JP2011159815A - 接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents

接着剤層付き半導体チップの製造方法 Download PDF

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Kohei Takeda
幸平 竹田
Hideaki Ishizawa
英亮 石澤
Chizuru Kin
千鶴 金
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
Hisatoshi Okayama
久敏 岡山
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Abstract

【課題】ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け、及び、ピックアップ時に生じる接着剤層の汚染を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供する。
【解決手段】フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、ウエハ上のバンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、前記バンプの表面と前記接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記接着剤層を表面平坦化する工程と、表面平坦化された前記バンプ及び前記接着剤層の上に易剥離樹脂層を形成する工程と、前記易剥離樹脂層を有する前記ウエハをダイシングして、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップを得る工程と、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップをピックアップする工程と、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップから前記易剥離樹脂層を剥離する工程とを有する接着剤層付き半導体チップの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け、及び、ピックアップ時に生じる接着剤層の汚染を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法に関する。
近年、ますます進展する半導体装置の小型化、高集積化に対応するために、ハンダ等からなる接続端子(バンプ)を有する半導体チップを用いたフリップチップ実装が多用されている。
フリップチップ実装に用いるための半導体チップの製造方法においては、複数のバンプを有するウエハが用いられ、例えば、ウエハ上のバンプが埋もれるように予め接着剤層を形成し、バンプ及び接着剤層の表面を平坦化した後、ウエハを接着剤層ごとダイシングして個々の接着剤層付き半導体チップに分割する工程が行われる。ダイシングにより個別化された接着剤層付き半導体チップは、基板又は他の半導体チップにボンディングされるとともにバンプを介して電気的に接続される。
フリップチップ実装において、バンプ接続の信頼性を高めるためには、バンプ及び接着剤層の表面平坦化が重要である。バンプ及び接着剤層の表面平坦化には、従来、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)法が用いられてきた。CMP法とは、平坦な研磨パッドをバンプ及び接着剤層に押しあて、スラリーを用いて、化学的、機械的に平坦化する方法である。しかしながら、CMP法では、バンプと接着剤層との研磨速度の違いに起因して、ディッシングと呼ばれる窪みが生じることが問題である。
そこで、CMP法に替わる方法として、ダイヤモンド等からなるバイトを用いた切削加工が提案されている。例えば、特許文献1には、基板の表面に外部と電気的接続を行うためのバンプを形成する方法であって、前記基板の表面に、複数の前記バンプ及び前記バンプ間に絶縁膜を形成する工程と、バイトを用いた切削加工により、前記各バンプの表面及び前記絶縁膜表面が連続して平坦となるように平坦化処理する工程と、前記絶縁膜を除去する工程とを含むバンプの形成方法が記載されている。
特許文献1には、同文献に記載の方法は、バンプの表面を安価に高速で平坦化し、バンプ同士の接続を、ディッシング等の不都合を発生させることなく容易かつ確実に行うことを可能とすることが記載されている。
しかしながら、バンプ及び接着剤層の表面を充分に平坦化することができても、その後のダイシング工程、ボンディング工程等を通じてバンプ及び接着剤層の性能等が低下してしまうと、高信頼性の半導体装置を製造することは困難である。従来、ダイシング時には、半導体チップの端部で接着剤層の浮き、欠け等が生じることがあり、このような浮き、欠け等の生じた接着剤層付き半導体チップを用いると接着剤未充填部分を有する半導体装置が得られ、半導体装置の信頼性にばらつきが生じていた。また、ダイシングにより個別化された接着剤層付き半導体チップのピックアップ時には、ダイコレットが接着剤層に直接触れることから、接着剤層の汚染等が生じることがあった。
国際公開第04/061935号パンフレット
本発明は、ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け、及び、ピックアップ時に生じる接着剤層の汚染を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、ウエハ上のバンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、前記バンプの表面と前記接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記接着剤層を表面平坦化する工程と、表面平坦化された前記バンプ及び前記接着剤層の上に易剥離樹脂層を形成する工程と、前記易剥離樹脂層を有する前記ウエハをダイシングして、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップを得る工程と、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップをピックアップする工程と、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップから前記易剥離樹脂層を剥離する工程とを有する接着剤層付き半導体チップの製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法は、フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法である。本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、まず、ウエハ上のバンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程を行う。
上記ウエハは、表面に複数のバンプが形成されており、フリップチップ実装に用いるための半導体チップの製造に通常用いられるウエハであれば特に限定されず、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなるウエハが挙げられる。
上記バンプは特に限定されず、例えば、金、銅、銀−錫ハンダ、アルミニウム、ニッケル等からなるバンプが挙げられる。
上記接着剤層は特に限定されないが、熱硬化性化合物、熱硬化剤等を含有する熱硬化性接着剤組成物からなることが好ましい。
上記熱硬化性化合物は特に限定されないが、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。上記エポキシ樹脂は特に限定されないが、得られる熱硬化性接着剤組成物の製膜性、及び、得られる接着剤層のせん断弾性率調整のために、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂等の固形エポキシ樹脂、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の液状エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、結晶性ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化性化合物は、更に、上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーを含有してもよい。
上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーは特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する樹脂が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子ポリマーが好ましい。上記熱硬化性化合物が上記エポキシ基を有する高分子ポリマーを含有することで、得られる接着剤層の硬化物は、該エポキシ基を有する高分子ポリマーと上記エポキシ樹脂とが硬化時に架橋することにより、優れた耐熱性を有することができる。
上記エポキシ基を有する高分子ポリマーは、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子ポリマーであれば特に限定されず、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する高分子ポリマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、エポキシ基を多く含み、得られる接着剤層の硬化物の機械的強度、耐熱性等をより高められることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。
上記エポキシ基含有アクリル樹脂は特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレートとアルキルアクリレートとからなる共重合体等が挙げられる。なかでも、グリシジルアクリレートとアルキルアクリレートとからなり、エポキシ当量が約100〜10000g/eqである共重合体が好ましい。
上記エポキシ基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は1万、好ましい上限は100万である。上記エポキシ基含有アクリル樹脂の重量平均分子量が1万未満であると、得られる熱硬化性接着剤組成物は製膜性に劣ることがあり、例えば、熱硬化性接着剤組成物をフィルム化する場合に、フィルム化が困難となることがある。上記エポキシ基含有アクリル樹脂の重量平均分子量が100万を超えると、得られる接着剤層は、接着工程での表面濡れ姓が劣り、接着強度に劣ることがある。
上記熱硬化性化合物が上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーを含有する場合、上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーの配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が400重量部である。上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーの配合量が5重量部未満であると、得られる熱硬化性接着剤組成物は、製膜性に劣ることがある。上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーの配合量が400重量部を超えると、得られる接着剤層の硬化物は、機械的強度、耐熱性及び耐湿性が低下し、高い接着信頼性及び導通信頼性が得られないことがある。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、上記熱硬化性化合物がエポキシ樹脂を含有する場合には、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、酸無水物系硬化剤が好ましい。
上記酸無水物系硬化剤を用いることで、得られる接着剤層の硬化物の酸性度を中和することができ、電極の信頼性を高めることができる。また、上記酸無水物系硬化剤は熱硬化速度が速いため、得られる接着剤層の硬化物におけるボイドの発生を効果的に低減することができ、高い接着信頼性を実現することができる。
上記熱硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記熱硬化性化合物の官能基と等量反応する熱硬化剤を用いる場合には、上記熱硬化性化合物の官能基量に対する好ましい下限が30当量、好ましい上限が140当量である。上記熱硬化剤の配合量が30当量未満であると、得られる接着剤層は、充分に硬化しないことがある。上記熱硬化剤の配合量が140当量を超えても特に接着剤層の硬化性に寄与しない。
また、触媒として機能する熱硬化剤を用いる場合には、上記熱硬化剤の配合量は、上記熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記熱硬化剤の配合量が1重量部未満であると、得られる接着剤層は、充分に硬化しないことがある。上記熱硬化剤の配合量が20重量部を超えても特に接着剤層の硬化性に寄与しない。
上記熱硬化性接着剤組成物は、得られる接着剤層の硬化速度や硬化物の物性等を調整する目的で、更に、硬化促進剤を含有してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記接着剤層は、上記熱硬化性化合物、上記熱硬化剤等に加えて更に光硬化性化合物、光重合開始剤等を含有する光熱硬化性接着剤組成物からなっていてもよい。上記接着剤層が上記光熱硬化性接着剤組成物からなる場合には、例えば、上記光熱硬化性接着剤組成物をスピンコート等により上記ウエハ上に塗工して乾燥した後、エネルギー線を照射することにより半硬化させて、上記接着剤層を得てもよい。
上記光硬化性化合物は特に限定されず、例えば、エネルギー線の刺激により架橋反応を起こす反応基を分子内に有する化合物が挙げられる。上記エネルギー線の刺激により架橋反応を起こす反応基を分子内に有する化合物は特に限定されず、例えば、ラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
上記ラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂は特に限定されず、例えば、イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート等からなる重合体又は共重合体に、二重結合で反応するようにメタクリレート基をウレタン結合で結合させた樹脂等が挙げられる。なかでも、二重結合の量が約1meq/gであるアクリレート、メタクリレートの重合体又は共重合体が好ましい。これらのラジカルにより架橋可能な二重結合を有するアクリル樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接着剤層が上記光熱硬化性接着剤組成物からなる場合、上記光硬化性化合物の配合量は特に限定されないが、上記熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限は20重量部、好ましい上限は40重量部である。上記光硬化性化合物の配合量が20重量部未満であると、上記光硬化性化合物を配合する効果を充分に得ることができず、例えば、得られる光熱硬化性接着剤組成物をスピンコート等により上記ウエハ上に塗工して乾燥した後、エネルギー線を照射しても、接着剤層が充分に半硬化されないことがある。上記光硬化性化合物の配合量が40重量部を超えると、得られる接着剤層の硬化物の耐熱性が不足することがある。上記光硬化性化合物の配合量は、上記熱硬化性化合物100重量部に対するより好ましい下限は25重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤が挙げられる。
上記250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤として、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤の配合量は特に限定されないが、上記光硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は5重量部である。上記光重合開始剤の配合量が0.05重量部未満であると、例えば、得られる光熱硬化性接着剤組成物をスピンコート等により上記ウエハ上に塗工して乾燥した後、エネルギー線を照射しても、充分に半硬化されず後述する表面平坦化する工程において良好に切削加工されないことがある。上記光重合開始剤の配合量が5重量部を超えても特に接着剤層の光硬化性に寄与しない。
上記接着剤層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記熱硬化性接着剤組成物を調製し、該熱硬化性接着剤組成物をスピンコート等により上記ウエハ上に塗工して乾燥する方法、上記光熱硬化性接着剤組成物を調製し、該光熱硬化性接着剤組成物をスピンコート等により上記ウエハ上に塗工して乾燥した後、エネルギー線を照射することにより半硬化させる方法等が挙げられる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記バンプの表面と上記接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により上記バンプ及び上記接着剤層を表面平坦化する工程を行う。
上記バイトは特に限定されず、例えば、ダイヤモンド等からなる切削工具等が挙げられる。
上記バイトを用いて切削加工する方法は特に限定されず、例えば、DFS8910(ディスコ社製)等のバンプの表面平坦化に通常用いられる切削加工装置を用いる方法等が挙げられる。
なお、上記表面平坦化を行う前は、上記バンプは上記接着剤層に埋もれているが、上記表面平坦化を行うことで、上記接着剤層が切削されるとともに上記バンプも切削され、上記バンプの表面と上記接着剤層の表面とが連続して平坦となる。また、通常、バイトを用いて切削加工する場合、上記バンプのみでは切削加工することができないか又はバイトが著しく磨耗してしまうが、本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、上記バンプが埋もれるように上記接着剤層が形成されていることから、上記バンプ及び上記接着剤層を一括して良好に切削加工し、表面平坦化することができる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層の上に易剥離樹脂層を形成する工程を行う。
上記易剥離樹脂層は特に限定されないが、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有することが好ましい。上記気体発生剤を含有することで、後述する上記易剥離樹脂層を剥離する工程において、上記易剥離樹脂層に刺激を与えることで上記気体発生剤から気体が発生し、発生した気体の圧力により上記易剥離樹脂層の粘着力が低下して、上記易剥離樹脂層は容易に剥離される。
上記刺激は特に限定されず、例えば、光、熱、超音波による刺激が挙げられる。なかでも、光又は熱による刺激が好ましい。上記光は特に限定されず、例えば、紫外線、可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、上記易剥離樹脂層は、光が透過又は通過できることが好ましい。
上記気体発生剤は特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物等が好ましく、アゾ化合物がより好ましい。
上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
半導体装置の製造においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入ることから、これらのアゾ化合物のなかでも、熱分解温度の高い2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好ましい。
上記易剥離樹脂層は、刺激により弾性率が上昇することが好ましい。なお、上記易剥離樹脂層の弾性率を上昇させる刺激は、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記刺激により弾性率が上昇する易剥離樹脂層は特に限定されず、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型樹脂組成物や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型樹脂組成物等の後硬化型樹脂組成物からなる層等が挙げられる。
上記後硬化型樹脂組成物からなる層は、光の照射又は加熱により層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化により弾性率が著しく上昇し、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で上記気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、上記易剥離樹脂層と表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層との接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
上記重合性ポリマーは特に限定されず、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)を予め合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは特に限定されず、例えば、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様にしてモノマー混合物を共重合させることにより得られる、常温で粘着性を有するポリマーが挙げられる。上記モノマー混合物として、例えば、主モノマーとしてアルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを含有するモノマー混合物が挙げられる。
上記官能基含有モノマーは特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーは特に限定されず、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
また、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は特に限定されず、通常、20万〜200万程度である。
上記官能基含有不飽和化合物は特に限定されず、例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のモノマーが挙げられる。
例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、エポキシ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーが用いられる。また、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がヒドロキシル基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、イソシアネート基含有モノマーが用いられる。また、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がエポキシ基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、カルボキシル基含有モノマー、アクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。更に、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がアミノ基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物として、例えば、エポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは特に限定されないが、分子量が1万以下である多官能オリゴマー又はモノマーが好ましく、光の照射又は加熱による易剥離樹脂層の三次元網状化が効率よくなされることから、分子量が5000以下であり、かつ、分子内のラジカル重合性不飽和結合の数の下限が2個、上限が20個である多官能オリゴマー又はモノマーがより好ましい。このような多官能オリゴマー又はモノマーとして、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、及び、これらのアクリレートに対応するメタクリレート等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤が挙げられる。
上記250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤は特に限定されず、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物や、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤は特に限定されず、例えば、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられる。
上記熱重合開始剤として、具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好ましい。
上記熱重合開始剤のうち、市販されているものとして、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日油社製)等が好ましい。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記後硬化型樹脂組成物は、更に、凝集力の調節を図る目的で、必要に応じてイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を配合してもよい。
上記易剥離樹脂層を形成する方法は特に限定されず、例えば、上記後硬化型樹脂組成物を調製し、該後硬化型樹脂組成物をスピンコート等により表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層の上に塗工して乾燥する方法等が挙げられる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記易剥離樹脂層を有する上記ウエハをダイシングして、上記易剥離樹脂層を有する半導体チップを得る工程を行う。
上記ダイシングする方法は特に限定されず、例えば、DFD6361(ディスコ社製)等の半導体チップの製造に通常用いられるダイシング装置を用いる方法が挙げられる。
また、上記易剥離樹脂層を有する上記ウエハをダイシングする際には、ダイシングテープを用いることが好ましい。上記ダイシングテープは、上記ウエハを固定又は保護することを目的として、上記ウエハの裏面側に貼付されて用いられる。
上記易剥離樹脂層を有する上記ウエハをダイシングすることで、表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層の上に上記易剥離樹脂層を有する半導体チップが得られる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、上記ウエハが、表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層の上に上記易剥離樹脂層を有することで、ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け等が抑制される。そのため、得られる半導体装置において接着剤未充填部分が生じることがなく、半導体装置の高信頼性を実現することができる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記易剥離樹脂層を有する半導体チップをピックアップする工程を行う。
上記ピックアップする方法は特に限定されず、例えば、BESTEM−D02(キヤノンマシナリー社製)等の半導体装置の製造に通常用いられるダイコレットを用いる方法等が挙げられる。
通常、ダイコレットは接着剤層に直接触れて半導体チップをピックアップするが、本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、半導体チップが、表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層の上に上記易剥離樹脂層を有することで、ピックアップ時にダイコレットが表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層に直接触れることがなく、接着剤層の汚染等が抑制されて半導体装置の高信頼性を実現することができる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法では、次いで、上記易剥離樹脂層を有する半導体チップから上記易剥離樹脂層を剥離する工程を行う。
上記易剥離樹脂層を剥離する方法は特に限定されず、例えば、上記易剥離樹脂層に光、熱、超音波による刺激を与えた後、剥離用テープを用いて上記易剥離樹脂層を剥離する方法等が挙げられる。なかでも、光又は熱による刺激を与える方法が好ましい。
上記易剥離樹脂層が上記気体発生剤を含有する場合には、上記易剥離樹脂層に刺激を与えることで上記気体発生剤から気体が発生し、発生した気体の圧力により上記易剥離樹脂層の粘着力が低下して、上記易剥離樹脂層は表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層から容易に剥離される。更に、上記易剥離樹脂層が上記気体発生剤を含有し、かつ、上記後硬化型樹脂組成物からなる場合には、発生した気体の大半が硬い硬化物から放出され、放出された気体は、上記易剥離樹脂層と表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層との接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
上記剥離用テープを用いる際には、上記剥離用テープを上記易剥離樹脂層の上に貼り付けた後、上記剥離用テープをピール剥離する。これにより、上記易剥離樹脂層は、上記剥離用テープに転写されて剥離される。
上記易剥離樹脂層を有する半導体チップから上記易剥離樹脂層を剥離することで、表面平坦化された上記バンプ及び上記接着剤層を有する半導体チップが得られる。
このような本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法により得られた接着剤層付き半導体チップは、フリップチップ実装に用いられ、基板又は他の半導体チップにボンディングされるとともに表面平坦化された上記バンプを介して電気的に接続される。
本発明によれば、ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け、及び、ピックアップ時に生じる接着剤層の汚染を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)接着剤層の形成
下記の材料を用いて、熱硬化性接着剤組成物を調製した。配合量は、1004AFを30重量部、YX−4000Hを30重量部、G−2050Mを40重量部、YH−306を30重量部、2MAOKを8重量部、KBM−573を1重量部及びPEGMEAを300重量部とした。
(エポキシ樹脂)
BPA(ビスフェノールA)型エポキシ(1004AF、ジャパンエポキシレジン社製)
ビフェニル型エポキシ(YX−4000H、ジャパンエポキシレジン社製)
(エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマー(固形ポリマー))
MMA(メチルメタクリレート)、GMA(グリシジルメタクリレート)の共重合体(分子量20万)(G−2050M、日油社製)
(熱硬化剤)
3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(YH−306、ジャパンエポキシレジン社製)
(硬化促進剤)
2,4−ジアミノ−6−[2’メチルイミダゾリン−(1’)]−エチルs−トリアジンイソシアヌル酸付加物(2MA−OK、四国化成工業社製)
(その他)
シランカップリング材(KBM−573、信越化学工業社製)
溶剤(PEGMEA(Propylene Glycol Monomethyl Ether Acetate)、和光純薬工業社製)
得られた熱硬化性接着剤組成物を、バンプ(高さ75μm、直径100μm、ピッチ150μm)を有するTEGウエハ(直径20cm、厚さ約750μm)のバンプが形成されている面に、乾燥被膜の厚さが約80μmとなり、かつ、バンプが埋もれるようにスピンコートにより塗工し、110℃5分間加熱して溶剤を揮発させ、接着剤層を得た。
(2)表面平坦化
切削加工装置(DFS8910、ディスコ社製)を用いて、バンプの表面と接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バンプ及び接着剤層を表面平坦化した。表面平坦化後、接着剤層及びバンプの高さは70μmとなった。
(3)易剥離樹脂層の形成
ブチルアクリレート79重量部、エチルアクリレート15重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、ラウリルメルカプタン0.02重量部を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、メタクリル酸2−イソシアネートエチル3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部、光重合開始剤(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)0.5重量部、ポリイソシアネート1.5重量部、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)100重量部を混合して、気体発生剤を含有する後硬化型樹脂溶液を調製した。
後硬化型樹脂溶液を、表面平坦化されたバンプ及び接着剤層の上に、乾燥被膜の厚さが約20μmとなるようにスピンコートにより塗工し、110℃5分間加熱して溶剤を揮発させて易剥離樹脂層を得た。
(4)ダイシング
表面平坦化されたバンプ及び接着剤層の上に易剥離樹脂層が形成されたTEGウエハの裏面をダイシングテープで補強した後、ダイシング装置(DFD6361、ディスコ社製)に取りつけ、易剥離樹脂層側からブレードを入れて、TEGウエハを半導体チップの大きさに切断した。次いで、ダイシングテープを剥がして、表面平坦化されたバンプ及び接着剤層の上に易剥離樹脂層が形成された半導体チップを得た。
(5)ピックアップ
表面平坦化されたバンプ及び接着剤層の上に易剥離樹脂層が形成された半導体チップを、ダイボンダー(BESTEM−D02、キヤノンマシナリー社製)を用い、通常のゴムコレットを用いてピックアップして、マニュアル操作によりチップトレイに収納した。
(6)易剥離樹脂層の剥離
超高圧水銀灯を用いて、易剥離樹脂層側から、易剥離樹脂層への照射強度が40mW/cmとなるよう照度を調節した365nmの紫外線を2分間照射した。次いで、剥離用テープを易剥離樹脂層上に貼り付け、ピール剥離によって剥離用テープと一緒に易剥離樹脂層を接着剤層から剥離することにより、接着剤層付き半導体チップを作製した。
(比較例1)
表面平坦化されたバンプ及び接着剤層の上に易剥離樹脂層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、半導体チップを作製した。
(評価)
実施例、比較例で得られた接着剤層付き半導体チップについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)接着剤層の浮き、欠け
通常の光学顕微鏡(倍率=100倍)により、ダイシング時の接着剤層の端部の浮き、欠け状態を観察した。
30個の接着剤層付き半導体チップについて評価を行い、30個のうち浮き、欠けが発生したサンプル数(個)を求めた。
(2)コレット表面及び接着剤層表面の汚れ
通常の顕微鏡(倍率=100倍)により、30個の接着剤層付き半導体チップを作製終了した後の時点でのコレット表面及び接着剤層表面の外観を観察し、汚れを評価した。
(3)リフロー試験
得られた接着剤層付き半導体チップと、基板(JKIT Type III、日立超LSIシステムズ社製)とを用いてフリップチップ実装(140℃10N10秒、280℃10N10秒)を行った。190℃30分にて完全硬化を行った後、60℃、60%RHで40時間吸湿させ、ピーク温度260℃のリフローオーブンに3回通し、半導体チップ−接着剤層−基板の剥がれの評価及び導通試験を行った。上記導通試験については、剥がれ発生又は導通抵抗値が10%以上変化したものを不良とした。
30個の接着剤層付き半導体チップについて評価を行い、30個のうち不良が発生したサンプル数(個)を求めた。
(4)冷熱サイクル試験
上記リフロー試験を行ったサンプルを、−55〜125℃(30分/1サイクル)、1000サイクルの冷熱サイクル試験を行い、半導体チップ−接着剤層−基板の剥がれの評価及び導通試験を行った。上記導通試験については、剥がれ発生又は導通抵抗値が10%以上変化したものを不良とした。
30個の接着剤層付き半導体チップについて評価を行い、30個のうちの不良が発生したサンプル数(個)を求めた。ただし、比較例1で得られた接着剤層付き半導体チップについては、上記(3)のリフロー試験で良品と認められた接着剤層付き半導体チップのうち、15個のサンプルについて評価を行った。
Figure 2011159815
本発明によれば、ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け、及び、ピックアップ時に生じる接着剤層の汚染を抑制して、半導体装置の高信頼性を実現することのできる接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、
    ウエハ上のバンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、
    前記バンプの表面と前記接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記接着剤層を表面平坦化する工程と、
    表面平坦化された前記バンプ及び前記接着剤層の上に易剥離樹脂層を形成する工程と、
    前記易剥離樹脂層を有する前記ウエハをダイシングして、前記易剥離樹脂層を有する半導体チップを得る工程と、
    前記易剥離樹脂層を有する半導体チップをピックアップする工程と、
    前記易剥離樹脂層を有する半導体チップから前記易剥離樹脂層を剥離する工程とを有する
    ことを特徴とする接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  2. 易剥離樹脂層は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有することを特徴とする請求項1記載の接着剤層付き半導体チップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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