JP6922332B2 - 化粧シート - Google Patents
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前記絵柄模様層の絵柄は、木目を模した絵柄であること、を特徴とする化粧シート(1)である。
図1は、本発明による化粧シート1の実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、シートという言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。したがって、化粧シート1は、基材2が厚い、又は、基材シートを貼り付けた化粧板であってもよいし、基材が薄い化粧フィルムであってもよい。
本明細書中において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
基材2は、例えば、坪量 30g/m2の着色された紙を素材として構成されている。本実施形態の基材2は、建材用着色薄紙原紙として、王子エフテックス株式会社製のU−FLEX30を用いた。
なお、絵柄模様層3は、印刷の他、転写等により構成してもよい。
また、第1樹脂層4は、75度光沢度が、2.0となるように調整した。
なお、第1樹脂層4の樹脂としては、上記の他に、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂も含む)、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等が挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキド変性アクリルポリオール等が挙げられる。
また、第1樹脂層4に含める艶消し材としては、上記の他に、アルミナ、カオリナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硝子などの無機系粒子や、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、尿素樹脂、珪素樹脂等の有機系粒子等が挙げられる。
また、第1樹脂層4は、透明又は半透明な樹脂を用いて構成されているので、絵柄模様層3の模様を第1樹脂層4を通して観察可能となっている。
第2樹脂層5の素材をより具体的に説明すると、昭和インク工業製「FW−NT」を用いた。これは、平均粒径2μm艶消しシリカを、配合量は10%〜20%で任意に変更可能であり、残りはアクリルポリオールからなる樹脂を主剤とし、ヘキサメチレンジイソシアネートを硬化剤とした2液硬化の樹脂である。
また、第2樹脂層5は、第1樹脂層4の75度光沢度に対して、第2樹脂層5の75度光沢度が+5以上の差が生じるようにすることが望ましく、より望ましくは、+8.0以上の差が生じるようにすると望ましい。本実施形態では、第2樹脂層5は、第1樹脂層4の75度光沢度に対して、第2樹脂層5の75度光沢度が+8以上の差を生じるように、艶消しシリカの量を調整し、設定した。これにより、第2樹脂層5は、第1樹脂層4をハイマットコート層として捉えたときに、それよりも艶が若干高いが、艶消しされたマットコート層となっている。この第1樹脂層4と第2樹脂層5との艶の差、すなわち、艶消し度合いの差を設けたことにより、冬目部分3aとそれ以外の部分との比較において艶消し度合いの差が生じて、実感的な木目表現のための重要な要素となっている。
なお、第2樹脂層5の樹脂としては、上記の他に、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂も含む)、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等が挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキド変性アクリルポリオール等が挙げられる。
また、第2樹脂層5に含める艶消し材としては、上記の他に、アルミナ、カオリナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硝子などの無機系粒子や、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、尿素樹脂、珪素樹脂等の有機系粒子等が挙げられる。
また、第2樹脂層5は、透明又は半透明な樹脂を用いて構成されているので、絵柄模様層3の模様を第2樹脂層5を通して観察可能となっている。
凸部6は、平均粒子径が10μm以下の無機粒子を、凸部6を形成する樹脂組成物に対し、無機粒子/樹脂の質量比率が70/100以下の割合とすることが好ましい。
上記無機粒子の平均粒径が10μm以下である場合、粒子の分散性及び、塗膜形成後における摩擦等において、粒子の脱落が生じ難くなる効果が得られる。
また上記無機粒子/樹脂の質量比率が70/100以下である場合には、塗膜(凸部)に粒子が均一に分布するため、触感が安定する。上記無機粒子/樹脂の質量比率が70/100を超えると、粒子が凝集し、凸部の高さが安定しないおそれがあり、凸部の透明感が損なわれるため、意匠性が低下するおそれがある。
本実施形態では、凸部6には、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートを主成分とする2液アクリルウレタン樹脂をバインダーとして用い、無機粒子として平均粒径4μmの水酸化アルミニウムを配合した。水酸化アルミニウムの配合量は後述する。なお、2液アクリルウレタン樹脂は、透明である。
本実施形態の凸部6は、上述した2液アクリルウレタン樹脂に水酸化アルミニウムを配合したものを、版深90μmのパターン版を用いて塗工することにより形成した。凸部6は前述の第2樹脂層5が塗工されたパターンのさらに上から、面積比として25%となるように形成した。また、凸部6のパターン太さ(幅)は、凡そ0.5mmに設定した。さらに、凸部6の突出量は、凡そ10μmとした。
なお、凸部6の光沢度と第2樹脂層5の光沢度との間で、艶差をわずかに設けることにより、擬似的な3段階の諧調表現を有する意匠を作成することも可能である。
凸部6まで作製した後は、例えば、70℃で24時間程度、化粧シート1を加熱養生し、残留溶剤の除去、及び、2液アクリルウレタン樹脂の硬化をさせることが望ましい。
基材2の上に形成される絵柄模様層3は、図2に示すような木目模様となっている。この絵柄模様層3の上には、全面ベタで第1樹脂層4が形成される。そして、第1樹脂層4の上には、部分的に抜き領域5aを設けた第2樹脂層5が形成される。第2樹脂層5のさらに上には、抜き領域5a上にも一部重なるように、凸部6が他の層と比較するとまばらに形成される。
評価方法について、以下に説明する。
○:垂直高さが20μm以上であり、指触により十分な凸部の高さが認識できるもの。
△:垂直高さが10μm以上20μm未満であり、指触により僅かな凸部の高さが認識できるもの。
×:垂直高さが10μm未満であり、指触に凸部の高さがほとんど認識できないもの。
○:凸部6が明確に形成されているもの。
△:凸部6がなだらかに形成されているもの。
×:凸部6が形成されていないもの。
図4は、第1樹脂層4と第2樹脂層5との間の艶差を評価した結果をまとめた図である。
これらの結果から、以下のことが読取れる。
・凸部粒子の質量比率は、粒子/樹脂の比率で、30/70以上であることが、凸部形状保持性の観点から好ましい。
・第2樹脂層のシリカ質量比率は、シリカ/樹脂の比率で、20/80が好ましい。シリカ比率が、20部を超えた場合、第2樹脂層が顕著に白濁し、下柄の鮮映性を損なうおそれがある。
・シートの75度光沢度は、古木感の表現のためには、15以下であることが好ましい。
・導管表現の観点からは、第1樹脂層4と第2樹脂層5との間の75度光沢度の差異は、5以上が好ましく、より好ましくは、8以上の差異があることが好ましい。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
2 基材
3 絵柄模様層
3a 冬目部分
4 第1樹脂層
5 第2樹脂層
5a 抜き領域
6 凸部
Claims (10)
- 基材と、
前記基材に積層された第1樹脂層と、
前記第1樹脂層上に部分的に積層された第2樹脂層と、
を備え、
前記第1樹脂層は前記第2樹脂層よりも艶が低く構成されており、
樹脂及び平均粒径10μm以下の無機粒子を含み、前記第2樹脂層の前記基材とは反対側に突出して部分的に配置された凸部を備え、
前記凸部は、前記第1樹脂層上の前記第2樹脂層が配置されていない領域のうちの少なくとも一部にも配置されている、
化粧シートであって、
前記化粧シートの前記凸部が設けられた側の75度光沢度は、15以下である、
化粧シート。 - 基材と、
前記基材に積層された第1樹脂層と、
前記第1樹脂層上に部分的に積層された第2樹脂層と、
を備え、
前記第1樹脂層は前記第2樹脂層よりも艶が低く構成されており、
樹脂及び無機粒子を含み、前記第2樹脂層の前記基材とは反対側に突出して部分的に配置された凸部を備え、
前記凸部は、前記第1樹脂層上に前記第2樹脂層が配置されていない領域のうちの少なくとも一部にも配置され、
前記凸部のうちの少なくとも一部は、前記第2樹脂層が配置されていない領域に独立して配置されている、
化粧シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の化粧シートにおいて、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の少なくとも一方は、艶消し材を含むこと、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項2又は請求項3に記載の化粧シートにおいて、
前記凸部が設けられた側の75度光沢度は、15以下であること、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の化粧シートにおいて、
前記凸部の光沢度と前記第2樹脂層の光沢度との差は、75度光沢度において、5以下であること、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の化粧シートにおいて、
前記第1樹脂層の光沢度と前記第2樹脂層の光沢度との差は、75度光沢度において、5以上であること、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の化粧シートにおいて、
前記凸部は、前記無機粒子/前記樹脂の質量比率が70/100以下であること、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の化粧シートにおいて、
前記第2樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分の単位質量当たりに含まれる艶消し材の質量が、前記第1樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分の単位質量当たりに含まれる艶消し材の質量より小さいこと、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の化粧シートにおいて、
前記第1樹脂層の前記第2樹脂層とは反対側に、絵柄模様層が設けられていること、
を特徴とする化粧シート。 - 請求項9に記載の化粧シートにおいて、
前記絵柄模様層の絵柄に対して前記第2樹脂層が同調して設けられていること、
を特徴とする化粧シート。
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