JP6465125B2 - 異種金属部材の接合装置及び接合方法 - Google Patents

異種金属部材の接合装置及び接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、異種金属部材の接合装置及び接合方法に関し、特にレーザー光を用いたロウ付け(Laser Brazing)による異種金属部材の接合技術に関する。
互いに融点が異なる異種金属同士の接合には、ロウ付けが用いられている。ロウ付けによる金属同士の接合は、熱源からの熱により被接合部材を加熱するとともに、ワイヤ状のロウ材を金属部材同士の接合予定箇所(突合せ箇所)に沿って供給して、ロウ材を溶融させた後に固化させることにより行われる。
被接合部材の加熱及びロウ材の溶融に用いる熱源として、レーザー光が用いられる場合がある(特許文献1,2)。レーザー光を用いたロウ付け(Laser Brazing)は、金属部材同士の接合予定箇所(突合せ箇所)にレーザー光を照射することにより、被接合部材の加熱及び溶融とロウ材の溶融を行う。
特開2014−161904号公報 特表2008−500903号公報
しかしながら、上記特許文献1,2を含む従来技術では、スパッタやブローホールの発生が回避しきれず、高い接合強度を得ることが困難である。即ち、従来技術では、レーザー光の照射により、スパッタやブローホールが発生したり、融点の高い側の金属部材とロウ材とにより金属間化合物が生成され、接合強度の低下を招くおそれがある。
本発明は、レーザー光を用いたロウ付けによる異種金属の接合において、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる異種金属部材の接合装置及び接合方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る異種金属部材の接合装置は、互いに融点の異なる金属材料からなる第1金属部材と第2金属部材とを、ロウ付けにより接合する接合装置であって、レーザー光発振手段と、レーザー光走査手段と、ロウ材供給手段と、コントローラと、を備える。
前記レーザー光発振手段は、レーザー光を発振する。
前記レーザー光走査手段は、前記レーザー光発振手段から発振された前記レーザー光の照射位置を走査する。
前記ロウ材供給手段は、前記第1金属部材と前記第2金属部材との接合予定線に沿ってロウ材を供給する。
前記コントローラは、前記レーザー光走査手段を制御する。
そして、本態様において、前記第1金属部材を構成する第1金属材料の融点は、前記第2金属部材を構成する第2金属材料の融点よりも高く、前記接合予定線が延伸する方向を第1方向、前記第2金属部材における前記接合予定線を含む主面内において、前記第1方向に交差する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向の双方に対して交差する方向を第3方向とするとき、以下の特徴を有する。
前記レーザー光は、前記第3方向の一方側から前記照射位置に対して照射される。
前記コントローラは、前記レーザー光走査手段に対して、前記レーザー光の照射位置を、前記第1方向及び前記第2方向に走査させるとともに、前記第2方向には往復動させ、且つ、前記第2方向の走査における前記往復動に係る中心を前記第2金属部材の側にオフセットした状態で走査させる。
上記態様では、前記レーザー光の照射位置を、前記第2方向の走査における往復動に係る中心を前記第2金属部材の側にオフセットした状態で走査させるので、融点が高い第1金属材料からなる第1金属部材の側へのレーザー光の照射が抑えられる。このため、第1金属部材と第2金属部材との接合予定線に沿ってロウ材を供給してロウ付けした際にも、スパッタやブローホールの発生を抑えることができる。
また、上記のようにレーザー光の照射位置の前記中心を第2金属部材側にオフセットすることにより、第1金属部材に対するレーザー光からのエネルギ密度を低くし、第1金属部材が溶融してロウ材との間で金属間化合物が生成されるのを抑制することができる。このため、高い接合強度を確保することができる。
従って、上記態様に係る異種金属部材の接合装置では、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置は、上記構成において、前記コントローラは、前記レーザー光走査手段に対して、前記第2方向における前記レーザー光の照射位置を、前記第2金属部材の側に限定して走査させる。
上記態様では、第2方向におけるレーザー光の照射位置を第2金属部材の側に限定、換言すると、レーザー光を融点が高い第1金属部材には照射しないこととしているので、第1金属部材が溶融してロウ材との間で金属間化合物が生成されるのをより確実に抑制することができる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置は、上記構成において、前記レーザー光走査手段は、テーブルと、レーザー光偏向部と、を有する。
前記テーブルは、前記第1金属部材及び前記第2金属部材が載置され、前記第1方向に移動自在である。
前記レーザー光偏光部は、前記レーザー光の光路中に介設された揺動ミラーを有し、当該揺動ミラーの揺動により、前記レーザー光の照射位置を前記第2方向に偏向する。
上記態様では、テーブルによる第1方向への移動と、揺動ミラーの揺動による第2方向へのレーザー光の偏向とにより、レーザー光の照射位置を第1方向及び第2方向に走査することができる。このような構成を有する接合装置では、簡易な構成を以って、レーザー光の走査を2次元的に実施することができ、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得るのに優位である。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置は、上記構成において、前記コントローラは、前記レーザー光走査手段に対して、前記レーザー光の照射位置を前記第1方向及び前記第2方向を含む仮想面内で旋回するよう走査させる。
上記態様では、レーザー光の照射位置を旋回させるようにしているので、局所的にレーザー光からのエネルギ密度が高くなる箇所が生じるのを抑制することができる。このため、第2金属部材及びロウ材の溶融について、より安定したものとすることができ、高い接合強度を得るのに優位である。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置では、接合対象の一方である前記第1金属材料が鉄又は鉄を含む合金であり、接合対象の他方である前記第2金属材料がアルミニウム又はアルミニウムを含む合金である。
上記態様では、第1金属部材が鉄又は鉄を含む合金からなる部材であり、第2金属部材がアルミニウム又はアルミニウムを含む合金からなる部材である場合でも、上記のような走査を以ってレーザー光の照射を行うことにより、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置は、上記構成において、前記ロウ材は、フラックス入りのロウ材である。
上記態様では、フラックス入りのロウ材を用いることにより、濡れ性の向上と、酸化の抑制とを実現することができる。また、上記態様では、フラックス入りのロウ材を用いながら、上記のような走査を以ってレーザー光の照射を行うことにより、フラックスのガス化を抑制することができ、スパッタやブローホールの発生を抑制することができる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置は、上記構成において、前記第1金属部材と前記第2金属部材とは突合せられ、当該突合せ部が前記接合予定線を構成し、前記第2金属部材は、前記第1金属部材との突合せ側の第2端面が、前記第3方向における前記レーザー光の入射側が斜面状にテーパーカットされている。
上記態様では、第2端面がテーパーカットされているので、照射されたレーザー光を高効率に受光することができ、素早く第2金属部材の温度上昇を図ることができる。このため、第1金属部材の温度が過度に上昇しない間に、第2金属部材の温度上昇を図り、ロウ材を介した接合が良好なものとなる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合装置は、上記構成において、前記第1金属部材は、前記第2金属部材との突合せ側の第1端面が、前記第2端面よりも切り立っている。
上記態様では、第1端面が第2端面より切り立った構成としているので、レーザー光が第1金属部材の第1端面に照射され難くすることができる。よって、第1金属部材の溶融を避けることができ、ロウ材と第1金属部材との金属間化合物の生成を抑制することができる。よって、上記態様では、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得るのに更に優位である。
本発明の一態様に係る異種金属部材の接合方法は、互いに融点の異なる金属材料からなる第1金属部材と第2金属部材とを、ロウ付けにより接合する接合方法であって、レーザー光発振ステップと、レーザー光走査ステップと、ロウ材供給ステップと、を備える。
前記レーザー光発振ステップでは、レーザー光を発振する。
前記レーザー光走査ステップでは、前記レーザー光発振ステップにおいて発振された前記レーザー光の照射位置を走査する。
前記ロウ材供給ステップでは、前記第1金属部材と前記第2金属部材との接合予定線に沿ってロウ材を供給する。
そして、本態様において、前記第1金属部材を構成する第1金属材料の融点は、前記第2金属部材を構成する第2金属材料の融点よりも高く、前記接合予定線が延伸する方向を第1方向、前記第2金属部材における前記接合予定線を含む主面内において、前記第1方向に交差する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向の双方に対して交差する方向を第3方向とするとき、以下の特徴を有する。
前記レーザー光は、前記第3方向の一方側から前記照射位置に対して照射される。
前記レーザー光走査ステップでは、前記レーザー光の照射位置を、前記第1方向及び前記第2方向に走査するとともに、前記第2方向には往復動させ、且つ、前記第2方向の走査における前記往復動に係る中心を前記第2金属部材の側にオフセットした状態で走査する。
上記態様では、レーザー光走査ステップにおいて、前記第2方向の走査における前記往復動に係る中心を前記第2金属部材の側にオフセットした状態で走査させることとしているので、融点が高い第1金属材料からなる第1金属部材の側へのレーザー光の照射が抑えられる。このため、ロウ材供給ステップにおいて、第1金属部材と第2金属部材との突合せ位置にロウ材を供給してロウ付けした際にも、スパッタやブローホールの発生を抑えることができる。
また、上記のようにレーザー光の照射位置の前記中心を第2金属部材側にオフセットすることにより、第1金属部材に対するレーザー光からのエネルギ密度を低くし、第1金属部材が溶融してロウ材との間で金属間化合物が生成されるのを抑制することができる。このため、高い接合強度を確保することができる。
従って、上記態様に係る異種金属部材の接合方法では、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合方法は、上記方法において、前記レーザー光走査ステップでは、前記第2方向における前記レーザー光の照射位置を、前記第2金属部材の側に限定して走査する。
上記態様では、レーザー光走査ステップの実行により、レーザー光を融点が高い第1金属部材には照射しないこととしているので、第1金属部材の溶融を抑制し、当該第1金属部材とロウ材との金属間化合物が生成されるのをより確実に抑制することができる。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合方法は、上記方法において、前記レーザー光走査ステップは、テーブル移動サブステップと、レーザー光偏向サブステップと、を有する。
前記テーブル移動サブステップでは、前記第1金属部材及び前記第2金属部材が載置されるテーブルを、前記第1方向に移動する。
前記レーザー光偏向サブステップでは、前記レーザー光の光路中に介設された揺動ミラーを揺動させ、当該揺動により前記レーザー光の照射位置を前記第2方向に偏向する。
上記態様では、テーブル移動サブステップでの第1方向へのテーブルの移動と、レーザー光偏向サブステップでの揺動ミラーの揺動による第2方向へのレーザー光の偏向とにより、レーザー光の照射位置を第1方向及び第2方向に走査することができる。このような構成を有する接合方法では、簡易にレーザー光の走査を2次元的に実施することができ、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得るのに優位である。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合方法は、上記方法において、前記レーザー光走査ステップでは、前記レーザー光の照射位置を前記第1方向及び前記第2方向を含む仮想面内で旋回するよう走査する。
上記態様では、レーザー光走査ステップにおいて、レーザー光の照射位置を旋回させるようにしているので、局所的にレーザー光からのエネルギ密度が高くなる箇所が生じるのを抑制することができる。このため、第2金属部材及びロウ材の溶融について、より安定したものとすることができ、高い接合強度を得るのに優位である。
本発明の別態様に係る異種金属部材の接合方法は、上記方法において、前記ロウ材供給ステップでは、フラックス入りのロウ材を供給する。
上記態様では、ロウ材供給ステップにおいて、フラックス入りのロウ材を供給することにより、第1金属部材及び第2金属部材に対する濡れ性の向上と、酸化の抑制とを実現することができる。また、上記態様では、ロウ材供給ステップでフラックス入りのロウ材を用いながら、上記のようなレーザー光の照射を行うことにより、フラックスのガス化を抑制することができ、スパッタやブローホールの発生を抑制することができる。
上記の各態様では、レーザー光を用いたロウ付けによる異種金属の接合において、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる。
第1実施形態に係る接合装置1の構成を示す模式図である。 接合装置1を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN1を示す模式平面図である。 接合装置1におけるレーザー光偏向部12の構成を示す模式図である。 第1金属部材80及び第2金属部材81の突合せ部分の構成を示す模式斜視図である。 ロウ材82の構成を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光の照射位置の走査軌跡LSCN2を示す模式平面図である。 第3実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光の照射位置の走査軌跡LSCN3を示す模式平面図である。 第4実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光の照射位置の走査軌跡LSCN4を示す模式平面図である。 第5実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光の照射位置の走査軌跡LSCN5を示す模式平面図である。 第6実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材83と第2金属部材84との接合において、レーザー光の照射位置の走査軌跡LSCN6を示す模式平面図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一態様であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[第1実施形態]
1.接合装置1の概略構成
本実施形態に係る接合装置1の概略構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、接合装置1は、レーザー光発振手段であるレーザー光発振器10と、発振されたレーザー光を導光する導光部11と、導光部11により導光されたレーザー光の照射位置をX方向に偏向するレーザー光偏光部12と、ロウ材82を供給するロウ材供給部13と、接合対象である第1金属部材80及び第2金属部材81を載置するテーブル14と、レーザー光発振器10及びレーザー光偏光部12及びロウ材供給部13及びテーブル14の駆動制御を行うコントローラ15と、を備える。
接合装置1で採用されるレーザー光LBは、COレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LD励起固体レーザー、ファイバーレーザーから選択されるレーザー光である。
導光部11は、例えば、光ファイバーを有し構成されており、レーザー光発振器10で発振されたレーザー光をレーザー光偏光部12に導光する。レーザー光偏光部12の構成については、後述する。
ロウ材供給部13は、ワイヤ状のロウ材82を巻回するロール部130と、ロウ材82を第1金属部材80と第2金属部材81との突合せ部分に設けられた溝部GRに供給するフィーダー部131と、を有する。換言すると、ロウ材供給部13から繰り出されたロウ材82は、第1金属部材80と第2金属部材81との接合予定線(溝部GR)に供給される。
テーブル14は、位置が固定されたベース140と、当該ベース140上において紙面に垂直な方向に移動自在の可動部141と、を有する。第1金属部材80及び第2金属部材81は、互いに突合わされた状態で可動部141の+Z側上面に載置されている。第1金属部材80及び第2金属部材81は、互いの突合せ状態が維持されたまま、可動部141の移動に伴い、紙面に垂直な方向に移動自在となっている。
レーザー光LBは、レーザー光偏光部12から−Z側に向けて出射され、溝部GR及びその近傍に対して照射される。
2.レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN1
接合装置1におけるレーザー光LBの走査軌跡LSCN1について、図2を用い説明する。図2は、接合装置1を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN1を示す模式平面図である。
図2に示すように、接合装置1においては、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN1は、旋回しながら−Y側に向けて延びる。これは、レーザー光偏光部12によるX方向への走査と、テーブル14の可動部141のY方向への移動(矢印V)に伴う走査との合成により構成される。換言すると、本実施形態では、テーブル14とレーザー光偏光部12とにより、レーザー光走査手段が構成されている。そして、コントローラ15は、テーブル14とレーザー光偏光部12とからなるレーザー光走査手段に対して指令を発し、図2に示すような走査軌跡LSCN1を採るようレーザー光の照射位置を走査させる。
レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN1は、その旋回中心LC1が、溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけオフセットされている。換言すると、レーザー光LBの照射位置は、X方向には往復動されており、当該往復動に係る中心(旋回中心LC1)が第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけオフセットされている。
ここで、本実施形態において、第1金属部材80は鉄を含む合金材料(例えば、炭素鋼)であり、第2金属部材81はアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)である。第1金属部材80を構成する金属材料は、第2金属部材81を構成する金属材料よりも融点が高い。
また、レーザー光LBは、第1金属部材80に照射されないようになっており、照射位置の走査軌跡LSCN1は、−X側の旋回端LE1が溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけ離れた位置となっている。
なお、ロウ材82は、第1金属部材80と第2金属部材81との突合せ部分(接合予定部分)に設けられた溝部GRに嵌まり込むように供給され、レーザー光LBの熱により溶融し、冷えることにより固化する。
3.レーザー光偏光部12の構成
接合装置1におけるレーザー光偏光部12の構成について、図3を用い説明する。図3は、レーザー光偏光部12の構成を示す模式図である。
図3に示すように、レーザー光偏光部12は、コリメータ部120と、ミラー121と、揺動ミラー122と、集光部123と、ノズル124と、を有する。コリメータ部120は、コリメータレンズを含み構成されており、導光部11の端部から出射されたレーザー光LBを平行光とする部分である。
ミラー121は、コリメータ部120の通過により平行光とされたレーザー光LBを、揺動ミラー122に向けて反射する。揺動ミラー122は、コントローラ15からの指令に従って、矢印で示すように揺動する。これにより、レーザー光LBは、X方向に往復動するように走査される。
集光部123は、集光レンズを有する。そして、揺動ミラー122の揺動に従って走査されたレーザー光LBは、集光部123で集光され、ノズル124内を通過して−Z側に出射される。
ここで、集光部123で集光されたレーザー光LBは、その光軸CLBがX方向に走査される。当該光軸CLBの走査は、コントローラ15からの指令に従うものであり、テーブル14の移動と連動するものである。これにより、レーザー光LBは、図2に示すような走査軌跡LSCN1を描くように照射位置が規定される。
4.第1金属部材80及び第2金属部材81の突合せ部分
第1金属部材80及び第2金属部材81の突合せ部分の構成について、図4を用い説明する。図4は、第1金属部材80及び第2金属部材81の突合せ部分を拡大して示す模式斜視図である。
図4に示すように、第1金属部材80は、第2金属部材81との突合せ部分において、+Z側の上端部80aがR加工されている(矢印Rで指し示す部分)。また、第1金属部材80では、上端部80aよりも−Z側の端面80bがZ方向に略沿うように切り立っている。
一方、第2金属部材81は、第1金属部材80との突合せ部分において、+Z側の部分がテーパーカットされており、斜面81aが形成されている。斜面81aのテーパー角θは、20°〜60°程度であり、本実施形態では、一例として、θ=40°としている。
上記のような構成により、第1金属部材80と第2金属部材81との突合せ部分には、開口幅がWGRの溝部GRが形成される。そして、+Z側から照射されるレーザー光LBを、図2に示すような走査軌跡LSCN1を採るのに加え、第1金属部材80の端面80bを、図4に示すような切り立った形状としているので、レーザー光LBは、第2金属部材81にだけ照射され、第1金属部材80に照射されないようになっている。
よって、本実施形態では、第1金属部材80は溶融することがなく、第2金属部材81及びロウ材82(図1,2を参照。)が溶融することになる。ただし、第1金属部材80についても、第2金属部材81の溶融温度以上であって、該第1金属部材80の溶融温度未満の温度まで温度上昇させることができるので、溶融したロウ材82により強固な接合がなされる。
5.ロウ材82の構成
本実施形態に係る接合装置1で用いるロウ材82の構成について、図5を用い説明する。図5は、ロウ材82の構成を示す模式断面図である。
図5に示すように、ロウ材82は、アルミニウム系の材料からなる合金部820と、合金部820に内包されたフラックス部821とから構成されている。そして、ロウ材82の径DBMは、第1金属部材80と第2金属部材81との突合せ部分に設けられた溝部GRの断面積に応じて規定されているとともに、溝部GRの開口幅WGR以下で規定されている。
本実施形態において、合金部820は、例えば、Al−Si系の合金から形成されている。また、フラックス部821は、例えば、KAlF、KAlF、HO等を含む材料から形成されている。
なお、本実施形態では、フラックス入りのロウ材82を用いることにより、高い濡れ性を得ることができ、高い接合強度を得るのに優位である。
6.効果
本実施形態に係る接合装置1を用いた異種金属部材の接合では、レーザー光LBの照射位置を、X方向における往復動に係る中心(旋回中心LC1)を第2金属部材81の側(+X側)にオフセットした状態で走査させるので、融点が高い第1金属材料からなる第1金属部材80の側へレーザー光LBが直接照射されるのが抑えられる。このため、第1金属部材80と第2金属部材81との接合予定線である突合せ位置(溝部GR)にロウ材82を供給してロウ付けした際にも、スパッタやブローホールの発生を抑えることができる。
また、上記のようにレーザー光LBの照射位置を第2金属部材81の側(+X側)にオフセットすることにより、第1金属部材80に対するレーザー光からのエネルギ密度を低くし、第1金属部材80が溶融してロウ材82との間で金属間化合物が生成されるのを抑制することができる。このため、高い接合強度を確保することができる。
従って、本実施形態に係る接合装置1を用いた異種金属部材の接合においては、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる。
さらに、本実施形態では、レーザー光LBの照射位置を、第1金属部材80への照射を防止し、第2金属部材81の側に限定するように、走査軌跡LSCN1を設定しているので(図2を参照)、第1金属部材80が溶融してロウ材82との間で金属間化合物が生成されるのをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、テーブル14によるY方向への移動と、レーザー光偏光部12における揺動ミラー122の揺動によりX方向へのレーザー光LBの偏向とにより、レーザー光LBの照射位置をX−Y面で旋回するように走査することができる(走査軌跡LSCN1)。このような構成を採用することにより、接合装置1を用いた異種金属部材の接合では、簡易な構成を以って、レーザー光LBの走査を2次元的(X−Y面)に実施することができ、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得るのに優位である。
また、本実施形態では、レーザー光LBの照射位置を図2に示すように旋回させるようにしているので、局所的にレーザー光LBからのエネルギ密度が高くなる箇所が生じるのを抑制することができる。このため、第2金属部材81及びロウ材82の溶融について、より安定したものとすることができ、高い接合強度を得るのに優位である。
また、本実施形態では、第1金属部材80が鉄又は鉄を含む合金からなる部材(本実施形態では、一例として炭素鋼)であり、第2金属部材81がアルミニウム又はアルミニウムを含む合金からなる部材(本実施形態では、一例としてアルミニウム合金)である場合でも、上記のような走査軌跡LSCN1でのレーザー光LBの照射を行うことにより、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得ることができる。
また、本実施形態では、フラックス部821を含むロウ材82を用いることにより、濡れ性の向上と、酸化の抑制とを実現することができる。また、本実施形態では、フラックス入りのロウ材82を用いながら、上記のような走査軌跡LSCN1を以ってレーザー光LBの照射を行うことにより、フラックスのガス化を抑制することができ、スパッタやブローホールの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、第2金属部材81における突合せ端面がテーパーカットされてなる斜面81aとされているので、照射されたレーザー光LBを高効率に受光することができ、素早く第2金属部材81の温度上昇を図ることができる。このため、第1金属部材80の温度が過度に上昇しない間に、第2金属部材81の温度上昇を図り、ロウ材82を介した接合が良好なものとなる。
また、本実施形態では、第1金属部材80の端面80bが第2金属部材81の斜面81aより切り立った構成としている(本実施形態では、垂直に切り立った構成としている)ので、レーザー光LBが第1金属部材80の端面80bに照射され難くすることができる。よって、第1金属部材80の溶融を避けることができ、ロウ材82と第1金属部材80との金属間化合物の生成を抑制することができる。よって、本実施形態では、スパッタやブローホールの発生を回避しながら、高い接合強度を得るのに更に優位である。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る接合装置及び接合方法について、図6を用い説明する。図6は、第2実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN2を示す模式平面図である。
なお、本実施形態において、上記第1実施形態との差異点は、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN2にあり、他の構成並びに方法についての重ねての説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態に係る接合装置においても、レーザー光LBの走査軌跡LSCN2は、旋回しながら−Y側に向けて延びる。ただし、本実施形態では、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN2が、平面視において、上記第1実施形態のレーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN1とは逆回りの左回りとなっている。
そして、本実施形態においても、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN2は、X方向における往復動に係る中心(旋回中心LC2)が、溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけオフセットされている。また、本実施形態においても、レーザー光LBは、第1金属部材80に照射されないようになっており、走査軌跡LSCN2は、−X側の旋回端LE2が溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけ離れた位置となっている。
本実施形態においては、上記第1実施形態とはレーザー光LBの照射位置の旋回方向は逆であるが、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、旋回方向を左回りとすることにより、第1金属部材80に近い側でのレーザー光LBの走査速度を相対的に速くし、第1金属部材80から離れた領域でのレーザー光LBの走査速度を相対的に遅くしている。これより、第1金属部材80の過度の温度上昇が抑制され、ロウ付け時におけるスパッタやブローホールの発生をより効果的に回避することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る接合装置及び接合方法について、図7を用い説明する。図7は、第3実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN3を示す模式平面図である。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態及び上記第2実施形態との差異点は、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN3にあり、他の構成並びに方法についての重ねての説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態に係る接合装置においては、レーザー光LBの走査軌跡LSCN3が、−Y側に向けて鋭角な折り返しでジグザグ状に延びる。このため、本実施形態に係るレーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN3では、交差する箇所が存在しない。
そして、本実施形態においても、レーザー光LBの走査軌跡LSCN3は、X方向における往復動に係る中心LC3が、溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけオフセットされている。また、本実施形態においても、レーザー光LBは、第1金属部材80に照射されないようになっており、走査軌跡LSCN3は、−X側の折り返し端LE3が溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけ離れた位置となっている。
本実施形態においては、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN3の差異はあるものの、上記第1実施形態及び上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、走査軌跡LSCN3を図7に示すようなジグザグ状としているので、走査軌跡LSCN3における互いの交差部分ができるのを防止することができる。これより、第2金属部材81に対するレーザー光LBからのエネルギ密度のバラツキを抑制することができ、第2金属部材81におけるより均一な温度上昇を図ることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る接合装置及び接合方法について、図8を用い説明する。図8は、第4実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN4を示す模式平面図である。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態から上記第3実施形態との差異点は、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN4にあり、他の構成並びに方法についての重ねての説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態に係る接合装置においては、レーザー光LBの走査軌跡LSCN4が、連続したクランク状に−Y側に向けて延びる。このため、本実施形態に係るレーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN3では、交差する箇所が存在しない。
そして、本実施形態においても、レーザー光LBにおける照射位置の走査軌跡LSCN4は、X方向における往復動に係る中心LC4が、溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけオフセットされている。また、本実施形態においても、レーザー光LBは、第1金属部材80に照射されないようになっており、走査軌跡LSCN4は、−X側の折り返し端LE3が溝部GRの−X側端部LGRに対して、第2金属部材81側(+X側)に距離Wだけ離れた位置となっている。
本実施形態においては、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN4が連続したクランク状であるが、上記第1実施形態等と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、走査軌跡LSCN3を旋回とせず、連続したクランク状としているので、上記第3実施形態と同様に、走査軌跡LSCN4における互いの交差部分ができるのを防止することができ、第2金属部材81に対するレーザー光LBからのエネルギ密度のバラツキを抑制することができ、より均一な温度上昇を図ることができる。
さらに、本実施形態では、走査軌跡LSCN4を連続したクランク状としているので、上記第3実施形態に比べて、X方向に延びる部分同士の間隔が等間隔であり、レーザー光LBからのエネルギ密度の分布がより均一である。よって、本実施形態では、第2金属部材81に対して、より均一な温度上昇を図ることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る接合装置及び接合方法について、図9を用い説明する。図9は、第5実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材80と第2金属部材81との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN5の一部を抜き出して示す模式平面図である。
なお、本実施形態においては、上記第4実施形態との差異点は、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN5における走査速度にあり、他の構成並びに方法についての重ねての説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態に係る接合装置を用いた異種金属部材80,81の接合においても、上記第4実施形態と同様に、連続したクランク状の走査軌跡LSCN5を以ってレーザー光LBの照射位置を走査する。
本実施形態においては、走査の向きがY方向である場合において、溝部GR内を走査する場合(ポイントP21からポイントP22に至る区間での走査)と、溝部GRから離れた領域を走査する場合(ポイントP11からポイントP12に至る区間での走査)と、で走査速度V,Vを変更している。具体的には、ポイントP11からポイントP12に至る走査に係る速度をVとし、ポイントP11からポイントP12に至る走査に係る速度をVとするとき、次の関係を満たすようにしている。
[数1]V<V
(数1)の関係は、コントローラ15がレーザー光LBの照射位置に対応して、テーブル14における可動部141の移動速度Vを可変することにより実現できる。
本実施形態に係る接合装置を用いた異種金属部材80,81の接合では、レーザー光LBの走査速度をVとVというように、照射領域に応じてテーブル14の移動速度Vを可変とすることにより、融点が高い第1金属部材80に近い領域でのエネルギ密度を低くし、当該第1金属部材80の過度の温度上昇を更に確実に抑制することが可能となる。
[第6実施形態]
第6実施形態に係る接合装置及び接合方法について、図10を用い説明する。図10は、第6実施形態に係る接合装置を用いた第1金属部材83と第2金属部材84との接合において、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN6を示す模式平面図である。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態等と同様の構成並びに方法についての重ねての説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態では、角丸矩形であって、内方に楕円形の孔部が設けられた第2金属部材84と、第2金属部材84に設けられた孔部に合致する形状を有する第1金属部材83との接合を行うものである。
図10に拡大部分に示すように、本実施形態においても、第1金属部材83と第2金属部材84との突合せ部分に溝部GRが設けられている。溝部GRは、平面視で楕円形状をしている。
第2金属部材84では、溝部GRに面する部分が斜面状にテーパーカットされており、第1金属部材83では、溝部GRに面する端面が切り立っている。これらについては、上記第1実施形態等と同じである。
図10に示すように、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN6は、第1金属部材83と第2金属部材84との突合せ面に沿うように、楕円形状を描いている。そして、本実施形態においても、走査軌跡LSCN6は、溝部GRを内縁として旋回するものであり、第1金属部材83にはレーザー光LBが直接照射されないようになっている。
本実施形態においても、レーザー光LBの照射位置の走査軌跡LSCN6を、図10に示すような軌跡とすることにより、上記第1実施形態等と同様の効果を得ることができる。
[変形例]
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、レーザー光偏向部12によるレーザー光LBの偏向と、テーブル14の可動部141の可動とを連動することにより、各走査軌跡LSCN1〜LSCN6でのレーザー光LBの照射を行うこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、接合対象である金属部材を載置するテーブルを固定しておき、レーザー光偏向部でX−Yの2次元的に操作することができるようにもできる。また、逆に、レーザー光LBの照射位置を固定しておき、テーブルをX−Yの2次元移動させることとしてもよい。
また、レーザー光LBの照射位置の走査には、マイクロミラーアレイなどを用いることも可能である。この場合、コントローラからマイクロミラーアレイの各ミラー素子に対して指令を送るようにすれば所望の軌跡でレーザー光LBの照射位置を走査させることができる。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、第1金属部材81,83における溝部GRを臨む端面80bについて、Z方向に沿って切り立った面としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。多少のテーパー角を持った斜面とすることができる。ただし、第2金属部材81,84の斜面81aよりも切り立った状態としておくことがレーザー光LBの照射における差異を設ける上で望ましい。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、融点が高い第1金属材料からなる第1金属部材80,83に対してはレーザー光LBを照射しないこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。第2金属部材81,84に対するレーザー光LBの照射に対して、相対的に低いエネルギ密度となるように、第1金属部材80,83に対してレーザー光LBを照射することとしてもよい。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、融点が高い第1金属材料の一例として炭素鋼を採用し、融点が低い第2金属材料の一例としてアルミニウム合金を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。本発明では、相対的に融点が高い第1金属材料からなる第1金属部材と、相対的に融点が低い第2金属材料からなる第2金属部材と、の接合に上記構成の接合装置1を用い接合を行うこととすれば、上記同様の効果を得ることができる。
例えば、マグネシウム(Mg)を含む材料(例えば、Mg合金)からなる部材とアルミニウム(Al)を含む材料(例えば、Al合金)からなる部材との接合や、Mgを含む材料(Mg合金)からなる部材と、鉄を含む材料(例えば、炭素鋼)からなる部材との接合や、チタン(Ti)を含む材料(例えば、Ti合金)からなる材料とAlを含む材料(例えば、Al合金)からなる部材との接合などについても、上記接合装置1を用いた接合により上記同様の効果を得ることができる。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、ロウ材82としてフラックス入りのロウ材を用いることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、フラックスレスでの接合でも、上記効果の内の少なくとも一部を得ることができるし、ロウ材とは別にフラックスを接合部分に供給するようにしてもよい。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、揺動ミラー122の揺動によりレーザー光LBをX方向に走査することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、2つのプリズムの組み合わせによってレーザー光LBを偏向させることもできる。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、第1金属部材80,83と第2金属部材81,84との突合せ面、即ち、接合予定線がX−Y面方向に2次元的に延びることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、接合予定線がX−Y−Zの3次元的に延びる場合にも、上記構成の採用が可能であり、上記同様の効果を得ることができる。
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、第1金属部材80,83と第2金属部材81,84との端面同士を突合せ、当該突合せ部分を接合する(接合予定線とする)こととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、第1金属部材の主面上に第2金属部材を重ね合わせ、当該重ね合わせにより形成される境界部分を接合予定線とすることができる。この場合においても、上記構成を有する接合装置1を用いて接合することにより、上記同様の効果を得ることができる。
1 接合装置
10 レーザー光発振器
12 レーザー光偏向部
13 ロウ材供給部
14 テーブル
15 コントローラ
80,83 第1金属部材
81,84 第2金属部材
82 ロウ材
122 揺動ミラー
141 可動部
821 フラックス部

Claims (13)

  1. 互いに融点の異なる金属材料からなる第1金属部材と第2金属部材とを、ロウ付けにより接合する接合装置において、
    レーザー光を発振するレーザー光発振手段と、
    前記レーザー光発振手段から発振された前記レーザー光の照射位置を走査するレーザー光走査手段と、
    前記第1金属部材と前記第2金属部材との接合予定線に沿ってロウ材を供給するロウ材供給手段と、
    前記レーザー光走査手段を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記第1金属部材を構成する第1金属材料の融点は、前記第2金属部材を構成する第2金属材料の融点よりも高く、
    前記接合予定線が延伸する方向を第1方向、前記第2金属部材における前記接合予定線を含む主面内において、前記第1方向に交差する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向の双方に対して交差する方向を第3方向とするとき、
    前記レーザー光は、前記第3方向の一方側から前記照射位置に対して照射され、
    前記コントローラは、前記レーザー光走査手段に対して、前記レーザー光の照射位置を、前記第1方向及び前記第2方向に走査させるとともに、前記第2方向には往復動させ、且つ、前記第2方向の走査における前記往復動に係る中心を前記第2金属部材の側にオフセットした状態で走査させる、
    異種金属部材の接合装置。
  2. 請求項1記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記コントローラは、前記レーザー光走査手段に対して、前記第2方向における前記レーザー光の照射位置を、前記第2金属部材の側に限定して走査させる、
    異種金属部材の接合装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記レーザー光走査手段は、
    前記第1金属部材及び前記第2金属部材が載置され、前記第1方向に移動自在のテーブルと、
    前記レーザー光の光路中に介設された揺動ミラーを有し、当該揺動ミラーの揺動により、前記レーザー光の照射位置を前記第2方向に偏向するレーザー光偏向部と、
    を有する、
    異種金属部材の接合装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記コントローラは、前記レーザー光走査手段に対して、前記レーザー光の照射位置を前記第1方向及び前記第2方向を含む仮想面内で旋回するよう走査させる、
    異種金属部材の接合装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記第1金属材料は、鉄又は鉄を含む合金であり、
    前記第2金属材料は、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金である、
    異種金属部材の接合装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記ロウ材は、フラックス入りのロウ材である、
    異種金属部材の接合装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記第1金属部材と前記第2金属部材とは突合せられ、当該突合せ部が前記接合予定線を構成し、
    前記第2金属部材は、前記第1金属部材との突合せ側の第2端面が、前記第3方向における前記レーザー光の入射側が斜面状にテーパーカットされている、
    異種金属部材の接合装置。
  8. 請求項7記載の異種金属部材の接合装置であって、
    前記第1金属部材は、前記第2金属部材との突合せ側の第1端面が、前記第2端面よりも切り立っている、
    異種金属部材の接合装置。
  9. 互いに融点の異なる金属材料からなる第1金属部材と第2金属部材とを、ロウ付けにより接合する接合方法において、
    レーザー光を発振するレーザー光発振ステップと、
    前記レーザー光発振ステップにおいて発振された前記レーザー光の照射位置を走査するレーザー光走査ステップと、
    前記第1金属部材と前記第2金属部材との接合予定線に沿ってロウ材を供給するロウ材供給ステップと、
    を備え、
    前記第1金属部材を構成する第1金属材料の融点は、前記第2金属部材を構成する第2金属材料の融点よりも高く、
    前記接合予定線が延伸する方向を第1方向、前記第2金属部材における前記接合予定線を含む主面内において、前記第1方向に交差する方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向の双方に対して交差する方向を第3方向とするとき、
    前記レーザー光は、前記第3方向の一方側から前記照射位置に対して照射され、
    前記レーザー光走査ステップでは、前記レーザー光の照射位置を、前記第1方向及び前記第2方向に走査するとともに、前記第2方向には往復動させ、且つ、前記第2方向の走査における前記往復動に係る中心を前記第2金属部材の側にオフセットした状態で走査する、
    異種金属部材の接合方法。
  10. 請求項9記載の異種金属部材の接合方法であって、
    前記レーザー光走査ステップでは、前記第2方向における前記レーザー光の照射位置を、前記第2金属部材の側に限定して走査する、
    異種金属部材の接合方法。
  11. 請求項9又は請求項10記載の異種金属部材の接合方法であって、
    前記レーザー光走査ステップは、
    前記第1金属部材及び前記第2金属部材が載置されるテーブルを、前記第1方向に移動するテーブル移動サブステップと、
    前記レーザー光の光路中に介設された揺動ミラーを揺動させ、当該揺動により前記レーザー光の照射位置を前記第2方向に偏向するレーザー光偏向サブステップと、
    を有する、
    異種金属部材の接合方法。
  12. 請求項9から請求項11の何れか記載の異種金属部材の接合方法であって、
    前記レーザー光走査ステップでは、前記レーザー光の照射位置を前記第1方向及び前記第2方向を含む仮想面内で旋回するよう走査する、
    異種金属部材の接合方法。
  13. 請求項9から請求項12の何れか記載の異種金属部材の接合方法であって、
    前記ロウ材供給ステップでは、フラックス入りのロウ材を供給する、
    異種金属部材の接合方法。
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