以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<A.第1実施形態>
<A1.構成>
図1は、第1実施形態に係る駐車場管理システム1(1A)の構成を示す図である。以下では、垂直循環式駐車装置10を管理する駐車場管理システム1Aを例示する。また、ここでは、垂直循環式駐車装置として、ビル(建物)BLに組み込まれたタイプのものを例示する。
この駐車装置10においては、ビルBLなどに入居しているテナント等(契約者)の関係車両が駐車されるとともに、ビルBLなどに入居しているテナント等を訪問先とする来訪者(来客者等)の車両も駐車される。後述するように、両者それぞれに適した手法を使い分けて入出庫操作を行うことによって、セキュリティを確保した上で、来訪者に対する駐車を効率的に許可することが可能になる。
垂直循環式駐車装置10は、複数の車両を駐車させることが可能な機械式駐車装置であり、各車両を搭載する複数の車両搭載用ケージ(駐車スペース)16を有している。各車両搭載用ケージ(以下、単に「ケージ」とも称する)16は、アタッチメント17を介して前後一対の無端チェーン18にそれぞれ連結されている。無端チェーン18は、上部スプロケット21および下部スプロケット22に巻き掛けられており、複数のケージ16は、無端チェーン18を駆動部13(図2参照)等を用いて駆動することにより、循環移動される。そして、このような循環移動動作によって、入出庫対象のケージ16が入出庫口19に対応する位置に移動され、車両は、入出庫階の入出庫口19から、車両乗入位置にあるケージ16に乗り入れることなどが可能になる。
図2は、駐車場管理システム1Aの概略を示すブロック図である。
この駐車場管理システム1Aは、操作盤30と制御装置50とを備えている。
制御装置50は、CPU2と記憶部3とを有している。記憶部3は、制御プログラムを記憶したROM4と各種のデータを記憶したRAM5とを有している。CPU2は、ROM4に格納された制御プログラムに従って、後述する各種の制御動作を行う。
操作盤30は、駐車装置10の入出庫口19付近の外部側に設けられており(図1参照)、駐車装置10の入出庫操作を行うために用いられる。操作盤30は、操作部7とカードリーダ/ライタ8とを有している。操作部7は、表示部7aと入力部7bと有しており、運転操作等に関する各種情報を表示するとともに、運転操作等に関する各種の操作入力を受け付ける。カードリーダ/ライタ8は、この駐車場の利用者に発行される磁気カード(駐車カード)11に磁気記録された各種の情報(図14参照、後述)を読み取るリーダ部と、磁気カード11の記録部12に各種の情報を書き込むライタ部とを有している。また、カードリーダ/ライタ8は、磁気カード11の吸込動作および排出動作を行う駆動部、使用済み磁気カード11を保管するカード保管部をも有している。なお、操作盤30については、後に詳述する。
CPU2は、I/O装置6を介して、操作部7およびカードリーダ/ライタ8のそれぞれと接続されており、各種情報の授受を行う。
また、CPU2は、I/O装置6を介して、案内表示器9、駆動部13および検知器14のそれぞれとも接続されている。駆動部13は、駐車装置10における無端チェーン18等を駆動する駐車装置駆動部13Aと、入出庫口19に設けられた扉の開閉駆動動作等を行う扉開閉駆動部13Bとを有している。検知器14は、入出庫口19付近に設けられて車両および人間の存在の有無等を検知する車両等検知器14A(図13も参照)と、ケージ16が入出庫の際に存在するべき位置(着床位置)に存在しているか否かを検知するケージ着床検知器14Bとを有している。案内表示器9は、入出庫口19の扉の直上位置に設けられ利用者に対する案内表示を行う入出庫口案内表示器9A(図1も参照)と、入出庫口19のケージ16の奥側に設けられ車両の運転者に対する入庫案内表示を行う入庫案内表示器9B(図13も参照)とを有している。CPU2は、検知器14による検知情報等に基づいて、駐車装置10を駆動部13によって駆動するとともに、案内表示器9を用いて各種の案内表示を行う。
図3は、操作盤30の構成をより詳細に示す外観図である。
操作盤30は、図3の左側部分に配置された主操作部30Aと、図3の右側部分に配置された副操作部30Bとを有している。主操作部30Aは、一の手法MAで入出庫を行う際に操作者によって用いられる操作部であり、副操作部30Bは、別の手法MBで入出庫を行う際に操作者によって用いられる操作部である。副操作部30Bは、主として来訪者が操作する操作部であり、この副操作部30Bによれば、簡便な操作での入出庫が可能である。
ここにおいて、手法MAは暗証番号等を用いた認証動作を伴う手法である。ビルBLなどに入居しているテナント等(契約者)のオーナーおよび従業員等は、当該テナント等の関係車両を駐車する際に、主操作部30Aを用いた手法MAを用いて車両の入出庫を行う。
一方、手法MBは、訪問先から出庫許可を得た場合にのみ出庫が可能となることを利用する手法であり、暗証番号を用いる必要が無いなどの特徴を有している。テナント等への訪問者は、テナント等の訪問先への来訪者の車両の車両を駐車する際に、副操作部30Bを主に用いた別の手法MBを用いて車両の入出庫を行う。なお、これらの各手法MA,MBを用いた入出庫動作については、後に詳述する。
操作盤30のうち主操作部30Aは、様々な情報を表示する表示部と、暗証番号等を用いた入出庫操作を行うための入力部とを有している。
具体的には、主操作部30Aは、現在車両が搭載されていないケージの数(すなわち空車台数)を表示する空車台数表示部31と、現在車両が搭載されているケージの数(すなわち実車台数)を表示する実車台数表示部32と、現在入出庫口19に存在するケージの番号を表示する入口番号表示部33と、入出庫対象として呼び出すケージの番号を表示する呼番号表示部34と、目的のケージを呼び出すまでの待ち時間を表示する待時間表示部35と、車両入庫中のケージ番号に対応する部分を点灯させることによって、車両がどのケージに入庫しているかを知ることができる実車表示ランプ36とを有している。また、主操作部30Aは、暗証番号入力等に用いられる数字キー等を含むテンキー37と、暗証番号を入力することを知らせるための暗証釦38と、空のケージを呼び出す空呼釦39と、駐車装置の駆動動作を開始させるためのスタート釦40とを備えている。さらに、主操作部30Aにおいては、アクリル板45で覆われた部分において、使用頻度が少ない釦類がまとめて設けられている。図4は、このアクリル板45の下側に配置された各種の釦類を示す図である。図4に示すように、制御電源のオンおよびオフを切り替えるメインスイッチ43等が設けられている。
一方、副操作部30Bは、来訪者から当該来訪者の訪問先に関する指定入力を受け付ける機能を有している。具体的には、副操作部30Bは、店舗あるいは会社等の各訪問先VA〜VDに対応付けて設けられた複数(ここでは4つ)の訪問先指定釦48A〜48D(総称する場合は訪問先指定釦48)と、磁気カード11の出し入れの際に用いられるカード出入口49とを備えている。カード出入口49は、副操作部30Bに内蔵されたカードリーダ/ライタ8の一部として構成される。なお、操作盤30に内蔵されたカードリーダ/ライタ8は、手法MBによる入庫の際に駐車カード(磁気カード11)を発行するとともに、当該手法MBによる出庫の際にその駐車カードに記録された情報を読み出す機能等を有している。
また、駐車場管理システム1Aは、さらに訪問先端末60(図1参照)を備えている。訪問先端末60は、来訪者の訪問先(テナント等(被訪問者))ごとに設置されている。各訪問先端末60は、カードリーダ/ライタ61を有している。後述するように、来訪者がその訪問先であるテナント等を訪れた際には、このカードリーダ/ライタ61によって来訪証明情報が磁気カード11に記録される。来訪者は、来訪証明情報が付与された磁気カード11を用いることによって、自己の車両を駐車装置10から出庫することが可能になる。
また、図5は、駐車場管理システム1Aにおける各機能を示す機能ブロック図である。図5に示すように、駐車場管理システム1Aの制御装置50は、認証部51と、入庫制御部52と、出庫制御部53と、駐車情報管理部54と、駆動制御部55とを備えている。これらの各機能部51〜55は、CPU2等を用いて上述の制御プログラムを実行することによって実現される。
認証部51は、暗証番号による認証を行う処理部である。また、入庫制御部52は、来訪者に対する入庫許可を与えるか否かについての判定等を行う処理部であり、出庫制御部53は、来訪者に対する出庫許可を与えるか否かについての判定等を行う処理部である。さらに、駐車情報管理部54は、入庫中のケージ番号等の情報を管理する処理部である。駐車情報管理部54は、空ケージを検索する機能をも有している。駆動制御部55は、駐車装置10の駆動制御を行う処理部である。これらの各機能部による動作については以下で詳述する。
<A2.動作>
<概要>
図6〜図10は、駐車場管理システム1Aを用いた入出庫動作を示すフローチャートである。これらの図を参照しながら2つの手法MA,MBによる入出庫動作について説明する。
まず、図6に示すように、主操作部30Aに対する操作が有ったとステップS1において判定される場合にはステップS11(図7)に進み、手法MAによる入出庫動作が行われる。一方、副操作部30Bに対する操作が有ったとステップS2において判定される場合にはステップS51(図9)に進み手法MBによる入出庫動作が行われる。
ここでは、この駐車場の利用契約者を2つの種別に分けて、種別ごとに異なる手法を用いて入出庫動作を行うものとする。具体的には、駐車場の利用契約者を「個人契約者」と「特定契約者」との2つに大別する。「個人契約者」は、暗証番号を利用した手法MAによって入出庫動作を行い、「特定契約者」は、訪問先端末60による来訪証明情報(出庫許可)の付与を条件として出庫が可能となる手法MBによって入出庫動作を行う。
図11に示すように、駐車場管理システム1Aの記憶部3には、各個人契約者および各特定契約者についてのケージ割当数等を記録したテーブルTBLが記憶されている。個人契約者に対しては、各暗証番号に対して所望のケージ割当数(ここではそれぞれ1つ)が割り当てられる。また、特定契約者に対しては、それぞれ所望のケージ割当数(ここではそれぞれ2つあるいは3つ)が割り当てられるが、暗証番号は付与されない。
なお、後述するように、このテーブルTBLにおいては、「入庫状況」に関する情報、具体的には、各契約者ごとの入庫車両のケージ番号が随時更新されて記憶される。
また、図12は、個人契約者による手法MAを用いた入出庫操作と特定契約者による手法MBを用いた入出庫操作との概要を表形式にまとめて示す図である。以下では、これらの入出庫操作について詳述する。
<手法MAによる入庫動作>
まず、個人契約者が手法MAを用いて入庫する場合について説明する。
個人契約者は、入庫に際して、まず暗証釦38を押下し、続いてテンキー37を用いて暗証番号を入力する。制御装置50(認証部51)は、暗証釦38の押下と暗証番号の入力を確認(図6、ステップS11,S12)するとともに、入力された暗証番号が登録されたものであるか否かを確認する(ステップS13)。暗証番号が正規のものであることが確認された場合のみ、次のステップS14に進む。
つぎに、個人契約者は、空呼釦39およびスタート釦40を順次押下する。
ステップS14では、空呼釦39が押下されたか否かを確認し、空呼釦39が押下されたことによって、操作者が入庫を要求していると判定し、続いてスタート釦40が押下される(ステップS15)とステップS16に進む。なお、空呼釦39が押下されることなくスタート釦40(ステップS31)が押下された場合には、操作者が出庫を要求していると判定し、ステップS32(図8)に進む。出庫動作については後述する。
次のステップS16では、制御装置50(駐車情報管理部54)は、入出庫口19に近い空ケージを検索して選択するとともに、循環方向(時計回りあるいは反時計回り)を決定する。その後、駆動部13(駐車装置駆動部13A)によってケージが循環駆動され(ステップS17)、入出庫口19に空ケージが到着したと判定される(ステップS18)と、ケージの循環駆動が停止し(ステップS19)、扉開閉駆動部13Bによって扉が駆動されて扉が開かれる(ステップS20)。
その後、操作者が入庫作業(ステップS21)を行う。具体的には、操作者は、自己の車両に乗車し、当該車両を前進させて、入出庫口19のケージ16の所定位置に当該車両を停止させて降車し、ケージの移動空間である駐車塔の内部から退出して、安全を確認した上で扉閉釦41を押下する。制御装置50(駆動制御部55)は、入庫完了が完了したこと(ステップS22)、駐車塔内が無人であること(ステップS23)、扉閉釦41が押下されたこと(ステップS24)を確認した後に、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を閉じる(ステップS25)。そして、制御装置50(駐車情報管理部54)は、ステップS26において、入庫ケージ番号と暗証番号とを対応づけて記憶部3に記憶する。以上のようにして、手法MAによる入庫動作が終了する。
<手法MAによる出庫動作>
次に、個人契約者が手法MAを用いて出庫する場合について説明する。ここでは、操作者によって主操作部30Aを用いて暗証番号等が入力された後に空呼釦39が押下されることなくスタート釦40が押された場合を想定し、ステップS32以降の処理について図8を参照しながら説明する。
次のステップS32では、制御装置50(駐車情報管理部54)は、暗証番号に対応したケージ番号を選択して、そのケージをより短時間で入出庫口に移動させることが可能な循環方向(時計回りあるいは反時計回り)を決定する。その後、駆動部13(駐車装置駆動部13A)によってケージが循環駆動され(ステップS33)、入出庫口19に対象ケージが到着したと判定される(ステップS34)と、ケージの循環駆動が停止し(ステップS35)、扉開閉駆動部13Bによって扉が駆動されて扉が開かれる(ステップS36)。
その後、操作者が出庫作業(ステップS37)を行う。具体的には、操作者は、駐車塔内に入り自己の車両に乗車し、自己の車両を後退させてケージから出庫させた後、一旦降車して、安全を確認した上で操作盤30の扉閉釦41を押下する。制御装置50(駆動制御部55)は、出庫完了が完了したこと(ステップS38)、駐車塔内が無人であること(ステップS39)、扉閉釦41が押下されたこと(ステップS40)を確認した後に、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を閉じる(ステップS41)。そして、制御装置50(駐車情報管理部54)は、ステップS42において、入庫ケージ番号と暗証番号との対応情報(詳細には暗証番号に対応付けられた入庫ケージ番号)を記憶部3から消去する。以上のようにして、手法MAによる出庫動作が終了する。
<手法MBによる入庫動作>
今度は、特定契約者を訪問先とする来訪者(訪問者)がもう1つの手法MBを用いて入庫する場合について説明する。具体的には、特定契約者である訪問先VA(○×店)への来訪者が、この駐車装置10に入庫させる場合を想定する。なお、ここでは、訪問先への訪問者(来訪者)が手法MBを用いる場合について説明するが、特定契約者自身(オーナーおよび従業者等を含む)も同様の手法を用いて入庫および出庫させることが可能である。
この手法MBには暗証番号が不要であり、操作者は比較的簡易な操作で入庫動作を行うことが可能である。
まず、来訪者は、副操作部30Bに設けられた複数の訪問先指定釦(特定契約者指定釦とも表現される)48A〜48Dのうち、自らが訪問する予定の訪問先VAに対応する1つの釦、具体的には訪問先指定釦48Aを押下する。すなわち、操作者(訪問者)からの訪問先指定釦48Aを用いた指定入力によって、訪問先が指定されることになる。この訪問先指定釦48Aは、当該釦に対応する「○×店」への訪問意志を示すための釦であるとも表現できる。
制御装置50(入庫制御部52)は、磁気カード11が挿入されることなく訪問先指定釦48A〜48Dのいずれかが押下されたことを確認すると(ステップS51,S52)、入庫が要求されているものと判定して、ステップS53に進み、入庫動作を行う。
なお、訪問先指定釦の入力の前にカードが挿入されたことが確認(ステップS51)された場合には、出庫が要求されているものと判定して、ステップS71(図10)に進み、出庫動作を行う。この出庫動作については後に詳述する。
さて、ステップS53では、訪問先VAに関する現在の入庫情報(詳細にはテーブルTBL(図11))に基づいて、来訪者に対する入庫許可を与えるか否かが、制御装置50の入庫制御部52によって判定される。詳細には、訪問先VAに割り当てられた入庫可能台数と現在入庫中の台数とを比較して、空き(訪問先VAの未使用分)が存在するか否かを確認し、空きが存在することを条件として入庫許可が与えられる。言い換えれば、ステップS52で指定された訪問先VAへの来訪者による現在の入庫台数(すなわち訪問先VA向けの現入庫台数)が、その訪問先VAに予め割り当てられた駐車台数(訪問先VA向けの最大入庫可能台数)よりも少ないか否かが判定される。
訪問先VA向けの現入庫台数が訪問先VA向けの最大入庫可能台数に既に到達している場合には、入庫制御部52は入庫不可案内を行う。具体的には、操作盤30に設けられたスピーカ(図示せず)から、割当数超過のため○×店への訪問者向けの駐車ができないことを示す内容の音声出力等を行う(ステップS54)。なお、これに限定されず、操作盤30に、液晶表示部等を設けて、同様の内容の表示出力を行うようにしてもよい。
一方、訪問先VA向けの現入庫台数が訪問先VA向けの最大入庫可能台数よりも少ない場合、すなわち当該訪問先VA向けに未だ空きがある場合には、入庫制御部52は、当該来訪者に対する入庫許可を付与する。
そして、制御装置50は、入出庫口19に近い空ケージを選択して循環方向(時計回りあるいは反時計回り)を決定する(ステップS55)。
具体的には、制御装置50の入庫制御部52は、訪問先VA(○×店)向けの空きがあるか否かを判断する。図11の割り当てテーブルTBLに示すように、訪問先VA(○×店)向けのケージ割当数「2」のうち、1つが使用中であるもののもう1つが未使用の場合(すなわち未使用分が残っている)場合には、入庫を許可する。次に、駐車情報管理部54は、入出庫口に最も近い空ケージ(例えばケージ番号「12」のケージ)を検索して、入庫対象ケージとして決定するとともに、ケージ循環方向を「時計回り方向」に決定する。
その後、制御装置50(駆動制御部55)は、駆動部13(駐車装置駆動部13A)を用いてケージを循環駆動し(ステップS56)、入出庫口19に空ケージが到着したと判定する(ステップS57)と、ケージの循環駆動を停止し(ステップS58)、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を開く(ステップS59)。
具体的には、駆動制御部55は、駐車装置10の無端チェーン18を「時計回り方向」に駆動して、ケージ番号「12」のケージを入出庫口19に対応する位置に移動させるように駆動する。このような駆動動作によって、ケージ群が時計回り方向に循環移動し、「12」番ケージが入出庫口に到達すると、駆動が停止され、入出庫口19の扉が開く。
その後、操作者は入庫作業(ステップS60)を行う。具体的には、操作者は、自己の車両に乗車し、当該車両を前進させて、入出庫口19のケージ16の所定位置に当該車両を停止させる。より詳細には、駐車塔内の正面奥側に設けられた入庫案内表示器9B(図13)の案内に従って、「12」番ケージ内の正規の停止位置に停止させる。
そして、操作者は、降車し、入出庫口を経由して駐車塔の内部から退出し、駐車塔内が無人であることを視認して、安全を確認した上で扉閉釦41を押下する。制御装置50(駆動制御部55)は、入庫完了が完了したこと(ステップS61)、駐車塔内が無人であること(ステップS62)、扉閉釦41が押下されたこと(ステップS63)を確認した後に、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を閉じる(ステップS64)。
図13は、入出庫口19に位置するケージ16付近を示す上面図である。図13に示すように、車両等検知器14Aとして、複数の投受光式の検知器PH1〜PH9が設けられている。
より詳細には、制御装置50(駆動制御部55)は、図13に示す検知システムにおいて、検知器PH3及びPH4のみ「検知」状態で、他の検知器(PHl,PH2,PH5,PH6,PH7,PH8,PH9)が全て「非検知」状態であることをもって安全と判断し、扉開閉駆動部13Bに「閉」指令を行う。なお、一層の安全を図るため、安全を確認した操作者が安全確認釦42を押下したことをも条件として、扉の開閉駆動を行うことが好ましい。ステップS25(図7),S41(図8),S82(図10)の扉駆動についても同様である(図12も参照)。
扉が閉まると、次のステップS65において、制御装置50(駐車情報管理部54)は、入庫ケージ番号と暗証番号とを対応づけて記憶部3に記憶する。
そして、ステップS66において、制御装置50(駐車情報管理部54)は、カードリーダ/ライタ8を用いて、磁気カード11への書き込み動作および発行動作を行う。これによって、所定の情報が書き込まれて送り出されてきた磁気カード11が、カード出入口49から排出されて、当該磁気カード11の先端部分のみがはみ出した状態で停止する。
この磁気カード11の記録部12は、例えば図14に示すように、入庫時刻および出庫時刻を記録する入出庫時刻記録部12aと、カード番号を記録するカード番号記録部12bと、入庫ケージ番号を記録する入庫ケージ番号記録部12cと、来訪者がその訪問先に実際に来訪したことを証明する来訪証明情報を記録する証明情報記録部12dとを有している。なお、各情報は、視認可能となるよに磁気カード11上に表示するようにしてもよい。また、この実施形態においては、磁気カード11を用いる場合を例示しているが、これに限定されず、その他の方式のカード(例えばICカード等)を用いるようにしてもよい。
ステップS66では、例えば、入庫時刻「040521,15:10」(04年5月21日15時10分、を表す)、カード番号「Al」、入庫ケージ番号「12」が、それぞれ、各記録部12a,12b,12cに書き込まれる。
次に、来訪者はその磁気カード11を抜き取る(ステップS67)。制御装置50は、磁気カード11を抜き取ってもらうための音声出力等を行い(ステップS69)、磁気カード11が抜き取られたことを確認して(ステップS68)、入庫動作を終了する。
<手法MBによる出庫動作>
次に、手法MBを用いて入庫した訪問者による出庫動作について説明する。
具体的には、特定契約者である訪問先VA(○×店)への来訪者が、この駐車装置10から出庫させる場合を想定する。
訪問先VAへの来訪者は、訪問先VA(○×店)訪問の際に、そのサービスカウンタ等に備えられた訪問先端末60のカードリーダ/ライタ61に、磁気カード11を差し込む。カードリーダ/ライタ61は、来訪したことを証明するデータ、すなわち「来訪証明情報」を当該磁気カード11に書き込む。この来訪証明情報の付与は、来訪者に対して「出庫許可」を与えることに相当する。
「来訪証明情報」は、具体的には、磁気カード11の証明情報記録部12d(図14参照)に記録される。この「来訪証明情報」としては、例えば、文字、数字、記号もしくは図形等、又はこれらの組み合わせ等の様々な形態の情報を採用することができる。たとえば、その駐車場で統一したもの(「999」等)を規定しておけばよい。
以上のようにして、来訪者は、次述する出庫動作に先立って、訪問先VAの訪問先端末60によって来訪証明情報を磁気カード11に記録しておく。
次に、来訪者は、入庫させていた車両を出庫させるため、駐車装置10の入出庫口19付近に設けられた操作盤30を操作する。
具体的には、まず、来訪者は、副操作部30Bのカード出入口49に磁気カード11を挿入する。操作盤30に内蔵されたカードリーダ/ライタ8は、磁気カード11の先端を検知すると、磁気カード11をさらに内部に引き込み、磁気カード11に記録された各種の情報を読み出す。すなわち、入庫時刻、入庫ケージ番号、来訪証明情報(の有無)等がカードリーダ/ライタ8によって読み出される。
制御装置50は、ステップS51(図9)で、磁気カード11が挿入されたことを確認すると、手法MBによる出庫動作が要求されていると判定し、ステップS71(図10)に進む。
ステップS71においては、磁気カード11に「来訪証明情報」が記録されているか否かが判定される。
出庫制御部53は、「来訪証明情報」が記録されていないと判定する場合には、出庫動作を行わず、出庫が不可能である旨などを来訪者に報知する。より詳細には、来訪証明情報が磁気カード11に未だ記録されていないためこのままでは出庫できないこと、出庫させるためには訪問先VAを再度訪れて証明情報を記録してもらう必要があることなどを案内する。来訪者は、この案内にしたがって、訪問先VAを再訪問して、磁気カード11に来訪証明情報を記録してもらうことによって、入庫済み車両を出庫させることが可能になる。
一方、出庫制御部53は、「来訪証明情報」が記録されていると判定する場合には、「出庫」可能と判断し、ステップS73以降の出庫動作に移行する。言い換えれば、出庫制御部53は、来訪証明情報が磁気カード(駐車カード)11に記録されていることを条件に、来訪者からの出庫要求に応じて出庫動作を行うのである。
ステップS73では、制御装置50(駐車情報管理部54)は、入庫ケージ番号記録部12cから読み取った入庫ケージ番号(ここでは、「12」番)のケージを対象ケージ(出庫対象ケージ)として特定する。そして、この対象ケージの現在位置を探索して取得するとともに、当該対象ケージを、より短時間で入出庫口に移動させることが可能な循環方向(時計回りあるいは反時計回り)を決定する。その後、駆動制御部55は、駆動部13(駐車装置駆動部13A)によってケージを循環駆動し(ステップS74)、入出庫口19に対象ケージが到着したと判定する(ステップS75)と、ケージの循環駆動を停止させ(ステップS76)、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を開く(ステップS77)。
その後、操作者が出庫作業(ステップS78)を行う。具体的には、操作者は、駐車塔内に入り自己の車両に乗車し、自己の車両を後退させてケージから出庫させた後、一旦降車して、安全を確認した上で操作盤30の扉閉釦41を押下する。制御装置50(駆動制御部55)は、出庫動作が完了したこと(ステップS79)、駐車塔内が無人であること(ステップS80)、扉閉釦41が押下されたこと(ステップS81)を確認した後に、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を閉じる(ステップS82)。
より詳細には、駆動制御部55は、図13に示す検知システムにおいて、全ての検知器PH1〜PH9が「非検知」状態であることをもって安全と判断し、扉の駆動部に「閉」指令を行う。なお、一層の安全を図るため、安全を確認した操作者が安全確認釦42を押下したことをも条件として、扉の開閉駆動を行うことが好ましい。
そして、制御装置50(駐車情報管理部54)は、ステップS83において、入庫ケージ番号と特定契約者との対応情報(詳細には特定契約者に割り当てられた入庫ケージ番号)を記憶部3から消去する。
また、ステップS83において、カードリーダ/ライタ8は、磁気カード11に出庫時刻(例えば、「040521,17:50」(04年5月21日17時50分、を表す))を記録したうえで、使用済みカード保管容器(カード保管部)に投入して保管する。なお、「出庫時刻」の記録の必要性は高くはないが、この実施形態においては、後日何らかのトラブル発生時等において、その車両が実際にその時刻に出庫したことを証明するのに有効であることを考慮して、「出庫時刻」を記録しておく。
その後、来訪者は、再び乗車して退場する。なお、入出庫口19の外部に設けられたターンテーブルを用いて車両の向きを転換した上で、前進運転で退場することが好ましい。具体的には、操作盤30に設けられたターンテーブルの操作釦を操作して、ターンテーブルを回転させればよい。
以上のようにして、手法MBによる出庫動作が終了する。
このような手法MBによる入出庫動作によれば、訪問先端末60により来訪証明情報が磁気カード(駐車カード)11に付与されることによって来訪者が確実に出庫することが可能になるため、来訪者への駐車サービスを図ることができる。また、訪問先端末60による来訪証明情報が付与されなければ出庫できないので、このことが抑止力となって不法駐車を回避することができる。また、契約者が来訪者に暗証番号を教える必要がないので、暗証番号の悪用等のトラブルを回避して、セキュリティの低下を回避することができる。さらに、特定契約者の関係者が駐車場まで来訪者に同行する必要がないので、人的労力を軽減することができる。
また、副操作部30Bは、複数の訪問先に対してそれぞれ設けられた訪問先指定釦48A〜48Dを有しているので、訪問先を簡易に指定することができる。
さらに、この実施形態においては、制御装置50は、手法MBにより訪問先端末60による出庫許可を条件とする出庫動作を行うだけでなく、暗証番号を用いた手法MAによる出庫動作にも対応可能である。したがって、暗証番号入力による出庫動作を希望する利用者にも対応することができる。
なお、この実施形態においては、入出庫時刻を特に利用していないが、入庫時刻および出庫時刻を利用して、駐車時間制限および/または料金精算を行うことも可能である。
たとえば、入庫時刻と出庫時刻とに基づいて駐車時間を算出し、当該駐車時間が所定の基準値よりも大きい場合には出庫できないようにしてもよい。
あるいは、入庫時刻と出庫時刻とに基づいて駐車時間を算出し、特定契約者への従量制による課金処理を行うようにしても良い。この場合、個人契約者に対しては月額固定料金の月極契約等を締結し、特定契約者に対しては使用時間に応じた従量制料金の使用契約を締結することができる。すなわち、1つの駐車場管理システム内において、その使用形態に応じた課金体系を採用することが可能になるので、より効率的な運用が可能になる。
<B.第2実施形態>
<B1.構成>
上記の第1実施形態においては、磁気カード11を媒介にして、出庫許可が与えられる場合を例示したが、この第2実施形態においては、インターフォン等の通信手段を利用して出庫許可が与えられる場合を例示する。
また、上記の第1実施形態においては、テナント等が入ったビルに組み込まれた駐車場を管理する場合について説明したが、この第2実施形態においては、マンションなどの集合住宅に併設された別棟の駐車場を管理する場合について説明する。
さらに、この第2実施形態においては、全駐車可能台数を入居者(居住者)と来訪者(訪問者)との両方に割り当てる場合、言い換えれば、駐車可能な全台数のうちの一部を来訪者用に割り当て、来訪者に対して一時的な駐車場利用サービスを提供する場合について説明する。
例えば、或るマンションに併設された垂直循環式駐車装置において、20台のケージのうち、15台を入居者用に割り当てるとともに、5台を来訪者用に割り当てる場合を想定する。このとき、来訪者による入庫台数が5台(来訪者向け入庫許可最大台数)に到達するまでは来訪者に対して入庫許可を与える一方で、来訪者には当該最大台数を超えた6台目の入庫を許可しないようにする。また、ここでは入居者間の公平という観点から、来訪者の訪問先(入居者)ごとに最大1台まで入庫を許可し、2台目以降の入庫を許可しないものとする。すなわち、1つの訪問先向けには1台のみの入庫を許可するものとする。
この第2実施形態に係る駐車場管理システム1Bは、第1実施形態に係る駐車場管理システム1Aと類似の構成を有している。以下では、説明の重複を避けるため、相違点を中心に説明する。
図15は、この第2実施形態に係る駐車場管理システム1Bの概略を示すブロック図である。図16は、操作盤130の外観を示す正面図であり、図17は、訪問先端末160の外観を示す正面図である。
この第2実施形態においては、操作盤30(図3)の代わりに操作盤130(図16)を用いる。操作盤130は、操作盤30における副操作部30Bの代わりに副操作部30C(図16)を設けた構成を有しており、カードリーダ/ライタ8を有していない点で、操作盤30と相違する。しかしながら、操作盤130は、それ以外の点では、操作盤30と同様の構成を有している。たとえば、操作盤130は、操作盤30と同様の主操作部30Aを有している。
操作盤130の副操作部30Cは、スピーカおよびマイクを内蔵した通話部146と、訪問先の部屋番号(ルーム番号)を入力するためのテンキー(番号入力部)147と、訪問先からの操作許可に応じて起動可能になったことを点灯して示す起動可ランプ148と、入出庫操作を行うために押下される起動釦149とを有している。
また、各入居者宅においては、上述の訪問先端末60に代えて、訪問先端末160が設けられている。図17に示すように、訪問先端末160は、インターフォンの機能を有するように構成されている。具体的には、訪問先端末160は、受話部分にスピーカを有し送話部分にマイクを有する通話器161を備えている。また、訪問先端末160は、被訪問者が来訪者に駐車装置の起動を許可する(言い換えれば、駐車場に対する入出庫を許可する)意思表示を行う許可釦162をさらに有している。なお、ここでは、「許可」の意思表示を行うために許可釦162を設けているが、これに限定されない。例えば、訪問先端末にテンキーが設けられている場合には、そのテンキーの釦操作を用いて、同様の「許可」の意思表示を行うようにしてもよい。より詳細には、特定の番号(例えば、「#1001」)の押下を「許可」の意思表示であるとみなすようにしてもよい。
また、図15に示すように、各訪問先に設置された各訪問先端末160は、それぞれ、入出庫口19付近に設定された制御装置50と有線又は無線で接続されており、各種の信号を授受することが可能である。また、各訪問先に設置された各訪問先端末160は、それぞれ、入出庫口19付近に設定された操作盤130とも有線又は無線で接続されており、操作盤130の通話部146と訪問先端末160の通話器161とを用いて会話を行うことが可能である。
さて、上記のような駐車場管理システム1Bにおいて、各入居者は、上記第1実施形態と同様に、暗証番号を用いた手法MAによる入出庫動作を行う。一方、来訪者は、後述する手法MCによる入出庫動作を行う。この手法MCは、訪問先による出庫許可を用いる点等において手法MB(第1実施形態)と共通しているが、後述するように、インターフォン等による会話を行った後に訪問先端末160から制御装置50に向けて通信によって入庫許可信号および出庫許可信号を伝送する点で手法MBと相違している。
手法MCにおいては、まず、来訪者は訪問先の部屋番号を押下してインターフォンを用いて被訪問者と会話する。そして、被訪問者が来訪者の駐車を承諾して許可釦162を押下すると、訪問者による入庫および出庫が可能になる。以下では、この手法MCの動作について詳細に説明する。
<B2.動作>
図18〜図20は、駐車場管理システム1Bを用いた入出庫動作を示すフローチャートである。
図18に示すように、主操作部30Aに対する操作が有ったとステップS1において判定される場合にはステップS11(図7)に進み、手法MAによる入出庫動作が行われる。ステップS11以降においては、操作者(入居者でもある)は、上述したように暗証番号を用いた手法MAによる入出庫動作を行う。この動作は上述と同様(図7および図8を参照)であるので、重複を避けるため、ここではその説明を省略する。
一方、副操作部30Cに対する操作が有ったとステップS2において判定される場合にはステップS101(図19)に進み手法MCによる入出庫動作が行われる。以下では、来訪者が操作者となって、手法MCによる入出庫動作を行う場合について詳述する。
まず、手法MCによる入庫動作について説明する。
来訪者は、駐車装置10の入出庫口19の前に自己の車両を停車させ、操作盤130の副操作部30C(図16)を用いて訪問先とインターフォンで会話を行う。具体的には、まず、テンキー147の数字釦を用いて訪問先(例えばF氏宅)の部屋番号(例えば、「206」)を押下するとともに最後に呼出釦147Zを押下して被訪問者を呼び出す。
一方、被訪問者(例えばF氏)は、通話器161(図17)を用いて来訪者と会話した後、来訪者に入庫を許可する場合にはさらに許可釦162を押下する。そして、通話器161を訪問先端末160の本体部の所定位置に戻してインターフォンによる会話可能状態を終了させる。なお、被訪問者によるこの入力操作(許可釦162の押下操作)に応じて、許可釦162の押下を示す信号、言い換えれば、許可信号(入庫許可信号とも称する)が、訪問先端末160から制御装置50へと伝送される。
制御装置50(入庫制御部52)は、来訪者によって呼出釦147Zが押下されたことを確認(ステップS101(図19))し、さらに、呼出釦147Zの押下時点から所定時間内に入居者による許可釦162が押下されたことを確認(ステップS102)した場合には、入出庫動作を許可し、次のステップS104に進む。
一方、入居者による許可釦162の押下が所定時間内に確認されない場合には、制御装置50(入庫制御部52)は、入出庫動作を許可せず、入出庫不可能である旨の案内(入出庫不可案内)を行う(ステップS103)。
ステップS104においては訪問先の部屋番号が記憶部3に記憶され、ステップS105において起動可ランプ148が点灯する。このようにして、許可釦162の押下に応答して、副操作部30Cの起動可ランプ148が点灯する。
そして、来訪者は、起動可ランプ148の点灯を確認すると、起動釦149を押下する。
制御装置50は、ステップS106において、所定時間内に起動釦149が押下されたことを確認できない場合には起動可ランプ148を消灯して本処理を終了する。
一方、制御装置50は、ステップS106において、所定時間内に起動釦149が押下されたことを確認すると起動可ランプ148を消灯し、次のステップS107において、当該訪問先への来訪者の入庫済み車両があるかをさらに確認する。この実施形態では、来訪者の訪問先(入居者)ごとに最大1台まで入庫を許可するものとしているので、各訪問先ごとの入庫済み来訪者車両の有無に応じて、当該訪問先に関する要求が入庫要求か出庫要求かを判断することができる。
入庫済み車両が存在する場合には出庫要求であると判定して、ステップS121(図20)に進む。なお、出庫動作については後述する。
一方、入庫済み車両が存在しない場合には入庫要求であると判定して、ステップS108で、来訪者用に割付可能な空きケージが存在するか否かを判定する。具体的には、来訪者の現在の駐車台数(総入庫台数)が来訪者向け入庫許可最大台数(例えば5台)に既に到達しているか否かを判定する。来訪者の現入庫台数が来訪者向け入庫許可最大台数よりも少ないことが確認されると、来訪者に対する入庫許可が付与され、次のステップS109以降に進み、入庫対象ケージ等の検索作業および駆動動作等が行われる。
なお、ここでの入庫許可は、訪問先端末160を用いた被訪問者による入庫許可操作(詳細には、許可釦162の押下)が行われたことをも条件として付与される。したがって、入庫の可否をより適切に決定して、被訪問者不在等に起因する出庫時のトラブルを防止できる。
次のステップS109〜S118は、それぞれ、上述のステップS55〜S64(図9)と同様の動作である。これによって、入庫対象ケージの検索動作および駆動動作ならびに当該入庫対象ケージへの入庫作業等が行われる。
その後、ステップS119において、制御装置50(駐車情報管理部54)は、上記訪問先(例えば、206号室)への来訪者の車両が入庫済みであることを、その入庫対象ケージ番号とともに記憶部3に記憶しておく。具体的には、訪問先の識別番号(例えば、ルーム番号やF氏の氏名)と入庫ケージ番号を一体に記憶し、さらに入庫時刻を記憶しておく。
次に、手法MCを用いて入庫した来訪者による出庫動作について説明する。
F氏宅の訪問を終えた来訪者は、駐車装置10の入出庫口19付近に戻り、副操作部30Cのテンキー147を用いて部屋番号等を押下して訪問先を呼び出して、被訪問者であるF氏にインターフォンで「今から出庫する」旨を伝える。F氏は再び許可釦162を押下してインターフォンを切る。なお、被訪問者によるこの入力操作(許可釦162の押下操作)に応じて、許可釦162の押下を示す信号、言い換えれば、許可信号(出庫許可信号とも称する)が、訪問先端末160から制御装置50へと伝送される。
制御装置50は、上述したようなステップS101〜ステップS107の処理を行う。
詳細には、まず、制御装置50は、来訪者によって呼出釦147Zが押下されたことを確認(ステップS101(図19))し、さらに、呼出釦147Zの押下時点から所定時間内に入居者による許可釦162が押下されたことを確認(ステップS102)した場合には、入出庫動作を許可し、次のステップS104に進む。なお、入居者による許可釦162の押下が所定時間内に確認されない場合には、制御装置50は、入出庫動作を許可せず、入出庫不可能である旨の案内(入出庫不可案内)を行う(ステップS103)。
制御装置50は、訪問先端末160からの許可信号を受信すると、入出庫動作を許可し、訪問先の部屋番号を記憶部3に記憶する(ステップS104)とともに、副操作部30Cの起動可ランプ148を点灯させる(ステップS105)。
そして、来訪者は、起動可ランプ148の点灯を確認すると、起動釦149を押下する。これにより、入出庫動作(ここでは出庫動作)が実際に開始される。なお、制御装置50は、ステップS106において、所定時間内に起動釦149が押下されたことを確認できない場合には、起動可ランプ148を消灯して本処理を終了する。
ステップS107においては、今度は、その訪問先に関する入庫済み来訪者車両が存在すると判定され、出庫要求がなされていると判定される。そして、ステップS121(図20)に進み、出庫動作が行われる。言い換えれば、制御装置50(出庫制御部53)は、出庫許可信号が伝送されてきたことを条件に、来訪者からの出庫要求に応じて出庫動作を行う。
次のステップS121〜S130(図20)は、それぞれ、上述のステップS73〜S82(図10)と同様の動作である。これによって、出庫対象ケージからの出庫動作等が行われる。
具体的には、ステップS121で、訪問先の部屋番号に対応する入庫済み車両を搭載しているケージを探索し、そのケージ番号を特定する。その後、ケージが循環駆動され(ステップS122)、入出庫口19に対象ケージが到着したと判定される(ステップS123)と、ケージの循環駆動が停止し(ステップS124)、扉開閉駆動部13Bによって扉が駆動されて扉が開かれる(ステップS125)。その後、操作者が出庫作業(ステップS126)を行う。
制御装置50は、出庫完了が完了したこと(ステップS127)、駐車塔内が無人であること(ステップS128)、扉閉釦41が押下されたこと(ステップS129)を確認した後に、扉開閉駆動部13Bによって扉を駆動して扉を閉じる(ステップS130)。
そして、ステップS131においては、制御装置50(駐車情報管理部54)は、入庫時刻および出庫時刻に基づいて駐車時間を算出し、算出された駐車時間に応じた金額を訪問先の契約者(上記の例ではF氏)に課金するように処理した後、訪問先への来訪者車両と入庫ケージ番号との対応情報を記憶部3から消去する。
以上のようにして、手法MCによる出庫動作が終了する。
このような手法MCによる入出庫動作によれば、訪問先からの出庫許可信号が訪問先端末160を用いた通信によって制御装置50に伝達されなければ出庫できないので、非来訪者による不法駐車を回避できる。また、契約者が来訪者に暗証番号を教える必要がないので、暗証番号の悪用等のトラブルを回避して、セキュリティの低下を回避することができる。
特に、マンション等において、その管理が難しいことから来訪者用の駐車場の設置が困難であるという問題があるが、上記の実施形態に係る管理手法によれば、このような問題を解決することが可能である。
また、来訪者による駐車場の使用について、その訪問先ごとに算出された使用時間に応じて課金することができるので、合理的な運用が可能となる。
<C.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態においては、垂直循環式駐車装置を管理する場合について例示したが、これに限定されず、様々な種類の駐車場を管理する場合に適用することができる。具体的には、機械式駐車装置としては、上記の垂直循環式駐車装置に限定されず、エレベータ式、地下平面往復式、多段式駐車装置等にも適用できる。さらに、機械式駐車装置に限定されず、ゲート式時間貸し平面駐車場(自走式)、大規模自走式立体駐車場等の様々なタイプの非機械式駐車場にも適用可能である。また、立体駐車場および平面駐車場のいずれにも適用することが可能である。なお、例えば、ゲート式駐車場においては、訪問先端末による出庫許可が与えられていることを条件に、来訪者からの出庫要求に応じて、ゲート開動作(出庫動作)を行うように制御すればよい。
また、上記各実施形態においては、主操作部と副操作部とを1つの操作盤に設ける場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、第1実施形態の操作盤30を、主操作部30Aの機能を有する操作盤と副操作部30Bの機能を有する操作盤との2つの操作盤に分離して設けるようにしてもよい。
さらに、上記第1実施形態においては、磁気カード11を使用する場合を例示しているが、これに限定されず、その他の記録媒体、例えばICカード等を使用してもよい。
また、上記の第2実施形態においては、インターフォンを用いる場合を例示したが、インターフォン以外の手段で通信するようにしてもよい。言い換えれば、入庫許可信号を付与してもらうための前提となる通話(来訪者と被訪問者との間の通話)を実現する手段としては、電話(固定電話ないし携帯電話)等であってもよい。また、訪問先端末は、訪問先から制御装置50に向けて、有線又は無線による通信で、操作盤に「入庫許可」信号(情報)または「出庫許可」信号(情報)を送信できるものであれば十分である。
例えば、来訪者が自身の携帯電話或いは公衆電話により訪問先に連絡し、訪問先の電話(固定電話あるいは携帯電話)を訪問先端末として用い、予め取り決められた方法で当該訪問先端末から制御装置50に向けて「入庫許可」信号または「出庫許可」信号を送信するようにしてもよい。予め取り決められた方法としては、例えば、制御装置50に接続されたさらに別の電話機(第3の電話機)と訪問先端末(被訪問者の携帯電話等)との通話状態を確立した上で、部屋番号を含めた許可コマンドをプッシュホン信号を用いて送信するなどの方法を採用することができる。
但し、この場合、第1の利用者(来訪者)が操作盤130から離れた場所に位置しており且つ別の利用者(第2の利用者)が操作盤130の前に位置しているときに、第1の利用者の訪問先から「許可」信号が届くことがあり得る。このような場合には、第2の利用者は自らの意図と異なる訪問先への訪問を前提とする入庫操作を行ってしまうことになるなど、操作上の混乱を招くことがある。したがって、操作盤130に設けられた通信手段(インターフォン等)を用いて来訪者が訪問先と連絡を取るようにして、起動可ランプ148が点灯するまで操作盤130の前で来訪者を待機させ続けるようにすることが好ましい。