JP2010258239A - 絶縁接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】突起電極の損傷を抑制し、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができる絶縁接着シートを提供する。また、該絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法を提供する。
【解決手段】表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる、基材フィルムと接着剤層とからなる絶縁接着シートであって、前記基材フィルムは、熱可塑性樹脂からなり、前記接着剤層は、光硬化性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含有する光熱硬化性接着剤組成物からなる絶縁接着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、突起電極の損傷を抑制し、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができる絶縁接着シートに関する。また、本発明は、該絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法に関する。
近年、半導体装置の小型化、高集積化が進展し、フリップチップや複数の薄研削した半導体チップを積層したスタックドチップ等が生産されるようになった。同時に半導体チップの実装方法も種々の方法が提案されているが、現在では、半導体チップの接着には絶縁接着剤を用いてなされることが多い(特許文献1、2等)。
このような小型チップは、例えば、フリップチップ実装を用いた以下のような方法により製造される。
まず、金、銅、銀−錫ハンダ、アルミニウム、ニッケル等からなる複数の突起(バンプ)が電極として表面に形成されたウエハに、バックグラインドテープと呼ばれる粘着テープを貼付し、この状態でウエハを所定の厚さにまで研削する。研削終了後、バックグラインドテープを剥離する。次いで、ウエハをダイシングして個々の半導体チップとし、得られた半導体チップを、他の半導体チップや基板上にフリップチップ実装によりボンディングする。その後、アンダーフィル剤を充填して硬化する。しかしながら、このような工程は極めて煩雑であるという問題がある。
そこで、より簡便な方法として、バックグラインドテープを剥離する代わりに、バックグラインドテープの接着剤層をウエハ上に残したまま基材だけを剥離し、得られた半導体チップを、接着剤層を介して他の半導体チップや基板上にフリップチップ実装する方法が提案されている。
例えば、特許文献3には、基材と、基材上に形成された層間接着用接着剤層とからなる粘着シートの層間接着用接着剤層とウエハとを貼り合わせる工程1、ウエハを、粘着シートに固定した状態で研削する工程2、研削後のウエハから、層間接着用接着剤層を残して基材を剥離して、層間接着用接着剤層が付着したウエハを得る工程3を有する半導体の製造方法が開示されている。特許文献3の方法によれば、極めて簡便に、薄研削された層間接着剤付きのウエハを得ることができ、得られたウエハを用いて半導体装置が得られることが記載されている。
通常、特許文献3のような方法においては、バックグラインドテープとウエハとを貼り合わせると、ウエハ上の突起電極はバックグラインドテープの接着剤層中に埋もれた状態となる。そして、ウエハの研削時の押圧によって、接着剤層が平坦化されるとともに突起電極の表面から接着剤が押し除かれ、基材を剥離した後、突起電極の表面が接着剤層から充分に露出することができる。
しかしながら、一般に、ウエハ表面に形成された突起電極の高さにはばらつきがあり、高さが比較的大きい突起電極には研削時に不必要な圧力がかかり、突起電極が傷つきやすく、また、高さが比較的小さい突起電極の表面には接着剤が残存しやすい。そのため、得られる半導体装置が接続信頼性に劣ることが問題である。
特開2005−126658号公報 特開2003−231875号公報 特開2008−016624号公報
本発明は、突起電極の損傷を抑制し、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができる絶縁接着シートを提供することを目的とする。また、本発明は、該絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法を提供することを目的とする。
本発明は、表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる、基材フィルムと接着剤層とからなる絶縁接着シートであって、前記基材フィルムは、熱可塑性樹脂からなり、前記接着剤層は、光硬化性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含有する光熱硬化性接着剤組成物からなる絶縁接着シートである。
以下、本発明を詳述する。
従来、バックグラインドテープの基材には、ポリイミド(PI)等の硬い材料が用いられてきた。本発明者らは、硬い材料からなる基材は、ウエハの研削時に高さが比較的大きい突起電極を傷つけやすく、また、研削時の押圧によっても、硬い材料からなる基材は高さが比較的大きい突起電極の表面と接した状態でそれ以上圧縮又は押圧されないことから、高さが比較的小さい突起電極の表面には接着剤が残存しやすいことを見出した。
更に、本発明者らは、基材フィルムと接着剤層とからなる絶縁接着シートであって、該基材フィルムが熱可塑性樹脂からなり、かつ、該接着剤層が、光硬化性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含有する光熱硬化性接着剤組成物からなる絶縁接着シートを用いることにより、突起電極の損傷を抑制して、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の絶縁接着シートは、基材フィルムを有する。
上記基材フィルムは、熱可塑性樹脂からなる。
図1に、基材フィルムが硬い材料からなる絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせ、ウエハの研削を行った後の状態を模式的に示す。図1のように基材フィルムが硬い材料からなる場合には、研削時の押圧によっても、基材フィルムは高さが比較的大きい突起電極の表面と接した状態でそれ以上圧縮又は押圧されず、基材フィルムを剥離した後、高さが比較的小さい突起電極の表面には後述する接着剤層の接着剤が残存しやすい。これに対し、図2に、基材フィルムが柔軟性の高い熱可塑性樹脂からなる本発明の絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせ、ウエハの研削を行った後の状態を模式的に示す。本発明の絶縁接着シートを用いた場合、研削時の押圧によって、高さが比較的小さい突起電極に対しても、突起電極の表面と接する状態にまで基材フィルムが圧縮又は押圧され、高さが比較的小さい突起電極の表面からも後述する接着剤層の接着剤が押し除かれる。そのため、基材フィルムを剥離した後、高さが比較的小さい突起電極の表面に対しても、後述する接着剤層から突起電極の表面を充分に露出させることができ、高い接続信頼性を実現することができる。
また、本発明の絶縁接着シートは基材フィルムが柔軟性の高い熱可塑性樹脂からなることから、本発明の絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせ、ウエハの研削を行う際、高さが比較的大きい突起電極にも必要以上の圧力がかからず、突起電極の損傷を抑制することができる。従って、本発明の絶縁接着シートを用いた場合には、高い接続信頼性を実現することができる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビチルブチラール(PVB)、ポリビニルアセタール(PVA)、ポリウレタン(PU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びこれらの共重合体が挙げられる。
なかでも、PE、EVA、PVCが好ましい。
上記基材フィルムは、表面に離型処理が施されていないことが好ましい。
上記基材フィルムの表面に離型処理が施されていないことから、得られる絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせてウエハを研削した後、上記基材フィルムを剥離する際、突起電極の表面に後述する接着剤層の接着剤が残存することを抑制することができる。これは、突起電極の表面よりも、表面に離型処理が施されていない基材フィルム側に接着剤が付着しやすいためである。突起電極の表面に残存する接着剤量を減らすことにより、高い接続信頼性を実現することができる。
なお、本発明の絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせてウエハを研削した後、上記基材フィルムを剥離する際には、後述する接着剤層を半硬化させた後で上記基材フィルムを剥離することにより、表面に離型処理が施されていなくても上記基材フィルムを剥離することが可能である。
また、上記基材フィルムの表面に離型処理が施されていないことから、上記基材フィルムに含まれる離型剤が、後述する接着剤層に移行することがなく、得られる絶縁接着シートの接着性能を高めることができる。
上記基材フィルムの厚みは特に限定されないが、好ましい下限は12μm、好ましい上限は300μmである。上記基材フィルムの厚みが12μm未満であると、得られる絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせてウエハの研削を行う際、ウエハを保護したり、後述する接着剤層を平坦化したりする能力が不足することがある。上記基材フィルムの厚みが300μmを超えると、得られる絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせてウエハを研削した後、上記基材フィルムを剥離する際、ウエハに過剰の応力を発生させることがある。
上記基材フィルムの厚みのより好ましい下限は80μm、より好ましい上限は250μmである。
上記基材フィルムは、上記熱可塑性樹脂からなる上述する特性を有する基材フィルムであれば特に限定されず、例えば、上記熱可塑性樹脂からなる透明なフィルム、網目状構造を有するフィルム、孔が開けられたフィルム等を用いることができる。
本発明の絶縁接着シートは、接着剤層を有する。
上記接着剤層は、光硬化性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含有する光熱硬化性接着剤組成物からなる。
上記接着剤層が上記光熱硬化性接着剤組成物からなることにより、例えば、エネルギー線を照射することにより上記接着剤層を半硬化させた後、得られる半硬化した接着剤層は、なお充分な接着力を有することができる。従って、例えば、本発明の絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせてウエハを研削した後、上記接着剤層を半硬化させ、次いで、上記基材フィルムを剥離することによって半硬化した接着剤層が付着したウエハを製造し、得られたウエハを用いることにより、半導体チップを簡便に実装することができる。
上記光硬化性化合物は特に限定されず、例えば、ラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート等からなる分子量5万〜60万程度の重合体又は共重合体に、二重結合で反応するようにメタクリレート基をウレタン結合で結合させた樹脂等が挙げられる。なかでも、二重結合の量が約1meq/gであるアクリレート、メタクリレートの重合体又は共重合体が好ましい。これらのアクリル樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱硬化性化合物は特に限定されないが、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されないが、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
上記熱硬化性化合物が上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂を含有することにより、得られる接着剤層の硬化物は、剛直で分子の運動が阻害されるため優れた機械的強度や耐熱性を発現し、また、吸水性が低くなるため優れた耐湿性を発現することができる。
上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシ樹脂等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(以下、これらを「ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂」ともいう)、アクリルポリマー1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリジジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(以下、これらを「ナフタレン型エポキシ樹脂」ともいう)、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。なかでも、ジシクロペンタジエンジオキシドが好ましい。これらの多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、両者を併用してもよい。
上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は500、好ましい上限は2000である。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の重量平均分子量が500未満であると、得られる接着剤層の硬化物の機械的強度、耐熱性、耐湿性等が充分に向上しないことがある。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の重量平均分子量が2000を超えると、得られる接着剤層の硬化物が剛直になりすぎて、脆くなることがある。
また、上記エポキシ樹脂として、エポキシ基を有するアクリル樹脂を用いることできる。
上記エポキシ基を有するアクリル樹脂は特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレートとアルキルアクリレートとからなる共重合体等が挙げられる。なかでも、グリシジルアクリレートとアルキルアクリレートとからなり、エポキシ当量が約300g/eqである共重合体が好ましい。
上記エポキシを有するアクリル樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は1万、好ましい上限は100万である。上記エポキシを有するアクリル樹脂の重量平均分子量が1万未満であると、得られる光熱硬化性接着剤組成物をフィルム化するのが困難であったり、硬化物の接着力が不足したりすることがある。上記エポキシを有するアクリル樹脂の重量平均分子量が100万を超えると、得られる光熱硬化性接着剤組成物を用いて一定の厚みを有する膜を得ることが困難となることがある。
上記光硬化性化合物と上記熱硬化性化合物との配合比は特に限定されないが、上記熱硬化性化合物100重量部に対する上記光硬化性化合物の配合量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は40重量部である。上記光硬化性化合物の配合量が10重量部未満であると、例えば、得られる接着剤層にエネルギー線を照射しても、充分な形状保持効果が得られないことがある。上記光硬化性化合物の配合量が40重量部を超えると、得られる接着剤層の硬化物の耐熱性が不足することがある。
上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤が挙げられる。
上記250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤として、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の配合量は特に限定はされないが、上記光硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は5重量部である。上記光重合開始剤の配合量が0.05重量部であると、例えば、得られる接着剤層にエネルギー線を照射しても、半硬化させることができないことがある。上記光重合開始剤の配合量が5重量部を超えても特に接着剤層の光硬化性に寄与しない。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、上記熱硬化性化合物がエポキシ樹脂を含有する場合には、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂用硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、酸無水物系硬化剤が好ましい。上記熱硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いると、熱硬化速度が速いため、硬化物におけるボイドの発生を効果的に低減することができ、得られる絶縁接着シートを用いて、高い接着信頼性を実現することができる。
上記熱硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記熱硬化性化合物の官能基と等量反応する熱硬化剤を用いる場合には、上記熱硬化性化合物の官能基量に対する好ましい下限が90当量、好ましい上限が110当量である。上記熱硬化剤の配合量が90当量未満であると、例えば、得られる接着剤層にエネルギーを照射した後、半硬化した接着剤層を加熱しても、充分に硬化させることができないことがある。上記熱硬化剤の配合量が110当量を超えても特に接着剤層の熱硬化性に寄与しない。
また、触媒として機能する熱硬化剤を用いる場合には、上記熱硬化剤の配合量は、上記熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記熱硬化剤の配合量が1重量部未満であると、例えば、得られる接着剤層にエネルギーを照射した後、半硬化した接着剤層を加熱しても、充分に硬化させることができないことがある。上記熱硬化剤の配合量が20重量部を超えても特に接着剤層の熱硬化性に寄与しない。
上記光熱硬化性接着剤組成物は、更に、上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーを含有してもよい。
上記エポキシ基と反応する官能基を有する固形ポリマーは特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する樹脂が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子ポリマーが好ましい。
上記エポキシ基を有する高分子ポリマーを含有することにより、接着剤層の硬化物は、優れた可撓性を発現することができる。
従って、例えば、上記光熱硬化性接着剤組成物が、上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂と上記エポキシ基を有する高分子ポリマーとを含有する場合、得られる接着剤層の硬化物は、上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、優れた耐熱性及び優れた耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子ポリマーに由来する優れた可撓性とを有し、得られる絶縁接着シートを用いて、優れた耐冷熱サイクル性、耐ハンダリフロー性、寸法安定性及び接着信頼性等を実現することができる。
上記エポキシ基を有する高分子ポリマーは、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子ポリマーであれば特に限定されないが、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する高分子ポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、エポキシ基を多く含み、得られる接着剤層の硬化物の機械的強度や耐熱性をより高めることができることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。
上記光熱硬化性接着剤組成物は、接着剤層の硬化速度や硬化物の物性等を調整する目的で、更に硬化促進剤を含有してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記接着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は150μmである。上記接着剤層の厚みが5μm未満であると、得られる接着剤層は、硬化物の接着力が不足することがある。上記接着剤層の厚みが150μmを超えると、得られる絶縁接着シートを用いて実装される半導体チップの実装体が厚くなりすぎることがある。
本発明の絶縁接着シートを製造する方法は特に限定されず、例えば、適当な溶媒で希釈した上記光熱硬化性接着剤組成物を、上記基材フィルム上に塗工した後、乾燥させる方法等が挙げられる。
上記塗工する方法は特に限定されず、例えば、コンマコート、グラビアコート、キャスティング等を用いる方法が挙げられる。
本発明の絶縁接着シートは、フリップチップ又はTSV等の表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる。本発明の絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法によれば、突起電極の損傷を抑制することができ、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができる。
なかでも、本発明の絶縁接着シートの接着剤層と、表面に突起電極が形成されているウエハの突起電極形成面とを貼り合わせる工程1と、前記ウエハを、本発明の絶縁接着シートに固定した状態で研削する工程2と、前記研削後のウエハに貼り合わせられた本発明の絶縁接着シートにエネルギー線を照射して、前記接着剤層を半硬化させる工程3と、前記研削後のウエハに貼り合わせられた本発明の絶縁接着シートから、基材フィルムを剥離して、半硬化した接着剤層が付着したウエハを得る工程4と、前記半硬化した接着剤層が付着したウエハをダイシングして、半硬化した接着剤層が付着した半導体チップに個片化する工程5と、前記半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを、半硬化した接着剤層を介して基板又は他の半導体チップに接着して半導体チップを実装する工程6とを有する方法によって、半導体チップを実装することが好ましい。
このような半導体チップの実装方法もまた、本発明の1つである。
本発明の半導体チップの実装方法においては、まず、本発明の絶縁接着シートの接着剤層と、表面に突起電極が形成されているウエハの突起電極形成面とを貼り合わせる工程1を行う。
上記ウエハは特に限定されず、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなるウエハが挙げられる。更に、上記ウエハには、金、銅、銀−錫ハンダ、アルミニウム、ニッケル等からなる突起電極が形成されている。
上記貼り合わせは、常圧下で行ってもよいが、より密着性を向上するためには、1torr程度の真空下で行うことが好ましい。また、上記貼り合わせにはラミネーターを用いることが好ましい。
本発明の半導体チップの実装方法においては、次いで、上記ウエハを、本発明の絶縁接着シートに固定した状態で研削する工程2を行う。
上記工程2により、上記ウエハを所望の厚みに研削する。上記研削する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、市販の研削装置(例えば、Disco社製の「DFG8540」等)を用いて、2400rpmの回転で3〜0.2μm/sの研削量の条件にて研削を行い、最終的にはCMPで仕上げる方法等が挙げられる。
上記工程2を行う前、上記突起電極は上記接着剤層中に埋もれている。しかし、上記工程2の研削時の押圧によって、上記接着剤層が平坦化されるとともに上記突起電極の表面から接着剤が押し除かれ、上記突起電極の高さと上記接着剤層の厚みがほぼ等しくなる。これにより、上記基材フィルムの剥離後、上記突起電極の表面が上記接着剤層から露出しやすく、高い接続信頼性を実現することができる。
更に、本発明の絶縁接着シートの上記基材フィルムは熱可塑性樹脂からなり、柔軟性が高いことから、上記工程2の研削時の押圧によっても、高さが比較的大きい突起電極にも必要以上の圧力がかからず上記突起電極の損傷を抑制することができる。また、上記基材フィルムは、高さが比較的小さい突起電極の表面と接する状態にまで圧縮又は押圧され、高さが比較的小さい突起電極の表面からも接着剤が除かれることから、上記基材フィルムを剥離した後、上記突起電極の表面を上記接着剤層から充分に露出させることができる。従って、本発明の絶縁接着シートを用いて、高い接続信頼性を実現することができる。
本発明の半導体チップの実装方法においては、次いで、上記研削後のウエハに貼り合わせられた本発明の絶縁接着シートにエネルギー線を照射して、上記接着剤層を半硬化させる工程3を行う。
上記工程3において、エネルギー線を照射して上記接着剤層を半硬化させることにより、上記接着剤層の粘着力が低下し、後の工程における上記基材フィルムの剥離が容易になる。また、上記工程3において、上記接着剤層は完全な硬化ではなく「半硬化」することから、上記接着剤層は、後の工程における基板又は他の半導体チップとの接着時には、なお充分な接着力を発揮することができる。
本明細書において半硬化とは、ゲル分率が10〜60重量%であることを意味する。ゲル分率が10重量%未満である接着剤層は、流動性が高くなり、形状保持力が不足したり、ダイシング時に綺麗に切断することが困難となったりすることがある。ゲル分率が60重量%を超える接着剤層は、接着力が不充分となり、このような接着剤層が付着した半導体チップは、ボンディングすることが困難となることがある。
なお、上記ゲル分率は、例えば、酢酸メチルやメチルエチルケトン等の、接着剤組成物を充分に溶解できる溶解度を有する溶剤に半硬化した接着剤層を浸透させ、充分な時間撹拌し、メッシュにろ過した後、乾燥して得られる未溶解物の量から算出することができる。
上記半硬化した状態は、上記光硬化性化合物の種類や上記光熱硬化性接着剤組成物の配合を上述のように選択したり、例えば、上記接着剤層が光硬化性化合物として上記ラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂を含有する場合には、エネルギー線の照射量を調整したりすることによって、容易に達成することができる。例えば、上記接着剤層が光硬化性化合物として上記ラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂を含有する場合、エネルギー線の照射により発生したラジカルが、アクリレート基の二重結合と反応する官能基と連鎖反応し、三次元ネットワーク構造を形成して、上記半硬化した状態を形成する。
上記エネルギー線を照射する方法は特に限定されないが、例えば、上記基材フィルム側から、超高圧水銀灯を用いて、365nm付近の紫外線を上記ウエハ面への照度が60mW/cmとなるよう照度を調節して20秒間照射する(積算光量1200mJ/cm)方法等が挙げられる。
本発明の半導体チップの実装方法においては、次いで、上記研削後のウエハに貼り合わせられた本発明の絶縁接着シートから、基材フィルムを剥離して、半硬化した接着剤層が付着したウエハを得る工程4を行う。
上記工程4においては、上記工程3においてエネルギー線の照射により上記接着剤層が半硬化していることから、極めて容易に上記基材フィルムを剥離することができる。また、このとき、上記接着剤層の接着剤は、上記突起電極の表面よりも上記基材フィルム側に付着しやすいことから、上記突起電極の表面に残存する接着剤の量は抑制される。
本発明の半導体チップの実装方法においては、次いで、上記半硬化した接着剤層が付着したウエハをダイシングして、半硬化した接着剤層が付着した半導体チップに個片化する工程5を行う。
上記ダイシングの方法は特に限定されず、例えば、従来公知の砥石等を用いて切断分離する方法等が挙げられる。
上記工程5においては、上記工程3においてエネルギー線の照射により上記接着剤層が半硬化していることから、上記接着剤層に起因するヒゲが発生することなく、上記接着剤層ごと綺麗に、容易に切断することができる。また、上記接着剤層が半硬化していることにより、切削くずが上記接着剤層に付着することを抑制することができ、ダイシング時に使用する水による上記接着剤層の劣化も抑制することができる。
本発明の半導体チップの実装方法においては、次いで、上記半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを、半硬化した接着剤層層を介して基板又は他の半導体チップに接着して半導体チップを実装する得る工程6を行う。
上記半硬化した接着剤層は、なお充分な接着力を有していることから、上記半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを、半硬化した接着剤層を介して基板又は他の半導体チップに接着することができる。
なお、本明細書において半導体チップの実装とは、基板上に半導体チップを実装する場合と、基板上に実装されている1以上の半導体チップ上に、更に半導体チップを実装する場合との両方を含む。
上記工程6により半導体チップを実装した後、更に、加熱することによって上記接着剤層を完全に硬化させる工程7を行うことにより、より安定した接着を実現することができる。
上記の説明においては、半硬化した接着剤層が付着したウエハを得る工程4を行った後、該半硬化した接着剤層が付着したウエハをダイシングして、半硬化した接着剤層が付着した半導体チップに個片化する工程5を行った。
この他の態様として、工程4で得られた半硬化した接着剤層が付着したウエハ上に、半硬化した接着剤層を介して他のウエハを積層してウエハ積層体を製造し、得られたウエハ積層体を一括的にダイシングして、半硬化した接着剤層が付着した半導体チップの積層体を得てもよい。
本発明によれば、突起電極の損傷を抑制し、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができる絶縁接着シートを提供することができる。また、本発明によれば、該絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法を提供することができる。
図1は、基材フィルムが硬い材料からなる絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせ、ウエハの研削を行った後の状態を示す模式図である。 図2は、基材フィルムが柔軟性の高い熱可塑性樹脂からなる本発明の絶縁接着シートを、表面に突起電極が形成されたウエハと貼り合わせ、ウエハの研削を行った後の状態を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)光熱硬化性接着剤組成物の調製
表1の組成に従って、下記に示す各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合して光熱硬化性接着剤組成物を調製した。
(熱硬化性化合物)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP−7200HH、大日本インキ化学工業社製)
高反応性芳香族エポキシ樹脂(EX201P、ナガセケムテクス社製)
(光硬化性化合物)
光重架橋性化合物(末端二重結合を有する2−エチルヘキシルアクリレートとイソボルニルアクリレートの共重合体、SK2−37、新中村化学工業社製)
(光重合開始剤)
光ラジカル発生剤(Esacure1001、Lamberti社製)
(熱硬化剤)
酸無水物(YH−307、ジャパンエポキシレジン社製)
イミダゾール化合物(2MA−OK、四国化成工業社製)
(その他)
応力緩和ゴム系高分子(AC4030、ガンツ化成社製)
ヒュームドシリカ(MT10、トクヤマ社製)
イミダゾールシランカップリング剤(SP−1000、日鉱マテリアル社製)
(2)絶縁接着シートの製造
厚さ200μmのポリエチレン(PE)からなる基材フィルム(ハイシボオーブ、林和二社製)上に、コンマコート法により得られた光熱硬化性接着剤組成物を厚さ60μmとなるように塗工し、乾燥させて絶縁接着シートを得た。使用時まで、光熱硬化性接着剤組成物からなる接着剤層の表面をPETフィルムで保護した。
(3)半導体チップの実装
直径20cm、厚み750μmであり、表面に平均高さ80μm、直径110μmの球形のAg−Snハンダーボールが250μmピッチで多数形成されている半導体ウエハを用意した。
得られた絶縁接着シートの接着剤層を保護するPETフィルムを剥がし、ラミネーターを用いて半導体ウエハに真空下(1torr)、70℃で貼り付けた。
次いで、これを研削装置に取りつけ、半導体ウエハの厚さが約100μmになるまで研削した。このとき、研削の摩擦熱により半導体ウエハの温度が上昇しないように、半導体ウエハに水を散布しながら作業を行った。研磨後はCMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスによりアルカリのシリカ分散水溶液による研磨を行うことにより、鏡面化加工を行った。
研磨装置から半導体ウエハを取り外し、半導体ウエハの絶縁接着シートが貼付されていない側の面にダイシングテープ「PEテープ♯6318−B」(積水化学工業社製、厚み70μm、ポリエチレン基材、粘着材ゴム系粘着材10μm)を貼り付け、ダイシングフレームにマウントした。次いで、絶縁接着シートの基材フィルム側から、超高圧水銀灯を用いて、365nm付近の紫外線を、半導体ウエハ面への照度が60mW/cmとなるよう照度を調節して20秒間照射した(積算光量1200mJ/cm)。
紫外線により半硬化した接着剤層から基材フィルムを剥離し、研削後の半導体ウエハ上に半硬化した接着剤層が付着したウエハを得た。
ダイシング装置DFD651(ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、半硬化した接着剤層が付着した半導体ウエハを10mm×10mmのチップサイズに分割して個片化し、半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを得た。
得られた半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを熱風乾燥炉内にて80℃で10分間乾燥後、ボンディング装置(澁谷工業社製、DB−100)を用いて荷重0.15MPa、温度230℃で10秒間圧着して実装した。これを繰り返し5層の半導体チップを実装した後、180℃で30分間かけて硬化した。
(実施例2)
厚さ200μmのポリエチレンからなる基材フィルム(ハイシボオーブ、林和二社製)の代わりに、厚さ150μmのポリエチレン(PE)からなる基材フィルム(テトロン、帝人デュポン社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして絶縁接着シートを製造し、これを用いて半導体チップを実装した。
(実施例3)
厚さ200μmのポリエチレンからなる基材フィルム(ハイシボオーブ、林和二社製)の代わりに、厚さ100μmのポリプロピレン(PP)からなる基材フィルム(SE620L、積水フィルム社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして絶縁接着シートを製造し、これを用いて半導体チップを実装した。
(実施例4)
厚さ200μmのポリエチレンからなる基材フィルム(ハイシボオーブ、林和二社製)の代わりに、厚さ150μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなる基材フィルム( アルトロン、 三菱プラスチックス社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして絶縁接着シートを製造し、これを用いて半導体チップを実装した。
(実施例5)
厚さ200μmのポリエチレンからなる基材フィルム(ハイシボオーブ、林和二社製)の代わりに、厚さ200μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材フィルム(EVAエンボースフィルム梨地、林和二社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして絶縁接着シートを製造し、これを用いて半導体チップを実装した。
(比較例1)
厚さ200μmのポリエチレンからなる基材フィルム(ハイシボオーブ、林和二社製)の代わりに、厚さ50μmのポリイミド(PI)からなる基材フィルム(カプトン、帝人デュポン社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして絶縁接着シートを製造し、これを用いて半導体チップを実装した。
(評価)
半導体チップの実装工程で得られた半導体チップ、及び、得られた半導体チップの実装体について、以下の基準で評価を行った。結果を表1に示した。
(1)ダイシング性能評価
個片化した半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを顕微鏡を用いて観察した。各チップと接着剤層とがダイシングに沿って綺麗にカットされており、接着剤層に起因するヒゲがなく、切削くずが接着剤層に付着しない場合を「○」と、各チップと接着剤層とがダイシングに沿って綺麗にカットされているものの、接着剤層に起因するヒゲがあったり、切削くずが接着剤層に付着したりしている場合を「△」と、各チップと接着剤層が綺麗にカットされておらず、接着剤層に起因するヒゲあり、切削くずが接着剤層に付着している場合を「×」と評価した。
(2)半導体チップのボンディング評価
半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを、ボンディング装置を利用して、230℃、10秒間の条件でプラスチックス基板上にボンディングし、接着性能を確認した。チップと基板との間に空気がかまず、綺麗な接着面ができ、また、チップの面上に接着剤が盛り上がることがない場合を「○」と、チップと基板との間に空気がかまないものの、チップの面上に接着剤が盛り上がりボンダーのヘッドを接着剤が汚染している場合を「△」と、チップと基板との間に空気がかんでいるとともに、チップの面上に接着剤が盛り上がりボンダーのヘッドを接着剤が汚染している場合を「×」と評価した。
(3)ハンダ耐熱性評価
得られた半導体チップの実装体を、85℃、85%湿度の条件下で48時間の湿潤処理を行った後、ハンダリフロー260℃、10秒間の条件で処理を行った。このリフロー処理後の半導体チップの実装体の層間について、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。
リフロー処理後の半導体チップの実装体について、再び85℃、85%湿度の条件下で48時間の湿潤処理を行った後、ハンダリフロー260℃、10秒間の条件で処理を行った。この2回目のリフロー処理を行った後の半導体チップの実装体の層間についても、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。
このようなリフロー処理をリフロー回数5回まで行い、ハンダ耐熱性評価を行った。
なお、層間の剥離についての観察は、超音波探査映像装置(日立建機ファインテック社製、mi−scope hyper II)を用いて行った。
その後、この半導体チップの実装体の接着剤層を混酸で除去し、チップ表面の窒化シリコン保護膜に割れが生じているか否かについて観察を行った。層間の剥離及び保護膜の割れについて、層間の剥離及び保護膜の割れが観察されなかった場合を「○」と、層間の剥離又は保護膜の割れがわずかに観察された場合を「△」と、層間に目立った剥離が認められるか、又は、保護膜に目立った割れが観察された場合を「×」と評価した。
(4)ボンディング後の導通性評価
得られた半導体チップの実装体に外部電極をつなぎ、電極での抵抗の変化をテスター(CDM−06、 CUSTOM社製 )で追跡し、導通性評価を行った。ボンディング後、導通が確認でき、一定抵抗を保っていた場合を「○」と、導通は確認できたが、抵抗値にブレがあった場合を「△」と、導通ができなかった場合を「×」と評価した。
(5)突起電極保護性
絶縁接着シートを半導体ウエハ貼り合わせて、半導体ウエハの研削を行った後、基材フィルムの突起電極保護性について目視評価した。図2に示すように、基材フィルムにクッション性があり、突起電極の高さを基材フィルムが吸収し、突起電極が保護されていた場合を「○」と、図1に示すように、基材にクッション性がなく、突起電極が保護されない場合を「×」と評価した。
(6)TCT評価
得られた半導体チップの実装体について、−55℃、9分間と、125℃、9分間とを1サイクルとする温度サイクル試験を行い、1000サイクル後の層間について、層間が剥離しているか否かについて観察を行った。その後、半導体チップの実装体の接着剤を混酸で除去し、チップ表面の窒化シリコン保護膜に割れが生じているか否かについて観察を行った。層間の剥離及び保護膜の割れが観察されなかった場合を「○」と、層間の剥離又は保護膜の割れがわずかに観察された場合を「△」と、層間に目立った剥離が認められるか、又は、保護膜に目立った割れが観察された場合を「×」と評価した。
Figure 2010258239
本発明によれば、突起電極の損傷を抑制し、半導体チップを簡便に実装して高い接続信頼性を実現することができる絶縁接着シートを提供することができる。また、本発明によれば、該絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法を提供することができる。
1 基材フィルム
2 接着剤層
3 突起電極
4 ウエハ

Claims (3)

  1. 表面に突起電極を有する半導体チップの実装に用いられる、基材フィルムと接着剤層とからなる絶縁接着シートであって、
    前記基材フィルムは、熱可塑性樹脂からなり、
    前記接着剤層は、光硬化性化合物、熱硬化性化合物、光重合開始剤及び熱硬化剤を含有する光熱硬化性接着剤組成物からなる
    ことを特徴とする絶縁接着シート。
  2. 請求項1記載の絶縁接着シートを用いる半導体チップの実装方法であって、
    前記絶縁接着シートの接着剤層と、表面に突起電極が形成されているウエハの突起電極形成面とを貼り合わせる工程1と、
    前記ウエハを、前記絶縁接着シートに固定した状態で研削する工程2と、
    前記研削後のウエハに貼り合わせられた前記絶縁接着シートにエネルギー線を照射して、前記接着剤層を半硬化させる工程3と、
    前記研削後のウエハに貼り合わせられた前記絶縁接着シートから、基材フィルムを剥離して、半硬化した接着剤層が付着したウエハを得る工程4と、
    前記半硬化した接着剤層が付着したウエハをダイシングして、半硬化した接着剤層が付着した半導体チップに個片化する工程5と、
    前記半硬化した接着剤層が付着した半導体チップを、半硬化した接着剤層を介して基板又は他の半導体チップに接着して半導体チップを実装する工程6とを有する
    ことを特徴とする半導体チップの実装方法。
  3. 更に、工程6により半導体チップを実装した後、加熱することにより接着剤層を完全に硬化させる工程7を有することを特徴とする請求項2記載の半導体チップの実装方法。
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