JP4114393B2 - 公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システム - Google Patents
公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
現在、大都市のほか、各地方に設けられている図書館、体育館、生涯教育センター等の公共施設は、比較的、中心地から離れた場所に設けられることが多く、大部分のこの種施設の利用者は、マイカーにより来館し、施設を利用する状況となっている。
本発明は、このような公共施設の利用者のために、施設付属の駐車場の利用を低額な料金で適正に利用できるように管理可能とした公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の有料駐車場のゲートシステムは、例えば30分毎に150円というように駐車の利用目的を問わずに多くの利用を促進し、駐車場提供の代替として収益を得ることを目的としている。
これに対し、公共施設利用者のための駐車場のゲートシステムは、公共施設利用者に対して対象施設の利用の促進を図るべく、一般の有料駐車場の料金体系とは相違し、無料又は、所定時間までは無料という低価格の駐車料金に設定されている。なお、公共施設付属駐車場は、住民の福利厚生の見地から無料としているものも存在するが、設備費用の回収などの財政的な見地から、低額ではあるが有料化とする傾向に向かっている。
この場合、例えば2時間以内は無料又は50円、以降30分毎に100円というように比較的低額な駐車料金が定められている。
しかしながら、有料としても、次のような理由から、不適正利用者が生じやすく、これを従来のゲートシステムでは十分取り締まることができないというのが実情であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、公共施設の近隣に、スーパーなどの私的施設が存在し、その駐車スペースが少なかったり、スーパーの駐車場が満車で使用できない場合とか又はその駐車料金の節約のために公共施設の駐車場を利用したくなる状況が存在する。
ところで、従来の公共施設利用者のための駐車場ゲートシステムでは、満車時の入庫制限を行うのみとか、一定時間を超える場合に課金するといった駐車時間のみを監視するゲートシステムとなっていたから、公共施設付属の駐車場をスーパーの買い物客が利用しても区別できず、放任せざるを得ない状況にあった。
このような公共施設付属の駐車場の不適正利用者が増加すると、本来の公共施設の利用者が駐車の制限を受け、本来の目的が達せられないので、取り締まる必要がある。このことは、公共施設利用者として、駐車券を発行して入庫した後、施設を利用することなく又は施設に極短時間滞在して外出する利用者のように、駐車場を不適正に利用する場合にも、同様に当てはまることで、このような不適正利用者も取り締まる必要がある。
しかも、これらの者の取り締まりは、施設の目的に照らし、犯罪者を摘発するという立場で行うのではなく、不適正利用者に対して説得力のある合理的な説明を行える適正な手段で行う必要がある。
【0004】
以上の観点から、公共施設付属駐車場の管理システムとしては、次のような課題が求められている。
(1)公共施設利用者として入庫しても、駐車後、施設を利用しないで施設以外の別の場所(例えば、近隣のスーパー等の買い物)へ行くために、施設に設けられた徒歩来場者のための出入り口から退場したり、施設に一旦入場した後、ごく短時間の滞在の後、徒歩来場者のための出入り口から退場して別の場所で過ごした後、徒歩来場者のための出入り口より入り施設の駐車場に戻り、施設の駐車場から車両を出して出庫する場合のように施設の利用時間が例えば10分程度で、施設外の滞在時間が1時間以上というように、本来の目的である施設利用時間が異常に短い者、さらに施設利用後、施設以外の場所で過ごす目的も含めて駐車場を利用する場合も、駐車場の不適正利用者として判断できるようにすること。
(2)このような不適正利用者を取り締まる手段によって、施設を利用する者が施設の入退場の折りに煩わしい思いをすることなく、駐車場の不適正利用を示す合理的なデータを入手することができて、管理人が不適正利用者の取り締まりを適正に行うことを可能とすること。
(3)駐車場利用者から受益者負担の原則と公平さを踏まえた適正なルールに基づき駐車場の有料化を図ること。
本発明はこのような従来のものの上記課題を解決するようにした公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システムは、請求項1に記載のものでは、精算手段に内蔵され、公共施設の駐車場への入庫時刻、上記公共施設への入退場時刻の記憶と記憶された上記時刻データに基づき必要な演算処理及び不適正利用の判断を行うコンピュータ機能と、上記公共施設の駐車場利用者に対して駐車場に入庫の時の操作により利用者識別コードが記録されたICカードから成る駐車券を発行する駐車券発行手段と、前記駐車券の発行に連携して、車両の駐車場への入庫を許可すると共に、前記コンピュータ機能に当該駐車券の識別コードと入庫時刻を伝達する入庫用許可手段と、上記公共施設の入口に設けられ、施設への入退場者の認識によりゲートを開閉し、かつ、その入退場者の所持する上記駐車券を感知したときには、その感知と連動して当該施設の入退場時刻を前記コンピュータ機能に伝達する施設入退場ゲートと、駐車券の感知により、上記コンピュータ機能に記憶されている当該駐車券の識別コードに対応する時刻データを呼び出して、上記コンピュータ機能と連携し駐車料金の精算又は駐車場の不適正利用防止のために必要な表示を行う表示機能を備えた精算手段と、管理室に設けられる警報手段と、表示機能を備えた出庫許可手段とを備え、次の各処理を行うように構成した。
(1)公共施設付属駐車場を利用した駐車場利用者が、退場前に、施設内に設置された前記精算手段に駐車券を感知させると、前記精算手段が、駐車券に記録されている識別コードに対応する車両の駐車時間をコンピュータ機能に記憶されたデータをもとに算定し、駐車料金体系に基づき所要の精算金額を前記精算手段の表示機能に表示する。
(2)この場合、前記精算手段は、駐車券に記録された識別コード対応の駐車場の入庫時間又は施設の入退場時間の履歴から施設滞在時間が施設外滞在時間よりも異常に短く、駐車場の不適正利用であると判断されたときは、精算手段の表示機能に「精算不能」の表示をして精算機能を停止すると共に、管理室に備えられた警報手段を作動し、管理人が精算手段の表示機能の画面切り替え操作をすると、当該車両の駐車時間中の施設滞在時間と施設外滞在時間とを色分け表示する。
(3)当該駐車場を適正利用した駐車場利用者の精算済の駐車券を出庫許可手段が感知したときは、出庫許可手段を開いて車両の出庫を許可すると共に駐車券を回収する。
(4)精算後所定時間を超過してしまった利用者の駐車券を出庫許可手段が感知したときは、コンピュータ機能の判断基準に基づき、出庫許可手段を開かず、その表示機能に「再精算」を促す表示をする。
(5)上記(4)の表示に基づき、利用者が再度、精算手段に駐車券を感知させると、精算手段の表示機能に「超過料金精算」の表示をして再精算できるものとする。
【0006】
また、請求項2に記載のものは、請求項1に記載の構成において、前記精算手段付属の表示機能による色分け表示は、不適正利用者の施設滞在時間を赤色に表示し、施設外滞在時間を青色に表示するように構成した。
【0007】
さらに、請求項3に記載のものでは、請求項1又は2のいずれかに記載の構成において、前記精算手段付属の表示機能は、駐車場利用者に対して「精算のための案内表示」と駐車場の不適正利用者の「施設内滞在時間と施設外滞在時間の色分け表示」を画面を切り替えて表示するように複数階層表示の構成とした。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システムの一実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を適用した公共施設付属駐車場の管理システムの一実施の形態を示す平面図、図2は同駐車場ゲートシステムの構成要素の情報伝達関係を示すブロック図、図3は精算機の表示機能の表示画面の内容例を示す説明図である。
【0009】
図1及び図2において、1は公共施設付属の駐車場で、その駐車領域には一般駐車場と同じく複数の駐車区画1aと、入庫口1b及び出庫口1cを備えている。2は管理室で、管理人が常駐できるスペースと壁掛けタイプの警報灯等の警報手段3を備えている。
【0010】
4は駐車券発行機(駐車券発行手段に相当)で、駐車場への入庫に必要なICカードより成る駐車券の発行を行うもので、例えば、ボタン操作により、入場者を特定できる識別コードが磁気記録された駐車券が発行される。なお、この場合、識別コードは予め駐車券に駐車券発行番号を磁気記録状態で入力しておいたものを使用しても良いし、発行毎に当日の駐車券発行番号を磁気入力して記録するようにしても良い。
【0011】
5は入庫口側ゲート(入庫許可手段に相当)で、駐車券発行機4により駐車券が発行されたときは、これと連動して入庫口側ゲート5を開き、車両Mの駐車場への入庫を許可し、後述する精算機12に内蔵されたコンピュータ機能13に当該駐車券の識別コードと共に、その入庫時刻を伝達する。なお、この入庫時刻の伝達は駐車券発行機4が駐車券発行と連携して行ってもよい。6は後述するコンピュータ機能13と連携して作動する出庫口側駐車券読取機で、表示板6aを備え、その駐車券の挿入口(図示せず)に前記駐車券を挿入すると、後述する精算機12によって精算済の処理がされている場合は、出庫口側ゲート7を開いて車両Mの駐車場1からの出庫を許可するが、精算機12による処理がされていない場合には、出庫口側ゲート7を閉ざしたまま不適正利用者を待機させ、表示板6aに「精算機のところに戻り精算下さい。」という表示を出して、精算処理を促すようになっている。また、精算処理後、退場する迄に所定時間(例えば15分〜30分)を超過した駐車券が挿入された場合には、表示板6aに、「精算機のところに戻り再精算下さい」と表示して、再度の精算を促すようになっている。なお、出庫口側駐車券読取機6と出庫口側ゲート7とは、出庫許可手段に相当し、表示板6aは表示機能に相当する。
【0012】
8は図書館の閲覧室、生涯教育センターの教室などの公共施設、8aは駐車場1から公共施設8へ向かう連絡通路、8bは徒歩できた公共施設利用者が公共施設8に入るための出入り口、9は施設8の受付である。10は公共施設8への施設入場用ゲートで、光電管センサ等の入場者検知手段10aがゲートの両壁部分に設けられている。入場者検知手段10aが施設8への入場者を検知したときは、ゲート10を開くと共に、入場者が駐車券を所持しているときは、ゲート10の側壁10b部分に設置されている駐車券の感知及び感知時刻の伝達手段10cによってICカードである駐車券(入場者が衣服等のポケットやカバン内に収納して所持)の感知に基づき、その感知時間を後述するコンピュータ機能13に対して駐車券の識別コードと共に施設8への入場時刻として伝達し、記憶させるようになっている。11は施設退場用ゲートで、これも施設入場用ゲート10と同様な構成となっており、光電管センサ等の退場者検知手段11aがゲートの壁部分に設けられ、同手段11aが施設8からの退場者を検知し、ゲート11を開くと共に、退場者が駐車券を所持しているときは、側壁11bに設けられている駐車券の感知及び感知時刻の伝達手段11cによって、施設8からの退場時刻をコンピュータ機能13に対して伝達するようになっている。施設入場用ゲート10と施設退場用ゲート11とにより施設入退場ゲートが構成されている。
【0013】
12は精算機(精算手段に相当)で、駐車場利用者が出庫する前に、駐車料金の精算を行うためのもので、施設8の退場口側の駐車場1の近傍に設けられる。この精算機12には、マイコン等のコンピュータ機能13が内蔵されていると共に、表示機能12aを備えており、この表示機能12aはデイスプレイ等の表示画面上に複数の表示内容を切り替えて表示する階層型の構成となっている。そして、後述のように、表示機能12aの表示画面として、駐車場利用者に対して「精算のための案内表示」と駐車場の不適正利用者の「施設内滞在時間と施設外滞在時間の色分け表示」の画面を切り替えて表示するものである。なお、コンピュータ機能13は、図2に示すように本管理システムを構成する各手段と接続され、各手段の制御指令や駐車券発行機4から伝達された入庫時刻、駐車券の感知及び感知時刻の伝達手段10c、11cの各手段から伝達された公共施設8への入退場時刻を記憶すると共に、精算機12に駐車券が挿入されたときは、その駐車券の識別コードに対応する上記時刻の記憶データを読み出して、このデータに基づき、予め入力されている精算体系プログラムによる精算金の演算処理とその表示及び不適正利用の判断プログラムに基づき不適正利用の有無を判断し必要な表示を行う機能とを有するように構成されている。
【0014】
図1、図2の構成において、先ず、車両Mに乗車した駐車場利用者が入庫口1aに達し、押しボタン操作により、駐車券発行機4により駐車券を発行したときは、この駐車券の発行と連携して入庫口側ゲート5を開いて車両Mの駐車場1への入庫を許可し、利用者は駐車券を入手する。この駐車券の発行の際、ICカードである駐車券の記憶面に対して記録されている利用者を特定する識別コードをコンピュータ機能13に伝達し、入庫時刻がコンピュータ機能13に記憶される。このような過程を経て駐車場1の駐車区画1a中に車両Mを駐車した後、連絡通路8aを通り施設8の入場用ゲート10の入場者検知手段10aの検知により入場用ゲート10を開いて施設8に入り、施設8を利用する。
この場合、入場者が駐車券を所持しているので、施設入場用ゲート10の伝達手段10cはICカードから成る駐車券を感知してその識別コードをコンピュータ機能13に伝達するので、コンピュータ機能13には、その識別コードの入場時刻(感知時刻)が記憶される。
同様に、駐車券を所持した施設利用者が施設8を退場するときには、所持している駐車券を、退場ゲート11の伝達手段11cが感知して、駐車場利用者の識別コードをコンピュータ機能13に伝達するので、コンピュータ機能13には退場時刻(感知時刻)が記憶される。
【0015】
公共施設8にて所期の目的を終えた駐車場利用者は、精算機12の挿入口に対して駐車券を挿入すると、精算機12に内蔵されているコンピュータ機能13はその識別コードに対応する入庫時刻、施設入場時刻、退場時刻を読み出して必要な精算金額を図3(A)又は(B)のように表示機能12aに表示する。
駐車場利用者は、表示機能12aの表示に従って精算処理をした後、駐車場1内に戻り、車両Mを出庫口1cに進め、その駐車券を出庫口側駐車券読取機6の挿入口に挿入すると、出庫口側ゲート7が開き出庫を許可すると共に、駐車券は駐車場側に回収される。
なお、精算処理がされていない駐車券が出庫口側駐車券読取機6の挿入口に挿入された場合には、出庫口側ゲート7を閉ざしたまま、その表示板6aに「精算機のところに戻り、精算下さい。」と表示して、その利用者に精算処理を促す。
【0016】
上記のように施設の駐車場1に入庫した入庫時刻と施設8の入場時刻、退場時刻が、コンピュータ機能13に、各駐車券の識別コードとの対応で、逐一記憶されるようになっている。
従って、前記のように駐車場1に入庫して駐車した後、施設8には入場せず、又は一旦、入場しても直ぐに退場して出入口8bから近くのスーパーに買い物に行ったりする等、施設利用の目的でなく、駐車場利用を目的で入庫した場合には、施設外滞在時間に比べて施設滞在時間が0か、異常に短くなるから、精算機12ではコンピュータ機能13による判断で「不適正利用」と判定され、精算機12の表示機能12aには図3(C)に示すように「精算不能!管理人が来る迄しばらくお待ち下さい。」が表示され、精算機能を停止すると共に、管理室2の警報手段3を作動し、管理人に知らせ、管理人の出動を促す。
従って、管理人は退場出口の近傍の精算機12のところに待機させられている駐車場の不適正利用者に対して、精算機12の表示機能12aの画面切り替え操作により、図3(D)に示すような当該利用者の当日の施設利用状況を、例えば、施設内滞在時間を赤色で、施設外滞在時間を青色というように色別で表示するので、この表示に基づき「青の時間帯は何をしていましたか」という質問を根拠を示して行える。従って、駐車場の不適正利用者に対する事情聴取を円滑に行うことができると共に、不適正利用をしていたことを納得させることができる。
この結果、駐車場の不適正利用とされたときには、例えば2時間の駐車無料の特典を適用せず、所定の駐車料金の支払いを求めるとかの運用が可能である。
なお、図3(D)中のt1〜t7の表示は、上記の色分け部分が、当日のどの時間帯に相当するかを、駐車場利用者の入庫時刻をt1で示した後、その後の施設への入場時刻をt2、退場時刻をt3というように、施設への入退場時刻の時間的な履歴が分かるように表示したもので、同図では作図の都合上、t1、t2、t3等の符号で表示した場合を示したが、これを10.00、10.05、10.15というように実際の時刻を認識できるように数字を用いた表示とする方が望ましい。
【0017】
同様に、精算処理をした後に、一旦、出入り口から外部に出て買い物等をして戻ってきた場合のように、精算後、出庫する迄に所定時間を超過しているときは、その駐車場利用者が駐車券を出庫口側駐車券読取機6に挿入したときには、コンピュータ機能13の判断基準に基づき、出庫口側ゲート7は開かず、表示板6aに「精算機のところに戻り再精算下さい。」の表示をすることで「再精算」を促す表示をする。なお、この表示に基づき、利用者が再度、精算機12に駐車券を挿入すると、再精算金額を表示して、利用者が再精算が行うと、退場ゲート7を開いて車両の退場を許可することになる。
【0018】
なお、上記の実施の形態では、公共施設を利用する者が自動車(車両)で来場した場合のゲートシステムのみを対象に説明したが、施設8に対して徒歩で来た来場者の場合は、駐車場の利用はないので、施設8への入場は出入り口8bから入場用ゲート10により入場し、施設利用後は退場用ゲート11を経て出入り口8bから退場するが、駐車券を所持しないので、施設での入場時刻、退場時刻の記録は行わないものとする。
【0019】
本発明は上記の実施の形態に示したものに限定されず、上記した本発明の技術思想の範囲内で各種の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態のものでは、駐車券に記録された識別コードの読み取りの感知を行うために、精算機の挿入口に挿入するケースで説明したが、これに代えて、駐車券を読み取り口にかざす方式で上記の識別コードの読み取りを行うようにしてもよい。なお、出庫口駐車券読取機については、駐車券を回収する操作もあるので挿入口への挿入で読み取りを行う方が望ましい。
また、施設への入退場ゲートも図1に示すように各別に設ける方が望ましいが、1つのゲートを入退場に兼用することも可能である。
また、駐車券に記録する識別コードは、数字と英文字の組み合わせをそのまま記録してもよいし、バーコードのように符号化して記録するようにしてもよい。
さらに、表示機能の画面の色として赤色と青色の場合を例示したが、これに代わる他の色を用いてよいことは勿論である。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システムによると、当該駐車場を公共施設利用との関連で適正に利用するように指導できるので、有料化と不適正の防止を適正に推進できるという基本的な効果のほか、次のような各請求項記載の発明毎の特有の効果を有する。
【0021】
(1)請求項1の発明によると、駐車場の利用者の入庫時刻、施設への入退場時刻が駐車券の識別コードとの対応で精算機内蔵のコンピュータ機能に逐一記憶させるようにしているので、駐車券の精算の時には、これらの時間情報に基づき駐車料金の精算を迅速、的確に行うことができる。
さらに、駐車場利用者として入庫した後に、近所のスーパーへ買い物に行くなどのように、施設付属の駐車場を施設の利用以外の目的で利用した場合には、精算時に精算機内蔵のコンピュータ機能での記憶情報をもとに、このような「駐車場の不適正利用」を判別して、表示機能に「精算不能」と「管理人待ち」の案内をして、管理室の警報手段を作動し、管理人を出動するようにしており、この場合、管理人の操作で当日の駐車場の利用状況を施設内滞在時間、施設外滞在時間の色分け表示を行うことにより、管理人による事情聴取を円滑に行い、相手にも不適正利用をしていたことを円滑に納得させることができるから、予め定められた所定料金の支払いで、円滑に退場をさせることができる。
従って、公共施設付属の駐車場を本来の目的に沿って利用する管理を円滑、適正に行うことができる。
また、駐車場の退場時には、駐車券を回収するようにしているから、高価なICカードを有効に再利用できる。
【0022】
(2)請求項2の発明によると、請求項1に記載の発明の効果に加え、表示機能の色分け表示を赤色と青色という判別し易い2色で表示するようにしたから、不適正利用者への上記事情聴取を円滑、適切に行うことができ、相手にも不適正利用をしていたことを納得させることができる。
【0023】
(3)さらに、請求項3の発明によると、請求項1に記載の発明の効果に加え、表示機能の表示方式を、精算のための複数種の案内の表示と不適正利用者への表示とを適宜画面を切り替えて行う構成としたので、表示機能の構成をコンパクトな構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す平面図である。
【図2】駐車場ゲートシステムの構成要素の情報伝達関係を示すブロック図である。
【図3】精算機の表示機能の表示内容の具体例を示すもので、同図(A)は精算金が不要の場合の表示例を、同図(B)は精算金を示す表示例を、同図(C)は不適正利用者のための「待機指示」を依頼する表示例を、同図(D)は管理人の操作で表示される「不適正利用者の施設利用時間の色分け表示」の表示例を夫々示すものである。
【符号の説明】
1:駐車場
1a:駐車区画
1b:入庫口
1c:出庫口
2:管理室
3:警報手段
4:駐車券発行機
5:入庫口側ゲート
6:出庫口側駐車券読み取り機
6a:表示板
7:出庫口側ゲート
8:施設
10:施設入場用ゲート
10a:入場者検知手段
10b:ゲートの側壁
10c:ICカードである駐車券の感知及び感知時刻の伝達手段
11:施設退場用ゲート
11a:退場者検知手段
11b:ゲートの側壁
11c:ICカードである駐車券の感知及び感知時刻の伝達手段
12:精算機
12a:表示機能
13:コンピュータ機能
M:車両
Claims (3)
- 精算手段に内蔵され、公共施設の駐車場への入庫時刻、上記公共施設への入退場時刻の記憶と記憶された上記時刻データに基づき必要な演算処理及び不適正利用の判断を行うコンピュータ機能と、
上記公共施設の駐車場利用者に対して駐車場に入庫の時の操作により利用者識別コードが記録されたICカードから成る駐車券を発行する駐車券発行手段と、
前記駐車券の発行に連携して、車両の駐車場への入庫を許可すると共に、前記コンピュータ機能に当該駐車券の識別コードと入庫時刻を伝達する入庫用許可手段と、
上記公共施設の入口に設けられ、施設への入退場者の認識によりゲートを開閉し、かつ、その入退場者の所持する上記駐車券を感知したときには、その感知と連動して当該施設の入退場時刻を前記コンピュータ機能に伝達する施設入退場ゲートと、
駐車券の感知により、上記コンピュータ機能に記憶されている当該駐車券の識別コードに対応する時刻データを呼び出して、上記コンピュータ機能と連携し駐車料金の精算又は駐車場の不適正利用防止のために必要な表示を行う表示機能を備えた精算手段と、
管理室に設けられる警報手段と、
表示機能を備えた出庫許可手段とを備え、
次の各処理を行うようにしたことを特徴とする公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システム。
(1)公共施設付属駐車場を利用した駐車場利用者が、退場前に、施設内に設置された前記精算手段に駐車券を感知させると、前記精算手段が、駐車券に記録されている識別コードに対応する車両の駐車時間をコンピュータ機能に記憶されたデータをもとに算定し、駐車料金体系に基づき所要の精算金額を前記精算手段の表示機能に表示する。
(2)この場合、前記精算手段は、駐車券に記録された識別コード対応の駐車場の入庫時間又は施設の入退場時間の履歴から施設滞在時間が施設外滞在時間よりも異常に短く、駐車場の不適正利用であると判断されたときは、精算手段の表示機能に「精算不能」の表示をして精算機能を停止すると共に、管理室に備えられた警報手段を作動し、管理人が精算手段の表示機能の画面切り替え操作をすると、当該車両の駐車時間中の施設滞在時間と施設外滞在時間とを色分け表示する。
(3)当該駐車場を適正利用した駐車場利用者の精算済の駐車券を出庫許可手段が感知したときは、出庫許可手段を開いて車両の出庫を許可すると共に駐車券を回収する。
(4)精算後所定時間を超過してしまった利用者の駐車券を出庫許可手段が感知したときは、コンピュータ機能の判断基準に基づき、出庫許可手段を開かず、その表示機能に「再精算」を促す表示をする。
(5)上記(4)の表示に基づき、利用者が再度、精算手段に駐車券を感知させると、精算手段の表示機能に「超過料金精算」の表示をして再精算できるものとする。 - 前記精算手段付属の表示機能による色分け表示は、不適正利用者の施設滞在時間を赤色に表示し、施設外滞在時間を青色に表示するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システム。
- 前記精算手段付属の表示機能は、駐車場利用者に対して「精算のための案内表示」と駐車場の不適正利用者の「施設内滞在時間と施設外滞在時間の色分け表示」を画面を切り替えて表示するように複数階層表示の構成となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の公共施設付属駐車場の有料化と不適正利用防止を目的とした管理システム。
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