パネル2を1枚ずつ搬出する。また、ロボット9は、トレイ3から搬出した液晶パネル2を後述のパネルステージ39へ搬送する。
(供給ユニットの構成および動作)
図4は、図1に示す供給ユニット11の斜視図である。図5は、図4に示す供給ユニット11の平面図である。
供給ユニット11は、液晶パネル2の位置合わせを行うためアライメント装置30と、液晶パネル2に記録されたデータを読み取るデータ読取装置31とを備えている。アライメント装置30は、データ読取装置31で液晶パネル2のデータが読み取られる前に液晶パネル2の位置合わせをする。また、供給ユニット11は、データ読取装置31でデータが読み取られた後の液晶パネル2を処理装置14へ搬送するロボット33と、処理装置14へ搬送される液晶パネル2から静電気を除去するイオナイザー(静電気除去装置)34と、アライメント装置30で位置合わせされた後の液晶パネル2をロボット33に向かって搬送する搬送装置35と、アライメント装置30で位置合わせされた液晶パネル2を搬送装置35に搬送するロボット36と、これらの構成が載置されて固定されるベース板37とを備えている。
アライメント装置30は、ベース板37の右前端側に載置されている。ロボット33は、ベース板37の左後端側に載置されている。データ読取装置31は、ベース板37の左前端側に載置されている。ロボット36は、アライメント装置30の後ろ側に隣接配置されている。搬送装置35は、左右方向において、データ読取装置31およびロボット33と、アライメント装置30との間に配置されている。イオナイザー34は、搬送装置35の上方に配置されている。ベース板37は、本体フレーム12の上面の後端側部分に載置されて固定されている。
アライメント装置30は、トレイステージ6、7上のトレイ3からロボット9によって搬出された液晶パネル2(すなわち、ロボット9が搬送する液晶パネル2)が載置されるパネルステージ39と、上下方向を回動の軸方向としてパネルステージ39を回動させるとともに左右方向と前後方向とにパネルステージ39を移動させて液晶パネル2の位置合わせを行う移動機構40とを備えている。また、アライメント装置30は、パネルステージ39よりも上側に配置されるカメラ41および照明42を備えている。
パネルステージ39は、液晶パネル2が載置されるパネル載置部43と、FPC2aが載置される配線載置部としての基板載置部44(図11、図12参照)とを備えている。パネル載置部43は、長方形の平板状に形成されている。パネル載置部43の上面は、上下方向に直交する平面となっている。上下方向から見たときのパネル載置部43の外形は、液晶パネル2の外形よりも大きくなっている。なお、図4、図5では、基板載置部44の図示を省略している。
液晶パネル2は、上下方向から見たときに液晶パネル2の中心とパネル載置部43の中心とが略一致するように、かつ、液晶パネル2の長辺の方向とパネル載置部43の長辺の方向とが略一致するように、パネル載置部43に載置される。また、パネル載置部43の上面には、平板状またはフィルム状に形成される偏光部材45が取り付けられている。パネルステージ39の詳細な構成については後述する。なお、本形態では、ロボット9とパネルステージ39とによってパネル搬送システム49(図2参照)が構成されている。
移動機構40は、パネルステージ39を回動可能に保持する可動フレーム46と、前後方向へのスライドが可能となるように可動フレーム46を保持する可動フレーム47と、左右方向へのスライドが可能となるように可動フレーム46を保持する固定フレーム48と、可動フレーム46に対してパネルステージ39を回動させる回動機構と、可動フレーム47に対して可動フレーム46を前後方向へスライドさせる駆動機構と、固定フレーム48に対して可動フレーム47を左右方向へスライドさせる駆動機構とを備えている。固定フレーム48は、ベース板37に固定されている。
本形態では、可動フレーム46を前後方向へスライドさせる駆動機構は、パネル載置部43に載置された液晶パネル2の位置合わせを行うために設けられている。一方、可動フレーム47を左右方向へスライドさせる駆動機構は、パネル載置部43に載置された液晶パネル2の位置合わせを行うとともに、後述のエッジ検知位置39Aとパネル搬出位置39Bとの間で液晶パネル2を搬送するために設けられている。また、パネルステージ39を回動させる回動機構は、パネル載置部43に載置された液晶パネル2の位置合わせを行うために設けられている。
照明42は、左右方向で直線状に配列される複数の発光ダイオード(LED)を備えるバー照明である。この照明42は、カメラ41より下側に配置されるとともにカメラ41の視野から外れた位置に配置されている。本形態では、照明42は、カメラ41の後ろ下側に配置されている。照明42は、パネルステージ39に間接光を照射する。
カメラ41は、パネルステージ39の上方に配置されている。このカメラ41は、パネル載置部43に載置された液晶パネル2のエッジを上側から検知する。具体的には、カメラ41は、長方形状に形成される液晶パネル2の4個の角部の位置を検知する。カメラ41は、偏光フィルタ50を備えている。偏光フィルタ50は、上下方向を回動の軸方向とする回動が可能となるようにカメラ41のレンズの先端に取り付けられている。カメラ41の偏光フィルタ50の位相と偏光部材45の位相とは90°ずれている。そのため、カメラ41に写るパネル載置部43は黒くなる。
パネルステージ39は、左右方向において、液晶パネル2がカメラ41の下側に配置されるエッジ検知位置39A(図4、図5の実線で示す位置)と、ロボット36によってパネルステージ39から液晶パネル2が搬出されるパネル搬出位置39B(図5の二点鎖線で示す位置)との間で移動可能となっている。本形態では、パネルステージ39が固定フレーム48の右端側まで移動すると、パネルステージ39がエッジ検知位置39Aに到達し、パネルステージ39が固定フレーム48の左端側まで移動すると、パネルステージ39がパネル搬出位置39Bに到達する。また、トレイステージ6、7上のトレイ3からロボット9によって搬出された液晶パネル2は、エッジ検知位置39Aに配置されるパネルステージ39に供給される。
エッジ検知位置39Aに配置されたパネルステージ39に、ロボット9によって搬出された液晶パネル2が載置されると、カメラ41は、液晶パネル2のエッジを検知する。その後、移動機構40は、カメラ41での液晶パネル2のエッジの検知結果に基づいて液晶パネル2の位置合わせを行いながらエッジ検知位置39Aからパネル搬出位置39Bまでパネルステージ39を移動させる。具体的は、移動機構40は、カメラ41での液晶パネル2のエッジの検知結果に基づいて、パネルステージ39の回動動作および前後方向への可動フレーム46のスライド動作の少なくともいずれか一方の動作を行いながら、左方向へ可動フレーム47をスライドさせて、パネルステージ39をパネル搬出位置39Bまで移動させる。
搬送装置35は、液晶パネル2が載置される4個のパネルステージ52と、4個のパネルステージ52が固定される可動フレーム53と、前後方向へのスライドが可能となるように可動フレーム53を保持する固定フレーム54と、固定フレーム54に対して可動フレーム53を前後方向へスライドさせる駆動機構とを備えている。4個のパネルステージ52は、前後方向で隣接配置されている。パネルステージ52の上面は、上下方向に直交する平面となっている。パネルステージ52は、パネルステージ52の上面に載置された液晶パネル2を吸着する複数の吸着部を備えている。固定フレーム54は、ベース板37に固定されている。
ロボット36は、液晶パネル2を吸着して把持するパネル把持部55と、上下方向へのスライドが可能となるようにパネル把持部55を保持する可動フレーム56と、左右方向へのスライドが可能となるように可動フレーム56を保持する固定フレーム57と、可動フレーム56に対してパネル把持部55を昇降させる昇降機構と、固定フレーム57に対して可動フレーム56を左右方向へスライドさせる駆動機構とを備えている。固定フレーム57は、ベース板37に固定されている。パネル把持部55は、前後方向においてパネルステージ39と同じ位置に配置されている。
ロボット36は、パネル搬出位置39Bに配置されるパネルステージ39上の液晶パネル2(すなわち、アライメント装置30で位置合わせされた後の液晶パネル2)をパネルステージ52に搬送する。具体的には、ロボット36は、パネル搬出位置39Bに配置されるパネルステージ39上の液晶パネル2の上面をパネル把持部55で吸着して把持し、前端側まで移動して停止している4個のパネルステージ52のそれぞれにパネルステージ39から液晶パネル2を順次、搬送する。また、4個のパネルステージ52のそれぞれに液晶パネル2が載置されると、搬送装置35は、後ろ方向へパネルステージ52を移動させて、液晶パネル2を搬送装置35の後端側まで搬送する。
ロボット33は、液晶パネル2を吸着して把持する4個のパネル把持部58と、上下方向へのスライドが可能となるようにパネル把持部58を保持する可動フレーム59と、左右方向へのスライドが可能となるように可動フレーム59を保持する固定フレーム60と、可動フレーム59に対してパネル把持部58を昇降させる昇降機構と、固定フレーム60に対して可動フレーム59を左右方向へスライドさせる駆動機構とを備えている。4個のパネル把持部58は、前後方向で隣接配置されている。前後方向における4個のパネル把持部58のピッチは、前後方向における4個のパネルステージ52のピッチと等しくなっている。固定フレーム60は、ベース板37に固定されている。
ロボット33は、搬送装置35によって搬送装置35の後端側まで搬送された液晶パネル2を処理装置14に搬入する。具体的には、ロボット33は、4個のパネルステージ52のそれぞれに載置される4個の液晶パネル2のそれぞれの上面を4個のパネル把持部58のそれぞれで吸着して把持し、パネルステージ52から4個の液晶パネル2を一緒に処理装置14に搬入する。
データ読取装置31は、二次元コードや一次元コード等の光学的に読取可能なデータを読み取るカメラ62と、カメラ62が取り付けられる可動フレーム63と、上下方向へのスライドが可能となるように可動フレーム63を保持する可動フレーム64と、前後方向へのスライドが可能となるように可動フレーム64を保持する可動フレーム65と、左右方向へのスライドが可能となるように可動フレーム65を保持する固定フレーム66と、可動フレーム64に対して可動フレーム63を昇降させる昇降機構と、可動フレーム65に対して可動フレーム64を前後方向へスライドさせる駆動機構と、固定フレーム66に対して可動フレーム65を左右方向へスライドさせる駆動機構とを備えている。固定フレーム66は、ベース板37に固定されている。また、データ読取装置31は、液晶パネル2に光を照射する照明を備えている。
データ読取装置31は、アライメント装置30での位置調整後に搬送装置35のパネルステージ52に載置された液晶パネル2のデータを読み取る。データ読取装置31で読み取られた液晶パネル2のデータは、データが読み取られた液晶パネル2の個別データとして、データが読み取られた液晶パネル2に紐付けされる。上述のように、イオナイザー34は、搬送装置35の上方に配置されている。また、イオナイザー34は、データ読取装置31よりも後ろ側に配置されており、データ読取装置31でデータが読み取られた後の液晶パネル2の静電気を除去する。
(パネル把持部の構成)
図6は、図3に示すロボット9のパネル把持部24の斜視図である。図7は、図6に示すパネル把持部24を別の方向から示す斜視図である。図8は、図6に示す基板吸着部72および位置調整機構73を下側から示す斜視図である。図9は、図6に示すパネル吸着部71および基板吸着部72に接続される配管の経路を説明するための図である。図10は、図6に示すパネル検知機構74の構成を説明するための概略図である。
パネル把持部24は、液晶パネル2を吸着するパネル吸着部71と、液晶パネル2から引き出されるFPC2aを吸着する配線吸着部としての基板吸着部72とを備えている。本形態のパネル把持部24は、2個の基板吸着部72を備えている。また、パネル把持部24は、パネル吸着部71に対する基板吸着部72の位置を調整するための位置調整機構73と、パネル把持部24がトレイ3内の液晶パネル2を把持しようとするときに液晶パネル2の有無を検知するパネル検知機構74とを備えている。さらに、パネル把持部24は、パネル吸着部71、位置調整機構73およびパネル検知機構74が取り付けられるベース部材75を備えている。ベース部材75は、略円形の平板状に形成されており、ベース部材75の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。
パネル吸着部71は、ベース部材75の下面側に取り付けられている。このパネル吸着部71は、液晶パネル2の厚さ方向と上下方向(鉛直方向)とが一致するように液晶パネル2を吸着している。パネル吸着部71の下面には、液晶パネル2の上面を吸引する吸引口(図示省略)が形成されている。パネル吸着部71は、液晶パネル2の上面を真空吸着することで液晶パネル2を把持する。以下の説明では、上下方向(鉛直方向)に直交する図6等のV方向を「第1方向」とし、上下方向と第1方向とに直交する図6等のW方向を「第2方向」とする。
基板吸着部72は、FPC2aの厚さ方向と上下方向とが一致するようにFPC2aを吸着している。この基板吸着部72は、FPC2aに接触する配線接触部としての基板接触部76と、基板接触部76がFPC2aに接触するときの衝撃を緩和する緩衝機構77とを備えている。緩衝機構77は、たとえば、ピストン77aとピストン77aをスライド可能に保持するシリンダ77bとを備えるエアダンパーである。この緩衝機構77は、ピストン77aの移動方向と上下方向とが一致するように配置されている。
基板接触部76は、ピストン77aの下端に固定されており、FPC2aの上面に接触可能となっている。基板接触部76の下面には、FPC2aの上面を吸引する吸引口76a(図8参照)が形成されている。吸引口76aの径は、パネル吸着部71の下面に形成される吸引口の径よりも小さくなっている。そのため、液晶パネル2の、パネル吸着部71によって吸着される部分の面積よりも、FPC2aの、基板吸着部72によって吸着される部分の面積の方が狭くなっている。基板吸着部72は、FPC2aの上面を真空吸着することでFPC2aを把持する。
位置調整機構73は、手動式の調整機構である。この位置調整機構73は、シリンダ77bを保持する保持部材78と、保持部材78を第1方向へスライド可能に保持する保持部材79と、保持部材79を第2方向へスライド可能に保持する保持部材80とを備えている。本形態の位置調整機構73は、2個の保持部材78と、2個の保持部材79と、2個の保持部材80とを備えている。
保持部材80は、断面形状がL形状をなす細長い板状部材である。2個の保持部材80のそれぞれの一端部は、第1方向におけるベース部材75の両端側のそれぞれに固定されており、保持部材80は、ベース部材75から第2方向の一方側へ伸びている。すなわち、保持部材80は、保持部材80の長手方向と第2方向とが一致するように配置されている。保持部材80には、第2方向を長手方向とする長穴80aが形成されている。長穴80aは、保持部材80の、上下方向に直交する平板部分を上下方向で貫通している。また、長穴80aは、第2方向における保持部材80の略中心と、保持部材80の第2方向の一方側(ベース部材75から保持部材80が伸びている方向の側)の端部との間の全域に形成されている。
保持部材79は、断面形状がL形状をなす細長い板状部材である。保持部材79の両端側には、ネジ81がねじ込まれるネジ穴が形成されている。このネジ穴は、保持部材79の、上下方向に直交する平板部分に形成されている。保持部材79の両端側のそれぞれは、上側から長穴80aに挿通されるネジ81によって2個の保持部材80のそれぞれに固定されている。すなわち、保持部材79は、ネジ81によって2個の保持部材80に固定されており、保持部材80の下側に配置されている。また、2個の保持部材79のそれぞれが2個の保持部材80に固定されている。保持部材79は、第1方向と平行に配置されている。すなわち、2個の保持部材79は、互いに平行に配置されるとともに第1方向と平行に配置されている。
保持部材79には、第1方向を長手方向とする長穴79aが形成されている。長穴79aは、保持部材79の、第2方向に直交する平板部分を第2方向で貫通している。また、長穴79aは、保持部材79の第1方向の一方側の端部と他方側の端部との間の全域に形成されている。保持部材78は、L形状に折り曲げられた平板状の部材である。保持部材78には、ネジ82がねじ込まれるネジ穴が形成されている。このネジ穴は、保持部材78の、第2方向に直交する平板部分に形成されている。
保持部材78は、第2方向の一方側から長穴79aに挿通されるネジ82によって保持部材79に固定されており、保持部材79の、第2方向の他方側に配置されている。また、2個の保持部材78のそれぞれが2個の保持部材79のそれぞれに固定されている。保持部材78の、上下方向に直交する平板部分には、シリンダ77bが固定されている。すなわち、保持部材78には、基板吸着部72が固定されている。
本形態では、ネジ82を緩めることで、パネル吸着部71に対する第1方向での基板吸着部72の位置調整が可能となる。また、ネジ81を緩めることで、パネル吸着部71に対する第2方向での基板吸着部72の位置調整が可能となる。すなわち、基板吸着部72は、第1方向と第2方向とにおいて、パネル吸着部71に対して位置調整可能となっている。また、2個の基板吸着部72のそれぞれがパネル吸着部71に対して位置調整可能となっている。
図9に示すように、パネル吸着部71と2個の基板吸着部72とは、共通のオンオフ弁84を介して共通の空気の吸引機構85に接続されている。オンオフ弁84は、電磁弁である。また、吸引機構85は、たとえば、真空ポンプである。オンオフ弁84と2個の基板吸着部72との間の配管経路には、流量制御弁86が配置されている。流量制御弁86は、たとえば、流量調整弁や絞り弁である。本形態では、流量制御弁86の作用によって、基板吸着部72によるFPC2aの吸引力は、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸引力よりも小さくなっている。たとえば、基板吸着部72によるFPC2aの吸引力とパネル吸着部71による液晶パネル2の吸引力との比は、1:9となっている。
オンオフ弁84とパネル吸着部71との間の配管経路には、パネル吸着部71の吸引圧に基づいてパネル吸着部71に液晶パネル2が吸着されているのか否かを検知するための第1圧力センサ87が接続されている。また、オンオフ弁84と2個の基板吸着部72との間の配管経路には、基板吸着部72の吸引圧に基づいて基板吸着部72にFPC2aが吸着されているのか否かを検知するための第2圧力センサ88が接続されている。
パネル検知機構74は、トレイ3内の液晶パネル2に向かって光を射出する発光部89と、液晶パネル2で反射された光を受光可能な位置に配置される受光部90とを備える光学式の検知機構である。具体的には、パネル検知機構74は、発光部89および受光部90を有する受発光部91と、発光部89から射出され液晶パネル2で反射された光を液晶パネル2に向かって反射する反射部材(回帰反射板)92とを有する回帰反射型の光学式の検知機構であり、受光部90は、反射部材92で反射された後に液晶パネル2で反射された光を受光可能な位置に配置されている。
発光部89は、光源であるLED(発光ダイオード)を備えている。また、発光部89は、たとえば、LEDからの光を伝達する光ファイバーを備えている。受発光部91および反射部材92は、ベース部材75の下面側に固定されている。また、受発光部91および反射部材92は、パネル吸着部71の下面よりも上側に配置されている。受発光部91と反射部材92とは、第1方向においてパネル吸着部71を挟むように配置されている。また、受発光部91と反射部材92とは、第1方向におけるベース部材75の両端側のそれぞれに取り付けられている。
発光部89の発光面および受光部90の受光面は斜め下側に向き、反射部材92の反射面は、斜め下側を向いている。また、発光部89の発光面、受光部90の受光面および反射部材92の反射面は、第1方向の内側に向いている。発光部89から射出された光の液晶パネル2への入射角θは、45°以上90°未満となっている。具体的には、入射角θは、略65°となっている。また、本形態では、液晶パネル2に照射される光のスポット径は比較的小さくなっている。
パネル検知機構74は、パネル把持部24がトレイ3内の液晶パネル2を把持しようとするときに液晶パネル2の有無を検知する。具体的には、パネル検知機構74は、パネル把持部24がトレイ3内の液晶パネル2を把持しようとするときに、受光部90の受光量に基づいて、液晶パネル2の有無を検知する。
すなわち、パネル把持部24がトレイ3内の液晶パネル2を把持しようとするときに、図10に示すように、パネル把持部24の下側に液晶パネル2があれば、発光部89から射出された光は、液晶パネル2の上面で反射され、反射部材92で反射された後、再び、液晶パネル2の上面で反射されて受光部90に入射するが、パネル把持部24の下側に液晶パネル2がないと、発光部89から射出された光は、トレイ3で反射され、反射部材92で反射された後、再び、トレイ3で反射されて受光部90に入射するため、パネル把持部24の下側に液晶パネル2がある場合とない場合とで、受光部90の受光量が異なる。パネル検知機構74は、受光部90の受光量の相違に基づいて、液晶パネル2の有無を検知する。
なお、図10に示すように、トレイ3には、液晶パネル2の外周端部分を支持するパネル支持部3aが形成されている。パネル支持部3aは、長方形の枠状に形成されており、液晶パネル2の外周端部分の下面がパネル支持部3aの上面に接触している。パネル支持部3aの内周側は、下側に向かって窪む凹部3bとなっている。パネル支持部3aの上面と凹部3bの底面との上下方向の距離Dは、3〜4(mm)程度となっている。上述のように、液晶パネル2の厚さは1(mm)程度となっており、トレイ3に収容される液晶パネル2に撓みが生じていない場合には、トレイ3に収容される液晶パネル2の上面と凹部3bの底面との上下方向の距離は、4〜5(mm)程度となっている。
パネル把持部24がトレイ3内の液晶パネル2を把持しようとするときに、パネル把持部24の下側に液晶パネル2がない場合には、発光部89から射出された光は、凹部3bの底面で反射される。また、凹部3bの底面で反射された光は、反射部材92で反射された後、再び、凹部3bの底面で反射される。
本形態では、トレイ3内の所定の箇所に収容されている液晶パネル2をパネル把持部24が把持しようとするときに、たとえば、トレイ3内で液晶パネル2の抜けがあって、パネル検知機構74によって液晶パネル2が検知されないと、ロボット9は、パネル把持部24を移動させて、トレイ3内の他の箇所に収容されている液晶パネル2をパネル把持部24で把持することを試みる。
一方、トレイ3内の所定の箇所に収容されている液晶パネル2をパネル把持部24が把持しようとするときに、パネル検知機構74によって液晶パネル2が検知されると、ロボット9は、そのまま、液晶パネル2の把持動作を継続する。すなわち、ロボット9は、パネル把持部24による液晶パネル2およびFPC2aの吸着を試みる。具体的には、ロボット9は、液晶パネル2をパネル吸着部71で吸着し、FPC2aを基板吸着部72で吸着することを試みる。
その後、第1圧力センサ87によってパネル吸着部71に液晶パネル2が吸着されていることが検知され、かつ、第2圧力センサ88によって基板吸着部72にFPC2aが吸着されていることが検知されると、ロボット9は、トレイ3からの液晶パネル2の搬出動作を開始する。一方、パネル吸着部71に液晶パネル2が吸着されていること、および、基板吸着部72にFPC2aが吸着されていることの少なくともいずれか一方が検知されない場合には、ロボット9は、パネル把持部24による液晶パネル2およびFPC2aの吸着を再度試みる。
その後、パネル吸着部71に液晶パネル2が吸着されていることが検知され、かつ、基板吸着部72にFPC2aが吸着されていることが検知されると、ロボット9は、トレイ3からの液晶パネル2の搬出動作を開始するが、パネル吸着部71に液晶パネル2が吸着されていること、および、基板吸着部72にFPC2aが吸着されていることの少なくともいずれか一方が検知されないと、エラーとなってロボット9が停止する。
(パネルステージの構成)
図11は、図4に示すパネルステージ39の斜視図である。図12は、図11に示す2個の基板載置部44がパネル載置部43側に移動して固定されているときのパネルステージ39の斜視図である。
上述のように、パネルステージ39は、液晶パネル2が載置されるパネル載置部43と、FPC2aが載置される基板載置部44とを備えている。本形態のパネルステージ39は、2個の基板載置部44を備えている。また、パネルステージ39は、パネル載置部43に対する基板載置部44の位置を調整するための第2位置調整機構93を備えている。
パネル載置部43は、上述のように、長方形の平板状に形成されている。パネル載置部43は、パネル載置部43の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。以下の説明では、上下方向(鉛直方向)に直交する方向であって長方形の平板状に形成されるパネル載置部43の長手方向(図11、図12のS方向)を「第3方向」とし、上下方向と第3方向とに直交するパネル載置部43の短手方向(図11、図12のT方向)を「第4方向」とする。
パネル載置部43は、導電性を有する樹脂材料で形成されている。このパネル載置部43は、パネル載置部43の上面に載置された液晶パネル2を真空吸着する吸着部43aを備えている。吸着部43aは、パネル載置部43の中心に配置されている。上述のように、パネル載置部43の上面には、偏光部材45が取り付けられている。偏光部材45は、パネル載置部43の上面の、吸着部43aが配置されていない位置に貼り付けられている。
基板載置部44は、細長い扁平な直方体状に形成されている。基板載置部44の上面は、上下方向に直交する平面となっている。基板載置部44の長さは、パネル載置部43の短手方向の幅(第4方向の幅)と等しくなっている。基板載置部44の厚さ(上下方向の厚さ)は、パネル載置部43の厚さと等しくなっている。基板載置部44は、FPC2aが接触する配線接触部材としての基板接触部材94を備えている。
基板接触部材94は、細長い長方形の薄板状に形成されており、基板載置部44の上面を構成している。基板接触部材94は、ゴムで形成されている。たとえば、基板接触部材94は、シリコーンゴムで形成されている。基板接触部材94の上面には、シボ加工が施されており、基板接触部材94の上面は、シボ形状をなす凹凸面となっている。すなわち、FPC2aの接触する基板接触部材94の上面は、シボ形状をなす凹凸面となっている。
第2位置調整機構93は、手動式の調整機構である。この第2位置調整機構93は、基板載置部44を保持する2個の保持部材95を備えている。保持部材95は、細長い長方形の平板状部材である。保持部材95には、長穴95aが形成されている。長穴95aは、保持部材95の一端側と保持部材95の他端側との間の全域に形成されている。パネル載置部43の第4方向の両端側には、ネジ96がねじ込まれるネジ穴43bが形成されている。具体的には、パネル載置部43の第4方向の両端側のそれぞれに2個のネジ穴43bが形成されている。ネジ穴43bは、上下方向でパネル載置部43を貫通している。
2個の保持部材95のそれぞれは、下側から長穴95aに挿通されるネジ96によって、パネル載置部43の第4方向の両端側のそれぞれに固定されている。また、保持部材95は、保持部材95の長手方向と第3方向とが一致するように、パネル載置部43の下面に固定されている。また、保持部材95は、保持部材95の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されており、長穴95aは、上下方向で保持部材95を貫通している。
2個の基板載置部44のうちの一方の基板載置部44は、2個の保持部材95の一端部の上面に固定されている。すなわち、この基板載置部44の一端部は、第4方向の一方側に配置される保持部材95の一端部の上面に固定され、この基板載置部44の他端部は、第4方向の他方側に配置される保持部材95の一端部の上面に固定されている。
他方の基板載置部44の両端側部分の下面には、ネジ97がねじ込まれるネジ穴が形成されている。この基板載置部44は、下側から長穴95aに挿通されるネジ97によって保持部材95の上面に固定されている。すなわち、この基板載置部44の一端部は、ネジ97によって第4方向の一方側に配置される保持部材95の上面に固定され、この基板載置部44の他端部は、ネジ97によって第4方向の他方側に配置される保持部材95の上面に固定されている。基板載置部44は、第4方向と平行に配置されている。すなわち、2個の基板載置部44は、互いに平行に配置されるとともに第4方向と平行に配置されている。また、2個の基板載置部44は、第3方向において、パネル載置部43の一方側に配置されている。
本形態では、ネジ96を緩めることで、パネル載置部43に対する第3方向での保持部材95の位置調整が可能となる。すなわち、ネジ96を緩めることで、パネル載置部43に対する第3方向での2個の基板載置部44の位置調整が可能となる。また、ネジ97を緩めることで、保持部材95に対する第3方向での他方の基板載置部44の位置調整が可能となる。すなわち、ネジ97を緩めることで、パネル載置部43および一方の基板載置部44に対する第3方向での他方の基板載置部44の位置調整が可能となる。このように、本形態では、2個の基板載置部44のそれぞれがパネル載置部43に対して位置調整可能となっている。
2個の基板載置部44の第3方向のピッチは、2個の基板吸着部72の第2方向のピットとほぼ等しくなっている。また、2個の基板載置部44のうちのパネル載置部43側に配置される基板載置部44(他方の基板載置部44)とパネル載置部43の中心との第3方向のピッチは、2個の基板吸着部72のうちのパネル吸着部71側に配置される基板吸着部72とパネル吸着部71の中心との第2方向のピッチとほぼ等しくなっている。
そのため、パネル吸着部71に吸着された液晶パネル2がパネル載置部43に載置され、基板吸着部72に吸着されたFPC2aが基板載置部44に載置されるときには、2個の基板載置部44のそれぞれは、2個の基板吸着部72のそれぞれの真下に配置されている。なお、本形態では、図12に示すように、2個の基板載置部44が互いに接触するとともに、他方の基板載置部44とパネル載置部43とが互いに接触する位置まで、2個の基板載置部44をパネル載置部43に近づけることが可能になっている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、液晶パネル2を把持するパネル把持部24は、液晶パネル2を吸着するパネル吸着部71に加えて、液晶パネル2から引き出されるFPC2aを吸着する基板吸着部72を備えている。そのため、本形態では、FPC2aが液晶パネル2から引き出されていても、液晶パネル2を搬送する際のFPC2aのふらつきを抑制することが可能になる。
本形態では、パネル把持部24は、パネル吸着部71に対する基板吸着部72の位置を調整するための位置調整機構73を備えている。そのため、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が変わっても、パネル吸着部71に対する基板吸着部72の位置を調整することで、FPC2aがふらつかないように基板吸着部72によってFPC2aを吸着することが可能になる。したがって、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が変わっても、共通のパネル把持部24を用いて、液晶パネル2を搬送する際のFPC2aのふらつきを抑制することが可能になる。
特に本形態では、基板吸着部72が、第1方向と第2方向とにおいて、パネル吸着部71に対して位置調整可能となっているため、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が大きく変わっても、第1方向と第2方向との両方向においてパネル吸着部71に対する基板吸着部72の位置を調整することで、FPC2aがふらつかないように基板吸着部72によってFPC2aを吸着することが可能になる。したがって、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が大きく変わっても、共通のパネル把持部24を用いて、液晶パネル2を搬送する際のFPC2aのふらつきを抑制することが可能になる。
また、本形態では、2個の基板吸着部72のそれぞれがパネル吸着部71に対して位置調整可能となっているため、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が大きく変わっても、パネル吸着部71に対する2個の基板吸着部72のそれぞれの位置を調整することで、FPC2aがふらつかないように基板吸着部72によってFPC2aを吸着することが可能になる。したがって、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が大きく変わっても、共通のパネル把持部24を用いて、液晶パネル2を搬送する際のFPC2aのふらつきを抑制することが可能になる。
本形態では、基板吸着部72は、基板接触部76がFPC2aに接触するときの衝撃を緩和する緩衝機構77を備えている。そのため、本形態では、パネル吸着部71が液晶パネル2を吸着するときに基板吸着部72がFPC2aを確実に吸着できるように、パネル吸着部71より下側に基板接触部76が飛び出していても、基板接触部76がFPC2aに接触するときの衝撃を緩和することが可能になる。したがって、本形態では、パネル吸着部71が液晶パネル2を吸着するときに基板吸着部72がFPC2aを確実に吸着することが可能となっていても、基板接触部76とFPC2aとの接触時のFPC2aの損傷を防止することが可能になる。
また、本形態では、基板吸着部72が緩衝機構77を備えているため、液晶パネル2の下面の位置とFPC2aの下面の位置とが上下方向でずれていても、液晶パネル2をパネル載置部43の上面に接触させ、かつ、FPC2aを基板載置部44の上面に接触させた状態で、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸着の解除と、基板吸着部72によるFPC2aの吸着の解除とを一緒に行うことが可能になる。
本形態では、パネル吸着部71と基板吸着部72とが共通のオンオフ弁84を介して共通の空気の吸引機構85に接続されている。そのため、本形態では、パネル吸着部71が接続されるオンオフ弁84と基板吸着部72が接続されるオンオフ弁84とが別個に設けられている場合と比較して、ロボット9の構成を簡素化することが可能になる。また、パネル吸着部71が接続される吸引機構85と基板吸着部72が接続される吸引機構85とが別個に設けられている場合と比較して、ロボット9の構成を簡素化することが可能になる。
本形態では、基板吸着部72によるFPC2aの吸引力は、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸引力よりも小さくなっている。そのため、本形態では、液晶パネル2よりも重量の軽いFPC2aを適切な吸引力で吸引することが可能になるとともに、液晶パネル2を適切な吸引力で吸引することが可能になる。
本形態では、液晶パネル2の、パネル吸着部71によって吸着される部分の面積よりも、FPC2aの、基板吸着部72によって吸着される部分の面積の方が狭くなっている。そのため、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸着力よりも基板吸着部72によるFPC2aの吸着力の方が低くなっており、パネル吸着部71に吸着された液晶パネル2がパネル吸着部71から外れるのと比較して、基板吸着部72に吸着されたFPC2aは基板吸着部72から外れやすい。また、本形態では、パネル吸着部71と基板吸着部72とが共通のオンオフ弁84を介して共通の空気の吸引機構85に接続されているため、基板吸着部72に吸着されたFPC2aが基板吸着部72から外れると、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸引力が低下して、パネル吸着部71に吸着された液晶パネル2がパネル吸着部71から外れて落下し、液晶パネル2が破損するおそれがある。
しかしながら、本形態では、基板吸着部72とオンオフ弁84との間の配管経路に流量制御弁86が配置され、基板吸着部72によるFPC2aの吸引力が、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸引力よりも小さくなっているため、FPC2aを吸引する空気の吸引量を少なくすることが可能になる。したがって、本形態では、基板吸着部72に吸着されたFPC2aが基板吸着部72から外れたときの、パネル吸着部71による液晶パネル2の吸引力の低下を抑制することが可能になり、その結果、仮に、基板吸着部72に吸着されたFPC2aが基板吸着部72から外れたとしても、パネル吸着部71に吸着された液晶パネル2のパネル吸着部71からの外れを防止することが可能になる。
また、本形態では、基板吸着部72の吸引圧に基づいて基板吸着部72にFPC2aが吸着されているのか否かを検知するための第2圧力センサ88が設けられているため、基板吸着部72に吸着されたFPC2aの、基板吸着部72から外れが検知されたときに、ロボット9を停止させることで、液晶パネル2を落下させることなく、ロボット9を安全に停止させることが可能になる。
本形態では、パネルステージ39は、液晶パネル2が載置されるパネル載置部43に加えて、FPC2aが載置される基板載置部44を備えている。そのため、本形態では、パネルステージ39が前後方向や左右方向にスライドするときや、パネルステージ39が回動するときに、パネルステージ39に載置されるFPC2aのふらつきを抑制することが可能になる。
本形態では、パネル吸着部71に吸着された液晶パネル2がパネル載置部43に載置され、基板吸着部72に吸着されたFPC2aが基板載置部44に載置されるときには、2個の基板載置部44のそれぞれは、2個の基板吸着部72のそれぞれの真下に配置されている。そのため、本形態では、基板吸着部72に吸着されたFPC2aを基板載置部44に載置するときに基板載置部44の上面にFPC2aを確実に接触させた状態で、基板載置部44にFPC2aを載置することが可能になる。
本形態では、パネルステージ39は、パネル載置部43に対する基板載置部44の位置を調整するための第2位置調整機構93を備えている。そのため、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が変わっても、パネル載置部43に対する基板載置部44の位置を調整することで、基板載置部44にFPC2aを適切に載置することが可能になる。したがって、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が変わっても、共通のパネルステージ39にFPC2a付きの液晶パネル2を適切に載置することが可能になる。
特に本形態では、2個の基板載置部44のそれぞれがパネル載置部43に対して位置調整可能となっているため、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が大きく変わっても、パネル載置部43に対する2個の基板載置部44のそれぞれの位置を調整することで、基板載置部44にFPC2aを適切に載置することが可能になる。したがって、本形態では、液晶パネル2からのFPC2aの引き出し位置やFPC2aの形状が大きく変わっても、共通のパネルステージ39にFPC2a付きの液晶パネル2を適切に載置することが可能になる。
また、本形態では、図12に示すように、2個の基板載置部44が互いに接触するとともに他方の基板載置部44とパネル載置部43とが互いに接触する位置まで2個の基板載置部44をパネル載置部43に近づけることができるため、パネルステージ39が原点位置を見失ったときに、図12に示す状態で、パネルステージ39を原点復帰させることが可能になる。したがって、本形態では、パネルステージ39を原点復帰させるときにパネルステージ39を回動させても、パネルステージ39の周囲の構成とパネルステージ39との干渉を防止することが可能になる。
本形態では、FPC2aが接触する基板載置部44の上面は、ゴム製の基板接触部材94によって構成されている。また、基板載置部44の上面は、シボ形状をなす凹凸面となっている。そのため、本形態では、基板載置部44に対するFPC2aの貼り付きを防止することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、位置調整機構73は、手動式の調整機構であるが、位置調整機構73は、駆動源等を備える自動式の調整機構であっても良い。また、上述した形態において、基板吸着部72は、第1方向のみにおいてパネル吸着部71に対して位置調整可能となっていても良いし、第2方向のみにおいてパネル吸着部71に対して位置調整可能となっていても良い。また、上述した形態では、2個の基板吸着部72がパネル吸着部71に対して個別に調整可能となっているが、2個の基板吸着部72がパネル吸着部71に対して一緒に調整可能となっていても良い。さらに、上述した形態において、2個の基板吸着部72のうちのいずれか一方の基板吸着部72のみがパネル吸着部71に対して位置調整可能となっていても良い。また、2個の基板吸着部72がパネル吸着部71に対して位置調整可能となっていなくても良い。
上述した形態において、パネル把持部24が備える基板吸着部72の数は、1個であっても良いし、3個以上であっても良い。また、基板吸着部72は、緩衝機構77を備えていなくても良い。また、上述した形態において、パネル吸着部71と基板吸着部72とが個別のオンオフ弁84を介して共通の吸引機構85に接続されていても良いし、個別のオンオフ弁84を介して個別の吸引機構85に接続されていても良い。
上述した形態において、パネル吸着部71に吸着された液晶パネル2がパネル載置部43に載置され、基板吸着部72に吸着されたFPC2aが基板載置部44に載置されるときに、2個の基板載置部44の少なくともいずれか一方が基板吸着部72の真下からずれた位置に配置されていても良い。また、上述した形態では、第2位置調整機構93は、手動式の調整機構であるが、第2位置調整機構93は、駆動源等を備える自動式の調整機構であっても良い。また、上述した形態において、パネルステージ39は、固定されていても良い。
上述した形態において、2個の基板載置部44のうちのいずれか一方の基板載置部44のみがパネル載置部43に対して位置調整可能となっていても良いし、2個の基板載置部44がパネル載置部43に対して位置調整可能となっていなくても良い。また、上述した形態において、パネルステージ39が備える基板載置部44の数は、1個であっても良いし、3個以上であっても良い。パネルステージ39が備える基板載置部44の数が1個であって、かつ、基板載置部44がパネル載置部43に対して位置調整可能となっていない場合には、たとえば、基板載置部44は、1枚の平板状に形成されている。なお、パネルステージ39は、基板載置部44を備えていなくても良い。
上述した形態において、FPC2a以外の配線が液晶パネル2から引き出されていても良い。たとえば、FFC(Flexible Flat Cable)が液晶パネル2から引き出されていても良い。この場合には、パネル把持部24は、基板吸着部72に代えて、FFCを把持する配線吸着部を備えている。また、上述した形態において、ロボット9に搬送される表示パネルは、液晶パネル2以外の表示パネルであっても良い。たとえば、ロボット9に搬送される表示パネルは、有機ELパネルであっても良い。
上述した形態において、ロボット36のパネル把持部55がパネル把持部24と同様に構成されていても良い。すなわち、パネル把持部55は、液晶パネル2を吸着するパネル吸着部とFPC2aを吸着する基板吸着部とを備えていても良い。この場合には、パネル載置部43に載置された液晶パネル2がパネル把持部55のパネル吸着部に吸着され、基板載置部44に載置されたFPC2aがパネル把持部55の基板吸着部に吸着されるときに、2個の基板載置部44のそれぞれは、パネル把持部55の2個の基板吸着部のそれぞれの真下に配置されている。
この場合には、基板載置部44に載置されたFPC2aをパネル把持部55の基板吸着部に吸着させる際にパネル把持部55の基板吸着部をFPC2aに確実に接触させた状態で、パネル把持部55の基板吸着部にFPC2aを吸着させることが可能になる。この場合のロボット36は、パネル搬送ロボットである。すなわち、本発明が適用されるパネル搬送ロボットは、2軸直交ロボットであっても良い。また、この場合には、ロボット36とパネルステージ39とによってパネル搬送システムが構成されている。なお、本発明が適用されるパネル搬送ロボットは、3軸直交ロボットであっても良いし、水平多関節ロボットであっても良い。
同様に、上述した形態において、ロボット33のパネル把持部58がパネル把持部24と同様に構成されていても良い。この場合のロボット33は、パネル搬送ロボットである。また、パネルステージ52がパネルステージ39と同様に構成されていても良い。すなわち、パネルステージ52は、液晶パネル2が載置されるパネル載置部と、FPC2aが載置される基板載置部とを備えていても良い。パネル把持部58がパネル把持部24と同様に構成され、パネルステージ52がパネルステージ39と同様に構成されている場合には、ロボット33とパネルステージ52とによってパネル搬送システムが構成されている。また、パネル把持部55がパネル把持部24と同様に構成され、かつ、パネルステージ52がパネルステージ39と同様に構成されている場合には、ロボット36とパネルステージ52とによってパネル搬送システムが構成されている。