JP6904081B2 - レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明はレーザ光による重ね隅肉溶接を行うためのレーザ溶接方法および該レーザ溶接方法を実施するレーザ溶接装置に係る。
従来、複数枚の金属板同士を接合する手法として重ね隅肉溶接が知られている。特許文献1には、2枚のアルミニウム系金属板の重ね隅肉溶接に関し、レーザ溶接とMIGアーク溶接との複合溶接を行うことが開示されている。具体的には、アルミニウム系金属板で成る上板と下板とを重ね合わせ、この両者の重ね合わせ部分にレーザダイオードのレーザ光を照射する。また、このレーザ光が照射されている前記重ね合わせ部分に対して溶接トーチの先端から溶接ワイヤを送給すると共に、前記重ね合わせ部分の後方からアークを発生させて溶接を行うようにしている。これにより、溶融部(重ね合わせ部分において金属材料が溶融している領域)の溶け落ちを生じさせることなく、深い溶け込みを得て、良好な溶接品質を確保するようにしている。
特開2003−170285号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、レーザ溶接とMIGアーク溶接との複合溶接を行うことから、溶接設備の大型化や複雑化を招くことになり、実用性に欠けるものであった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数枚の金属板の重ね隅肉溶接に関し、溶接設備の大型化や複雑化を招くことなく良好な溶接品質を確保することができるレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、重ね合わされた複数枚の金属板の板厚方向の一方側から他方側に向けてレーザ光を照射して重ね隅肉溶接を行うレーザ溶接方法を対象とする。そして、このレーザ溶接方法は、前記レーザ光の照射位置を、前記各金属板の重ね合わせ部分である溶接線を跨ぐように円形または楕円形の軌跡に沿って移動させながら、その軌跡における円形または楕円形の中心を前記溶接線に沿う方向に移動させていくに際し、前記レーザ光の照射位置の前記円形または前記楕円形の軌跡に沿う移動方向は、前記溶接線に沿う方向において既に前記レーザ光が通過した範囲よりも下流側であって前記各金属板の未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射された後、前記他方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射される方向に規定されている。そして、前記各金属板における前記未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射されることによって当該一方側に位置する金属板に半溶融状態の領域が形成され、前記レーザ光が前記軌跡に沿って移動することにより、前記レーザ光が再び前記一方側に位置する前記金属板に照射されることで前記半溶融状態の領域が完全に溶融されることを特徴とする。
この場合、前記半溶融状態の領域は、前記未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する金属板における当該レーザ光の照射位置の周辺に形成され、前記レーザ光が再び前記一方側に位置する前記金属板に達した際に前記半溶融状態の領域にレーザ光を照射することになる。
この特定事項により、重ね合わされた複数枚の金属板の板厚方向の一方側から他方側に向けてレーザ光を照射して重ね隅肉溶接を行う際、レーザ光の照射位置は、各金属板の重ね合わせ部分である溶接線を跨ぐように円形または楕円形の軌跡に沿って移動しながら、その軌跡における円形または楕円形の中心が溶接線に沿う方向に移動していく。そして、このレーザ光の照射位置の前記円形または前記楕円形の軌跡に沿う移動方向は、溶接線に沿う方向において既にレーザ光が通過した範囲よりも下流側であって各金属板の未溶融部分をレーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する金属板(以下、第1の金属板という)にレーザ光が照射された後、前記他方側に位置する金属板(以下、第2の金属板という)にレーザ光が照射される方向に規定される。
これにより、第1の金属板にレーザ光が照射されている際に、このレーザ光の照射位置では第1の金属板の金属材料が溶融され、該第1の金属板と第2の金属板とが架橋される。この場合、レーザ光の熱は第1の金属板だけに留まらず第2の金属板にも伝達されることになり、このレーザ光の照射位置において第1の金属板と第2の金属板とが良好に溶接される。また、レーザ光の熱が第1の金属板および第2の金属板の両方に伝達されているため、この際における第1の金属板においてレーザ光の照射位置の周辺の領域にあっては入熱量が比較的少なく金属材料の溶融が十分に行われていない半溶融状態にある。その後、前記軌跡上を移動するレーザ光の照射位置が第2の金属板上を経て再び第1の金属板上に達することで、前記溶融が十分に行われていなかった第1の金属板の前記領域(第1の金属板と第2の金属板とが既に溶接されている位置の周辺の領域;半溶融状態の領域)では、レーザ光の照射によって金属材料が完全に溶融されることになり、このレーザ光の照射位置にあっても第1の金属板と第2の金属板とは良好に溶接される。
このように、円形または楕円形の軌跡に沿って移動するレーザ光の照射位置が再び第1の金属板上に達した際には、この第1の金属板上の照射位置では、それまで十分に溶融されていなかった半溶融状態の領域が溶融することになる。つまり、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射するものとはなっていない。このため、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射することで溶湯(溶融金属)をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうといったことは抑制され、溶接箇所(金属材料が溶融した後に凝固した領域)の厚み(ビードにおけるのど厚)を十分に確保することができ、溶接箇所における接合強度(継手強度)を十分に確保することができる。本解決手段では、このようにレーザ光の照射位置の軌跡(移動軌跡)を規定するのみで良好な溶接品質を確保することができるため、他の溶接手段(MIGアーク溶接等)を併用する必要がなくなり、溶接設備の大型化や複雑化を招くことなく、高品質の重ね隅肉溶接部分(溶接継手)を得ることができる。
前記複数枚の金属板は、鉛直方向で重ね合わされた上板および下板であって、前記レーザ光は前記上板と前記下板との重ね合わせ部分に対して上方から照射されるようになっており、前記軌跡に沿う前記レーザ光の照射位置の移動方向は、前記溶接線に沿う方向において既に前記レーザ光が通過した範囲よりも下流側であって前記上板および前記下板の未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記上板に前記レーザ光が照射された後、前記下板に前記レーザ光が照射される方向に規定されていることが好ましい。
これによれば、上板にレーザ光が照射されている際には、レーザ光の照射位置では上板の金属材料が溶融され、上板と下板とが架橋される。これにより、レーザ光の熱は上板だけに留まらず下板にも伝達されることになる。また、この部分における上板の溶融金属は重力の作用によって下板の溶融部分に流れ込みやすくなり、これら溶融金属が混合されることになる。このように、各金属板の重ね合わせ方向を鉛直方向とした場合には、重力を有効に利用することで上板と下板との架橋がより良好に行われ、溶接箇所(金属材料が溶融した後に凝固した領域)の厚みが確保され、上板と下板とがよりいっそう高い接合強度で溶接されることになる。
また、前記各金属板は、アルミニウム系金属板で成ることが好ましい。
アルミニウム系金属板は、鋼板に比べて融点が低いため、円形または楕円形の軌跡に沿ってレーザ光の照射位置を移動させながら重ね隅肉溶接を行う場合に、その円形または楕円形の軌跡に沿うレーザ光の照射位置の移動方向を特に規定しなかった場合には、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光が照射されてしまう可能性があり、この場合、溶湯をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまい、十分なのど厚を確保することができなくなる虞がある。本発明にあっては、第1の金属板にレーザ光を照射した後、第2の金属板にレーザ光を照射するようにしているため、円形または楕円形の軌跡に沿って移動するレーザ光の照射位置が再び第1の金属板上に達する際には、それまで十分に溶融されていなかった領域(第1の金属板の領域であって、該第1の金属板と第2の金属板とが溶接されている位置の周辺の領域)を溶融させることになり、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射するといった状況は生じ難く、溶湯をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうといったことを抑制できる。その結果、のど厚を十分に確保することができ、接合強度を十分に確保することができる。つまり、本発明に係るレーザ溶接方法は、アルミニウム系金属板の重ね隅肉溶接に対して特に有効な溶接方法となっている。
また、前述した各解決手段に係るレーザ溶接方法による重ね隅肉溶接を実施するレーザ溶接装置も本発明の技術的思想の範疇である。そして、このレーザ溶接装置は、前記レーザ光の照射位置を移動させる走査手段と、前記レーザ光の照射位置を、前記各金属板の重ね合わせ部分である溶接線を跨ぐように円形または楕円形の軌跡に沿って移動させながら、その軌跡における円形または楕円形の中心を前記溶接線に沿う方向に移動させるように、前記走査手段を制御するレーザ光走査制御部とを備えている。また、前記レーザ光走査制御部は、前記溶接線に沿う方向において既に前記レーザ光が通過した範囲よりも下流側であって前記各金属板の未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射されることによって当該一方側に位置する金属板に半溶融状態の領域が形成され、前記レーザ光が前記軌跡に沿って移動することにより、前記レーザ光が再び前記一方側に位置する前記金属板に照射されることで前記半溶融状態の領域が完全に溶融されるように、前記未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射された後、前記他方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射されるように、前記走査手段による前記レーザ光の照射位置を移動させる構成となっていることを特徴とする。
このレーザ溶接装置で実施されるレーザ溶接にあっても、前述したように、レーザ光の照射位置の軌跡(移動軌跡)を規定するのみで良好な溶接品質を確保することができる。このため、他の溶接手段(MIGアーク溶接等)を併用する必要がなくなり、溶接設備の大型化や複雑化を招くことなく、高品質の重ね隅肉溶接部分(溶接継手)を得ることができる。
本発明では、重ね合わされた複数枚の金属板の板厚方向の一方側から他方側に向けてレーザ光を照射して行う重ね隅肉溶接において、円形または楕円形の軌跡に沿うレーザ光の照射位置の移動方向を、溶接線に沿う方向において既にレーザ光が通過した範囲よりも下流側であって各金属板の未溶融部分をレーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する金属板にレーザ光が照射された後、前記他方側に位置する金属板にレーザ光が照射される方向に規定している。これにより、レーザ光の照射位置が、前記他方側に位置する金属板上を経て再び前記一方側に位置する金属板上に達する際には、溶融が十分に行われていなかった領域(一方側に位置する金属板の領域)を溶融させることになる。つまり、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射するものとはなっていない。このため、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射することで溶湯をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうといったことは抑制され、溶接箇所の厚み(ビードにおけるのど厚)を十分に確保することができ、溶接箇所における接合強度を十分に確保することができる。その結果、他の溶接手段(MIGアーク溶接等)を併用する必要がなくなり、溶接設備の大型化や複雑化を招くことなく、高品質の重ね隅肉溶接部分を得ることができる。
実施形態に係るレーザ溶接装置を示す概略構成図である。 実施形態に係るレーザ光の走査を説明するためのワークの斜視図である。 レーザ光の照射位置の軌跡を説明するための図である。 実施形態に係るレーザ溶接におけるレーザ光の照射位置の移動状態を説明するためのワークの溶接箇所を拡大して示す図である。 比較例に係るレーザ光の走査を説明するためのワークの斜視図である。 比較例に係るレーザ溶接におけるレーザ光の照射位置の移動状態を説明するためのワークの溶接箇所を拡大して示す図である。 実施形態に係るレーザ溶接によって得られたワークの溶接箇所の断面図である。 比較例に係るレーザ溶接によって得られたワークの溶接箇所の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車の車体の製造工程で使用されるレーザ溶接装置により実施されるレーザ溶接方法として本発明を適用した場合について説明する。
−レーザ溶接装置の概略構成−
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接に使用されるレーザ溶接装置1を示す概略構成図である。この図1に示すように、レーザ溶接装置1は、レーザ発振器2、レーザスキャナ3、溶接ロボット4、および、ロボットコントローラ5を備えている。
レーザ発振器2はレーザ光を生成する。この生成されたレーザ光は、光ファイバーケーブル21を経てレーザスキャナ3に導かれる。レーザ光としては、例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ等を用いることができる。
レーザスキャナ3は、光ファイバーケーブル21を経て導かれたレーザ光を、2枚のアルミニウム合金の板材(アルミニウム系金属板)W1,W2が重ね合わされて成るワークWに照射する(図1の一点鎖線を参照)。レーザスキャナ3の内部には図示しないレンズ群や複数のミラー31(図1では1個のミラー31のみを示している)が収容されている。レンズ群としては、レーザ光を平行光にするためのコリメートレンズや、レーザ光をワークWの加工点(ワークW上の所定のレーザ照射位置)において焦点を結ぶように集光させる集光レンズ等が備えられている。また、各ミラー31はそれぞれ回動軸32を中心に回動可能に構成されている。具体的には、前記回動軸32は走査モータ33に連結されており、この走査モータ33の作動に伴う回動軸32の回動によって各ミラー31が回動するようになっている。そして、これらミラー31の回動によってレーザ光を走査し、ワークWの所定範囲内でレーザ光の照射位置を移動させることが可能となっている。これにより、レーザスキャナ3自体を移動させることなくレーザ光の照射位置を移動することが可能である。各ミラー31は例えばガルバノミラーを用いて構成することができる。
溶接ロボット4は、レーザスキャナ3を移動可能とするように構成されている。この溶接ロボット4は、多関節ロボットによって構成されている。具体的に、本実施形態のものでは、ベース台41、ベース台41の内部に収容された回転機構(図示省略)、関節42,43,44、および、アーム45,46,47を備えている。回転機構の回転動作および各関節42,43,44におけるアーム45,46,47の揺動動作により、レーザスキャナ3を任意の方向に移動することが可能となっている。
ロボットコントローラ5には、予めオフラインティーチングによって、溶接対象箇所に向けてレーザスキャナ3を移動させるための情報(各関節42,43,44の回動角度量等の情報)が記憶されている。そして、車体製造ライン上の溶接工程箇所まで車体が搬送されてきた際に、ロボットコントローラ5からの制御信号に従い、前記情報に基づいて溶接ロボット4が作動することで、レーザスキャナ3が溶接対象箇所に対向され、このレーザスキャナ3から溶接対象箇所に向けてレーザ光が照射されることで順次レーザ溶接が行われていくことになる。
また、前記ロボットコントローラ5には、ワークW上のレーザ照射位置を移動させるための制御信号を出力するレーザ光走査制御部51が備えられている。このレーザ光走査制御部51は、前記走査モータ33に対して制御信号を出力する。この制御信号に従って走査モータ33が作動することにより、各ミラー31が回動軸32を中心に回動してレーザ光が走査され、ワークW上のレーザ照射位置が移動される。このワークW上でのレーザ照射位置の移動については後述する。
−溶接方法−
次に、本実施形態の特徴である溶接方法について説明する。本実施形態では、鉛直方向で重ね合わされた2枚のアルミニウム系金属板W1,W2の重ね隅肉溶接を行う場合であって、このアルミニウム系金属板W1,W2の重ね合わせ部分に対して、前記レーザスキャナ3より出射されるレーザ光を上方から照射する場合について説明する。このため、以下では、上側のアルミニウム系金属板を上板W1と呼び、下側のアルミニウム系金属板を下板W2と呼ぶこととする。つまり、上板W1が、本発明でいう「一方側(各金属板の板厚方向の一方側)に位置する金属板」に相当し、下板W2が、本発明でいう「他方側(各金属板の板厚方向の他方側)に位置する金属板」に相当することになる。
図2は、本実施形態に係るレーザ光の走査を説明するためのワークWの斜視図である。また、図3は、レーザ光の照射位置の軌跡(移動軌跡)を説明するための図である。
これらの図に示すように、本実施形態における重ね隅肉溶接は、重ね合わされた上板W1と下板W2との重ね合わせ部分である溶接線Lに沿って金属材料を溶融させてこれら上板W1と下板W2とを溶接するものである。具体的には、上板W1の先端面(図2における手前側の端面)W1aの位置に対して、下板W2の先端面(図2における手前側の端面)W2aの位置を僅かに手前側に位置させ、これら上板W1の上面W1bおよび先端面W1aから、下板W2の上面W2bに亘る所定の範囲内で、レーザ光を走査させて(レーザ光の集光点を走査させて)金属材料を溶融させ、これにより上板W1と下板W2とを溶接するようにしている。この種の溶接手法は一般にレーザウォブリング溶接と呼ばれている。
前記レーザ光の走査(上板W1および下板W2におけるレーザ光の照射位置の移動)としては、図2に実線の矢印(レーザ光の照射位置の軌跡)に示すように、レーザ光の照射位置を、上板W1と下板W2との重ね合わせ部分である溶接線Lを跨ぐように楕円形の軌跡に沿って移動させながら、その軌跡における楕円形の中心を溶接線Lに沿う方向(図2における左方向)に移動させていく。図2では前記軌跡の中心を繋いだ線を一点鎖線Mで示しており、この一点鎖線Mが前記溶接線Lに平行となっている。
そして、本実施形態の特徴は、前記レーザ光の照射位置の前記楕円形の軌跡に沿う移動方向にある。具体的には、前記溶接線Lに沿う方向において既にレーザ光が通過した範囲(図2にあっては範囲X)よりも下流側(図2にあっては左側)であって上板W1および下板W2の未溶融部分(未だレーザ光が照射されていない部分であって、図2にあっては点X1よりも左側に位置する領域)をレーザ光が通過する際に、上板W1(前記一方側に位置する金属板)にレーザ光が照射された後、下板W2(前記他方側に位置する金属板)にレーザ光が照射される方向に規定されている。つまり、図2における楕円形の軌跡を反時計回り方向に移動しながら、その軌跡における楕円形の中心が溶接線Lに沿って左方向に移動するようにレーザ光が走査されるようにしている。このレーザ光の照射位置の移動は、前述したように、レーザ光走査制御部51からの制御信号が、前記各ミラー31を回動させる走査モータ33に出力され、該走査モータ33が作動して各ミラー31が回動することにより行われる。このため、前記走査モータ33およびミラー31が本発明でいう走査手段(レーザ光の照射位置を移動させる走査手段)に相当することになる。
また、このレーザ光の照射位置の前記楕円形の軌跡について詳述すると、例えば上板W1および下板W2の板厚寸法が1.5mm〜3.0mmのある場合に、図3に示すように、楕円形の長軸方向(図3における上下方向であって前記溶接線Lに対して直交する方向)の長さ寸法(振幅)Aは2.5mm〜3.5mmの範囲の所定値に設定される。また、楕円形の短軸方向(図3における左右方向であって前記溶接線Lに平行な方向)の長さ寸法(幅)Dは1.0mm〜2.4mmの範囲の所定値に設定される。また、溶接線Lに沿う方向のピッチ(前記軌跡における楕円形の中心を溶接線Lに沿う方向に移動させていく際の1回転当たりにおいて溶接線Lに沿う方向での走査移動量)Pは0.8mm〜1.6mmの範囲の所定値に設定される。これらの値はこれに限定されるものではなく、上板W1および下板W2の板厚寸法等に応じて実験またはシミュレーションによって適宜設定される。
また、本実施形態におけるレーザ光の条件について説明すると、レーザ出力は4000〜6000Wの範囲の所定値に設定される。また、楕円形の軌跡に沿う走査速度は2500〜5000cm/minの範囲の所定値に設定される。これらの値はこれに限定されるものではなく、上板W1および下板W2の板厚寸法等に応じて実験またはシミュレーションによって適宜設定される。
次に、レーザ溶接による金属材料の溶融状態について説明する。図4は、このレーザ溶接におけるレーザ光の照射位置の移動状態を説明するためのワークWの溶接箇所を拡大して示す図である。この図4における点S1〜S4はレーザ光の照射位置を示している。つまり、この図4では、図4(a)から図4(d)に移るに従って、レーザ光の照射位置が、一点鎖線で示す楕円形の軌跡上をS1,S2,S3,S4の順で移動していくことを表している。
この図4に示すように、本実施形態における重ね隅肉溶接では、上板W1と下板W2との重ね合わせ部分にレーザ光を照射して重ね隅肉溶接を行う際、レーザ光の照射位置は、前述したように、上板W1と下板W2との重ね合わせ部分である溶接線Lを跨ぐように楕円形の軌跡に沿って移動しながら、その軌跡における楕円形の中心が溶接線Lに沿う方向(図4における左方向)に移動していく。そして、このレーザ光の照射位置の移動としては、図4において、楕円形の軌跡を反時計回り方向に移動しながら、その軌跡における楕円形の中心が溶接線Lに沿って左方向に移動している。つまり、レーザ光の照射位置の前記楕円形の軌跡に沿う移動方向は、溶接線Lに沿う方向において既にレーザ光が通過した範囲X(図2を参照)よりも下流側であって上板W1および下板W2の未溶融部分をレーザ光が通過する際に、上板W1にレーザ光が照射された後、下板W2にレーザ光が照射される方向に規定されている。
これにより、図4(a)で示すレーザ光の照射状態(照射位置S1)では、上板W1にレーザ光が照射されていることで、この照射位置S1で上板W1の金属材料が溶融され、該上板W1と下板W2とが架橋されることになる。この場合、レーザ光の熱は上板W1だけに留まらず下板W2にも伝達されることになり、このレーザ光の照射位置において上板W1と下板W2とが良好に溶接される。また、レーザ光の熱が上板W1および下板W2の両方に伝達されているため、この際における上板W1においてレーザ光の照射位置S1の周辺の領域(例えば図4(a)において破線で囲んだ領域)にあっては入熱量が比較的少なく金属材料の溶融が十分に行われていない状態(例えば半溶融状態)にある。その後、図4(b)で示すレーザ光の照射状態(照射位置S2)のように、前記軌跡上を移動するレーザ光の照射位置S2が下板W2上を経た後、図4(c)で示すレーザ光の照射状態(照射位置S3)のように、レーザ光の照射位置S3が再び上板W1上に達することで、前記溶融が十分に行われていなかった上板W1の前記領域(上板W1と下板W2とが既に溶接されている位置の周辺の領域;図4(c)において破線で囲んだ領域)では、レーザ光の照射によって金属材料が完全に溶融されることになり、このレーザ光の照射位置にあっても上板W1と下板W2とは良好に溶接される。つまり、図4(d)で示すレーザ光の照射状態(照射位置S4)に達すると、この図4(d)において破線で囲んだ領域が凝固することで、この領域において上板W1と下板W2とは良好に溶接されることになる。このような動作が、楕円形の軌跡に沿ってレーザ光の照射位置が1回転する度に連続して行われることで、溶接線Lに沿って金属材料が溶融して上板W1と下板W2とが溶接されていく。
また、本実施形態の場合、上板W1にレーザ光が照射されている際には、この上板W1の溶融金属は重力の作用によって下板W2の溶融部分に流れ込みやすくなり、これら溶融金属が混合されることになる。つまり、上板W1と下板W2との重ね合わせ方向を鉛直方向とした場合には、重力を有効に利用することで上板W1と下板W2との架橋がより良好に行われ、溶接箇所の厚みが確保され、上板W1と下板W2とがよりいっそう高い接合強度で溶接されることになる。
このように、本実施形態におけるレーザ溶接方法では、楕円形の軌跡に沿って移動するレーザ光の照射位置が再び上板W1に達した際には、この上板W1上の照射位置では、それまで十分に溶融されていなかった領域を溶融させることになる。つまり、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射するものとはなっていない。このため、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射することで溶湯(溶融金属)をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうといったことは抑制され、溶接箇所(金属材料が溶融した後に凝固した領域)の厚み(ビードにおけるのど厚)を十分に確保することができ、溶接箇所における接合強度(継手強度)を十分に確保することができる。
図5および図6は、本実施形態のものとは前記軌跡上の移動方向が反対方向(時計回り方向)となっている比較例を示すものであり、図5は、比較例に係るレーザ光の走査を説明するためのワークwの斜視図であり、図6は、比較例に係るレーザ溶接におけるレーザ光の照射位置の移動状態を説明するためのワークwの溶接箇所を拡大して示す図である。この図6においても、図6(a)から図6(c)に移るに従って、レーザ光の照射位置が、一点鎖線で示す楕円形の軌跡上をs1,s2,s3の順で移動していくことを表している。
これらの図に示すように、この比較例における重ね隅肉溶接では、上板w1と下板w2との重ね合わせ部分にレーザ光を照射して重ね隅肉溶接を行う際、レーザ光の照射位置は、上板w1と下板w2との重ね合わせ部分である溶接線lを跨ぐように楕円形の軌跡に沿って移動しながら、その軌跡における楕円形の中心が溶接線lに沿う方向(図6における左方向)に移動していくものではあるが、このレーザ光の照射位置の移動としては、図6において、楕円形の軌跡を時計回り方向に移動しながら、その軌跡における楕円形の中心が溶接線lに沿って左方向に移動している。このため、上板w1および下板w2における未溶融部分をレーザ光が通過する際に、下板w2にレーザ光が照射された後、上板w1にレーザ光が照射されることになる。このため、図6(a)で示すレーザ光の照射状態(照射位置s1)から図6(b)で示すレーザ光の照射状態(照射位置s2)に移行して、上板w1にレーザ光が照射されたとしても、上板w1は十分に加熱されていないことから上板w1と下板w2とは架橋されない状態となっている。特に上板w1と下板w2との間に隙間が存在している場合は顕著に現れる。これにより、レーザ光の熱は上板w1だけに留まることになり、その後、このレーザ光の熱の大部分は上板w1の溶融のために使用される。このため、このレーザ光の照射位置およびその周辺部の領域(例えば図6(b)において破線で囲んだ領域)にあっては金属材料が完全に溶融される。その後、図6(c)で示すレーザ光の照射状態(照射位置s3)のように、前記軌跡上を移動するレーザ光の照射位置が上板W1上を移動することで、前記完全に溶融していた金属材料にレーザ光が照射されることになり、溶湯をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうことになって、溶接箇所(金属材料が溶融した後に凝固した領域)の厚み(ビードにおけるのど厚)を十分に確保することができなくなり、この溶接箇所における接合強度(継手強度)を十分に確保することが難しくなる。
これに対し、本実施形態では、前述したように、レーザ光の照射位置が再び上板W1に達した際には、この上板W1上の照射位置では、それまで十分に溶融されていなかった領域を溶融させることになり、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光を照射することで溶湯をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうといったことは抑制されている。このため、溶接箇所におけるのど厚を十分に確保することができ、この溶接箇所における接合強度を十分に確保することができる。このように、本実施形態では、レーザ光の照射位置の軌跡(移動軌跡)を規定するのみで良好な溶接品質を確保することができ、他の溶接手段(MIGアーク溶接等)を併用する必要がなくなり、溶接設備の大型化や複雑化を招くことなく、高品質の重ね隅肉溶接部分(溶接継手)を得ることができる。
また、前記アルミニウム系金属板は、鋼板に比べて融点が低いため、前記楕円形の軌跡に沿ってレーザ光の照射位置を移動させながら重ね隅肉溶接を行う場合に、その楕円形の軌跡に沿うレーザ光の照射位置の移動方向を特に規定しなかった場合には、前述した比較例のように、完全に溶融されている領域に向けてレーザ光が照射されてしまう可能性があり、十分なのど厚を確保することができなくなる虞がある。本実施形態にあっては、前述の如く楕円形の軌跡に沿うレーザ光の照射位置の移動方向を規定しているため、楕円形の軌跡に沿って移動するレーザ光の照射位置が再び上板W1上に達する際には、それまで十分に溶融されていなかった領域を溶融させることになり、溶湯をキーホールの圧力で吹き飛ばしてしまうといったことを抑制できる。つまり、本実施形態に係るレーザ溶接方法は、アルミニウム系金属板の重ね隅肉溶接に対して特に有効な溶接方法である。
−溶接結果−
図7は、本実施形態に係るレーザ溶接によって得られたワークWの溶接箇所の断面図である。図7(a)はレーザ光による金属材料の溶融領域(ビードB)が下板W2の下面にまで達した場合のワークWの溶接箇所の断面図である。例えば、レーザ光の出力を比較的大きく設定した場合である。また、図7(b)はレーザ光による金属材料の溶融領域(ビードB)が下板W2の下面にまで達しなかった場合のワークWの溶接箇所の断面図である。例えば、レーザ光の出力を比較的小さく設定した場合である。
一方、図8は、前記比較例に係るレーザ溶接によって得られたワークWの溶接箇所の断面図である。図8(a)は、前記図7(a)の場合と同様に、レーザ光による金属材料の溶融領域(ビードb)が下板w2の下面にまで達した場合のワークwの溶接箇所の断面図である。例えば、レーザ光の出力を比較的大きく設定した場合である。また、図8(b)は、前記図7(b)の場合と同様に、レーザ光による金属材料の溶融領域(ビードb)が下板w2の下面にまで達しなかった場合のワークwの溶接箇所の断面図である。例えば、レーザ光の出力を比較的小さく設定した場合である。
図7(a)と図8(a)とを対比した場合、比較例に係るレーザ溶接によって得られたワークw(図8(a))にあっては、のど厚の寸法は図中のt1となっており、十分な寸法が得られておらず、接合強度が十分に得られていない可能性がある。これに対し、本実施形態に係るレーザ溶接によって得られたワークW(図7(a))にあっては、のど厚の寸法は図中のT1となっており、十分な寸法が得られており、接合強度も十分に得られている。本実施形態のものでは比較例のものに比べてのど厚が30%程度増大している。
同様に、図7(b)と図8(b)とを対比した場合、比較例に係るレーザ溶接によって得られたワークw(図8(b))にあっては、のど厚の寸法は図中のt2となっており、十分な寸法が得られておらず、接合強度が十分に得られていない可能性がある。これに対し、本実施形態に係るレーザ溶接によって得られたワークW(図7(b))にあっては、のど厚の寸法は図中のT2となっており、十分な寸法が得られており、接合強度も十分に得られている。
これら溶接結果の検証により、本実施形態に係る溶接方法によれば、高品質の重ね隅肉溶接部分(溶接継手)を得ることが確認できた。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、自動車の車体の製造工程で使用されるレーザ溶接装置1により実施されるレーザ溶接方法として本発明を適用した場合について説明したが、その他の部材のレーザ溶接に対しても本発明は適用することが可能である。
また、前記実施形態では、レーザ光の照射位置を楕円形の軌跡に沿って移動させながら2枚のアルミニウム系金属板で成る上板W1と下板W2との重ね隅肉溶接を行う場合について説明した。本発明はこれに限らず、レーザ光の照射位置を円形(真円形状)の軌跡に沿って移動させながら重ね隅肉溶接を行うようにしてもよい。また、3枚の金属板に対して重ね隅肉溶接を行う場合にも本発明は適用が可能である。つまり、3枚の金属板に跨ってレーザ光の照射位置を円形または楕円形の軌跡に沿って移動させるものである。また、鋼板に対して重ね隅肉溶接を行う場合にも本発明は適用が可能である。また、各金属板の重ね合わせ方向を水平方向やその他の方向とした重ね隅肉溶接を行う場合にも本発明は適用が可能である。
また、前記実施形態では、楕円形の軌跡に沿って移動させながら、その軌跡における楕円形の中心を溶接線Lに沿う方向に移動させていくレーザ光の走査を複数のミラー31を回動させることにより行っていた。本発明はこれに限らず、レーザ光の照射位置を楕円形の軌跡に沿って移動させる走査をミラー31の回動によって行い、その軌跡における楕円形の中心の溶接線Lに沿う移動を、溶接ロボット4の各アーム45,46,47の揺動動作によって実現するようにしてもよい。
本発明は、レーザ光によるアルミニウム系金属板の重ね隅肉溶接を行うレーザ溶接方法および該レーザ溶接方法を実施するレーザ溶接装置に適用可能である。
1 レーザ溶接装置
31 ミラー
33 走査モータ
51 レーザ光走査制御部
W ワーク
W1 上板(一方側に位置する金属板)
W2 下板(他方側に位置する金属板)
L 溶接線
S1〜S4 レーザ光の照射位置

Claims (5)

  1. 重ね合わされた複数枚の金属板の板厚方向の一方側から他方側に向けてレーザ光を照射して重ね隅肉溶接を行うレーザ溶接方法であって、
    前記レーザ光の照射位置を、前記各金属板の重ね合わせ部分である溶接線を跨ぐように円形または楕円形の軌跡に沿って移動させながら、その軌跡における円形または楕円形の中心を前記溶接線に沿う方向に移動させていくに際し、
    前記レーザ光の照射位置の前記円形または前記楕円形の軌跡に沿う移動方向は、前記溶接線に沿う方向において既に前記レーザ光が通過した範囲よりも下流側であって前記各金属板の未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射された後、前記他方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射される方向に規定されており、
    前記各金属板における前記未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射されることによって当該一方側に位置する金属板に半溶融状態の領域が形成され、
    前記レーザ光が前記軌跡に沿って移動することにより、前記レーザ光が再び前記一方側に位置する前記金属板に照射されることで前記半溶融状態の領域が完全に溶融されることを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 請求項1記載のレーザ溶接方法において、
    前記半溶融状態の領域は、前記未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する金属板における当該レーザ光の照射位置の周辺に形成され、
    前記レーザ光が再び前記一方側に位置する前記金属板に達した際に前記半溶融状態の領域にレーザ光を照射することを特徴とするレーザ溶接方法。
  3. 請求項1または2記載のレーザ溶接方法において、
    前記複数枚の金属板は、鉛直方向で重ね合わされた上板および下板であって、前記レーザ光は前記上板と前記下板との重ね合わせ部分に対して上方から照射されるようになっており、
    前記軌跡に沿う前記レーザ光の照射位置の移動方向は、前記溶接線に沿う方向において既に前記レーザ光が通過した範囲よりも下流側であって前記上板および前記下板の未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記上板に前記レーザ光が照射された後、前記下板に前記レーザ光が照射される方向に規定されていることを特徴とするレーザ溶接方法。
  4. 請求項1、2または3記載のレーザ溶接方法において、
    前記各金属板は、アルミニウム系金属板で成ることを特徴とするレーザ溶接方法。
  5. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載のレーザ溶接方法による重ね隅肉溶接を実施するレーザ溶接装置であって、
    前記レーザ光の照射位置を移動させる走査手段と、
    前記レーザ光の照射位置を、前記各金属板の重ね合わせ部分である溶接線を跨ぐように円形または楕円形の軌跡に沿って移動させながら、その軌跡における円形または楕円形の中心を前記溶接線に沿う方向に移動させるように、前記走査手段を制御するレーザ光走査制御部とを備え、
    前記レーザ光走査制御部は、前記溶接線に沿う方向において既に前記レーザ光が通過した範囲よりも下流側であって前記各金属板の未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射されることによって当該一方側に位置する金属板に半溶融状態の領域が形成され、前記レーザ光が前記軌跡に沿って移動することにより、前記レーザ光が再び前記一方側に位置する前記金属板に照射されることで前記半溶融状態の領域が完全に溶融されるように、前記未溶融部分を前記レーザ光が通過する際に、前記一方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射された後、前記他方側に位置する前記金属板に前記レーザ光が照射されるように前記走査手段による前記レーザ光の照射位置を移動させる構成となっていることを特徴とするレーザ溶接装置。
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