JP6958791B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、詳しくは、少なくともバンプ面が保護膜で保護された半導体チップを用いた半導体装置の製造方法に関する。
従来、フェースダウン方式と呼ばれる実装法を用いた半導体装置の製造が行われている。フェースダウン方式においては、半導体チップの表面に、バンプと呼ばれる電極部が形成されるとともに、そのチップ表面が基板等に対向させられるようにして、半導体チップが基板上に搭載される。
フェースダウン方式において使用される半導体ウエハや半導体チップは、様々な目的のために、バンプが設けられたウエハ表面に、各種の機能を持たせた樹脂層が設けられることがある。また、半導体ウエハは、裏面研削される際、ウエハの表面保護のためにバックグラインドシートが貼付されることが一般的である。そのため、従来、バックグラインドシートと各種の樹脂層を積層一体化した積層シートが使用されることがある。
特許文献1には、そのような積層シートとして、回路面に接する熱硬化性樹脂層と、この層の上に直接積層され、柔軟性のある熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂層の上にさらに積層され、樹脂フィルム等で構成される最外層とを備えたものが開示される。この積層シートは、裏面研削時に半導体ウエハ表面に貼付されて半導体ウエハを保護する。また、裏面研削後には、熱可塑性樹脂層と最外層が、熱硬化性樹脂層から剥離される一方で、半導体ウエハ上に残された熱硬化性樹脂層は、半導体チップが基板に搭載された後に硬化されて封止樹脂として使用される。
特開2005−28734号公報
ところで、ウエハ表面に設けられたバンプは、半導体ウエハとバンプの接続部分であるバンプネックに応力が集中して、破損が起こりやすくなる。特許文献1では半導体チップのバンプ面に熱硬化性樹脂層が設けられるが、この樹脂層は、半導体チップと基板の間の隙間を封止しているにすぎず、そのような封止樹脂によってバンプネックの破損を回避できることが保障されているわけでない。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、バンプ付きの半導体ウエハにおいて、バンプネックにおける破損を防止できる半導体装置の製造方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の工程によって、バンプが設けられた半導体ウエハの表面(バンプ面)上に、熱硬化性樹脂層を積層しかつ熱硬化することで、バンプネックを保護膜内部に埋め込んで十分に保護できることを見出し、以下の本発明を完成させた。本発明は、以下の(1)〜(8)を提供する。
(1)(I)バンプが設けられた半導体ウエハの表面に、第1支持シートと熱硬化性樹脂層とがこの順で設けられた第1保護膜形成用フィルムを、前記熱硬化性樹脂層を貼り合わせ面にして貼り合わせる工程と、
(II)前記第1支持シートを、前記熱硬化性樹脂層から剥離する工程と、
(III)前記熱硬化性樹脂層を加熱して硬化させ、保護膜を形成する工程と、
(IV)前記半導体ウエハを熱硬化性樹脂層又は保護膜と共にダイシングする工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
(2)(A-1)第2保護膜形成層を半導体ウエハの裏面に貼り合わせる工程と、
(A-2)前記第2保護膜形成層を加熱して、第2保護膜を形成する工程と
(A-3)前記半導体ウエハの裏面上の前記第2保護膜形成層、又は第2保護膜の上にさらに第2支持シートを貼り合せる工程と
をさらに備える上記(1)に記載の半導体装置の製造方法。
(3)(B-1)第2支持シートと、前記第2支持シート上に設けられた第2保護膜形成層とを備える第2保護膜形成用フィルムを、前記第2保護膜形成層を貼り合わせ面にして、前記半導体ウエハの裏面に貼り合わせる工程と、
(B-2)前記第2保護膜形成層を加熱して、第2保護膜を形成する工程と
をさらに備える上記(1)に記載の半導体装置の製造方法。
(4)前記熱硬化性樹脂層、及び前記第2保護膜形成層を同時に加熱して、これらを熱硬化させる上記(2)又は(3)に記載の半導体装置の製造方法。
(5)前記ダイシングにより個片化された半導体ウエハを、その表面側がチップ搭載用基板に対向するように、チップ搭載用基板の上に配置させ、かつリフローにより前記チップ搭載用基板に固定する上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(6)前記リフローの加熱により、少なくとも前記第2保護膜形成層を硬化させる上記(5)に記載の半導体装置の製造方法。
(7)前記第1支持シートが、第1基材と、前記第1基材の一方の面に設けられた第1粘着剤層とを備え、前記第1粘着剤層の上に前記熱硬化性樹脂層が設けられており、
前記熱硬化性樹脂層の溶融粘度は、前記半導体ウエハに前記第1保護膜形成用フィルムを貼り合わせる際の温度において、1×10Pa・S以上2×10Pa・S未満であり、
前記第1粘着剤層のせん断弾性率は、前記半導体ウエハに前記第1保護膜形成用フィルムを貼り合わせる際の温度において、1×10Pa以上2×10Pa以下である上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(8)前記熱硬化性樹脂層は、バンプ高さの0.01〜0.99倍の厚みを有する上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
本発明では、半導体ウエハのバンプ面に形成した保護膜によって、バンプネックを埋め込むことで、バンプネックの損傷を防止する。
バンプが表面に形成された半導体ウエハを示す模式的な断面図である。 第1保護膜形成用フィルムを示す模式的な断面図である。 半導体ウエハに第1保護膜形成用フィルムを貼付した様子を示す模式的な断面図である。 熱硬化性樹脂層が表面に積層された半導体ウエハを加熱する工程を示す模式的な断面図である。 ダイシングが行われる際の半導体ウエハを示す模式的な断面図である。 個片化された半導体チップをチップ搭載用基板に載置したときの様子を示す模式的な断面図である。 表面に保護膜が形成され、裏面に第2保護膜形成層が積層された半導体ウエハを示す模式的な断面図である。 表面及び裏面それぞれに保護膜、及び第2保護膜が形成された半導体ウエハをダイシングする工程を示す模式図である。 表面及び裏面それぞれに熱硬化性樹脂層、及び第2保護膜形成層が設けられた半導体ウエハを加熱する工程を示す模式図である。 第2保護膜形成用フィルムを示す模式的な断面図である。 表面に保護膜が形成され、かつ裏面に第2保護膜形成用フィルムが貼り合わされた半導体ウエハを示す模式的な断面図である。 表面及び裏面それぞれに熱硬化性樹脂層、及び第2保護膜形成用フィルムが設けられた半導体ウエハを加熱する工程を示す模式図である。
以下、本発明について、実施形態を用いて具体的に説明する。
(第1の実施形態)
本製造方法において使用される半導体ウエハ10は、図1に示すように、表面10Aにバンプ11が設けられたバンプ付きウエハである。バンプ11は通常複数設けられる。半導体ウエハ10は、特に限定されないが、シリコンウエハでもよいし、セラミック、ガラス、サファイア系等のウエハであってもよい。半導体ウエハ10の厚みは、特に限定されないが、0.625〜0.825mmであることが好ましい。バンプ11の材料は、特に限定されず、各種金属材料が使用され、好ましくは半田が使用される。また、バンプ11の形状は、特に限定されず、図1に示すように丸型であってもよいが、その他いかなる形状でもよい。また、バンプ11の高さは、特に限定されないが、通常、5〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。
本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、少なくとも以下の工程を有する。
(I)バンプが設けられた半導体ウエハの表面に、第1支持シートと熱硬化性樹脂層とがこの順で設けられた第1保護膜形成用フィルムを、熱硬化性樹脂層を貼り合わせ面にして貼り合わせる工程、
(II)第1支持シートを、熱硬化性樹脂層から剥離する工程、
(III)熱硬化性樹脂層を加熱して硬化させ、保護膜を形成する工程、
(IV)半導体ウエハを保護膜と共にダイシングする工程
以下、本実施形態の製造方法について工程ごとに詳細に説明する。
[工程(I)]
工程(I)では、まず、図2に示すように、第1支持シート23と、第1支持シート23の上に設けられた熱硬化性樹脂層25とを備える第1保護膜形成用フィルム20を用意する。そして、第1保護膜形成用フィルム20を、図3に示すように、熱硬化性樹脂層25を貼り合わせ面にして、半導体ウエハ10の表面(バンプ面)10Aに貼り合わせる。
ここで、第1保護膜形成用フィルム20において、第1支持シート23は、図2、3に示すように、第1基材21と、第1基材21の一方の面に設けられた第1粘着剤層22とを備えるとともに、熱硬化性樹脂層25が第1粘着剤層22の上に貼付されるものでよいが、第1粘着剤層22が省略され、基材21の一方の面に熱硬化性樹脂層25が直接貼付されたものでもよい。また、第1基材21の一方の面が、表面処理され、又は第1支持シート23に粘着剤層以外の層が設けられ、その層又は表面処理面を介して熱硬化性樹脂層25に貼付されてもよい。さらに、第1粘着剤層22と第1基材21の間に中間層が設けられてもよい。
また、第1保護膜形成用フィルム20の熱硬化性樹脂層25の上に、さらに剥離材(図示せず)が貼付されてもよい。剥離材は、第1保護膜形成用フィルム20を使用するときまで熱硬化性樹脂層25を保護する。剥離材は、第1保護膜形成用フィルム20が、半導体ウエハ10に貼付される前に第1保護膜形成用フィルム20から剥がされて除去される。
第1粘着剤層22は、各種の粘着剤から形成されるが、エネルギー線を照射することで硬化して、被着体に対する接着力が低下するエネルギー線硬化型粘着剤により形成されていてもよい。
第1保護膜形成用フィルム20の半導体ウエハ10への貼り合わせは、貼り合わせ温度30〜150℃で行われることが好ましく、40〜100℃で行われることがより好ましい。
また、第1保護膜形成用フィルム20の貼付は、加圧しながら行うことが好ましく、例えば圧着ローラ等の押圧手段により押圧しながら行うことが好ましい。あるいは、真空ラミネータにより、第1保護膜形成用フィルム20を半導体ウエハ10に圧着してもよい。
半導体ウエハ10は、第1保護膜形成用フィルム20が貼付されると、図3に示すように、バンプ11が、熱硬化性樹脂層25を突き抜けて第1支持シート23側に突出する。このようにバンプ11を第1支持シート23側に突出させることで、後述するリフローにより、バンプ11をチップ搭載用基板上の電極等に接触させて固定することが容易になる。
ただし、バンプ11は、第1支持シート23側に突出せずに、熱硬化性樹脂層25の内部に埋め込まれたような状態になっていてもよい。このような状態であっても、工程(III)等において、熱硬化性樹脂層25を加熱により流動させてバンプ11を突出させればよい。
第1支持シート23が、第1基材21と、第1基材21の一方の面に設けられた第1粘着剤層22とを備え、第1粘着剤層22の上に熱硬化性樹脂層25が設けられる場合、熱硬化性樹脂層25の溶融粘度は、半導体ウエハ10に第1保護膜形成用フィルム20を貼り合わせる際の温度(貼り合わせ温度)において、1×10Pa・S以上2×10Pa・S未満であるとともに、第1粘着剤層22のせん断弾性率が、貼り合わせ温度において、1×10Pa以上2×10Pa以下であることが好ましい。また、熱硬化性樹脂層25の上記溶融粘度が1×103Pa・S以上1×10Pa・S未満、第1粘着剤層22の上記せん断弾性率が、1×104Pa以上5×105Pa以下であることがより好ましい。
貼り合わせ温度において、第1粘着剤層22のせん断弾性率と、熱硬化性樹脂層25の溶融粘度を上記範囲内とすることで、バンプ11の根元部分であるバンプネックを熱硬化性樹脂層25により埋め込みつつ、バンプ11の先端を熱硬化性樹脂層25から突出させやすくなる。
熱硬化性樹脂層25の溶融粘度は、例えば、後述する熱硬化性樹脂組成物における各材料の配合量や、各材料の種類を変更することで調整可能である。なお、第1粘着剤層22のせん断弾性率は、粘着剤の種類を変更することで調整可能である。さらに、第1粘着剤層22は、エネルギー線硬化型粘着剤で形成される場合には、第1支持シート23を半導体ウエハ10に貼付する前に、エネルギー線を照射して、部分的に又は完全に硬化させることで、せん断弾性率を調整することも可能である。
なお、熱硬化性樹脂層の溶融粘度は、レオメーター(HAAKE社製、RS−1)を用いて、パラレルプレート法により測定した値である。より詳細には、ギャップ100μm、回転コーン直径20mm、回転速度10s-1の条件にて、室温から250℃の範囲で測定を行った際の値である。
また、粘着剤層のせん断弾性率は、厚さ0.2mmの粘着剤層を形成し、せん断弾性率測定装置(レオメトリック社製、ARES)を用いて測定したものである。具体的には、温度を貼り合わせ温度と同じ温度とし、周波数1Hz、プレート径7.9mmφ、及び歪み1%の条件でせん断弾性率を測定したものである。また、貼り合わせ時に粘着剤層がエネルギー線により硬化されている場合には、同様の条件で粘着剤層を硬化させてせん断弾性率を測定する。
熱硬化性樹脂層25は、バンプ11の高さ(バンプ高さ)の0.01〜0.99倍の厚みを有することが好ましい。熱硬化性樹脂層25の厚みをバンプ高さの0.01倍以上とすることで、バンプネックを保護膜内部に埋め込み、バンプネックの破損を防止しやすくなる。また、0.99倍以下とすることで、バンプの先端を熱硬化性樹脂層25から突出させやすくなる。これら観点から、熱硬化性樹脂層25は、バンプ高さの0.1〜0.9倍の厚みを有することがより好ましい。
なお、熱硬化性樹脂層25の厚みは、特に限定されないが、通常、5〜500μm、好ましくは10〜100μmである。
[工程(II)]
工程(II)では、上記工程(I)の後に、半導体ウエハ10の表面に貼付されていた第1支持シート23を、熱硬化性樹脂層25から剥離する。この剥離後、熱硬化性樹脂層25は、図4に示すように、半導体ウエハ10の上に残されたままとなる。
第1粘着剤層22がエネルギー線硬化型粘着剤により形成される場合、工程(II)において第1支持シート23を半導体ウエハ10から剥離する前に、第1粘着剤層22にエネルギー線を照射して第1粘着剤層22を硬化させておく。第1粘着剤層22は、エネルギー線照射により硬化することで、接着力が低下するため、熱硬化性樹脂層25との界面で容易に剥離できるようになる。
第1粘着剤層22にエネルギー線を照射して硬化させるタイミングは特に限定されず、第1支持シート23を半導体ウエハ10に貼付する前に予め硬化させてもよい。また、半導体ウエハ10に貼付した後であってもよい。また、第1粘着剤層22は、例えば、第1支持シート23を半導体ウエハ10に貼付する前、完全に硬化しない程度にエネルギー線を照射して接着力を低下させるとともに、半導体ウエハ10に貼付した後、さらにエネルギー線を照射してさらに硬化させて、接着力を一層低下させてもよい。
[工程(III)]
工程(II)で第1支持シート23を剥がした後、半導体ウエハ10の表面に積層されていた熱硬化性樹脂層25を加熱する。この加熱は、図4に示すように、熱硬化性樹脂層25が積層された半導体ウエハ10を、例えば、加熱炉等内部に配置して加熱することで行うことが好ましい。熱硬化性樹脂層25は、熱硬化性樹脂を含有するため、上記加熱により熱硬化され、保護膜25A(図5参照)となる。
上記加熱条件は、熱硬化性樹脂層25に含有される熱硬化性樹脂が硬化されれば特に限定されず、例えば、80〜200℃で、30〜300分間、好ましくは100〜180℃で、60〜200分間行われる。
[工程(IV)]
次に、保護膜25Aがバンプ面に形成された半導体ウエハ10を、図5に示すように、ダイシングすることで分割して、複数の半導体チップ15に個片化する。この工程では、半導体ウエハ10とともに、保護膜25Aも、半導体チップ15の形状に合わせて分割される。
ダイシング方法としては、特に限定されないが、ブレードダイシング、ステルスダイシング、レーザダイシングなどの公知の方法を用いることができ、例えば、保護膜25A及び半導体ウエハ10を貫通するように、切り込み17を設けることで行うものである。
ダイシングは、例えば、図5に示すように、半導体ウエハ10の裏面10B側に第2支持シート33を貼付して半導体ウエハ10を支持するとともに、半導体ウエハ10の表面10A側から切り込み17を入れることで行う。
第2支持シート33は、図5の構成では、第2基材31と、第2基材31の一方の面の上に設けられる第2粘着剤層32とを備えるものであり、第2粘着剤層32を介して半導体ウエハ10に貼付される。ただし、第2支持シート33は、第2粘着剤層32が省略されてもよいし、第2基材31の半導体ウエハ10に接着される側の面が、表面処理がなされ、又は粘着剤層の代わりに粘着剤層以外の層が設けられ、その層又は表面処理面を介して半導体ウエハ10の裏面側に貼り合わせてもよい。また、第2粘着剤層32と第2基材31の間にさらに中間層(図示せず)が設けられてもよい。
第2支持シート33は、半導体ウエハ10より一回り大きく、かつ、その中央領域が半導体ウエハ10に貼付されるとともに、外周領域が半導体ウエハ10に貼付されず、支持部材13に貼付されることが好ましい。支持部材13は、ダイシング時等において、第2支持シート33を支持するための部材であり、例えば、リングフレームが挙げられる。
なお、第2支持シート33の支持部材13への貼付は、第2粘着剤層32を直接貼付する必要はなく、第2支持シート33の外周領域に再剥離接着剤層等を設けて、その再剥離接着剤層等により貼付してもよい。
第2粘着剤層32は、各種の粘着剤から形成されるが、エネルギー線硬化型粘着剤により形成されていてもよい。エネルギー線硬化型粘着剤により形成される場合には、後述するピックアップの前に、少なくとも、第2粘着剤層32の半導体ウエハ10の裏面側に貼り合わされる領域(中央領域)に、予めエネルギー線を照射して、第2粘着剤層32を硬化して半導体ウエハ10の裏面に対する接着力を低減させる。エネルギー線を照射するタイミングは、特に限定されないが、半導体ウエハ10に貼り合わせる前に行ってもよいし、ダイシング後、ピックアップの前に行ってもよい。
一方、外周領域はエネルギー線照射を行わなくてもよく、支持部材13への接着を目的として、接着力を高いまま維持しておいてもよい。
本実施形態では、ダイシングの後、半導体チップ15をピックアップして、リフローによりチップ搭載用基板等に取り付けた後、さらに、半導体チップ15とチップ搭載基板の間の隙間を封止樹脂により封止する等、必要な工程を経ることで、半導体装置を製造する。
ここで、ピックアップの方法は、特に限定されないが、例えば第2支持シート33を介してピンなどで半導体チップ15を裏面側から突き上げて、半導体チップ15を第2支持シート33から剥離して真空コレット等によりピックアップする方法がある。
ピックアップした半導体チップ15は、例えば、以下の方法で、チップ搭載用基板等に取り付ける。
すなわち、図6に示すように、半導体チップ15は、その表面(すなわち、バンプ面)がチップ搭載用基板40に対向するようにして、チップ搭載用基板40の所定位置に配置される。そして、リフローにより、バンプ11がチップ搭載用基板40に固定され、半導体チップ15とチップ搭載用基板40が電気的に導通させる。なお、リフローでは、例えば、基板40上に設けられた半田等の導電材(図示せず)を溶融させ、その導電材により、バンプ11をチップ搭載用基板40の電極等に融着される。
リフローは、例えば、チップ搭載用基板40と、その基板40上に配置された半導体チップ15とを、加熱炉の内部に配置して加熱することで行う。リフローにおける加熱は、例えば、120〜300℃の雰囲気下で0.5〜5分、好ましくは160〜260℃の雰囲気下で1〜2分行うものである。
本実施形態の製造方法において、半導体ウエハ10は、裏面研削が行われることが好ましい。裏面研削は、第1支持シート23を、半導体ウエハ10の表面10A側に、貼付した状態で行う。すなわち、半導体ウエハの裏面研削は、工程(I)と工程(II)の間に行う。これにより、第1支持シート23は、熱硬化性樹脂層25を支持するためのシートのみならず、裏面研削時にバンプ面を保護するバックグラインドシートとしても使用される。
半導体ウエハの裏面研削は、例えば、第1支持シート23が貼付された、半導体ウエハ10の表面側をチャックテーブル等の固定テープル上に固定し、裏面10Bをグラインダー等により研削することで行う。ウエハ10の研削後の厚みは特に限定はされないが、通常5〜450μm、好ましくは20〜400μm程度である。
次に、本製造方法で使用される各部材の材料について詳細に説明する。
(熱硬化性樹脂層)
熱硬化性樹脂層25は、少なくとも熱硬化性樹脂を含むとともに、ウエハ10に対して接着可能であり、後述する加熱硬化工程において加熱されることで、保護膜25Aとなるものである。
熱硬化性樹脂層25に使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。熱硬化性樹脂としては、特に、半導体素子を腐食させるイオン性不純物等含有が少ないエポキシ樹脂が好適である。また、熱硬化性樹脂として、硬化剤を含有させることも可能であり、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤としてとしてはフェノール樹脂を好適に用いることができる。
なお、熱硬化性樹脂層25において、熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂層(すなわち、熱硬化性樹脂組成物)全量に対して、好ましくは、5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
また、熱硬化性樹脂層25は、熱硬化性樹脂以外にも熱可塑性樹脂及び充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物から構成されることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー、フェノキシ樹脂等を用いることができるが、これらの中では、アクリル系樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂層における熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂層(すなわち、熱硬化性樹脂組成物)全量に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%である。
また、充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等から選択される無機フィラーが挙げられ、これらの中では、シリカフィラー又はアルミナフィラーが好ましい。
熱硬化性樹脂層における充填材は、熱硬化性樹脂層(すなわち、熱硬化性樹脂組成物)全量に対して、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは10〜60質量%である。
また、熱硬化性樹脂組成物は、それぞれ上記の成分以外にも、硬化促進剤、カップリング剤、顔料、染料などの着色剤等のその他の添加剤を含有していてもよい。
硬化促進剤としては特に制限されず、例えば、アミン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホウ素系硬化促進剤、リン−ホウ素系硬化促進剤などから選択される少なくとも1種を用いることができる。また、カップリング剤としては、シランカップリング剤を使用することが可能である。
(第1及び第2基材)
第1基材21は、特に制限されないが、樹脂フィルムを使用することが好ましい。また、第2基材31も、特に制限されないが、樹脂フィルムを使用することが好ましい。樹脂フィルムは、1種の樹脂フィルムからなる単層フィルムであってもよいし、複数の樹脂フィルムが積層した複層フィルムであってもよい。
具体的な樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合体フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリウレタン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリアセタール系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリスチレン系フィルム、フッ素樹脂フィルム、変性ポリフェニレンオキシド系フィルム、ポリフェニレンスルフィド系フィルム、ポリスルホン系フィルムなどが挙げられる。またこれらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムのような変性フィルムも用いられる。
第1及び第2基材21、31は、互いに同種のものが使用されてもよいし、異なる種類のものが使用されてもよい。また、第1及び第2基材21、31は、それぞれ第1及び第2粘着材層22、23を構成する粘着剤がエネルギー線型硬化性粘着剤である場合には、エネルギー線を透過するものであることが好ましい。
第1及び第2基材21、31の厚さはそれぞれ、例えば10〜1000μm、好ましくは50〜200μmである。
(第1及び第2粘着剤層)
第1及び第2粘着剤層22、32それぞれを形成する粘着剤は、特に限定されないが、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤等が挙げられるが、これらの中では、アクリル系粘着剤が好ましい。例えば、第1粘着剤層22にアクリル系粘着剤を使用すると、粘着剤層のせん断弾性率を上記した範囲としやすくなる。
粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、ゴム成分、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニルアルキルエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン−ジエンブロック共重合体等の粘着性成分(主ポリマー)に加え、必要に応じて架橋剤、粘着剤付与剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、光重合開始剤、難燃剤等の成分を含有する粘着剤組成物からなるものである。なお、粘着性成分とは、ポリマー自体は実質的に粘着性を有していないが、可塑化成分の添加等により粘着性を発現するポリマー等も広く含む概念である。
第1及び第2粘着剤層22、32は、上記したように、エネルギー線型硬化性粘着剤から形成されてもよいし、エネルギー線を照射しても粘着剤が硬化しない非エネルギー線硬化型粘着剤から形成されてもよい。なお、エネルギー線とは、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものであり、紫外線などの活性光または電子線などを指すが、本製造方法では、紫外線を使用することが好ましい。なお、これら第1及び第2粘着剤層22、32は、いずれか一方のみがエネルギー線型硬化性粘着剤から形成されてもよいし、両方がエネルギー線型硬化性粘着剤から形成されてもよい。
エネルギー線硬化型粘着剤は、具体的には、光重合性不飽和基を有する成分が含有されるエネルギー線硬化型粘着剤からなるものである。エネルギー線硬化型粘着剤としては、特に限定されないが、粘着剤の主ポリマー(例えば、アクリル系重合体)自体に(例えば、主ポリマーの側鎖に)二重結合等の光重合性不飽和基が導入されたものが挙げられる。
また、エネルギー線硬化型粘着剤としては、主ポリマー(例えば、アクリル系重合体)とは別に、光重合性不飽和基を有するエネルギー線重合性化合物が配合されるものであってもよい。この場合、主ポリマーは、光重合性不飽和基が導入されたものであってもよいし、導入されていなくてもよい。
第1粘着剤層22の厚さは、バンプ高さに応じて適宜調整されるが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜100μmである。また、第2粘着剤層32の厚さは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜100μmである。なお、第1及び第2粘着剤層22、32は、同じ材料から形成されてもよいが、互いに異なる材料から形成されてもよい。
(中間層)
第1及び第2支持シート23、33において使用される中間層は、ウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性材料を硬化してなるものであることが好ましい。硬化性材料が、ウレタン(メタ)アクリレートを含むことで、第1及び第2支持シート23、33に作用される応力を緩和することが可能である。そのため、各工程において、第1及び第2支持シート23、33で生じる振動等を吸収することが可能である。
上記硬化性材料は、ウレタン(メタ)アクリレート以外に、アクリル系モノマー等のモノマー成分を含有していてもよい。アクリル系モノマーとしては、好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの脂環式化合物が好ましい。なお、上記硬化性材料は、エネルギー線で硬化させられることが好ましい。なお、硬化性材料は、エネルギー線で硬化される場合、光重合開始剤を含有することが好ましい。
第1及び第2支持シート23、33がいずれも中間層を有する場合、これらに使用される材料は同じであってもよいが、異なっていてもよい。中間層の厚みは、例えば5〜1000μm、好ましくは10〜500μmである。
上記で説明した第1の実施形態の製造方法によれば、熱硬化性樹脂層25が、バンプネックを覆うように、半導体ウエハ10の表面10A上に積層され、その積層された状態で硬化され保護膜25Aとなる。したがって、バンプネックを保護膜25Aにより適切に保護することが可能になる。
さらに、第1支持シート23は加熱されると、第1支持シート23の熱硬化性樹脂層25に対する接着力が重くなり、第1支持シート23を熱硬化性樹脂層25(保護膜25A)から剥離できなくなる剥離不良が生じることがある。本実施形態では、熱硬化(工程(III))の前に、支持シート23を熱硬化性樹脂層25から剥離することで(工程(II))、そのような剥離不良が防止される。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態の説明では、第1の実施形態と同じ工程及び部材の説明は省略する。
第1の実施形態では、工程(III)の後にダイシング(工程(IV))が行われるが、第2の実施形態では、ダイシング(工程(IV))の後に工程(III)が行われる。すなわち、第2の実施形態では、工程(I)、(II)、(IV)、及び(III)の順に実施する。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。
本実施形態では、まず、第1の実施形態と同様に、工程(I),(II)において、第1保護膜形成用フィルム20を半導体ウエハ10の表面10Aに貼り合わせ、その後、第1支持シート23を、熱硬化性樹脂層25から剥離する。
次いで、半導体ウエハ10を、ダイシング(工程(IV))により、半導体チップ15に個片化し、その後、熱硬化性樹脂層25を加熱して硬化する(工程(III))。したがって、本実施形態の工程(IV)では、半導体ウエハ10を、熱硬化前の熱硬化性樹脂層25とともにダイシングして個片化することになる。
熱硬化性樹脂層25の硬化のための加熱条件は、第1の実施形態と同様でよいが、熱硬化性樹脂層25の硬化は、ピックアップした後で行うことが好ましく、特に、リフロー時の加熱により硬化することが好ましい。
ピックアップ後に熱硬化性樹脂層25の硬化を行うと、加熱時には半導体チップ15(半導体ウエハ10)が、既に第1及び第2支持シート23、33(特に、第2支持シート33)から剥離されていることになる。したがって、工程(IV)の加熱により支持シート23、33の接着力が重くなって剥離不良が生じたりすることもない。さらに、リフロー時の加熱により熱硬化性樹脂層25を硬化すると、熱硬化性樹脂層25を硬化するための加熱工程を別途設ける必要がなくなるので工程が簡略化できる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について第1の実施形態との相違点を説明する。
第3の実施形態の製造工程は、上記第1の実施形態で説明した工程(I)〜(IV)に加えて、さらに工程(A-1)、(A-2)及び(A-3)を有する。
(A-1)第2保護膜形成層を半導体ウエハの裏面に貼り合わせる工程
(A-2)第2保護膜形成層を加熱して、第2保護膜を形成する工程
(A-3)半導体ウエハの裏面上に形成された第2保護膜の上にさらに第2支持シートを貼り合せる工程
[工程(A-1)]
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、工程(I)、(II)、及び(III)を実施した後(すなわち、半導体ウエハ10の表面10Aに保護膜25Aを形成した後)、半導体ウエハの裏面10B(バンプ面とは反対側の面)に、図7に示すように、第2保護膜形成層35を貼り合わせる。第2保護膜形成層35は、少なくとも熱硬化性樹脂を含むものであり、後述するように、加熱されることで第2保護膜35A(図8参照)となるものである。
本工程では、第2保護膜形成層35からなるフィルム状のものを、半導体ウエハ10の裏面10Bに貼付すればよいが、例えば、支持基材(図示せず)の一方の面の上に設けられた第2保護膜形成層35を、半導体ウエハ10の裏面10Bに貼付してもよい。なお、支持基材は、第2保護膜形成層35を半導体ウエハ10の裏面に貼付した後、第2保護膜形成層35から剥離して除去される。なお、支持基材としては、第1及び第2基材21、31と同様の樹脂フィルムを使用可能である。
第2保護膜形成層35は、熱硬化性樹脂層25と同様に、熱硬化性樹脂以外にも熱可塑性樹脂及び充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物から構成されることが好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物は、さらに、硬化促進剤、カップリング剤、顔料、染料等の着色剤等のその他の添加剤を含有していてもよい。なお、第2保護膜形成層35に使用される各材料及び配合量等の詳細は、第1の実施形態で説明した熱硬化性樹脂層25と同様であるので、その説明は省略する。第2保護膜形成層35は、熱硬化性樹脂層25と同一の材料から形成されてもよいが、異なる材料から形成されてもよい。
また、第2保護膜形成層35の厚みは、例えば5〜500μm、好ましくは10〜100μmである。
[工程(A-2)]
工程(A-1)の後、第2保護膜形成層35を加熱して硬化して、第2保護膜35Aを形成する(工程(A-2))。第2保護膜形成層35の加熱は、例えば、表面10A側に保護膜25Aが形成され、かつ裏面10B側に第2保護膜形成層35が積層された半導体ウエハ10を、加熱炉等内部に配置して加熱することで行うことが好ましい。なお、本工程(A-2)における加熱条件は、工程(III)で説明した加熱条件と同様の条件であるので、その説明を省略する。
[工程(A-3)]
工程(A-2)の後、図8に示すように、半導体ウエハ10の裏面側、すなわち、第2保護膜35Aの上に、第2支持シート33を貼り合わせる。なお、第2支持シート33の構成は、第1の実施形態と同様である。すなわち、図8では、第2支持シート33が、第2粘着剤層32を介して第2保護膜35Aに貼付される態様を示すが、第2粘着剤層は省略されて第2基材31が直接第2保護膜35Aに接着されてもよいし、第2基材31に表面処理がなされ、又は粘着剤層以外の層が設けられ、その層又は表面処理面を介して第2保護膜35Aに貼付されてもよい。また、第2粘着剤層32と第2基材31の間にさらに中間層が設けられてもよい。
[工程(IV)]
次に、保護膜25A及び第2保護膜35Aが形成された半導体ウエハ10を、図8に示すように、ダイシングして、複数の半導体チップ15に個片化する。本実施形態の工程(IV)では、半導体ウエハ10とともに、保護膜25A及び第2保護膜35Aもダイシングされ、半導体チップ15の形状に合わせて分割される。ダイシング工程の詳細は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
ダイシング工程の後、第1の実施形態と同様に、半導体チップ15を、ピックアップして、リフローによりチップ搭載用基板等に取り付けた後、例えば半導体チップ15とチップ搭載基板40の間の隙間を封止樹脂により封止する等、必要な工程を経ることで、半導体装置を製造する。
以上の第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、バンプネックを保護膜25Aにより適切に保護する。また、第2保護膜35Aにより、半導体チップ15の裏面も保護することが可能になる。
なお、以上の第3の実施形態では、ウエハの裏面上に形成された第2保護膜35A又は第2保護膜形成層35に対してレーザー印字を行ってもよい。レーザー印字を行うことで、半導体チップ15の裏面側に各種マーク、文字等を表示すること可能である。本実施形態では、工程(A-2)と工程(A-3)の間に、硬化された第2保護膜35Aは露出されることになる。したがって、工程(A-2)と工程(A-3)の間に露出した第2保護膜35Aに対してレーザー印字を行うことが好ましい。硬化された第2保護膜35Aに印字を行うことで、硬化前の第2保護膜形成層35に印字する場合に比べて、印字性が良好となる。また、半導体ウエハ10が個片化される前に印字されるので、複数の半導体チップに対して一括印字が可能になる。さらに、露出した第2保護膜35Aに対してレーザー印字を行うことで、効率的な印字が可能になる。ただし、露出しない(すなわち、第2支持シート33によって覆われた)第2保護膜35A、又は第2保護膜形成層35に、第2支持シート33を介してレーザーを照射することで、レーザー印字を行ってもよい。
上記第3の実施形態では、工程(A-1)、(A-2)及び(A-3)をこの順に行う態様を示したが、代わりに、工程(A-1)、(A-3)及び(A-2)の順に行ってもよい。
具体的には、まず、上記と同様に、工程(I)、(II)、及び(III)を実施して表面10Aに保護膜25Aを形成し、その後、第2保護膜形成層35を半導体ウエハ10の裏面10Bに貼り合わせる(工程(A-1))。次いで、裏面10B上に積層された、硬化前の第2保護膜形成層35の上に、さらに第2支持シート33を貼り合せる(工程(A-3))。
そして、第2保護膜形成層35を加熱により硬化して、第2保護膜35Aを形成し(工程(A-2))、その後、第2支持シート33に支持された半導体ウエハ10をダイシングにより個片化して(工程(IV))、半導体装置を製造する。
なお、(A-1)、(A-3)及び(A-2)の順で行う場合、第2保護膜35Aは、硬化により形成された後、ダイシングが終了するまで第2支持シート33に覆われ露出することがない。そのため、硬化された第2保護膜35Aに対して行うレーザー印字は、通常、第2支持シート33を介してレーザーを照射して行うことになる。
さらに、(A-1)、(A-3)及び(A-2)の順で行うと、第2支持シート33は、工程(A-2)において、第2保護膜形成層35に貼付された状態で、加熱が行われることになる。そのため、第2支持シート33は、耐熱性を有することが好ましい。すなわち、第2支持シート33の第2基材31としては、工程(A-2)の加熱により、溶融したり、著しく収縮したりしない基材であることが好ましい。
また、耐熱性を有する第2支持シート33は、工程(A-2)の加熱により、被着体に対する接着性が高くならないものである。具体的には、耐熱性を有する第2支持シート33は、工程(A-2)の加熱後の接着力が10N/25mm未満となるものが好ましい。また、この接着力は、0.3〜9.8N/25mmがより好ましく、0.5〜9.5N/25mmがさらに好ましい。
第2支持シート33は、このように加熱後の接着力が比較的低いことで、第2支持シート33から半導体チップ15をピックアップする際に、半導体チップ15がピックアップできない剥離不良が生じにくくなる。
なお、上記加熱後の接着力とは、粘着剤層がエネルギー線硬化型粘着剤で形成される場合には、実施される製造方法と同様のタイミングで、粘着剤にエネルギー線を照射して硬化し、かつ粘着剤層を加熱したときの接着力を意味する。すなわち、実施される製造方法で工程(A-2)の加熱後に、エネルギー線を照射する場合には、加熱後に粘着剤層にエネルギー線を照射して接着力を測定したときの値である。一方で、実施される製造方法で工程(A-2)の加熱前に、エネルギー線を照射する場合には、加熱前に粘着剤層にエネルギー線を照射して接着力を測定したときの値である。
なお、接着力は、幅25mm、長さ150mmの第2支持シートを貼付した被着体を工程(A-2)の加熱と同様の条件で加熱した後、測定したものである。具体的な接着力の測定は、温度23℃、湿度50%RHの条件下、剥離角度180°、剥離速度300mm/分で第2支持シートを被着体から剥離することで行う。
ここで、被着体としては、SUS304に貼着した第2保護膜形成層を使用する。第2保護膜形成層は、上記した工程(A-2)と同様の条件の加熱により硬化し、第2支持シートを剥離するときには第2保護膜となる。
耐熱性を有する第2支持シート33としては、第2基材31と、第2粘着剤層32を備えるものであって、かつ、第2粘着剤層32が、例えば、エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤や、水分散系アクリル系粘着剤等から形成されることが好ましい。これら粘着剤を使用することで、加熱後でも接着力が向上しにくい第2支持シート31を提供できる。
さらに、(A-1)、(A-3)及び(A-2)の順で工程を行う場合には、第2保護膜形成層35の加熱硬化(工程(A-2))は、ダイシングの前に行う必要はなく、ダイシングの後に行ってもよい。
具体的には、工程(I),(II),(III)、(A-1)、(A-3)をこの順で行い、その後、工程(A-2)を行わずに、ダイシング(工程(IV))を行う。したがって、この場合、ダイシングは、表面10Aに硬化された保護膜25Aが形成され、裏面10Bに硬化前の第2保護膜形成層35が積層された、半導体ウエハ10に対して行うことになる。そして、ダイシング後に、第2保護膜形成層35を加熱して硬化して、第2保護膜35Aを形成する(工程(A-2))。
この場合、第2保護膜形成層35の加熱硬化は、ピックアップした後で行うことが好ましく、特に、リフロー時の加熱により行うことが好ましい。
ピックアップ後に第2保護膜形成層35の硬化を行うと、加熱時には半導体チップ15(半導体ウエハ10)が、既に第2支持シート33から剥離されていることになる。したがって、第2支持シート33は、上記のように耐熱性を有していなくても、工程(A-2)の加熱により第2支持シート33の接着力が重くなって剥離不良が生じたりすることもない。さらに、リフロー時の加熱により第2保護膜形成層35を硬化すると、第2保護膜形成層35を硬化するための工程を別途設ける必要がなくなるので工程が簡略化できる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について、第3の実施形態との相違点を説明する。
上記第3の実施形態では、熱硬化性樹脂層25と第2保護膜形成層35とを加熱して硬化するタイミングは、別々であったが、本実施形態では、これらを同時に加熱して硬化する。すなわち、上記第3の実施形態では、工程(III)と工程(A-2)は別々のタイミングで行っていたのに対して、本実施形態では、工程(III)と工程(A-2)は同じタイミングで一括して行うことになる。
具体的には、本実施形態では、工程(I)、(II)を実施した後(すなわち、第1保護膜形成用フィルム20を半導体ウエハ10に貼付し、次いで、第1支持シート23を熱硬化性樹脂層25から剥離した後)、工程(III)を行わずに工程(A-1)を行い、第2保護膜形成層35を半導体ウエハ10の裏面10Bに貼り合わせる。
その後、図9に示すように、硬化前の熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35が両面に積層された、半導体ウエハ10を加熱することで、熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35を硬化して、保護膜25A及び第2保護膜35Aを形成する(工程(III)と工程(A-2))。なお、加熱は、例えば、両面に層25、35が積層された半導体ウエハ10を加熱炉内部に配置して行う。加熱方法及び加熱条件は、上記第1の実施形態で説明した工程(III)と同様であるので、その説明は省略する。
その後、第3の実施形態と同様に、工程(A-3)にて、第2保護膜35Aの上に、第2支持シート33を貼り合わせ、引き続き、工程(IV)にてダイシングを行う。本実施形態の工程(IV)では、硬化後の保護膜25A及び第2保護膜35Aを両面に形成した半導体ウエハ10をダイシングすることになる。ダイシング後、本実施形態でも、上記各実施形態と同様に、半導体装置が製造される。
以上の第4の実施形態でも、上記第3の実施形態と同様に、バンプネックを保護膜25Aにより適切に保護するとともに、第2保護膜35Aにより、半導体チップ15の裏面も保護することが可能になる。また、本実施形態では、熱硬化性樹脂層25と第2保護膜形成層35を同時に加熱して硬化するため、工程を簡略化することが可能である。
さらに、熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35は、加熱されることで熱収縮するが、その熱収縮による力により、半導体ウエハ10に反りが生じることがある。しかし、本実施形態では、これら熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35は、一括して加熱硬化されることで、硬化時に発生する熱収縮による力は相殺される。そのため、本実施形態では、表面保護膜用樹脂層25や第2保護膜用形成層35を熱硬化する際に発生するウエハの反りを低減できる。
<第5の実施形態>
さらに、工程(III)と工程(A-2)を同じタイミングで一括して行う場合、工程(III)と工程(A-2)を実施するタイミングは、上記第4の実施形態のように、ダイシング(工程(IV))の前でなくてもよく、ダイシング(工程(IV))の後でもよい。以下、その態様を第5の実施形態を用いて説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、工程(I)、(II)を実施した後(すなわち、第1保護膜形成用フィルム20を半導体ウエハに貼付した後、第1支持シート23を熱硬化性樹脂層25から剥離した後)、工程(III)を行わずに工程(A-1)を行い、第2保護膜形成層35を半導体ウエハ10の裏面10Bに貼り合わせる。そして、その後、第4の実施形態と同様に、半導体ウエハ10の裏面側(すなわち、第2保護膜形成層35の上)に、第2支持シート33を貼り合わせ(工程(A-3))、次いで、ダイシング(工程(IV))を行う。本実施形態の工程(IV)では、硬化前の熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35を両面に積層した半導体ウエハ10をダイシングすることになる。
ダイシング(工程(IV))後、本実施形態では、半導体チップ15(個片化した半導体ウエハ)の両面に積層した熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35を同時に加熱して、これらを硬化して、保護膜25A、及び第2保護膜35Aを形成する(工程(III)及び(A-2))。ここで、本実施形態の加熱硬化(工程(III)及び(A-2))は、第2の実施形態と同様に、ピックアップした後で行うことが好ましく、特に、リフロー時の加熱により硬化することが好ましい。
以上のように、本実施形態でも、バンプネック、及び半導体チップ15の裏面を適切に保護することが可能になる。また、第4の実施形態と同様に、熱硬化性樹脂層25と第2保護膜形成層35の硬化を同時に行うことで、工程を簡略化するとともに、半導体ウエハ(半導体チップ)に発生する反りを低減することも可能である。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について第1の実施形態との相違点を説明する。
第6の実施形態の製造工程は、上記第1の実施形態で説明した工程(I)〜(IV)に加えて、さらに以下の工程(B-1)及び(B-2)を備える。
(B-1)第2支持シートと、第2支持シート上に設けられた第2保護膜形成層とを備える第2保護膜形成用フィルムを、第2保護膜形成層を貼り合わせ面にして、半導体ウエハの裏面に貼り合わせる工程
(B-2)第2保護膜形成層を加熱して、第2保護膜を形成する工程
すなわち、上記第3〜第5の実施形態では、第2保護膜形成層と、第2支持シートが、半導体ウエハの裏面側に別々に貼付される態様を示したが、本実施形態では、これらは第2保護膜形成用フィルムとして一括して半導体ウエハの裏面側に貼付される。
[工程(B-1)]
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、工程(I)、(II)、及び(III)を実施した後(すなわち、半導体ウエハ10の上に保護膜25Aを形成した後)、半導体ウエハの裏面10B(バンプ面とは反対側の面)に、図11に示すように、第2保護膜形成用フィルム30を貼り合わせる。第2保護膜形成用フィルム30は、図10に示すように、第2支持シート33と、第2支持シート33上に設けられた第2保護膜形成層35とを備えるものであり、第2保護膜形成層35を半導体ウエハ10の裏面10Bに貼り合わせる。
ここで、第2支持シート33の具体例としては、図10、11に示すように、第2基材31と、第2基材31の一方の面上に形成された第2粘着剤層32とを備え、第2粘着剤層32の上に第2保護膜形成層35が形成されたものが挙げられるが、第1の実施形態で説明したように、他の構成を有するものであってもよい。また、第2支持シート33は、第1の実施形態で説明したように、外周領域がリングフレーム等の支持部材13に接着できるように、例えば、図10、11に示すように第2保護膜形成層35より一回り大きく形成される。
ただし、第2支持シート33は、第2保護膜形成層35と同じサイズでもよい。第2支持シート33が、第2保護膜形成層35と同じサイズである場合には、第2保護膜形成層35及び第2支持シート33はいずれも半導体ウエハ10よりも一回り大きく形成され、半導体ウエハ10に接着されない第2保護膜形成層35の外周領域の上に支持部材13に接着するための両面テープ等の接着部材が設けられればよい。
[工程(B-2)]
本実施形態では、工程(B-1)の後、第2保護膜形成層35を加熱して硬化して、第2保護膜35Aを形成する(工程(B-2))。第2保護膜形成層35の加熱は、例えば、表面10A側に保護膜25Aが形成され、かつ裏面10B側に第2保護膜形成層35が積層された半導体ウエハ10を、加熱炉等内部に配置して加熱することで行うことが好ましい。なお、本工程(B-2)における加熱条件は、第1の実施形態の工程(III)で説明した加熱条件と同様であるので、その説明を省略する。
次に、両面に保護膜25A及び第2保護膜35Aが形成された半導体ウエハ10をダイシングする(工程(IV))。ダイシング後、半導体チップ15をピックアップして、上記各実施形態と同様に半導体装置を製造する。
なお、本実施形態においては、第2保護膜形成層35を加熱して硬化する際、第2支持シート33が第2保護膜形成層35に貼付されている。したがって、工程(B-2)の加熱時に、第2支持シート33の接着力が重くなることを防止するために、第2支持シート33は耐熱性を有することが好ましい。耐熱性を有する第2支持シート33は、上記で説明したとおりであるので、その説明は省略する。
以上の第6の実施形態でも、バンプネックを保護膜25Aにより適切に保護するとともに、第2保護膜35Aにより半導体ウエハ10(半導体チップ15)の裏面を保護することが可能になる。さらに、本実施形態では、第2保護膜形成層35と、第2支持シート33は、第2保護膜形成用フィルム30として半導体ウエハ10の裏面に一括して貼付されるので、工程を簡略化することが可能である。
上記第6の実施形態では、工程(B-2)をダイシング(工程(IV))の前に行ったが、工程(B-2)は、ダイシングの前に行う必要はなく、ダイシングの後に行ってもよい。
具体的には、工程(I)、(II)、(III)、及び(B-1)をこの順に行った後、ダイシングを実施し(工程(IV))、その後工程(B-2)を実施する。したがって、ダイシングは、表面10Aに保護膜25Aが形成され、裏面10Bに第2保護膜形成用フィルム30(すなわち、第2保護膜形成層35と第2支持シート33)が積層された半導体ウエハ10に対して行うことになる。
そして、ダイシング後、工程(B-2)にて、第2保護膜形成層35を加熱して硬化することになるが、上記第2の実施形態で説明したとおり、その加熱硬化は、ピックアップした後で行うことが好ましく、特に、リフロー時の加熱により硬化することが好ましい。
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について第6の実施形態との相違点を説明する。
上記第6の実施形態では、熱硬化性樹脂層25と第2保護膜形成層35とを加熱して硬化するタイミングは、別々であったが、第7の実施形態では、これらを同時に加熱することで硬化させる。すなわち、上記第6の実施形態では、工程(III)と工程(B-2)は別のタイミングで行うが、本実施形態では、工程(III)と工程(B-2)は同じタイミングで一括して行う。
すなわち、本実施形態では、工程(I)、(II)を実施した後、工程(III)を行わず、工程(B-1)を行う。このようにして、本実施形態では、図12に示すように、半導体ウエハ10の表面10Aには、熱硬化性樹脂層25が積層され、裏面10Bには第2保護膜形成用フィルム30(すなわち、第2保護膜形成層35と第2支持シート33)が積層されることになる。
次に、硬化前の熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35が両面に積層された、半導体ウエハ10を加熱することで、熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35を硬化して、保護膜25A及び第2保護膜35Aを形成する(工程(III)及び工程(B-2))。この際、半導体ウエハ10は、第2保護膜35A上に貼付された第2支持シート33により支持されていることになる。
加熱硬化後、第2支持シート33に支持された半導体ウエハ10を、ダイシングにより、保護膜25Aと第2保護膜35Aとともに個片化して、両面に保護膜25Aと第2保護膜35Aが形成された半導体チップ15を得る(工程(IV))。その後、半導体チップ15をピックアップして、上記各実施形態と同様に半導体装置が製造される。
なお、本実施形態では、第2支持シート33が、第2保護膜形成層35上に貼付された状態で、第2保護膜形成層35の加熱硬化が行われるので、第2支持シート33は、耐熱性を有することが好ましい。耐熱性を有する第2支持シートの詳細は、上記で説明したとおりである。
以上の第7の実施形態でも、バンプネック及び半導体ウエハ10(半導体チップ15)の裏面10Bを適切に保護することが可能であるとともに、第2保護膜形成用フィルム30を使用することで工程を簡略化することが可能である。さらに、熱硬化性樹脂層25と第2保護膜形成層35を同時に加熱して硬化するため、工程を簡略化することが可能であるとともに、半導体ウエハ(半導体チップ)に生じる反りも防止することが可能である。
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について第7の実施形態との相違点を説明する。
上記第7の実施形態では、熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35の加熱硬化(工程(III)及び工程(B-2))をダイシング(工程(IV))の前に行ったが、これらは、ダイシングの前に行う必要はなく、ダイシングの後に行ってもよい。その態様を以下の第8の実施形態を用いて説明する。
本実施形態では、第7の実施形態と同様に、工程(I)、(II)、及び(B-1)をこの順に行った後、半導体ウエハ10をダイシングして、半導体チップ15に個片化する(工程(IV))。ここで、ダイシングは、表面10Aに熱硬化性樹脂層25、裏面10Bに第2保護膜形成層35が積層された半導体ウエハ10に対して行うことになる。この際、半導体ウエハ10は、第2保護膜形成層35に貼付された第2支持シート33により支持されている。
ダイシング後、各半導体チップ15上の熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35を一括加熱して硬化する工程(工程(III)及び(B-2))を行う。この場合、これら熱硬化性樹脂層25及び第2保護膜形成層35の加熱硬化は、上記説明したとおり、ピックアップした後で行うことが好ましく、特に、リフロー時の加熱により硬化することが好ましい。
以上の第8の実施形態でも、第7の実施形態と同様に、バンプネック及び半導体ウエハ10(半導体チップ15)の裏面10Bを適切に保護できるとともに、工程を簡略化でき、かつ半導体ウエハ(半導体チップ)に生じる反りも防止することが可能である。また、第2支持シートは、耐熱性を有する必要はない。
なお、以上の各実施形態では、第1支持シート23が剥離される工程(II)は、工程(I)の直後に行われる態様を示したが、工程(III)の前ならば、どの段階で行ってもよい。例えば、第4の実施形態では、工程(I),(II)、(A-1)をこの順に行い、その後、工程(III)及び(A-2)を一括して行う態様を示したが、工程(I)、(A-1)、及び(II)の順に行い、その後、工程(III)及び工程(A-2)を一括して行ってもよい。第5の実施形態でも同様である。
さらに、第7の実施形態では、工程(I),(II)、(B-1)をこの順に行い、その後、工程(III)及び工程(B-2)を一括して行ったが、工程(I),(B-1),(II)の順に行い、その後、工程(III)及び工程(B-2)を一括して行ってもよい。第8の実施形態も同様である。
また、上記第2〜第8の実施形態において、半導体ウエハの裏面研削については、特に言及しないが、半導体ウエハの裏面研削を行う場合には、第1の実施形態と同様に、工程(I)と工程(II)の間に実施すればよい。ただし、裏面研削は、第2保護膜形成層35が半導体ウエハ10の裏面10Bに貼付される場合には、第2保護膜形成層35の貼付前に行う。
また、第4〜第8の本実施形態でも、第2保護膜35A、又は第2保護膜用形成層35に対して、レーザー印字を行ってもよい。なお、第4の実施形態では、工程(III)及び工程(A-2)と、工程(A-3)との間に、硬化された第2保護膜35Aが露出されることになる。したがって、第4の実施形態では、工程(III)及び(A-2)と、工程(A-3)との間にその露出した第2保護膜35Aに対してレーザー印字を行うことが好ましい。
10 半導体ウエハ
11 バンプ
15 半導体チップ
20 第1保護膜形成用フィルム
21 第1基材
22 第1粘着剤層
23 第1支持シート
25 熱硬化性樹脂層
25A 保護膜
30 第2保護膜形成用フィルム
31 第2基材
32 第2粘着剤層
33 第2支持シート
35 第2保護膜形成層
35A 第2保護膜
40 チップ搭載用基板

Claims (6)

  1. バンプが設けられた半導体ウエハの表面に、第1支持シートと熱硬化性樹脂層とがこの順で設けられた第1保護膜形成用フィルムを、前記熱硬化性樹脂層を貼り合わせ面にして貼り合わせる工程と、
    (A-1)第2保護膜形成層を半導体ウエハの裏面に貼り合わせる工程と、
    (A-2)前記第2保護膜形成層を加熱して、第2保護膜を形成する工程と
    (A-3)前記半導体ウエハの裏面上の前記第2保護膜形成層、又は第2保護膜の上にさらに第2支持シートを貼り合せる工程と、
    前記第1支持シートを、前記熱硬化性樹脂層から剥離する工程と、
    前記半導体ウエハを熱硬化性樹脂層と共にダイシングする工程と、
    前記熱硬化性樹脂層をリフロー時の加熱により硬化させ、保護膜を形成する工程と、
    を備え、前記リフロー時の加熱が120〜300℃の雰囲気下で0.5〜5分で行われる半導体装置の製造方法。
  2. (B-1)第2支持シートと、前記第2支持シート上に設けられた第2保護膜形成層とを備える第2保護膜形成用フィルムを、前記第2保護膜形成層を貼り合わせ面にして、前記半導体ウエハの裏面に貼り合わせる工程と、
    (B-2)前記第2保護膜形成層を加熱して、第2保護膜を形成する工程と
    をさらに備える請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記ダイシングにより個片化された半導体ウエハを、その表面側がチップ搭載用基板に対向するように、チップ搭載用基板の上に配置させ、かつリフローにより前記チップ搭載用基板に固定する請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂層、及び前記第2保護膜形成層を同時にリフローにより加熱して、これらを熱硬化させる請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1支持シートが、第1基材と、前記第1基材の一方の面に設けられた第1粘着剤層とを備え、前記第1粘着剤層の上に前記熱硬化性樹脂層が設けられており、
    前記熱硬化性樹脂層の溶融粘度は、前記半導体ウエハに前記第1保護膜形成用フィルムを貼り合わせる際の温度において、1×10Pa・S以上2×10Pa・S未満であり、
    前記第1粘着剤層のせん断弾性率は、前記半導体ウエハに前記第1保護膜形成用フィルムを貼り合わせる際の温度において、1×10Pa以上2×10Pa以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記熱硬化性樹脂層は、バンプ高さの0.01〜0.99倍の厚みを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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