以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
図1は、実施の形態にかかる入庫制御方法及び出庫制御方法が実施される機械式駐車装置Pの一部透視斜視図を示し、図2は、機械式駐車装置Pの乗降室1の平面を示している。図1のように、この機械式駐車装置Pは地下に構築された、外形が略円筒形の立体駐車場であり、駐車する車両3は乗降室1を経由して、放射状に区画された地下の駐車格納庫Sに一台ずつ保管される。
この機械式駐車装置Pは、乗降室1内に、車両3を載置するターンテーブル2を有している。そして車両3は、ターンテーブル2に設けられた搬送装置としての搬器4の所定位置に載置される。所定位置は、載置した車両の前後、両側に設置されている車長センサ5、6、車幅センサ7、8によって規制される領域内における位置である。かかる所定位置に停止された車両3の4つの車輪は、搬器4上の所定位置に載置するようになっている。また乗降室1内に停止した車両が規格内の車長、車幅であるかも車長センサ5、6、車幅センサ7、8によって検知される。搬器4は、乗降室1内の車両3を、空いている駐車格納庫Sにまで搬送したり、駐車格納庫Sに保管されている車両3を、再び乗降室1内に搬送する。なお本発明の搬送装置は、この実施の形態で例示した搬器に限らず、種々の搬送装置を用いることができる。たとえば立体式の機械式駐車装置における昇降台、各種の昇降装置、移動装置、台車(パレット)なども本発明の搬送装置に含まれる。
乗降室1内には、乗降室1内に前記車両以外の人や荷物などが残っているかどうかを検知する室内センサ11、12、13、14が設置されている。これら室内センサ11〜14は公知のセンサを用いることができる。なお室内センサの数は任意であり、乗降室1内に死角がないように検知することができればよい。
また乗降室1内には、乗降室1内の様子を撮像するカメラ15、16が設けられている。カメラ15、16で撮像した乗降室1内の様子は、画像信号として、後述の入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33へと送信される。なおカメラの数は任意であり、乗降室1内に死角がないように確認することができればよい。
乗降室1には、入口扉21と出口扉22が設けられており、これら入口扉21と出口扉22の上方には、それぞれライン状の扉センサ23、24が設けられている。扉センサ23、24は、人や車両、物体など、扉を閉鎖する際に障害となる物体を検知する。また入口扉21、出口扉22を人や車が通過した事も検知する。
入口扉21と出口扉22との間の乗降室1の外側には、操作盤としての入出庫スタート盤31が設置されている。この入出庫スタート盤31は、図3に示したように、入出庫スタート盤31の上方側に操作部32を有している。操作部32には、ディスプレイ装置33、カード挿入排出口34、精算口35、例えば押しボタン構造の安全確認スイッチ36、並びに音声用スピーカ37などが設けられている。本発明の読み取り装置(図示せず)は、カード挿入排出口34の内部に設けられている。
また入出庫スタート盤31のさらに外側であって、入口扉21寄りには、図1、図2に示したように、入庫受付盤41が設けられている。入庫受付盤41には携帯認証媒体の情報の読み取り部、たとえばカードの場合にはカード挿入排出口(図示せず)が設けられている。
そして以上に挙げた車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、カメラ15、16、扉センサ23、24からの信号は、制御装置Cへと出力される。入出庫スタート盤31、入庫受付盤41の機能、並びに搬器4による搬送、入口扉21と出口扉22の開閉動作等は制御装置Cによって制御される。なお制御装置Cは中央監視室(図示せず)や、たとえば入出庫スタート盤31に設けてもよく、環境、条件によって任意の場所に設けることができる。また制御装置Cの機能を適宜分散させてもよい。
以上のように構成された機械式駐車装置Pの入庫、出庫の制御例を以下に説明する。
図4は、定期利用者(事前登録者)がこの機械式駐車装置Pを利用する際の入庫のフローチャートを示している。まず、運転者は図2に示したように入庫受付盤41の傍に車両を停止させ、入庫受付盤41にて駐車にあたっての申請手続きを行う。すなわち、まず入庫受付盤41に、定期利用者が所有している携帯認証媒体としてのカードを入庫受付盤41のカード読み取り部(図示せず)に挿入する。そして入庫受付盤41では、カードの情報(例えば利用者氏名、車両ナンバー、有効期間など)を読み取る(ステップ100)。カードの情報が読み取れない場合には、再びステップ100へと戻る。
そして読み取った情報が事前に登録されている情報と一致しているかどうかの判定がなされ(ステップ101)、一致している場合にはカードが排出され、カードが利用者によって抜き取られたかどうかが判定される(ステップ102)。カードが抜き取られた場合には、入口扉21が開放する(ステップ103)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ102に戻る。この際、たとえば音声用スピーカによってカードの抜き取りが促される。ステップ101において、読み取った情報が事前に登録されている情報と一致していない場合には、ただちに排出され、以後のステップには進まない。
カードが抜き取られて入口扉21が開放したら、たとえば入庫を促すことが音声用スピーカから発せられる。利用者である運転者は、車両3を運転して乗降室1内のターンテーブル2の上の搬器4の所定位置にまで進入させ、車両3を停止させる。所定位置とは、車長センサ5、6、車幅センサ7、8によって、車両3が検知されない位置である。そして所定位置に停車したかどうかが判断され(ステップ104)、所定位置に停止している場合には、次のステップに進み、車長センサ5、6、車幅センサ7、8によって未だ所定位置に停車できていないと判定された場合には、たとえば警告音、音声等によってそのことが利用者に報知され、再びステップ104へと戻る。
車両3の所定位置へのセットが完了すると、運転者は乗降室1から退出し、携帯認証媒体としてのカードを入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34に挿入することで、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ105)。読み取りができない場合には、ステップ105へと戻る。そして読み取られた情報が、入庫受付盤41において読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ106)。そして一致している場合には、安全確認スイッチ36の操作が可能になる。ここで運転者は、乗降室1の内部に人がいない事や物がない事を、入出庫スタート盤31に備えられているディスプレイ装置33での映像によって容易に目視確認することができる。読み取られた情報が、入庫受付盤41において読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ105へと戻るため、安全確認スイッチ36は操作できない。また車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合にも、安全確認スイッチ36は操作できない。
そして安全確認スイッチ36が操作されると(ステップ107)、カードが排出される(ステップ108)。安全確認スイッチ36が操作されないと再びステップ107へと戻り、カードは排出されない。この際、音声、ブザー、光等によって運転者に警告を与えるようにしてもよい。
安全確認スイッチ36が操作されて、カードが排出されると(ステップ108)、カードが抜き取られたかどうかが判断され(ステップ109)、カードが抜き取られた場合には、入口扉21が閉鎖される(ステップ110)。抜き取られたことが確認できない場合には、再びステップ109へと戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。また本実施の形態では、カードが排出され、所定時間、例えば10秒以上経過しても未だカードが抜き取られない場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ105へと戻るようになっている。また安全確認スイッチ36の操作(ステップ107)後からカード抜き取り(ステップ109)までの間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONしたら、何かしらの異常があったものと判断し、カード読取(ステップ105)とカード情報一致判定(ステップ106)の結果と安全確認スイッチ36の操作(ステップ107)とが取り消され、ステップ105へと戻る。
また入口扉21が閉鎖動作している間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合も、何かしらの異常があったものと判断し、閉鎖動作が中止されるとともに、カード読取(ステップ105)とカード情報一致判定(ステップ106)の結果と安全確認スイッチ36の操作(ステップ107)とが取り消され、ステップ105へと戻る。
そして入口扉21が閉鎖されると、入庫動作が完了したものと判定され(ステップ111)、搬器4が起動して、乗降室1内の車両3は、所定の駐車格納庫まで搬送される。
以上のように、本実施の形態によれば、まず入出庫スタート盤31に設けられている安全確認スイッチ36は、室内センサ11〜14が乗降室1内に人や置き忘れた荷物を検知していると操作できない。すなわち、室内センサ11〜14が乗降室1内に人や荷物を検知していないことが安全確認スイッチ36の操作可能となるための前提条件となっている。したがって、万が一乗降室1に人や荷物が残っていても、その後の乗降室1の入口扉21の閉鎖や搬器4による車両3の搬送などの起動操作ができない。そしてそのような前提条件が満たされても、入出庫スタート盤31によるカードの読み取り情報が所定情報と一致していることが確認されない限り、安全確認スイッチ36の操作はできなくなっている。さらにまた、本実施の形態では、安全確認スイッチ36が操作されても、カードの抜き取りが行われない限り、入口扉21が閉鎖されることはなく、入口扉21が閉鎖されない以上、搬器4は作動しない。したがって、従来よりも安全性が向上している。
しかも車長センサ5、6、車幅センサ7、8、扉センサ23のいずれかがONした場合にも、安全確認スイッチ36は操作されないから、安全性はさらに向上している。
また入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって、カメラ15、16が撮像した乗降室1内の様子を目視にて確認できるから、安全確認スイッチ36の操作にあたり、さらに安全を人の目で確認することができる。
次に、そのようにして入庫した定期利用者(事前登録者)が出庫する場合の制御例を図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず駐車させた利用者(運転者)は、入出庫スタート盤31の操作部32にあるカード挿入排出口34に携帯認証媒体であるカードを挿入する。そして挿入されたカードの情報が読み取られる(ステップ200)。読み取りができない場合には、再びステップ200に戻る。
読み取られた情報により、カードに記載されている車両特定のための特定情報が、入庫済みの車両と同一の情報であるかどうかが判断される(ステップ201)。この特定情報は、たとえば車両ナンバーや、あるいは車両を特定するための任意の数字、記号、これらの組み合わせを適用することができる。任意の数字等を採用した場合、たとえば一ケタ目は車高の区分として用いることができ、駐車空間の効率的利用や車種に応じた台数管理を行うことができる。入庫済みの車両であることが確認されると、出庫のための機械動作(たとえば搬器4による搬送など)が起動し(ステップ202)、図6に示したように、ターンテーブル2上の車両3の前方が、出口扉22の方に向けて停止する。その後出口扉22が開放する(ステップ203)。入庫済みの車両であることが確認されない場合には、カードが排出され、以後のステップには進まない。
その後利用者(運転者)が車両3に乗り込み、乗降室1から車両を退出させる(ステップ204)。車両を退出させると、運転者が車両を降りて、入出庫スタート盤31の安全確認スイッチ36を操作する。この場合も、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合には、安全確認スイッチ36は操作できない。
そして入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。この安全確認スイッチ36が操作されたかどうかが確認され(ステップ205)、確認された場合には、カードがカード挿入排出口34から排出される(ステップ206)。安全確認スイッチ36の操作が確認されない場合には、再びステップ205に戻る。
そしてカード挿入排出口34から排出されたカードを運転者が抜き取る。このカードの抜き取り動作は確認され(ステップ207)、抜き取りが確認された場合には、出口扉22が閉鎖される(ステップ208)。抜き取りが確認できない場合には、再びステップ207に戻る。この時、例えばカードの抜き取りを促す音声等が音声用スピーカ37から発せられる。
またカードが抜き取られた場合であっても、カード排出から所定時間、例えば10秒以上経過後の抜き取りであった場合、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ205へと戻るようになっている。また安全確認スイッチ36の操作後からカード抜き取りまでの間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONしたら、何かしらの異常があったものと判断し、安全確認スイッチ36の操作が取り消され、ステップ205へと戻る。
また出口扉22が閉鎖されるステップ208においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、閉鎖動作が中止されるとともに、安全確認スイッチ36の操作が取り消され、ステップ205へと戻る。
以上のように、本実施の形態によれば、出庫にあたっても、車両3が乗降室1から退出した後、入出庫スタート盤31に設けられている安全確認スイッチ36が、室内センサ11〜14が乗降室1内に人や置き忘れた荷物を検知している限りは操作できない。すなわち、室内センサ11〜14が乗降室1内に人や荷物などを検知していないことが安全確認スイッチ36の操作可能となるための前提条件となっているので、万が一乗降室1に人が残っていても、その後の乗降室1の出口扉22が閉鎖されないようになっている。さらにまた、安全確認スイッチ36が操作されても、カードの抜き取りが行われない限り、出口扉22が閉鎖されることはない。したがって、従来よりも安全性が向上している。
しかも途中のプロセスにおいて、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合にも、安全確認スイッチ36は操作できず、またカードが抜き取られた後、出口扉22が閉鎖動作中であっても、これらのいずれかがONされた場合には、インターロックがかかり出口扉22は閉鎖されない。また入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって、カメラ15、16が撮像した乗降室1内の様子を目視にて確認できるから、安全確認スイッチ36の操作にあたり、さらに安全を人の目によって確認することができる。したがって従来よりも安全性が向上している。
なお以上の例で用いられた携帯認証媒体は、挿入式のカードであったが、携帯認証媒体は非接触、接触を問わず、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部(図示せず)にかざす形式のカード、スマートフォン等であってもよい。この場合、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31は、読み取り部に携帯認証媒体がかざされることで当該携帯認証媒体に記録された情報を読み取ることが可能な構成を有している。この場合における定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の入庫制御について図7に基づいて説明する。
まず、運転者は図2に示したように入庫受付盤41の傍に車両を停止させ、定期利用者が所有している携帯認証媒体としてのカードを入庫受付盤41のカード読み取り部(図示せず)にかざす。そして入庫受付盤41では、カードの情報(例えば利用者氏名、車両ナンバー、有効期間など)を読み取る(ステップ150)。カードの情報が読み取れない場合には、再びステップ150へと戻る。
そして読み取った情報が事前に登録されている情報と一致しているかどうかの判定がなされる(ステップ151)。一致していない場合には、そのことが利用者に報知されるよう警告音や音声等が発生し、以後のステップには進まない。一致している場合には入口扉21が開放する(ステップ152)。
入口扉21が開放したら、たとえば入庫を促すことが音声用スピーカから発せられる。利用者である運転者は、車両3を運転して乗降室1内のターンテーブル2の上の搬器4の所定位置にまで進入させ、車両3を停止させる。所定位置とは、車長センサ5、6、車幅センサ7、8によって、車両3が検知されない位置である。そして所定位置に停車したかどうかが判断され(ステップ153)、所定位置に停止している場合には、次のステップに進み、車長センサ5、6、車幅センサ7、8によって未だ所定位置に停車できていないと判定された場合には、たとえば警告音、音声等によってそのことが利用者に報知され、再びステップ153へと戻る。
車両3の所定位置へのセットが完了すると、運転者は乗降室1から退出し、携帯認証媒体としてのカードを入出庫スタート盤31の読み取り部にかざすことで、カード情報の読み取りがなされる(ステップ154)。読み取りができない場合には、ステップ154へと戻る。カードの読み取りがなされると、読み取られたカードの情報が、入庫受付盤41において読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ155)。そして一致している場合には、安全確認スイッチ36の操作が可能になる。ここで運転者は、乗降室1の内部に人がいない事や物がない事を、入出庫スタート盤31に備えられているディスプレイ装置33での映像によって容易に目視確認することができる。読み取られた情報が、入庫受付盤41において読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ154へと戻るため、安全確認スイッチ36は操作できない。また車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合にも、安全確認スイッチ36は操作できない。
そして安全確認スイッチ36が操作されると(ステップ156)、カードの読み取りを待機する状態となる(ステップ157)。一方、安全確認スイッチ36が操作されないと再びステップ156へと戻る。この際、音声、ブザー、光等によって運転者に警告を与えるようにしてもよい。
運転者が入出庫スタート盤31の読み取り部にカードをかざし、入庫受付盤41で読み取られたカードの情報が入出庫スタート盤31で読み取られた場合には、入口扉21が閉鎖される(ステップ158)。一方、運転者が入出庫スタート盤31の読み取り部にカードをかざしてもうまく読み取ることができない場合のようにカードの読み取りが確認できない場合には、再びステップ157に戻る。また本実施の形態では、所定時間、例えば10秒以上経過しても未だカードの情報が読み取られない場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ154へと戻るようになっている。また安全確認スイッチ36の操作後からカードが読み取られるまでの間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONしたら、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ154へと戻る。
また入口扉21が閉鎖動作している間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合も、何かしらの異常があったものと判断し、閉鎖動作が中止され、ステップ154へと戻る。
そして入口扉21が閉鎖されると、入庫動作が完了したものと判定され(ステップ159)、搬器4が起動して、乗降室1内の車両3は、所定の駐車格納庫まで搬送される。
以上のように図7に示した実施の形態では、携帯認証媒体として入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部にかざす形式の携帯認証媒体を用いているが、挿入式の携帯認証媒体を用いた図4に示した実施の形態のような入庫制御を行うことができる。なお、図7に示した実施の形態のステップ157は省略してもよい。すなわち、ステップ156において安全確認スイッチ36が操作された後に自動的に入口扉21が閉鎖されるようにしてもよい。
また、図7に示した実施の形態では、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部にかざす形式の携帯認証媒体を用いた入庫の制御例を説明したが、同様の携帯認証媒体を用いて出庫の制御を行うこともできる。その場合、まず図5に示した実施の形態のステップ200において、図7に示した実施の形態のステップ150と同様に入出庫スタート盤31の読み取り部に携帯認証媒体としてのカードをかざす。そして、ステップ201において、入出庫スタート盤31で読み取られた車両を特定するための情報が入庫済みの車両の情報と一致するか否かの判定がなされ、一致する場合には、図5のステップ202〜205と同様のフローで出庫制御が行われる。ただし、読み取り部にかざす形式の携帯認証媒体の場合にはステップ206とステップ207に相当するステップがない。これらのステップに代えて、安全確認スイッチ36が操作された後に、出口扉開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードがかざされて、カードの情報が読み取られたか否かを判定するステップが設けられる。そして、カードの情報が読み取られた際にはステップ208のように出口扉22が閉鎖される。なお、安全確認スイッチ36が操作された後にカードを読み取るステップを設ける場合、読み取られるカードの情報は管理人のカードの情報であってもよい。この場合、運転者がステップ204において車両を退出させた後、出口扉22を閉めずにそのまま走り去った場合でも、管理人の操作により以後のステップが実施されるため、出口扉22を閉鎖することができる。
以上の入庫、出庫の制御例は、定期利用者(事前登録者)が利用する場合の入庫、出庫の制御例であったが、一時利用者(時間貸し利用者)の場合にも本発明は適用できる。図8はかかる場合の入庫の制御の際のフローチャートを示している。
一時利用者は、予め携帯認証媒体を所持していないので、まず携帯認証媒体の発券プロセスから開始されるので、入庫受付盤41におけるプロセスが、図4で示した定期利用者の場合と異なっている。すなわち、まず一時利用者は入庫受付盤41にて管理人の認証を受ける(ステップ300)。管理人は、入庫受付盤41に近くに居るか、あるいは入庫受付盤41から離れた場所にいても画像等によって、入庫受付盤41に近づいた者をモニタリングしている。そして一時利用者が入庫受付盤41に近づいた際には、定められた認証を行う。認証は入庫受付盤41に近づいた者が一時利用者かどうか、また機械式駐車装置の知識を有しているかどうかを確認し、当該知識がない場合には利用方法等の説明を行う。ただし法規等の定めにより、最終安全確認はあくまでも管理人が行う。もちろん法規等が改正された場合には、利用者が最終安全確認を行ってもよい。
そして一時利用者が前記知識を有することが確認できた後、あるいは一時利用者に対して所定の説明を行った後に、管理人が保有している入庫受付盤41、入出庫スタート盤31の通常動作を行うための操作を行う。当該操作は、たとえば管理人のみが保有している鍵や特定カードによって行う。これによって入庫受付盤41にある発券ボタンが操作可能となる。そして一時利用者によって発券ボタンが操作されると、駐車カードが発券される。発券ボタンが操作されないと駐車カードは発券されず、発券は中止される(ステップ301)。
駐車カードが発券されると、入庫受付盤41の排出口から駐車カードの一部が排出される。一時利用者はこの駐車カードを抜き取る。この駐車カードの抜き取り動作は確認され(ステップ302)、駐車カードの抜き取りが確認された場合には、入口扉21が開放される(ステップ303)。駐車カードの抜き取りが確認されない場合には、再びステップ302に戻る。このとき、例えば音声等によって駐車カードの抜き取りが促される。
以後のプロセスは、定期利用者の場合と同様であり、発券された駐車カードは、定期利用者が保有するカードと同様な機能を有し、ステップ303〜ステップ311は、図4に示した定期利用者のフローのステップ103〜ステップ111と同じである。ただし、安全確認スイッチ36の操作は、管理人が行う(ステップ307)。あるいは安全確認スイッチ36を一時利用者が操作しても、さらに管理人が別途安全のスイッチを作動させない限りは、次のステップに進めないようにしてもよい。
なお、図8に示した実施の形態においても、携帯認証媒体として、非接触、接触を問わず、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部(図示せず)にかざす形式のカード、スマートフォン等を用いてもよい。この場合、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31は、読み取り部に携帯認証媒体がかざされることで当該携帯認証媒体に記録された情報を読み取ることが可能な構成を有している。このときの入庫制御においては、図8に示した実施の形態のステップ301の駐車カードの発券に代えて、入庫受付盤41の読み取り部に携帯認証媒体をかざして利用者情報の読み取るステップが設けられる。一時利用者の場合、定期利用者の場合とは異なり、利用者氏名、車両ナンバー、有効期間などが記録されたカード等は所持していない。しかし、携帯認証媒体の一例であるスマートフォンや、鉄道やバスの利用時に使用されるIC乗車券、ICチップ入り運転免許証等には固有番号(固有ID)が記録されている。このため、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31が、読み取り部において携帯認証媒体から上記のような固有番号(固有ID)を読み取り、その固有番号(固有ID)の情報を登録するよう構成されていれば、一時利用者が入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部に携帯認証媒体をかざすことで、利用者を識別することが可能となる。したがって、一時利用者の場合であっても、図7に示した定期利用者の入庫フローと同様の入庫制御を実施することができる。なお、一時利用者の場合も図7のステップ157に相当するステップは省略してもよい。また、携帯認証媒体に記録された固有番号(固有ID)をインターネットや事前登録機により、機械式駐車装置Pの利用前に予め登録するようにしてもよい。事前登録機による登録の場合、例えば利用者氏名や車両情報などを入力により登録するようにしてもよい。
また一時利用者が出庫する場合のフローについては、図9に示した通りであり、カード情報の読み取り(ステップ400)〜出口扉22の閉鎖(ステップ408)までのプロセスは、基本的には、図5に示した定期利用者の出庫の際のフローのステップ200〜ステップ208と同じである。但し、安全確認スイッチ36の操作は、管理人が行う(ステップ405)。あるいは安全確認スイッチ36を一時利用者が操作しても、さらに管理人が別途安全のスイッチを作動させない限りは、次のステップに進めないようにしてもよい。
ところで、一時利用者は利用時間や車両のサイズなどに応じて駐車料金を支払う必要があるので、かかる駐車料金の精算プロセスが追加される。この精算プロセスは、駐車カードの読み取り操作の前に、別途設置されている精算装置(図示せず)によって行う。あるいは駐車カードの読み取りによって入庫済みかどうかが確認されるステップ401においてなされてもよい。そして精算されない場合には、駐車カードは排出され、以後のプロセスには進めない。
このように本発明は、一時利用者が機械式駐車装置Pを利用する場合にも適用でき、その安全性は定期利用者の場合と変わるところはない。
機械式駐車装置Pの入庫、出庫の制御は前記実施の形態で説明したものに限定されない。たとえば、定期利用者(事前登録者)の機械式駐車装置Pの出庫は図10に示したフローチャートのように制御してもよい。
図10に示したように、まず駐車させた利用者(運転者)は、入出庫スタート盤31の操作部32にあるカード挿入排出口34に携帯認証媒体であるカードを挿入する。そして挿入されたカードの情報が読み取られる(ステップ500)。読み取りができない場合には、再びステップ500に戻る。
読み取られた情報により、カードに記載されている車両特定のための特定情報が、入庫済みの車両と同一の情報であるかどうかが判断される(ステップ501)。入庫済みの車両であることが確認されない場合には、カードが排出され、以後のステップには進まない。入庫済みの車両であることが確認されると、出庫のための機械動作(たとえば搬器4による搬送など)が起動し(ステップ502)、図6に示したように、ターンテーブル2上の車両3の前方が、出口扉22の方に向けて停止する。
その後、カードが利用者によって抜き取られたかどうかが判定される(ステップ503)。カードが抜き取られた場合には、出口扉22が開放する(ステップ504)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ503に戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。
その後利用者(運転者)が車両3に乗り込み、乗降室1から車両を退出させる(ステップ505)。運転者が車両を退出させ、運転者が車両を降りてカードを入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34に挿入すると、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ506)。読み取りができない場合には、ステップ506へと戻る。そして読み取られた情報が、出口扉22の開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ507)。そして一致している場合には、安全確認スイッチ36の操作が可能になる。読み取られた情報が、出口扉22の開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ506へと戻るため、安全確認スイッチ36は操作できない。また車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合にも、安全確認スイッチ36は操作できない。
入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。この安全確認スイッチ36が操作されたかどうかが確認され(ステップ508)、確認された場合には、カードがカード挿入排出口34から排出される(ステップ509)。安全確認スイッチ36の操作が確認されない場合には、再びステップ508に戻る。
そしてカード挿入排出口34から排出されたカードを運転者が抜き取る。このカードの抜き取り動作は確認され(ステップ510)、抜き取りが確認された場合には、出口扉22が閉鎖される(ステップ511)。抜き取りが確認できない場合には、再びステップ510に戻る。この時、例えばカードの抜き取りを促す音声等が音声用スピーカ37から発せられる。
またカードが抜き取られた場合であっても、カード排出から所定時間、例えば10秒以上経過後の抜き取りであった場合、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ205へと戻るようになっている。また安全確認スイッチ36の操作後からカード抜き取りまでの間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONしたら、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ506へと戻る。
また出口扉22が閉鎖されるステップ511においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ506へと戻る。
以上のように図10に示した実施の形態によれば、入出庫スタート盤31によるカードの読み取り情報が所定情報と一致していることが確認されない限り、安全確認スイッチ36の操作はできなくなっている。なお、図10に示した実施の形態では定期利用者(事前登録者)が利用する場合の出庫の制御例について説明したが、一時利用者(時間貸し利用者)の出庫の制御についても同様に制御してもよい。但し、その場合には安全確認スイッチ36の操作は、管理人が行う。あるいは安全確認スイッチ36を一時利用者が操作しても、さらに管理人が別途安全のスイッチを作動させない限りは、次のステップに進めないようにしてもよい。
なお、図10に示した実施の形態では、携帯認証媒体として挿入式のカードを使用したが、携帯認証媒体は非接触、接触を問わず入出庫スタート盤31の読み取り部(図示せず)にかざす形式のカード、スマートフォン等であってもよい。この場合、入出庫スタート盤31は、読み取り部に携帯認証媒体がかざされることで当該携帯認証媒体に記録された情報を読み取ることが可能な構成を有している。この場合における定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の出庫制御について図11に基づいて説明する。
まず利用者(運転者)は、入出庫スタート盤31の読み取り部に携帯認証媒体としてのカードをかざし、入出庫スタート盤31でカードの情報が読み取られる(ステップ550)。カードの情報が読み取れない場合には、再びステップ550へと戻る。
続いて、カードから読み取られた車両特定のための特定情報が、入庫済みの車両と同一の情報であるかどうかが判断される(ステップ551)。入庫済みの車両であることが確認されない場合には、そのことが利用者に報知されるよう警告音や音声等が発生し、以後のステップには進まない。入庫済みの車両であることが確認されると、出庫のための機械動作(たとえば搬器4による搬送など)が起動し(ステップ552)、図6に示したように、ターンテーブル2上の車両3の前方が、出口扉22の方に向けて停止する。その後出口扉22が開放する(ステップ553)。
その後利用者(運転者)が車両3に乗り込み、乗降室1から車両を退出させる(ステップ554)。そして、運転者が車両を降りてカードを入出庫スタート盤31の読み取り部にかざすと、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ555)。読み取りができない場合には、ステップ555へと戻る。カードの読み取りが完了すると、読み取られたカードの情報が、出口扉22の開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ556)。そして一致している場合には、安全確認スイッチ36の操作が可能になる。読み取られた情報が、出口扉22の開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ555へと戻るため、安全確認スイッチ36は操作できない。また車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合にも、安全確認スイッチ36は操作できない。
入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。この安全確認スイッチ36が操作されたかどうかが確認され(ステップ557)、安全確認スイッチ36が操作された場合にはカードの読み取りを待機する状態となる(ステップ558)。安全確認スイッチ36の操作が確認されない場合には、再びステップ557に戻る。
運転者が入出庫スタート盤31の読み取り部にカードをかざし、出口扉開放前の入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報が出口扉開放後の入出庫スタート盤31で読み取られた場合には、出口扉22が閉鎖される(ステップ559)。運転者が入出庫スタート盤31の読み取り部にカードをかざしていないか、あるいは読み取り部にカードをかざしてもうまく読み取られない場合のようにカードの読み取りが確認できない場合には、再びステップ558に戻る。また本実施の形態では、所定時間、例えば10秒以上経過しても未だカードの情報が読み取られない場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ555へと戻るようになっている。また安全確認スイッチ36の操作後からカードが読み取られるまでの間に、車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONしたら、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ555へと戻る。
また出口扉22が閉鎖されるステップ559においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ555へと戻る。
以上のように図11に示した実施の形態では、携帯認証媒体として入出庫スタート盤31の読み取り部にかざす形式の携帯認証媒体を用いているが、挿入式の携帯認証媒体を用いた図10に示した実施の形態のような出庫制御を行うことができる。なお、図11に示した実施の形態のステップ558は省略してもよい。すなわち、ステップ557において安全確認スイッチ36が操作された後に自動的に出口扉22が閉鎖されるようにしてもよい。
また、機械式駐車装置Pの入庫および出庫は図12および図13に示したフローチャートのように制御してもよい。なお、図12および図13に示した実施の形態の機械式駐車装置Pは、携帯認証媒体であるカードがカード挿入排出口34に挿入される際に、カードの全体が入出庫スタート盤31の内部に収容されず、一部がカード挿入排出口34から外側に出た状態でカードの情報を読み取るように構成されている。
図12は、定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の入庫のフローチャートを示している。図12のステップ600〜604は図4に示した定期利用者のフローのステップ100〜ステップ104と同じである。以降のステップは次の通りである。
車両3の所定位置へのセットが完了すると、安全確認スイッチ36の操作が可能になる(ステップ605)。運転者は乗降室1から退出し、入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。安全確認スイッチ36が操作されない場合には再びステップ605へと戻る。
その後運転者がカードを入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34に挿入すると、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ606)。読み取りができない場合には、ステップ606へと戻る。
カードの読み取りが完了したら、カードの抜き取り動作が行われたかどうかが判定される(ステップ607)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ607に戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。一方、カードの抜き取り動作が行われた場合には、その抜き取り動作がトリガーとなって、カードから読み取られた情報が入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ608)。そして一致している場合には、入口扉21の閉信号が出力され、入口扉21が閉鎖する(ステップ609)。カードから読み取られた情報が、入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ605へと戻る。
また、入口扉21が閉鎖されるステップ609においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ605へと戻る。
そして入口扉21が閉鎖されると、入庫動作が完了したものと判定され(ステップ610)、搬器4が起動して、乗降室1内の車両3は、所定の駐車格納庫まで搬送される。
以上のように図12に示した実施の形態によれば、乗降室1内の所定位置に車両3をセットした後、入口扉21を閉鎖する際に、カード挿入排出口34からカードを抜き取る動作がトリガーとなって、入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と、入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報とが一致するかの判定がなされ、カードの情報が一致した場合には自動的に入口扉21の閉信号が出力される。すなわち、その判定以後に運転者が入出庫スタート盤31の操作をすることなく、自動的に入口扉21が閉鎖される。
また、図12に示した実施の形態の変形例として、ステップ605で安全確認スイッチ36を押した後、安全確認スイッチ36を押したままの状態で、ステップ606およびステップ607を行うようにしてもよい。この際、ステップ607のカード抜き取り動作が終了する前に、安全確認スイッチ36の押下が解除された場合(例えば運転者が安全確認スイッチ36から指を離した場合)にはステップ605に戻る。
次に、図13に示したフローチャートに基づく機械式駐車装置Pの出庫の制御例について説明する。
図13は、定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の出庫のフローチャートを示している。図13に示したように、まず駐車させた利用者(運転者)は、入出庫スタート盤31の操作部32にあるカード挿入排出口34に携帯認証媒体であるカードを挿入する。そして挿入されたカードの情報が読み取られる(ステップ700)。読み取りができない場合には、再びステップ700に戻る。
読み取られた情報により、カードに記載されている車両特定のための特定情報が、入庫済みの車両と同一の情報であるかどうかが判断される(ステップ701)。入庫済みの車両であることが確認されない場合には、以後のステップには進まない。入庫済みの車両であることが確認されると、出庫のための機械動作(たとえば搬器4による搬送など)が起動し(ステップ702)、図6に示したように、ターンテーブル2上の車両3の前方が、出口扉22の方に向けて停止する。
その後、カードが利用者によって抜き取られたかどうかが判定される(ステップ703)。カードが抜き取られた場合には、出口扉22が開放する(ステップ704)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ703に戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。
その後利用者(運転者)が車両3に乗り込み、乗降室1から車両を退出させる(ステップ705)。運転者が車両を退出させると、安全確認スイッチ36の操作が可能になる(ステップ706)。運転者が車両を降り、入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。安全確認スイッチ36が操作されない場合には再びステップ706へと戻る。
その後運転者がカードを入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34に挿入すると、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ707)。読み取りができない場合には、ステップ707へと戻る。
カードの読み取りが完了したら、カードの抜き取り動作が行われたかどうかが判定される(ステップ708)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ708に戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。一方、カードの抜き取り動作が行われた場合には、その抜き取り動作がトリガーとなって、カードから読み取られた情報が出口扉開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ709)。そして一致している場合には、出口扉22の閉信号が出力され、出口扉22が閉鎖する(ステップ710)。カードから読み取られた情報が、出口扉開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ706へと戻る。
また、出口扉22が閉鎖されるステップ710においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ706へと戻る。
以上のように図13に示した実施の形態によれば、車両3の出庫後、出口扉22を閉鎖する際に、カード挿入排出口34からカードを抜き取る動作がトリガーとなって、出口扉開放前に読み取られたカードの情報と、その後に再度読み取られたカードの情報とが一致するかの判定がなされ、カードの情報が一致した場合には自動的に出口扉22の閉信号が出力される。すなわち、その判定以後に運転者が入出庫スタート盤31の操作をすることなく、自動的に出口扉22が閉鎖される。
また、図13に示した実施の形態の変形例として、ステップ706で安全確認スイッチ36を押した後、安全確認スイッチ36を押したままの状態で、ステップ707およびステップ708を行うようにしてもよい。この際、ステップ708のカード抜き取り動作が終了する前に、安全確認スイッチ36の押下が解除された場合(例えば運転者が安全確認スイッチ36から指を離した場合)にはステップ706に戻る。
なお、図13に示した実施の形態では、車両3の出庫後に出口扉22を閉鎖する際の、出口扉開放前に読み取られたカードの情報と再度読み取られたカードの情報とが一致するかの判定、および出口扉22の閉信号の出力をカードの抜き取り動作をトリガーとして行うようにしたが、その判定と閉信号の出力はカードを挿入する動作をトリガーとして行うようにしてもよい。この場合、たとえばステップ706において安全確認スイッチ36を押した後に、入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34にカードを挿入する。そして、その動作がトリガーとなって、その後のカードの読み取り、カードから読み取られた情報と出口扉開放前のカードの情報とが一致するかの判定、および出口扉22の閉信号の出力が自動的に行われる。このような実施の形態であっても、カードから読み取られた情報と出口扉開放前のカードの情報とが一致するかの判定以後に運転者が入出庫スタート盤31の操作をすることなく、自動的に出口扉22が閉鎖される。この場合、カードの抜き取りは出口扉22の閉鎖後に行われる。
以上の図12、図13に示した実施の形態では、携帯認証媒体として挿入式のカードを使用したが、携帯認証媒体は非接触、接触を問わず入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部(図示せず)にかざす形式のカード、スマートフォン等であってもよい。この場合、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31は、読み取り部に携帯認証媒体がかざされることで当該携帯認証媒体に記録された情報を読み取ることが可能な構成を有している。この場合における定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の入庫制御について図14に基づいて説明する。
図14のステップ650〜653は図7に示した定期利用者のフローのステップ150〜153と同じである。以降のステップは次の通りである。
車両3の所定位置へのセットが完了すると、安全確認スイッチ36の操作が可能になる(ステップ654)。運転者は乗降室1から退出し、入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。安全確認スイッチ36が操作されない場合には再びステップ654へと戻る。
その後運転者がカードを入出庫スタート盤31の読み取り部にかざし、入出庫スタート盤31によりカード情報の読み取りがなされる(ステップ655)。読み取りができない場合には、ステップ655へと戻る。
入出庫スタート盤31によりカードの読み取りが完了すると、その読み取り動作がトリガーとなって、カードから読み取られた情報が入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ656)。一致している場合には、入口扉21の閉信号が出力され、入口扉21が閉鎖される(ステップ657)。カードから読み取られた情報が、入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ654へと戻る。
また、入口扉21が閉鎖されるステップ657においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ654へと戻る。
そして入口扉21が閉鎖されると、入庫動作が完了したものと判定され(ステップ658)、搬器4が起動して、乗降室1内の車両3は、所定の駐車格納庫まで搬送される。
以上のように図14に示した実施の形態では、携帯認証媒体として入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部にかざす形式の携帯認証媒体を用いているが、挿入式の携帯認証媒体を用いた図12に示した実施の形態のような入庫制御を行うことができる。
次に、携帯認証媒体がかざす形式である場合の図13に示した実施の形態に対応する定期利用者(事前登録者)の出庫制御について図15に基づいて説明する。
図15のステップ750〜754は図11に示した定期利用者のフローのステップ550〜554と同じである。以降のステップは次の通りである。
運転者が車両を退出させると、安全確認スイッチ36の操作が可能になる(ステップ755)。運転者が車両を降り、入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認した後、運転者は安全確認スイッチ36を操作する。安全確認スイッチ36が操作されない場合には再びステップ755へと戻る。
その後運転者がカードを入出庫スタート盤31の読み取り部にかざすと、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ756)。読み取りができない場合には、ステップ756へと戻る。カードの読み取りが完了すると、読み取られたカードの情報が、出口扉22の開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ757)。そして一致している場合には、出口扉22の閉信号が出力され、出口扉22が閉鎖する(ステップ758)。カードから読み取られた情報が、出口扉開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ755へと戻る。
以上のように図15に示した実施の形態では、携帯認証媒体として入出庫スタート盤31の読み取り部にかざす形式の携帯認証媒体を用いているが、挿入式の携帯認証媒体を用いた図13に示した実施の形態のような出庫制御を行うことができる。
また、機械式駐車装置Pの入庫および出庫は図16および図17に示したフローチャートのように制御してもよい。なお、図16および図17に示した実施の形態の機械式駐車装置Pは、携帯認証媒体であるカードがカード挿入排出口34に挿入される際に、カードの全体が入出庫スタート盤31の内部に収容されず、一部がカード挿入排出口34から外側に出た状態でカードの情報を読み取るように構成されている。
図16は、定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の入庫のフローチャートを示している。図16のステップ800〜804は図12に示した定期利用者のフローのステップ600〜ステップ604と同じである。以後のステップは次の通りである。
車両3の所定位置へのセットが完了すると、運転者は目視や反射鏡、モニタ映像等により乗降室1内の安全を確認する(ステップ805)。本実施の形態では、入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認する。
その後運転者がカードを入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34に挿入すると、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ806)。読み取りができない場合には、ステップ806へと戻る。
カードの読み取りが完了したら、カードの抜き取り動作が行われたかどうかが判定される(ステップ807)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ807に戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。一方、カードの抜き取り動作が行われた場合には、その抜き取り動作がトリガーとなって、カードから読み取られた情報が入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ808)。そして一致している場合には、入口扉21の閉信号が出力され、入口扉21が閉鎖する(ステップ809)。カードから読み取られた情報が、入庫受付盤41で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ806へと戻る。
また、入口扉21が閉鎖されるステップ809においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ23のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ806へと戻る。
そして入口扉21が閉鎖されると、入庫動作が完了したものと判定され(ステップ810)、搬器4が起動して、乗降室1内の車両3は、所定の駐車格納庫まで搬送される。
以上のように図16に示した実施の形態によれば、乗降室1内の所定位置に車両3をセットした後、入口扉21を閉鎖する際に、安全確認スイッチ36の操作を省略して入庫制御を行うことができる。
なお、図16に示した実施の形態では、携帯認証媒体として挿入式のカードを使用したが、携帯認証媒体は非接触、接触を問わず入庫受付盤41や入出庫スタート盤31の読み取り部(図示せず)にかざす形式のカード、スマートフォン等であってもよい。この場合、入庫受付盤41や入出庫スタート盤31は、読み取り部に携帯認証媒体がかざされることで当該携帯認証媒体に記録された情報を読み取ることが可能な構成を有している。この場合における定期利用者の入庫制御は、図14のステップ650〜653、図16のステップ805、図14のステップ655〜658のフローに沿って実施される。すなわち、運転者が車両3の所定位置へのセットが完了した後、運転者は目視や反射鏡、モニタ映像等により乗降室1内の安全を確認する。その後運転者がカードを入出庫スタート盤31の読み取り部にかざし、入出庫スタート盤31でカードの情報が読み取られる動作をトリガーとして以後のステップに進んでいく。
次に、図17に示したフローチャートに基づく機械式駐車装置Pの出庫の制御例について説明する。
図17は、定期利用者(事前登録者)が機械式駐車装置Pを利用する際の出庫のフローチャートを示している。図17のステップ900〜905は図13に示した定期利用者のフローのステップ700〜ステップ705と同じである。以後のステップは次の通りである。
運転者は車両3を退出させた後、目視や反射鏡、モニタ映像等により乗降室1内の安全を確認する(ステップ906)。本実施の形態では、入出庫スタート盤31のディスプレイ装置33によって乗降室1内の安全を目視にて確認する。
その後運転者がカードを入出庫スタート盤31のカード挿入排出口34に挿入すると、カードの情報の読み取りがなされる(ステップ907)。読み取りができない場合には、ステップ907へと戻る。
カードの読み取りが完了したら、カードの抜き取り動作が行われたかどうかが判定される(ステップ908)。カードが抜き取られない場合には、再びステップ908に戻る。この際、たとえば音声用スピーカ37によってカードの抜き取りが促される。一方、カードの抜き取り動作が行われた場合には、その抜き取り動作がトリガーとなって、カードから読み取られた情報が出口扉開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致するかどうかの判定がなされる(ステップ909)。そして一致している場合には、出口扉22の閉信号が出力され、出口扉22が閉鎖する(ステップ910)。カードから読み取られた情報が、出口扉開放前に入出庫スタート盤31で読み取られたカードの情報と一致していない場合には、ステップ907へと戻る。
また、出口扉22が閉鎖されるステップ910においても、閉鎖動作中に車長センサ5、6、車幅センサ7、8、室内センサ11〜14、扉センサ24のいずれかがONした場合には、何かしらの異常があったものと判断し、ステップ910へと戻る。
以上のように図17に示した実施の形態によれば、車両3の出庫後、出口扉22を閉鎖する際に、安全確認スイッチ36の操作を省略して出庫制御を行うことができる。
なお、図17に示した実施の形態では、携帯認証媒体として挿入式のカードを使用したが、携帯認証媒体は非接触、接触を問わず入出庫スタート盤31の読み取り部(図示せず)にかざす形式のカード、スマートフォン等であってもよい。この場合、入出庫スタート盤31は、読み取り部に携帯認証媒体がかざされることで当該携帯認証媒体に記録された情報を読み取ることが可能な構成を有している。この場合における定期利用者の出庫制御は、図15のステップ750〜754、図17のステップ906、図15のステップ756〜758のフローに沿って実施される。すなわち、運転者が車両3を退出させた後、運転者は目視や反射鏡、モニタ映像等により乗降室1内の安全を確認する。その後運転者がカードを入出庫スタート盤31の読み取り部にかざし、入出庫スタート盤31でカードの情報が読み取られる動作をトリガーとして以後のステップに進んでいく。
以上の実施の形態は、いわゆるエレベータ方式による地下式の立体機械式駐車装置であったが、本発明はもちろんかかる構造の機械式駐車装置に限らず、種々の形態の機械式駐車装置に適用可能である。たとえば、自動車を駐車させる複数の機器を垂直面内に円形または長円形に配置して連続循環させる垂直循環方式、上下に駐車空間を形成して循環させる円形循環式や箱型循環式などの多層循環方式、エレベータ方式の昇降装置に走行機能を付加したエレベータ・スライド方式、ビルの地下部分を水平方向に利用して水平面内に多数の搬送機器を2列以上配置して循環移動する水平循環方式、自走では入庫できないスペースに 入庫の障害になる手前の自動車を横に移動させながら搬送したり、多重に駐車させるようにした平面往復方式の機械式駐車装置にも本発明は適用可能である。
また入出庫口の方向についても、前記した実施の形態では、乗降室1内にターンテーブル2を有するいわゆる任意型であったが、これに限らず、通り抜けタイプ、入出庫口共通タイプ、直交タイプなどにも適用可能である。
図18に示した例は、通り抜けタイプを示しており、この例では、入口扉21と出口扉22は乗降室1において対向配置されている。そして図示したように、入庫する車両は図中の右側から入口扉21に進入し、出庫する車両3は図中の左側の出口扉22から退出する。かかる場合、入出庫スタート盤31は、その機能を入庫時と出庫時とに分け、入口扉21側には、入庫時の機能を有する入庫スタート盤51を設置し、既述のステップ105〜111をこの入庫スタート盤51にて行う(一時利用の場合には、ステップ305〜311)。そして出口扉22側には、出庫スタート盤61を設置し、既述のステップ205〜207をこの出庫スタート盤61にて行う(一時利用の場合には、ステップ405〜407)。なお図中の52は、左ハンドルの場合に対応するオプションの入庫スタート盤52である。
図19に示した例は、入出庫口共通タイプの例を示しており、この例では、入口扉と出口扉が兼用される出入口扉71が、乗降室1の一側に設けられている。したがって車両3の入庫、出庫は、この出入口扉71を通して行われる。かかる例でも、本発明は適用可能であり、基本操作は、前出実施の形態と変わらず、前出実施の形態における入口扉21、出口扉22の開閉は、この出入口扉71の開閉で代替される。